JP4405241B2 - 液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光方法および露光装置ならびに処理装置 - Google Patents

液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光方法および露光装置ならびに処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、特定のパターンを感光材に露光する露光方法及び装置に関し、特に、LCD(液晶ディスプレイ)などに用いられるガラス基板に代表される、板厚変動の大きな基板に対する露光装置、露光方法および処理装置に関する。
半導体基板もしくは液晶ディスプレイ等に用いられるガラス基板は、半導体層や絶縁体層など複数の材料がパターニングされ、かつ積層された構造からなる。このパターニングには、フォトリソグラフィーの技術が用いられている。
リソグラフィー技術は、被加工材料上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト層を形成し、このレジスト層(表面)に露光パターンを形成し、レジスト層を現像した後、非現像部分のレジスト層を除去して得られた(残された)部分に対して、選択的にエッチングや堆積等の加工を行い、回路やトランジスタなどを形成するものである。この露光の代表的なものは、レンズプロジェクション露光、ミラープロジェクション露光などの投影露光方式である。この露光方式は、原版(マスク)の像(露光パターン)を、レジスト層が塗布された被加工物表面に投影し、上記レジスト層に(露光パターンを結像させて)露光パターンに対応する像を形成する方式である。
なお、露光装置としては、ステップ・アンド・リピート方式やステップ・アンド・スキャン方式がある。
図16は、一般的なステップ・アンド・スキャン方式の露光装置の構成を示す。光源101と照明系102からの光がマスクMに照射され、投影系104によりマスクMのパターンが基板Sに結像される。露光時は、矢印Aで示したように、マスクステージ103と基板ステージ105の両方が同期して移動する。投影系104による結像が反転の場合には、それらは互いに逆方向に、正立の場合には、同方向に、それぞれ移動される。
このように、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置では、露光フィールドfと呼ばれる一定領域が、基板Sに対して相対的に走査されて露光される。
上述した投影露光においては、投影露光によって形成される結像面すなわち投影装置の焦点距離と露光面(レジスト面)の投影装置からの距離が一致することが要求される。
しかし、レジスト層表面すなわち露光面が微視的に凹凸を含む場合がある。このレジスト層表面の凹凸は、レジスト層が形成される基板の厚みムラや基板の屈曲や基板が載置されるステージの平坦度などが要因で発生する。
また、半導体分野では一般にシリコン基板を加工材料として用いるが、LCDパネルを製造する際には、透過性が望まれることやコストなどの点から、通常はガラス基板が用いられる。後述するように、ガラス基板には特徴的な板厚分布が存在することが確認されているが(例えば特許文献1参照)これまでは、ガラス基板に固有の凹凸の影響を考慮することなく露光がなされている。
特開2001−36088号公報
露光における解像度(線幅)Rと焦点深度(Depth Of Focus)との関係には、露光波長をλとした時、以下の式が成り立つ。ここで、kとkはプロセスに依存する比例係数である。
DOF=±k/k ×R/λ ・・・(1)
露光時、基板面は露光フィールドの全領域において、(1)式で決まる焦点深度の範囲内に収める必要がある。もし基板面が焦点深度の範囲から外れると、完全な結像が得られないので、適正なレジストパターンが形成されない。
現在、液晶表示装置の製造に用いられる量産用露光装置では、超高圧水銀ランプのi線で1.5μmが最高の解像度である。この時の焦点深度は、解像度R=1.5μm、露光波長λ=0.365μm(i線)、k=0.6、k=0.5とすると(kとkはi線使用時に一般的とされる値)、(1)式より、DOF=±8.6μmとなり、焦点深度の幅として17.2μmである。一般に、収差などの影響を見込んだ露光装置側の余裕度として半分の8.6μmが必要であるので、基板に要求される平坦性の目安は8.6μm以下となる。
今後、液晶表示素子の高精細化が進展し、解像度1.0μm、さらに0.5μmが求められるようになると、焦点深度はますます短くなる。例えば、解像度R=1.0μm、露光波長λ=0.365μm、k=0.6、k=0.5とすると、DOF=±3.8μmとなり、焦点深度の幅として7.6μmである。したがって、基板に要求される平坦性の目安は3.8μm以下となる。
また、解像度R=0.5μm、露光波長λ=0.248μm(KrFエキシマレーザ)、k=0.5、k=0.5とすると(kとkはKrFエキシマレーザ使用時に一般的とされる値)、DOF=±2.0μmとなり、焦点深度の幅として4.0μmである。したがって、基板に対する平坦性の目安は2.0μm以下となる。
以上をまとめると、解像度1.5μmで基板平坦性8.6μm以下、解像度1.0μmで3.8μm以下、解像度0.5μmで2.0μm以下が期待される。
一方、液晶表示素子の製造に用いられているガラス基板は、特定の一方向に沿って、約100mm幅で10μm程度の板厚変動(ピーク・トゥ・ピーク)がある。したがって、スループット向上のために露光フィールドを大きくするほど、板厚変動の範囲が焦点深度を超えてしまい、適正な解像度が得られないことになる。
例えば、露光フィールドを70mm×20mmの長方形とした場合、特定の一方向には7から8μm程度の板厚変動が予想され、上記の解像度1.5μm(基板平坦性8.6μm)が限界であり、解像度1.0μm(基板平坦性3.8μm)や0.5μm(基板平坦性2.0μm)は実現不可能と判断される。
ガラス基板の平坦性は徐々に改善されてきているが、短期間で大幅な成果は望めず、露光装置の工夫により焦点深度に起因する課題を解決することが好ましい。
