JP2008115355A - 水性塗材 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗材の安定性に優れるとともに、耐汚染性に優れた塗膜が形成可能な水性塗材を提供する。
【解決手段】少なくとも1種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー群を、ノニオン性界面活性剤(p)及びアニオン性界面活性剤(q)の存在下で乳化重合して得られ、前記モノマー群におけるカルボキシル基含有重合性モノマーの含有量が2重量%以下であり、(p)成分及び(q)成分の合計量が前記モノマー群の総量100重量部に対し0.1〜20重量部であり、(p)成分と(q)成分との重量比率が100:0〜60:40である水分散性樹脂(A)、粒子径が1〜20nm、pHが8.5〜11である金属酸化物ゾル(B)、着色顔料(C)、体質顔料(D)、及び粒子径が0.05mm〜5mmの骨材(E)を必須成分とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、建築物や土木構造物等の表面に砂壁状、ゆず肌状、繊維壁状、スタッコ状、さざ波状等の表面模様を付与することができる水性塗材に関する。
建築物や土木構築物等に用いる塗材として、その表面に砂壁状、ゆず肌状、繊維壁状、スタッコ状、さざ波状等の各種テクスチャーを付与する材料が知られており、その一例としてJIS A6909には、薄付け仕上塗材、厚付け仕上塗材等が挙げられている。このような塗材は、合成樹脂エマルションを結合材とし、これに体質顔料、骨材、その他混和剤(分散剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤等)を均一に混合して得ることができ、さらに着色顔料を配合することによって所望の色調に調製することができる。
上記塗材の塗装においては、塗装器具の種類とその使用方法を適宜選定することで、種々の表面模様を形成することができる。ただし、表面模様の凹凸形状等によっては、塗膜中に汚染物質が入り込みやすく、所期の美観性が損なわれる場合がある。
特許文献1(特開2003−73612号公報)には、合成樹脂エマルションを結合材とし、着色顔料、体質顔料、骨材等を含有する水性塗材において、その耐汚染性を向上させる目的で、低汚染化剤としてオルガノシリケートを混合することが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の塗材において使用されるオルガノシリケートは、水との反応性を有するアルコキシシリル基を有している。そのため、水性塗材にオルガノシリケートを添加すると、その加水分解縮合反応を制御することができずに、短時間で急激に塗料粘度が上昇し、さらには塗材全体がゲル化してしまい、塗装作業に支障をきたすおそれがある。また、水性塗材とオルガノシリケートとの相溶性が悪く、混合後に凝集物が生じてしまい、塗膜の質感が損なわれるという問題もある。さらに、たとえ混合後直ちに塗装を行い、塗膜を形成した場合においても、十分な耐汚染性を得ることができないという欠点がある。特に、塗膜形成初期段階においては、オルガノシリケートに起因する粘着性によって、却って汚染物質が付着しやすくなるという問題が発生してしまう。
特開2003−73612号公報
本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、塗材の安定性に優れるとともに、耐汚染性に優れた塗膜が形成可能な水性塗材を得ることを目的とするものである。
本発明者は、これらの課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の水分散性樹脂と微粒金属酸化物ゾルを組み合わせ、これらに着色顔料、体質顔料、及び骨材を配合した水性塗材に想到し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の水性塗材に関するものである。
1.少なくとも1種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー群を、ノニオン性界面活性剤(p)及びアニオン性界面活性剤(q)の存在下で乳化重合して得られ、前記モノマー群におけるカルボキシル基含有重合性モノマーの含有量が2重量%以下であり、前記ノニオン性界面活性剤(p)及び前記アニオン性界面活性剤(q)の合計量が前記モノマー群の総量100重量部に対し0.1〜20重量部であり、前記ノニオン性界面活性剤(p)と前記アニオン性界面活性剤(q)との重量比率が100:0〜60:40である水分散性樹脂(A)、
粒子径が1〜20nm、pHが8.5〜11である金属酸化物ゾル(B)、着色顔料(C)、体質顔料(D)、及び粒子径が0.05mm〜5mmの骨材(E)を必須成分とし、
前記水分散性樹脂(A)の固形分100重量部に対し、前記金属酸化物ゾル(B)を固形分換算にて0.1〜50重量部、前記着色顔料(C)を1〜300重量部、前記体質顔料(D)を10〜1000重量部、前記骨材(E)を10〜2000重量部含むことを特徴とする水性塗材。
上記構成を有する本発明の水性塗材では、塗材の経時的な粘度上昇、ゲル化等を抑制することができ、塗装作業における取扱いも容易である。さらに、本発明の水性塗材により形成された塗膜は、優れた耐汚染性を発揮するものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明における水分散性樹脂(A)(以下「(A)成分」という)は、結合材として作用するものであり、少なくとも1種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー群を、ノニオン性界面活性剤(p)及びアニオン性界面活性剤(q)の存在下で乳化重合して得られるものである。
このうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、樹脂骨格の主成分となるものである。なお、本発明では、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルを合わせて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと表記している。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
モノマー群における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの構成比率は、通常50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。上限は特に限定されないが、通常99.8重量%以下、好ましくは99.5重量%以下、より好ましくは99重量%以下である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの構成比率がかかる範囲内であれば、耐候性、耐水性、耐薬品性等において良好な物性を確保することができる。
(A)成分では、モノマー成分としてカルボキシル基含有モノマーを使用することができるが、その使用量はモノマー群の2重量%以下(好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.8重量%以下)とする。カルボキシル基含有モノマーは、分子内にカルボキシル基と重合性不飽和結合を併有する化合物であるが、このモノマーの使用量を上記範囲内とすることにより、塗材の経時的な粘度上昇、ゲル化等を抑制することができ、塗材の安定性を高めることが可能となる。
カルボキシル基含有モノマーの具体例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等が挙げられる。このうち、特にメタクリル酸が好適である。
(A)成分は、必要に応じ上記以外の重合性モノマーを構成成分とするものであってもよい。このような重合性モノマーとしては、例えば、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルビニルエーテル等のアミノ基含有モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー;スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクロレイン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等のカルボニル基含有モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有モノマー;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系モノマー;その他、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド、クロロプレン等が挙げられる。
モノマー群におけるかかる重合性モノマーの構成比率は、通常50重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
本発明における水分散性樹脂(A)は、上記モノマー群をノニオン性界面活性剤(p)(以下「(p)成分」という)及びアニオン性界面活性剤(q)(以下「(q)成分」という)の存在下で乳化重合して得られるものであり、(p)成分及び(q)成分の合計量はモノマー群の総量100重量部に対し0.1〜20重量部とし、(p)成分と(q)成分の重量比率は100:0〜60:40とする。
界面活性剤の使用量((p)成分及び(q)成分の合計量)が0.1重量部よりも少ない場合は、(A)成分の重合安定性、貯蔵安定性、攪拌安定性等が不十分となり、20重量部よりも多い場合は塗膜の耐水性、耐候性等に悪影響を及ぼすこととなる。また、(p)成分と(q)成分の重量比率において、(p)成分の比率が小さすぎる場合は、塗材の安定性が不十分となり、塗材の経時的な粘度上昇、ゲル化等を引き起こすおそれがある。
界面活性剤の使用量は、好ましくは0.2〜10重量部である。(p)成分と(q)成分の重量比率は、好ましくは100:0〜70:30、より好ましくは98:2〜80:20である。
具体的にノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ステアリルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸アルカリ金属塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等の硫酸エステルアルカリ金属塩等が挙げられる。このようなノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤は、重合性を有するものであってもよい。
(A)成分は、上記重合性モノマーを適宜混合したモノマー群を乳化重合することにより製造することができる。重合方法として公知の方法を採用すればよく、通常の乳化重合の他、フィード乳化重合、シード乳化重合等を採用することもできる。重合時には、開始剤、重合禁止剤、重合抑制剤、緩衝剤、連鎖移動剤等を使用することもできる。
