JP4406823B2 - 感材受け渡し装置 - Google Patents
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Description
露光部から感材が排出される排出レベルまで搬送体が下降すると、揺動部材は、保持プレートに対して固定された接当操作部材との接当に基づいて揺動操作されることで、チャッキングローラ対が横向きに並ぶ「水平姿勢」からチャッキングローラ対が上下に並ぶ「受け入れ姿勢」に約90°だけ角度姿勢が切り換えられ、同時に、切換えモータとカムによって上方に移動操作される切換え板によってチャッキングローラは解除姿勢に切り換えられる。この状態で、チャッキングローラの間に、露光部から乳剤面が上を向いた水平な姿勢で送り出された感材(感材は幅方向に関して保持プレートの中央部に送り出される)が受け入れられると、切換え板の下降によってチャッキングローラは圧着姿勢に切り換えられ、引き続き、搬送体は現像処理部の導入ローラに向かって上昇させられる。この上昇の途中で揺動部材は接当操作部材との接当状態から解放されるため、コイルバネの付勢力に基づいて、前記「水平姿勢」に揺動操作される。すなわち、この揺動操作によって、チャッキングローラに挟持されている感材は表裏を入れ換えられ、乳剤面が保持プレートに面した垂直な姿勢になって、現像処理部の導入ローラに受け渡される。また、例えば左側の搬送体の導入ローラに向かって上昇中に、チャッキングローラを含む移動体の全体を搬送体に対して左向きに移動操作してから導入ローラに手渡し、次に、右側の搬送体によって感材を露光部から受け取らせ、今度は右向きに移動させながら上昇させて導入ローラに手渡す、という動作を交互に行わせることにより、感材が左右2列に並んだ状態で現像処理部内を進行する振り分け操作が行われる。そのために、左右の移動体とチャッキングローラとは、各搬送体から保持プレートの中央寄りに延びた片持ち構造となっている。
すなわち、この従来技術の感材受け渡し装置では、露光部から横向き姿勢で排出された感材を、約90°反転させられた縦向き姿勢に姿勢変更した上で現像処理部の導入ローラに受け渡しすることで、感材の表裏を入れ換えた状態でしかもスムースに受け渡しできると同時に、少なくとも感材が比較的幅の小さなL版などの場合、感材を左右2列に並んだ状態(実際には左右の感材の間に進行方向のずれを生じた千鳥状の並列状態になる)で現像処理部に挿入できる(尚、この振り分け操作は現像処理部での処理能力を高めるために行われる)。
前記揺動操作機構は、前記揺動部材を第1軸芯回りで回動操作するための第1駆動モータを有し、
前記第1挟持ローラ対は、前記揺動部材に前記第1軸芯回りで回転可能に支持された固定ローラと、前記固定ローラに対して前記圧着姿勢と前記開放姿勢との間で変位可能な圧着ローラとからなり、
前記第1軸芯に平行な第2軸芯回りで回動可能に前記揺動部材に支持され、前記圧着ローラを前記固定ローラに対して変位操作するための操作部材と、前記操作部材の一部が押し付けられたカム面を有し、前記第1軸芯回りで回動操作されるように構成された圧着操作カムと、前記圧着操作カムを回動操作するための第2駆動モータとが設けられ、前記圧着操作カムの前記カム面には、前記圧着ローラを前記圧着姿勢に保持するための小径の圧着用カム面と、前記圧着ローラを前記開放姿勢に保持するために前記圧着用カム面よりも大径に形成された開放用カム面とが連続的に設けられており、前記圧着用カム面は少なくとも90°の角度範囲を有していることである。
前記受け取り位置において、前記固定ローラを回転駆動するための駆動力を前記移動部材の前記第2挟持ローラ対に伝達するための回転伝達機構が、前記揺動部材と前記移動部材の間に設けられていることである。
(写真プリント装置の概略構成)
図1は、現像済みの写真フィルムまたはデジタル記録媒体に担持された画像情報に基づいて銀塩式の写真プリントを出力する写真プリント装置の一例を示す。この写真プリント装置は画像処理部Aとプリント処理部Bとを備えている。画像処理部Aは、写真フィルム1の各画像駒の画像情報をR、G、Bの3原色に色分解し、デジタル信号化して取り込む機能の他にメモリカードやMO等の記録媒体から画像データを取り込む機能をも有する。プリント処理部Bは、画像処理部Aから送られる画像情報に基づいて印画紙2(感材の一例)に露光操作を行い、現像処理して写真プリントとして出力する。
