JP4407420B2 - 配水量予測装置 - Google Patents
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Description
図2において、1は取水施設で、河川、ダムなどより浄水施設へ水を供給する。2は浄水施設で、河川、ダムなどより取水した水から水質基準に適合した必要量の浄水を安定して供給するための施設である。3は配水池で各家庭、工場などで使用される上水は配水池より自然流下、ポンプなどにより需要家に配水される。4は需要家に配水された配水流量を測定する流量計、6はオペレータにより実績天候、予想天候、予想気温を入力する入力装置で、5は気温計である。
7は計測器によって測定された計測値及びオペレータの入力により収集した計測値を蓄積する計測値蓄積装置である。
8は平均変動パターン作成装置で、計測値蓄積装置7で蓄積された配水量を、曜日、時刻、天候によって層別して平均変動パターンを作成する。つまり、平均変動パターンは、各時刻単位の配水量を曜日毎の直近数日間の平均値から算出する。また、平均変動パターンの更新は、予測日により近い計測値を使用することを目的に毎日行う。しかし、配水量は、雨の影響を受けるため、雨天日の配水量は、平均変動パターンの更新に使用しない。
9は雨天日補正係数作成装置で、過去の配水量から雨天日と雨天日以外の配水量の平均値の比を各時刻単位に計算したものである。つまり、雨天日の平均変動パターンは、雨天日以外の平均変動パターンに雨天日補正係数を各時刻毎に乗じて求める。
10は、システム変数データ作成装置で、計測値蓄積装置7に記憶している計測値、平均変動パターン作成装置8で作成した平均変動パターン、雨天日補正係数作成装置9で作成した雨天日補正係数を入力して、天候、曜日の影響を除いたデータを作成する。配水量から平均変動パターンを引いた部分(以下、これを残差部分呼ぶ)と最高気温(1日の最高気温)を対象とするデータを作成する。残差部分のデータは、以下の式求められる。
Qst(n)=Qt(n)−Qave(n)・C(n) (n=1,2,3,・・・,24) ・・・(1)
但し、
n :時刻
Qst(n) :時刻nにおける残差部分の計測値
Qt(n) :時刻nにおける配水量
Qave(n) :時刻nにおける平均変動パターン
C(n) :時刻nにおける雨天日補正係数
11は、自己回帰モデル作成装置で、システム変数データ作成装置10で作成したデータを入力して自己回帰モデルを作成する。いま、時刻nにおけるプロセスの状態をk次元の全変数ベクトルX(n)、時刻nよりm時点前の全変数ベクトルをX(n-m)、白色ノイズベクトルをU(n)、自己回帰モデルの回帰係数をA(m)、自己回帰モデルの最適次数をMで表すと、その自己回帰表現は、
従って自己回帰モデルの作成とは、自己回帰係数、白色ノイズベクトルの分散および自己回帰モデルの最適次数決定に帰結される。自己回帰係数A(m)は、要素をAij(m)とし、次の連立方程式をi=1,2,3,・・・・,kについて解くことにより求められる。但し、Xi、Xjの相互分散をRij(l)、自己回帰係数の要素をAij(m)とすると
12は残差部分の予測値演算装置で、自己回帰モデル作成装置11で作成した自己回帰モデルとシステム変数データ作成装置10で作成したデータから統計的に類推可能な残差部分の24時間予測を演算する。自己回帰モデルを用いた時の24時間予測は次のように表される。
Qst(n)p :時刻nにおける残差部分の予測値
Qst(n) :時刻nにおける残差部分の計測値
Temp(n) :時刻nの最高気温
A11(m) :残差部分の予測値に対する残差部分の自己回帰係数
A12(m) :残差部分の予測値に対する最高気温の自己回帰係数
しかし、1点先以上の予測が必要なため、1点先以上の予測には、残差部分は予測値を使用し、最高気温は予想最高気温を使用する。
このようにして得られた残差部分の予測値Qst(0)p,Qst(1)p・・・・Qst(23)pを予測値演算装置13に出力する。
13は、配水量予測値演算装置で、予測日の天候、曜日、時刻から予測日に該当する平均変動パターンを選択し、直近の配水量、最高気温、予想最高気温から求めた残差部分の予測値との和を配水量予測値とする。配水量予測式は、(7)式のように決定される。
Qt(n)p=Qst(n)p+Qave(n)・C(n) (n=1,2,3,・・・,24)・・・(7)
但し、Qt(n)p:予測配水量
このように、従来の配水量予測装置は、火災や積雪時などの異常日データの処理を行わずに配水量を予測するのである。また、平均変動パターンは、晴天日のみ抽出しパターンを作成するのである。