ところで、上述した特開2001−36088号公報には、板厚変動の大きなガラス基板上全面にわたって焦点深度の範囲内で露光を可能にする方法が提案されている。すなわち、ガラス基板の製造時にガラスの引き出し方向に沿って「反り」や「うねり」などの板厚変動が生じるとし、このガラスの引き出し方向と円弧状スリットの走査方向を一致させ、走査方向に沿って逐次フォーカス合わせをしながら露光することにより、焦点深度が小さくともフォーカスマージンを確保できるとしている。
ところが、本出願人の分析結果によると、ガラス基板の板厚変動が大きいのは、製造時の引き出し方向とほぼ直交する方向であり、むしろ引き出し方向には板厚変動が小さいことが確認された。
また、上述の公報には、フォーカス合わせの方法が開示されておらず、板厚変動の大きなガラス基板を一様に露光することは、確立されていない。
この発明の目的は、大型の液晶表示装置に用いられるガラス基板の全域において、正確にパターンを形成可能な露光方法および露光装置ならびにパターン形成方法およびその装置を提供することである。
この発明の基本は、被露光用基板であるガラス基板の被露光面に存在する凹凸の大きな方向に沿って露光領域を移動させることにより、基板上の露光領域を連続的あるいは逐次的に移動させながら所定のパターンを露光する露光方法である。
そしてこの発明では、このようなパターンの露光に際し、事前に基板の凹凸状態を測定してその測定結果に基づき基板面の高さと傾きを操作し、これにより凹凸による被露光面の変位差を低減した状態で露光することを特徴とする。
また、この発明は、ガラス基板上に露光領域を連続的あるいは逐次的に移動させながら所定のパターンを露光する露光装置において、前記ガラス基板の被露光面に存在する凹凸の大きな方向に沿って露光領域を移動させる機構を設けたことを特徴とする露光装置である。
詳しくは、この発明は、ガラス基板上に露光領域を連続的あるいは逐次的に移動させながら所定のパターンを露光する露光装置において、ガラス基板の被露光面の変位を検知する検知手段と、前記基板面の傾きと高さを制御する制御手段と、基板の板厚変動が特定の一方向に大きく生じる方向に沿って露光領域を移動させる移動手段とを備え、検知した変位に応じて被露光用基板面の傾きと高さを制御し、露光時には常時、露光の結像面を基板面に略一致させることを特徴とする露光装置を提供するものである。
さらにまた、この発明は、ガラス基板上に露光領域を連続的あるいは逐次的に移動させながら所定のパターンを露光する露光装置において、前記ガラス基板の板厚変動が特定の一方向に大きく生じる方向に沿って露光領域を移動させる移動手段を有することを特徴とする露光装置を提供するものである。
また、この発明は、被処理対象物であるガラス基板をステージ上に保持する保持手段と、この基板表面のうねりもしくは厚みムラを検知する検知手段と、前記基板の面の広がり方向に対して直交する方向に変位可能な変位機構を前記保持手段の少なくとも隅に複数個設け、前記検知手段により検知された変位を打ち消す方向に独立に変位される変位手段と、前記保持手段に含まれる変位機構の移動量を制御する制御手段と、を有し、ステージ上に設けられた被処理対象物を加工する処理装置を提供するものである。
本発明によれば、パターン露光の際、事前に基板の凹凸状態を測定し、その測定結果に基づき基板面の高さと傾きを操作して、凹凸による被露光面の変位差を低減した状態で露光するので、ガラス基板に凹凸があってもその影響なく正確にパターンが形成できる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1に、本発明を実施した対象物の露光面のうねりもしくは厚みムラの影響を除去可能な露光装置の構成の一例を示す。
露光装置1は、光源11の光軸上に照明光学系12、マスクステージ13、投影光学系14、基板ステージ15が順番に配置され、マスクステージ13と基板ステージ15には、それぞれ、マスクMとガラス基板Sが保持される構成である。
光源11は、露光用エネルギーを出力するもので、例えば高圧水銀灯やレーザ装置である。高圧水銀灯は、例えばg線(436nm)やi線(365nm)を発する。また、レーザ装置としては、例えばキセノン塩素エキシマレーザ装置(308nm)、クリプトンフッ素エキシマレーザ装置(248nm)、アルゴンフッ素エキシマレーザ装置(193nm)などがある。
このような光源11からの出射光路には、リレーレンズを含む照明光学系12、マスクM、投影光学系14からなる光学系6が設けられている。投影光学系14の結像位置には、被露光用基板、例えば液晶表示装置用ガラス基板Sが設けられている。このガラス基板SとマスクMとは、共役関係に設けられている。マスクMは、A−A方向に直線移動可能なマスクステージ13の予め定められた設置位置に設けられている。ガラス基板Sは、上記A−A方向と同一方向に直線移動可能な基板ステージ15の予め定められた位置に設けられている。
露光装置1には、基板ステージ15上に設置されたガラス基板Sの被露光面の凹凸の状態を測定するための被露光表面の凹凸状態検知装置10が設置されている。被露光表面の凹凸状態検知装置10と母線9で接続されている制御装置21はCPU71、RAM72、ROM73を含み、CPU71は、この被露光表面の凹凸状態検知装置10の測定動作を制御し被露光表面の凹凸状態を測定させる構成になっている。CPU71は、被露光表面の凹凸状態検知装置10による測定結果をガラス基板Sの位置情報に関連付けて母線9に接続されたメモリのRAM72に凹凸情報を記憶する構成になっている。このようなCPU71の制御プログラムは、母線9に接続されたメモリのROM73に予め記憶されている。
CPU71は、被露光表面の凹凸状態検知装置10による測定結果をRAM72から読み出した凹凸情報から露光領域情報およびこの露光領域の走査方向情報Xを算出し、当該位置情報に関連付けてRAM72に記憶させる。CPU71は、このような位置情報と露光領域情報およびこの露光領域の走査方向情報Xを関連付けて母線9に接続された表示装置77に表示させ、監視できるように構成されている。このようにして露光装置1が構成されている。
