JP4404990B2 - 溶融袋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム強度、ヒートシール性、滑り摩擦係数等の特性に優れた、溶融袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
道路標示材料やエラストマーなどの包装袋としては、溶融袋が広く使用されている。即ち、これらの材料の溶融加工時に、内容物を包装袋ごと溶融して製品中に取り込ませるようにすると、使用済み袋の廃棄処理が不要となり、また袋の開封に伴う粉塵やこぼれの発生がなく、安全性、環境問題の改善、取り扱いや計量の合理化の点でも役立つので、溶融袋は広く用いられるようになっている。
【0003】
アイオノマーの特性である高い剛性と低融点とを利用して、アイオノマーを溶融袋に利用することが知られている。
特開平9−221571号公報には、(メタ)アクリル酸含有量が16〜30重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸ランダム共重合体の部分中和金属アイオノマー100重量部当たり1〜20重量部の炭酸カルシウムを配合したアイオノマー組成物からなる溶融袋が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、溶融袋として使用可能であるためには、薄くても強度が大きいこと、及び溶融加工を妨げない程度に融点が十分に低いことに加えて、天日による変質を防止するための遮光性、内容物表示のための印刷適性、輸送及び取り扱いのための適度な滑り性、内容物を袋詰めする際の口開き性などの種々の特性が要求されている。
【0005】
一方、アイオノマーは透明でしかも平面ヘーズが小さいことから、チタンホワイトや炭酸カルシウム、タルク、シリカなどの顔料や無機フィラーの配合が必要である。また、滑り性を付与するために、高級脂肪酸アミドなどのスリップ剤やアンチブロッキング剤などの各種配合剤を配合する必要がある。
【0006】
ところが、アイオノマーは、自身の極性により、顔料や無機フィラーと共に、高温下におかれると、架橋反応を生じ、粘度が上昇して、原料への分散性が低下したり、或いはフィルム強度や伸びの低下を引き起こす原因となることが認められた。
一方、顔料や無機フィラーの樹脂への分散性を向上させる手段として、マスターバッチによる配合が知られており、アイオノマーへの顔料や無機フィラーの配合においても、実際にポリエチレン等をベースレジンとしたマスターバッチの添加がよく行われている。
しかしながら、このようなマスターバッチ法によると、異種レジンの配合により、ヒートシール強度が低下したり、衝撃性が低下するため破裂するなどの問題がある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、上記の問題が解消され、アイオノマーの剛性やヒートシール性を損なうことなく、良好なシルキー状外観、印刷適性、適度な滑り性を有し、溶融袋提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、(A)不飽和カルボン酸含量が10〜30重量%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体80〜98重量部と、(B)不飽和カルボン酸含量が5〜40重量%及びビカット軟化点が110℃以上のスチレン・不飽和カルボン酸共重合体20〜2重量部とからなり、且つ前記(A)及び(B)の総カルボキシル基の5〜70%が金属イオンで中和されているアイオノマー組成物からなる溶融袋が提供される。
本発明の溶融袋に用いられるアイオノマー組成物は、190℃及び2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜100g/10分の範囲にあるものであることが好ましい。
【0009】
【発明の実施態様】
[作用]
本発明の溶融袋は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)に配合する樹脂として、不飽和カルボン酸含有量が5〜40重量%でビカット軟化点が110℃以上のスチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B)を選択し、このスチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B)を限定された少ない重量比で上記共重合体(A)と組み合わせてアイオノマー組成物としたものからなることが特徴であり、これにより、エチレン共重合体アイオノマーの優れた特性、例えば剛性、耐衝撃性及びヒートシール性を損なうことなしに、良好なシルキー状外観、印刷適性が得られ、加えて適度な滑り性が得られる。
【0010】
後述する例を参照されたい。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体単独からなるアイオノマーでは、透明性が大であり、包装袋、特に溶融袋としては印刷適性、風合いに欠けている。また、静摩擦係数、動摩擦係数とも大きく、滑り性に欠けている(後述する比較例1参照)。
一方、エチレン系重合体の改質に最も広く使用されているエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)を配合したのでは、ヒートシール強度の低下が大きく、静摩擦係数、動摩擦係数の改善には殆ど効果がなく、ヘーズの増加効果も依然として小さなレベルである(後述する比較例4参照)。
【0011】