図2に示すように、横搬送装置CHは、印画紙マガジンMから引き出された印画紙2を搬送するローラ対11と、この印画紙2を所定の送り長さに切断するカッター12と、このカッター12で切断された印画紙2をチャッキングして水平方向に送るチャッカー13とを備えている。露光装置Emは、横搬送装置CHのチャッカー13によって紙面の左向きに送られる印画紙2を受け入れる搬入ローラ15と、搬入ローラ15がさらに紙面の左向きに送り込む印画紙2に対してレーザ光による走査露光を行う露光エンジン16と、この露光エンジン16の光出射部を基準にして印画紙2の搬送上手側と搬送下手側とに配置された2組の露光ローラ対17,18とを備えている。各露光ローラ対17,18は、ステッピングモータ(不図示)によって一定速度で回転駆動される固定ローラ17と、この固定ローラ17に対して圧着する圧着姿勢と、固定ローラ17から離間する離間姿勢との間で個々に切換え可能な2つの圧着ローラ18とからなる。この露光装置Emでは、2組の露光ローラ対17,18のうちの少なくとも一方の露光ローラ対17,18(上流側の組または下流側の組)で印画紙2を圧着し、予め設定された速度で副走査方向に搬送すると同時に露光エンジン16によって主走査方向への露光を行うよう露光の処理形態が設定されている。
図3に示すように、縦搬送装置CV(本発明による感材受け渡し装置の一例)は、露光装置Emから露光済みの印画紙2を受け取って印画紙2の向きを反転させる反転ユニット20と、反転ユニット20から印画紙2を受け取り、下流側(上方)に位置する現像処理部DEの導入部まで搬送する振り分け搬送ユニット50(搬送ユニットの一例)とを有する。振り分け搬送ユニット50は、印画紙2を基本的な搬送方向(印画紙2の送り長さに沿った方向)と交差する左右方向(図3の紙面を貫通する方向に当たる)に並んだ2列(複数列の一例)の千鳥状に振り分ける振り分け機能を有する。反転ユニット20と振り分け搬送ユニット50は、上下と左右に延びた概して矩形の保持プレート21に支持されている。
図3、図4及び図5に示すように、反転ユニット20は、保持プレート21に対して印画紙2の幅方向と平行な横向きの軸芯X1周りで回動可能に支持された反転ケース部材22(揺動部材の一例)を有する。具体的には反転ケース部材22は後述する出力軸39に支持されている。図4に示すように、反転ケース部材22は、反転ケース部材22の一側面(露光装置Emから見て左側面)に固着されたタイミングプーリP1と、ステッピングモータからなる揺動モータM1(第1駆動モータの一例)と、タイミングプーリP1と揺動モータM1の出力軸との間に掛け渡されたタイミングベルトB1とによって揺動操作される(タイミングプーリP1とタイミングベルトB1と揺動モータM1とはいずれも揺動操作機構の一例)。反転ケース部材22には、露光装置Emから供給される露光済みの印画紙2を受け取って挟持する第1挟持ローラ対23,24(第1挟持ローラ対の一例)がいずれも回転可能に支持されている。第1挟持ローラ対23,24は、ステッピングモータからなる送りモータM3(第3駆動モータの一例)とタイミングベルトB3などによって軸芯X1(第1軸芯の一例)周りで回転駆動される駆動ローラ23(固定ローラの一例)と、駆動ローラ23に対して圧着された圧着姿勢と駆動ローラ23から離間した開放姿勢との間で切り換え可能に設けられた従動ローラ24(圧着ローラの一例)とからなる。従動ローラ24は、軸芯X1と平行な軸芯X2周りで揺動可能な揺動ブラケット25に支持されている。揺動ブラケット25の基端側には、軸芯X2と軸芯を共有する操作ロッド26が固定されており、操作ロッド26の一端は反転ケース部材22から(同じく露光装置Emから見て)左外方に突出しており、この突出した操作ロッド26の端部からは、揺動ブラケット25と平行に操作アーム27(操作部材の一例)が延びている。操作アーム27の遊端には遊転コロ28(操作部材の一部の一例)が支持されている。また、保持プレート21には、ステッピングモータからなる圧着モータM2(第2駆動モータの一例)とタイミングベルトB2などによって軸芯X1周りで回動操作される圧着カム30(圧着操作カムの一例)が設けられており、操作アーム27は、コイルバネ29(図7を参照)によって、遊転コロ28が圧着カム30のカム面に押し付けられるように常に付勢されている。