(A)成分のガラス転移温度は、上記重合性モノマーの種類、混合比率等を選定することで調整できる。このガラス転移温度は、水分散性樹脂の最終的な用途等を考慮して適宜設定すればよいが、通常は−60〜80℃程度、好ましくは−40〜40℃、より好ましくは−30℃〜20℃程度である。本発明では(A)成分のガラス転移温度を比較的低く設定することにより、形成塗膜に伸張性を付与することができ、しかも耐汚染性においては優れた性能を確保することができる。よって、このような(A)成分を使用することで、下地のひび割れや、乾式建材間の目地部のムーブメント等に追従可能な性能を得ることができる。なお、ガラス転移温度は、Foxの計算式により求めることができる。
本発明における(A)成分としては、塩基性化合物によってpHを7〜10に調製したものが望ましい。このような範囲内にpHを調製することで、後述の金属酸化物ゾル(B)混合時ないし混合後の安定性を十分に確保することができる。
塩基性化合物の混合量は、(A)成分のpHが所定の値となる範囲内であればよいが、モノマー群の総量100重量部に対して通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。
塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、アミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−(メチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ナトリウムメチルシリコネート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、無水炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
本発明塗材では、粒子径が1〜20nm、pHが8.5〜11である金属酸化物ゾル(B)(以下「(B)成分」という)を必須成分とする。本発明では、上記(A)成分と(B)成分を組み合わせて使用することによって、塗材の安定性を確保しつつ、耐汚染性能に優れた塗膜を形成することができる。
かかる(B)成分は、金属酸化物からなるコロイド粒子が溶媒中に分散しているコロイド溶液である。(B)成分における金属成分としては、例えば、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、アンチモン、マグネシウム等が挙げられる。この中でも、金属成分が珪素であるシリカゾルが好適である。溶媒としては、水及び/または有機溶剤が使用可能であるが、少なくとも水を含むものが好適である。
(B)成分の粒子径は1〜20nmであるが、好ましくは2〜10nmである。(B)成分の粒子径がかかる範囲を外れる場合は耐汚染向上効果が得られ難くなる。なお、ここに言う粒子径は、動的光散乱法によって測定される値である。
(B)成分のpHは通常8.5〜11であり、好ましくは9.0〜10.5である。(B)成分のpHがかかる範囲内であれば、本発明の効果を十分に得ることができる。
(B)成分の混合量は、(A)成分の固形分100重量部に対して、固形分換算で0.1〜50重量部、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは5〜30重量部である。かかる混合量であれば、塗材の安定性や種々塗膜物性を確保しつつ、十分な耐汚染性向上効果を得ることができる。(B)成分が少なすぎる場合は、十分な耐汚染性を得ることができない。(B)成分が多すぎる場合は、塗膜にひび割れ等が生じやすくなる。
本発明における(C)成分は着色顔料(以下「(C)成分」という)である。(C)成分としては、一般的に塗材に配合可能なものを使用することができる。具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、アルミニウム顔料、パール顔料等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。(C)成分の粒子径は、通常50μm未満(好ましくは30μm以下)である。
本発明では、これら(C)成分の種類及び配合量を適宜調整することにより、所望の色相の塗膜を得ることができる。
(C)成分の混合比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、固形分換算で通常1〜300重量部、好ましくは2〜200重量部、より好ましくは3〜150重量部である。
本発明における(D)成分は体質顔料(以下「(D)成分」という)である。本発明塗材において(D)成分は、主に増量剤として作用するものであり、厚膜の塗膜形成に有効にはたらく成分である。(D)成分としては、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、含水微粉珪酸、タルク、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ粉、水酸化アルミニウム等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。(D)成分の粒子径は、通常50μm未満(好ましくは0.5μm以上50μm未満、より好ましくは1μm以上30μm以下)である。
