JP4405381B2 - 溶融金属浴上での冶金処理方法 - Google Patents

溶融金属浴上での冶金処理方法 Download PDF

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Description

本発明は概略的には溶融金属浴上における冶金処理方法に関する。より詳細には、本発明は溶融金属浴表面上における酸性スラグの存在あるいは生成を伴う第一処理と、該溶融金属浴表面上における塩基性スラグの存在あるいは生成を伴う第二処理から構成される溶融金属浴上における冶金処理方法に関する。
この種の方法としては、例えば、脱硫処理(すなわち硫黄含量を減ずる処理)及び/または脱リン処理(すなわちリン含量を減ずる処理)の実施前に、溶融スチールをまずアルミノテルミット法によって取鍋中で加熱し、該取鍋中において原料スチールを処理する方法がある。アルミノテルミット法による加熱中にアルミニウムは酸素と反応して溶融金属浴表面上へ酸性Alスラグを生成する。事実上、前記脱硫処理、またそれとは別に溶融金属浴表面上に塩基性スラグを必要とする脱リン処理は、溶融金属浴表面上に存在する酸性Alによって抑制される。それゆえ、前記酸性Alは、前記脱硫及び/または脱リン処理の開始前に、まず除去(スラグ化)されなければならない。実際問題として、このような中間スラグ化処理は処理全体に要する時間をかなり長期化させるため、あらゆる冶金処理スタンドに適するものではない。
取鍋中における溶融金属浴のアルミノテルミット法による加熱効率を高めるため、この加熱をベルの下方で実施する方法が公知である(例えばUS−A−4518422参照)。不活性ガスを注入して溶融金属浴を被覆している初期スラグ層中へまず「窓」を形成する。次いで前記ベルをその底部縁部が溶融金属浴中へ浸漬されるまで前記「窓」上方において下降させる。アルミノテルミット法反応物、すなわちアルミニウム及び酸素を前記ベルの下方へ加える。同時に不活性ガスを注入して前記溶融金属浴を攪拌する。前記ベルは、好ましくは保護雰囲気下において及び周囲へのロスを最小限にしてアルミノテルミット法によって加熱することが可能である。前記アルミノテルミット法による加熱が終了したら前記ベルは取り外される。前記ベル周囲のスラグを該ベル下方に生成されたAlスラグと混合して後続の脱硫及び/または脱リン処理を抑制するAl含量(>40%)から成るスラグを生成する。
冒頭において記述した形式の別方法においては、溶融原料鋳鉄浴あるいは溶融鉄合金浴は酸素注入による脱シリコン(すなわちシリコン含量を減ずる処理)及び脱硫及び/または脱リン処理の双方を経る必要がある。酸素注入による脱シリコンによって溶融金属浴表面上に酸性SiOスラグが生成される。実際問題として、後続する脱硫処理では溶融スチール浴表面上に塩基性スラグが存在する必要があり、この処理はSiO含量が10%を上回ると抑制される。そのため、脱シリコン中に生成された前記酸性スラグは脱硫処理開始前に除去(スラグ化)される必要がある。既に説明したように、この中間スラグ化処理はこの方法に要する処理時間をかなり長期化させるため、あらゆる冶金処理スタンドに適する方法ではない。
本発明は、第一処理において溶融金属浴表面上への酸性スラグの存在あるいは生成が伴われ、及び第二処理において前記溶融金属浴表面上への塩基性スラグの存在あるいは生成が伴われる冶金方法の最適化を行うことを目的とする。
本発明に従って、前記目的は、中間スラグ化処理を行うことなく2つの別個の区分において同時あるいは連続的に前記2処理を実施し、及び酸性スラグ区分と塩基性スラグ区分との間の溶融金属浴表面へ物理的分離を設けることによって達成される。最大処理時間を減ずるため、前記2処理は好ましくは同時に行われるべきである。それにも拘わらず、場合によっては、前記第一処理を前記第二処理の開始前にまず終了あるいは開始し、あるいはその逆とする方が有利となることもある。いずれにしても、中間スラグ化に要する時間を減ずることが常に有利であり、またスラグ化作業実施用の装備が必ずしも備えられていない(スラグ化は別の装置によって実施される)単一の冶金処理スタンドによっても前記2処理を実施することが可能である。
