JP4402853B2 - 演奏データ生成方法および電子鍵盤楽器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも右手パートと左手パートを含む複数パートからそれぞれなる複数の楽曲の演奏データを有し、所定の楽曲に対する演奏者の演奏操作によって生成された演奏データを右手パートと左手パートの二つのパートに分けて記憶する電子鍵盤楽器の演奏データ生成方法およびその電子鍵盤楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、鍵盤の演奏操作に応じて演奏データを生成し、生成した演奏データを左手パートと右手パートとの2つのパートに分けて記憶する技術が知られている。このような技術を電子鍵盤楽器に採用すると、各パートごとの譜面を表示する表示パネルを設けておくことにより、演奏操作により生成した演奏データを左手パートと右手パートとに分けて各パートごとに楽譜で表示することが可能になり、このような表示機能を有する電子鍵盤楽器は、演奏者にとっては大変有益なものとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、このような技術の具体例として、演奏者の演奏によるデータを常に同じ音高を境に2つに分け、低音側のデータを左手パート、高音側のデータを右手パートとして記憶する例が知られているが、この例では、演奏者が右手と左手とをクロスして演奏操作を行うと、全く逆に記憶してしまうことになり信頼性が低すぎる。また、演奏者が演奏する楽曲と同一の楽曲を表す、左手のパートと右手のパートとの2つのパートに分かれた手本のデータが予め用意されているときには、演奏者による押鍵操作のたびに生成されるデータひとつひとつを、そのデータに対応する、予め用意された手本のデータと比較して、用意されたデータに合わせて生成されたデータをいずれかのパートに分けて記憶する例も知られている。この例では、先の例に比べて信頼性は大幅に向上するものの、生成されたデータをひとつひとつ処理するために、処理時間がかかる等、データ処理機能に大きな負荷をかけてしまうという問題がある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑み、演奏者による演奏操作により生成された演奏データを左手パートと右手パートとの2つのパートに、簡単なデータ処理で実用上十分な精度で分けて記憶することができる演奏データ生成方法および電子鍵盤楽器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のうちの演奏データ生成方法は、少なくとも右手パートと左手パートを含む複数パートからそれぞれなる複数の楽曲の演奏データを有し、所定の楽曲に対する演奏者の演奏操作によって生成された演奏データを右手パートと左手パートの二つのパートに分けて記憶する電子鍵盤楽器の演奏データ生成方法において、
上記複数の楽曲の演奏データから上記所定の楽曲の演奏データを選択する第一のステップと、
第一のステップで選択された楽曲の演奏データの小節区間ごとに右手パートの演奏域と左手パートの演奏域を抽出する第二のステップと、
第二のステップで抽出した2つのパートの演奏域の位置関係に基づいて、上記演奏データの小節区間ごとに鍵盤全域を右側の鍵域と左側の鍵域に分割する第三のステップと、
鍵盤全域が分けられた、各小節区間ごとの2つの鍵域を2つのパートそれぞれに対応づけて、演奏者による上記楽曲の各小節区間の演奏操作により生成される演奏データを、演奏操作された鍵が属する鍵域に応じたパートの演奏データとして記憶する第四のステップとを有するものであることを特徴とする。
【0006】
本発明のうちの演奏データ生成方法は、演奏者によって演奏される楽曲と同一の楽曲を表す、左手のパートと右手のパートとの2つのパートに分かれた演奏データを予め記録した電子鍵盤楽器を用いて、この記録された演奏データを手本にデータ処理を行うため、実用上十分な精度を維持することができ、また、小節区間単位でデータ処理を行うため、データ処理機能にかかる負荷を低減することができる。したがって、演奏者による演奏操作により生成された演奏データを左手パートと右手パートとの2つのパートに、簡単なデータ処理で実用上十分な精度で分けて記憶することができる。なお、ここにいう演奏域とは、右手パートと左手パートそれぞれの各小節区間で発音される楽音の中の最高および最低の各音高を持つ最高音および最低音それぞれに対する2つの鍵どうしを結ぶ鍵域のことである。
【0007】
また、本発明のうちの演奏データ生成方法において、上記第三のステップは、上記右手パートの演奏域の最低音高が上記左手パートの演奏域の最高音高より音高が高い場合は、鍵域全域を、上記右手パートの演奏域の最低音高と左手パートの演奏域の最高音高の間の所定の音高で、右側の鍵域と左側の鍵域に分割するものであって、
上記第四のステップは、左側の鍵域および右側の鍵域をそれぞれ左手パートおよび右手パートに対応づけて、演奏者による上記楽曲の各小節区間の演奏操作により生成される演奏データを、演奏操作された鍵が属する鍵域に応じたパートの演奏データとして記憶するものであることが好ましい態様である。
【0008】