(D)成分の混合比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、固形分換算で通常10〜1000重量部、好ましくは20〜500重量部、より好ましくは30〜300重量部である。
本発明における(E)成分は、粒子径が0.05mm以上5mm以下の骨材(以下「(E)成分」という)である。(E)成分としては、自然石、自然石の粉砕物等の天然骨材、及び着色骨材等の人工骨材から選ばれる少なくとも1種以上を好適に使用することができる。具体的には、例えば、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、寒水石、長石、石灰石、珪石、珪砂、砕石、雲母、珪質頁岩、及びこれらの粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、ガラス粉砕物、ガラスビーズ、樹脂粉砕物、樹脂ビーズ、ゴム粒、金属粒等が挙げられる。また、貝殻、珊瑚、木材、炭、活性炭等の粉砕物を使用することもできる。
(E)成分は、(A)成分の固形分100重量部に対し、通常10〜2000重量部、好ましくは30〜1500重量部、より好ましくは50〜1000重量部の比率で混合する。(E)成分の混合比率がこのような範囲内であれば、形成塗膜の意匠性、耐汚染性等の点において好適である。
本発明の水性塗材には、本発明の効果を著しく損なわない範囲内であれば、通常塗材に使用可能な各種成分を混合することができる。このような成分としては、例えば、繊維、造膜助剤、可塑剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、消泡剤、顔料分散剤、増粘剤、レベリング剤、湿潤剤、pH調整剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒、架橋剤等が挙げられる。
本発明の水性塗材は、主に建築物や土木構造物等の表面仕上げに使用することができる。適用可能な基材としては、例えばコンクリート、モルタル、サイディングボード、押出成形板、プラスチック、合板、金属、ガラス、磁器タイル等が挙げられる。本発明塗材は、このような基材に直接塗装することもできるし、何らかの表面処理(シーラー処理、フィラー処理、サーフェーサ処理、パテ処理等)を施した上に塗装することも可能である。この際、本発明塗材は、最終の仕上面に施されるものであり、本発明塗材の塗装後にトップコート等を塗装する必要はない。
本発明水性塗材では、塗装器具の種類とその使用方法を適宜選定することで、種々の表面模様を形成することができる。表面模様としては、例えば砂壁状、ゆず肌状、さざ波状、スタッコ状、凹凸状、月面状、櫛引状、虫喰状等が挙げられる。表面模様の高低差は、概ね0.2〜5mmの範囲内で適宜設定すればよい。
塗装器具としては、例えばスプレー、ローラー、コテ、刷毛等を採用することができる。これらの塗装器具は複数を組み合せて使用してもよい。また、塗装後の塗膜が未乾燥のうちに、デザインローラー、デザイン刷毛、くし、くしべら、くしごて等によって表面模様を形成させることもできる。
塗装を行う際の塗付量は、通常0.5〜10kg/m程度である。塗付時には水等で希釈することによって、塗材の粘性を適宜調製することもできる。希釈割合は、通常0〜10重量%程度である。
本発明水性塗材を塗装した後の乾燥は通常、常温で行えばよいが、必要に応じ適宜加熱することも可能である。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
<水分散性樹脂の製造>
・合成例1
反応容器に、脱イオン水50重量部を仕込み、攪拌及び窒素置換を行いながら70℃まで昇温した。これに、別途用意した乳化モノマー(脱イオン水250重量部にポリオキシエチレンアルキルエーテル9重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部、過硫酸アンモニウム0.9重量部を溶解させた水溶液に、スチレン64重量部、メチルメタクリレート55重量部、2−エチルヘキシルアクリレート175重量部、メタクリル酸4重量部、アクリルアミド2重量部を乳化分散させたもの)を3時間かけて連続的に滴下した。滴下終了後3時間熟成し、30℃まで冷却した後、塩基性化合物として25重量%アンモニア水を添加し、pH8.4、固形分50重量%、ガラス転移温度−22℃の水分散性樹脂1を得た。
・合成例2
乳化モノマーとして、脱イオン水250重量部にポリオキシエチレンアルキルエーテル9重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部、過硫酸アンモニウム0.9重量部を溶解させた水溶液に、スチレン65重量部、メチルメタクリレート55重量部、2−エチルヘキシルアクリレート176重量部、アクリル酸2重量部、アクリルアミド2重量部を乳化分散させたものを使用した以外は、合成例1と同様の方法により、pH8.4、固形分50重量%、ガラス転移温度−22℃の水分散性樹脂2を得た。
・合成例3
乳化モノマーとして、脱イオン水250重量部にポリオキシエチレンアルキルエーテル9重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部、過硫酸アンモニウム0.9重量部を溶解させた水溶液に、スチレン65重量部、メチルメタクリレート55重量部、2−エチルヘキシルアクリレート176重量部、メタクリル酸2重量部、アクリルアミド2重量部を乳化分散させたものを使用した以外は、合成例1と同様の方法により、pH8.4、固形分50重量%、ガラス転移温度−22℃の水分散性樹脂3を得た。