好ましい実施態様においては、前記2処理の一方は底部縁部が溶融金属浴中へ浸漬された深型ベルの下方において実施され、他方の処理はこの深型ベルの周囲において実施される。この深型ベルによって前記浴表面に前記2つのスラグ区分間に物理的分離が設けられ、さらに保護雰囲気下における前記2処理の一方の周辺環境へのロスを最小限とすることが可能とされている。深型ベルのかかる付加的有利性を利用する必要がなければ、単一の分離壁を用いて酸性スラグ区分と塩基性スラグ区分との間の溶融金属浴表面に物理的分離を設けることも可能である。この分離壁は冶金容器縁部と協同して溶融金属浴表面を2つの並列な区分へと分離するか、あるいは一種のリングを形成して溶融金属浴表面内に「島」を設けることが可能である。
前記第一処理は、例えば、保護雰囲気下で深型ベルの下方において実施され及びこのベル下方に酸性スラグを生成する化学的加熱である。化学的加熱は、ここでは例えばアルミニウム(アルミノテルミット法)あるいはシリコン(シリコテルミット法)等の金属元素全般の高発熱性酸化を意味している。
前記第一処理は、特に鋳鉄あるいは高含量のシリコンを含む例えばフェロニッケルのような鉄合金の処理の一部としての酸素注入による脱シリコン処理であってもよい。前記酸素注入による脱シリコン処理は、底部縁部が溶融金属浴中に浸漬された深型ベルの下方においても有利に実施される。
前記第二処理は、例えば石灰、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム等の添加によって生成される塩基性スラグに関連した脱硫及び/または脱リン処理である。この処理は、その下方で前記第一処理が行われる前記深型ベルの周囲で行うことができる。
酸素注入による脱シリコン処理の一部として、前記脱硫及び/または脱リン処理には溶融金属浴への石灰岩、特にキャスティン(石灰石の一種)の添加が含まれていることが有利である。キャスティンは安価で極めて有効な脱硫剤であるが、溶融金属浴中で分解すると高吸熱反応を起こして結果的に溶融金属浴を冷却する。酸素注入による脱シリコンとの組合せにおいては、いずれにしても極めて発熱性である脱シリコン反応によって過剰の熱が生成されるため、事実上この冷却効果によって何ら問題を生じない。
酸性スラグ区分と塩基性スラグ区分との間の溶融金属浴表面へ深型ベルを用いて前記物理的分離を設けた場合、前記方法は下記のように有利に進行する。まず不活性ガスを注入して溶融金属浴表面を被覆している初期スラグ層中に「窓」形成する。この「窓」を、底部縁部が溶融金属浴中に浸漬されている深型ベルを用いて覆う。同時に不活性ガスを注入して溶融金属浴を攪拌しながら前記2処理の一方を前記深型ベルの下方において実施し、及び他方の処理を前記深型ベルの周囲において実施する。前記2処理の終了時点で、前記攪拌を止め、深型ベルを取り外してから生成された前記2種スラグを速やかに除去(スラグ化除去)する。前記深型ベルの取り外し前に前記攪拌を終了させることにより、本方法の結果に不利益な影響を与える可能性のある前記2種スラグの過剰混合が防止される。
本発明方法の他の特徴及び特質は、本発明方法の実用化例として概略図示した図1を参照しながら以下に実例として記載した実施例から明らかとなる。
図1を用いて、溶融スチール浴の化学的加熱によって進行される溶融原料スチール浴の取鍋脱硫処理を含む本発明冶金方法について図解により詳細に説明する。