このように、左手パートの最高音の音高よりも右手パートの最低音の音高の方が高い場合、すなわち、最も普通である、左手パートが左側の鍵域であって右手パートが右側の鍵域である場合には、鍵盤全域を、左手パートの最高音に対応する鍵と右手パートの最低音に対応する鍵との間で2つの鍵域に分けることで、演奏操作により生成された演奏データを左手パートと右手パートとの2つのパートに、より高い精度で分けて記憶することができる。
【0009】
さらに、本発明のうちの演奏データ生成方法において、上記第三のステップは、上記左手パートの演奏域の最低音高が上記右手パートの演奏域の最高音高より音高が高い場合は、鍵域全域を、上記左手パートの演奏域の最低音高と右手パートの演奏域の最高音高の間の所定の音高で、右側の鍵域と左側の鍵域に分割するものであって、
上記第四のステップは、右側の鍵域および左側の鍵域をそれぞれ左手パートおよび右手パートに対応づけて、演奏者による上記楽曲の各小節区間の演奏操作により生成される演奏データを、演奏操作された鍵が属する鍵域に応じたパートの演奏データとして記憶するものであることも好ましい態様である。
【0010】
ここでは、2つのパートと左右の鍵域との位置関係が逆になった場合、すなわち、左手パートが右側の鍵域であって、右手パートが左側の鍵域である場合には、上記第3ステップで、2つのパートと左右の鍵域との位置関係を逆にして両者を対応づけることで、演奏操作により生成された演奏データを左手パートと右手パートとの2つのパートに、より高い精度で分けて記憶することができる。
【0011】
上記目的を達成する本発明のうちの電子鍵盤楽器は、少なくとも右手パートと左手パートを含む複数パートからそれぞれなる複数の楽曲の演奏データを有し、所定の楽曲に対する演奏者の演奏操作によって生成された演奏データを右手パートと左手パートの二つのパートに分けて記憶する電子鍵盤楽器において、
上記複数の楽曲の演奏データから上記所定の楽曲の演奏データを選択する演奏データ選択手段と、
演奏データ選択手段で選択された楽曲の演奏データの小節区間ごとに右手パートの演奏域と左手パートの演奏域を抽出する演奏域抽出手段と、
演奏域抽出手段で抽出した2つのパートの演奏域の位置関係に基づいて、上記演奏データの小節区間ごとに鍵盤全域を右側の鍵域と左側の鍵域に分割する鍵域分割手段と、
鍵盤全域が分けられた、各小節区間ごとの2つの鍵域を2つのパートそれぞれに対応づけて、演奏者による上記楽曲の各小節区間の演奏操作により生成される演奏データを、演奏操作された鍵が属する鍵域に応じたパートの演奏データとして記憶する演奏データ記憶手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明のうちの電子鍵盤楽器によれば、上述の本発明のうちの演奏データ生成方法と同様、手本を用いるため、実用上十分な精度を維持することができ、また、小節区間単位でデータ処理を行うため、データ処理機能かかる負荷を低減することができる。したがって、演奏者による演奏操作により生成された演奏データを左手パートと右手パートとの2つのパートに、簡単なデータ処理で実用上十分な精度で分けて記憶することができる。
【0013】
また、本発明のうちの電子鍵盤楽器において、上記鍵域分割手段は、上記右手パートの演奏域の最低音高が上記左手パートの演奏域の最高音高より音高が高い場合は、鍵域全域を、上記右手パートの演奏域の最低音高と左手パートの演奏域の最高音高の間の所定の音高で、右側の鍵域と左側の鍵域に分割するものであって、
上記演奏データ記憶手段は、左側の鍵域および右側の鍵域をそれぞれ左手パートおよび右手パートに対応づけて、演奏者による上記楽曲の各小節区間の演奏操作により生成される演奏データを、演奏操作された鍵が属する鍵域に応じたパートの演奏データとして記憶するものであることが好ましい態様である。
【0014】
この態様によれば、上述の本発明のうちの演奏データ生成方法の態様と同様、演奏操作により生成された演奏データを左手パートと右手パートとの2つのパートに、より高い精度で分けて記憶することができる。
【0015】
さらに、本発明のうちの電子鍵盤楽器において、上記鍵域分割手段は、上記左手パートの演奏域の最低音高が上記右手パートの演奏域の最高音高より音高が高い場合は、鍵域全域を、上記左手パートの演奏域の最低音高と右手パートの演奏域の最高音高の間の所定の音高で、右側の鍵域と左側の鍵域に分割するものであって、
上記演奏データ記憶手段は、右側の鍵域および左側の鍵域をそれぞれ左手パートおよび右手パートに対応づけて、演奏者による上記楽曲の各小節区間の演奏操作により生成される演奏データを、演奏操作された鍵が属する鍵域に応じたパートの演奏データとして記憶するものであることも好ましい態様である。
【0016】
この態様でも、上述の本発明のうちの演奏データ生成方法の態様と同様、演奏操作により生成された演奏データを左手パートと右手パートとの2つのパートに、より高い精度で分けて記憶することができる。
【0017】
