JP3626851B2 - 河川水位予測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、河川流域内設備の監視制御に適用される河川プラント監視制御装置における河川水位予測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
河川プラント監視制御装置における河川水位予測装置としては、図6に示すものが知られている。
図において、符号100は、河川の予測対象地点よりも上流の水位を計測する上流水位計測手段である。
符号200は、予測対象地点の水位とそれよりも下流の水位または潮位を計測する下流水位計測手段である。
【0003】
符号300は、河川流域のある地点の降雨計測を行う降雨計測手段である。
符号500は、水位予測情報に基づき河川プラントを監視し、操作・制御を行う運転員である。
符号400は、河川水位の予測を行う河川水位予測装置である。
符号410は、上流水位・下流水位・降雨計測手段で計測した水位・降雨データを格納するための水位・降雨データ格納手段である。
【0004】
符号420は、河川水位モデルの入力データとして採用する水位・降雨データを水位・降雨データ格納手段410から選ぶために、以下の(1)、(2)の処理を行うデータ処理手段である。
(1)正規化処理:上流水位計測手段100、下流水位計測手段200、降雨計測手段300で計測し、格納手段410に格納されている水位・降雨データ毎に、あらかじめ設定した最大値・最小値を基準として、0〜1の範囲の値に換算する。
(2)相関演算処理:出力データと入力データの間の相関値を求め、相関値の高い変数を入力データとして採用する。
【0005】
符号430は、データ処理手段420で選ばれた水位・降雨データを入力データとして取り込み、以下に説明の重回帰分析手法による演算を行い、各入力データの係数を算出することで、予測対象地点における水位予測モデルを作成するモデル作成手段である。
重回帰分析手法:n入力1出力の入出力データ間の関係を統計的手法を用いて同定し、出力データの変化に対する入力データの影響の大きさにより、入力データの係数を本解析により決定する。
【0006】
符号440は、モデル作成手段430で作成した水位予測モデルを保存するためのモデル格納手段である。
符号450は、後述のモデル逐次更新手段451とモデル予測演算手段452を用いて運転員500の指定した将来時刻の水位予測値を算出する水位予測手段である。
符号451は、逐次型最小2乗法により、現状のモデルの傾向を維持したまま最新データの傾向をモデルに上乗せし、オンラインで予測精度の向上を図るモデル逐次更新手段である。
【0007】
符号452は、モデル逐次更新手段451で得られたモデルに、水位・降雨データ格納手段410に格納された最新及び過去(例えば、現在、1時間前、2時間前、3時間前4時間前等)の水位・降雨データをデータ処理手段420での正規化後に入力し、運転員500の指定した将来時刻(例えば、30分後や1時間後)の予測水位を算出するモデル予測演算手段である。
【0008】
符号460は、運転員500が水位予測時間を指定する等、河川水位予測装置400を利用するためのインタフェースとなる入力手段である。
符号470は、運転員500が水位予測値を得る等、河川水位予測装置400を利用するためのインタフェースとなる表示手段である。
符号480は、降雨開始後の水位上昇から平常時の水位レベルに低下するまでの一連の水位変化の間の実測値と予測値の平均誤差を求め、その値が運転員500の指定した誤差判定しきい値よりも大きいかどうかを判定する予測誤差判定手段である。
【0009】
符号490は、予測誤差判定手段480でしきい値よりも誤差が大きいと判定された場合に、その一連の水位変化時の降雨・水位時系列データをそれまでのモデル作成データに追加して新たなモデル作成データを作成し、このデータでモデルを作成・更新し、モデル格納手段440に格納するモデル更新手段である。
【0010】
そして、上記の河川水位予測装置によれば、予測対象地点と上流の地点では、上流水位計測手段で水位を、下流側地点では、下流水位計測手段でその水位または潮位を、それぞれ計測し、また、降雨計測手段で上流地点での降雨量を計測し、水位・降雨データ格納手段410にこれら計測データを格納し、これら計測データから現在、1時間前、2時間前、3時間前、4時間前の各データを水位予測モデルに入力し、1時間後の予測対象地点での水位を予測することができるようになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の河川水位予測装置にあっては、例えば、予測対象地点がポンプやゲートの設備上流付近の河川水位で、かつその河川がポンプやゲートの設備の操作により大きく水位変化する程度の小規模河川の場合、その水位はポンプやゲートの操作の影響を受けて、操作の前後で水位変化傾向が大きく変わってしまい、操作時及び操作後に予測誤差が大きくなっていた(以下、ポンプやゲートの設備上流付近の水位を内水位とし、ポンプやゲートの設備下流側の合流本川側を外水位とする:図2参照)。
