JP4402614B2 - 毛髪化粧料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、毛髪の染色に使用される毛髪化粧料組成物に関するものである。
従来、過炭酸ナトリウム等の酸化剤を含有する固体状の毛髪化粧料組成物が知られている。こうした毛髪化粧料組成物に含有する酸化剤は、微量の金属や水分の存在下において容易に分解する不安定な物質である。そこで、この種の毛髪化粧料組成物には、酸化剤に対する金属や水分の接触を抑制するために、金属を封鎖するキレート剤、及び吸湿性を有する吸湿性成分として無機塩等が配合されている(例えば特許文献1参照)。この毛髪化粧料組成物は、保存時における酸化剤の安定性が維持されている。そして、使用時には毛髪化粧料組成物と水や有機溶剤と混合することによって混合物を調製し、その混合物が毛髪に適用される。
特開2002−193774号公報
ところで、毛髪化粧料組成物中において、吸湿性成分を増量すれば、水分に対する酸化剤の安定性は高まる。しかしながら、吸湿性成分の増量に伴って、使用される毛髪化粧料組成物が嵩高となるため、水等と混合して均一な混合物を得るためには、手間を要することがある。こうした実情から、キレート剤であるエチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸ナトリウム(HEDTA−3Na)が金属を封鎖する作用に加え、吸湿作用を発揮することに着眼し、このHEDTA−3Naを配合することにより、毛髪化粧料組成物中における吸湿性成分の配合量を減量することを試みた。その結果、このHEDTA−3Naの配合すれば、吸湿性成分を減量しても、酸化剤の分解が抑制されることが確認された。ここで、このHEDTA−3Naは、水等に溶解するとアルカリ性を示す化合物である。このため、HEDTA−3Naのみで、所定の吸湿作用を発揮させようとした場合、毛髪化粧料組成物に含有するHEDTA−3Naの含有量が過剰となる結果、この毛髪化粧料組成物と水等との混合物におけるアルカリ度が過剰に高くなる。すなわち、こうした毛髪化粧料組成物では、保存時における酸化剤の安定性は維持される一方、使用時においてはHEDTA−3Naによって混合物のアルカリ度が過剰に高くなる結果、毛髪にダメージを与えてしまうおそれがあった。
本発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、酸化剤の分解を抑制する成分を減量したとしても、酸化剤の安定性を維持することができるとともに毛髪へのダメージを抑制することができる毛髪化粧料組成物を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の毛髪化粧料組成物では、毛髪の染色に使用される固体状の毛髪化粧料組成物において、下記の各成分を含有することを要旨とする。
(A)固体状酸化剤。
(B)染料。
(C)エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸ナトリウム。
(D)シクロデキストリン類又は乾燥デンプン。
請求項2に記載の発明の毛髪化粧料組成物では、請求項1に記載の発明において、前記(A)成分に対する(C)成分の質量比(質量比=(C)成分の質量/(A)成分の質量)が0.00125〜0.25であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明の毛髪化粧料組成物では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記(A)成分に対する(D)成分の質量比(質量比=(D)成分の質量/(A)成分の質量)が0.00125〜1であることを要旨とする。
請求項4に記載の発明の毛髪化粧料組成物では、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記(C)成分に対する(D)成分の質量比(質量比=(D)成分の質量/(C)成分の質量)が0.02〜200であることを要旨とする。
請求項5に記載の発明の毛髪化粧料組成物では、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、分散剤としてステアリン酸金属塩を0.1質量%以上含有することを要旨とする。
本発明によれば、酸化剤の分解を抑制する成分を減量したとしても、酸化剤の安定性を維持することができるとともに毛髪へのダメージを抑制することができる。
以下、本発明を毛髪化粧料組成物に具体化した実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の毛髪化粧料組成物は、(A)固体状酸化剤、(B)染料、(C)エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸ナトリウム、及び(D)シクロデキストリン類又は乾燥デンプンを含有する。この毛髪化粧料組成物は固体状をなし、毛髪の染色に使用される。
(A)固体状酸化剤は、毛髪を脱色する成分であるとともに、(B)染料として酸化染料を含有させた場合にその酸化染料を発色させる成分である。この(A)成分としては、過炭酸塩、過ホウ酸塩等が挙げられる。過炭酸塩としては、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム等が挙げられる。過ホウ酸塩としては、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム等が挙げられる。(A)成分は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。毛髪化粧料組成物中における(A)成分の含有量は、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは25〜75質量%、さらに好ましくは30〜70質量%である。この含有量が20質量%未満であると、毛髪化粧料組成物の使用量が増大することで、その使用に際し利便性が低下するおそれがある。一方、80質量%を超えると、保存時における(A)成分の安定性が十分に得られにくくなる。
(B)染料は、毛髪を染色する成分である。この(B)成分は、主要中間体及びカプラーに分類される。主要中間体としては、フェニレンジアミン類(但し、メタフェニレンジアミンを除く。)、アミノフェノール類(但し、メタアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール及びパラメチルアミノフェノールを除く。)、トルイレンジアミン類(但し、トルエン−3,4−ジアミン及びトルエン−2,4−ジアミンを除く。)、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類(但し、2,6−ジアミノピリジンを除く)、それらの塩類等が挙げられる。塩類としては塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
カプラーとしては、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノオルトクレゾール、パラメチルアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール及びそれらの塩等が挙げられる。
また、「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載された染料、及び「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」(昭和41年告示、厚生省)に記載の染料を適宜、配合することもできる。これらの染料は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
毛髪化粧料組成物中における染料の含有量は、好ましくは0.001質量%〜40質量%、より好ましくは0.01〜30質量%である。この含有量が0.001質量%未満であると、毛髪を効率的に染色することができないおそれがある。一方、40質量%を超えて配合しても、それ以上の染毛力が得られにくい。
(C)エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸ナトリウムは、(A)成分の安定性を保持するために含有される成分である。この(C)成分は、キレート剤の一種であるとともに、各種キレート剤の中でも吸湿性に優れる成分である。すなわち、この(C)成分は金属を封鎖する作用と吸湿作用とを発揮するため、(A)成分に対する金属及び水分の接触が抑制されるようになる。なお、この(C)成分は、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸ナトリウムの2水塩として配合してもよい。
毛髪化粧料組成物中における(C)成分の含有量は、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜4質量%、さらに好ましくは0.5〜3質量%である。この含有量が0.1〜5質量%であると、金属を封鎖する作用が十分に発揮されるとともに、使用時におけるアルカリ度を抑制することができるようになる。
(A)成分に対する(C)成分の質量比(質量比=(C)成分の質量/(A)成分の質量)は、好ましくは0.00125〜0.25、より好ましくは0.00667〜0.16、さらに好ましくは0.00714〜0.1である。この質量比が0.00125未満であると、保存時における(A)成分の安定性を維持するためには、他の吸湿性成分を増量することになるため、一回の染色処理に使用される毛髪化粧料組成物が嵩高となり易くなる。一方、0.25を超えると、使用時におけるアルカリ度が過剰に高くなるおそれがある。
(D)シクロデキストリン類又は乾燥デンプンは、保存時における(A)成分の安定性を維持するために含有される成分である。シクロデキストリン類はグルコースがα−1,4−グルコシド結合によって環状に連なった化合物であり、その水酸基に基づく吸湿性を有している。また、乾燥デンプンは、アミロースとアミロペクチンとを主成分とし、アミロースの水酸基等に基づく吸湿性を有している。この(D)成分の吸湿性能は(C)成分の吸湿性能と同等の吸湿性能を有するため、(C)成分とともに配合することによって(A)成分に対する水分の接触を有効に抑制することができるようになる。シクロデキストリン類は、シクロデキストリン及びその誘導体を含む。シクロデキストリンとしては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン等が挙げられる。シクロデキストリン誘導体としては、グルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン等が挙げられる。(D)成分は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
毛髪化粧料組成物に配合されるシクロデキストリン類の水分含有率は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。この水分含有率が5質量%を超えると、長期にわたる吸湿性能が発揮されにくくなる。毛髪化粧料組成物に配合される乾燥デンプンの水分含有率は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。この水分含有率が10質量%を超えると、長期にわたる吸湿性能が発揮されにくくなる。