これに対して、不飽和カルボン酸含有量が5〜40重量%でビカット軟化点が110℃以上のスチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B)を選択し、これをエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)に配合して、アイオノマー組成物とすると、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマーの優れた剛性、ヒートシール性、及び比較的低温での溶融特性を殆ど損なうことなく、ヘーズ値の増大に伴う不透明化、風合いの向上、印刷適性の向上などが可能となると共に、動摩擦係数、静摩擦係数の低下に伴う適度な滑り性の付与が可能となるのである。
【0012】
本発明では、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)の多量(80〜98重量部)に対して、スチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B)の少量(20〜2重量部)を組み合わせることも重要である。
スチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B)の配合量が上記範囲を下回ると、不透明化の程度及び滑り性の付与が、上記範囲にある場合に比して不十分になるので好ましくない(後述する比較例2参照)。
一方、スチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B)の配合量が上記範囲を上回ると、フィルムの機械的特性やヒートシール強度が、上記範囲にある場合に比して著しく低下するので好ましくない(後述する比較例5参照)。
【0013】
本発明によるアイオノマー組成物は、包装袋、特に溶融袋として用いたとき、薄くても強度が大きいこと、溶融加工を妨げない程度に融点が十分に低いこと、天日による変質を防止するための遮光性を有すること、内容物表示のための印刷適性を有すること、輸送及び取り扱いのための適度な滑り性を有すること、内容物を袋詰めする際の口開き性に優れていること、などの数々の優れた特性を備えており、しかもこれらの特性は、従来のアイオノマー系包装袋では必要であった顔料や無機フィラー、更にはスリップ剤やアンチブロッキング剤の添加なしに達成され、これらの配合剤を用いる場合の前述した不利益を受けないという利点もある。
【0014】
[エチレン・不飽和カルボン酸共重合体]
本発明で用いられるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、不飽和カルボン酸含有量が10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%の共重合体であり、エチレンと不飽和カルボン酸の二元共重合体のみならず、任意に他の単量体が共重合された多元共重合体であってもよい。
【0015】
ここに、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどを例示することができる。とくに好ましいのは、アクリル酸又はメタクリル酸である。
【0016】
上記任意に共重合されていてもよい他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素、二酸化硫黄などを例示することができる。
これら他の単量体は、例えば0〜40重量%、好ましくは0〜30重量%の範囲で共重合されていてもよいが、一般にこのような他の単量体含量が多くなると、共重合体の融点が低下するので、とくに耐熱性良好な組成物を目的とする場合には、このような単量体を含まないものかあるいは含んでいたとしてもわずかな量で共重合されているものを用いるのが好ましい。
【0017】
このようなエチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜1000g/10分、とくに1〜800g/10分程度のものを使用するのが望ましい。
【0018】
本発明においてこのようなエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、スチレン・不飽和カルボン酸共重合体と配合する前に、金属イオンでイオン化してアイオノマーとして使用することができる。
この場合、例えばカルボキシル基の10〜100%、好ましくは20〜90%、特に好ましくは30〜80%を、金属イオンで中和されたものを使用することができる。
ここに、金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムのようなアルカリ土類金属、亜鉛、銅、コバルト、ニッケル、クロム、鉛などの典型及び遷移金属などであり、とくにアルカリ金属又はアルカリ土類金属を用いるのが好ましい。
アイオノマーとしては、成形加工性、成形品の物性等を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.1〜200g/10分、とくに0.1〜100g/10分のものを使用するのが好ましい。
【0019】
[スチレン・不飽和カルボン酸共重合体]
本発明においてエチレン・不飽和カルボン酸共重合体とともに使用されるスチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、不飽和カルボン酸含有量が、通常、5〜40重量%、とくに7〜30重量%程度のものであって、ビカット軟化点が110℃以上、とくに115〜150℃のものを使用するのが好ましい。
すなわち不飽和カルボン酸含有量が上記範囲より少ないものを使用したり、ビカット軟化点が上記範囲より小さいものを使用した場合には、加工性が悪くなったり、あるいはフィルムの腰や機械的特性が低下する傾向があり、また不飽和カルボン酸含量が上記範囲より多い共重合体を用いると、その配合量にもよるが樹脂組成物が脆くなりすぎるなど物性面で好ましくないからである。