図1には上記方法の実施における冶金処理スタンド中の冶金取鍋10が示されている。初期段階において、この取鍋10には、転炉あるいは電気炉からの原料スチールの溶融浴12がこの溶融スチール浴を被覆する残留塩基性スラグ層とともに含まれている。前記冶金処理スタンドにおいては、不活性ガスがまず注入されて残留スラグ層中に窓14、すなわち溶融スチール浴12を被覆する残留スラグから少なくとも部分的に分離されて溶融スチール浴12の表面部分が形成される。次いでこの窓14の上方へ、深型ベル16の底部縁部が溶融金属浴12中へ少なくとも20cmまで浸漬されるように該ベル16が配置されている(溶融金属浴12のはね返しが大きければ大きいほど、ベル16の底部縁部の浸漬深度は大きくなる)。このような深型ベル16の可能な実施例は、例えば特許出願WO98/31841に記載があるので参照されたい。但し本発明方法において用いられるベルは必ずしも回転式ベルである必要はない。
ベル16の下方において溶融スチール浴はアルミノテルミット法によって加熱される。この目的のため、図中の矢印19及び20で概略的に示されるようにアルミニウムが添加され、及び酸素がベル16下方へ吹き込まれる。同時に、溶融金属浴12中へ好ましくは側面ノズル22を用いて注入される不活性ガスによって溶融金属浴12が攪拌される。添加されたアルミニウムは酸素と高発熱反応を起こす。この反応により、酸性Alスラグがベル下方に生成される。図1中、この酸性Alスラグは符号24で示されている。
従来技術においては、ベル16下方に生成されるAlが多量に混入した残留スラグを除去するため、ベル16は化学的加熱の終了時に引き上げられていた。その後にスラグから分離された溶融スチール浴上で脱硫処理が行われた。実際、塩基性スラグを用いて脱硫及び/または脱リン処理を行うためには、このスラグ中のAl含量が40%未満でなければならないことは周知である。
本発明によれば、中間スラグ化処理を必要とせずに、ベル16の周囲において前記脱硫及び/または脱リン処理が行われる。この目的のため、ノズル26を用いてベル16周囲の溶融金属浴中に塩基性スラグを生成するため薬剤が注入される。この塩基性スラグ28生成剤としては、例えば石灰、石灰岩、キャスティン、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム等を用いることが可能である。ベル16によって、ベル16下方に生成された酸性Alスラグとベル16周囲の塩基性スラグとの混合が防止され、前記2処理を同時にあるいは中間スラグ化処理なしに連続的に行うことが可能となっている。好ましくは、まずアルミノテルミット法による加熱を開始し、次いで溶融スチール浴が十分な温度に達した時に脱硫及び/または脱リン処理が開始される。
前記脱硫及び/または脱リン処理が終了したら、ベル16の引き上げに先立って溶融金属浴12の攪拌をすべて止める。次いで2種スラグを同時に除去する。
ベル16下方において実施される処理は、例えば酸素注入による鋳鉄あるいは鉄合金、とりわけフェロニッケルの脱シリコン処理であってもよいことに注意すべきである。この場合、前記シリコンはベル下方へ吹き込まれた酸素と反応してベル下方に酸性SiOスラグが生成される。次いで上記した脱硫及び/または脱リン処理をベル周囲で実施することが可能である。ベル16は、ベル下方に生成された酸性SiOスラグとベル16周囲の塩基性スラグとの混合を防止し、両処理を同時にあるいは中間スラグ化処理なしに連続的に実施することを可能とする。実際問題として、効果的な脱硫及び/または脱リン処理を行うためには、前記塩基性スラグのSiO含量は約10%を超えてはならない。
本実施例は原料転炉スチールの80%脱硫を目的とする原料転炉スチールの取鍋処理方法に関する。
処理初期状態
冶金取鍋には原料転炉スチール160t及び残留ファイニングスラグ600kgが収容されている。分析結果は、炭素0.04%、酸素600ppm、硫黄0.010%である。溶融スチール浴の温度は1600°Cである。注入時には脱酸素アルミニウム200kgと酸化カルシウム600kgが添加されている。
アルミノテルミット法による加熱