【0012】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ポンプやゲート設備等の上流付近においても、予測誤差を大幅に低減して予測の信頼性を向上させることが可能な河川水位予測装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の河川水位予測装置は、ゲート及びポンプを有する河川流域内設備における水位の予測を行う河川水位予測装置であって、前記ゲート及びポンプを有する河川の上流水位と、該河川が合流する合流本川の水位であって前記ゲート及びポンプ設備よりも上流の水位と、該合流本川の水位であって前記ゲート及びポンプ設備よりも下流の水位と、予測対象地点の水位とを計測する水位計測手段と、前記河川流域における降雨量を計測する降雨計測手段と、前記ポンプ及び前記ゲートの状態を検出するとともに、前記ポンプの吐出量を計測するポンプゲート状態計測手段と、前記水位計測手段、前記降雨計測手段及び前記ポンプゲート状態計測手段からのデータに基づいて、水位予測モデルとして、計測した予測対象地点の水位、前記合流本川の上流および下流水位、ならびに降雨量を考慮した外水位モデル、計測した予測対象地点の水位、前記河川の上流水位、降雨量及び前記ポンプの吐出量を考慮したポンプモデルを作成するモデル作成手段と、該モデル作成手段にて作成された外水位モデルあるいはポンプモデルを、前記ポンプの稼動状態及び前記ゲートの開閉状態に応じて選択するモデル切換手段と、該モデル切換手段にて選択された外水位モデルまたはポンプモデルのいずれかの水位予測モデルに計測データを入力して、前記河川流域内設備が設置された予測対象地点での将来時刻の水位を演算して求めるモデル予測演算手段とを具備してなることを特徴としている。
【0014】
つまり、モデル予測演算手段にて水位の予測を演算する際に用いられる水位予測モデルとして、計測した水位及び降雨量を考慮した外水位モデル及び計測した水位、降雨量及びポンプの吐出量を考慮したポンプモデルを作成するモデル作成手段を設け、ポンプの稼動状態及びゲートの開閉状態に応じて外水位モデルあるいはポンプモデルを選択するモデル切換手段を設けたので、ポンプ稼動時においても、このポンプ吐出量による水位変化の影響を考慮した水位の予測が行われ、ポンプ稼動時における予測誤差が改善される。
しかも、降雨や水位の状況によってポンプの稼動/停止の状態は変化するが、ポンプの稼動状態に応じて、モデル切換手段により外水位モデルとポンプモデルとが切り換えられ、予測値が最良の精度とされる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の河川水位予測装置の実施の形態を図によって説明する。
図1に示すものは、本実施の形態の河川水位予測装置400であり、河川プラント監視制御装置に適用されるものである。
なお、図中符号100,200,300,420,430,440,451,452,460,470,480,490,500は、図6に示す従来例と同様な手段であり、本発明の特徴となる部分は、符号411,450,453,454,455,600の部分である。
そして、これらを備えて河川水位予測装置400を構成しており、まず、これらの特徴部分の構成について次に説明する。
【0016】
符号411は、上流水位・下流水位・降雨計測手段で計測した水位・降雨データに加えて、後述するポンプ・ゲート状態計測手段600で計測したポンプ吐出量やゲート開/閉状態に関するポンプ・ゲートデータを格納するための水位・降雨・ポンプ・ゲートデータ格納手段である。
符号450は、本発明の特徴を表す水位予測手段であり、モデル逐次更新手段451、モデル予測算出手段452、そして、後述する外水位モデル454とポンプモデル455を選択するモデル切換手段453を用いて運転員500の指定した将来時刻の水位予測値を算出するようになっている。
【0017】
符号453は、予測対象地点下流付近の設備、つまり、ポンプ、ゲートの稼動状態に応じて、適切な水位予測モデルを選定し、モデル予測算出手段452で用いる水位予測モデルを切り換えるモデル切換手段である。
