JP4393082B2 - 路面表示用水性塗料組成物 - Google Patents

路面表示用水性塗料組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4393082B2
JP4393082B2 JP2003052686A JP2003052686A JP4393082B2 JP 4393082 B2 JP4393082 B2 JP 4393082B2 JP 2003052686 A JP2003052686 A JP 2003052686A JP 2003052686 A JP2003052686 A JP 2003052686A JP 4393082 B2 JP4393082 B2 JP 4393082B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
road surface
surface display
hydrocarbon group
vinyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003052686A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004263000A (ja
Inventor
定男 根ヶ山
直美 石井
Original Assignee
ガンツ化成株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ガンツ化成株式会社 filed Critical ガンツ化成株式会社
Priority to JP2003052686A priority Critical patent/JP4393082B2/ja
Publication of JP2004263000A publication Critical patent/JP2004263000A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4393082B2 publication Critical patent/JP4393082B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、速乾性のビニル系路面表示用水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
路面表示用塗料は、道路、駐車場などのコンクリートやアスファルト表面に車線、駐車スペースなどを表示するために使用される特殊な塗料である。
この路面表示用塗料が備えるべき重要な特性の一つは、塗布後路面で一刻も早く乾燥することである。塗布後の乾燥に至るまでの時間は、道路等における車の通交遮断時間を意味するので、車の往来の激しい道路では、できる限り乾燥時間の短い塗料が要求される。
易揮発性の有機溶剤を用いた速乾燥塗料は、塗布後迅速に乾燥するが、作業者および環境への悪影響が懸念されるうえ、引火の危険性も大きい。
そこでこれらの有機溶剤系塗料に代わって水性塗料の使用が検討され、既に実用にも供されている。
しかし水溶性塗料は有機溶剤系塗料に比して塗布後の乾燥時間が長く、特に低温下や高湿下では、乾燥までに数時間以上を有することもある。そこで、貯蔵安定性が高く、塗布後の乾燥時間が短く、路面への密着性が高く、耐摩耗性および耐水性の良好な水性路面表示塗料が強く求められ、これまでにもいくつかの提案がなされてきた。
【0003】
路面表示用水性塗料としては、水性エマルジョンにアクリロイル基等の反応性官能基を有するオリゴマーを一定量配合して乾燥性、耐汚染性を向上させるといった技術(特許文献1)が提案されているが、塗料を構成するエマルジョン中のポリマーの分子量が10,000〜100,000と低いため、乾燥性、耐摩耗性、耐汚染性、塗膜強度及び路面との接着性が不充分という問題点がある。また、この塗料は、耐汚染性向上のために用いられる反応性オリゴマーは高価なものであるので経済的に不利であると同時に、オリゴマーの持つ反応性基の内、アクリロイル基は空気中でのラジカル反応性が低く、ジシクロペンテニル基も金属酸化物の存在下で迅速には架橋反応が進行しないので、耐汚染性を発揮するまでに長時間を要するという欠点がある。
【0004】
そこで、より短い乾燥時間の水性塗料組成物を製造するために、塩基もしくは酸またはそれらを組み合わせて使用し、凝固を早める方法として、pHに敏感なバインダーを用いる技術が種々考案された。
【0005】
その一つに、多官能性アミンをモノマーの一部に用いて共重合体を合成し、それが非イオン性状態になるまでpHを上昇させた水性塗料組成物(特許文献2)が提案されているが、塗布後の乾燥性の点でなお改良の余地を残してる。
【0006】
また、フィルム形成ラテックスポリマー弱塩基官能性合成ラテックスポリマーおよび揮発性塩基を含む水性コーティング組成物(特許文献3)も提案されている。しかし、弱塩基官能性ポリマーは、架橋または高分子量の故に水に不溶性であり、弱塩基部分のかなりの部分が水不溶性の粒子の表面の下に埋もれてしまうので、その官能性を均一にコーティング組成物内に分散させる能力が本質的に制限される結果、この塗料組成物も利用し難いことろがある。
【0007】
一方、メタクリルアミド−エチル−エチレンウレアをモノマーの一成分とし、他の共重合性ビニルモノマーと共に乳化重合して得られるビニル共重合体水分散液からなる鉄・アルミなどの金属系基材に対する塗料(特許文献4)が提示されているが、路面表示用塗料としての性能は未知である。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−271789号公報
【特許文献2】
特開平3−157463号
【特許文献3】
ヨーロッパ特許0409459号
【特許文献4】