また、揺動モータM1の回転制御に基づいて、反転ユニット20の反転ケース部材22は、露光装置Emから露光済みの印画紙2を受け取るために、第1挟持ローラ対23,24が上下に並んだ、言い換えれば、従動ローラ24が駆動ローラ23の真上に位置する「受け入れ姿勢」と、第1挟持ローラ対23,24に挟持されている印画紙2を振り分け搬送ユニット50に受け渡すために、第1挟持ローラ対23,24が前後に並んだ、言い換えれば、駆動ローラ23の真横(従動ローラ24が駆動ローラ23を挟んで露光装置Emの反対側に有る)に位置する「受け渡し姿勢」との間で、約90°だけ切り換えられる。図8(a)と図8(b)には反転ケース部材22の「受け入れ姿勢」が、図8(c)と図8(d)には反転ケース部材22の「受け渡し姿勢」が示されている。
尚、揺動ブラケット25の先端側には、露光装置Emから送り出される露光済みの印画紙2を、第1挟持ローラ対23,24の間に確実に且つ円滑に案内するための受け入れ案内板25aが設けられている。
図4と図5に示すように、振り分け搬送ユニット50は、保持プレート21の垂直な面に沿って上下に往復移動可能に支持された縦移動部材31と、縦移動部材31上に左右に往復移動可能に支持された横移動部材32とを有する。
縦移動部材31は、保持プレート21の左右の端部付近にて上下に延びた円柱状の一対の案内ロッド33によって直線状に案内されながら、各案内ロッド33よりも保持プレート21の中央側にて上下に延びた一対のタイミングベルトB4と、左方のタイミングベルトB4をタイミングプーリを介して回転駆動するステッピングモータからなる縦移動モータM4によって上下に往復移動操作される(タイミングベルトB4と縦移動モータM4とは搬送機構の一例)。左右のタイミングベルトB4どうしは、保持プレート21の上端付近において左右に延びた連結シャフト34によって同方向に同期駆動され、縦移動部材31は左右のタイミングベルトB4の(露光装置Emから見て)手前側の一部に固定されている。このように、縦移動部材31は、保持プレート21の左右の一端から中央側に向けて支持された片持ち構造ではなく、左右の端部において、左右の各タイミングベルトB4に同時に支持された両持ち構造を備えているので、振り分け搬送ユニット50によって挟持された印画紙2は、印画紙2の面に対する垂線回りで不用意に揺動することのない、安定した角度姿勢を維持したまま、上下に搬送される。
縦移動部材31の左端にはステッピングモータからなる横移動モータM5が配置されており、他方、縦移動部材31の中央部と右端との中間部付近にはタイミングプーリP2が遊転可能に支持されている。そこで、横移動部材32は、横移動モータM5とタイミングプーリP2の間に掛け渡されたタイミングベルトB5の一部に連結されることで、横移動モータM5の正転および逆転の回転駆動に基づいて左右に移動操作される。
尚、この明細書では便宜的に露光装置Emから保持プレート21を見た状態で、保持プレート21の中央より右側を右方或いは右端と呼び、左側を左方或いは左端と呼ぶ。
横移動部材32には、反転ユニット20から上方に送り出される印画紙2を圧着挟持する第2挟持ローラ対35,36(第2挟持ローラ対の一例)が回転可能に支持されている。第2挟持ローラ対35,36は、振り分け搬送ユニット50が反転ユニット20と連結された時に反転ユニット20の送りモータM3の駆動力によって、(後述する回転伝達機構38を介して)回転駆動される駆動ローラ35と、駆動ローラ33に圧着された状態で支持された従動ローラ36とからなる。駆動ローラ35は、縦移動部材31の右端に向かって延びた連結シャフト37と一体回転するように構成されている。
