JP4406701B2 - イオン複合型粘土組成物およびその固化物 - Google Patents

イオン複合型粘土組成物およびその固化物 Download PDF

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Description

本発明は、造形中は適当な可塑性を保持し、造形物を単に室温に放置するだけで、イオン結合形成により、造形物を力学的に保持しうる程度に固化する新規イオン複合型粘土組成物に関する。
従来既知の粘土材料としては、カオリン、石膏、珪酸アルミニウム、ミョウバン、デキストリン、ワセリン、ワックス、ひまし油からなる油粘土、小麦粉を主成分とする小麦粘土、ポリエチレン系化合物を主成分とするポリ粘土等が知られている(特許文献1〜5)。
これらの粘土材料は、繰り返し使用することを目的としているため、造形物作成後もその塑性は変化しないので、造形物の強度が劣り、また形状保持性が悪いといった問題点があった。一方、造形後に固化する材料の代表例としては石膏が知られているが、この石膏材料は強度と形状保持性に優れるものの、硬化後は極めて堅い材料となるため、硬化した後は元の粘土組成を再現することができず、その加工性・取り扱い性に劣り、また使用後に環境を汚染するといった難点があった。
特開昭54−36324号公報 特開昭60−53983号公報 特開昭61−42679号公報 特開平11−71524号公報 特開2003−98951号公報
本発明は、造形中は適当な可塑性を保持し、造形物を単に室温に放置するだけで、イオン結合形成により、造形物を力学的に保持しうる程度に固化する特性を有し、使用後に廃棄されても環境を汚染することのない新規なイオン複合型粘土組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、アニオン交換型及び/またはカチオン交換型リグニン誘導体とこれとは逆のイオン交換型の粘土鉱物からなる粘土組成物が、造形中は適当な可塑性を保持し、造形物を単に室温に放置するだけで、イオン結合形成により、造形物を力学的に保持しうる程度に固化する特性を有することを知見し本発明を完成するに至った。
この出願によれば、以下の発明が提供される。
(1)カチオン交換型リグニン誘導体塩とアニオン交換型粘土鉱物を含有することを特徴とするイオン複合型粘土組成物。
(2)カチオン交換型リグニン誘導体塩がリグニンの無機酸塩であることを特徴とする上記(1)に記載のイオン複合型粘土組成物。
(3)リグニンの無機酸塩がリグニンスルホン酸塩であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のイオン複合型粘土組成物。
(4)アニオン交換型粘土鉱物がアロフェンまたはイモゴライトであることを特徴とする上記(1)〜(3)何れかに記載のイオン交換型粘土組成物。
(5)アニオン交換型リグニン誘導体塩とカチオン交換型粘土鉱物を含有することを特徴とするイオン複合型粘土組成物。
(6)アニオン交換型リグニン誘導体塩がリグニンのオニウム塩であることを特徴とする上記(5)に記載のイオン複合型粘土組成物。
(7)リグニンのオニウム塩がリグニンの第4級アンモニウム塩であることを特徴とする上記(5)又は(6)に記載のイオン複合型粘土組成物。
(8)カチオン交換型粘土鉱物がモンモリロナイト、バーミキュライト及びベントナイトから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする上記(5)〜(7)何れかに記載のイオン複合型粘土組成物。
(9)溶媒を更に含有することを特徴とする上記(1)〜(8)何れかに記載のイオン複合型粘土組成物。
(10)溶媒が親水性溶媒であることを特徴とする上記(9)に記載のイオン複合型粘土組成物。
(11)親水性溶媒が、水及び/又はアルコールであることを特徴とする上記(10)に記載のイオン複合型粘土組成物。