なお、本発明のうちの演奏データ生成方法において、上記第三のステップは、左手パートの演奏域と右手パートの演奏域が少なくとも一部重なっている場合は、鍵域全域を、左手パートの演奏域の中央と右手パートの演奏域の中央との2つの中央どうしの間の所定の音高で、右側の鍵域と左側の鍵域に分割するものであって、前記第四のステップは、左側の鍵域および右側の鍵域をそれぞれ左手パートおよび右手パートに対応づけて、演奏者による上記楽曲の各小節区間の演奏操作により生成される演奏データを、演奏操作された鍵が属する鍵域に応じたパートの演奏データとして記憶するものであったり、あるいは、本発明のうちの演奏データ生成装置において、前記鍵域分割手段は、左手パートの演奏域と右手パートの演奏域が少なくとも一部重なっている場合は、鍵域全域を、左手パートの演奏域の中央と右手パートの演奏域の中央との2つの中央どうしの間の所定の音高で、右側の鍵域と左側の鍵域に分割するものであって、前記演奏データ記憶手段は、左側の鍵域および右側の鍵域をそれぞれ左手パートおよび右手パートに対応づけて、演奏者による上記楽曲の各小節区間の演奏操作により生成される演奏データを、演奏操作された鍵が属する鍵域に応じたパートの演奏データとして記憶するものであることもまた好ましい。
【0018】
左手パートの演奏域と右手パートの演奏域が少なくとも一部重なっている場合は稀であることから、これらはデータ処理を簡単にするため、上記2つの中央どうしの間の所定の音高で2つの鍵域に分けている。また、演奏域が少なくとも一部重なっていて、さらに上記のように位置関係が逆になっている場合は、極めて稀であることから、一律に、左側の鍵域には左手パート、右側の鍵域には右手パートをそれぞれ対応づけることで、処理の煩雑さを回避している。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のうちの電子鍵盤楽器の一実施形態について説明するが、この一実施形態である電子鍵盤楽器は、本発明のうちの演奏データ生成方法の一実施形態を実施するものである。
【0020】
図1は、本発明のうちの電子鍵盤楽器の一実施形態のハードウェア構成図である。
【0021】
この図1に示す電子鍵盤楽器1は、演奏操作を行うための鍵盤11を備えており、この鍵盤11の演奏操作により演奏データが生成される。
【0022】
また、この図1に示す電子鍵盤楽器1は、各種のプログラムを実行するCPU12で実行されるプログラムで参照されるデータの格納領域やそのプログラムの作業領域として使用されるRAM13、および各種のプログラムやデータが格納されたROM14を備えており、予め用意された、楽曲を表す演奏データに基づいて自動で演奏する自動演奏機能を有する。ROM14にはこれらの自動演奏用の演奏データが複数の楽曲分、記録されている。また、この図1に示す電子鍵盤楽器1は、鍵盤11の演奏操作により生成された演奏データを記憶媒体に記録させる録音モードを有する。
【0023】
さらに、この図1に示す電子鍵盤楽器1は、インターフェース15と、書込手段16とを備えている。このインターフェース15は、外部から供給されるMIDIデータを受け取り、あるいは外部にMIDIデータを送り出すためのユニットである。書込手段16は、磁気ディスクや光ディスクにデータを書込むドライブであって、この電子鍵盤楽器1に着脱自在に設けられている。鍵盤11のいずれかの鍵が押されると、CPU12は、その押鍵された鍵のノートナンバや、その押鍵の速度を示すベロシティ等のノートオン情報を演奏データとして取得し、押された鍵が離されると、CPU12は、その離された鍵のノートナンバや、離されたことを示す情報等のノートオフ情報を演奏データとして取得してインターフェース15に送る。また、自動演奏機能がオンされると、CPU12は、ROM14に格納されている演奏データを順次読み出してインターフェース15に送る。インターフェース15に送られたこれらの演奏データは、インターフェース15からこの電子鍵盤楽器1に接続された不図示の音源に送られ、最終的には、これらの演奏データに基づいた実際の音が、不図示のスピーカから空間に放出される。また、録音モードに設定されて録音開始が指示されると、CPU12は、鍵盤11の演奏操作により生成された演奏データをRAM13に記録させたり、あるいは、書込手段16を駆動させて、演奏データを不図示の磁気ディスクや光ディスクに記録させる。
【0024】
またさらに、この図1に示す電子鍵盤楽器1は、表示手段17と設定手段18とを備えている。この表示手段17と設定手段18については後述する。
【0025】
なお、この図1に示す電子鍵盤楽器1を構成する鍵盤11,CPU12,RAM13,ROM14,インターフェース15,書込手段16,表示手段17,および設定手段18は、バス19により相互に接続されている。
【0026】
続いて、図2を用いて、この図1に示す電子鍵盤楽器1が備える表示手段17と設定手段18とについて説明する。本実施形態の電子鍵盤楽器1は、操作パネルを備えており、表示手段17と設定手段18それぞれは、この操作パネルに配備されている。
【0027】
図2は、本実施形態の電子鍵盤楽器が備える操作パネルの正面図である。
【0028】
図2に示すように、この電子鍵盤楽器1の操作パネル2の下方には鍵盤11が配備され、上方には表示手段17と設定手段18とが配備されている。
【0029】
表示手段17は液晶表示パネルである。この電子鍵盤楽器1は、演奏データに基づく楽譜をこの表示手段17に表示させる楽譜表示機能を有する。この機能がオンされると、表示手段17には、2つの五線が上下に表示され、上の五線には、鍵盤11の右手パートの演奏データに基づく楽譜が記され、下の五線には、鍵盤11の左手パートの演奏データに基づく楽譜が記される。
【0030】