反転ユニット20と振り分け搬送ユニット50との間には、反転ユニット20の送りモータM3の駆動力を連結シャフト37に伝達するための回転伝達機構38(回転伝達機構の一例)が設けられている。この回転伝達機構38は、反転ユニット20の右端付近に設けられた出力部38aと、振り分け搬送ユニット50の縦移動部材31の右端付近に設けられた入力部38bとからなる。これらの出力部38aと入力部38bとは、横移動部材32の第2挟持ローラ対35,36の左右の中心が反転ユニット20の第1挟持ローラ対23,24の左右の中心と一致する時(横移動部材32のホームポジションと呼ぶ)にのみ、互いに連結され、反転ユニット20の送りモータM3の駆動力の連結シャフト37への伝達が可能になる。
図5と図6に示すように、伝動機構38の出力部38aは、反転ユニット20の駆動ローラ23と一体回転する出力軸39に固定された出力ギヤG1と、出力ギヤG1と噛合した第1中間ギヤG2とを有し、第1中間ギヤG2は、出力軸39上に揺動可能に支持された位置決めブラケット40の遊端側に遊転支持されている。位置決めブラケット40は、コイルバネ41によって位置決めブラケット40の上端のカム部40aが露光装置Em側に変位するように付勢されている。
他方、伝動機構38の入力部38bは、連結シャフト37に固定された入力ギヤG4と、入力ギヤG4と噛合した第2中間ギヤG3とを有する。第2中間ギヤG3の基端部には接当スリーブ42が配置されている。
図6(a)の矢印が示すように、横移動部材32がホームポジションに位置する状態で振り分け搬送ユニット50が反転ユニット20に向かって下降接近すると、先ず、接当スリーブ42が、位置決めブラケット40のカム部40aに接当し、引き続き、接当スリーブ42からのカム部40aに対する押し付け作用に基づいて、位置決めブラケット40をコイルバネ41の付勢力に抗して揺動させながら更に下降することで、振り分け搬送ユニット50と反転ユニット20の間の衝撃的な衝突がコイルバネ41の付勢力によって緩和された状態で、最終的に図6(b)が示すように、第1中間ギヤG2と第2中間ギヤG3との間の噛合状態が達成される。また、この噛合状態が得られる際に、第1中間ギヤG2と第2中間ギヤG3との間で双方の歯の先端どうしが正面から衝突することのないように、第1中間ギヤG2と第2中間ギヤG3とは、図6の左右方向に変位配置されている。
上記の噛合状態が保持されている間は、反転ユニット20の送りモータM3の駆動力は、反転ユニット20の駆動ローラ23、出力軸39、出力ギヤG1、第1中間ギヤG2、第2中間ギヤG3、入力ギヤG4、連結シャフト37の順に伝達され、連結シャフト37と一体回転する駆動ローラ35に伝えられる。これによって、反転ユニット20の駆動ローラ23と振り分け搬送ユニット50の駆動ローラ35とは、互いに同一方向に同期回転する。
縦搬送装置CVは一例として以下の要領で制御される。
〈1−1〉先ず、露光装置Emから露光済みの印画紙2が供給される際には、予め、振り分け搬送ユニット50は現像処理部DEの導入部に近接したホームポジション(不図示)に配置され、図8(a)に示すように、反転ユニット20の反転ケース部材22は、第1挟持ローラ対23,24が上下に並んだ「受け入れ姿勢」を取っており、且つ、第1挟持ローラ対23,24の従動ローラ24は、駆動ローラ23から僅かに離間した「中間開放姿勢」に保持されている。すなわち、遊転コロ28は圧着カム30の中径面30bに支持されている。この状態で、露光装置Emから供給される露光済みの印画紙2の先端が、第1挟持ローラ対23,24の間に送り込まれる。この「中間開放姿勢」は、露光装置Emから供給される印画紙2が、駆動ローラ23と従動ローラ24との間でばたつくことなく、第1挟持ローラ対23,24の間に円滑に送り込まれるように、ローラ間の開き寸法が設定されている。尚、印画紙2は露光装置Emから乳剤面を上に向けたほぼ水平な姿勢で送られて来る。
尚、印画紙2の後端の受け入れ案内板25aからの突出量を前記所定の値に設定する操作は、受け入れ案内板25a付近に設けた非接触式のセンサによる印画紙2の先端の検出信号に基づいて実施することもできるし、或いは、露光装置Emで印画紙2を露光する際に用いたデータに基づいて前記突出量を制御することも可能である。
