JP2006008785A - 速乾性水性塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、一液性で、貯蔵安定性がよく、しかも塗布後の乾燥が早く、塗布面への密着性、耐摩耗性、耐水性が良好な速乾性水性塗料組成物を提供することにある。
【解決手段】次の式で表されるリン酸エステル化合物を速乾性水性用塗料の可塑剤として用いた一液性の水性塗料組成物が貯蔵安定性に優れ、塗布後の乾燥が早く、耐水性、密着性等路面表示用塗料に要求される特性をすべて備えている。
(1)一般式(1)
【化6】
Figure 2006008785

または一般式(2)
【化7】
Figure 2006008785

(式中、R、R、Rは、同一または異なる炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基、ハロアルキル基またはハロアルキルフェニル基、Aは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素の残基、Bは炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または脂環族炭化水素の残基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、一液型の速乾性水性塗料組成物に関する。
一般に塗料は、塗布後はなるべく速く乾燥することが望ましい。たとえば、道路、駐車場などのコンクリートやアスファルト表面への車線、駐車スペースなどの表示や文字による指示などのために使用される路面表示用塗料は、貯蔵安定性がよく、塗布後は、路面表示用として速乾性で密着性、耐候性、耐摩耗性が高いといった特性が要求されるが、特に重要な性質は、貯蔵安定性と塗布後の乾燥性である。塗布後の乾燥に至るまでの時間は、道路等における車の通交遮断時間を意味するので、車の通交量の大きな道路では、できる限り乾燥時間の短い塗料が要求される。
この路面表示用途以外にも、工場、校舎、屋内外競技場等におけるコンクリート床、タイル床、樹脂タイル床、木製床に塗布する塗料も、塗布後は速く乾燥するに越したことはない。さらに、路面、床面のみならず、壁面、天井面においても同じことがいえる。
易揮発性の有機溶剤を用いた速乾燥塗料は、塗布後迅速に乾燥するが、作業者および環境への悪影響が懸念されるうえ、引火の危険性も大きい。そこでこれらの有機溶剤系塗料に代わって水性塗料の使用が検討されてきた。
しかし一般に水性塗料は有機溶剤系塗料に比して乾燥に至る時間が長く、特に低温下や高湿下では、乾燥までに数時間以上を要することもある。そこで、一液型でありながら貯蔵安定性が高く、塗布後の乾燥時間が短く、塗布面への密着性、耐摩耗性および耐水性の良好な速乾性水性塗料の開発が強く求められ、これまでにもいくつかの技術の提案がなされてきた。
それらの中に、水性エマルジョンにアクリロイル基等の反応性官能基を有するオリゴマーを一定量配合して乾燥性、塗膜形成による耐汚染性を向上させるといった技術(特許文献1)が提案されているが、塗料を構成するエマルジョン中のポリマーの分子量が10,000〜100,000と低いため、乾燥性、耐摩耗性、耐汚染性、塗膜強度及び塗布面との接着性が不充分という問題点がある。また、この塗料は、耐汚染性向上のために用いられる反応性オリゴマーが高価なものであるので経済的に不利であると同時に、オリゴマーの反応性基であるアクリロイル基は空気中でのラジカル反応性が低く、ジシクロペンテニル基も金属酸化物の存在下で迅速には架橋反応が進行しないので、耐汚染性を発揮するまでにかなりの時間を要するという欠点がある。
そこで、より短い乾燥時間の水性塗料組成物を製造するために、塩基もしくは酸またはそれらを組み合わせて使用し、凝固を早める方法として、pHに敏感なバインダーを用いる技術が考案された。
その一つに、多官能性アミンをモノマーの一部に用いて共重合体を合成し、それが非イオン性状態になるまでpHを上昇させた水性塗料組成物(特許文献2)が提案されているが、塗布後の乾燥性の点でなお改良の余地を残している。
また、フィルム形成ラテックスポリマーとして弱基官能性合成ラテックスポリマーおよび揮発性塩基を含む水性コーティング組成物(特許文献3)も提案されている。しかし、弱塩基官能性ポリマーは、架橋または高分子量の故に水に不溶性であり、弱塩基部分のかなりの部分が水不溶性の粒子の表面の下に埋もれてしまうので、その官能性を均一にコーティング組成物内に分散させる能力が本質的に制限される結果、この塗料組成物も利用し難いところがある。
特開平6−271789号公報 特開平3−157463号 欧州特許409459号
本発明の課題は、一液性で、貯蔵安定性がよく、しかも塗布後の乾燥が早く、塗布面への密着性、耐摩耗性、耐水性が良好な速乾性水性塗料組成物を提供することにある。
本発明者らは、従来ビニル重合体の可塑剤として用いられている一般式(1)または(2)で示されるリン酸エステル化合物を水性塗料組成物に配合することにより、得られた一液性の水性塗料組成物が貯蔵安定性に優れ、塗布後の乾燥が早く、耐水性、密着性等塗料に要求される特性をすべて備えたものであることを突き止めた。特に塗布後の乾燥時間が短縮されるという効果については驚きであった。
