JP4401775B2 - 酸化型グルタチオンの結晶およびその製造方法 - Google Patents

酸化型グルタチオンの結晶およびその製造方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、例えば健康食品、医薬品、化粧品等の製品、原料もしくは中間体等として有用である酸化型グルタチオンの結晶および酸化型グルタチオンの結晶の製造方法に関する。
背景技術
酸化型グルタチオンは、還元型グルタチオンと同様の作用を有し、酸化型グルタチオンが有する作用としては、例えば経口投与による肝臓での解毒作用等が知られている[ジャーナル・オブ・ニュートリショナル・サイエンス・アンド・ビタミノロジー(J.Nutr.Sci.Vitaminol.)、第44巻、613頁(1998年)]。そのため、酸化型グルタチオンは、還元型グルタチオンを使用している各種用途に使用することができ、例えば健康食品、医薬品、化粧品等の製品、原料もしくは中間体等として有用である。
酸化型グルタチオンの製造方法としては、発酵法、酵素法等により得られる例えば還元型グルタチオンの水溶液、酵母液等を原料とし、例えば特開平5−146279号公報、特開平7−177896号公報等に記載の方法で酸化反応を行い、酸化型グルタチオン溶液を得た後、濃縮、希釈等により酵母エキス液を得る方法、腑型剤等を添加し、凍結乾燥、噴霧乾燥等により酸化型グルタチオン含有酵母エキス粉末を得る方法、分離精製後、凍結乾燥、噴霧乾燥等により酸化型グルタチオン粉末(非結晶アモルファス)を得る方法等が知られている。
しかし、酸化型グルタチオンを結晶として取得することは困難なため、固体としての供給は凍結乾燥等により得られる粉末(凍結乾燥粉末;非結晶アモルファス)の形態で行われているが、この凍結乾燥は取得効率の面から工業的な大量供給には不向きである。その為、大量供給または工業化に適した酸化型グルタチオンの結晶およびその製造方法が求められている。
また、酸化型グルタチオンの凍結乾燥粉末は、吸湿性、潮解性等があり、安定性に問題があることが知られている。そのため、例えば保存、輸送、流通等において、冷蔵もしくは冷凍するかまたは吸湿させないための特殊な包装形態とする必要があり、工業レベルでの大量供給には、常温で保存可能な酸化型グルタチオンの結晶およびその製造方法が求められる。
酸化型グルタチオンの結晶としては、8水和物の結晶[1999・インターナショナル・ユニオン・オブ・クリスタログラフィー(1999International Union of Crystallography)、1538頁(1999年)]が唯一知られており、その製造方法が知られている。しかしながら、該結晶は、大気中に常温で保存した場合、結晶水が離脱して酸化型グルタチオンの結晶中に含有される水分量が一定しないという問題を有する。一方、該製造方法では、結晶化の貧溶媒としてポリエチレングリコールを用いており、ポリエチレングリコールの粘度が高いため、晶析、濃縮等における操作性、生産性等に問題が生じる。また、ポリエチレングリコールは沸点が高く、乾燥等によるその除去は困難であり、酸化型グルタチオンの純度の低下を招く。さらには、該製造方法は、再現性に乏しく、結晶化に要する時間が3〜4日間と長く、大量合成または工業化には適さない。
発明の開示
本発明の目的は、例えば健康食品、医薬品、化粧品等の製品、原料もしくは中間体等として有用である酸化型グルタチオンの結晶を提供することおよび大量合成または工業化に適した酸化型グルタチオンの結晶の製造方法を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(12)に関する。
(1)酸化型グルタチオン・n水和物(式中、nは0以上8未満の整数または分数を表す)の結晶。
(2)nが0以上2以下の整数または分数である上記(1)記載の酸化型グルタチオン・n水和物の結晶。
(3)酸化型グルタチオン・1水和物の結晶。
(4)酸化型グルタチオン含有水溶液と水混和性有機溶媒の混合溶液から酸化型グルタチオンを結晶化する工程を含むことを特徴とする酸化型グルタチオンの結晶の製造方法。
(5)酸化型グルタチオン含有水溶液に水混和性有機溶媒を添加または滴下する工程を含むことを特徴とする酸化型グルタチオンの結晶の製造方法。
(6)水混和性有機溶媒に酸化型グルタチオン含有水溶液を添加または滴下する工程を含むことを特徴とする酸化型グルタチオンの結晶の製造方法。
(7)酸化型グルタチオンの結晶が酸化型グルタチオン・n水和物(式中、nは0以上8未満の整数または分数を表す)の結晶である上記(4)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(8)nが0以上2以下の整数または分数である上記(7)記載の製造方法。
(9)nが1である上記(7)記載の製造方法。
(10)水混和性有機溶媒が、アルコール類またはケトン類である上記(4)〜(9)のいずれかに記載の製造方法。
(11)水混和性有機溶媒が、メタノールまたはアセトンである上記(4)〜(9)のいずれかに記載の製造方法。
(12)酸化型グルタチオン含有水溶液が、酸化型グルタチオンの溶液を合成吸着樹脂処理またはイオン交換樹脂処理することにより得られる水溶液である上記(4)〜(11)のいずれかに記載の製造方法。
本発明において、
(i)酸化型グルタチオンの結晶としては、特に制限はないが、例えば酸化型グルタチオン・n水和物(式中、nは前記と同義である)の結晶が好ましく、さらにはnが0以上2以下の整数または分数であるものが好ましい。