尚、振り分け搬送ユニット50の駆動ローラ35は、反転ユニット20から切り離されて以後は搬送力を持たない遊転状態になるので、振り分け搬送ユニット50の上昇中に印画紙2が自重で第2挟持ローラ対35,36から抜け落ちないように、駆動ローラ35の反転を阻止するラチェット機構が設けられている。図6に示すように、このラチェット機構は、入力ギヤG4の側面に一体的に形成された爪車43と、先端が爪車43と噛合する係止姿勢と爪車43から抜け出た解除姿勢との間で揺動可能に横移動部材32上に支持された爪部材44と、爪部材44を係止姿勢に付勢するコイルバネ45とからなる。この爪部材44の爪の向きは、駆動ローラ35の反転を阻止すると同時に、常に圧着状態に保たれている圧着タイプのローラ対である第2挟持ローラ対35,36から導入ローラ60aが印画紙2を上方に抜き取る操作を許すように設定されている。
この、反転ユニット20の反転ケース部材22を「受け渡し姿勢」から「受け入れ姿勢」に切り換え、同時に、反転ユニット20の従動ローラ24を「完全開放姿勢」から「中間開放姿勢」に切り換える操作は、圧着カム30は停止したまま、揺動モータM1によって反転ケース部材22を(保持プレート21の左端から見て)時計方向に90°回転させるだけで実現できる。すなわち、圧着カム30を停止させた状態で、反転ケース部材22を反時計方向に90°回転させると、反転ユニット20の遊転コロ28が圧着カム30上を転動して大径面30cから中径面30bへと移動するので、従動ローラ24は「完全開放姿勢」から「中間開放姿勢」に切り換られる。従って、この圧着カム30のカム面構成により、反転ユニット20の反転ケース部材22を「受け渡し姿勢」から「受け入れ姿勢」に切り換え、同時に、反転ユニット20の従動ローラ24を「完全開放姿勢」から「中間開放姿勢」に切り換える操作を、圧着カム30は停止したまま実施できる。
尚、露光装置Emから供給される次の印画紙2は、先の印画紙2と同じ要領で振り分け搬送ユニット50に手渡され、振り分け搬送ユニット50は、今度は、印画紙を右側の導入ローラ60aに受け渡す(印画紙2がL版などの小サイズの場合)。
図9には、反転ユニット20に上記の実施形態の圧着カム30と形状の異なる圧着カム130を用いた例が示されている。他の構成は、操作アーム27、遊転コロ28、遊転コロ28がコイルバネ28によって圧着カム130のカム面に押し付けられている点も含めて、上記の第1の実施形態の縦搬送装置CVと共通である。
この圧着カム130は、その円周方向に沿って、最も半径の小さな小径面130aと、小径面130aよりも径の大きな中径面130bと、中径面130bよりも更に径の大きな大径面130cとを有する。但し、中径面130bと大径面130cとが圧着カム130の回転軸を挟んで互いに対抗する位置に設けられており、仮に、中径面130bと大径面130cとが上下に位置するように圧着カム130を配置すると、互いに対向する同じ高さの2つの小径面130aが左右に位置する左右対称の形状を呈している。左右の小径面130aは、上方の中径面130bと、そして、下方の大径面130cと夫々滑らかに曲率が増大する遷移部を介して隣接している。また、各小径面130a、中径面130b、大径面130cはいずれも約10°〜15°の角度範囲を有している。上記の実施形態と同様に、圧着カム130の反転ケース部材22に対する相対的な回転角度に応じて、遊転コロ28が小径面130aに支持されている時には、従動ローラ24は駆動ローラ23に対して圧着された「圧着姿勢」に保持される。他方、遊転コロ28が中径面130bに支持されている時には、従動ローラ24は駆動ローラ23から僅かに離間した「中間開放姿勢」に保持され、遊転コロ28が大径面130cに支持されている時には、従動ローラ24は駆動ローラ23から更に大きく離間した「完全開放姿勢」に保持される。
〈2−1〉先ず、露光装置Emから露光済みの印画紙2が供給される際には、予め、振り分け搬送ユニット50は現像処理部DEの導入部に近接したホームポジションに配置され、図9(a)に示すように、反転ユニット20の反転ケース部材22は、第1挟持ローラ対23,24が上下に並んだ「受け入れ姿勢」を取っており、さらに、第1挟持ローラ対23,24の従動ローラ24は、駆動ローラ23から僅かに離間した「中間開放姿勢」に保持されている。これは第1の実施形態と同じである。遊転コロ28は圧着カム130の中径面130bに支持されている。この状態で、露光装置Emから供給される露光済みの印画紙2の先端が、第1挟持ローラ対23,24の間に送り込まれる。