特開平9−255894号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、一液性で、貯蔵安定性がよく、しかも塗布後の乾燥が早く、路面への密着性、耐摩耗性、耐水性が良好な路面表示用水性塗料組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々の水性樹脂エマルジョンについて鋭意検討した結果、以下の組成を有する水性塗料組成物が上記条件を満足することを見出し、更に検討を重ねて本発明を完成した。
【0011】
すなわち本発明は、
(1)一般式(1)
【化2】
Figure 0004393082
(式中、X及びZはそれぞれ、水素、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または脂環族炭化水素基、Yは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、Rは炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を示す。)で示されるビニル化合物0.1〜10重量%とブチルアクリレート(BA)および/または2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)を10〜50重量%、メチルメタクリレート(MMA)および/またはスチレンを30〜70重量%含んでなる重合性ビニルモノマーを構成モノマーとするビニル共重合体(A)の水分散体を固形分換算で100重量部、着色顔料(B)10〜200重量部および充填材(C)100〜350重量部を含有してなる路面表示用水性塗料組成物、
)ビニル共重合体(A)が−10〜50℃のガラス転移温度を有するものである(1)記載の路面表示用水性塗料組成物、
)ビニル共重合体(A)が構成モノマーとしてさらにカルボキシル基含有ビニルモノマーを0.1〜5重量%含有するものである(1)記載の路面表示用水性塗料組成物、
)ビニル共重合体(A)の水分散体の平均粒子径が0.05〜0.4μmである(1)記載の路面表示用水性塗料組成物、
である。
【0012】
【発明の実施の形態】
一般式(1)中、XおよびZで表される炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基としては、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどが、炭素数6の芳香族炭化水素基としてはフェニル基が、炭素数3〜6の脂環族炭化水素基としてはシクロペンチル、シクロヘキシル基等が挙げられるが、中でも炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基が好ましく用いられる。Yで示される炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基としては、たとえば、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、n−ペンチレン、n−ヘキシレンなどが挙げられるが、中でも炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基が好ましい。Rで示される炭素数1〜10の2価の脂肪族炭化水素基としては、たとえば、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、n−ベンチレン、n−ヘキシレン、n−ヘプチレン、n−オクチレン、n−ノニレン、n−デシレンなどが挙げられるが、中でも炭素数1〜6のものが好ましい。
一般式(1)で示されるビニル化合物の具体例としては、例えば(メタ)アクリルアミドメチルメチレンウレア、(メタ)アクリルアミドエチルメチレンウレア、(メタ)アクリルアミドエチルエチレンウレア、(メタ)アクリルアミドブチルエチレンウレア等が挙げられるが、特に(メタ)アクリルアミド−C1−10アルキレン−エチレンウレアが好ましい。
一般式(1)の化合物のビニル共重合体(A)中に占める割合は0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%である。化合物(1)の割合が10重量%を越えると重合安定性や速乾性が低下することがある。
【0013】
ブチルアクリレート(BA)と2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)は、いずれか一方のみでもよく、両者の混合物でもよい。混合物である場合の、両者の混合比は、任意である。ブチルアクリレート(BA)および/または2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)のアクリル共重合体(A)中の占める割合は、10〜50重量%、好ましくは20〜45重量%である。
【0014】
メチルメタクリレート(MMA)とスチレン(ST)は、いずれか一方のみでもよく、両者の混合物でもよい。混合物である場合の、両者の混合比は、任意である。メチルメタクリレート(MMA)および/またはスチレン(ST)のアクリル共重合体(A)中の占める割合は、30〜70重量%、好ましくは35〜60重量%である。
ビニル共重合体(A)は構成モノマーとしてさらにカルボキシル基含有ビニルモノマーを含有していてもよい。このカルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、琥珀酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられるが、メタクリル酸(MAA)が好ましい。
【0015】
以下に本発明に用いるビニル共重合体の水分散体の製造方法について説明する。
まず、一般式(1)で示されるビニル化合物、ブチルアクリレート(BA)および/または2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)、メチルメタクリレート(MMA)および/またはスチレン(ST)、必要により、カルボキシル基含有ビニルモノマーを含んでなるモノマー混合物を従来から知られている乳化重合の方法、例えば水のような水性媒体中にモノマー混合物、重合開始剤、界面活性剤、および乳化重合に必要なその他の添加剤の存在下に乳化重合する。