(12)アルコールがエチレングリコール、エチレングリコールオリゴマー、ポリエチレングリコールおよびグリセリンから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする上記(11)に記載のイオン複合型粘土組成物。
(13)上記(1)〜(12)何れかに記載のイオン複合型粘土組成物を固化することにより得られるイオン複合型粘土固化物。
本発明の新規なイオン複合体粘土組成物は、単に混合するだけで、容易にイオン複合型の粘土固化物を形成する。この粘土固化物は、造形中は適当な可塑性を保持し、しかも造形物を単に室温に放置するだけで、イオン結合形成により、力学的に保持しうる程度に固化する特性を有する。これらの原料は天然物であるため、使用後に廃棄されても、環境を汚染することがないため、環境対応型新規材料として利用できる。したがって、造形用粘土としてのみならず、壁材、造粒剤、被膜剤等各種の産業用資材として応用が可能である。
本発明に係るイオン複合型粘土組成物の最大の特徴は、粘土成分として、カチオン型交換型またはアニオン交換型リグニン誘導体塩と、アニオン交換型粘土鉱物またはカチオン交換型粘土鉱物を組み合わせ、リグニン分子の粘結性により組成物の可塑性を調製し、かつリグニン分子に導入したカチオン基またはアニオン基とこれとは逆イオンを有するアニオン交換型粘土鉱物またはカチオン交換型粘土鉱物のイオン結合の形成により、固化物の力学的強度を促進させた点にある。
本発明のイオン複合型粘土組成物の第一の態様は、カチオン交換型リグニン誘導体塩とアニオン交換型粘土鉱物を含有するものである。
カチオン交換型リグニン誘導体塩とは、アニオン性解離基を有するリグニン誘導体を意味し、具体的には、リグニンの無機酸及び有機酸が包含される。無機酸塩としては、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩等が、また有機酸としてはカルボン酸が挙げられるが、無機酸塩好ましくはスルホン酸の金属塩更に好ましくはスルホン酸のアルカリ金属塩が使用される。
アニオン交換型粘土鉱物とは、アニオン性化学種を対イオンとして保有することができる、活性カチオンサイトを有する粘土鉱物を意味し、アロフェン、イモゴライト、ハロサイトなどが挙げられるが、アロフェン、イモゴライトが好ましく使用される。
カチオン交換型リグニン誘導体塩とアニオン交換型粘土鉱物の使用割合に特に制限はないが、カチオン交換型リグニン誘導体塩1重量部に対し、アニオン交換型粘土鉱物(0.1)〜(100)重量部、好ましくは(0.2)〜(50)重量部である。
第一の態様のイオン複合型粘土組成物の調製は、たとえば、カチオン交換型リグニン誘導体塩を溶媒に溶解させた溶液にアニオン型交換型粘土鉱物を室温下等で混合すればよい。
使用する溶媒としては、特に制限はないが、人への安全性及び環境への汚染負荷のない溶媒を用いることが望ましく、エチレングリコール、エチレングリコールオリゴマー、ポリエチレングリコール、グリセリン、水等の親水性溶媒を用いることが好ましい。
第一の態様のイオン複合型粘土組成物は、たとえば室温付近に適宜時間放置することにより固化し、イオン複合型粘土固化物を与える。
この固化反応は、カチオン交換型リグニンとして、リグニンスルホン酸塩を用いた場合、以下のように表すことができる。
[化1]
Lig−SO3 -+ + Inorg+- →Lig−SO3 -Inorg++ M+-
(式中、Ligはリグニン残基、M+はアルカリ金属などの金属原子を、Inorg+は粘土鉱物残基を、X-はハロゲン、リン酸、硫酸、ケイ酸等アニオンを表す。)
この固化反応により得られる固化物は、上記のようにリグニン分子が含有されているので粘結性が増大し可塑性に富むものであり、しかも、経時によりリグニン分子に導入したカチオン基とアニオン交換型粘土鉱物のアニオン基の脱塩反応により、リグニンと粘土鉱物とがイオン結合し、(Lig−SO3 -Inorg+)なる複合体を形成するので、力学的に保持しうる程度の強度を有するものである。したがって、その可塑性と可撓性・強度性を利用することにより、造形用粘土としてのみならず、壁材、造粒剤、被膜剤等各種の産業用資材として応用することができる。