光源11からの光は、照明光学系12によりマスクMを照射し、マスクMの光学パターンが投影光学系14によりガラス基板Sに結像される。露光時にCPU71は、矢印Aで示した方向に、マスクステージ13と基板ステージ15の両方を同期して移動させ、露光位置を決定する。投影光学系14による結像が反転の場合には、それらは互いに逆方向に、正立の場合には、同方向に移動される。
マスクステージ13と基板ステージ15の矢印Aで示した方向の移動は、例えばステップ・アンド・スキャン方式で移動させることができる。CPU71は、露光装置1を制御して、露光領域(フィールド)fと呼ばれる一定領域をガラス基板Sに対して相対的に走査させ、露光ステップを実行する。
光源11からの光は、照明光学系12により上記露光領域情報から求められた断面形状に概ね長方形に整形され、マスクM上に照射される。マスクステージ13と基板ステージ15は、上記凹凸情報から求められた走査方向情報Xに所定タイミングで同時に移動される。これにより、ガラス基板SにマスクMのパターンが転写される。なお、図1に示す露光装置1においては、投影光学系14は、マスクパターンを反転結像するので、露光時、マスクステージ13と基板ステージ15のそれぞれが移動される方向は、互いに逆となる。また、ガラス基板Sの板厚変動の大きな方向は、マスクステージ13と基板ステージ15のそれぞれが移動される方向と平行である。
基板ステージ15は、必要に応じてチルト機構を備えることが望ましい。基板ステージ15は、例えば圧電素子などに代表され、個々の突出量(高さ)が変更可能なアクチュエータ16により四隅が支持されており、四隅の高さが個別に制御可能である。
すなわち、基板ステージ15は、マスクMに含まれる露光パターンが投影されて定義される平面領域(投影面)の広がり方向に対して、互いに直交する任意の方向およびそれらの方向により関連づけられる対角線方向のいずれかの方向に対して所定の角度に傾けられることができる(チルティング)。また、基板ステージ15は、上述した投影面に対して平行に上下移動可能である(レベリングもしくは垂直移動)。なお、これらのチルティングとレベリングは、以下に説明する制御装置により同時に制御可能である。
露光装置1にはまた、ガラス基板S上、露光フィールド内の変位を測定する上記凹凸状態検知装置10が備えられている。凹凸状態検知装置10は、例えば光源である半導体レーザ素子18と、反射光を検出する位置検出素子(Position Sensitive Device)20と、反射光を受光するレンズ19を含み、半導体レーザ18のレーザ光をガラス基板Sの表面に、所定角度で照射し、ガラス基板Sの表面で正反射した反射光を受光してPSD20で検出することで、ガラス基板Sの変位方向と変位量を検知可能である。PSD20によれば、詳述しないPSD20の2つの信号取り出し用電極に出力された出力電流の比から、反射光の結像位置が求められる。従って、PSD20の電気的中心位置からの方向と距離によってガラス基板Sの変位方向と変位量が検知可能である。
PSD20の出力電流は、図示しないA/D変換装置によりA/D変換され、例えば図11に説明する制御装置(コンピュータ)21に入力され、例えば制御装置内もしくは外部に設けられたメモリに、順次記憶される。以下、ガラス基板Sの投影面の全域または、うねりもしくは厚みムラの大きな特定の一軸方向の全区間(露光フィールド)内に対応する総てのデータが得られた時点で、露光面の変位分布(うねりもしくは厚みムラ)が求められる。なお、基板面に光を照射して変位を計測する場合、光源に用いる半導体レーザや発光ダイオード(LED)は光強度が露光パワーに比べて十分小さく、波長域も露光波長と異なるので、これによりガラス基板S上にレジスト材が塗布されていたとしても、レジスト材が感光することはない。
露光フィールド内の変位分布の算出方法は、図12により後段で説明するが、例えば最小2乗法などの手法を用いて近似的な直線にあてはめられ、この直線の傾きと各変位の平均の高さが算出される。従って、この傾きが「0」となり、各変位の平均の高さが投影光学系14の結像面の高さと一致するように四隅のアクチュエータ16を構成する圧電素子の伸縮方向と伸縮量が計算され、伸縮方向と伸縮量に応じた極性と大きさの電圧が各圧電素子(アクチュエータ)16に出力される。
次に、本発明を実施した露光装置1の動作を説明する。
マスクステージ13と基板ステージ15を、投影光学系14に対して、相対的に、同時に移動させながら露光フィールド内の変位測定と走査露光を繰り返す。なお、ガラス基板Sを基板ステージ15に載せるに先だって、圧電素子(アクチュエータ)16に印加する初期電圧を0V(または予め求められたキャリブレーション値)に設定し、すべてのアクチュエータ16を同じ高さにする。
次に、半導体レーザ18のレーザ光をガラス基板Sの露光面に照射して露光フィールド内の複数箇所における各変位を測定する。
続いて、これらの変位差を擬似的に低減させるため、検出されたガラス基板Sの露光面の変位(凹凸)に応じて傾きを補正するチルティングとガラス基板SとマスクMとの間の間隔を調整するための高さ方向の移動であるレベリングにより、マスクMに含まれる露光パターンが投影されて定義される平面領域(投影面)の広がり方向に対して、互いに直交する任意の方向およびそれらの方向により関連づけられる対角線方向のいずれかの方向に対して所定の角度に傾けるとともに、高さを調整する。
より詳細には、この調整すなわちガラス基板Sの露光面を変位させるため、基板ステージ15の四隅のアクチュエータ16を個別に上下してガラス基板Sの露光面を傾斜させるとともに、また、露光フィールドの平均の高さが投影光学系14の結像面の高さと一致するよう、アクチュエータ16を同時に上下してガラス基板Sの露光面を昇降させる。
なお、ガラス基板のうねりもしくは厚みムラの特徴が図2に示すように、ガラス基板の製造方法に起因してほぼ1次元的であることが知られているので、ガラス基板Sの露光面のうねりもしくは厚みムラの検知は、厚みムラが基板Sの一方向例えば長さ方向のみに発生し、基板Sの幅方向例えば直交する方向には発生しないという前提に基づいて1次元についてのみ行えば良い。
うねりもしくは厚みムラの検知方法には、上述したように反射光を利用する方法以外に、光の干渉を利用する方法や、触針を用いる方法などがある。