【0016】
重合開始剤としては、従来乳化重合において知られている通常の重合開始剤を用いることができる。
このような重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化水素水、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の水性ラジカル重合開始剤又はこれらの混合物が挙げられる。重合開始剤の使用量はモノマー全重量に対して通常0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%である。このような重合開始剤はまた、還元剤と組合せレドックス系を形成することができる。そのような還元剤としては亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、ホルムアルデヒドスルホン酸塩等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩、L−アスコルビン酸、酒石酸などのカルボン酸類が挙げられ、その使用量はモノマー全重量に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%である。
なお、本発明のビニル共重合体の製造法において、還元剤として硫酸第一鉄、硫酸アンモニウム第一鉄、ナフテン酸第一銅などの鉄、銅、ニッケル、コバルト、クロモ、モリブテン、バナジウム、セリウムのような遷移金属の塩なども用いることができるが、路面表示用塗料組成物に着色などが観られる場合がある。
【0017】
本発明における乳化重合に用いられる界面活性剤はアニオン性、ノニオン性、および両性界面活性剤の少なくとも1種を用いることができる。アニオン性界面活性剤の例としてはアルキルまたはアルキルアリル硫酸塩、アルキルまたはアルキリアリルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などのアルカリ金属塩、またはアンモニウム塩が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられる。両性界面活性剤としてはベタイン、アミノ酸の誘導体が挙げられる。これら界面活性剤の使用量はモノマー全重量に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜3重量%である。この使用量が0.1重量%よりも少ない場合は反応が不安定となり、凝集物が生成する場合がある。反対に5重量%よりも多い場合は路面表示塗料としての乾燥性、耐水性が悪くなる場合がある。
【0018】
また、本発明においては、必要に応じて、乳化重合をエチレンジアミン4酢酸ナトリウムなどのキレート剤、ポリカルボン酸塩などの分散剤、リン酸塩、炭酸塩などの無機塩、チオール化合物、ハロゲン化合物などの連鎖移動剤の存在下に行ってもよい。
重合は通常0〜100℃の温度で、単量体の添加率が99%以上に達するまで行われる。
【0019】
ビニル共重合体水分散体の平均粒子径の範囲は通常0.05〜0.4μmであり、好ましくは0.1〜0.3μmである。平均粒子径が0.05μm未満では塗料の粘度が高くなり過ぎて、塗料の塗布性、作業性に支障をきす場合があり、平均粒子経が0.4μmを越えると、路面表示塗料としての乾燥性、耐水性が悪くなる場合がある。
このようにして得られたビニル共重合体のエマルジョンに、着色顔料、充填材、その他の配合物を加え、均一になるように攪拌される。
着色顔料としては、二酸化チタン、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料、シアニンブルー、シアニングリーン等の有機顔料が挙げられるが、路面表示用塗料には、二酸化チタンが繁用される。
着色顔料の使用割合は、アクリル共重合体(A)の固形分100重量部に対して、通常10〜200重量部、好ましくは、30〜100重量部である。
【0020】
充填材としては、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、珪酸マグネシウム、タルク、クレー、セライト、マイカ、アルミナ、シリカ、ガラス粉末等の無機充填材が挙げられるが、炭酸カルシウムが便宜に使用される。
充填材の使用量は、アクリル共重合体の固形分100重量部に対して、通常100〜350重量部、好ましくは、150〜300重量部である。
【0021】
路面表示用塗料組成物組成物のpHは通常5〜12、好ましくは7〜11の範囲である。このpH値が5より低いときは、本発明による路面表示用塗料組成物の機械的安定性が不十分となり、12を越えると塗装後の乾燥性が悪くなることがある。
組成物のpHの調節は、アンモニア、炭酸ソーダ、水酸化ナトリウム、モルフォリン、低級アルキルアミンなどのアルカリ性物質や、硫酸等の酸性物質のpH調整剤を適宜加えることにより行うことができる。
【0022】
本発明の路面表示用塗料組成物には、さらに増粘剤を配合することにより、組成物の粘性を向上させることができる。増粘剤としては、例えばカゼイン、グルー、ゼラチン等の動物性増粘剤、アルギン酸塩、でんぷん、アラビヤガム等の植物性増粘剤、ベントナイト等の鉱物性増粘剤、ポリカルボン酸塩、アクリル共重合体、架橋型アクリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド等の高分子系増粘剤、カルボキシル化メチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサントゲン酸セルロース、カルボキシル化でんぷん等の繊維素誘導体、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルピリジニウムブロマイド等のカチオン系増粘剤等が挙げられる。
その他、さらに分散剤、凍結防止剤、可塑剤、消泡剤、保存剤、架橋剤などの適量を適宜加えてもよい。