この第一処理は、図1との関連で記載したように、溶融スチール浴の残留スラグ層から予め分離された溶融スチール浴の区分上方に配置された深型ベルの下方において行われるアルミノテルミット法による加熱である。溶融スチール浴の温度はアルミニウム530kg及び酸素350mの7分間を要しての注入(酸素注入速度は50m/分)によって約90°Cまで上昇する。側面ノズルを用いた注入速度0.2m/分のアルゴン注入によってベル下方において攪拌がひき起こされる。
脱硫
この第二処理は、ベル周囲で行われる強度な80%脱硫である。脱硫剤としては、CaO(酸化カルシウム)60%及びAl(酸化アルミニウム)35%から成る粉状物が用いられる。Alの添加は得られるスラグの流動性の調整を意図したものである。他のスラグ化剤を用いることも可能である。
脱硫剤はアルゴンをキャリアーガスとして用いて溶融液中に浸漬されたヘッドノズルから注入される。脱硫剤の注入開始前に、注入ノズルを用いて溶融スチール浴を予め攪拌する。この目的のため、脱硫剤の供給を止めて注入ノズルへアルゴンを約0.5m/分の流速で5分間供給する。この事前の攪拌によって、特に脱硫前の溶融スチール浴温度の均質化が果たされる。次いで、前記した脱硫剤960kgを約12分の時間間隔でアルゴンをキャリアーガスとして用いて約1m/分の流速で注入する(固体送り速度80kg/分)。脱硫剤の供給を止めた上で、同じノズルを用い、及び流速約1m/分のアルゴンを用いて5分間強度の攪拌を行ってからこの処理を終了する。次いで攪拌を止めてからベルを引き上げる。
最終状態
スチール:炭素0.04%、硫黄0.002%、温度約1600°C
スラグ:ベル下方に生成されたAl約1000kg及びベル周囲の脱硫スラグ約2500kg
注解
スチールの穏やかな脱硫の達成が必要なだけである場合、ノズル用いた前記浴中への脱硫剤の注入は不要である。実際、ベル周囲の残留スラグにはスチールの穏やかな脱硫の達成に十分量の脱硫剤が既に含まれている。それゆえ、溶融スチール浴表面上に浮遊する残留スラグと反応させ、及び必要な場合にさらにスラグ剤を添加して特にスラグのコンシステンシーを調整するためには、ベル周囲の溶融スチール浴を攪拌すれば十分である。
実施例2
本実施例は鋳鉄の脱シリコン及び脱硫を目的とした原料鋳鉄の取鍋処理に関する。
処理初期状態
冶金取鍋には、分析結果が炭素4.5%、珪素0.8%、硫黄0.10%である原料鋳鉄100tが収容されている。溶融鋳鉄浴の温度は1350°Cである。鋳鉄は残留塩基性スラグ層で覆われている。
脱シリコン処理
前記浴の残留スラグ層から予め遊離された該浴区分上方に定置された深型ベルの下方において脱シリコン処理を上記と同様の方法で実施する。酸素450mをベル下方へ10分間注入する(酸素注入速度45m/分)。側面ノズルを用いてアルゴンを流速0.2m/分で注入してベル下方を攪拌する。
脱硫
脱硫をベル周囲において実施する。使用される脱硫剤はCaCO(炭酸カルシウム)70%及びNaCO(炭酸ナトリウム)30%から成る粉状物である。他のスラグ剤を添加することも可能である。
溶融液中に浸漬されたノズルを通し、アルゴンをキャリアガスとして用いて脱硫剤を注入する。約20分間を費やして(固体送り速度:約50kg/分)、上記脱硫剤約1000kgをキャリアガスであるアルゴンとともに流速1m/分で注入する。すべての攪拌を止めた後、ベルを引上げて2種スラグを同時に除去する。
最終的状態
前処理された鋳鉄:炭素4.3%、珪素0.4%、硫黄0.02%、温度約1400℃
スラグ:ベル下方に生成されたSiO約860kg及びベル周囲の脱硫スラグ約700kg
鋳鉄処理に関する注釈
従来の一回完了方式鋳鉄脱硫においては、通常脱硫剤としてMg−CaCあるいはMg−CaO混合物が用いられる。これらの混合物は極めて有効な脱硫剤であるが極めて高価でもある。これら混合物が主に使用される理由は、溶融金属浴を限定的にしか冷却しないためである。実際には、脱硫と高発熱性脱シリコン処理を組合せることにより、例えば石灰岩(CaCO)あるいはキャスティン等のより冷却力がありかつより安価な脱硫剤を用いることが可能となる。溶融スチール浴中でCaCOあるいはNaCOが分解すると鋳鉄の脱シリコンを助長する酸素が発生する(1kgのCaCOあるいはNaCOによって脱シリコン用酸素の必要性が約0.1m減少する)。さらに、より流動性のスラグを得、これによりスラグ化処理中の鉄のエントレインメント(飛沫同伴)によるロスを制限するために、好ましくはCaCOとNaCOの混合物が用いられる。しかしながら、NaCOを用いると、気化によるNaCOのロスを防止するために温度を1400℃までに制限する必要も生ずる。