なお、透明体の厚さおよび表面変位を測定することができる(容易に入手可能な)市販のレーザフォーカス変位計を用いることで、レーザビームで基板Sの露光面を走査して照射し、この結果発生する反射光を受光して信号処理する上述の測定方法によれば、例えば分解能0.1μmの精度で、基板Sのうねりもしくは厚みムラの方向と変位量を検知することができる。
また、フォーカス調整は露光フィールドfの走査に合わせて、変位の測定と基板ステージ15の制御をほぼ実時間で同時に行うことが好ましいが、露光前にガラス基板Sの全体の凹凸を一度に測定し、この情報を基に制御することも可能である。
以上は、投影露光を例に説明したが、必ずしも投影露光に限定されるものではなく、ホログラム技術を用いた露光方式などでも本発明の露光方法が適用可能である。また、本発明の露光方法は、露光フィールドが移動している状態で露光を行うステップ・アンド・スキャン方式において特に大きな効果を得ることができるが、露光フィールドを一旦停止させた状態で露光を行うステップ・アンド・リピート方式にも適用することができる。
また、一方向に板厚変動が大きい基板として代表的にはガラス基板が挙げられるが、これに限定するものではなく、例えばプラスチック基板などでも同様な特性があれば、本発明の露光方法を用いることが可能である。
図2は、ガラス基板Sの板厚測定値(厚みムラ分布)の一例を示す。
図2は、平均厚さ0.7mm厚のガラス基板を特定の一方向に沿って板厚を測ったものである。100から200mmの周期で、ピーク・トゥ・ピークで10μm程度の変動が見られる。なお、板厚の変動は、図示する方向にはあるが、これと直交する方向にはほとんどないことが確認された。また、このようなガラス基板Sをステージ15に置いた場合、板厚の変動がほぼそのまま反映され、ガラス基板面の変位は、図3に示すように、そのまま現れることが確認されている。なお、図3においては、ガラス基板Sの露光面の変動が大きく現れる方向をX、ほぼ均一な方向をYとし、変位の軸をZとしている。
ガラス基板の製造方法は、フュージョン法やフロート法があるが、少なくともこの両方法に関しては、同様の特徴を有していることを確認されている。これらの方法では、溶融状態のガラス材を一定方向に引き出す(もしくは押し出す)ことで、概ね一定厚さのガラス基板を得ているが、上述した板厚の変動が大きく呈される方向は、ガラス基板が製造される際の引き出し方向とほぼ直交する方向であることが知られている。すなわち、図3において、Y方向がガラス基板Sを製造する際の引き出し方向である。
図4(a)および(b)は、露光フィールドの走査方向と変位差の関係を示している。なお、図4(a)は、走査方向すなわち一方向に細長い長方形に定義される露光フィールドの長手方向を図3により説明したX方向と平行に向けた場合を、図4(b)は、走査方向すなわち一方向に細長い長方形に定義される露光フィールドの長手方向を図3により説明したY方向と平行に向けた場合を、それぞれ説明している。また、この状態は、それぞれ、以下に説明する図5および図6の関係に一致する。
従って、同一面積の長方形の露光フィールドを用いてガラス基板Sの露光面を露光する場合、その短辺bをX方向に合わせた図4(b)の方が、その長辺aをX方向に合わせた図4(a)の場合よりも変位差dが小さくなる。すなわち、ガラス基板の板厚分布、あるいはそれに起因するガラス基板Sの露光面の変位の特徴を考慮すると、短辺bをX方向に合わせてX方向に走査する図6に相当する方法が焦点深度の点ではるかに有利である。
図7は、図6に説明した方向での露光時のガラス基板Sのうねりもしくは厚みムラと露光フィールドとの相対位置の関係を説明している。
図7から明らかなように、ガラス基板S面の変位、すなわち凹凸の状態に合わせて、露光フィールドfが常に最適なフォーカスを保つように、チルティングとレベリングを行う。なお、図には示していないが、露光フィールドは、一度の走査(スキャン)が完了すると、それと直交した方向に一定量だけ移動(ステップ)して、再び同様な走査を行う。このように、露光フィールドのスキャンとステップを繰り返し行い、基板全面を露光する。通常、ステップ中には露光を行わない。
なお、基板ステージ15のアクチュエータ16を動かす代わりに、マスクステージ13の支持部17をアクチュエータに変更して、これらを動かしても良い。 また、アクチュエータ16としては、この他、ソレノイドなどの磁気を利用するもの、静電気を利用するもの等が使用できる。
図8は、図4(a)および(b)、図5および図6に示したフォーカス調整すなわちチルティングとレベリングの効果を示している。図8(a)に示したチルト前の変位差dに対し、図8(b)に示すチルト後の変位差d´が小さくなることが分かる。また、図8(b)から、チルト後の最大変位L1と最小変位L2の中点(平均値)L3をレベリング点とし、この点に、投影光学系14による結像面を合わせる。
なお、図5に示した例では、例えば70mm×20mmの長方形の露光フィールドfをY方向に走査した場合の変位差の最大値は7.5μmであったのに対し、図6に示した例では、本発明によるX方向に走査した場合の変位差の最大値は4.8μmであり、明確な違いが見られた。ここで、露光フィールドの幅(図6に、aで示されている)が長いほど一度に露光できる範囲が広がり生産性が高まるが、実際には、投影光学系14におけるレンズの製造限界によって、露光フィールドの形状と大きさは制限される。
具体的には、製造可能なレンズの口径は200から300mm程度までであり、この時の露光フィールドの幅は、露光波長や解像度にもよるが、50から100mm程度となる。
本実施例のように、露光フィールドを長方形とした場合は、その長辺が概ね50から100mmであり、短辺は長辺の1/5から1/3程度が望ましい。細くスリット状に整形することも可能であるが、光源からの光を有効に利用するためには絞り込む必要があり、このための光学系が複雑になる。なお、露光フィールドを長楕円形とすることは、光学系の負担が少なく有効である。
図9(a)および(b)は、図4(a)および(b)、図5および図6により説明したフォーカス調整の効果をより向上させることのできるチルティングとレベリングの一例を示している。