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、異常日データを処理するとともに平均変動パターンに雨天日のデータを取り込むようにし、予測精度の悪化を防ぐとともに精度が向上することができる配水量予測装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、河川から取水施設、浄水施設を経て需要家に配水する浄水を貯水する配水施設3からの配水量を測定する流量計4と、実績天候、予想天候、予想気温の予想データを入力する入力装置5と、気温を計測する気温計6と、計測値を蓄積する計測値蓄積装置7と、配水量を曜日、時刻、天候によって層別する平均変動パターン作成装置8と、過去の配水量から雨天日と雨天日以外の配水量の平均値の比を各時刻単位に計算する雨天日補正係数作成装置9と、前記配水量と前記平均変動パターンの差である残差部分と気温をシステム変数とするデータを作成するシステム変数データ作成装置10と、前記システム変数データ作成装置で作成したデータを入力して自己回帰モデルを作成する自己回帰モデル作成装置11と、前記自己回帰モデル作成装置で作成した自己回帰モデルと前記システム変数データ作成装置で作成したデータから統計的に類推可能な残差部分の24時間予測を演算する残差部分の予測値演算装置12と、予測日の天候、曜日、時刻から予測日に該当する平均変動パターンを選択し、直近の配水量、予想気温から求めた残差部分の予測値との和を配水量予測値とする配水量予測値演算装置13を備えた浄水場の配水量予測装置において、前記入力装置は、前記予想データに加えて異常日を入力し、前記平均変動パターン作成装置は、前記異常日を検出し削除する異常日削除手段を設け、前記システム変数データ作成装置は、前記削除された異常日を除く正常日のみで計算する正常日データ処理手段を設けたものである。
また、請求項2に記載の発明は、前記平均変動パターン作成装置に、雨天日の値に雨天日補正係数を除する雨天日補正手段を設けたものである。
図において、8は平均変動パターン作成装置、81は異常日修正手段、82は雨天日修正手段である。その他の符号は従来例と同じであるため説明を省略する。
入力装置5は、従来と同じくオペレータにより実績天候、予想天候、予想気温を入力するが、それに加え、災害、積雪時など通常の動きと異なる日をオペレータが判断し異常日を入力する。
平均変動パターン作成装置8は、計測値蓄積装置7で蓄積された配水量を、曜日、時刻、天候によって層別して平均変動パターンを作成する。つまり、平均変動パターンは、各時刻単位の配水量を曜日毎の直近数日間の平均値から算出する。また、平均変動パターンの更新は、予測日により近い計測値を使用することを目的に毎日行う。異常日修正手段81は、火災時、積雪時などの異常日データが、標準的な配水量の動きをしていないため、平均変動パターンに取り込まないようにする処理である。また、雨天日の取扱いについて次のように計算する。すなわち、雨天日の配水量は雨の影響を受けるため、雨天日修正手段82は、雨天日補正係数を除することにより、晴天日として取扱い、平均変動パターンの計算値として使用し、平均変動パターンを算出する。
システム変数データ作成装置10は、通常は従来と同じ機能であるが、火災、積雪などの異常日は次のように取り扱う。(1)式に対し、入力装置5にて入力された異常日を読込み、火災時、積雪時などの異常日データが存在すると、異常日の1日のデータをシステム変数作成のためのデータ作成に取り込まない。
(2)式から(7)式で演算した予測結果を浄水施設へ出力し、送水ポンプなどの運転を行う。
本発明が特許文献1(非特許文献1)と異なる部分は、火災、積雪などの異常日データや雨天日データを取り扱うために、出力装置と平均変動パターンとシステム変数作成装置を備えた部分である。
2 浄水施設
3 配水施設
4 流量計
5 入力装置
6 気温計
7 計測値蓄積装置
8 平均変動パターン作成装置
81 異常日修正手段
82 雨天日修正手段
9 雨天日補正係数作成装置
10 システム変数データ作成装置
11 自己回帰モデル作成装置
12 残差部分の予測値演算装置
13 配水量予測値演算装置
Claims (2)
- 河川から取水施設、浄水施設を経て需要家に配水する浄水を貯水する配水施設3からの配水量を測定する流量計4と、実績天候、予想天候、予想気温の予想データを入力する入力装置5と、気温を計測する気温計6と、計測値を蓄積する計測値蓄積装置7と、配水量を曜日、時刻、天候によって層別する平均変動パターン作成装置8と、過去の配水量から雨天日と雨天日以外の配水量の平均値の比を各時刻単位に計算する雨天日補正係数作成装置9と、前記配水量と前記平均変動パターンの差である残差部分と気温をシステム変数とするデータを作成するシステム変数データ作成装置10と、前記システム変数データ作成装置で作成したデータを入力して自己回帰モデルを作成する自己回帰モデル作成装置11と、前記自己回帰モデル作成装置で作成した自己回帰モデルと前記システム変数データ作成装置で作成したデータから統計的に類推可能な残差部分の24時間予測を演算する残差部分の予測値演算装置12と、予測日の天候、曜日、時刻から予測日に該当する平均変動パターンを選択し、直近の配水量、予想気温から求めた残差部分の予測値との和を配水量予測値とする配水量予測値演算装置13を備えた浄水場の配水量予測装置において、
前記入力装置は、前記予想データに加えて異常日を入力し、
前記平均変動パターン作成装置は、前記異常日を検出し削除する異常日修正手段を設け、
前記システム変数データ作成装置は、前記削除された異常日を除く正常日のみで計算することを特徴とする配水量予測装置。 - 前記平均変動パターン作成装置は、雨天日の値に雨天日補正係数を除する雨天日修正手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の配水量予測装置。
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