毛髪化粧料組成物中における(D)成分の含有量は、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜15質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%である。この含有量が0.1〜20質量%であると、吸湿作用が十分に発揮されるとともに、一回の染色処理に使用される毛髪化粧料組成物が嵩高となることを十分に抑制することができるようになる。
(A)成分に対する(D)成分の質量比(質量比=(D)成分の質量/(A)成分の質量)は、好ましくは0.00125〜1、より好ましくは0.00667〜0.6、さらに好ましくは0.00714〜0.33333である。この質量比が0.00125未満であると、保存時における(A)成分の安定性を十分に得るためには(C)成分を増量することになるため、使用時におけるアルカリ度が過剰に高くなるおそれがある。一方、1を超える場合、(D)成分の増量を招くことになるため、毛髪化粧料組成物の使用に際し利便性が低下するおそれがある。
(C)成分に対する(D)成分の質量比(質量比=(D)成分の質量/(C)成分の質量)は、好ましくは0.02〜200、より好ましくは0.125〜30、さらに好ましくは0.167〜20である。この質量比が0.02未満であると、使用時におけるアルカリ度が過剰に高くなるおそれがある。一方、200を超えると、(C)成分が金属を封鎖する作用を発揮するだけの量を配合しても、(D)成分の増量を招くことになるため、毛髪化粧料組成物の使用に際し利便性が低下するおそれがある。
毛髪化粧料組成物中における(A)、(C)及び(D)成分の合計の含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。すなわち、(A)、(C)及び(D)成分以外の成分の含有量を80質量%未満にすることにより、利便性に優れる毛髪化粧料組成物を得ることができる。
この毛髪化粧料組成物には、その他の固体状成分を必要に応じて配合することができる。その他の固体状成分としては、分散剤、その他の塩類、pH調整剤、増粘剤、(C)成分以外のキレート剤、賦形剤、各種界面活性剤、保湿剤、帯電防止剤、毛髪柔軟剤、酸化防止剤、防腐剤、色素、香料等が挙げられる。分散剤は、使用時において、水や有機溶剤に対する(A)成分の分散性を改善する成分である。この分散剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等ステアリン酸金属塩、ケイ酸、ケイ酸金属塩、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖等が挙げられる。毛髪化粧料組成物には、分散剤としてのステアリン酸金属塩を0.1質量%以上含有させることが好ましく、0.3質量%含有させることがさらに好ましい。また、ステアリン酸金属塩は、ステアリン酸マグネシウムであることがより好ましい。これにより、使用時において(A)成分が水や有機溶剤と急激に反応することを抑制することができるようになる。
その他の塩類としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、乳酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、グリコール酸アンモニウム等が挙げられる。pH調整剤としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ピロリン酸、グルコン酸、グルクロン酸、安息香酸並びにこれらのナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩や、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、塩基性アミノ酸等が挙げられる。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム等の水溶性高分子が挙げられる。(C)成分以外のキレート剤としては、エデト酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、これらの塩等が挙げられる。賦形剤としては硫酸ナトリウム等、保湿剤としては大豆蛋白加水分解物等が挙げられる。
毛髪化粧料組成物の剤型は、粉末状、顆粒状等の固体状である。この毛髪化粧料組成物を使用する際には、水又は有機溶剤と混合される。有機溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ヘキシレングリコール、エチルカルビトール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で配合してもよいし、複数を組み合わせて配合してもよい。これらの水又は有機溶剤の中でも、利便性の観点から好ましくは水又はエタノール、より好ましくは水である。毛髪化粧料組成物に対する水又は有機溶剤の混合割合は、毛髪化粧料組成物1質量部に対して、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは2〜20質量部である。
さて、保存時における毛髪化粧料組成物では、毛髪化粧料組成物に含有される(C)成分が金属を封鎖する作用と吸湿作用とを発揮するため、(A)成分に対する金属及び水分の接触が抑制される。ところで、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムのようなキレート剤の吸湿性は極めて低いため、吸湿作用は発揮されず、金属を封鎖する作用のみしか期待できない。これに対し、(C)成分は金属を封鎖する作用に加え、吸湿作用を発揮するため、別途配合する吸湿性成分を減量することができるようになる。さらに、吸湿性成分として含有される(D)成分は、(C)成分と同等の吸湿性能を有しているため、(C)成分及び(D)成分のいずれか一方が過剰に吸湿することを抑制することができるようになる。すなわち、このような過剰に吸湿した成分と(A)成分との接触が抑制されるようになる。