本発明のイオン複合型粘土組成物の第二の態様は、アニオン交換型リグニン誘導体塩とカチオン交換型粘土鉱物を含有するものである。
アニオン交換型リグニン誘導体塩とは、カチオン性解離基を有するリグニン誘導体を意味し、具体的にはリグニンのオニウム塩が好ましく用いられる。オニウム塩としては、第4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩等が挙げられるが、第4級アンモニウム塩が好ましく使用される。第4級アンモニウム塩としては、たとえばテトラアルキルアンモニウム塩、トリメチルアリールアンモニウム塩が挙げられる。
カチオン交換型粘土鉱物とは、カチオン性化学種を対イオンとして保有することができる、活性アニオンサイトと有する粘土鉱物を意味し、具体的には、モンモリナイト、バーミキュライト、バイデライト、ノントロナイトなどが挙げられるが、モンモリナイト、バーミキュライト及びベントナイトから選ばれた少なくとも一種が好ましく使用される。
アニオン交換型リグニン誘導体塩とカチオン交換型粘土鉱物の使用割合に特に制限はないが、アニオン交換型リグニン誘導体塩1重量部に対し、カチオン交換型粘土鉱物0.1〜100重量部好ましくは0.2〜50重量部である。
第二の態様のイオン複合型粘土組成物の調製は、たとえば、アニオン交換型リグニン誘導体塩を溶媒に溶解させた溶液にカチオン交換型粘土鉱物を室温下等で混合すればよい。
使用する溶媒は前記第一の態様で述べたように、人への安全性及び環境への汚染負荷のない溶媒を用いることが望ましく、エチレングリコール、エチレングリコールオリゴマー、ポリエチレングリコール、グリセリン、水等の親水性溶媒を用いることが好ましい。
第二の態様のイオン複合型粘土組成物は、たとえば室温付近に適宜時間放置することにより固化し、イオン複合型粘土固化物を与える。
この固化反応は、アニオン交換型リグニンとして、たとえばリグニンの第4級アンモニウム塩を用いた場合、以下のように表すことができる。
[化2]
Lig−N+(CH33- + Inorg-+
→ Lig−N+(CH33Inorg- + M+-
(式中、Ligはリグニン残基、M+はアルカリ金属などの金属原子を、Inorg-は粘土鉱物残基を、X-はハロゲン、硫酸、リン酸、ケイ酸、アルミン酸等のアニオンを表す。)
この固化反応により得られる固化物は、上記のようにリグニン分子が含有されているので粘結性が増大し可塑性に富むものであり、しかも、経時によりリグニン分子に導入したアニオン基とアニオン交換型粘土鉱物のカチオン基の脱塩反応により、リグニンと粘土鉱物とがイオン結合し、(Lig−N+(CH33Inorg-)なる複合体を形成するので、力学的に保持しうる程度の強度を有するものである。したがって、その可塑性と可撓性を利用することにより、造形用粘土としてのみならず、壁材、造粒剤、被膜剤等各種の産業用資材として応用することができる。
なお、第一の態様のイオン複合型粘土組成物には、必要に応じ、第二の態様で用いるカチオン交換型粘土鉱物を含有させることもできる。この場合の固化反応は、アニオン交換型リグニン誘導体塩として、リグニンのスルホン酸塩を用いた場合、以下のように表すことができる。
[化3]
(Lig−SO3 -+ + Inorg-+) +Inorg+-
→ (Lig−SO3 -Inorg+ + Inorg−Inorg+)+ M+-
(式中、Ligはリグニン残基、M+はアルカリ金属などの金属原子を、Inorg-は粘土鉱物残基を、X-はハロゲン、リン酸、硫酸、ケイ酸等のアニオンを表す。)
また、第二の態様のイオン複合型粘土組成物には、必要に応じ、第一の態様で用いるアニオン交換型粘土鉱物を含有させることもできる。この場合の固化反応は、アニオン交換型リグニン誘導体塩として、たとえばリグニンの第4級アンモニウム塩を用いた場合、以下のように表すことができる。