予測対象の一例として、図2に示すような雨水排水機場内の内水位があるが、一般の設備の未稼動時、すなわちポンプPの停止またはゲートG開の場合は内水位=外水位となるため、従来手法と同様の外水位モデル454を用いる。また、設備稼動時、すなわちポンプPの稼動、ゲートG閉の場合は、ポンプモデル455を用いる。なお、個々のモデルの説明は以下に示す。
【0018】
符号454は、図6の従来手法におけるモデル予測演算手段452にて用いるモデルと同様に、水位・降雨・ポンプ・ゲートデータ格納手段411に格納された最新及び過去の水位・降雨データを入力とし、運転員500の指定した将来時刻の予測水位を出力とする水位予測モデル、すなわち外水位モデルである。
符号455は、水位・降雨データとともにポンプの吐出量を入力とし、運転員500の指定した将来時刻の予測水位を出力とする水位予測モデル、すなわちポンプモデルである。
【0019】
符号600は、予測対象地点A下流付近にあり、予測水位の変化傾向に影響を与えるポンプP、ゲートGの稼動状態や吐出量を計測するポンプ・ゲート状態計測手段である。
【0020】
なお、図中符号100,200,300,420,430,440,451,452,460,470,480,490,500は、前述したように、図6に示す従来例と同様な手段であるが、以下に説明する。
【0021】
符号100は、河川の予測対象地点Aよりも上流の水位を計測する上流水位計測手段である。
符号200は、予測対象地点Aの水位とそれよりも下流の水位または潮位を計測する下流水位計測手段である。
符号300は、河川流域のある地点の降雨計測を行う降雨計測手段である。
符号500は、水位予測情報に基づき河川プラントを監視し、操作・制御を行う運転員である。
【0022】
符号420は、河川水位モデルの入力データとして採用する水位・降雨・ポンプ・ゲートデータを水位・降雨・ポンプ・ゲートデータ格納手段411から選ぶために、前述した正規化処理、相関演算処理を行うデータ処理手段である。
符号430は、データ処理手段420で選ばれた水位・降雨・ポンプ・ゲートデータを入力データとして取り込み、前述した重回帰分析手法による演算を行い、各入力データの係数を算出することで、予測対象地点における水位予測モデルを作成するモデル作成手段である。
【0023】
符号440は、モデル作成手段430で作成した水位予測モデルを保存するためのモデル格納手段である。
符号450は、モデル逐次更新手段451、モデル切換手段及びモデル予測演算手段452を用いて運転員500の指定した将来時刻の水位予測値を算出する水位予測手段である。
【0024】
符号451は、逐次型最小2乗法により、現状のモデルの傾向を維持したまま最新データの傾向をモデルに上乗せし、オンラインで予測精度の向上を図るモデル逐次更新手段である。
符号452は、モデル逐次更新手段451で得られたモデルに、水位・降雨・ポンプ・ゲートデータ格納手段411に格納された最新及び過去(例えば、現在、1時間前、2時間前、3時間前4時間前等)の水位・降雨・ポンプ・ゲートデータをデータ処理手段420での正規化後に入力し、運転員500の指定した将来時刻(例えば、30分後や1時間後)の予測水位を算出するモデル予測演算手段である。
【0025】
符号460は、運転員500が水位予測時間を指定する等、河川水位予測装置400を利用するためのインタフェースとなる入力手段である。
符号470は、運転員500が水位予測値を得る等、河川水位予測装置400を利用するためのインタフェースとなる表示手段である。
【0026】
符号480は、降雨開始後の水位上昇から平常時の水位レベルに低下するまでの一連の水位変化の間の実測値と予測値の平均誤差を求め、その値が運転員500の指定した誤差判定しきい値よりも大きいかどうかを判定する予測誤差判定手段である。
【0027】
符号490は、予測誤差判定手段480でしきい値よりも誤差が大きいと判定された場合に、その一連の水位変化時の降雨・水位時系列データをそれまでのモデル作成データに追加して新たなモデル作成データを作成し、このデータでモデルを作成・更新し、モデル格納手段440に格納するモデル更新手段である。
符号500は、水位予測情報に基づき河川プラントを監視し、操作・制御を行う運転員である。
【0028】