図9(a)は、露光フィールドfの回転軸rをY方向とした1軸のチルティング(レベリングを含む)の結果を、図9(b)は、露光フィールドfの回転軸r1をX方向、r2をY方向とした2軸のチルティングとレベリングによる結果を、それぞれ示している。また、各図に示したフォーカス調整により得られた露光面の凹凸の大きさの変化を、図10(a)および(b)に示す。
図10(a)より、ガラス基板Sの全面にわたり、投影光学系14によりマスクMのパターンが投影される投影面に対する凹凸の分布すなわちうねりまたは厚みムラの大きさが、2.0μm以下の分布に抑えられている。変位差の最大値は、上述の4.8μmから2.0μmに低減され、これにより、チルト、レベリングのフォーカス調整の有効性が認められた。
また、図10(b)から、図10(a)に示した状態に比べて1.0μm以下の領域が拡大し、変位差の最大値も1.9μmまでに低減可能であることが確認できる。従って、図9(b)に示した2軸チルト(チルティングとレベリング)により、実際のガラス基板Sの露光面の凹凸の加工精度を、必要以上に高めることなく、ガラス基板Sの全域において高い精度で露光パターンを露光できる。すなわち、今日、入手可能な一般的な平面度のガラス基板Sに対して、通常では、うねりもしくは厚みムラの影響により全域では解像度の低いパターン露光部分が生じるはずであるが、焦点ぼけのない完全なレジストパターンを露光面の全域で得ることができる。
以上説明したように、上記実施形態によれば、基板表面すなわち露光面に存在する凹凸であるうねりもしくは厚みムラを補正するうねりもしくは厚みムラ装置により、露光時間中は、露光面が結像光学系の焦点深度内に入るように基板表面のうねりもしくは厚みムラを補正できる。従って、基板表面のうねりもしくは厚みムラにより結像面と露光面の乖離することが少なくなり、焦点深度の狭い露光装置により露光パターンを露光する場合においても、露光面に形成される露光パターンのぼけが低減される。この結果、液晶ディスプレイ等に利用されるガラス基板など、特にうねりもしくは厚みムラの大きな基板(被加工または処理対象)に対しても超微細パターン加工が可能になる。
また、本発明の趣旨であるガラス基板の向きと走査方向を考慮すること、チルト、レベリングのフォーカス調整を行うことにより、平坦性の指標である変位差を最大で1.9μm以下に抑えることが可能であると認められた。したがって、本発明の露光方法を用いれば、現存のガラス基板を用いても、KrFエキシマレーザ使用時、解像度0.5μmを実現することができる。
以上説明したように、本発明によれば、ステージに置かれたガラス基板面は、特定の一方向(ガラス基板の製造時の引き出し方向とほぼ直交する方向)に変動が大きい。従って、長方形の露光フィールドの短辺を変動の大きい方向(X方向)に合わせて走査することで、露光フィールド内におけるガラス基板面の変位差を低減させることができる。さらに、露光フィールドをガラス基板面の凹凸に対応させて、チルトとレベリングによるフォーカス調整を行うことで、より一層の改善がなされる。
図11に、図1に示した制御装置21の制御系のブロック図を示す。制御装置21は、例えばPSD20からの出力電流(図示しないA/Dによりデジタル化済)が入力可能な入力ポート31、入力されたPSD20の出力に基づいて変位量を求める演算部32、演算部32により求められた変位量に対応する(アクチュエータ16の)補正量を設定する補正量設定部33、補正量設定部33により設定された補正量に従って、アクチュエータ(圧電素子)16を動作させるアクチュエータ駆動部(電圧設定部)34、演算部32、補正量設定部33、アクチュエータ駆動部34の動作を制御する制御部(CPU)35、および演算部32により演算された結果すなわちガラス基板Sの厚みムラもしくはうねりすなわち凹凸の分布を記憶するメモリ36等を含む。なお、制御部35には、必要に応じ、図示しないインタフェースを介して表示装置77が接続されてもよい。
板厚測定センサの出力電流はA/D変換され、演算部32により演算されて制御部35の制御により補正量に変換される。これによりガラス基板Sのうねりもしくは厚みムラの方向と変位量が計算される。この結果、図4(b)により前に説明した通り、ガラス基板Sの露光面が投影光学系14により定義される投影面のDOF内に入るように位置される。
より詳細には、露光面のすべての点がDOFの範囲内に収まるように、うねりの方向と変位量および圧電素子16の位置に応じて設定される個々の圧電素子16の伸縮方向と伸縮量が計算され、電圧設定部34により伸縮方向と伸縮量に応じた極性と大きさの電圧が各圧電素子16に出力される。
なお、演算部32による変位量の演算は、図6のX方向に、Y方向に延びた露光フィールドを所定の速度で移動させながら、所定間隔毎に、板厚測定センサすなわちPSD20からの出力を取り込みながら行われる。例えば、図12に示すように、露光フィールド内の変位分布(うねりもしくは厚みムラの方向と変位量)がPSD20からの出力(A/D変換後)に基づいて算出される(S11)。
S11において求められた露光フィールド内の変位分布から、直線(平面)近似
例えば最小自乗法により、補正量z、
z=ax+b
のa、bが特定される(S12)。
S12において求められた補正量z(a、b)に基づいて保持手段1に保持されているガラス基板Sを局所的に変形させるためのチルティング量とレベリング量が求められる(S13)。
S13において求められたチルティング量とレベリング量に基づいて、ステージ15上に所定の配列で配置されている圧電素子16のそれぞれに対する動作方向、すなわち伸長/圧縮とその制御量(伸長量/圧縮量)が求められる(S14)。
このようにして求められた個々の圧電素子16の動作方向(伸長または圧縮)とその量(伸長量/圧縮量)は、例えばD/A変換器である電圧設定部(アクチュエータ駆動部)34により、圧電素子16に供給されるべき極性および大きさの電圧に変換される。
基板Sの露光面を変動させるフォーカス制御は、露光フィールドの範囲毎に制御される。それにより、うねりの検知は露光と同時に(リアルタイムに)、もしくはステップ動作の間に行えばよく、あらかじめ全体のうねりを検知する必要がないので、検知時間が短縮できる。
