JP4406539B2 - 路面表示用速乾性水性塗料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一液型の路面表示用速乾性水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
路面表示用塗料は、道路、駐車場などのコンクリートやアスファルト表面への車線、駐車スペースなどの表示や文字による指示などのために使用される特殊な塗料である。
この路面表示用塗料は、貯蔵安定性がよく、塗布後は、路面表示用速乾性で密着性、耐候性、耐摩耗性が高いといった特性が要求されるが、特に重要な性質は、貯蔵安定性と塗布後の乾燥性である。塗布後の乾燥に至るまでの時間は、道路等における車の通交遮断時間を意味するので、車の通交量の大きな道路では、できる限り乾燥時間の短い塗料が要求される。
易揮発性の有機溶剤を用いた速乾燥塗料は、塗布後迅速に乾燥するが、作業者および環境への悪影響が懸念されるうえ、引火の危険性も大きい。そこでこれらの有機溶剤系塗料に代わって水性塗料の使用が検討されてきた。
しかし一般に水性塗料は有機溶剤系塗料に比して乾燥に至る時間が長く、特に低温下や高湿下では、乾燥までに数時間以上を要することもある。そこで、一液型でありながら貯蔵安定性が高く、塗布後の乾燥時間が短く、路面への密着性、耐摩耗性および耐水性の良好な路面表示水性塗料が強く求められ、これまでにもいくつかの提案がなされてきた。
【0003】
それらの技術の1つに、塗料の隠ぺい性、反射性および乾燥性の向上を目的として、内部が空洞の、すなわち内部が空気で満たされている中空ポリマー微粒子と造膜性樹脂水分散体(本明細書においては、バインダー粒子分散体と実質的に同義に用いられる。)を同時または別々に路面に塗布する路面表示用水性塗料が提案されている。(特許文献1、特許文献2)。これらは、塗布後、中空ポリマー微粒子の空洞に水分散体中の水分を吸収させ乾燥を早めるという技術であるが、二成分を混合すると貯蔵中に水分が中空ポリマーの空隙に移行してきて塗料の粘度が上昇するので、別々に貯蔵しておき、使用時混合するという煩雑な操作を伴う。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−212504号
【特許文献2】
特開2002−30257号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、一液性で、貯蔵安定性がよく、塗布後は速乾性で、路面への密着性、耐水性、耐摩耗性も良好な路面表示用水性塗料組成物を得るために鋭意研究を重ねてきた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
その結果、本発明者らは、内部が親水性の揮発物質を溶解した水、たとえばアンモニア水などで満たされた中空ポリマー粒子の水分散体と造膜性樹脂すなわち特定のバインダー樹脂の水分散体、着色顔料、充填剤等を配合した一液性の水性塗料組成物が貯蔵安定性に優れ、塗布後の乾燥が早く、耐水性、密着性等路面表示用塗料に要求される特性をすべて備えたものであることを突き止めた。この内部が親水性の揮発物質を溶解した水で満たされた中空ポリマー粒子の水分散体を用いても塗布後の乾燥性が高いということは、全くの予想外のことであった。本発明は、その知見を基にして更に検討を重ね、完成したものである。
すなわち本発明は、
(1)
アンモニア、炭素数1〜4の低級アルコール、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれた親水性の揮発性物質の水溶液を内包する中空ポリマー粒子水分散体を、構成単量体としてカルボキシル基含有ビニル単量体を0.1〜10重量%含有するビニル系共重合体からなるバインダー粒子水分散体の固形分100重量部に対して、5〜70重量部を含有させた路面表示用速乾性水性塗料組成物、
(2)
中空ポリマー粒子水分散体の空隙率が10〜75%である(1)記載の路面表示用速乾性水性塗料組成物、
(3)
中空ポリマー粒子水分散体の平均粒子径が50〜2000nmである(1)又は(2)記載の路面表示用速乾性水性塗料組成物、
(4)
バインダー粒子のガラス転移温度が−10〜50℃である(1)記載の路面表示用速乾性水性塗料組成物、