上記の河川水位予測装置400が設置された予測対象河川の流域を図2に示す。この図2は、上記に説明の図1に示す河川水位予測装置400で水位を予測する予測対象河川の流域説明図で、Aは雨水排水機場の上流付近の水位の予測対象地点(内水位)、Bは上流水位降雨計測地点、Cは下流水位計測地点、Dは雨水排水機場へつながる小規模河川における上流水位降雨計測地点である。なお、A′は雨水排水機場の下流付近の地点(外水位)を示す。
【0029】
このような図2に示すA,B,C,D地点において、予測対象地点Aにおける1時間後の水位を河川水位予測装置400で予測する場合の予測モデルの変数を従来例を対比して次の表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0003626851
【0031】
本発明の実施の形態においては、予測対象地点A、上流水位降雨計測地点B及び上流水位降雨計測地点Dでは、上流水位計測手段100で水位及び降雨量を計測し、下流水位計測地点Cでは、下流水位計測手段200で水位または潮位を計測し、水位・降雨・ポンプ・ゲートデータ格納手段411にこれら計測データを格納する。
【0032】
また、ポンプ・ゲート状態計測手段600では、ポンプPの稼動状態、ゲートGの開閉状態が検出され、ポンプPの稼動時にはポンプPの吐出量が計測される。なお、これらデータは、表1に示すように、ポンプP停止,ゲートG開時(外水位モデル)と、ポンプP稼動,ゲートG閉時(ポンプモデル)とに分類される。
そして、これらデータから表1に示すように、現在、1時間前、2時間前、3時間前、4時間前の各データを外水位モデルあるいはポンプモデルに入力し、1時間後の予測対象地点Aでの水位を予測する。
【0033】
これに対して従来例では、表1の左欄に示すように、予測対象地点A、上流水位降雨計測地点B及び下流水位降雨計測地点Cでの水位のデータ、上流地点Bでの降雨量のデータのみを1つの予測モデルに入力して1時間後の予測対象地点Aでの水位を予測している。
つまり、本実施の形態のように、小規模の河川の上流地点Dでの水位、降雨量及びポンプPの稼動状態、ゲートGの開閉状態を考慮していない。
【0034】
ここで、このような各地点A,B,C,Dでの入力データ及びポンプ・ゲートデータに基づいて、1時間後のA地点での水位を求める水位予測モデルのモデル構造(重回帰分析に基づく予測式)を次の(1)、(2)式に示す。なお、式(1)は外水位モデル、式(2)はポンプモデルを示す。
【0035】
【数1】
Figure 0003626851
【0036】
上記の(1)、(2)式において、a0,a1,b0〜b4,c0〜c3,br0〜br4,d0〜d4,dr0〜dr4,p0〜p3は、それぞれ定数であり、A,B,C,Dはそれぞれの地点を表している。また、括弧内の数値は、時間を表しており、(+1)は1時間後、(0)は現在、(−1)は1時間前、(−2)は2時間前、(−3)は3時間前、(−4)は4時間前である。
【0037】
つまり、A外水位(n)は時間nにおける地点Aでの外水位、B水位(n)は時間nにおける地点Bでの水位、C水位(n)は時間nにおける地点Cでの水位、B降雨(n)は時間nにおける地点Bでの降雨量、A内水位(n)は時間nにおける地点Aでの内水位、D水位(n)は時間nにおける地点Dでの水位、D降雨(n)は時間nにおける地点Dでの降雨量、P吐出量(n)は時間nにおけるポンプPの吐出量をそれぞれ表している。
【0038】
ここで、上記の本実施の形態の装置での予測対象地点Aにおける1時間後の水位予測モデルのモデル構造と対比するために従来例のモデル構造を(3)式として示す。
【0039】
【数2】
Figure 0003626851
【0040】
前述のように、従来は、地点A,B,Cの水位時間変化と地点Bにおける降雨時間変化のみにより予測対象地点Aにおける1時間後の水位を予測している。つまり、本実施の形態の(1)式と同様の(3)式のみを用いて予測対象地点Aの水位の予測を行っている。
【0041】
図3及び図4は、本発明の実施の形態に係る河川水位予測装置400における処理の流れを示すフローチャート図であり、以下、処理の概要を図1のブロック図を参照しながら説明する。
【0042】
図において、降雨が開始し、予測がスタートすると、まず、ステップS1において、上流水位計測手段100、下流水位計測手段200、降雨計測手段300により地点A,B,C,Dでの水位、地点B,Dでの降雨量を計測する。また、ポンプ・ゲート状態計測手段600によりポンプPの稼動状態、ゲートGの開閉状態が検出される。そして、これらのデータは水位・降雨・ポンプ・ゲートデータ格納手段411へ格納される。
【0043】