設定手段18は、この電子鍵盤楽器1の各種の設定を行う複数の操作子であって、これらの操作子の中には、楽譜表示指定操作子や、曲選択指定操作子や、ロータリーエンコーダや、録音モード指定操作子や、自動演奏開始/終了操作子等がある。楽譜表示指定操作子は、押下されるたびにこの電子鍵盤楽器1が有する楽譜表示機能のオンとオフとを切り替える操作子である。また、上述のごとく、ROM14には、自動演奏用の演奏データが複数の楽曲分記録されており、曲選択指定操作子は、これらの複数の楽曲から所望の楽曲を選択する操作子である。録音モード指定操作子は、押下されるたびに録音モードへの移行と録音モードからの復帰とを切り替える操作子である。自動演奏開始/終了操作子は、押下されるたびにこの電子鍵盤楽器1が有する自動演奏機能のオンとオフとを切り替える操作子であって、さらに、この電子鍵盤楽器1が録音モードにあるときに押下されると、録音の開始/終了を指示するトグルスイッチとなる。したがって、この電子鍵盤楽器1が録音モードにあるときには、自動演奏機能がオンされると録音も開始され、自動演奏機能がオフされると録音も終了する。
【0031】
続いて、演奏域という概念を用いて、図2に示す鍵盤11の左手パートと右手パートについて説明する。
【0032】
図3は、左手パートの演奏域と右手パートの演奏域の6種類の位置関係を示す図である。
【0033】
図3には、(1)から(6)までの図が示されており、各図において、左手パートの演奏域は、左手パートの最高音の音高(Lmax)と最低音の音高(Lmin)とを結んだ実線で示されており、右手パートの演奏域は、右手パートの最高音の音高(Rmax)と最低音の音高(Rmin)とを結んだ点線で示されている。
【0034】
図3の(1)には、左手パートの最高音の音高(Lmax)よりも右手パートの最低音の音高(Rmin)の方が高い場合、すなわち、最も普通である、左手パートの演奏域が左側の鍵域であって、右手パートの演奏域が右側の鍵域である場合の、2つの演奏域の位置関係が示されている。
【0035】
また、図3の(6)には、左手/右手パートの演奏域と左右の鍵域との位置関係が逆になった例が示されている。すなわち、図3の(6)には、左手パートの最低音の音高(Lmin)よりも右手パートの最高音の音高(Rmax)の方が低い場合、換言すれば、左手パートの演奏域が右側の鍵域であって、右手パートの演奏域が左側の鍵域である場合の、2つの演奏域の位置関係が示されている。このような位置関係では、演奏者は右手と左手をクロスして演奏操作を行なうことになる。
【0036】
さらに、図3の(2)から(5)までの各図には、左手パートの演奏域と右手パートの演奏域が少なくとも一部重なっている場合の2つの演奏域の位置関係が示されている。このような位置関係は、楽曲の1小節単位で考えると1小節という短い演奏区間では右手と左手それぞれの演奏範囲は狭いことが一般的であるため、稀である。このうち、図3の(2)には、左手パートの演奏域が左側の鍵域であって、右手パートの演奏域が右側の鍵域である場合の位置関係が示されており、図3の(4)には、極めて稀な、左手パートの演奏域が右側の鍵域であって、右手パートの演奏域が左側の鍵域である場合の位置関係が示されいる。また、図3の(3)には、右手パートの演奏域が、左手パートの演奏域に完全に重なっている場合の位置関係が示されており、図3の(5)には、左手パートの演奏域が、右手パートの演奏域に完全に重なっている場合の位置関係が示されている。
【0037】
続いて、ROM14に記録されている、楽曲の主旋律を表す、左手パートと右手パートとの2つのパートに分かれた演奏データについて説明する。
【0038】
図4は、ROMに記録されている演奏データの構成を示す図である。
【0039】
図4に示すように、ROMに記録されている演奏データには、楽曲の主旋律を表す、右手パートの演奏データと左手パートの演奏データとが含まれており、これらはそれぞれ、3チャンネルと4チャンネルに格納されている。また、一連の演奏データには、この他に、楽曲の伴奏を表す演奏データ等も含まれており、図示省略したが、この伴奏を表す演奏データも所定のチャンネルに格納されている。
【0040】
図5は、3,4チャンネルに格納されている、左手/右手パートそれぞれの演奏データからノートナンバを抽出して、楽曲の各小節ごとにまとめて示した図である。
【0041】
図5の左側の(a)には左手パートについてまとめたものが示されており、図5の右側の(b)には右手パートについてまとめたものが示されている。両者とも、左欄に小節番号が記されており、右欄にノートナンバが記されている。また、この右欄に記されたノートナンバは、各小節ごと時系列的に並べられている。すなわち、2小節目の左パートでは、ノートナンバ45、52、57の順にノートオンされる。
【0042】
次に、この電子鍵盤楽器1のROM14に記録されている楽曲の、演奏者による演奏時に、演奏操作に応じて生成される演奏データを不図示の磁気ディスクや光ディスクに記録させるときの、CPU12の処理ルーチンについて説明する。この処理ルーチンは、本発明のうちの演奏データ生成方法の一実施形態を適用したものである。
【0043】
図6は、本実施形態の電子鍵盤楽器が録音モードに移行したときの、CPUの処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0044】
まず、曲選択指定操作子が操作されることで1つの楽曲が選択された後、録音モード指定操作子が操作されて、この電子鍵盤楽器1が録音モードへ移行すると、図6に示す処理ルーチンが起動する。
【0045】