このように、本発明の露光装置においては、基板を保持する基板ステージが、被露光用基板の露光面があたかも平坦化されるように、上下および左右方向に、独立に移動されることによって、液晶ディスプレイのガラス基板など、うねりもしくは厚みムラ特に厚みムラの大きな基板に対し、結像光学系の焦点深度(DOF)の範囲内で、露光パターンを正確に形成できる。すなわち、基板表面すなわち露光面に、ぼけのない露光パターンを確実に形成できる。
以上は、露光装置および方法について述べたものであるが、本発明はレーザ結晶化装置などのような加工装置にも応用できる。以下、上述した基板すなわち被露光(被加工)対象物の露光(加工)面と投影光学系により規定される投影面との相対位置(距離)を、投影光学系のDOFの範囲内に収めて、基板表面の凹凸の分布にかかわりなく、焦点ぼけの無い加工が可能なさまざまな応用例を説明する。
図13は、レーザ結晶化装置の構成を示す。
図13に示すレーザ結晶化装置51は、エキシマレーザ光源52、基板ステージ55、マスクステージ53、ステージ駆動部54、走査光学系56、アライメント検出部57、基板検出部58、および制御部59等を含む。
エキシマレーザ光源52は、図示しないアニールチャンバの外部に配置され、波長λ=248nmのKrFエキシマレーザを発生する。
エキシマレーザは、エキシマレーザ光源52から図示しないアニールチャンバの内部に導かれる。アニールチャンバ内では、基板ステージ55が薄膜半導体基板Sを載置して水平な二次元平面内で移動可能である。
マスクステージ53は基板ステージ55の上方に配置され、位相シフタMを載置して水平な二次元平面内で移動可能である。マスクステージ53は、位相シフタMを透過するエキシマレーザを遮らないように、位相シフタMの外縁にだけ接触するように構成されている。
ステージ駆動部54は、基板ステージ55およびマスクステージ53の位置を調整するとともに、これらを薄膜半導体基板Sの長さ方向に掃引する。
走査光学系56は、エキシマレーザ光源52からのエキシマレーザの照射方向をミラー56Aで変化させ、位相シフタMによる詳述しない位相シフトパターンを介して薄膜半導体基板Sの露光面に入射させる。基板Sは、走査光学系56からのエキシマレーザにより幅方向に走査される。
アライメント検出部57は、位相シフタM側の詳述しない照準パターンと基板S側のアライメントマークとのアライメント状態を検出する光学エリアセンサである。
基板検出部58は、図示しないアニールチャンバに設けられる図示しないトランスファアームによって基板ステージ55に載置された基板Sの載置状態を検出するために、表面において露出するように基板ステージ55に埋め込まれる複数の光学センサで構成される。
制御部59は、基板検出部58およびアライメント検出部57からの信号に基づいて、ステージ駆動部54、走査光学系56、エキシマレーザ光源52を制御する。なお、図13では省略されているが、基板ステージ55およびマスクステージ53は、制御部59の制御に従ってステージ駆動部54により駆動され、基板Sと位相シフタMとをほぼ水平に設定する傾き調整機構すなわち図1により前に説明した基板ステージ15およびアクチュエータ(圧電素子)16を含んでいる。
次に、図13に示したレーザ結晶化装置の動作について説明する。
基板Sが図示しないトランスファアームにより基板ステージ55に載置されると、この基板Sのステージ55上での載置状態が、基板検出部58から制御部59に通知される。これに伴い、制御部59はステージ駆動部54を制御し、この制御によりステージ駆動部54は、基板Sが位相シフタMにほぼ対向するように基板ステージ55を移動させる。
ここで、制御部59は、ステージ駆動部54を制御し、この制御によりステージ駆動部54は、アライメント検出部57を横切るように基板ステージ55およびマスクステージ53を基板Sの長さ方向に掃引させる。
制御部59は、同時にアライメント検出部57によって検出される基板S側のアライメントマークMK(図14参照)と位相シフタM側の照準パターンRP(図14参照)とのアライメント状態を参照してステージ駆動部54を制御する。この制御において、ステージ駆動部54は、図14に示すように、各アライメントマークMKが対応照準パターンRPの中央に設定されるように基板ステージ55の位置を調整する。また、アライメントマークMKまたは照準パターンRPが歪んでいる場合には、傾き調整機構により薄膜半導体基板Sまたは位相シフタMの傾きが修正される。
位相シフタMと基板Sとのアライメントの調整が完了すると、制御部59の制御により、エキシマレーザ光源52および走査光学系56が制御され、位相シフタMの位相シフトパターンに従って、エキシマレーザ光が基板Sの露光面に照射される。同時に(または所定のタイミングで)、ステージ駆動部54が走査光学系56を横切るように基板ステージ55およびマスクステージ53の位置(長さ方向)が変化される。これにより、基板Sの露光面が、順次、結晶化される。
図15は、前に説明した基板すなわち被露光(被加工)対象物の露光(加工)面と投影光学系により規定される投影面との相対位置(距離)を、投影光学系のDOFの範囲内に収めることにより基板表面の凹凸の分布にかかわりなく、焦点ぼけの無い露光あるいは加工が可能なレーザアニール装置の一例を説明する概略図である。なお、レーザアニール装置は、図13に示す結晶化装置からアライメント検出部57と位相シフタMを載置するマスクステージ53を省略して制御部59の構成を変更したことを除いて図13に示した結晶化装置と実質的に同一であるので、図13に示した構成と同じか類似した構成には同じ符号を付して詳細な説明を簡略化する。
図15に示すレーザアニール装置においては、制御部59は、動作において次の制御を行うように変更されている。
すなわち、基板Sが図示しないトランスファアームにより基板ステージ55に載置されると、この基板Sのテーブル55に対する載置状態が基板検出部58から制御部59に通知される。これに伴い、制御部59によるステージ駆動部54の制御に基づいてステージ駆動部54により、基板ステージ55が移動される。
この後、制御部59により、エキシマレーザ光源52および走査光学系56が制御される。
すなわち、エキシマレーザが基板Sの露光面に照射されるとともに、ステージ駆動部54により走査光学系56を横切るように、基板ステージ55が基板Sの長さ方向に移動される。