(5)
バインダー粒子水分散体の平均粒子径が50〜400nmである(1)記載の路面表示用速乾性水性塗料組成物、
(6)
揮発性物質水溶液中の揮発性物質の濃度が100ppm〜10重量%である(1)記載の路面表示用速乾性水性塗料組成物、
(7)
ビニル系共重合体がアクリル共重合体である(1)記載の路面表示用速乾性水性塗料組成物、
(8)
カルボキシル基含有ビニル単量体がアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、フマル酸モノメチルエステルおよびフマル酸モノエチルエステルから選択された少なくとも1種類である(1)記載の路面表示用速乾性水性塗料組成物、
(9)
中空ポリマー粒子分散体とバインダー粒子水分散体の固形分の合計100重量部に、着色顔料を50〜200重量部、充填剤を100〜300重量部を含有させた(1)〜(8)のいずれかに記載の路面表示用速乾性水性塗料組成物、
である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる親水性の揮発性物質を内包する中空ポリマー粒子の製造法は、たとえば特願昭56−32513号公報により知られている。そこには、乳化重合により不飽和カルボン酸単量体を共重合させてコア粒子を調製した後、エチレン性不飽和単量体をカバー重合してシエル層を形成させ、得られた粒子にアンモニア等の揮発性塩基によりコア部のカルボン酸を中和して粒子を膨潤させる方法が記載されている。
また、このような内部に揮発性塩基を内包する中空ポリマー粒子の水分散体に、凍結防止剤としての効果を兼ね備えたメタノール、エタノール等の低級アルコール類を加えると、これらのアルコール類が空洞内に浸透し、内部に揮発性塩基とアルコール類が溶解した水溶液を内包する中空ポリマー粒子の水分散体を得ることができる。
【0008】
親水性の揮発性物質は、塗料が路面に塗布されると中空ポリマー粒子の殻(シェル)部を通過して大気中に散逸するような物質で、アンモニアの外揮発性のアミン類、たとえばジエタノールアミンやトリエタノールアミン、低級アルコール類、たとえばメタノール、エタール、n−プロパノール、n−ブタノール等が例として挙げられるが、アンモニア、メタノール、エタノールが好ましい。
中空ポリマー粒子の平均粒子径は50〜2000nm、好ましくは100〜1500nmで、中空ポリマー粒子中の空隙率は粒子の体積の10〜75%、好ましくは25〜70%である。
また内包する揮発性物質の濃度は10ppm〜10wt%、好ましくは1000ppm〜3wt%である。
【0009】
本発明に使用されるバインダー粒子は、本発明の塗料組成物が、常温で乾燥されることが多いので、その造膜最低温度が40℃以下、特に30℃以下のものが好ましい。
またバインダー粒子のガラス転移温度は通常−10〜50℃、好ましくは−10〜30℃である。バインダー粒子の平均粒子径は通常50〜400nm、好ましくは50〜300nmである。平均粒子径が50nm未満では塗料の粘度が上がり、塗布性、作業性に支障をきたす場合があり、平均粒子径が400nmを超えると、乾燥性、耐水性が悪くなる場合がある。
バインダー粒子はビニル系共重合体から構成され、エチレン系不飽和カルボン酸を0.1〜10重量%含有する。
このエチレン系不飽和カルボン酸としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸や、それらの無水物、例えば、マレイン酸メチル、イタコン酸メチルなどの不飽和ジカルボン酸のモノエステル、すなわち半エステルなどを挙げることができる。これらの中でメタクリル酸(MAA)が特に好ましい。これらのエチレン系不飽和カルボン酸単量体は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。またこれらのエチレン系不飽和カルボン酸単量体はアルカリ金属塩またはアンモニウム塩としても用いることができる。
このようなエチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用量は、モノマー混合物100重量部中、0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.3〜3重量部の範囲である。
【0010】