このようにして調製された塗料用組成物は、たとえば金属製、ガラス製、プラスチック製の密閉容器に貯蔵しておけば長期に亘って安定に保存することができる。
この塗料組成物の使用に際しては、容器内容物を振盪、撹拌して均一な組成部とし、刷毛塗り、スプレー法等公知の方法で塗布すればよい。
【0023】
【実施例】
次に、実施例、比較例および試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、これらにおいて、「部」および「%」は断りのない限り重量基準である。
【0024】
実施例1
攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、脱イオン水50部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1部及びpH緩衝剤として重炭酸ナトリウム0.33部を仕込み、攪拌しながら80℃に加熱した後、窒素置換した。この中にアクリル酸ブチル45部、メタクリ酸メチル53.5部、メタクリル酸1部、メタクリルアミドエチルエチレンウレア0.5部、ドデシルメルカプタン1.2部、ラウリル硫酸ナトリウム0.5部、脱イオン水30部からなる乳化モノマー液の3重量%に相当する3.95部を添加し、10分後に1.8部の脱イオン水に溶解した過硫酸アンモニウム0.28部を添加し種重合を行った。発熱開始から20分後、残りの乳化モノマー液127.75部と6.3部の脱イオン水に溶解した過硫酸アンモニウム0.12部を攪拌下、80℃に保ちながら3時間かけて滴下し、滴下終了後さらに1時間、80℃を維持して重合を終了させた。これを室温まで冷却した後に、希釈水、25%アンモニア水を加え、固形分を50%、pHを9〜10に調整した。最終生成物は固形分50.2%、ブルックフィールド粘度350mPa・s(30rpm)、平均粒子径172nm、pH=9.6のエマルジョンであった。
【0025】
実施例2〜7
実施例1と同様にして表1に示されるモノマー組成で重合を行い、それぞれエマルジョンを得た。
【0026】
実施例8
種重合に使用した乳化モノマー液の量を、乳化モノマー液の1重量%に相当する1.32重量部使用した以外は、実施例1と同様に重合を行った。
【0027】
実施例9〜11
実施例1と同様にして表1に示されるモノマー組成で重合を行った。
【0028】
比較例1〜7
実施例1と同様にして表2に示されるモノマー組成で重合を行った。
【0029】
比較例8
種重合に使用した乳化モノマー液の量を、乳化モノマー液の1重量%に相当する1.32重量部使用した以外は、比較例2と同様に重合を行った。
実施例および比較例で得られたエマルジョンの物性値は、表1および表2のとおりであった。
【0030】
実験例1
表3に示す標準配合例により塗料化した塗料組成物及び塗膜の特性を表4および表5に示した。
【0031】
【表1】
Figure 0004393082
【0032】
【表2】
Figure 0004393082
重合安定性は以下の基準により判定した。
○:反応器、攪拌ばねの汚れがほとんど無く、ろ過残留物もほとんど無かった。
△:反応器、攪拌ばねが汚れていた、或いはろ過残留物が多かった。
×:ゲル化した、またはろ過できなかった。
BA:アクリル酸ブチル
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
MMA:メタクリル酸メチル
ST:スチレン
MAA:メタクリル酸
MAEEU:メタクリルアミドエチルエチレンウレア
DVB:ジビニルベンゼン
【0033】
【表3】
標準塗料配合
Figure 0004393082
【0034】
【表4】
Figure 0004393082
【0035】
【表5】
Figure 0004393082
塗料、塗膜の物性評価は以下に基づいて行った。
(1)粘度:ブルックフィールド粘度、BM型、12rpm、25℃
(2)TI:ブルックフィールド粘度、BM型、6rpm/60rpmの値、25℃
(3)乾燥性:
作成した塗料を20℃×65%RH雰囲気下で1日養生後、同雰囲気下でガラス板に10ミルの厚さで塗料を塗布した。塗膜の乾燥性は塗布後1分毎にNo.21号の黒ゴム栓を置いた時の塗料の付着が認められなくなる時間と、指触によるタックが感じられなくなる時間(指触乾燥)を測定した。
(4)耐水性:
乾燥性と同様な方法で塗布した試験体を20℃×65%RH下で20分乾燥後、20℃に調整した水浴に浸し、1日後の塗膜の様子を観察した。
判定は以下の基準で行った。
◎:全く異常が観られない
○:一部フクレが観られる
△:塗膜全体にフクレが観られる
×:塗膜がガラス板から浮いてしまっている
(5)保存安定性:
(i)−10℃凍結安定性:
−10℃雰囲気下で3日静置後、室温で1日静置を1サイクルとして、10サイクル行い、塗料の流動性を下記の判定基準で評価した。
◎:10サイクル後も流動性が確保され、粘度変化が初期値に対して10%以内であった。
○:10サイクル後も流動性は確保されたが、粘度変化が初期値に対して10%を超えた。
△:5〜10サイクルで固化した。
×:5サイクルまでに固化した。
(ii)40℃保存安定性:
塗料を40℃×30日保存した前後の粘度変化を測定し、下記の判断基準で評価した。
◎:初期の粘度の10%以内であった。
○:初期の粘度の10%を超えた。
△:15〜30日の間に固化した。
×:15日までに固化した。
【0036】
実験例2
実施例1のアクリルエマルジョンを使用して標準塗料配合の酸化チタン、炭酸カルシウムの配合量を表6に示される配合量に変更して得られた実施例12および13の塗料及び、塗膜の特性は表6に示すとおりであった。
【0037】
【表6】
Figure 0004393082
【0038】
【発明の効果】
本発明の路面表示用水性塗料組成物は、貯蔵安定性に優れ、塗布後は、速乾性、耐水性に優れた塗布層を形成する。また、本発明の路面表示用水性塗料組成物は、水性であるため安全性が高く、大気汚染の心配がない水性塗料組成物である。