すなわち本発明は、
(1)一般式(1)
Figure 2006008785
または一般式(2)
Figure 2006008785
(式中、R、R、Rは同一または異なる炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基、ハロアルキル基またはハロアルキルフェニル基、Aは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基、Bは炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または脂環属炭化水素基である。)で示されるリン酸エステル化合物を1〜30重量部、ビニル共重合体(a)の水分散体を固形分換算で100重量部、着色顔料(b)を10〜200重量部および充填材(c)を100〜350重量部含有してなる速乾性水性塗料組成物。
(2)ビニル重合体(a)が、ブチルアクリレート(BA)および/または2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)、およびメチルメタクリレート(MMA)および/またはスチレン(ST)を含んでなるものである(1)記載の速乾性水性塗料組成物、
(3)構成モノマー全量に対して、ブチルアクリレート(BA)および/または2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)を10〜50重量%、メチルメタクリレート(MMA)および/またはスチレン(ST)を5〜70重量%含んでなるものである(1)記載の速乾性水性塗料組成物、
(4)ビニル共重合体(a)が−10〜50℃のガラス転移温度を有するものである(1)記載の速乾性水性塗料組成物、
(5)ビニル共重合体(a)の構成モノマーがさらにカルボキシル基含有ビニルモノマーを0.1〜5重量%含有するものである(1)記載の速乾性水性塗料組成物、
(6)ビニル共重合体(a)の水分散体の平均粒子径が0.05〜0.4μmである(1)記載の速乾性水性塗料組成物、および
(7)路面表示用である(1)〜(6)のいずれかに記載の速乾性水性塗料組成物
である。
一般式(1)および(2)で示されるリン酸エステル化合物は、従来ビニル重合体の可塑剤として知られた化合物である。
一般式(1)中R、R、Rで表される炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基としては、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどが、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基としてはフェニル基、アルキルフェニル基が、炭素数3〜18の脂環族炭化水素基としてはシクロペンチル、シクロヘキシル基等が挙げられるが、中でも炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜8の芳香族炭化水素基が好ましく用いられる。
ハロアルキル基またはハロアルキルフェニル基は、前記の脂肪族、芳香族または脂環族炭化水素基の任意の水素がフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子により置換された基が挙げられる。
一般式(2)中Aで示される炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基としては、たとえば、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、n−ペンチレン、n−ヘキシレンなどが挙げられるが、中でも炭素数1〜4の脂肪族炭化水素残基が好ましい。芳香族炭化水素基としてはフェニル基が挙げられる。Bで示される炭素数1〜18の脂肪族炭化水素残基、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基としては前記R、R、Rで示されたと同様の基が挙げられるが、中でも炭素数1〜4の脂肪族炭化水素残基が好ましい。
一般式(1)で示されるリン酸エステル化合物の具体例としては、例えばトリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートが挙げられる。
一般式(2)で示されるリン酸エステル化合物の具体例としてはトリエトキシエチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェートが挙げられる。
一般式(1)あるいは(2)の塗料組成物中に占める割合は、ビニル重合体(a)100重量部(固形分換算)に対して1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部である。化合物(1)の割合が30重量部を越えると乾燥性、耐水性、密着性の低下、塗料化後の貯蔵安定性が低下することがある。