エチレン性不飽和カルボン酸以外の共重合可能なビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、などの芳香族ビニル化合物、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのエチレン系不飽和カルボン酸アミド、例えば、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、例えば、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジンなどのエチレン系不飽和アミンなどを挙げることができる。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルが特に好ましい。
これらの共重合性ビニル単量体の使用量は単量体混合物100重量部中、80〜9.5重量部であり、好ましくは85〜99.9重量部である。
【0011】
本発明におけるバインダー粒子水分散体と中空ポリマー粒子水分散体の使用割合は、前者の固形分100重量部に対し、後者の固形分が5〜70重量部、好ましくは10〜50重量部である。
【0012】
本発明のバインダー粒子水分散体と中空ポリマー粒子水分散体を用いて路面表示用塗料組成物を得るには、両者の混合物に着色顔料(B)および充填材(C)およびその他の添加剤を混合することにより行うことができる。
【0013】
着色顔料としては、二酸化チタン、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料、シアニンブルー、シアニングリーン等の有機顔料が挙げられるが、路面表示用塗料組成物には、二酸化チタンが繁用される。
着色顔料の使用割合は、アクリル共重合体の固形分100重量部に対して、通常10〜200重量部、好ましくは、30〜100重量部である。
【0014】
充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、タルク、クレー、セライト、マイカ、アルミナ、シリカ、ガラス粉末等の無機充填剤が挙げられるが、炭酸カルシウムが便宜に使用される。
充填剤の使用量は、アクリル共重合体の固形分100重量部に対して、通常100〜350重量部、好ましくは、150〜300重量部である。
【0015】
路面表示用塗料組成物のpHは通常5〜12、好ましくは7〜11の範囲である。このpH値が5より低いときは、本発明による路面表示用塗料組成物の機械的安定性が不十分となり、12を超えると塗装後の乾燥性が悪くなることがあるので、pH調節剤により適当な範囲に調節するのが好ましい。pH調節剤としては、アンモニア、炭酸ソーダ、水酸化ナトリウム、モルフォリン、低級アルキルアミンなどのアルカリ性物質や、硫酸等の酸性物質などが挙げられる。
【0016】
本発明の路面表示用塗料組成物には、さらに増粘剤を配合することにより、組成物の粘性を向上させることができる。増粘剤としては、例えばカゼイン、グルー、ゼラチン等の動物性増粘剤、アルギン酸塩、でんぷん、アラビヤガム等の植物性増粘剤、ベントナイト等の鉱物性増粘剤、ポリカルボン酸塩、アクリル共重合体、架橋型アクリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド等の高分子系増粘剤、カルボキシル化メチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサントゲン酸セルロース、カルボキシル化でんぷん等の繊維素誘導体、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルピリジニウムブロマイド等のカチオン系増粘剤等が挙げられる。
その他、分散剤、凍結防止剤、可塑剤、消泡剤、保存剤、架橋剤などの適量を適宜加えてもよい。
【0017】
本発明の路面表示用水性塗料組成物における固形分の占める割合は、通常50〜80重量%、好ましくは、55〜70重量%である。
このようにして得られた路面表示用水性塗料組成物は、たとえば金属、ガラス、プラスチック製の密閉容器に貯蔵する。使用時には、よく攪拌して均一化し、スプレイガンや刷毛塗りにより直接路面に塗布する。
【0018】
【実施例】
