JP4404542B2 - 高周波コイル - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
この発明は、高いQ値を必要とする高周波回路に用いる可変型の高周波コイルに関するものであって、特にソレノイド状に巻線した空芯コイルを樹脂成形したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
高周波回路に用いる小型で可変型の高周波コイルにおいて、高いQ値を得るためには、比較的太い線径の巻線をソレノイド状に巻回した空芯コイルを高周波回路のプリント基板上に直接実装した構造が知られている。
【0003】
上記の空芯コイルをプリント基板上に直接実装して高周波回路を構成する手法においては、実装された空芯コイルが振動等によって当初の実装状態と変化し、或いは巻線間隔が変化し、インダクタンス値が変化してしまうという問題点があった。
【0004】
上記に対して、空芯コイルを予め樹脂などで成形したベースに装着したり、また、空芯コイルの端子部を残して樹脂ベースに埋設するモールド形成が行われている。
【0005】
また、電子機器の小型化に伴ってそれに用いる電子部品は、小さな回路基板上に高密度実装される。そして、高密度実装を促進するために空芯コイルも小型化している。上記のような空芯コイルを高密度実装した回路基板上に配置した場合、空芯コイルの周辺部に配置した電子部品は空芯コイルから放射される電磁波による影響を受ける。
【0006】
特に、空芯コイルが数十MHzというような高い周波数帯で使用される場合には、周囲に対する電磁波の影響は大きい。
【0007】
このような不具合に対し、通常は、空芯コイルと周辺の電子部品との間に広い空間を設けるか、または、空芯コイルと周辺の電子部品との間にアルミニウムなどの金属にて形成した遮蔽板を設置したり、あるいは空芯コイルにシールドケースを直接に被せた構成が採用される。
【0008】
【特許技術文献1】
特開平9−330823号公報(全般)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シールドケースを空芯コイルに直接に被せた構成では、コイルのQ値及びインダクタンス値が大きく低下することになった。
【0010】
本発明は上記のような従来の高周波コイルが有している問題点に鑑みてなされたもので、その目的はシールドケースが被せられた構成でありながら、Q値の低下が少ない構造の高周波コイルを提供することである。
【0011】
【課題を解決する手段】
本発明にかかる高周波コイルは、素材コイル線をソレノイド状に巻線して形成した空芯コイルの外周付近に前記素材コイル線の巻始め端側と巻終り端側とを沿わせた状態で、該素材コイル線を埋設して樹脂成形したベースを備える高周波コイルにおいて、前記ベースの上部であって前記空芯コイルを挟んで対称な位置に対に形成され、直方体の角部となるように形成された二つの突起部であって、前記素材コイル線の巻始め端側と巻終り端側とを樹脂成形により埋設する突起部と、平面形状が四角形である裏面における前記四角形の対角線上に形成され、前記二つの突起部と嵌合する嵌合部を有した凹部が形成されたキャップコアと、前記キャップコアにより覆われたベース及び前記空芯コイルを前記キャップコア側から覆う金属ケースとを具備し、前記キャップコアは、前記二つの突起部により挟まれた前記空芯コイルの部分に対応する位置に肉厚部を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る高周波コイルでは、前記突起部は、直方体の角部となるように形成されており、キャップコアの嵌合部は上記直方体の角部の形状に対応した形状となっていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して、本発明に係る高周波コイルの実施例を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1には、本発明に係る高周波コイルの実施例の組み立て斜視図が示されている。ソレノイド状に素材コイル線2が空芯巻されて形成された空芯コイル3の外周付近に素材コイル線2の巻始め端側4と巻終り端側5とを沿わせた状態で、素材コイル線2は下方に導かれている。空芯コイル3を含めた素材コイル線2を埋設して板状の樹脂成形したベース6を作成する。ベース6の底面からは、素材コイル線2の巻始め端側4の先端部4Aと巻終り端側5の先端部5Aとが突出している。
【0014】
上記ベース6の上部であって空芯コイル3を挟んで対称な位置に対に、素材コイル線2の巻始め端側4と巻終り端側5とを樹脂成形により埋設する突起部7を形成する。この突起部7は、直方体の角部となるように形成されている。突起部7の中央部には、中空円筒の頭部1が設けられている。
【0015】