[化4]
(Lig−N+(CH33- + Inorg+-)+ Inorg-+
→ (Lig−N+(CH33Inorg- + Inorg+Inorg-)+ M+-
(式中、Ligはリグニン残基、M+はアルカリ金属などの金属原子を、Inorg-は粘土鉱物残基を、X-はハロゲン、リン酸、硫酸、ケイ酸等のアニオンを表す。)
これらの固化反応により得られる固化物は、第一〜第二の態様のものと同様に、上記のようにリグニン分子が含有されているので粘結性が増大し可塑性に富むものであり、しかも、経時によりリグニン分子に導入したアニオン基とアニオン交換型粘土鉱物のカチオン基の脱塩反応により、リグニンと粘土鉱物とがイオン結合した複合体を形成するので、力学的に保持しうる程度の強度を有するものである。したがって、その可塑性と可撓性を利用することにより、造形用粘土としてのみならず、壁材、造粒剤、被膜剤等各種の産業用資材として応用することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1
[カチオン交換型リグニン誘導体塩とアニオン交換型粘土鉱物を含有するイオン複合型粘土組成物の調製]
部分脱スルホン型リグニンスルホン酸ナトリウム塩(弱酸性、5%水溶でpH 3.5)10部をポリエチレングリコール400(PEG400)20部に溶解し、溶液とした。この溶液5部とアロフェン 5部を混合して、イオン複合型粘土組成物を調製した。
[イオン複合型粘土固化物の調製]
上記で得たイオン複合型粘土組成物を室温に2日間放置して固化物を得た。この固化物は(示差走査熱量測定(DSC)、リグニン溶出試験により分析した結果、下記式で示される複合体であることが判った。
[化5]
Lig−SO3 -Na++ Inorg+- →Lig−SO3 -Inorg++ Na+-
(式中、Ligはリグニン残基、Inorg+はアロフェンカチオンサイトを、X-はアロフェン対イオンを示す)
なお、この固化物のTg(ガラス転移温度)は−71.5℃であった。また、前記リグニンスルホン酸ナトリウム塩のPEG400溶液のガラス転移温度(Tg)は−64.5℃であった。このことから、リグニンスルホン酸アニオンとアロフェンがオイン複合体を形成しており、リグニンの分子運動性が著しく抑制されたため、溶剤であるPEG400のガラス転移のみが検出されることが判った。さらに、固化物を水中で攪拌しても、リグニンの溶出は認められなかった。
実施例2
[アニオン交換型リグニン誘導体塩とカチオン交換型粘土鉱物を含有するイオン複合体粘土組成物の調製]
クラフトリグニン (KL)10部をPEG400 20部に溶解して溶液を得た。この溶液に、ジメチルベンジルアミン(DMBA)0.1部およびグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド3部を加えて、100℃で24時間反応させて、アンモニウムカチオンを有するKL誘導体(A-KL)を含む溶液を調製した。上記混合物は水溶性であることから、混合物中のKLはA−KLに転換されたことが確認された。この溶液のTgは−67.7℃であった。上記のA−KLを含む溶液5部とモンモリロナイトト5部を混合して、イオン複合型粘土組成物を調製した。
[イオン複合型粘土固化物の調製]
上記で得たイオン複合型粘土組成物を室温に2日間放置して固化物を得た。この固化物は(示差走査熱量測定(DSC)、リグニン溶出試験により分析した結果、下記式で示される複合体であることが判った。
[化6]
Lig−N+(CH33- + Inorg-+
→ Lig−N+(CH33Inorg- + M+-
(式中、Ligはリグニン残基、M+はアルカリ金属などの金属原子を、Inorg-はモンモリロナイトのアニオンサイトを、X-は塩素アニオンを表す。)