・合成例4
乳化モノマーとして、脱イオン水250重量部にポリオキシエチレンアルキルエーテル5重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5重量部、過硫酸アンモニウム0.9重量部を溶解させた水溶液に、スチレン64重量部、メチルメタクリレート55重量部、2−エチルヘキシルアクリレート175重量部、メタクリル酸4重量部、アクリルアミド2重量部を乳化分散させたものを使用した以外は、合成例1と同様の方法により、pH8.4、固形分50重量%、ガラス転移温度−22℃の水分散性樹脂4を得た。
・合成例5
乳化モノマーとして、脱イオン水250重量部にポリオキシエチレンアルキルエーテル9重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部、過硫酸アンモニウム0.9重量部を溶解させた水溶液に、スチレン62重量部、メチルメタクリレート55重量部、2−エチルヘキシルアクリレート173重量部、メタクリル酸10重量部、アクリルアミド2重量部を乳化分散させたものを使用した以外は、合成例1と同様の方法により、pH8.4、固形分50重量%、ガラス転移温度−20℃の水分散性樹脂5を得た。
<塗材の製造>
表1に示す配合に従い、常法により各原料を均一に混合して塗材を製造した。表1の配合量は重量部にて表示した。なお、塗材の製造においては以下の原料を使用した。
・金属酸化物ゾル1:シリカゾル(粒子径4〜6nm、pH9.5、固形分20重量%)
・金属酸化物ゾル2:シリカゾル(粒子径25〜30nm、pH9.7、固形分20重量%)
・金属酸化物ゾル3:シリカゾル(粒子径40〜50nm、pH9.5、固形分20重量%)
・着色顔料:酸化チタン分散液(固形分70重量%、平均粒子径0.3μm)
・体質顔料:重質炭酸カルシウム(平均粒子径8μm)
・骨材:粒子径0.1〜0.3mmの寒水石
・造膜助剤:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
・増粘剤:ポリウレタン系増粘剤
・消泡剤:シリコーン系消泡剤
・シリケート化合物:エチルシリケート縮合物(平均分子量750)
・触媒:ジブチルスズジラウレート
Figure 2008115355
<試験方法>
(1)貯蔵安定性
各塗材を製造した後、直ちに粘度を測定した。次に、塗材を容器に入れて密閉し、50℃雰囲気で21日間貯蔵した後、再び粘度を測定した。
以上の操作による粘度変化を調べた。評価基準は以下の通りである。なお、粘度の測定にはBH型粘度計を用い、標準状態(温度23℃・相対湿度50%)で行った。
◎:粘度変化10%未満
○:粘度変化10%以上20%未満
△:粘度変化20%以上50%未満
×:粘度変化50%以上
(2)耐汚染性
300×150×3mmのアルミニウム板を、上端から3分の1の位置で、内角度が135度になるように折り曲げたものを試験基材とした。この試験基材の凸面に、SK#1000プライマーを乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、標準状態で8時間乾燥させた。次に、各塗材を乾燥膜厚が1mmとなるようにスプレー塗装し、標準状態で7日間乾燥養生した。
以上の方法で得られた試験体を、面積の広い面を垂直にして大阪府茨木市で南面向きに設置し、6ヵ月間屋外曝露を行った。このとき垂直面における汚染状態を目視観察し、汚れの程度に応じて5段階(優:5>4>3>2>1:劣)で評価した。
(3)伸張性
表1において骨材のみを除外した配合にて各塗材を製造し、得られた塗材を型枠に流し込み、脱型することにより乾燥膜厚1mmの試験体を得た。標準状態にて14日間養生後、試験体からJIS K6251に規定するダンベル2号形に打ち抜くことで試験片を得、得られた試験片につき、JIS A6909 7.31「20℃時の伸び試験」の方法により伸びを測定した。評価基準は、伸びが100%以上のものを「○」、50%以上100%未満のものを「△」、50%未満のものを「×」とした。
(試験結果)
試験結果を表2に示す。実施例1〜5では、いずれの試験においても良好な結果を得ることができた。
Figure 2008115355

Claims (1)

  1. 少なくとも1種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー群を、ノニオン性界面活性剤(p)及びアニオン性界面活性剤(q)の存在下で乳化重合して得られ、前記モノマー群におけるカルボキシル基含有重合性モノマーの含有量が2重量%以下であり、前記ノニオン性界面活性剤(p)及び前記アニオン性界面活性剤(q)の合計量が前記モノマー群の総量100重量部に対し0.1〜20重量部であり、前記ノニオン性界面活性剤(p)と前記アニオン性界面活性剤(q)との重量比率が100:0〜60:40である水分散性樹脂(A)、
    粒子径が1〜20nm、pHが8.5〜11である金属酸化物ゾル(B)、着色顔料(C)、体質顔料(D)、及び粒子径が0.05mm〜5mmの骨材(E)を必須成分とし、
    前記水分散性樹脂(A)の固形分100重量部に対し、前記金属酸化物ゾル(B)を固形分換算にて0.1〜50重量部、前記着色顔料(C)を1〜300重量部、前記体質顔料(D)を10〜1000重量部、前記骨材(E)を10〜2000重量部含むことを特徴とする水性塗材。
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