JP4407508B2 - 内燃機関のアイドル回転数制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、このような問題を解決できる内燃機関のアイドル回転数制御装置を提供することを目的とする。
図1は本発明の一実施形態を示す内燃機関(ここではディーゼルエンジン)のシステム図である。
ディーゼルエンジン1の吸気通路2には過給機(ターボチャージャ)3の吸気コンプレッサが備えられ、吸入空気は吸気コンプレッサによって過給され、インタークーラ4で冷却され、吸気絞り弁5を通過した後、コレクタ6を経て、各気筒の燃焼室内へ流入する。燃料は、コモンレール式燃料噴射装置により、すなわち、高圧燃料ポンプ7により高圧化されてコモンレール8に送られ、各気筒の燃料噴射弁9から燃焼室内へ直接噴射される。燃焼室内に流入した空気と噴射された燃料はここで圧縮着火により燃焼し、排気は排気通路10へ流出する。
また、排気通路10の排気タービン下流には、排気浄化のため、三元触媒にNOxトラップ材を添加してなり、排気空燃比がリーンのときに排気中のNOxをトラップし、トラップしたNOxを排気空燃比がストイキないしリッチのときに脱離浄化することのできるNOxトラップ触媒13を配置してある。
コントロールユニット20には、エンジン1の制御のため、エンジン回転数Ne検出用の回転数センサ21、アクセル開度APO検出用のアクセル開度センサ22、吸入空気量Qa検出用のエアフローメータ23、エンジン冷却水温Tw検出用の水温センサ24、吸気温(コレクタ6内の吸気温)Ta検出用の吸気温センサ25から、信号が入力されている。
ここにおいて、コントロールユニット20では、アイドル運転条件にて、エンジン回転数Neを目標アイドル回転数に制御するアイドル回転数制御を実行するようにしており、かかるアイドル回転数制御について、以下に詳細に説明する。
ところで、図2は、燃料噴射量Qf=一定の条件での、空気過剰率とエンジントルクとの関係を示しており、通常、ディーゼルエンジンで使用するリーン領域(空気過剰率が所定値#LAMBより大きい領域)では、燃料噴射量が一定であれば、空気過剰率を変化させてもエンジントルクは変化せず、燃料噴射量がトルクに支配的となる。従って、高λのの領域では、燃料噴射量によるアイドル回転数制御を行うのが望ましい。
そこで本発明では、特に低λの領域にて、燃焼開始時期のフィードバック制御によってアイドル回転数制御を行う。この場合、燃焼開始時期を早めるように制御することで、エンジントルクを上昇でき、燃焼開始時期を遅くするように制御することで、エンジントルクを減少させることができる。
具体的には、空気過剰率を増大させること(リーン化)で、燃焼開始時期を早め、エンジントルクを増大させることができ、逆に、空気過剰率を低下させること(リッチ化)で、燃焼開始時期を遅らせ、エンジントルクを減少させることができる。
このような背景の下に、第1実施形態(図3のフロー)では、空気過剰率を制御することで燃焼開始時期を制御して、アイドル回転数を制御し、第2実施形態(図4のフロー)では、燃料噴射時期を制御することで燃焼開始時期を制御して、アイドル回転数を制御する。
S1では、各種センサの信号を読込み、エンジン回転数Ne、アクセル開度APO、吸入空気量Qa、水温Tw、吸気温Taなどを検出する。
S2では、エンジン水温Twなどに応じ、目標アイドル回転数Nsを設定する。
目標λ>#LAMBの場合は、エンジントルクに対し燃料噴射量が支配的となるため、S4へ進んで、燃料噴射量による通常のアイドル回転数制御を実施する。すなわち、エンジン回転数Neが目標アイドル回転数Nsより低ければ、燃料噴射量Qfを増量補正して、エンジントルクを増大し、エンジン回転数Neが目標アイドル回転数Nsより高ければ、燃料噴射量Qfを減量補正して、エンジントルクを減少させることで、エンジン回転数Neを目標アイドル回転数Nsに一致させる。
S5では、エンジン回転数Neと目標アイドル回転数Nsとの大小を比較する。
S5での比較の結果、エンジン回転数Neが目標アイドル回転数Nsより低い場合(Ne<Nsの場合)は、先ず、S6へ進む。
次に、S7へ進み、フィードバック補正量FBを吸気温Taで補正する。すなわち、吸気温Taが低い場合は、燃焼開始時期を早期化するために、目標λをより増大させる必要があるため、吸気温Taが低いほど、フィードバック補正量FBをより大きくするように補正する。
目標λ=目標λ+FB