ブチルアクリレート(BA)と2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)は、いずれか一方のみでもよく、両者の混合物でもよい。混合物である場合の、両者の混合比は、任意である。ブチルアクリレート(BA)および/または2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)のアクリル共重合体(a)中の占める割合は、10〜50重量%、好ましくは20〜45重量%である。
メチルメタクリレート(MMA)とスチレン(ST)は、いずれか一方のみでもよく、両者の混合物でもよい。混合物である場合の、両者の混合比は、任意である。メチルメタクリレート(MMA)および/またはスチレン(ST)のアクリル共重合体(a)中の占める割合は、5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%である。
ビニル共重合体(a)は構成モノマーとしてさらにカルボキシル基含有ビニルモノマーを含有していてもよい。このカルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、琥珀酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられるが、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、イタコン酸が好ましい。カルボキシル基含有ビニルモノマーのビニル共重合体(a)中に占める割合は0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%である。
ビニル共重合体(a)は一般式(3)
Figure 2006008785

(式中、X及びZはそれぞれ、水素、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または脂環族炭化水素基、Yは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、Rは炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を示す。)で示されるビニル化合物を含有しても良い。一般式(3)で示される化合物には、たとえば(メタ)アクリルアミドメチルメチレンウレア、(メタ)アクリルアミドエチルメチレンウレア、(メタ)アクリルアミドエチルエチレンウレア、(メタ)アクリルアミドブチルエチレンウレア等が挙げられるが、特に(メタ)アクリルアミド−C1−10アルキレン−エチレンウレアが好ましい。一般式(3)の化合物のビニル共重合体(A)中に占める割合は0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量である。
ビニル共重合体(a)は親水性の揮発性物質水溶液を内包する中空ポリマー粒子水分散体を含有しても良い。親水性の揮発性物質を内包する中空ポリマー粒子の製造法は、たとえば特願昭56−32513号公報により知られている。そこには、乳化重合により不飽和カルボン酸単量体を共重合させてコア粒子を調製した後、エチレン性不飽和単量体をカバー重合してシェル層を形成させ、得られた粒子にアンモニア等の揮発性塩基によりコア部のカルボン酸を中和して粒子を膨潤させる方法が記載されている。また、このような内部に揮発性塩基を内包する中空ポリマー粒子の水分散体に、凍結防止剤としての効果を兼ね備えたメタノール、エタノール等の低級アルコール類を加えると、これらのアルコール類が空洞内に浸透し、内部に揮発性塩基とアルコール類が溶解した水溶液を内包する中空ポリマー粒子の水分散体を得ることができる。
親水性の揮発性物質は、塗料が塗布面に塗布されると中空ポリマー粒子の殻(シェル)部を通過して大気中に散逸するような物質で、アンモニアの外、揮発性のアミン類、たとえばジエタノールアミンやトリエタノールアミン、低級アルコール類、たとえばメタノール、エタール、n−プロパノール、n−ブタノール等が例として挙げられるが、アンモニア、メタノール、エタノールが好ましい。
中空ポリマー粒子の平均粒子径は50〜2000nm、好ましくは100〜1500nmで、中空ポリマー粒子中の空隙率は粒子の体積の10〜75%、好ましくは25〜70%である。
また内包する揮発性物質の濃度は10ppm〜10wt%、好ましくは1000ppm〜3wt%である。
以下に本発明に用いるビニル共重合体の水分散体の製造方法について説明する。
まず、ビニルモノマー、たとえば、ブチルアクリレート(BA)および/または2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)、メチルメタクリレート(MMA)および/またはスチレン(ST)、必要により、カルボキシル基含有ビニルモノマーを含んでなるモノマー混合物を従来から知られている乳化重合の方法、例えば水のような水性媒体中にモノマー混合物、重合開始剤、界面活性剤、および乳化重合に必要なその他の添加剤の存在下に乳化重合する。
重合開始剤としては、従来乳化重合において知られている通常の重合開始剤を用いることができる。