Claims (4)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004393082
    (式中、X及びZはそれぞれ、水素、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または脂環族炭化水素基、Yは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、Rは炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を示す。)で示されるビニル化合物0.1〜10重量%とブチルアクリレート(BA)および/または2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)を10〜50重量%、メチルメタクリレート(MMA)および/またはスチレンを30〜70重量%含んでなる重合性ビニルモノマーを構成モノマーとするビニル共重合体(A)の水分散体を固形分換算で100重量部、着色顔料(B)10〜200重量部および充填材(C)100〜350重量部を含有してなる路面表示用水性塗料組成物。
  2. ビニル共重合体(A)が−10〜50℃のガラス転移温度を有するものである請求項1記載の路面表示用水性塗料組成物。
  3. ビニル共重合体(A)が構成モノマーとしてさらにカルボキシル基含有ビニルモノマーを0.1〜5重量%含有するものである請求項1記載の路面表示用水性塗料組成物。
  4. ビニル共重合体(A)の水分散体の平均粒子径が0.05〜0.4μmである請求項1記載の路面表示用水性塗料組成物。
JP2003052686A 2003-02-28 2003-02-28 路面表示用水性塗料組成物 Expired - Fee Related JP4393082B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003052686A JP4393082B2 (ja) 2003-02-28 2003-02-28 路面表示用水性塗料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003052686A JP4393082B2 (ja) 2003-02-28 2003-02-28 路面表示用水性塗料組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004263000A JP2004263000A (ja) 2004-09-24
JP4393082B2 true JP4393082B2 (ja) 2010-01-06