毛髪化粧料組成物を使用する際には、その組成物に水又は有機溶剤を配合して各成分を混合することにより、ペースト状又は液状の混合物を調製する。こうして使用される毛髪化粧料組成物は、(C)成分の配合によって、(C)成分以外の吸湿性成分、すなわち(D)成分等の吸湿性成分が減量されることで、一回の染色処理に使用する毛髪化粧料組成物が嵩高となることが抑制され、その結果、水等と混合する混合操作が容易となる。
こうして得られた混合物を櫛やブラシ等の塗布具で毛髪に塗布することにより、毛髪に染色処理が施される。ここで、吸湿性成分として(C)成分のみを配合する場合、保存時において所定の吸湿作用を発揮する量の(C)成分を配合することになる。このため、一回の染色処理に使用する毛髪化粧料組成物に含有される(C)成分は、(A)成分に対して過剰量となる結果、使用時における混合物のアルカリ度が過剰に高くなってしまう。本実施形態の毛髪化粧料組成物では、(C)成分に加えて(D)成分が含有されているため、(C)成分の含有量を所定量以下に設定することができるようになる。このため、混合物のアルカリ度を所定値以下に設定することができるようになる。さらに、この毛髪化粧料組成物では、(A)成分の保存安定性が(C)成分及び(D)成分によって十分に確保されているため、この毛髪化粧料組成物により染色処理が施された毛髪は(A)成分の使用量に応じた十分な明度となる。
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1) 本実施形態の毛髪化粧料組成物に含有される(C)成分は金属を封鎖する作用と吸湿作用とを発揮するため、(A)成分に対する金属及び水分の接触が抑制される。このため、(A)成分の分解を抑制する吸湿性成分の配合量を削減することができるようになる。さらに、(C)成分の吸湿性能と同等の吸湿性能を有する(D)成分が含有されているため、(C)成分及び(D)成分のいずれか一方が過剰に吸湿することを抑制することができるようなる。このため、(A)成分に対する水分の接触は、(C)成分と(D)成分との両成分によって有効に抑制される。
さらに、本実施形態の毛髪化粧料組成物では、(C)成分に加えて(D)成分が含有されているため、(C)成分の含有量を所定量以下に設定することができるようになる。このため、毛髪化粧料組成物と水や有機溶媒との混合物のアルカリ度を所定値以下に設定することができるようになる結果、アルカリ度が過剰に高くなることに起因する毛髪へのダメージを抑制することができる。
加えて、(D)成分であるシクロデキストリン類は、グルコースがα−1,4−グルコシド結合によって環状に連なった化合物であり、このシクロデキストリン類には、その分子の中心に存在する空洞に他の分子(特に疎水性の分子)を取り込む性質がある。従って、毛髪化粧料組成物に香料等の揮発性の成分を配合する場合、その揮発性の成分はシクロデキストリン類に取り込まれるため、毛髪化粧料組成物の保存時において、そうした成分の揮発を抑制することができる。
(2) (A)成分に対する(C)成分の質量比を0.00125〜0.25に設定することによって、水や有機溶剤との混合に際し、その手間を軽減することができるようになる。さらに、アルカリ度が所定値以下に設定される。従って、利便性に優れるとともに毛髪へのダメージを一層抑制することができる毛髪化粧料組成物が提供される。
(3) (A)成分に対する(D)成分の質量比を0.00125〜1に設定することによって、水や有機溶剤との混合に際し、その手間を軽減することができるようになる。さらに、アルカリ度が所定値以下に設定される。従って、利便性に優れるとともに毛髪へのダメージを一層抑制することができる毛髪化粧料組成物が提供される。
(4) (C)成分に対する(D)成分の質量比を0.02〜200に設定することによって、使用時におけるアルカリ度が過剰に高くなること、及び(D)成分の増量を十分に抑制することができる。従って、利便性に優れるとともに毛髪へのダメージを一層抑制することができる毛髪化粧料組成物が提供される。
(5) 分散剤としてステアリン酸金属塩を0.1質量%以上含有させることが好ましい。この場合、毛髪化粧料組成物と水や有機溶媒との混合に際し、(A)成分の周囲にはステアリン酸金属塩の直鎖アルキル基による疎水性の被膜が形成され、(A)成分が水や有機溶剤に急激に溶解することが抑制される。すなわち、使用時において(A)成分が水や有機溶剤と急激に反応することを抑制することができるようになる結果、(A)成分と水や有機溶剤とを混ぜ合わせてから積極的な混合操作をするまでの間における発泡及び発熱を抑制することができる。本実施形態のように(A)成分の分解を抑制する吸湿性成分を減量する配合にした場合、(A)成分が水や有機溶媒に急激に溶解する現象が発生し易くなる傾向にあるため、ステアリン酸金属塩を0.1質量%以上含有させることは、特に有効である。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記ステアリン酸金属塩を含有させずに毛髪化粧料組成物を構成してもよい。
・ 前記実施形態は1剤式の毛髪化粧料組成物に具体化している。前記毛髪化粧料組成物を2剤式の毛髪化粧料組成物の第1剤に適用してもよい。すなわち、この第1剤は、過酸化水素等の酸化剤と水とを含有する第2剤に混合して使用される。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(吸湿性の評価)