目標λを増大方向(燃焼開始時期の早期化によるエンジントルク増大方向)に補正・更新する。
S9では、エンジン回転数Neと目標アイドル回転数Nsとの偏差(Ne−Ns)に応じた分、目標λを、燃焼開始時期の遅角化によるエンジントルク減少方向(λ低下方向)に補正するための、フィードバック補正量FB=f(Ne−Ns)を算出する。
次に、S11へ進み、次式のごとく、目標λ(エンジン回転数Neと燃料噴射量Qfとから定められる値、又は前回値)からフィードバック補正量FBを減算することで、
目標λ=目標λ−FB
目標λを低下方向(燃焼開始時期の遅角化によるエンジントルク減少方向)に補正・更新する。
S21〜S24は、図3のS1〜S4と同じであるので、説明を省略し、S23での判定で、目標λ≦#LAMBの場合について説明する。
目標λ≦#LAMBの場合は、燃料噴射量のトルク感度が小さくなるため、燃焼開始時期(燃料噴射弁9の燃料噴射時期)によるアイドル回転数制御を実施すべく、S25へ進む。
S25での比較の結果、エンジン回転数Neが目標アイドル回転数Nsより低い場合(Ne<Nsの場合)は、先ず、S26へ進む。
S26では、目標アイドル回転数Nsとエンジン回転数Neとの偏差(Ns−Ne)に応じた分、燃料噴射時期ITを、燃焼開始時期の早期化によるエンジントルク増大方向(IT進角方向)に補正するための、フィードバック補正量FB=f(Ns−Ne)を算出する。
次に、S28へ進み、次式のごとく、燃料噴射時期IT(エンジン回転数Neと燃料噴射量Qfとから定められる値、又は前回値)にフィードバック補正量FBを加算することにより、
IT=IT+FB
燃料噴射時期ITを進角方向(燃焼開始時期の早期化によるエンジントルク増大方向)に補正・更新する。
S29では、エンジン回転数Neと目標アイドル回転数Nsとの偏差(Ne−Ns)に応じた分、燃料噴射時期ITを、燃焼開始時期の遅角化によるエンジントルク減少方向(IT遅角方向)に補正するための、フィードバック補正量FB=f(Ne−Ns)を算出する。
次に、S31へ進み、次式のごとく、燃料噴射時期IT(エンジン回転数Neと燃料噴射量Qfとから定められる値、又は前回値)からフィードバック補正量FBを減算することにより、
IT=IT−FB
燃料噴射時期ITを遅角方向(燃焼開始時期の遅角化によるエンジントルク減少方向)に補正・更新する。
また、前記所定値#LAMBは、燃料噴射量のみではなく、吸入空気量もエンジントルクに影響を及ぼすようになる空気過剰率とすることにより、許可領域を適切なものとすることができる。
尚、低λ領域にて、あるいはその一部にて、燃料噴射量のフィードバック制御と、燃焼開始時期(空気過剰率、燃料噴射時期)のフィードバック制御とを併用して、アイドル回転数制御を行うようにしてもよい。
2 吸気通路
3 過給機
5 吸気絞り弁
9 燃料噴射弁
10 排気通路
11 EGR通路
12 EGR弁
13 NOxトラップ触媒
14 DPF
20 コントロールユニット
21 回転数センサ
22 アクセル開度センサ
23 エアフローメータ
24 水温センサ
25 吸気温センサ
Claims (4)
- 目標アイドル回転数を設定する手段と、
エンジン回転数を検出する手段と、
エンジン回転数が目標アイドル回転数に一致するように燃焼開始時期をフィードバック制御する手段と、
エンジン回転数が目標アイドル回転数に一致するように燃焼噴射量をフィードバック制御する手段と、
を備え、
目標空気過剰率が所定値以下の場合に前記燃焼開始時期のフィードバック制御を行う一方、目標空気過剰率が前記所定値未満の場合に前記燃料噴射量のフィードバック制御を行うことを特徴とする内燃機関のアイドル回転数制御装置。 - 前記燃焼開始時期は、吸入空気量あるいは燃料噴射時期の少なくとも一方で制御することを特徴とする請求項1記載の内燃機関のアイドル回転数制御装置。
- 前記所定値は、燃料噴射量のみではなく、吸入空気量もエンジントルクに影響を及ぼすようになる空気過剰率であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の内燃機関のアイドル回転数制御装置。
- 前記燃焼開始時期のフィードバック補正量を吸気温に応じて可変とする手段を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関のアイドル回転数制御装置。
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