この処理ルーチンが起動すると、まず、右手パートの演奏データが格納されている3チャンネルと、左手パートの演奏データが格納されている4チャンネルとがともにミュートされるように設定する(ステップS1_1)。この処理によって、不図示のスピーカからは、演奏者による演奏操作に応じて生成される演奏データに基づく楽音が聞こえてくることになる。
【0046】
続いて、分割点算出処理のサブルーチンを実行する(ステップS1_2)。
【0047】
図7は、CPUによって実行される、分割点算出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0048】
この分割点算出処理のサブルーチンには、小節数をカウントする変数iとフラグflg[i]とが用意されている。
【0049】
まず、変数iに「1」を代入して初期化する(ステップS2_1)。次に、後のステップで抽出する、左手パートの最高音のノートナンバLmaxと左手パートの最低音のノートナンバLminとの双方を、ここでは一旦「0」と認識し、、同じく後のステップで抽出する、右手パートの最高音のノートナンバRmaxと右手パートの最低音のノートナンバRminとの双方を、ここでは一旦「127」と認識する(ステップS2_2)。続いて、選択された自動演奏用の演奏データのうち、右手パートのi番目の小節に属する演奏データの中にノートナンバを有するデータがあるか否かを判定し(ステップS2_3)、ある場合には、右手パートのi番目の小節に属する演奏データの中から、右手パートの最高音のノートナンバRmaxと、右手パートの最低音のノートナンバRminとを抽出してそれぞれ認識し直して(ステップS2_4)、ステップS2_5に進み、ない場合には、ステップS2_5に直接進む。このように、この分割点算出処理のサブルーチンでは、ROM14に記録されている自動演奏用の演奏データから、右手パートの演奏域を小節単位で抽出する。ステップS2_5では、今度は、選択された自動演奏用の演奏データのうち、左手パートのi番目の小節に属する演奏データの中にノートナンバを有するデータがあるか否かを判定し、ある場合には、左手パートのi番目の小節に属する演奏データの中から、左手パートの最高音のノートナンバLmaxと、左手パートの最低音のノートナンバLminとを抽出してそれぞれ認識し直して(ステップS2_6)、ステップS2_7に進み、ない場合には、ステップS2_7に直接進む。このように、この分割点算出処理のサブルーチンでは、ROM14に記録されている自動演奏用の演奏データから、左手パートの演奏域も小節単位で抽出する。ステップS2_7では、左手パートの最低音のノートナンバLminが右手パートの最高音のノートナンバRmaxよりも大きいか否かを判定する。すなわち、左手パートの演奏域と右手パートの演奏域の位置関係が、図3の(6)に示す位置関係にあるか否かを判定する。ここで、大きい場合、すなわち図3の(6)に示す位置関係にある場合には、フラグflg[i]を「0」にする(ステップS2_8)。そして、ノートナンバで表す振分点を算出して(ステップS2_9)、ステップS2_15に進む。このステップS2_9における振分点Sp[i]の算出は、この時点でCPU12が認識している、左手パートの最低音のノートナンバLminと右手パートの最高音のノートナンバRmaxとを用いて、以下の式(1)に基づいて算出する。
Sp[i]=(Lmin+Rmax)/2 (1)
すなわち、左手パートの最低音のノートナンバLminの鍵と右手パートの最高音のノートナンバRmaxの鍵との中央が振分点となる。このようにして、算出された振分点Sp[i]は、先のステップS2_8において「0」にしたフラグflg[i]に対応付けられて、RAM13に記録される。
【0050】
一方、ステップS2_7において、左手パートの最低音のノートナンバLminが右手パートの最高音のノートナンバRmaxよりも小さい(図3の(6)に示す位置関係にない)と判定されると、フラグflg[i]を「1」にする(ステップS2_10)。続いて、今度は、右手パートの最低音のノートナンバRminが左手パートの最高音のノートナンバLmaxよりも大きいか否かを判定する(ステップS2_11)。すなわち、左手パートの演奏域と右手パートの演奏域の位置関係が、図3の(1)に示す位置関係にあるか否かを判定する。ここで、大きい場合、すなわち図3の(1)に示す位置関係にある場合には、ノートナンバで表す振分点を算出して(ステップS2_12)、ステップS2_15に進む。このステップS2_12における振分点Sp[i]の算出は、この時点でCPU12が認識している、左手パートの最高音のノートナンバLmaxと右手パートの最低音のノートナンバRminとを用いて、以下の式(2)に基づいて算出する。
Sp[i]=(Lmax+Rmin)/2 (2)
すなわち、左手パートの最高音のノートナンバLmaxの鍵と右手パートの最低音のノートナンバRminの鍵との中央が振分点となる。このようにして、算出された振分点Sp[i]は、先のステップS2_10において「1」にしたフラグflg[i]に対応付けられて、ステップS2_9において算出された振分点と同様、RAM13に記録される。反対に、ステップS2_11において、右手パートの最低音のノートナンバRminが左手パートの最高音のノートナンバLmaxよりも小さい、すなわち図3の(1)に示す位置関係にもない(図3の(2)〜(5)のいずれかの位置関係にある)と判定されると、まず、各パートの演奏域の中央を求める(ステップS2_13)。すなわち、左手パートの演奏域の中央のノートナンバLaverは以下の式(3)で求め、右手パートの演奏域の中央のノートナンバRaverは以下の式(4)で求める。