これにより、露光面のアニールが、基板(処理対象)の処理領域(基板表面すなわち露光面)に、均一な深さに、行われる。
また、詳述しないが、予め基板に形成されている半導体薄膜上に、レジスト層を設け、マスクを透過した光学像(MOS−TFTすなわち薄膜トランジスタ向けパターン)をレジスト層の表面に露光することで形成された半導体パターンを組み合わせて得られる、TFTパターン(薄膜トランジスタ)が形成されたガラス基板と、同様に、うねりもしくは厚みムラが補正された状態で、所定のパターンが形成された対向基板とが、所定間隔で対向された後、両基板間に、所定厚さの電気光学物質例えば液晶材を配置し、両基板間を気密して駆動回路などを付加することで、液晶パネルが形成される。
なお、この発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形、変更が可能である。また、各実施の形態は、可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合、組み合わせによる効果が得られる。例えば、上述した実施の形態を説明するために、カラー画像形成装置に利用可能な定着装置の一例を説明したが、トナーを用いるファクシミリ装置等にも利用可能であることはいうまでもない。
本発明の実施の形態が適用される露光装置の一例を説明する概略図。 露光対象物の板厚測定値の一例を示すグラフ。 図2に示した露光対象物の露光面を3次元で示した概略図。 露光フィールドの走査方向と変位差の関係を説明する概略図。 本発明との比較のため露光フィールドをY方向に走査する露光方法の例を説明する概略図。 本発明が適用される一例であり、露光フィールドをX方向に走査する露光方法の例を説明する概略図。 本発明が適用される一例であり、チルティングとレベリングを同時に行う露光方法を説明する概略図。 図7に示したチルティングとレベリングの効果を、厚みムラのある基板における厚みの変化として説明する概略図。 図8に示した条件において、チルトと露光フィールドの回転軸との関係を説明する概略図。 図9により説明したチルト制御の結果得られる見かけ上の凹凸の面分布の一例を説明する概略図。 図1に説明した露光装置に組み込まれる制御装置の一例を説明する概略図。 本発明の「平坦化処理」における圧電素子の動作量(制御量)を設定する方法の一例を説明する概略図。 本発明を、レーザ結晶化装置に応用した一例を説明する概略図。 図13に示したレーザ結晶化装置の動作(制御例)の一例を説明する概略図。 本発明を、レーザアニール装置に応用した一例を説明する概略図。 周知のステップ・アンド・スキャン方式のパターン露光装置の一例を説明する概略図。
1…露光装置、6…光学系、9…母線、10…凹凸状態検知装置、11…光源、12…照明光学系、13…マスクステージ、14…投影光学系、15…基板ステージ、16…アクチュエータ(圧電素子)、17…支持部、18…半導体レーザ素子、19…レンズ、20…位置検出素子(PSD)、21…制御装置(コンピュータ)、31…入力ポート、32…演算部、33…補正量設定部、34…アクチュエータ駆動部(電圧設定部)、35…制御部、36…メモリ、51…レーザ結晶化装置、52…エキシマレーザ光源、53…マスクステージ、54…ステージ駆動部、55…基板ステージ、56…走査光学系、57…アライメント検出部、58…基板検出部、59…制御部、71…CPU、72…RAM、73…ROM、77…表示装置。

Claims (17)

  1. 液晶ディスプレイ用ガラス基板の被露光面に存在する凹凸の大きな方向に長方形の露光領域の短辺が沿うように、前記露光領域を連続的あるいは逐次的に移動させながら、被露光面のフォトレジスト層に所定パターンを露光するに際し、前記露光領域の凹凸状態を測定して前記ガラス基板の被露光面のチルティングとレベリングの制御をした後に露光する露光方法であって、
    前記露光領域に、露光波長と異なる波長で且つ前記フォトレジスト層が感光しない露光パワーの測定光を前記露光領域に照射して前記凹凸状態を測定し、
    測定により得た凹凸情報を前記ガラス基板の位置情報に関連付けて記憶し、
    記憶した前記凹凸情報を読み出して前記ガラス基板の当該露光領域での変位方向と変位量である前記チルティングとレベリングの制御をすることを特徴とする液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光方法。
  2. 前記長方形の露光領域が、短辺が長辺の1/5〜1/3で、且つ、長辺が50〜100mmであることを特徴とする請求項1記載の液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光方法。
  3. 前記ガラス基板の被露光面に存在する凹凸が、板厚変動であることを特徴とする請求項1記載の液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光方法。
  4. 前記露光領域、移動方向より移動方向に直交する方向のほうが長いことを特徴とする請求項1記載の液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光方法。
  5. 記ガラス基板の板厚変動特定の一方向に大きく、この板厚変動の大きな方向、前記ガラス基板製造時の引き出し方向とほぼ直交する方向であることを特徴とする請求項1記載の液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光方法。
  6. 前記液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光方法
    前記ガラス基板の被露光面の変位を検知する検知工程と、
    前記検知した変位に応じてガラス基板の被露光面の傾きと高さを制御する制御工程と、
    傾きと高さが制御されたガラス基板の被露光面に存在する凹凸の大きな方向に沿って露光領域を移動させる移動工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1記載の液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光方法。