次に、ステップS2において、データ処理手段420により正規化、相関解析等のデータ処理がなされ、ステップS3において、モデル作成手段430により統計的手法を用いて入力データの係数が定められてモデル作成処理がなされ、作成されたモデルの係数がステップS4においてモデル格納手段440に格納されて保存される。
【0044】
次いで、ステップS5において、水位予測手段450により水位予測処理がなされる。このステップS5での処理について説明する。
まず、モデル格納手段440に保存されている水位予測モデルの係数を読み込み(ステップS5−1)、モデル逐次更新手段451にて読み込んだ係数に最新のデータの傾向を上乗せして逐次処理がなされて最新データに修正され(ステップS5−2)、この最新の更新済モデル係数データを保存する(ステップS5−3)。
【0045】
なお、ここで、係数が処理される水位予測モデルは、前述したように、外水位モデル454とポンプモデル455とがあるため、モデル切換手段453は、予測対象地点A下流付近の設備の稼動状態、つまりポンプPの稼動状態、ゲートGの開閉状態に応じて、外水位モデル454あるいはポンプモデル455の内の適切な水位予測モデルを選定し、モデル予測算出手段452で用いる水位予測モデルを切り換える(ステップS5−4)。
つまり、このモデル切換手段453は、ポンプP、ゲートGの状態を読み込み(ステップS5−4−1)、外水位モデル454への切り換え(ステップS5−4−2)あるいはポンプモデル455への切り換え(ステップS5−4−3)を行う。
【0046】
その後、更新済モデル係数データを用いてモデル予測演算手段452によりモデル予測演算処理がなされ(ステップS5−5)、この予測値を表示手段470に表示する(ステップS5−6)。
【0047】
この演算処理は前述の表1に示すように、予測対象地点Aの現在の水位、地点B、C、Dでの現在、1時間前、2時間前、3時間前、4時間前の各水位データ、地点B、Dでの現在、1時間前、2時間前、3時間前、4時間前の降雨データを用いて、(1),(2)式により予測対象地点Aにおける1時間後の水位を求めるものである。
【0048】
次に、ステップS6において、ステップS5にて算出した予測値と現在値との比較を行い、予測誤差を算出する。
そして、ステップS7において、ステップS5の演算で予測した値に基づいて、降雨終了を予測しかつ水位予測値変化が終了(安定)したか否かを比べ、終了していなければステップS1に戻り処理を繰り返し、終了していればステップS8に進む。
【0049】
その後、ステップS8において新規データファイルの保存が行われ、ステップS9において予測誤差判定手段480により実測値と予測値との誤差の平均を算出する予測誤差平均値算出処理が行われる。
【0050】
ステップS10において、運転員500は、算出した平均誤差が指定したしきい値である目標値より小さいか否かを判定し、小さければ処理を終了する。大きい場合には、ステップS11において、モデル更新手段490により、それまでの水位変化時の降雨・水位時系列データから新たなモデル作成データを作成するモデル更新処理が行われ、ステップS4に戻って、そのモデル係数がモデル格納手段440に保存される。
【0051】
なお、図中、ステップS3,S4,S8,S9,S10,S11は、ステップS5における水位予測手段450によるオンラインの水位予測処理の外部で行われるオフラインの処理となっている。
【0052】
図5は、予測対象地点Aでの実測水位に対する本実施の形態の河川水位予測装置400による予測結果及び従来の河川水位予測装置による予測結果を示すグラフ図であり、太実線が実測値、鎖線が本実施の形態の装置による予測値、細実線が従来装置による予測値である。このグラフに示されるように、本実施の形態の河川水位予測装置400による予測値は、従来装置による予測値と比較して、実測値により近似していることがわかる。つまり、本実施の形態の河川水位予測装置400によれば、ポンプPやゲートGの操作の影響による予測誤差が極めて小さく抑えられる。
【0053】
以上説明したように、雨水排水機場の内水位予測の例において、ポンプPの停止時(ゲートG開時)には、内水位=外水位となり、水位変化傾向は現在〜過去の内水位と降雨データにより決定される。
ところで、ポンプPの稼動時(ゲートG閉時)には、内水位と外水位とはゲートGにより遮断され、さらにポンプ排水により内水位のみ水位低下が生じ、ポンプPの稼動前の外水位モデルをそのまま適用したのでは予測誤差が大きくなってしまう(外水位は、河川規模が内水位側に比べて大きいため、ポンプPの稼動による水位変化傾向の変化はない)。
【0054】