鉄合金処理に関する注釈
鋳鉄に関して実施例2で述べたように、脱シリコンと脱硫を組み合わせて処理することは溶融鉄合金浴、特に溶融フェロニッケル浴にとっても有利である。
しかしながら、フェロニッケルの場合を例に挙げれば、その目的は概してより強度な脱シリコン(Si含量を0.1%以上まで減ずる)を達成することである。有効な冷却剤の無い条件下での酸素ガス噴流によるシリコン化は温度を300°C以上上昇させる可能性がある。
一定の鋳鉄脱シリコン工程において行われているように、スチール製造の副産物として得られる鉄鉱石あるいは酸化鉄を冷却剤として用いることが可能である。しかしながら、脱シリコンと脱硫を組み合わせる上記方法によれば、脱硫剤としてキャスティン(CaCO)及び/または炭酸ナトリウム(NaCO)を用いることが特に有利である。何故なら、これらの物質は、シリカ(SiO)の添加によって希釈されない限り、強力な冷却剤であるとともに効果的な脱硫剤であるからである。
量的な面、(溶鉱炉鋳鉄の場合にSi含量を0.2ないし0.4%ではなく1ないし2%まで減少させること)は別にして、鋳鉄に対して提案された方法は、酸素及び必要とされる冷却/脱硫剤の比率を適合させることにより鉄合金へも同様に適用可能である。
本発明方法の実施における冶金処理スタンド中の冶金取鍋を示した図である。

Claims (7)

  1. 溶融金属浴表面上への酸性スラグの存在あるいは生成を伴う第一処理、及び
    前記溶融浴表面上への塩基性スラグの存在あるいは生成を伴う第二処理から構成される溶融金属浴上における冶金処理方法であって、
    酸性スラグ区分と塩基性スラグ区分との間の前記溶融金属浴表面に物理的分離を設けることによって前記2処理が中間でのスラグ処理なしに同時的に行われること、及び第一処理が酸素注入による鋳鉄あるいは鉄合金の脱シリコン処理であること、を特徴とする冶金処理方法。
  2. 前記2処理の一方が、底部縁部が前記溶融金属浴中に浸漬されている深型ベルの下方において行われ、他方の処理が前記深型ベル周囲において行われることを特徴とする請求項1項記載の方法。
  3. 前記第二処理が塩基性スラグをベースとする脱硫及び/または脱リン処理であることを特徴とする請求項1項又は2項のいずれかに記載の方法。
  4. 前記酸素注入による脱シリコン処理が、底部縁部が前記溶融金属浴中に浸漬されている深型ベル下方において行われ、前記第二処理が前記深型ベル周囲において行われる脱硫及び/または脱リン処理であることを特徴とする請求項項記載の方法。
  5. 前記第二処理が石灰をベースとする脱硫及び/または脱リン処理であることを特徴とする請求項項または項記載の方法。
  6. 前記石灰は石灰岩であることを特徴とする請求項項記載の方法。
  7. 前記方法の開始時には前記溶融金属浴表面は残留スラグ層で覆われており、
    不活性ガスの注入によって前記残留スラグ層中に窓が形成され、
    前記窓は、底部縁部が前記溶融金属浴中に浸漬されている深型ベルを用いて覆われ、
    不活性ガスを注入して前記溶融金属浴を攪拌すると同時に、前記2処理の一方が前記深型ベル下方において行われ及び他方の処理が前記深型ベル周囲において行われ、及び
    前記2処理の終了時に、前記攪拌を止め、前記深型ベルを取り外した後直ぐに2種スラグが除去されることを特徴とする請求項1項ないし項のいずれかに記載の方法。
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