(C)成分であるエチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸ナトリウム(HEDTA−3Na)、並びに(D)成分としてβ−シクロデキストリン(β−CyD)及び乾燥デンプンの所定量を初期サンプルとし、温度25℃、相対湿度80%の条件で静置した。静置してから24時間後における吸湿後サンプルの質量を測定し、初期サンプルと吸湿後サンプルの質量変化率を測定した。比較としてキレート剤であるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA−2Na)の質量変化率も同様にして測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004402614
表1の結果から明らかなように、(C)HEDTA−3Naはその質量変化率から吸湿性能を有することがわかる。また、(D)β−CyD及び(D)乾燥デンプンの質量変化率の値は(C)HEDTA−3Naの質量変化率の値と同等であることから、(D)成分は(C)成分と同等の吸湿性能を有することがわかる。これに対し、EDTA−2Naの質量変化率の値から、キレート剤の一種であるEDTA−2Naの吸湿性は極めて低いことがわかる。
(実施例1、実施例2、比較例1〜3)
表2に示す各例の染毛剤を調製した。なお、表2に示す各成分の含有量を示す数値の単位は、質量%である。
各例の染毛剤について、温度25℃、相対湿度80%の条件で24時間静置した。その後、以下に示す(a)、(b)及び(c)の評価を行い、各評価結果を表1に併記した。
(a)混合性
各例の染毛剤と水とを混合することにより、混合物としての染毛剤塗布液を調製した。なお、染毛剤と水との混合割合は、質量比で染毛剤:水=1:5とした。このときの混合性について10名のパネラーが次の採点基準で評価した。
採点基準:速やかに混合できる(4点)、ほぼ速やかに混合できる(3点)、やや混合しにくい(2点)、及び混合しにくい(1点)の4段階。
各パネラーの採点結果について平均点を算出し、その平均点が3.6点以上を優れる(◎)、2.6点以上3.5点以下を良好(○)、1.6点以上2.5点以下をやや不良(△)、及び1.5点以下を不良(×)として評価結果とした。
(b)感触
染毛剤塗布液を白髪混じりの人毛毛束に塗布した。その人毛毛束を室温で30分間放置した後、水で洗浄した。染色処理後の毛髪について、10名のパネラーが次の採点基準で評価した。
採点基準:感触が非常によい(4点)、感触が良好(3点)、感触がやや不良(2点)、及び感触が不良(1点)の4段階。
各パネラーの採点結果について平均点を算出し、その平均点が3.6点以上を優れる(◎)、2.6点以上3.5点以下を良好(○)、1.6点以上2.5点以下をやや不良(△)、及び1.5点以下を不良(×)として評価結果とした。
(c)染色性
染毛剤塗布液を白髪混じりの人毛毛束に塗布した。その人毛毛束を室温で30分間放置した後、水で洗浄した。染色後の毛髪について、10名のパネラーが次の採点基準で評価した。
採点基準:染色性が非常によい(4点)、染色性が良好(3点)、染色性がやや不良(2点)、及び染色性が不良(1点)の4段階。
各パネラーの採点結果について平均点を算出し、その平均点が3.6点以上を優れる(◎)、2.6点以上3.5点以下を良好(○)、1.6点以上2.5点以下をやや不良(△)、及び1.5点以下を不良(×)として評価結果とした。
Figure 0004402614
表2の結果から明らかなように、各実施例では混合性及び感触について優れる又は良好な結果が得られた。さらに、染色性についても、優れる又は良好な結果が得られたことから(A)成分の安定性は維持されていたことがわかる。これに対し、比較例1では(C)成分が含有されていないため、染色性についてやや不良の結果となった。比較例2では(D)成分を含有させずに、(C)成分の含有量を増加させたため、感触について不良の結果となった。比較例3では(C)成分をその他のキレート剤であるEDTA−2Naに変更したため、(A)成分の安定性が維持されず、染色性について不良の結果となった。
さらに、各実施例ではステアリン酸マグネシウムが0.1質量%以上含有されていることにより、水と混ぜ合わせてから積極的な混合操作をするまでの間における発泡及び発熱についても抑制されたため、円滑な混合操作を実施することが可能となった。

Claims (5)

  1. 毛髪の染色に使用される固体状の毛髪化粧料組成物において、下記の各成分を含有することを特徴とする毛髪化粧料組成物。
    (A)固体状酸化剤。
    (B)染料。
    (C)エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸ナトリウム。
    (D)シクロデキストリン類又は乾燥デンプン。
  2. 前記(A)成分に対する(C)成分の質量比(質量比=(C)成分の質量/(A)成分の質量)が0.00125〜0.25である請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。
  3. 前記(A)成分に対する(D)成分の質量比(質量比=(D)成分の質量/(A)成分の質量)が0.00125〜1である請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。
  4. 前記(C)成分に対する(D)成分の質量比(質量比=(D)成分の質量/(C)成分の質量)が0.02〜200である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。
  5. 分散剤としてステアリン酸金属塩を0.1質量%以上含有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。
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