この、反転ユニット20の反転ケース部材22を「受け渡し姿勢」から「受け入れ姿勢」に切り換え、同時に、反転ユニット20の従動ローラ24を「完全開放姿勢」から「中間開放姿勢」に切り換える操作は、圧着カム130を反時計方向にさらに約90°回転させしながら、同時に、揺動モータM1によって反転ケース部材22を時計方向に90°回転させることで実現する必要がある。
B プリント処理部
1 写真フィルム
2 印画紙(感材の一例)
M 印画紙マガジン
CH 横搬送装置
EX 露光処理部
Em 露光装置(露光部の一例)
16 露光エンジン
17,18 露光ローラ対
DE 現像処理部
CV 縦搬送装置(感材受け渡し装置)
21 保持プレート
20 反転ユニット
22 反転ケース部材(揺動部材)
X1 軸芯(第1軸芯)
M1 揺動モータ(第1駆動モータ)
M4 縦移動モータ(搬送機構)
M5 横移動モータ
23 駆動ローラ(第1挟持ローラ対、固定ローラ)
24 従動ローラ(第1挟持ローラ対、圧着ローラ)
M3 送りモータ(第3駆動モータ)
25 揺動ブラケット
26 操作ロッド
27 操作アーム(操作部材)
28 遊転コロ(操作部材の一部)
M2 圧着モータ(第2駆動モータ)
30 圧着カム
30a 小径面(圧着用カム面)
30b 中径面(開放用カム面)
30c 大径面(開放用カム面)
38 回転伝達機構
50 振り分け搬送ユニット(搬送ユニット)
31 縦移動部材
32 横移動部材
35 駆動ローラ(第2挟持ローラ対)
36 従動ローラ(第2挟持ローラ対)
Claims (4)
- 感材を圧着挟持するための圧着姿勢と、圧着解除した開放姿勢との間で切り換え可能な第1挟持ローラ対を支持する揺動部材と、前記揺動部材を、露光部から供給される前記感材を受け入れるための受け入れ姿勢と、前記感材を反転させた上で下流側に受け渡すための受け渡し姿勢との間で揺動操作する揺動操作機構とを備えた感材受け渡し装置であって、
前記揺動操作機構は、前記揺動部材を第1軸芯回りで回動操作するための第1駆動モータを有し、
前記第1挟持ローラ対は、前記揺動部材に前記第1軸芯回りで回転可能に支持された固定ローラと、前記固定ローラに対して前記圧着姿勢と前記開放姿勢との間で変位可能な圧着ローラとからなり、
前記第1軸芯に平行な第2軸芯回りで回動可能に前記揺動部材に支持され、前記圧着ローラを前記固定ローラに対して変位操作するための操作部材と、前記操作部材の一部が押し付けられたカム面を有し、前記第1軸芯回りで回動操作されるように構成された圧着操作カムと、前記圧着操作カムを回動操作するための第2駆動モータとが設けられ、
前記圧着操作カムの前記カム面には、前記圧着ローラを前記圧着姿勢に保持するための小径の圧着用カム面と、前記圧着ローラを前記開放姿勢に保持するために前記圧着用カム面よりも大径に形成された開放用カム面とが連続的に設けられており、前記圧着用カム面は少なくとも90°の角度範囲を有している感材受け渡し装置。 - 前記固定ローラを回転駆動する第3駆動モータが設けられている請求項1に記載の感材受け渡し装置。
- 前記揺動部材の揺動操作によって反転された前記感材を前記第1挟持ローラ対から受け取り、下流側に搬送する搬送ユニットが設けられており、前記搬送ユニットは、前記感材を圧着挟持する第2挟持ローラ対を備えた移動部材と、前記移動部材を、前記第2挟持ローラ対が前記感材を前記揺動部材の前記第1挟持ローラ対から受け取るために前記揺動部材と隣接した受け取り位置と、前記第2挟持ローラ対に圧着挟持された前記感材を現像処理部に引き渡す引き渡し位置との間で往復搬送する搬送機構と有し、
前記受け取り位置において、前記固定ローラを回転駆動するための駆動力を前記移動部材の前記第2挟持ローラ対に伝達するための回転伝達機構が、前記揺動部材と前記移動部材の間に設けられている請求項1又は2に記載の感材受け渡し装置。 - 前記揺動部材の前記第1挟持ローラ対から前記感材を受け取った前記移動部材は、前記揺動部材の前記第1挟持ローラ対が前記開放姿勢に切り換えられた後に、前記受け取り位置から前記引き渡し位置に向かって移動開始するように構成されている請求項3に記載の感材受け渡し装置。
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