このような重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化水素水、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の水性ラジカル重合開始剤又はこれらの混合物が挙げられる。重合開始剤の使用量はモノマー全重量に対して通常0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%である。このような重合開始剤はまた、還元剤と組合せレドックス系を形成することができる。そのような還元剤としては亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、ホルムアルデヒドスルホン酸塩等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩、L−アスコルビン酸、酒石酸などのカルボン酸類が挙げられ、その使用量はモノマー全重量に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%である。
なお、本発明のビニル共重合体の製造法において、還元剤として硫酸第一鉄、硫酸アンモニウム第一鉄、ナフテン酸第一銅などの鉄、銅、ニッケル、コバルト、クロモ、モリブテン、バナジウム、セリウムのような遷移金属の塩なども用いることができるが、路面表示用塗料組成物に着色などが観られる場合がある。
本発明における乳化重合に用いられる界面活性剤はアニオン性、ノニオン性、および両性界面活性剤の少なくとも1種を用いることができる。アニオン性界面活性剤の例としてはアルキルまたはアルキルアリル硫酸塩、アルキルまたはアルキリアリルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などのアルカリ金属塩、またはアンモニウム塩が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられる。両性界面活性剤としてはベタイン、アミノ酸の誘導体が挙げられる。これら界面活性剤の使用量はモノマー全重量に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜3重量%である。この使用量が0.1重量%よりも少ない場合は反応が不安定となり、凝集物が生成する場合がある。反対に5重量%よりも多い場合は路面表示塗料としての乾燥性、耐水性が悪くなる場合がある。
また、本発明においては、必要に応じて、乳化重合をエチレンジアミン4酢酸ナトリウムなどのキレート剤、ポリカルボン酸塩などの分散剤、リン酸塩、炭酸塩などの無機塩、チオール化合物、ハロゲン化合物などの連鎖移動剤の存在下に行ってもよい。
重合は通常0〜100℃の温度で、単量体の添加率が99%以上に達するまで行われる。
ビニル共重合体水分散体の平均粒子径の範囲は通常0.05〜0.4μmであり、好ましくは0.1〜0.3μmである。平均粒子径が0.05μm未満では塗料の粘度が高くなり過ぎて、塗料の塗布性、作業性に支障をきす場合があり、平均粒子経が0.4μmを越えると、路面表示塗料としての乾燥性、耐水性が悪くなる場合がある。
このようにして得られたビニル共重合体のエマルジョンに、着色顔料(b)、充填材(c)、その他の配合物を加え、均一になるように攪拌される。
着色顔料(b)としては、二酸化チタン、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料、シアニンブルー、シアニングリーン等の有機顔料が挙げられるが、路面表示用塗料の場合には、二酸化チタン、あるいは黄鉛が繁用される。
着色顔料(b)の使用割合は、ビニル共重合体(a)の固形分100重量部に対して、通常10〜200重量部、好ましくは、20〜100重量部である。
充填材(c)としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸バリウム、珪酸マグネシウム、タルク、クレー、セライト、マイカ、アルミナ、シリカ、ガラス粉末等の無機充填材が挙げられるが、炭酸カルシウムが便宜に使用される。
充填材(c)の使用量は、ビニル共重合体(a)の固形分100重量部に対して、通常100〜350重量部、好ましくは、150〜300重量部である。
本発明の速乾性水性塗料組成物のpHは通常5〜12、好ましくは7〜11の範囲である。このpH値が5より低いときは、本発明による塗料組成物の機械的安定性が不十分となり、12を越えると塗装後の乾燥性が悪くなることがある。
組成物のpHの調節は、アンモニア、炭酸ソーダ、水酸化ナトリウム、モルフォリン、低級アルキルアミンなどのアルカリ性物質や、硫酸等の酸性物質のpH調整剤を適宜加えることにより行うことができる。
本発明の速乾性水性塗料組成物には、さらに増粘剤を配合することにより、組成物の粘性を向上させることができる。増粘剤としては、例えばカゼイン、グルー、ゼラチン等の動物性増粘剤、アルギン酸塩、でんぷん、アラビヤガム等の植物性増粘剤、ベントナイト等の鉱物性増粘剤、ポリカルボン酸塩、アクリル共重合体、架橋型アクリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド等の高分子系増粘剤、カルボキシル化メチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサントゲン酸セルロース、カルボキシル化でんぷん等の繊維素誘導体、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルピリジニウムブロマイド等のカチオン系増粘剤等が挙げられる。