  7. 前記検知工程が、前記ガラス基板表面に照射した光の反射光を受光して前記ガラス基板表面のうねりもしくは凹凸状態を計測するものであることを特徴とする請求項記載の液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光方法。
  8. 液晶ディスプレイ用ガラス基板の被露光面に存在する凹凸の大きな方向に長方形の露光領域の短辺が沿うように、前記露光領域を連続的あるいは逐次的に移動させながら、被露光面のフォトレジスト層に所定パターンを露光するに際し、前記露光領域の凹凸状態を測定して前記ガラス基板の被露光面のチルティングとレベリングの制御をした後に露光する露光装置であって、
    前記ガラス基板の被露光面に存在する凹凸に長方形の露光領域の短辺が沿うように、露光領域を移動させる機構を設け、
    前記露光領域に、露光波長と異なる波長で且つ前記フォトレジスト層が感光しない露光パワーの測定光を前記露光領域に照射して、前記凹凸の状態を測定する検知装置と、
    検知装置の出力する凹凸情報を前記ガラス基板の位置情報に関連付けて記憶
    するメモリと、
    前記メモリから読み出した前記凹凸情報から前記ガラス基板の当該露光領域での変位方向と変位量である前記チルティングとレベリングの制御をする情報を出力する制御装置と、
    を具備してなることを特徴とする液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光装置。
  9. 液晶ディスプレイ用ガラス基板の被露光面の露光領域内における変位を測定する検知手段と、
    前記露光領域内の前記ガラス基板面の傾きと高さを制御する制御手段と、
    ガラス基板の板厚変動が特定の一方向に大きく生じる方向に沿って長方形の前記露光領域を連続的あるいは逐次的に移動させる移動手段とを備える露光装置において、
    前記露光領域は、短辺が長辺の1/5〜1/3である長方形又は長楕円形で且つ長辺が50〜100mmであり、
    前記ガラス基板の被露光面に存在する前記変位の大きな方向に沿って露光領域の短辺を移動させる機構を設け、
    前記露光領域の前記変位の測定は、露光波長と異なる波長で且つ前記被露光面のフォトレジスト層が感光しない露光パワーの測定光を前記露光領域に照射して前記変位の状態を測定する検知装置と、
    検知装置の出力する変位情報を前記ガラス基板の位置情報に関連付けて記憶するメモリと、
    前記メモリから読み出された前記変位情報から前記ガラス基板の当該露光領域での変位方向と変位量である前記チルティングとレベリングの制御をする情報を出力する制御装置と、
    を具備してなることを特徴とする液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光装置。
  10. 前記ガラス基板面の傾きの制御は、板厚変動の大きな方向と、それに直交する方向の少なくもいずれか一方を軸とすることを特徴とする請求項記載の液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光装置。
  11. 前記ガラス基板面の傾きと高さの制御は、マスクを載置するステージまたは/および基板を載置するステージの四隅を上下させることを特徴とする請求項記載の液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光装置。
  12. 前記露光領域は、移動方向より移動方向に直交する方向の方が長いことを特徴とする請求項8または9に記載の液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光装置。
  13. 前記ガラス基板面の変位を測定する検知手段と、
    前記ガラス基板面の傾きと高さを制御する制御手段とを、さらに有し、
    検知した変位に応じてガラス基板面の傾きと高さを制御し、露光時には常時、露光の結像面をガラス基板面に略一致させることを特徴とする請求項8または9に記載の液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光装置。
  14. 前記ガラス基板面の傾きの制御は、板厚変動の大きな方向と、それに直交する方向の少なくもいずれか一方を軸とすることを特徴とする請求項13記載の液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光装置。
  15. 前記ガラス基板面の傾きと高さの制御は、マスクを載置するステージまたは/および基板を載置するステージの四隅を上下させることを特徴とする請求項13記載の液晶ディスプレイ用ガラス基板の露光装置。
  16. 液晶ディスプレイ用ガラス基板の被処理面に存在するうねりもしくは厚みムラの大きな方向に沿ってレーザ光を照射走査し長方形の露光領域を移動させることにより、前記ガラス基板の被処理面上の露光領域を連続的あるいは逐次的に移動させながら前記露光領域を処理する処理装置であって、
    前記ガラス基板を保持するステージと、
    前記レーザ光を照射する前に前記ステージに保持された前記ガラス基板の被処理面上の前記露光領域内のうねりもしくは厚みムラを測定する検知手段と、
    前記ガラス基板の面の個別に上下に変位可能な変位機構を前記保持手段の少なくとも4隅に複数個設けられ、前記検知手段により検知された変位を打ち消す方向に独立に変位させることにより露光面を傾斜させるとともに露光領域の平均の高さが投影光学系の結像面に一致するように制御する制御装置と、
    前記露光領域は短辺が長辺の1/5〜1/3であり、前記レーザ光の走査方向が前記短辺を前記走査方向に合わせることによりステージ上に設けられたガラス基板を加工することを特徴とする液晶ディスプレイ用ガラス基板の処理装置。
  17. 前記制御装置は、前記変位機構の移動量を前記ステージの所定の一軸方向に関して制御することを特徴とする請求項16記載の液晶ディスプレイ用ガラス基板の処理装置。
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