Laver=(Lmax+Lmin)/2 (3)
Raver=(Rmax+Rmin)/2 (4)
そして、これらの中央のノートナンバLaver,Raverを用いて、ノートナンバで表す振分点を算出し(ステップS2_14)、ステップS2_15に進む。このステップS2_14における振分点Sp[i]の算出は、以下の式(5)に基づいて算出する。
Sp[i]=(Laver+Raver)/2 (5)
すなわち、左手パートの演奏域の中央と右手パートの演奏域の中央のさらに中央が振分点となる。このようにして、算出された振分点Sp[i]は、ステップS2_12において算出された振分点と同様、先のステップS2_10において「1」にしたフラグflg[i]に対応付けられてRAM13に記録される。
【0051】
ステップS2_15では、選択された演奏データの楽曲の総ての小節について、振分点の算出処理を行ったか否かを判定し、途中であれば、変数iを1つインクリメントして(ステップS2_16)、ステップS2_2に戻り、総て行っていれば終了する。
【0052】
このように、この分割点算出処理のサブルーチンのうちのステップS2_7からステップS2_14までの処理によって、左手パートと右手パートという2つのパートに対応する、各小節ごとの2つの演奏域の位置関係に基づいて、鍵盤全域は、各小節ごとに2つの鍵域に分けられる。
【0053】
ここで、図6に戻って説明すると、上述のような分割点算出処理のサブルーチン(ステップS1_2)が終了した後、自動演奏開始/終了操作子が操作されることで自動演奏機能がオンされて録音が開始されているか否かを判定する(ステップS1_3)。このステップS1_3の処理は、録音が開始されるまで繰り返し実行される。続いて、自動演奏機能がオンされたことにより、ROM14に記録されている、選択された自動演奏用の演奏データの読み出しを開始するとともに、図7を用いて説明した分割点算出処理のサブルーチンに用意されていた、小節数をカウントする変数iに1を代入する(ステップS1_4)。なお、先のステップS1_1においてミュート設定を行ったことにより、ここでの自動演奏では、不図示のスピーカから、右手パートの演奏データと左手パートの演奏データそれぞれに基づく楽音が消音された、伴奏等の楽音が聞こえてくる。続いて、図7を用いて説明した分割点算出処理のサブルーチンにおいてRAM13に記録された、フラグflg[i]が「0」か否かを判定し(ステップS1_5)、「0」の場合には、ステップS1_4において順次読み出す演奏データが属している小節が、左手/右手パートの演奏域と左右の鍵域との位置関係が図3の(6)に示すように逆になった小節であることになり、ステップS1_6において、演奏操作に応じて生成された演奏データのノートナンバが、RAM13に記録された、ノートナンバで表した振分点Sp[i]よりも大きいか否かを判定する。ここで、大きければ、その生成された演奏データを左手パートとして記録し(ステップS1_7)、小さければ、右手パートとして記録して(ステップS1_8)、いずれのステップでもステップS1_12にその後進む。
【0054】
一方、ステップS1_5において、フラグflg[i]が「0」でない、すなわちフラグflg[i]が「1」であるという判定がなされると、これは、ステップS1_4において順次読み出す演奏データが属している小節が、左手/右手パートの演奏域と左右の鍵域との位置関係が図3の(1)から(5)に示すような位置関係の小節であることになり、ステップS1_9において、演奏操作に応じて生成された演奏データのノートナンバが、RAM13に記録された、ノートナンバで表した振分点Sp[i]よりも大きいか否かを判定する。ここで、大きければ、その生成された演奏データを右手パートとして記録し(ステップS1_10)、小さければ、左手パートとして記録して(ステップS1_11)、いずれのステップでもステップS1_12にその後進む。
【0055】
ステップS1_12では、1小節分の処理が終了したか否かを判定し、途中であれば、ステップS1_5に戻り、終了していれば、ステップS1_13に進む。ステップS1_13では、自動演奏開始/終了操作子が操作されて録音が終了しているか否かを判定し、録音が継続していれば、変数iを1つインクリメントして(ステップS1_14)、ステップS1_5に戻り、録音が終了していれば、先のステップS1_1で処理した、3チャンネルと4チャンネルのミュート設定を解除して(ステップS1_15)、終了する。
【0056】
このように、この電子鍵盤楽器1では、この図6に示す処理ルーチンのうちのステップS1_5からステップS1_11までの処理によって、鍵盤全域が分けられた、各小節ごとの2つの鍵域を左手パートと右手パートという2つのパートそれぞれに対応づけて、演奏者による各小節の演奏操作により生成される演奏データを、演奏操作された鍵が属する鍵域に応じたパートの演奏データとして記憶することが行われる。
【0057】
以上、説明したように、図6に示す処理ルーチンでは、ROM14に記録されている自動演奏用の演奏データを手本にデータ処理を行うため、実用上十分な精度を維持することができ、また、この処理ルーチンは、小節単位でデータ処理を行うため、CPU12にかかる負荷を低減することができる。したがって、この電子鍵盤楽器によれば、演奏者による演奏操作により生成された演奏データを左手パートと右手パートとの2つのパートに、簡単なデータ処理で実用上十分な精度で分けて記憶することができる。