この状態のボビンベースに対し、枡状のキャップコア8を空芯コイル3および突起部7へ上方から被せる。キャップコア8は、図2(a)に示すように、上部側には頭部1の外径とほぼ同一の径の穴81が形成されており、底面側には図2(b)に示すように、直方体の角部となるように形成された突起部7と嵌合する嵌合部82を有する凹部83が形成されている。嵌合部82は、平面形状が四角形である裏面における四角形の対角線上に形成されている。凹部83は、キャップコア8の裏面側(底面側)に、大略レモン形をなして形成されている。これにより、キャップコア8における凹部83が形成されない肉厚部を多くし、機械的強度の強化を図っている。また、凹部83を大略レモン形とすることにより、凹部83の形状が加工が容易な形状になっている。
【0016】
キャップコア8が被せられたベース6及び空芯コイル3をキャップコア8側から金属ケース9により覆う。金属ケース9は中空の筐体型であり、底面を有さず、上部には、頭部1の外径とほぼ同一の径の穴91が形成されている。金属ケース9の一対の側面の下端部には、舌片92が設けられており、キャップコア8が被せられたベース6及び空芯コイル3に対して、金属ケース9を被せた状態において上記舌片92をベース6の底面側へ折り曲げて固定する。
【0017】
この状態の高周波コイルを図1の1−1断面図を図3に示す。ベース6の中央部において、円筒中空部の内壁にはネジが形成されており、ネジコア11が螺合されており、ネジコア11を回転してその位置を変更することによりインダクタンス値を変更することができる。
【0018】
上記構成の高周波コイルのQ値の周波数に対する変化及びインダクタンス値の周波数に対する変化を図4に示す。この図4における高周波コイルは、金属ケース9を被せた状態で、各辺が約7ミリの立方体をなしており、巻線の径は0.5mmφ、巻数は2.5巻のものである。大文字英数字はQの変化であり、小文字英数字はインダクタンス値の変化である。Aはモールドされたコイルのみによる特性であり、Bはモールドされたコイルにキャップコアを被せたコイルの特性であり、Cはモールドされたコイルに金属ケースを被せたコイルの特性であり、Dは本発明の構成を採用したコイルの特性である。このA〜Dから、本発明の構成を採用することによりC程にはQ値が低下せず、しかもシールドを適切に行うことができる。
【0019】
また、aはモールドされたコイルのみによる特性であり、bはモールドされたコイルにキャップコアを被せたコイルの特性であり、cはモールドされたコイルに金属ケースを被せたコイルの特性であり、dは本発明の構成を採用したコイルの特性である。このインダクタンス値の比較から、本発明の構成がモールドされたコイルのみによる特性(aで示す)にほぼ近接しており、本来の特性に近い特性を得ていることが理解される。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ベース上部の突起部において、素材コイル線の巻始め端側と巻終り端側とを樹脂成形により埋設してあるので、コイルの巻線が緩むなどにより特性が変化することなく、安定した特性の回路を構成することができる。また、上記突起部と嵌合する凹部を有し、空芯コイルおよび突起部を覆うキャップコアを備えるので、Q値が大きく低下することがなく、金属ケースにより覆われるので、シールド効果を有し周囲に対して電磁的影響を及ぼすことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高周波コイルの実施例の組み立て斜視図。
【図2】本発明に係る高周波コイルの実施例の要部を示す図であり、(a)は裏面の平面図、(b)は裏面方向から見た斜視図。
【図3】組み立てられた状態の本発明に係る高周波コイルを図1の1−1線により切断した断面図。
【図4】各種の高周波コイルのQ値の周波数に対する変化及びインダクタンス値の周波数に対する変化を示す図。
【符号の説明】
1 頭部
2 素材コイル線
3 空芯コイル
4 巻始め端側
5 巻終り端側
6 ベース
7 突起部
8 キャップコア
9 金属ケース
82 嵌合部
83 凹部
Claims (2)
- 素材コイル線をソレノイド状に巻線して形成した空芯コイルの外周付近に前記素材コイル線の巻始め端側と巻終り端側とを沿わせた状態で、該素材コイル線を埋設して樹脂成形したベースを備える高周波コイルにおいて、
前記ベースの上部であって前記空芯コイルを挟んで対称な位置に対に形成され、直方体の角部となるように形成された二つの突起部であって、前記素材コイル線の巻始め端側と巻終り端側とを樹脂成形により埋設する突起部と、
平面形状が四角形である裏面における前記四角形の対角線上に形成され、前記二つの突起部と嵌合する嵌合部を有した凹部が形成されたキャップコアと、
前記キャップコアにより覆われたベース及び前記空芯コイルを前記キャップコア側から覆う金属ケースと
を具備し、
前記キャップコアは、前記二つの突起部により挟まれた前記空芯コイルの部分に対応する位置に肉厚部を備えることを特徴とする高周波コイル。 - 前記突起部は、直方体の角部となるように形成されており、キャップコアの嵌合部は上記直方体の角部の形状に対応した形状となっていることを特徴とする請求項1に記載の高周波コイル。
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