次に、実施例、比較例および試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、これらにおいて、「部」および「%」は断りのない限り重量基準である。
【0019】
重合例 A−1
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入口を備えた重合容器に、脱イオン水50部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1部およびpH緩衝剤として重炭酸ナトリウム0.33部を仕込み撹拌しながら80℃に加熱した後、窒素置換した。この中にアクリル酸ブチル45部、メタクリル酸メチル54部、メタクリル酸1部、ドデシルメルカプタン1.2部、ラウリル硫酸ナトリウム0.5部、脱イオン水30部からなる乳化モノマー液の3重量%に相当する3.95部を添加し、10分後に1.8部のイオン水に溶解した過硫酸アンモニウム0.28部を添加し種重合を行った。発熱開始から20分後、残りの乳化モノマー液127.75部と6.3部の脱イオン水に溶解した過硫酸アンモニウム0.12部を撹拌下、温度を80℃に保ちながら3時間かけて滴下し、滴下終了後1時間80℃を維持し重合を終了させた。これを室温まで冷却した後に、希釈水、25%アンモニア水を加え固形分を50%、pHを8〜10に調製した。最終生成物(A−1)は固形分50.1%、ブルックフィールド粘度270mPa・s(30rpm)、平均粒子径170nm、pH=9.6であった。
【0020】
重合例A−2
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入口を備えた重合容器に、脱イオン水45部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1部およびpH緩衝剤として重炭酸ナトリウム0.33部を仕込み攪拌しながら80℃に加熱した後、窒素置換した。この中にアクリル酸ブチル45部、メタクリル酸メチル54部、メタクリル酸1部、ドデシルメルカプタン1.2部、ラウリル硫酸ナトリウム0.5部、脱イオン水25部からなる乳化モノマー液の2.5重量%に相当する3.17部を添加し、10分後に1.8部の脱イオン水に溶解した過硫酸アンモニウム0.28部を添加し種重合を行った。発熱開始から20分後、残りの乳化モノマー液123.53部と5.7部の脱イオン水に溶解した過硫酸アンモニウム0.12部を攪拌下、温度を80℃に保ちながら3時間かけて滴下し、滴下終了後1時間80℃を維持し重合を終了させた。これを室温まで冷却した後に、希釈水、25%アンモニア水を加え固形分を55%、pHを8〜10に調整した。最終生成物(A−2)は固形物55.5%、ブルックフィールド粘度370mPa・s(30rpm)、平均粒子径192nm、pH=9.0であった。
【0021】
重合例 A−3〜A−8
重合例1と同様にして表1に示されるモノマー組成で重合を行った。ただし、重合例4は種重合に使用した乳化モノマー量を作成した乳化モノマーの1重量%に相当する1.32部に変更して重合を行った。
得られたエマルジョンの性状値は表1のとおりであった。
【0022】
【表1】
重合安定性は以下の基準により判定した。
○:反応器、攪拌ばねの汚れが殆ど無く、ろ過残留物も殆ど無かった。
△:反応器、攪拌ばねが汚れていた、あるいはろ過残留物が多かった。
×:ゲル化した、またはろ過できなかった。
【0023】
実施例1
水系バインダー組成物A−1を固形分で85重量部に対し、中空ポリマー水分散体(ローペークOP−62、:ローム&ハース社製、空隙率33%、平均粒子径400μm)を固形分で15重量部配合し、表2に示す標準塗料配合により塗料化した。得られた塗料および塗膜の特性は表3のとおりであった。
【0024】
実施例2〜9
表3に示される水系バインダー組成物と中空ポリマー水分散体の配合比により配合し、標準塗料配合により塗料化した。得られた塗料および塗膜の特性は表3のとおりであった。
【0025】
比較例1〜8
表4に示す水系バインダー組成物を用い、標準塗料配合により塗料化した。得られた塗料および塗膜の特性は表4のとおりであった。
【0026】
【表2】
表中XおよびYは式(1)および式(2)によって決定される。
X+Y=61.5 (1)