【0020】
ここに、不飽和カルボン酸としては、エチレン共重合体アイオノマーのベースポリマーを構成するものとして例示したようなものを挙げることができるが、耐熱性の点からメタクリル酸が好ましい。
【0021】
上記共重合体としてはまた、200℃、10000g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜1000g/10分、とくに1〜500g/10分程度のものを使用するのが好ましい。
【0022】
スチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレン・不飽和カルボン酸またはそのアイオノマーと配合する前に、金属イオンでイオン化してアイオノマーとして使用することができる。この場合、例えばカルボキシル基の80%以下、とくに60%以下で中和されたものを使用することができるが、あまりイオン化度の高いものは、非常に脆く、またその製造も困難であり、また多くの場合溶融粘度が小さくなりすぎて加工性に悪影響を及ぼすため好ましくない。
ここに、金属イオンとしては、すでに例示したもの同様のものであり、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が好ましい。
アイオノマーとしては、成形性、成形品の物性等を考慮すると、200℃、10000g荷重におけるメルトフローレートが、0.01〜200g/10分、とくに0.1〜100g/10分のものを使用するのが好ましい。
【0023】
[アイオノマー組成物]
本発明においては、上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)とスチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B)の配合比率は、イオン化前の重量基準で、前者80〜98重量部、好ましくは90〜97重量部に対し、後者が20〜2重量部、好ましくは10〜3重量部(いずれも合計が100重量部)である。
【0024】
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体及びスチレン・不飽和カルボン酸共重合体の配合は、上述のようにいずれか一方あるいは双方を予めイオン化したのち行ってもよく、またベースポリマー同志を配合後、あるいはいずれか一方あるいは双方をイオン化したのち配合後、さらにイオン化することもできる。
【0025】
いずれにしても、組成物中における両者のカルボキシル基の総量の5〜70%、好ましくは10〜60%が上記金属イオンにより中和されているように調製することが望ましい。
この中和度が低過ぎると金属イオンによる相溶化効果が低下し、表面剥離が起こったり、表面グロスの増大、風合いの悪化、剛性や硬度の低下などが発生することがあり、好ましくない。
また、その中和度が高過ぎると、溶融粘度の上昇に伴う成形性の悪化が起こり好ましくない。
【0026】
当該組成物からなる溶融袋の物性等を考慮すると、組成物の190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.01〜100g/10分、とくに0.1〜50g/10分となるように調製することが望ましい。
【0027】
本発明の上記組成物には種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤として、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料、架橋剤、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤、難燃剤、滑剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、粘着付与剤、帯電防止剤、補強材、無機充填剤などを配合することができる。
ただし、これらの添加剤の配合量は、それ自体公知の処方の範囲内であるが、本発明のアイオノマー組成物の特性を損なうものであってはならない。
【0029】
本発明の溶融袋の原材料となるフィルムの成形は、T−ダイ製膜法やインフレーション製膜法で行うことができ、溶融袋への製袋は、それ自体公知の製袋法により行うことができる。例えば、四方シール袋、三方シール袋、二方シール袋、ガセット包装袋、ピロー包装袋などが例示されるが、これらの例に勿論限定されない。
溶融袋のフィルムの厚みは、必要な強度と異物の混入を可及的に少なくするという見地から、最適な範囲があり、一般に80乃至200μm、特に100乃至150μmの範囲にあることが好ましい。
【0030】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。但し、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0031】
以下に実施例・比較例に使用したエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー(以下アイオノマー)及びスチレン共重合体を示す。
【0032】
アイオノマー
名称 酸 種 酸含量 (wt%) イオン種 中和度 (mol )
アイオノマー1 メタクリル酸 10 Na 50
アイオノマー2 メタクリル酸 15 Na 54
【0033】
スチレン共重合体
名称 酸 種 酸含量 (wt%) ビカット軟化点 ( )
スチレン共重合体1 メタクリル酸 15 125
【0034】
また、実施例・比較例における物性値は次の方法によって測定した。