その他、さらに分散剤、凍結防止剤、造膜助剤、消泡剤、保存剤、架橋剤などの適量を適宜加えてもよい。
このようにして調製された塗料用組成物は、たとえば金属製、ガラス製、プラスチック製の密閉容器に貯蔵しておけば長期に亘って安定に保存することができる。
この塗料組成物の使用に際しては、容器内容物を振盪、撹拌して均一な組成部とし、刷毛塗り、スプレー法等公知の方法で塗布すればよい。
本発明の路面表示用水性塗料組成物は、一液性で、貯蔵安定性がよく、しかも塗布後の乾燥が早く、塗布面への密着性、耐摩耗性、耐水性が良好である。
次に、実施例、比較例および試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、これらにおいて、「部」および「%」は断りのない限り重量基準である。
重合例1 A−1の調製
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入口を備えた重合容器に、脱イオン水50部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1部およびpH緩衝剤として重炭酸ナトリウム0.33部を仕込み撹拌しながら80℃に加熱した後、窒素置換した。この中にアクリル酸ブチル(BA)45部、メタクリル酸メチル(MMA)54部、メタクリル酸(MAA)1部、ドデシルメルカプタン1.2部、ラウリル硫酸ナトリウム0.5部、脱イオン水30部からなる乳化モノマー液の3重量%に相当する3.95部を添加し、10分後に1.8部のイオン水に溶解した過硫酸アンモニウム0.28部を添加し種重合を行った。発熱開始から20分後、残りの乳化モノマー液127.75部と6.3部の脱イオン水に溶解した過硫酸アンモニウム0.12部を撹拌下、温度を80℃に保ちながら3時間かけて滴下し、滴下終了後1時間80℃を維持し重合を終了させた。これを室温まで冷却した後に、希釈水、25%アンモニア水を加え固形分を50%、pHを9〜11に調製した。最終生成物(A−1)は固形分50.1%、ブルックフィールド粘度350mPa・s(30rpm)、平均粒子径170nm、pH=10.3であった。
重合例2 A−2の調製
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入口を備えた重合容器に、脱イオン水45部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1部およびpH緩衝剤として重炭酸ナトリウム0.33部を仕込み攪拌しながら80℃に加熱した後、窒素置換した。この中にアクリル酸ブチル(BA)45部、メタクリル酸メチル(MMA)54部、メタクリル酸(MAA)1部、ドデシルメルカプタン1.2部、ラウリル硫酸ナトリウム0.5部、脱イオン水25部からなる乳化モノマー液の2.5重量%に相当する3.17部を添加し、10分後に1.8部の脱イオン水に溶解した過硫酸アンモニウム0.28部を添加し種重合を行った。発熱開始から20分後、残りの乳化モノマー液123.53部と5.7部の脱イオン水に溶解した過硫酸アンモニウム0.12部を攪拌下、温度を80℃に保ちながら3時間かけて滴下し、滴下終了後1時間80℃を維持し重合を終了させた。これを室温まで冷却した後に、希釈水、25%アンモニア水を加え固形分を55%、pHを8〜11に調整した。最終生成物(A−2)は固形物55.5%、ブルックフィールド粘度540mPa・s(30rpm)、平均粒子径192nm、pH=10.3であった。
重合例3 A−3〜A−10の調製
重合例1と同様にして表1に示されるモノマー組成で重合を行った。ただし、重合例5は種重合に使用した乳化モノマー量を作成した乳化モノマーの1重量%に相当する1.32部に変更して重合を行った。
得られたエマルジョンの性状値は表1のとおりであった。
Figure 2006008785
BA :ブチルアクリレート
2EHA :2−エチルヘキシルアクリレート
MMA :メチルメタクリレート
ST :スチレン
MAEEU:メタクリルアミドエチルエチレンウレア
MAA :メタクリル酸
実施例1
水系バインダー組成物A−1を用い、表2に示す標準塗料配合により塗料化した。得られた塗料の物性を表2に示す。
Figure 2006008785
実施例2
水系バインダー組成物A−2を用い、表3に示す塗料配合処方により塗料化した。得られた塗料の物性を表3に示す。
Figure 2006008785
実施例3〜12
水系バインダー組成物A−3を用い、表2に示す標準塗料配合に準じて塗料化した。
同じく水系バインダー組成物A−3〜A−10を用い、表2に示す標準塗料配合に準じて塗料化した。ただし、トリブトキシエチルホスフェートおよびトリブチルホスフェートの配合量は2℃での造膜性を確保できる割合に調整した。得られた実施例1〜12の塗料の物性を表4に示す。
Figure 2006008785
TBXP配合量及びTBP配合量:水系バインダー組成物の樹脂(固形分)100重量部に対するトリブトキシエチルホスフェート(TBXP)及びトリブチルホスフェート(TBP)の配合部数