しかし、上記実施の形態の河川水位予測装置400によれば、ポンプPの稼動時にはポンプPの吐出量も水位変化に影響を与えることから、外水位モデル454にポンプPの吐出量を入力データとして追加したポンプモデル455を用いるものであるので、ポンプ排水による水位低下傾向を考慮した予測を実現し、ポンプPの稼動時の予測誤差を改善することができる。
しかも、降雨や水位の状況によってポンプPの稼動/停止の状態は変化するが、本実施の形態の装置は、ポンプPの稼動状態に応じて、モデル切換手段453により前述の2つのモデル、つまり外水位モデル454とポンプモデル455とを切り換えることで、予測値を最良の精度とすることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の河川水位予測装置によれば、下記の効果を得ることができる。
請求項1記載の河川水位予測装置によれば、河川流域内設備において、モデル予測演算手段にて水位の予測を演算する際に用いられる水位予測モデルとして、計測した水位及び降雨量を考慮した外水位モデル及び計測した水位、降雨量及びポンプの吐出量を考慮したポンプモデルを作成するモデル作成手段を設け、ポンプの稼動状態及びゲートの開閉状態に応じて外水位モデルあるいはポンプモデルを選択するモデル切換手段を設けたので、ポンプ稼動時においても、このポンプ吐出量による水位変化の影響を考慮した水位の予測を行うことができ、ポンプ稼動時における予測誤差を改善することができる。
しかも、降雨や水位の状況によってポンプの稼動/停止の状態は変化するが、ポンプの稼動状態に応じて、モデル切換手段により前述の2つのモデル、つまり外水位モデルとポンプモデルとを切り換えることで、予測値を最良の精度とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の河川水位予測装置の構成及び機能を説明する河川水位予測装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の河川水位予測装置が設置される河川の流域を説明する河川の概略配置図である。
【図3】本発明の実施の形態の河川水位予測装置による水位の予測処理の流れを示すフローチャート図である。
【図4】本発明の実施の形態の河川水位予測装置による水位の予測処理の流れを示すフローチャート図である。
【図5】実測水位、本実施の形態の河川水位予測装置による予測水位及び従来の河川水位予測装置による予測水位の比較を示すグラフ図である。
【図6】従来の河川水位予測装置の構成及び機能を説明する河川水位予測装置の機能ブロック図である。
【符号の説明】
100 上流水位計測手段(水位計測手段)
200 下流水位計測手段(水位計測手段)
300 降雨計測手段
400 河川水位予測装置
430 モデル作成手段
452 モデル予測演算手段
453 モデル切換手段
454 外水位モデル(水位予測モデル)
455 ポンプモデル(水位予測モデル)
600 ポンプゲート状態計測手段
A 予測対象地点
G ゲート
P ポンプ

Claims (1)

  1. ゲート及びポンプを有する河川流域内設備における水位の予測を行う河川水位予測装置であって、
    前記ゲート及びポンプを有する河川の上流水位と、該河川が合流する合流本川の水位であって前記ゲート及びポンプ設備よりも上流の水位と、該合流本川の水位であって前記ゲート及びポンプ設備よりも下流の水位と、予測対象地点の水位とを計測する水位計測手段と、
    前記河川流域における降雨量を計測する降雨計測手段と、
    前記ポンプ及び前記ゲートの状態を検出するとともに、前記ポンプの吐出量を計測するポンプゲート状態計測手段と、
    前記水位計測手段、前記降雨計測手段及び前記ポンプゲート状態計測手段からのデータに基づいて、水位予測モデルとして、計測した予測対象地点の水位、前記合流本川の上流および下流水位、ならびに降雨量を考慮した外水位モデル、計測した予測対象地点の水位、前記河川の上流水位、降雨量及び前記ポンプの吐出量を考慮したポンプモデルを作成するモデル作成手段と、
    該モデル作成手段にて作成された外水位モデルあるいはポンプモデルを、前記ポンプの稼動状態及び前記ゲートの開閉状態に応じて選択するモデル切換手段と、該モデル切換手段にて選択された外水位モデルまたはポンプモデルのいずれかの水位予測モデルに計測データを入力して、前記河川流域内設備が設置された予測対象地点での将来時刻の水位を演算して求めるモデル予測演算手段とを具備してなることを特徴とする河川水位予測装置。
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