【0058】
なお、図6に示す処理ルーチンは、この電子鍵盤楽器1が録音モードへ移行すると起動して、ステップS1_2における分割点算出処理のサブルーチンが実行されるものであるが、録音モードへ移行する前に、図7に示す分割点算出処理の処理ルーチンを実行して、ROM14に記録された、自動演奏用の演奏データを手本に分割点を予め算出しておいてもよい。
【0059】
また、図7に示す分割点算出処理の処理ルーチンでは、ステップS2_11において、左手パートの演奏域と右手パートの演奏域の位置関係が、図3の(2)〜(5)のいずれかの位置関係という稀な位置関係にあると判定されると、ステップS2_14において、左手パートの演奏域の中央と右手パートの演奏域の中央のさらに中央を振分点とするが、図3の(2)〜(5)のいずれかの位置関係にある場合には、演奏データごと、ROM14に記録された、2つのパートに分かれた演奏データのノートナンバと、演奏操作に応じて生成された演奏データのノートナンバとを一つずつ比較して、前者を手本に後者を2つのパートに振り分けるようにすれば、データ処理は多少複雑にはなるが、振り分けの精度はさらに向上する。
【0060】
さらに本実施形態では、左手パートの最高音のノートナンバLmaxより右手パートの最低音のノートナンバRminが大きい時には、式(1)に基づいて振分点Spを算出したが、これに限られず例えば、単純に左手パートの最高音のノートナンバLmaxもしくは右手パートの最低音のノートナンバRminのいずれかのノートナンバを振分点Spとしてもよい。
【0061】
また、右手パートの最高音のノートナンバRmaxより左手パートの最低音のノートナンバLminが大きい時には、式(2)に基づいて処理して振分点Spを算出したが、単純に右手パートの最高音のノートナンバRmaxもしくは左手パートの最低音のノートナンバLminのいずれかのノートナンバを振分点Spとしてもよい。
【0062】
また、本実施形態では、左手パートの鍵域の最高音/最低音のノートナンバと右手パートの最低音/最高音のノートナンバの大小関係により、右手パートと左手パートの演奏域の位置関係を特定したが、これに限られず、例えば、左手パートの演奏域の中心のノートナンバLaverと右手パートの演奏域の中心のノートナンバRaverの大小関係により、右手パートと左手パートの演奏域の位置関係を特定し、(Laver+Raver)/2に相当するノートナンバを振分点Spとして、演奏者の演奏データを右手パートと左手パートに振分けてもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の演奏データ生成方法および電子鍵盤楽器それぞれによれば、演奏者による演奏操作により生成された演奏データを左手パートと右手パートとの2つのパートに、簡単なデータ処理で実用上十分な精度で分けて記憶することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のうちの電子鍵盤楽器の一実施形態のハードウェア構成図である。
【図2】本実施形態の電子鍵盤楽器が備える操作パネルの正面図である。
【図3】左手パートの演奏域と右手パートの演奏域の6種類の位置関係を示す図である。
【図4】ROMに記録されている演奏データの構成を示す図である。
【図5】3,4チャンネルに格納されている、左手/右手パートそれぞれの演奏データからノートナンバを抽出して、楽曲の各小節ごとにまとめて示した図である。
【図6】本実施形態の電子鍵盤楽器が録音モードに移行したときの、CPUの処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】CPUによって実行される、分割点算出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 電子鍵盤楽器
11 鍵盤
12 CPU
13 RAM
14 ROM
15 インターフェース
16 書込手段
17 表示手段
18 設定手段
19 バス

Claims (6)

  1. 少なくとも右手パートと左手パートを含む複数パートからそれぞれなる複数の楽曲の演奏データを有し、所定の楽曲に対する演奏者の演奏操作に応じた演奏データを生成する電子鍵盤楽器の演奏データ生成方法において、
    前記複数の楽曲の演奏データから前記所定の楽曲の演奏データを選択する第一のステップと、
    第一のステップで選択された楽曲の演奏データの所定区間ごとに、右手パートの演奏域における最低音高および最高音高と左手パートの演奏域における最低音高および最高音高とを抽出する第二のステップと、
    前記第二のステップで抽出した2つのパートの演奏域それぞれにおける最低音高および最高音高に基づいて、前記演奏データの所定区間ごとに、前記右手パートの演奏域の最低音高が前記左手パートの演奏域の最高音高より音高が高いか否か、および、前記左手パートの演奏域の最低音高が前記右手パートの演奏域の最高音高より音高が高いか否かを判定する第三のステップと、