なお、この固化物のTgは、−69.6℃及び−10.1℃であり、Tgにおける△Cpの値も大きく低下した。このことから、A−KLのカチオンとモンモリロナイトがイオン複合体を形成しており、リグニンの分子運動性が著しく抑制されたため高温側のTgと溶剤であるPEG400のTgが検出されることが判った。さらに、固化物を水中で攪拌しても、リグニンの溶出は認められなかった。
実施例3
[アニオン交換型リグニン誘導体塩とカチオン交換型粘土鉱物を含有するイオン複合体粘土組成物の調製]
クラフトリグニン (KL)10部をPEG400 20部に溶解して溶液を得た。この溶液に、ジメチルベンジルアミン(DMBA)0.3部およびグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド3部を加えて、100℃で24時間反応させて、アンモニウムカチオンを有するKL誘導体(A-KL)を含む溶液を調製した。上記のA−KLを含む溶液4部とアンモニウムイオン含有型ベントナイト系ナノ粒子(粒子径 8μm, 層間距離 2.0nm)2部を混合して、イオン複合型粘土組成物を調製した。
[イオン複合型粘土固化物の調製]
上記で得たイオン複合型粘土組成物を室温に2日間放置して固化物を得た。この固化物は(示差走査熱量測定(DSC)、リグニンの溶出試験により分析した結果、下記式で示される複合体の混合物であることが判った。
[化7]
Lig−N+(CH33- + Inorg-+
→ Lig−N+(CH33Inorg- + M+-
(式中、Ligはリグニン残基、M+はアンモニウムカチオンを、Inorg-はベントナイトのアニオンサイトを、X-は塩素のアニオンを表す。)
なお、この固化物のTgは、−70.5℃及び−9.2℃であり、Tgにおける△Cpの値も大きく低下した。このことから、A−KLのカチオンとベントナイトがオイン複合体を形成しており、リグニンの分子運動性が著しく抑制されたため高温側のTgと溶剤であるPEG400のTgが検出されることが判った。さらに、固化物を水中で攪拌しても、リグニンの溶出は認められなかった。

Claims (12)

  1. カチオン交換型リグニン誘導体塩とアニオン交換型粘土鉱物および溶媒を含有することを特徴とするイオン複合型粘土組成物。
  2. カチオン交換型リグニン誘導体塩がリグニンの無機酸塩であることを特徴とする請求項1に記載のイオン複合粘土組成物。
  3. リグニンの無機酸塩がリグニンスルホン酸塩であることを特徴とする請求項2に記載のイオン複合粘土組成物。
  4. アニオン交換型粘土鉱物がアロフェンまたはイモゴライトであることを特徴とする請求項1〜3何れかに記載のイオン複合型粘土組成物。
  5. アニオン交換型リグニン誘導体塩とカチオン交換型粘土鉱物および溶媒を含有することを特徴とするイオン複合粘土組成物。
  6. アニオン交換型リグニン誘導体塩がリグニンのオニウム塩であることを特徴とする請求項5に記載のイオン複合粘土組成物。
  7. リグニンのオニウム塩がリグニンの第4級アンモニウム塩であることを特徴とする請求項6に記載のイオン複合粘土組成物。
  8. カチオン交換型粘土鉱物がモンモリロナイト、バーミキュライト及びベントナイトから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項5〜7何れかに記載のイオン複合粘土組成物。
  9. 溶媒が親水性溶媒であることを特徴とする請求項1〜8何れかに記載のイオン複合型粘土組成物。
  10. 親水性溶媒が、水及び/ 又はアルコールであることを特徴とする請求項9に記載のイオン複合型粘土組成物。
  11. アルコールがエチレングリコール、エチレングリコールオリゴマー、ポリエチレングリコールおよびグリセリンから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項10に記載のイオン複合型粘土組成物。
  12. 請求項1〜11何れかに記載のイオン複合型粘土組成物を固化することにより得られるイオン複合型粘土固化物。
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