[物性値測定方法]
後述する方法で製造した50μm厚みのインフレーションフィルムを使用して全ての測定を行った。
・光学性
ヘイズ:JIS K6714、グロス:JIS Z8741、
トランス:ASTM D1746に準拠
・滑り性
ASTM D1890に準拠し、63.5mm角のホルダーにフィルム試験片を装着し基盤に取り付けた同じフィルム試験片上を150mm/minで引っ張った時の荷重とホルダーの荷重の比から滑り摩擦係数を測定した。
・引張特性
JIS K6781に準拠して破断点応力及び伸びを測定した。
試験速度:500mm/min チャック間距離:90mm
標線間距離:40mm
・引き裂き性
エルメンドルフ引裂き法(JIS K7128B法)により測定
・ヒートシール強度
JIS Z1707に準拠して、15mm幅の短冊状のサンプルの最大剥離強度を測定した。
尚、測定に使用したサンプルは、24時間前に100,120,140,160℃に加熱した10mm幅のシールバーで、0.5秒間加圧したものである。
・ビカット軟化点:ASTM D1525
180℃で熱プレス成形した3mmシートを23℃、50%相対湿度の雰囲気で14日間調整し、このシートを打ち抜いて試験片とし試験を行った。
【0035】
また、フィルムの製造は次の通り行った。
[フィルムの製造]
40mm押出機でプリブレンドした配合物を、厚み50μm、折り幅200mmのインフレーションフィルムを作成した。フィルムの成形は、50mm径スパイラルダイを装着したインフレーションフィルム成形機(30mm径押出機)を用いた。成形温度は200℃、引取り速度3m/minとした。
【0036】
実施例1〜5
実施例1〜5はアイオノマー1,2にスチレン共重合体1を表1に示した量関係で配合した。結果を表1に示す。その結果、何れも、不透明、滑り性、引張特性、引き裂き性、ヒートシール強度に優れる組成物が得られた。
【0037】
比較例1
比較例1では実施例1においてスチレン共重合体を用いなかった。結果を表1に示す。フィルムは透明であって印刷適性が悪く、滑り性も不良であった。
【0038】
比較例2
比較例2では実施例1におけるアイオノマー1とスチレン共重合体1との配合重量比を99:1とした。結果を表1に示す。フィルムは不透明化の程度が不十分であり、滑り性も不十分であった。
【0039】
比較例3
比較例3では比較例1においてスチレン共重合体1の代わりにポリメチルメタクリレートを用いた。結果を表1に示す。フィルムは透明であって印刷適性が悪く、滑り性も不良であった。
【0040】
比較例4
比較例4では実施例2においてスチレン共重合体1の代わりにエチレン・酢酸ビニル共重合体を用いた。結果を表1に示す。フィルムは不透明化の程度が不十分であり、滑り性も不良でり、ヒートシール強度も低かった。
【0041】
比較例5
比較例5では実施例5において、アイオノマー2とスチレン共重合体1との配合重量比を60:40とした。結果を表1に示す。フィルムは伸びが小さく、脆くなり、またヒートシール強度も低下した。
【0042】
【表1】
Figure 0004404990
【0043】
【発明の効果】
本発明では、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)に配合する樹脂として、不飽和カルボン酸含有量が5〜40重量%でビカット軟化点が110℃以上のスチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B)を選択し、このスチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B)を限定された少ない重量比で上記共重合体(A)と組み合わせてアイオノマー組成物としたものを用いたことが特徴であり、これにより、溶融袋として種々の利点が奏される。
即ち、このアイオノマー組成物では、衝撃強度、引き裂き強度、破断点抗張力などの機械的強度に優れていると共に、形成されるフィルムには腰があり、フィルムの厚みを小さくしても、袋に必要な特性が維持されるという利点がある。
また、フィルムが艶消し調に不透明化されているため、印刷適性に優れており、更に風合い、意匠性にも優れている。袋に必要な適度な滑り性を有するため、包装体の輸送時の取り扱いや作業性にも優れている。
更に、低融点で内容物の溶融時に容易に溶融して、内容物中に相溶するというアイオノマーの特性をもそのまま備えており、またヒートシール性や口開き性、成形性も良好である。
しかも、これらの利点は、従来のアイオノマー系包装袋では必要であった顔料や無機フィラー、更にはスリップ剤やアンチブロッキング剤の添加なしに達成され、これらの配合剤を用いる場合の不利益、例えば分散不良、焦げや着色、ヒートシール強度の低下を受けないという利点もある。
このアイオノマー組成物は、溶袋に有用である。

Claims (2)

  1. (A)不飽和カルボン酸含量が10〜30重量%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体80〜98重量部と、(B)不飽和カルボン酸含量が5〜40重量%及びビカット軟化点が110℃以上のスチレン・不飽和カルボン酸共重合体20〜2重量部とからなり、且つ前記(A)及び(B)の総カルボキシル基の5〜70%が金属イオンで中和されているアイオノマー組成物からなる溶融袋。
  2. 該アイオノマー組成物の190℃及び2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜100g/10分の範囲にある請求項1に記載の溶融袋。
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