比較例1〜9
表5に示す水系バインダー組成物を用い、トリブトキシエチルホスフェートに代えて造膜助剤としてテキサノール、ブチルセロソルブを用いた以外は表2に示した標準塗料配合に準じて塗料化した。テキサノールとブチルセロソルブの配合量は水系バインダー組成物の固形分100重量部に対する配合部数で示した。得られた塗料および塗膜の特性は表5のとおりであった。
Figure 2006008785
塗料、塗膜の特性評価は以下に基づいて行った。
(1) 粘度
ブルックフィールド粘度、BM型、12rpm、25℃
(2) TI
ブルックフィールド粘度、BM型、6rpm/60rpmの値、25℃
(3) 乾燥性
作成した塗料を20℃×53%RH雰囲気下で1日養生後、同雰囲気下でガラス板にアプリケーターを用いて10ミルの厚さで塗料を塗布した。試験はJIS K5665に準じた方法で行った。試験用ロールに塗料が付着しなくなった時間をタイヤ付着性、塗面のタイヤ痕が残らなくなった時間をタイヤマーキングなしの時間として評価した。
(4) 耐水性
乾燥性と同様な方法で塗布した試験体を20℃×53%RH下で20分乾燥後、20℃に調整した水浴に浸し、1日後の塗膜の様子を観察した。判定は以下の基準で行った。
◎:全く異常が観られなかった。
○:一部フクレが観られた。
△:塗膜全体にフクレが観られた。
×:塗膜がガラス板から浮いてしまっていた。
(5) 保存安定性
A)−10℃凍結安定性
−10℃雰囲気下で3日静置後、室温で1日静置を1サイクルとして、10サイクル行い、塗料の流動性を下記の判定基準で評価した。
◎:10サイクル後も流動性が確保され粘度変化が初期値に対して10%以内であった。
○:10サイクル後も流動性が確保され粘度変化が初期値に対して10%を超えた。
△:5〜10サイクルで固化した。
×:5サイクルまでに固化した。

B)80℃保存安定性
塗料を80℃×3時間保存した前後の粘度変化を測定し、下記の判断基準で評価した。
◎:初期の粘度の10%以内
○:初期の粘度の10%を超える
△:流動性がない
×:固化
実施例13、14および比較例10〜12
重合例1で得られた水系バインダー組成物A−1を使用し、表2に示す標準塗料配合の酸化チタン、炭酸カルシウムの配合量を表6に示す割合に変更し塗料化を行った。得られた塗料および塗膜の特性は表6に示すとおりであった。
Figure 2006008785
本発明の速乾性水性塗料組成物は、速乾性、耐水性、耐摩耗性に優れ、かつ水性であるため安全性が高く、大気汚染の心配がないので、路面表示用塗料として極めて有用であるが、それ以外でも、たとえば、工場、作業所、校舎、屋内外競技場等のコンクリート床、タイル床、合成樹脂タイル床、木製床、さらには各種建築物の外壁等に速乾性水性塗料の特長を生かして好適に使用される。

Claims (7)

  1. 一般式(1)
    Figure 2006008785
    または一般式(2)
    Figure 2006008785
    (式中、R、R、Rは、同一または異なる炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基、ハロアルキル基またはハロアルキルフェニル基、Aは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基、Bは炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または脂環族炭化水素基である。)で示されるリン酸エステル化合物を1〜30重量部、ビニル共重合体(a)の水分散体を固形分換算で100重量部、着色顔料(b)を10〜200重量部および充填材(c)を100〜350重量部含有してなる速乾性水性塗料組成物。
  2. ビニル共重合体(a)の構成モノマーが、ブチルアクリレート(BA)および/または2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)、およびメチルメタクリレート(MMA)および/またはスチレン(ST)を含んでなるものである請求項1記載の速乾性水性塗料組成物。
  3. 構成モノマー全量に対して、ブチルアクリレート(BA)および/または2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)を10〜50重量%、メチルメタクリレート(MMA)および/またはスチレン(ST)を5〜70重量%含んでなるものである請求項1記載の速乾性水性塗料組成物。
  4. ビニル共重合体(a)が−10〜50℃のガラス転移温度を有するものである請求項1記載の速乾性水性塗料組成物。
  5. ビニル共重合体(a)の構成モノマーがさらにカルボキシル基含有ビニルモノマーを0.1〜5重量%含有するものである請求項1記載の速乾性水性塗料組成物。
  6. ビニル共重合体(a)の水分散体の平均粒子径が0.05〜0.4μmである請求項1記載の速乾性水性塗料組成物。
  7. 路面表示用である請求項1〜6のいずれかに記載の速乾性水性塗料組成物。
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