JP4402211B2 - ポリマー電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
金属表面と各種の材料との接着性の向上または金属表面が他の物質により腐食、酸化することを防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属箔は、その物性として、水蒸気や酸素その他のガス遮断性(以下、バリア性)等の優れた特性のために、食品をはじめ多くの内容物の包装用途に他の素材とラミネートされた積層体として用いられている。
金属箔として多く用いられるのはアルミニウム箔である。バリア性を付与する目的でアルミニウムを用いる包装材料として、代表的な層構成としては、基材層/バリア層(アルミニウム)/熱接着性樹脂層のような3層構成、または、基材層/バリア層(アルミニウム)/中間層/熱接着性樹脂層のような4層構成の積層体がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、アルミニウムの表面は酸化または各種の化学物質によって腐食されやすく、その結果、前記積層体を形成する際の接着性阻害となることがあり、また、積層体として包装用途に用いた場合には、包装する内容物の成分、または、内容物の成分と他の物質との反応によって発生する物質がラミネートされた他の層を透過して積層体の金属箔表面に到り、金属箔表面を腐食させ、ラミネート面を剥離させることがある。
本発明は、包装材料を構成する積層体の素材としての金属箔の表面保護と接着性向上またはその他金属箔として単層で用いられる場合の表面保護と接着性向上を可能とする表面処理層を設けた金属箔を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の発明により解決することができる。すなわち、請求項1記載の発明は、起電部と該起電部に接続された金属からなるタブを備えた電池本体と、少なくとも金属箔からなるバリアー層と最内層に熱接着性樹脂層とを備えた外装体とからなり、前記タブの先端が外部に突出するように前記外装体により挟んで前記外装体と前記タブおよび前記外装体同士を熱接着して電池本体を密封したポリマー電池であって、前記外装体は前記金属箔が焼鈍処理をしたアルミニウムからなると共に前記金属箔の少なくとも最内層側面に耐酸性改質皮膜及び/又はカップリング処理による表面処理層を有し、前記タブは表面に耐酸性改質皮膜及び/又はカップリング処理による表面処理層を有することを特徴とするポリマー電池である。請求項2記載の発明は、請求項1に記載のポリマー電池が、前記耐酸性改質皮膜がリン酸塩、クロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物のいずれかを含むものである。請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2記載のポリマー電池が、前記カップリング処理層が、有機チタン系、シラン系、有機アルミ系のいずれかのカップリング剤を含むものである。請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のポリマー電池が、前記表面処理層が設けられた面に、エポキシ系、フェノール系、メラミン系、アルキッド系、ポリイミド系、不飽和ポリエステル系、ポリウレタン系、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレート共重合体などの共重合体ポリエステル系、アイオノマーエチレン・酢酸ビニル共重合体系、エチレンとアクリル酸およびメタクリル酸との共重合体系、ポリエーテルウレタン系の樹脂、およびこれらの変性物の少なくともひとつを30%以上含む樹脂層からなる保護層が形成されているものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる表面処理層を設けた金属箔について図等を用いて説明する。
図1は、本発明の表面処理層を設けた金属箔の各種の構成例を示す断面図である。図2は、本発明の表面処理層を設けた金属箔を用いた積層体の構成例を示す断面図である。図3は、ポリマー電池のタブに、表面処理層を設けた金属箔を用いた実施例を説明する図で、(a)ポリマー電池の斜視図、(b)ポリマー電池本体の斜視図、(c)Gからの矢視図である。
包装材料として、各種の単体フィルム、各種のバリア剤等の塗工または蒸着加工を施したフィルム、金属箔等をラミネートしてなる積層体を密封する包装体は、軟包装として一般的に使用されている。特に、内容物が水分、酸素を始め各種のガスに影響され、変質や変敗のおそれのある場合には、前記積層体として十分なバリア性を有する構成とする。バリア性のある積層体とするために、バリア層として金属箔を用いることが多い。
【0006】
本発明は、積層体にバリア層としてラミネートされるもので、包装に於ける積層体の構成要素であるバリア層(金属箔)の表面処理に関するものである。そして、前記バリア層は、積層体から形成される密封包装体の外部から包装体の内部に水蒸気あるいはその他のガスが浸入することを防止するための層で、バリア層単体のピンホールがなく、加工適性(パウチ化、エンボス成形性)が安定化し、かつ、耐ピンホール性を持たせるために厚さ15μm以上のアルミニウム、ニッケルなどの金属箔である。さらに具体的なバリア層としては、15〜80μmの軟質アルミニウムが好ましく用いられる。
本発明についての以下の具体的な説明においては、金属箔をアルミニウムとして説明する。
【0007】
前記バリア層をアルミニウムとする場合、冷間加工で製造されたアルミニウムは焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその柔軟性・腰の強さ等が変化するが、本実施例で用いられるアルミニウムは焼きなましをしていない、いわゆる硬質処理品より、焼きなましを適宜行った、柔軟性がある軟質処理品が好ましい。また、柔軟性・腰の強さ・硬さの度合い、すなわち焼きなましの条件は、加工適性(パウチ化、エンボス適性)に合わせ適宜選定すれればよい。例えば、エンボス成型時のピンホールやしわを防止するためには、焼きなましをしていない硬質アルミより多少または完全に焼きなまし処理をした軟質傾向にあるアルミニウムが良好である。
【0008】
本発明の金属箔における表面処理において、予め、金属箔表面を図1(A)に示すように脱脂、表面酸化物の除去をしたものを用いてもよい。前記脱脂、表面酸化物の除去としては、酸・アルカリによる表面洗浄を行うことが好ましい。脱脂、表面酸化物の除去処理は、金属箔の両面を同時に行うことが好ましい。
洗浄用の酸類としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、フッ酸、クロム酸のような無機酸やスルファミン酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、ギ酸、乳酸、グリコール酸、酢酸、グルコン酸、コハク酸、リンゴ酸のような有機酸があり、これらを主成分として適宜添加物を加えればよい。
また、アルカリ類としては水酸化ナトリウムなどの水酸化物、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどの炭酸塩物、第2リン酸ナトリウム、第3リン酸ナトリウムなどのリン酸塩物、ピロ・リン酸ナトリウム、トリポリ・リン酸ナトリウム、テトラポリ・リン酸ナトリウムなどの重合リン酸塩、オルソ・珪酸ナトリウム、メタ・珪酸ナトリウムなどの珪酸塩がある。ナトリウム塩を示したが、これらのカリウム塩、アンモニア塩も有効である。これらを主成分とし適宜添加剤を加えればよい。
【0009】
また、本発明においては、図1(b)に示すように、アルミニウム表面1の耐食性のために耐酸性皮膜3の形成をすることができる。
前記耐酸性皮膜3としては、リン酸塩系、クロム酸塩系、フッ化物系の皮膜がある。リン酸塩系としては、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸マンガン、リン酸カルシウム、リン酸クロム、リン酸チタン、リン酸錫、リン酸シリカ等であり、フッ化物系としては、フッ化チタン、フッ化亜鉛等である。
【0010】
また、本発明の金属箔を他の素材とラミネートする場合の接着性を安定化させるために、図1(C)に示すように、接着性向上処理(以下、カップリング処理)をすることにより、接着性の向上に効果のあることを見出した。カップリング処理4は、アルミニウム表面にカップリング処理層を形成するが、カップリング処理に用いられるものとしては、シラン系カップリング剤、有機チタン系カップリング剤、有機アルミニウム系カップリング剤である。
有機チタン系カップリング剤としては、テトラアルコキシチタン、チタンアシレート、チタンキレート等、また有機アルミニウム系カップリング剤としては、トリアルキシアルミニウム、アルミニウムキシレート、アルミニウムアシレート等が利用できる。
【0011】
本発明の金属箔における表面処理は、それぞれ単独で実施してもよいが、2つ以上の方法を併用してもよい。例えば、図1(d)に示すように、両面に脱脂処理2を施した金属箔1の片面に耐酸性皮膜3を形成後、さらにカップリング処理層4を設けてもよい。
【0012】
本発明においては、金属箔の前記表面処理層を設けた面に保護層を設けてもよい。該保護層は、バリア層の腐食防止、溶剤による接着性の劣化防止などのために設けられる樹脂からなる層であって、前記バリア層の最内層側に設けるが、該保護層には、前記耐酸性改質剤または/および前記カップリング剤等を添加してもよい。
例えば、図1(e)に示すように、両面に脱脂処理2を施した金属箔1の片面に耐酸性皮膜3の形成さらに保護層5を設けた例である。
【0013】
前記保護層5を形成する樹脂としては、エポキシ系、フェノール系、メラミン系、アルキッド系、ポリイミド系、不飽和ポリエステル系、ポリウレタン系、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレート共重合体などの共重合体ポリエステル系、金属イオン架橋ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体系、エチレンとアクリル酸およびメタクリル酸との共重合体系、ポリエーテルウレタン系等の樹脂、及びこれらの変性物の少なくともひとつを30%以上含む樹脂等を用いる事ができる。
【0014】
本発明において、表面処理層を設ける前に、接着性向上処理として、金属箔表面を粗面化してもよい。この粗面化処理をすることによって、例えば、アルミニウム箔表面に存在する酸化アルミニウム (化学式:AL2O3)の除去と表面粗度を大きくし、表面積の増加、およびアンカー剤効果を発現させることができる。粗面化は、例えば、アルミニウム箔表面をエッチング、酸またはアルカリで洗浄することにより可能である。
【0015】
以上に説明した、表面処理層を設けた金属箔を含む積層体を用いて包装する内容物としては、化粧品、医薬品、食品、飲料、接着剤その他の工業薬品等で、その包装形式としても、ラミネートチューブ容器、各種の袋、成形品、蓋等のタイプの包装材料として安定したバリア性、接着性等が得られる。
【0016】
本発明の表面処理された金属箔を用いて、例えば図2(a)に示すような積層体を形成することができる。
前記積層体の本発明の金属箔以外の各層の形成または本発明の金属箔を含む各層間の積層方法は、具体的にはTダイ法、インフレーション法、共押出し法等を用いて製膜することができ、必要に応じて、コーティング、蒸着、紫外線硬化、電子線硬化等の方法によって2次膜を形成してもよい。
また、貼り合わせは、ドライラミネーション、押出しラミネーション、共押出しラミネーション、サーマルラミネーション(熱ラミネーション)等の方法により積層化し得る。
【0017】
前記、ドライラミネーションをする際には、ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリエーテル系、シアノアクリレート系、ウレタン系、有機チタン系、ポリエーテルウレタン系、エポキシ系、ポリエステルウレタン系、イミド系、イソシアネート系、ポリオレフィン系、シリコーン系の各種接着剤を用いることができる。
【0018】
また、前記押出しラミネーションをする場合、接着する各層間の接着力を安定化する接着促進化方法としてポリエステル系、ポリエーテル系、ウレタン系、ポリエーテルウレタン系、ポリエステルウレタン系、イソシアネート系、ポリオレフィン系、ポリエチレンイミン系、シアノアクリレート系、有機チタン化合物系、エポキシ系、イミド系、シリコーン系およびこれらの変性物、または混合物等の樹脂を 1μm程度塗工したり、オゾン処理等による表面活性化処理を行うことができる。
【0019】
本発明の表面処理層を設けた金属箔は、包装用の積層体以外においても利用することができる。例えば、ポリマー電池のタブへの利用がある。
ポリマー電池は、リチウム2次電池ともいわれ、高分子ポリマー電解質を持ち、リチウムイオンの移動で電流を発生する電池であって、正極・負極活物質が高分子ポリマーからなるものを含むものである。
ポリマー電池PBの構造は、図3(a)および図3(b)に示すように、ポリマー電池本体BHと外装体Cからなり、前記本体BHには、起電部から電流を取り出し、使用する機器に供給する電極(タブ)Tが接続されている。
ポリマー電池本体BHを前記外装体Cにより密封する際、前記タブTを挟んで密封包装がなされる。
このため外装体Cを構成する積層体の最内層が金属(タブ)Tと熱接着可能な樹脂からなる積層体としている。
【0020】
しかし、前記タブTは、金属であり、その表面は、前記外装体Cにより熱接着されるまでの間に酸化皮膜を形成したり、腐食されたりすることがある。
そこで、図3(c)に示すように、本発明の表面処理層Sをタブ表面Tに設けることにより、外装体Cとの熱接着が安定して行うことができる。
【0021】
【実施例】
次に、本発明の金属箔を用いて積層体等について具体的に内容物を充填したサンプルを作製し、その効果を確認した。
なお、下記の説明において、ドライラミネートに用いた接着剤はいずれもポリエステル系タイプである。
〔実施例1〕
アルミニウム20μmの片面をリン酸塩処理して耐酸性皮膜の形成をした後、エチレン・酢酸ビニル共重合体を10μmの厚さで押出しラミネートして蓋体とした。300ml のガラス瓶にバーモンド酢を充填し、前記蓋体により熱接着した。
〔実施例2〕
アルミニウム15μmの片面をリン酸塩処理して耐酸性皮膜の形成をした後、前記耐酸性皮膜の形成面に、エボキシ樹脂からなる保護層を2 μmの厚さに形成した後、前記保護層面に不飽和カルボン酸グラフトポリプロピレン5 μmをコーティング・焼き付け法により形成し、蓋体とした。
500ml のガラス瓶にワインを充填し、前記蓋体により熱接着した。
〔実施例3〕
2 軸延伸ポリエステルフィルム12μmと2 軸延伸ナイロンフィルム15μmとアルミニウム9 μmとををドライラミネーション法により順次貼り合わせ、さらに貼り合わせたアルミニウム面にクロム酸塩処理して耐酸性皮膜の形成をした後、キャストポリプロピレンフィルム30μmとドライラミネーション法により貼り合わせた。前記キャストポリプロピレンを熱接着性樹脂層としてパウチを形成し、鎮痛湿布剤(パップ剤)を密封包装した。
〔実施例4〕
片面にリン酸塩処理して耐酸性皮膜の形成をしたアルミニウム100 μmを用い、片面に25μmの2 軸延伸ナイロンフィルムをドライラミネーションし、別の面にキャストポリプロピレンフィルム30μmをドライラミネーション法により貼り合わせて積層体を作製した。深さ10mm、直径50mmの丸カップ状に成形し、蓋材も同一仕様の積層体を用いて芳香剤を密封した。
〔実施例5〕
アルミニウムの両面にリン酸塩処理して耐酸性皮膜の形成をしたアルミニウム100 μmを用いた以外は、実施例4と同一条件により芳香剤を密封したものを作製した。
〔実施例6〕
アルミニウムの片面にクロム酸塩処理して耐酸性皮膜の形成をし、該耐酸性皮膜面にエポキシ樹脂の保護層を 2μmを形成した以外は、実施例4と同一条件により芳香剤を密封したものを作製した。
〔実施例7〕
アルミニウムの片面にクロム酸塩処理して耐酸性皮膜の形成をし、該耐酸性皮膜面にフェノール樹脂の保護層を 3μmを形成した以外は、実施例4と同一条件により芳香剤を密封したものを作製した。
〔実施例8〕
アルミニウムの片面にクロム酸塩処理して耐酸性皮膜の形成をし、該被膜面に1 μmの厚さでシランカップリング処理を施した以外は、実施例4と同一条件により芳香剤を密封したものを作製した。
〔実施例9〕
低密度ポリエチレン15μm、2 軸延伸ポリエステルフィルム12μm、アルミニウム15μmをドライラミネーション法により順次貼り合わせ、アルミニウム面にクロム酸塩により耐酸性皮膜を形成し、かつ、該被膜面にフェノール系の保護層を3 μmの厚さに形成し、前記保護層面にドライラミネーション法により低密度ポリエチレン15μmを貼り合わせた積層体を形成し、該積層体を胴部としたラミネートチューブを成形し、有機溶剤含有接着剤を充填密封した。なお、ラミネートチューブの肩部はアルミロンデル入りとし、注出口部をアルミニウムのインナーシール後、プラスチック製キャップにより嵌合密封した。後述の評価は前記本体部分での剥離を確認した。
〔実施例10〕
アルミニウムの両面にクロム酸塩により耐酸性皮膜を形成し、前記耐酸性皮膜の片面に、フェノール樹脂の保護層を設け、別の面にはエポキシ樹脂の保護層を形成し、前記フェノール樹脂の保護層の面に、エチレンメタアクリル酸共重合体を接着製樹脂として紙280 g/m2をサンドイッチラミネーション法により貼り合わせ、さらに、前記紙面に低密度ポリエチレンを15μmの厚さにラミネートした。また、前記エボキシ樹脂の保護層面にドライラミネーション法により、2 軸延伸ポリエステルフィルム12μm、低密度ポリエチレン30μmを順次貼り合わせ、前記低密度ポリエチレン30μm側を内容物側として、500ml 容量のゲーベルトップ型液体紙容器を成形し、界面活性剤系液体洗剤を充填密封した。
〔比較例1〜10〕前記実施例における積層体の形成において、表面処理層を設けないことを除いては、対応する各実施例と同じ内容物と保管条件とした。
<評価方法>
接着安定性:内容物充填後、温度40℃、湿度90%RH、保管期間 1ケ月後のアルミニウムと内容物側の被着体との剥離(デラミネーション)の有無を検査した。
保管においては、少なくとも、内容物が積層体内面に直接接触する状態に保持した。
なお、前記デラミネーションは、前記アルミニウムと被着体との間の剥離強度がT型剥離において50g/15mm巾以下をデラミネーションとした。
<評価結果>
実施例1〜実施例10のいずれにもデラミネーションは認められなかった。
比較例1〜比較例10は、いずれも、デラミネーションが認められた。
【0022】
【発明の効果】
本発明の表面処理層を設けた金属箔を用いた積層体を包装材料として利用した場合、積層体の形成実施例におけるラミネート強度が安定して得られ、また、表面処理層面に設けた保護層によって、内容物成分、または、内容物と他の物質との反応によって生成する各種化学物質によるアルミ表面の腐食等を防止する効果がさらに顕著なものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面処理層を設けた金属箔の各種の構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の表面処理層を設けた金属箔を用いた積層体の構成例を示す断面図である。
【図3】ポリマー電池のタブに、表面処理層を設けた金属箔を用いた実施例を説明する図で、(a)ポリマー電池の斜視図、(b)ポリマー電池本体の斜視図、(c)Gからの矢視図である。
【符号の説明】
K 表面処理層を設けた金属箔
1 金属箔
2 脱脂処理層
3 耐酸性皮膜の形成層
4 カップリング処理層
5 保護層
10 積層体
11 基材層
12 バリア層
13 中間層
14 熱接着性樹脂層
15 接着層
PB ポリマー電池
BH ポリマー電池本体
C 外装体
HS ヒートシール部
T タブ
S 表面処理部
Claims (4)
- 起電部と該起電部に接続された金属からなるタブを備えた電池本体と、少なくとも金属箔からなるバリアー層と最内層に熱接着性樹脂層とを備えた外装体とからなり、前記タブの先端が外部に突出するように前記外装体により挟んで前記外装体と前記タブおよび前記外装体同士を熱接着して電池本体を密封したポリマー電池であって、前記外装体は前記金属箔が焼鈍処理をしたアルミニウムからなると共に前記金属箔の少なくとも最内層側面に耐酸性改質皮膜及び/又はカップリング処理による表面処理層を有し、前記タブは表面に耐酸性改質皮膜及び/又はカップリング処理による表面処理層を有することを特徴とするポリマー電池。
- 前記耐酸性改質皮膜がリン酸塩、クロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物のいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載のポリマー電池。
- 前記カップリング処理層が、有機チタン系、シラン系、有機アルミ系のいずれかのカップリング剤を含むものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のポリマー電池。
- 前記表面処理層が設けられた面に、エポキシ系、フェノール系、メラミン系、アルキッド系、ポリイミド系、不飽和ポリエステル系、ポリウレタン系、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレート共重合体などの共重合体ポリエステル系、アイオノマーエチレン・酢酸ビニル共重合体系、エチレンとアクリル酸およびメタクリル酸との共重合体系、ポリエーテルウレタン系の樹脂、およびこれらの変性物の少なくともひとつを30%以上含む樹脂層からなる保護層が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のポリマー電池。
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