aX=2700 (2)
(a:水系バインダー組成物と中空ポリマー水分散体配合物の固形分)
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
塗料、塗膜の特性評価は以下に基づいて行った。
(1)粘度
ブルックフィールド粘度、BM度12rpm、25度
(2)T1
ブルックフィールド粘度、BM型、6rpm/60rpmの値、25℃
(3)乾燥性
作成した塗料を23℃X50%RH雰囲気かで1日養生後、同雰囲気下でガラス板にアプリケーターを用いて10ミルの厚さで塗布した。塗膜の乾燥性は塗布後1分毎にNo.21号の黒ゴム線を置いた時の塗料の付着が認められなくなるまでの時間と、指触によるタックが感じられなくなる時間(指触乾燥)を測定した。
(4)耐水性
乾燥性と同様な方法で塗布した試験体を23℃X50%RH下で20分乾燥後、20℃に調整した水浴に浸し、1日後の塗膜の様子を観察した。判定は以下の基準で行った。
◎:全く異常が観られなかった。
○:一部フクレが観られた。
△:塗膜全体にフクレが観られた。
×:塗膜がガラス板から浮いてしまっていた。
(5)保存安定性
A)−10℃凍結安定性
−10℃雰囲気下で3日静置後、室温で1日静置するのを1サイクルとして、 これを10サイクル行い、塗料の流動性を下記の判定基準で評価した。
◎:10サイクル後も流動性が確保され、粘度変化が初期値に対して10%以内であった。
○:10サイクル後も流動性が確保されたが、粘度変化が初期値に対して10%を超えた。
△:5〜10サイクル目で固化した。
×:5サイクルまでに固化した。
B)40℃保存安定性
塗料を40℃X30日保存した前後の粘度変化を測定し、下記の判断基準で評価した。
◎:初期の粘度の10%以内
○:初期の粘度の10%を超える
△:15〜30日の間に固化
×:15日までに固化
【0029】
実施例10および11
実施例1の水系バインダー組成物と中空ポリマー粒子水分散体配合物を使用して表2の標準塗料配合の酸化チタン、炭酸カルシウム配合量のみを表5に示される配合量に変更した場合に得られた塗料および塗膜の特性を表5に示す。
【0030】
【表5】
【0031】
【発明の効果】
本発明の路面表示用水性塗料用組成物は、速乾性、耐水性に優れ、かつ水性あるため安全性が高く、大気汚染の心配がないという特長を有している。
Claims (9)
- アンモニア、炭素数1〜4の低級アルコール、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれた親水性の揮発性物質の水溶液を内包する中空ポリマー粒子水分散体を、構成単量体としてカルボキシル基含有ビニル単量体を0.1〜10重量%含有するビニル系共重合体からなるバインダー粒子水分散体の固形分100重量部に対して、5〜70重量部を含有させた路面表示用速乾性水性塗料組成物。
- 中空ポリマー粒子水分散体の空隙率が10〜75%である請求項1記載の路面表示用速乾性水性塗料組成物。
- 中空ポリマー粒子水分散体の平均粒子径が50〜2000nmである請求項1又は2記載の路面表示用速乾性水性塗料組成物。
- バインダー粒子のガラス転移温度が−10〜50℃である請求項1記載の路面表示用速乾性水性塗料組成物。
- バインダー粒子水分散体の平均粒子径が50〜400nmである請求項1記載の路面表示用速乾性水性塗料組成物。
- 揮発性物質水溶液中の揮発性物質の濃度が100ppm〜10重量%である請求項1記載の路面表示用速乾性水性塗料組成物。
- ビニル系共重合体がアクリル共重合体である請求項1記載の路面表示用速乾性水性塗料組成物。
- カルボキシル基含有ビニル単量体がアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、フマル酸モノメチルエステルおよびフマル酸モノエチルエステルから選択された少なくとも1種類である請求項1記載の路面表示用速乾性水性塗料組成物。
- 中空ポリマー粒子分散体とバインダー粒子水分散体の固形分の合計100重量部に、着色顔料を50〜200重量部、充填剤を100〜300重量部を含有させた請求項1〜8のいずれかに記載の路面表示用速乾性水性塗料組成物。
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