    前記第三のステップの判定に基づいて、前記演奏データの所定区間ごとに鍵盤全域を分割するステップであって、前記右手パートの演奏域の最低音高が前記左手パートの演奏域の最高音高より音高が高いと判定された場合は、鍵域全域を、前記右手パートの演奏域の最低音高と左手パートの演奏域の最高音高の間の所定の音高で、右側の鍵域と左側の鍵域に分割し、前記左手パートの演奏域の最低音高が前記右手パートの演奏域の最高音高より音高が高いと判定された場合は、鍵域全域を、前記左手パートの演奏域の最低音高と右手パートの演奏域の最高音高の間の所定の音高で、右側の鍵域と左側の鍵域に分割する第四のステップとを有することを特徴とする演奏データ生成方法。
  2. 前記第三のステップにより、前記右手パートの演奏域の最低音高が前記左手パートの演奏域の最高音高よりも音高が高いと判定され、前記第四のステップにより、鍵域全域が、前記右手パートの演奏域の最低音高と前記左手パートの演奏域の最高音高の間の所定の音高で右側の鍵域と左側の鍵域に分割された場合に、該右側の鍵域および該左側の鍵域をそれぞれ前記右手パートおよび前記左手パートに割り当て、前記第三のステップにより、前記左手パートの演奏域の最低音高が前記右手パートの演奏域の最高音高より音高が高いと判定され、前記第四のステップにより、鍵域全域が、前記左手パートの演奏域の最低音高と前記右手パートの演奏域の最高音高の間の所定の音高で右側の鍵域と左側の鍵域に分割された場合に、該右側の鍵域および該左側の鍵域をそれぞれ前記左手パートおよび前記右手パートに割り当てる第五のステップをさらに有することを特徴とする請求項1記載の演奏データ生成方法。
  3. 前記第三のステップは、さらに前記第二のステップで抽出された左手パートの演奏域と右手パートの演奏域が少なくとも一部重なっているか否かを判定するステップであり、
    前記第四のステップは、前記第三のステップにより左手パートの演奏域と右手パートの演奏域が少なくとも一部重なっていると判定された場合は、鍵域全域を、左手パートの演奏域の中央と右手パートの演奏域の中央との2つの中央どうしの間の所定の音高で、右側の鍵域と左側の鍵域に分割するステップであることを特徴とする請求項1又は2記載の演奏データ生成方法。
  4. 少なくとも右手パートと左手パートを含む複数パートからそれぞれなる複数の楽曲の演奏データを有し、所定の楽曲に対する演奏者の演奏操作に応じて演奏データを生成する電子鍵盤楽器において、
    前記複数の楽曲の演奏データから前記所定の楽曲の演奏データを選択する演奏データ選択手段と、
    演奏データ選択手段で選択された楽曲の演奏データの所定区間ごとに右手パートの演奏域における最低音高および最高音高と左手パートの演奏域における最低音高および最高音高とを抽出する演奏域抽出手段と、
    前記演奏域抽出手段で抽出した2つのパートの演奏域それぞれにおける最低音高および最高音高に基づいて、前記演奏データの所定区間ごとに、前記右手パートの演奏域の最低音高が前記左手パートの演奏域の最高音高より音高が高いか否か、および、前記左手パートの演奏域の最低音高が前記右手パートの演奏域の最高音高より音高が高いか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定に基づいて、前記演奏データの所定区間ごとに鍵盤全域を分割する鍵域分割手段であって、前記右手パートの演奏域の最低音高が前記左手パートの演奏域の最高音高より音高が高いと判定された場合は、鍵域全域を、前記右手パートの演奏域の最低音高と左手パートの演奏域の最高音高の間の所定の音高で、右側の鍵域と左側の鍵域に分割するものであり、前記左手パートの演奏域の最低音高が前記右手パートの演奏域の最高音高より音高が高いと判定された場合は、鍵域全域を、前記左手パートの演奏域の最低音高と右手パートの演奏域の最高音高の間の所定の音高で、右側の鍵域と左側の鍵域に分割する鍵域分割手段とを備えたことを特徴とする電子鍵盤楽器。
  5. 前記判定手段により、前記右手パートの演奏域の最低音高が前記左手パートの演奏域の最高音高よりも音高が高いと判定され、前記鍵分割手段により、鍵域全域が、前記右手パートの演奏域の最低音高と前記左手パートの演奏域の最高音高の間の所定の音高で右側の鍵域と左側の鍵域に分割された場合に、該右側の鍵域および該左側の鍵域をそれぞれ前記右手パートおよび前記左手パートに割り当て、前記判定手段により、前記左手パートの演奏域の最低音高が前記右手パートの演奏域の最高音高より音高が高いと判定され、前記鍵分割手段により、鍵域全域が、前記左手パートの演奏域の最低音高と前記右手パートの演奏域の最高音高の間の所定の音高で右側の鍵域と左側の鍵域に分割された場合に、該右側の鍵域および該左側の鍵域をそれぞれ前記左手パートおよび前記右手パートに割り当てる演奏データ割当手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4記載の電子鍵盤楽器。
  6. 前記判定手段は、さらに前記演奏データ抽出手段で抽出された左手パートの演奏域と右手パートの演奏域が少なくとも一部重なっているか否かを判定するものであって、
    前記鍵域分割手段は、前記判定手段により左手パートの演奏域と右手パートの演奏域が少なくとも一部重なっていると判定された場合は、鍵域全域を、左手パートの演奏域の中央と右手パートの演奏域の中央との2つの中央どうしの間の所定の音高で、右側の鍵域と左側の鍵域に分割するものであることを特徴とする請求項4又は5記載の電子鍵盤楽器。
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