Family

ID=33117498

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003052686A Expired - Fee Related JP4393082B2 (ja) 2003-02-28 2003-02-28 路面表示用水性塗料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4393082B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017110091A1 (ja) 2015-12-25 2017-06-29 株式会社クラレ 水性エマルジョン及びそれを用いた接着剤

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104861800A (zh) * 2015-04-28 2015-08-26 桐城市新丰彩印包装有限公司 一种高附着力耐腐蚀去污涂料
CN107082842B (zh) * 2017-06-02 2019-03-15 广东深展实业有限公司 一种水溶性有机硅改性丙烯酸酯树脂的制备方法
US20200157390A1 (en) 2017-06-22 2020-05-21 Kuraray Co., Ltd. Aqueous emulsion and adhesive using same

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017110091A1 (ja) 2015-12-25 2017-06-29 株式会社クラレ 水性エマルジョン及びそれを用いた接着剤
US11001703B2 (en) 2015-12-25 2021-05-11 Kuraray Co., Ltd. Aqueous emulsion and adhesive using same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004263000A (ja) 2004-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3049642B2 (ja) 貯蔵安定性急速硬化性水性コーディング組成物
JP4144918B2 (ja) 耐摩耗性トラフィックマーキングの形成方法
JP4145261B2 (ja) 水性トラフィックペイントおよび塗布方法
KR100227859B1 (ko) 수성도료용 경화성수지조성물
AU700150B2 (en) Aqueous paint composition
JP2002514673A (ja) ラテックスポリマーの制御架橋用プロトン化アミン
JPH09124974A (ja) 耐摩耗性トラフィックマーキングの形成方法
JP5876175B2 (ja) シーラー用塗料組成物
US8741985B2 (en) Resin emulsion for sealer
CN101429320B (zh) 液态施涂的消音材料
EP0709409A1 (en) Hydrophilic crosslinked polymer fine particles and process for production thereof
JP6626193B2 (ja) 保存安定性水性組成物及びその作製方法
JPH05301933A (ja) 共重合体ラテックス
JP4393082B2 (ja) 路面表示用水性塗料組成物
EP0780411B1 (en) Hydrophilic crosslinked polymer fine particles and process for production thereof
JP2000001814A (ja) 耐摩擦性トラフィックマ―キングを形成する方法およびそこで使用されるトラフィックペイント
JP2007039558A (ja) 路面表示用水性塗料組成物
JP4406539B2 (ja) 路面表示用速乾性水性塗料組成物
JP5036940B2 (ja) 路面標示用水性塗料組成物
JP2008291165A (ja) 路面表示用水性塗料組成物
JP3582920B2 (ja) 路面標示用水性塗料組成物
JP2008239855A (ja) 速乾性水性塗料組成物
JP5798870B2 (ja) シーラー
JP2006008785A (ja) 速乾性水性塗料組成物
KR100947280B1 (ko) 도로표시용 수성코팅 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050914

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090304

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090929

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091013

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121023

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131023

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131023

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131023

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees