JP2003242942A - 電池用外装体と電池の包装方法 - Google Patents

電池用外装体と電池の包装方法

Info

Publication number
JP2003242942A
JP2003242942A JP2002043257A JP2002043257A JP2003242942A JP 2003242942 A JP2003242942 A JP 2003242942A JP 2002043257 A JP2002043257 A JP 2002043257A JP 2002043257 A JP2002043257 A JP 2002043257A JP 2003242942 A JP2003242942 A JP 2003242942A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
heat
battery
sealing
ion battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002043257A
Other languages
English (en)
Inventor
Takanori Yamashita
孝典 山下
Rikiya Yamashita
力也 山下
Kazuki Yamada
一樹 山田
Masataka Okushita
正隆 奥下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2002043257A priority Critical patent/JP2003242942A/ja
Publication of JP2003242942A publication Critical patent/JP2003242942A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】リチウムイオン電池包装における高度の防湿を
可能にする包装方法を提供する。 【解決手段】少なくとも基材層11、接着層、化成処理
層、アルミニウム12、化成処理層、接着層、ヒートシ
ール層14からなる積層体により形成された外装体に、
電池本体を収納し、外装体のヒートシール層同士を対面
させてタブ部を含む周縁をヒートシールすることにより
密封する電池の包装において、基材層がヒートシール層
と接着できるものとし、積層体の片方の外端部を延長し
て延長端部を設け、ヒートシール部の他の積層体の外面
に延長端部を折り返して熱融着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防湿性、耐内容物
性を有する、固体有機電解質(高分子ポリマー電解質)
を持つリチウムイオン電池の包装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムイオン電池とは、リチウム2次
電池ともいわれ、高分子ポリマー電解質を持ち、リチウ
ムイオンの移動で電流を発生する電池であって、正極・
負極活物質が高分子ポリマーからなるものを含むもので
ある。リチウム2次電池の構成は、正極集電材(アルミ
ニウム、ニッケル)/正極活性物質層(金属酸化物、カ
ーボンブラック、金属硫化物、電解液、ポリアクリロニ
トリル等の高分子正極材料)/電解質層(プロピレンカ
ーボネート、エチレンカーボネート、炭酸ジメチル、エ
チレンメチルカーボネート等のカーボネート系電解液、
リチウム塩からなる無機固体電解質、ゲル電解質)/負
極活性物質(リチウム金属、合金、カーボン、電解液、
ポリアクリロニトリルなどの高分子負極材料)/負極集
電材(銅、ニッケル、ステンレス)およびそれらを包装
する外装体からなる。リチウムイオン電池の用途として
は、パソコン、携帯端末装置(携帯電話、PDA等)、
ビデオカメラ、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、
ロボット、衛星等に用いられる。前記リチウムイオン電
池の外装体としては、金属をプレス加工して円筒状また
は直方体状に容器化した金属製缶、あるいは、基材層、
アルミニウム、ヒートシール層から構成される積層体を
袋状にしたものが用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、リチウムイ
オン電池の外装体として、次のような問題があった。金
属製の缶においては、容器外壁がリジッドであるため、
電池自体の形状が決められてしまう。そのため、ハード
側を電池にあわせる設計をするため、該電池を用いるハ
ードの寸法が電池により決定されてしまい形状の自由度
が少なくなる。そこで、積層体を袋状にしてリチウムイ
オン電池本体を収納するパウチタイプまたは、前記積層
体をプレス成形して凹部を形成し、該凹部にリチウムイ
オン電池本体を収納するエンボスタイプが開発されてい
る。エンボスタイプは、パウチタイプと比較して、より
コンパクトな包装体が得られる。いずれのタイプの外装
体であっても、リチウムイオン電池としての防湿性ある
いは耐突き刺し性等の強度、絶縁性等は、リチウムイオ
ン電池の外装体として欠かせないものである。そして、
リチウムイオン電池用包装材料としては、少なくとも、
基材層、バリア層、ヒートシール層からなる積層体とす
る。そして、前記各層の層間の接着強度が、リチウムイ
オン電池の外装体として必要な性質に影響を及ぼすこと
が確認されている。例えば、バリア層とヒートシール層
との接着強度が不十分であると、外部から水分の浸入の
原因となり、リチウムイオン電池を形成する成分の中の
電解質と前記水分との反応により生成するフッ化水素酸
により前記アルミニウム面が腐食して、バリア層とヒー
トシール層との間にデラミネーションが発生する。図5
は、従来の外装体シール部の端部であって、端部の断面
の層構成と水分の浸入を示す概念図である。積層体の層
間のデラミネーションを引き起こす密封系内への水分H
の浸入は、図5に示すように、外装体の周縁のヒートシ
ール部の端部断面においても認められ、外装体の端面の
ヒートシールされたヒートシール層14を通して電池の
密封系内に浸入して電解液と反応してフッ化水素の発生
の要因となるおそれがある。本発明の目的は、リチウム
イオン電池包装における高度の防湿を可能にする包装方
法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の本
発明により解決することができる。すなわち、請求項1
に記載した発明は、少なくとも基材層、接着層1、(化
成処理層1)、アルミニウム、化成処理層2、接着層
2、ヒートシール層からなる積層体により形成され、電
池本体を挿入し周縁部をヒートシールにより密封する電
池の外装体であって、基材層がヒートシール層と接着で
きることを特徴とする電池用外装体からなる。請求項2
に記載した発明は、請求項1に記載の電池用外装体へ、
電池本体を収納し、外装体のヒートシール層同士を対面
させてタブ部を含む周縁をヒートシールすることにより
密封する電池の包装において、ヒートシールする両積層
体の片方の外端部を延長して延長端部とし、ヒートシー
ル部の積層体の外面に延長端部を折り返して熱融着する
ことを特徴とする電池の包装方法である。。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、外装体の端部のヒート
シール層の断面を一方の積層体によって被覆して外装体
としての防湿性をより高めて長期にわたる電池としての
性能の維持を可能とした電池の包装方法である。以下、
図面等を用いて具体的に説明する。
【0006】図1は、本発明のリチウムイオン電池の包
装方法の実施例をパウチタイプにて示す図で、(a)電
池本体と外装体を示す斜視図、(b)リチウムイオン電
池の斜視図、(c)X1−X1部断面図、(d)Y1部拡
大図、(e)折り返し端部のない場合の外装体端部の断
面図である。図2は、本発明のリチウムイオン電池の包
装方法の実施例をエンボスタイプにて示す図で、(a)
電池本体と外装体を示す斜視図、(b)X2−X2の断面
図、(c)リチウムイオン電池の斜視図、(c)X3
3部断面図、(d)Y2部拡大図、(e)折り返し端部
のない場合の外装体端部の断面図である。図3は、リチ
ウムイオン電池の外装体を構成する積層体の材質構成例
を示す断面図である。図4は、リチウムイオン電池用包
装材料とタブとの接着における接着性フィルムの装着方
法を説明する図である。
【0007】本発明のリチウムイオン電池の包装方法に
用いる包装材料は、少なくとも基材層、バリア層、ヒー
トシール層の積層からなり、前記各層間に化成処理ある
いは接着層等が施され、または設けられる。リチウムイ
オン電池を長期にわたって正常に機能させるために前記
の基本層である基材層、バリア層、ヒートシール層は後
述するような材質を選択し、かつ、化成処理が施され
る。
【0008】また、従来の包装方法によるリチウムイオ
ン電池は、外装体の少なくともその一部の端部が積層体
の断面となっている。例えば、図1(a)に示すような
3方シールタイプのパウチでは、最終的に3辺が断面と
なっており、また、図2(a)に示すようなエンボスタ
イプの外装体においては、すべての辺が断面となる。
【0009】この断面のヒートシール層からの水分の浸
入を防止する方法について、研究の結果、図1(a)に
示すように、断面を形成する2枚の積層体の片方の端部
を延長して延長端部7とし、外装体Pとして周縁の密封
シールの後、または密封シールと同時に延長端部7を他
の積層体の外側に折り込み、延長端部7のヒートシール
層と他の積層体の基材層表面とを熱接着することによっ
て、図1(c)および(d)に示すように、前記断面F
1が延長端部7によって被覆され、断面からの水分の浸
入をほぼ完全になくすことができる。また、タブを挟持
してヒートシールする辺では、タブ部分の断面について
は、被覆が困難であるが、図1または図2の各図に示す
ようにタブ2の外側、2極のタブ間では断面の被覆が可
能である。
【0010】外装体がエンボスタイプにおいては、図2
に示すように、外装体の4辺すべてに断面が形成される
のが一般的であり、本発明の電池の包装方法としては、
例えば、蓋体Pfの4辺のすべてに延長端部7を形成
し、周縁シールの後にトレイPtのフランジ部8巻き込
み蓋体のヒートシール層とフランジ部8の基材層表面と
を熱接着する。
【0011】ここで、延長端部7のヒートシール樹脂と
積層体の表面との接着は、接着剤を介しての接着法も可
能であるが、前記断面Fの被覆を確実にするために熱接
着による方法が望ましく、ヒートシール、超音波、高周
波等による接着が好ましい。
【0012】本発明の電池の包装方法においては、ヒー
トシール樹脂と基材層の表面と熱接着するために、基材
層の表面の材質をシーラントと熱接着可能な樹脂とし、
かつ、ヒートシール時の熱板への粘着防止等の耐熱性を
有する材料として、架橋したポリオレフィンが適してい
ることを見出した。少なくとも基材層の表面がポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体
等の樹脂を架橋した層とすることによってシーラント層
に対するヒートシール性、また、ヒートシール時の耐熱
性の相反する要求物性を満足することができた。また、
前記ポリオレフィンは、いずれも、不飽和カルボン酸グ
ラフト変性されたポリオレフィン樹脂であってもよい。
【0013】リチウムイオン電池用包装材料はリチウム
イオン電池本体を包装する外装体であって、その外装体
の形式によって、図1に示すようなパウチタイプと、図
2に示すようなエンボスタイプとがある。前記パウチタ
イプには、三方シール、四方シール等およびピロータイ
プ等の袋形式があるが、図1は、3方シールタイプとし
て例示している。また、前記エンボスタイプとしては、
図2(a)に示すように、片面に凹部を形成してもよい
し、図示はしないが、両面に凹部を形成してリチウムイ
オン電池本体を収納して周縁の四方をヒートシールして
密封してもよい。
【0014】本発明におけるリチウムイオン電池用包装
材料の層構成は、図3に示すように、少なくとも基材層
11、化成処理層15、バリア層12、化成処理層1
5、ヒートシール層14からなる積層体であり、前記ヒ
ートシール層14は、ドライラミネート法、熱ラミネー
ト法、サンドイッチラミネート法等により積層するもの
である。そして、前記ヒートシール性フィルムは、未延
伸のポリエチレンまたはポリプロピレンからなるもので
ある。そして、エンボスタイプの外装体の場合には、リ
チウムイオン電池本体を包装する収納部となる凹部を形
成するために成形性の優れた積層体であることが要求さ
れる。次に、積層体の各層を構成する材料および貼り合
わせについて説明する。
【0015】一般的に、従来の外装体においては前記基
材層は、延伸ポリエステルまたはナイロンフィルムから
なるが、この時、ポリエステル樹脂としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、
共重合ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられ
る。またナイロンとしては、ポリアミド樹脂、すなわ
ち、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロ
ン6,6との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキ
シリレンアジパミド(MXD6)等が挙げられる。
【0016】しかし、本発明における基材層は、折返し
シール部において、シーラント層が基材層表面にヒート
シール可能とするために、少なくともその表面層を架橋
ポリオレフィンとする。
【0017】前記基材層11は、リチウムイオン電池と
して用いられる場合、ハードと直接接触する部位である
ため、基本的に絶縁性を有する樹脂層がよい。フィルム
単体でのピンホールの存在、および加工時のピンホール
の発生等を考慮すると、基材層は6μm以上の厚さが必
要であり、好ましい厚さとしては12〜50μmであ
る。
【0018】本発明においては、折り返し部においてシ
ーラント層とヒートシールが可能であり、耐ピンホール
性および電池の外装体とした時の絶縁性を向上させるた
めに、積層化することも可能である。基材層を積層化す
る場合、基材層が2層以上の樹脂層を少なくとも一つを
含み、各層の厚みが6μm以上、好ましくは、12〜5
0μmである。本発明の電池の包装体において基材層を
積層化する場合は、少なくとも外層には、前記架橋ポリ
オレフィン層とする。例としては、 1)架橋した酸変性ポリプロピレン/延伸ナイロン 2)架橋したポリエチレン/延伸ポリエチレンテレフタ
レート 等である。また、架橋方法としては、有機化酸化物を用
いる化学架橋法、放射線エネルギーを用いる電子線架橋
法、活性シラン基を用いた架橋法等がある。
【0019】外装体を形成する積層体の前記バリア層1
2は、外部からリチウムイオン電池の内部に特に水蒸気
が浸入することを防止するための層で、バリア層12単
体のピンホール、および加工適性(パウチ化、エンボス
成形性)を安定化し、かつ耐ピンホールをもたせるため
に厚さ15μm以上のアルミニウム、ニッケルなどの金
属、または、無機化合物、例えば、酸化珪素、アルミナ
等を蒸着したフィルムなども挙げられるが、バリア層1
2として好ましくは厚さが20〜80μmのアルミニウ
ムとする。ピンホールの発生をさらに改善し、リチウム
イオン電池の外装体のタイプをエンボスタイプとする場
合、エンボス成形におけるクラックなどの発生のないも
のとするために、バリア層として用いるアルミニウムの
材質は、鉄含有量が0.3〜9.0重量%、好ましくは
0.7〜2.0重量%とすることによって、鉄を含有し
ていないアルミニウムと比較して、アルミニウムの展延
性がよく、積層体として折り曲げによるピンホールの発
生が少なくなり、かつ前記エンボスタイプの外装体を成
形する時に側壁の形成も容易にできる。前記鉄含有量
が、0.3重量%未満の場合は、ピンホールの発生の防
止、エンボス成形性の改善等の効果が認められず、前記
アルミニウムの鉄含有量が9.0重量%を超える場合
は、アルミニウムとしての柔軟性が阻害され、積層体と
して製袋性が悪くなる。
【0020】また、冷間圧延で製造されるアルミニウム
は焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその柔軟性・
腰の強さ・硬さが変化するが、本発明において用いるア
ルミニウムは焼きなましをしていない硬質処理品より、
多少または完全に焼きなまし処理をした軟質傾向にある
アルミニウムがよい。前記、アルミニウムの柔軟性・腰
の強さ・硬さの度合い、すなわち焼きなましの条件は、
加工適性(パウチ化、エンボス成形)に合わせ適宜選定
すればよい。例えば、エンボス成形時のしわやピンホー
ルを防止するためには、成形の程度に応じた焼きなまし
された軟質アルミニウムを用いることができる。
【0021】リチウムイオン電池用包装材料のバリア層
であるアルミニウム表、裏面に化成処理を施すことによ
って、前記包装材料として満足できる積層体とすること
ができる。前記化成処理とは、具体的にはリン酸塩、ク
ロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物等の耐
酸性皮膜を形成することによってエンボス成形時のアル
ミニウムと基材層との間のデラミネーション防止と、リ
チウムイオン電池の電解質と水分とによる反応で生成す
るフッ化水素により、アルミニウム表面の溶解、腐食、
特にアルミニウムの表面に存在する酸化アルミが溶解、
腐食することを防止し、かつ、アルミニウム表面の接着
性(濡れ性)を向上させ、エンボス成形時、ヒートシー
ル時の基材層とアルミニウムとのデラミネーション防
止、電解質と水分との反応により生成するフッ化水素に
よるアルミニウム内面側でのデラミネーション防止効果
が得られる。前記耐酸性皮膜形成物質のなかでも、フェ
ノール樹脂、フッ化クロム(3)化合物、リン酸の3成
分から構成されたものを用いるリン酸クロメート処理が
良好である。
【0022】前記化成処理は、リチウムイオン電池の外
装体がパウチタイプの場合には、アルミニウムの最内層
側の片面だけでよい。リチウムイオン電池の外装体がエ
ンボスタイプの場合には、アルミニウムの両面に化成処
理することによって、エンボス成形の際のアルミニウム
と基材層との間のデラミネーションを防止することがで
きる。アルミニウムの両面に化成処理した積層体をパウ
チタイプに用いてもよい。
【0023】前記化成処理面に、酸変性ポリオレフィン
を接着樹脂として押出してポリオレフィンをサンドイッ
チラミネートすると、化成処理面への押出酸変性ポリオ
レフィン樹脂の接着性が悪く、その対策として、本発明
者らは、図3(a)または図3(b)に示すように、ヒ
ートシール層14となるポリオレフィンフィルムをドラ
イラミネート13dにより積層する方法、または、図3
(c)に示すように、前記化成処理面に、酸変性ポリオ
レフィンのエマルジョン液をロールコート法等により塗
布し、乾燥後、所定温度で焼付けを行った後、前述の酸
変性ポリオレフィンを熱ラミネート13hすると、その
接着強度はよくなることを確認している。しかし、前記
焼付けの加工速度は極めて遅く、生産性の悪いものであ
る。
【0024】酸変性ポリオレフィンの塗布、焼付けがな
くとも、安定した接着強度を示す積層方法としては、基
材層11と両面に化成処理したバリア層12の片面とを
ドライラミネートし、図3(d)に示すように、バリア
層12の他の面に酸変性ポリオレフィンの接着樹脂13
eにより、ヒートシール層14となるポリオレフィンフ
ィルムをサンドイッチラミネートして積層体とした後、
該積層体を前記接着樹脂がその軟化点以上になる条件に
加熱することによって、所定の接着強度を有する積層体
とすることができる。前記加熱の具体的な方法として
は、熱ロール接触式、熱風式、近または遠赤外線等の方
法があるが、本発明においてはいずれの加熱方法でもよ
く、前述のように、接着樹脂がその軟化点温度以上に加
熱できればよい。
【0025】また、別の方法としては、前記、サンドイ
ッチラミネートの際に、アルミニウムのヒートシール層
側の表面温度が酸変性ポリオレフィン樹脂の軟化点に到
達する条件に加熱することによっても接着強度の安定し
た積層体とすることができる。
【0026】本発明のリチウムイオン電池の包装方法の
積層体として、前記、基材層、バリア層、ヒートシール
層(ポリプロピレン)の他に、バリア層とヒートシール
層との間に中間層を設けてもよい。中間層は、リチウム
イオン電池用包装材料としての強度向上、ヒートシール
時のタブとバリア層(AL)の短絡防止のために積層さ
れることがある。
【0027】本発明の積層体における前記の各層には、
適宜、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ
化、エンボス成形)適性を向上、安定化する目的のため
に、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理
等の表面活性化処理をしてもよい。
【0028】本発明のリチウムイオン電池の包装方法に
おける積層体のヒートシール層には、ポリエチレン、ま
たは、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好適に用い
られる。特に、ヒートシール層にポリプロピレンを用い
るのは、ポリプロピレン同士でのヒートシール性がよい
こと、防湿性、耐熱性等のリチウムイオン電池用包装材
料のヒートシール層としての要求される保護物性を有
し、また、ラミネート加工性の良さ、エンボス成形性の
良さ等により、望ましい材質である。前記ポリプロピレ
ンとしては、(1)融点150℃以上のホモタイプ、
(2)融点130℃以上のエチレンープロピレンとの共
重合体(ランダム共重合タイプ)、(3)融点110℃
以上であるエチレンーブテンープロピレン共重合体(タ
ーポリマー)の単体またはブレンド物の単層あるいは多
層品が用いられる。
【0029】また、前記ポリプロピレンには、密度が9
00kg/m3以下の低結晶性のエチレンーブテン共重
合体、低結晶性のプロピレンーブテン共重合体、あるい
は、非晶性のエチレンープロピレン共重合体、非晶性の
プロピレンーエチレン共重合体等を5%以上添加して柔
軟性を付与し、耐折り曲げ性の向上、成形時でのクラッ
クや白化の防止を行ってもよい。
【0030】ただし、ポリオレフィンは金属に対するヒ
ートシール性がないため、リチウムイオン電池における
タブ部のヒートシールの際には、図4(a)、図4
(b)、図4(c)に示すように、タブ2と積層体のヒ
ートシール層14との間に、金属とポリプロピレンとの
双方に対してヒートシール性を有する接着性フィルム3
を介在させることにより、タブ部での密封性も確実とな
る。前記接着フィルム3は、図4(d)、図4(e)、
図4(f)に示すように、タブの所定の位置に巻き付け
てもよい。
【0031】前記接着性フィルム3としては、前記不飽
和カルボングラフトポリオレフィン、金属架橋ポリエチ
レン、エチレンまたはプロピレンとアクリル酸、または
メタクリル酸との共重合物からなるフィルムを用いるこ
とができる。
【0032】
【実施例】本発明のリチウムイオン電池の包装方法につ
いて、実施例によりさらに具体的に説明する。 1.外装体として用いた積層体の構成は 積層体A PEa−B30/DL/AL20/DL/LLD−PE
30 積層体B PEa−B30/DL/AL20/PEa10/LLD
−PE30 [略号 PEa:酸変性ポリエチレン、PEa−B:酸
変性ポリエチレンに電子線架橋したもの、DL:ドライ
ラミネート接着層、AL:アルミニウム箔、LLD−P
E:直鎖状低密度ポリエチレン、なお、略号の後の数値
は層の厚さμmを示す] 2.アルミニウム箔の両面に化成処理を施した。化成処
理は、いずれも、処理液として、フェノール樹脂、フッ
化クロム(3)化合物、リン酸からなる水溶液を、ロー
ルコート法により、塗布し、皮膜温度が180℃以上と
なる条件において焼き付けた。クロムの塗布量は、10
mg/m2(乾燥重量)である。 [実施例1]積層体Aを用いたパウチタイプの外装体と
し端部を折り返しとした。 [実施例2]積層体Bを用いたパウチタイプの外装体と
し端部を折り返しとした。
【0033】[比較例1]積層体Aを用いたパウチタイ
プの外装体とし折り返し無しとした。 [比較例2]積層体Bを用いたパウチタイプの外装体と
し折り返し無しとした。
【0034】<評価方法>と<結果> 水分透過性 電池を実装した検体を、60℃、90%RHの恒温恒湿
槽に1ケ月保持後外装体内の水分の上昇率を測定した。
結果は表1の通りであり、端部の被覆による水分の透過
防止効果が確認できた。
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明のリチウムイオン電池の包装方法
によれば、高湿状態等の過酷な条件下での使用や長期保
存における外装体の断面からの水分の密封系内への浸入
を防止することが可能で、電池の保存可能期間の延長、
性能低下防止等の優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリチウムイオン電池の包装方法の実施
例をパウチタイプにて示す図で、(a)電池本体と外装
体を示す斜視図、(b)リチウムイオン電池の斜視図、
(c)X1−X1部断面図、(d)Y1部拡大図、(e)
折り返し端部のない場合の外装体端部の断面図である。
【図2】本発明のリチウムイオン電池の包装方法の実施
例をエンボスタイプにて示す図で、(a)電池本体と外
装体を示す斜視図、(b)X2−X2の断面図、(c)リ
チウムイオン電池の斜視図、(c)X3−X3部断面図、
(d)Y2部拡大図、(e)折り返し端部のない場合の
外装体端部の断面図である。
【図3】リチウムイオン電池の外装体を構成する積層体
の材質構成例を示す断面図である。
【図4】リチウムイオン電池用包装材料とタブとの接着
における接着性フィルムの装着方法を説明する図であ
る。
【図5】従来の外装体シール部の端部の状態を示す断面
概念図である。
【符号の説明】
B リチウムイオン電池 B0 リチウムイオン電池本体 P 外装体 Pf 蓋材 Pt トレイ F (外装体の)断面 H 水 1 セル(蓄電部) 2 タブ(電極) 3 接着フィルム 4 凹部 5 側壁部 6 ヒートシール部 7 延長端部 7s 折返しシール部 8フランジ部 10 積層体(リチウムイオン電池用包装材料) 11 基材層 12 アルミニウム(バリア層) 13 接着層(接着樹脂層) 14 シーラント層 15 化成処理層 16 接着層
フロントページの続き (72)発明者 山田 一樹 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 奥下 正隆 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA17 CC02 CC06 CC10 DD14 FF02 FF04 GG09 HH13 5H029 AJ15 AM16 DJ02 DJ03 DJ05 EJ01 EJ12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも基材層、接着層1、(化成処理
    層1)、アルミニウム、化成処理層2、接着層2、ヒー
    トシール層からなる積層体により形成され、電池本体を
    挿入し周縁部をヒートシールにより密封する電池の外装
    体であって、基材層がヒートシール層と接着できること
    を特徴とする電池用外装体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電池用外装体へ、電池本
    体を収納し、外装体のヒートシール層同士を対面させて
    タブ部を含む周縁をヒートシールすることにより密封す
    る電池の包装において、ヒートシールする両積層体の片
    方の外端部を延長して延長端部とし、ヒートシール部の
    積層体の外面に延長端部を折り返して熱融着することを
    特徴とする電池の包装方法。
JP2002043257A 2002-02-20 2002-02-20 電池用外装体と電池の包装方法 Withdrawn JP2003242942A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002043257A JP2003242942A (ja) 2002-02-20 2002-02-20 電池用外装体と電池の包装方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002043257A JP2003242942A (ja) 2002-02-20 2002-02-20 電池用外装体と電池の包装方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003242942A true JP2003242942A (ja) 2003-08-29

Family

ID=27783105

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002043257A Withdrawn JP2003242942A (ja) 2002-02-20 2002-02-20 電池用外装体と電池の包装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003242942A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007265879A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Nec Lamilion Energy Ltd フィルム外装電気デバイスおよび電気デバイス集合体
JP2007294381A (ja) * 2006-03-31 2007-11-08 Dainippon Printing Co Ltd 電池用包装材料
JP2009224147A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Nec Corp フィルム外装電気デバイス及び組電池
JPWO2009113634A1 (ja) * 2008-03-14 2011-07-21 日本電気株式会社 フィルム外装電気デバイス及び組電池
JP2012052100A (ja) * 2010-08-05 2012-03-15 Ishida Co Ltd ヒートシールテープおよび商品展示体
JP2013110117A (ja) * 2013-01-21 2013-06-06 Nec Corp フィルム外装電気デバイス及び組電池
US9070927B2 (en) 2008-06-02 2015-06-30 Sony Corporation Exterior member for battery element and non-aqueous electrolyte secondary battery using the same
CN114976392A (zh) * 2021-02-26 2022-08-30 本田技研工业株式会社 软包电池

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007265879A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Nec Lamilion Energy Ltd フィルム外装電気デバイスおよび電気デバイス集合体
JP2007294381A (ja) * 2006-03-31 2007-11-08 Dainippon Printing Co Ltd 電池用包装材料
JP2009224147A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Nec Corp フィルム外装電気デバイス及び組電池
JPWO2009113634A1 (ja) * 2008-03-14 2011-07-21 日本電気株式会社 フィルム外装電気デバイス及び組電池
US8574746B2 (en) 2008-03-14 2013-11-05 Nec Corporation Film-covered electrical device and assembled battery
JP5495192B2 (ja) * 2008-03-14 2014-05-21 日本電気株式会社 フィルム外装電気デバイス及び組電池
US9070927B2 (en) 2008-06-02 2015-06-30 Sony Corporation Exterior member for battery element and non-aqueous electrolyte secondary battery using the same
US9673428B2 (en) 2008-06-02 2017-06-06 Sony Corporation Non-aqueous electrolyte secondary battery
JP2012052100A (ja) * 2010-08-05 2012-03-15 Ishida Co Ltd ヒートシールテープおよび商品展示体
JP2013110117A (ja) * 2013-01-21 2013-06-06 Nec Corp フィルム外装電気デバイス及び組電池
CN114976392A (zh) * 2021-02-26 2022-08-30 本田技研工业株式会社 软包电池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4620202B2 (ja) ポリマー電池用包装材料の製造方法
JP2007273398A (ja) 電池用包装材料
JP5369583B2 (ja) 電池外装用包装材
JP4940496B2 (ja) リチウムイオン電池用包装材料およびその製造方法
JP2008251342A (ja) リチウムイオン電池及びそれを備えた電池パック
JP2003272572A (ja) 電池用外装体と電池の包装方法
JP4450913B2 (ja) ポリマー電池用包装材料の製造方法
JP2003242942A (ja) 電池用外装体と電池の包装方法
JP4769994B2 (ja) ポリマー電池用包装材料の製造方法
JP2002216715A (ja) リチウムイオン電池用包装材料
JP4899235B2 (ja) ポリマー電池用包装材料及びその製造方法
JP4620203B2 (ja) ポリマー電池用包装材料の製造方法
JP5333549B2 (ja) ポリマー電池用包装材料及びその製造方法
JP5187370B2 (ja) ポリマー電池用包装材料
JP2001266809A (ja) ポリマー電池用包装材料およびその製造方法
JP4668379B2 (ja) ポリマー電池用包装材料の製造方法
JP2009231164A (ja) 電気化学セル用包装材料
JP2002343313A (ja) 電池用包装材料
JP2002245984A (ja) リチウムイオン電池の包装方法
JP4867063B2 (ja) ポリマー電池用包装材料
JP4894077B2 (ja) ポリマー電池用包装材料
JP2001229886A (ja) ポリマー電池用包装材料およびその製造方法
JP4522518B2 (ja) ポリマー電池用包装材料の製造方法
JP2003036823A (ja) 電池用包装材料
JP2003272571A (ja) 電池用包装材料

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050510