(ii)酸化型グルタチオンの溶液としては、酸化型グルタチオンを含有する溶液であればいずれでもよいが、例えば特公昭44−239号公報、同46−4755号公報、同46−2838号公報、特開昭61−74595号公報等に記載の方法に準じて、合成法、発酵法または酵母法により得られる還元型グルタチオンを、還元型グルタチオンを含有する反応液のまま、または例えば精製した溶液、凍結乾燥粉末等として取得し、取得した還元型グルタチオンを、特開平5−146279号公報、特開平7−177896号公報等に記載の方法に準じて、例えば酸素、過酸化水素、アスコルビン酸を酸化する酵素等で酸化することにより得られる酸化型グルタチオンの反応液、培養液、酵母液、除菌液等があげられる。
(iii)酸化型グルタチオン含有水溶液としては、酸化型グルタチオンを含有する水溶液であればいずれでもよいが、溶解成分中の酸化型グルタチオンの純度が50%以上である水溶液が好ましく、さらには70%以上である水溶液がより好ましい。該水溶液は、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等、他の有機溶媒を含んでいてもよい。該水溶液中の水の含量としては、20%以上が好ましい。具体的には、例えば酸化型グルタチオンの溶液(該酸化型グルタチオンの溶液は、上記酸化型グルタチオンの溶液と同義である)を前処理(該前処理法としては、例えば膜処理、ゲル濾過処理、活性炭処理、イオン交換樹脂処理、合成吸着樹脂処理、キレート樹脂処理、溶媒沈殿等、好ましくは活性炭処理、イオン交換樹脂処理、合成吸着樹脂処理、溶媒沈殿等があげられ、中でも合成吸着樹脂処理またはイオン交換樹脂処理がより好ましく、これらの処理法は適宜組み合わせてもよい)することにより調製される水溶液等があげられる。
また、酸化型グルタチオン含有水溶液としては、含有される酸化型グルタチオンの濃度が50〜700g/Lである水溶液が好ましい。中でも100〜400g/Lである水溶液が好ましく、これらは、適宜例えば濃縮等により調製される。
(iv)水混和性有機溶媒としては、水と混和する性質を有する有機溶媒であればいずれでもよいが、好ましくは、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等があげられる。
(v)合成吸着樹脂としては、例えば非極性で多孔質の吸着樹脂等があげられ、具体的にはダイヤイオンHPシリーズ(例えば、HP10、HP20、HP21、HP30、HP40、HP50等;三菱化学製)、ダイヤイオンSP800シリーズ(例えば、SP800、SP825、SP850、SP875等;三菱化学製)、ダイヤイオンSP200シリーズ(例えば、SP205、SP206、SP207、SP207SS等;三菱化学製)、アンバーライトXADシリーズ(例えば、XAD4、XAD7HP、XAD16、XAD1600等;ローム アンド ハース社製)等があげられる。中でも、SP207が好ましい。
(vi)イオン交換樹脂としては、例えば強塩基性アニオン交換樹脂、弱塩基性アニオン交換樹脂、強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂等があげられる。
強塩基性アニオン交換樹脂としては、例えばダイヤイオンPAシリーズ(例えば、PA306、PA312、PA412等;三菱化学製)等があげられ、弱塩基性アニオン交換樹脂としては、例えばダイヤイオンWAシリーズ(例えば、WA10、WA20、WA30等;三菱化学製)等があげられる。
強酸性カチオン交換樹脂としては、例えばアンバーライトIRシリーズ(例えば、124Na、252Na等;オルガノ社製)、ダウエックス(例えば、XUS−40232.01等;ダウケミカル社製)等があげられ、弱酸性カチオン交換樹脂としては、例えばアンバーライトIRCシリーズ(例えば、IRC−50、IRC−70等;ローム アンド ハース社製)等があげられる。
次に、酸化型グルタチオンの結晶の製造方法の一例について詳細に説明する。
製造法:
1.酸化型グルタチオン含有水溶液の調製
特開平5−146279号公報、特開平7−177896号公報等に記載の方法に準じて、還元型グルタチオンを、例えば酸素、過酸化水素、アスコルビン酸を酸化する酵素等で酸化し、酸化型グルタチオンの反応液、培養液、酵母液、除菌液等を得る。これを溶解成分中の酸化型グルタチオンの純度が例えば50%以上、好ましくは70%以上になるように必要に応じて前処理に付す。前処理した溶液または未処理の溶液を、含有される酸化型グルタチオンの濃度が例えば50〜700g/L、好ましくは100〜400g/Lとなるように、濃縮することにより酸化型グルタチオン含有水溶液を得る。また、前処理した溶液または未処理の溶液を凍結乾燥により粉末とし、得られた粉末を同様の濃度となるように水に溶解することによっても酸化型グルタチオン含有水溶液を得ることができる。このとき、粉末として市販の酸化型グルタチオンを用いてもよい。
酸化型グルタチオン含有水溶液を得るための前処理法としては、例えば膜処理、ゲル濾過処理、活性炭処理、イオン交換樹脂処理、合成吸着樹脂処理、キレート樹脂処理(キレート樹脂処理に使用するキレート樹脂としては、例えば、デュオライトC467;住友化学工業(株)製等があげられる)、溶媒沈殿等、好ましくは活性炭処理、イオン交換樹脂処理、合成吸着樹脂処理、キレート樹脂処理、溶媒沈殿等があげられ、中でも合成吸着樹脂処理またはイオン交換樹脂処理がより好ましく、これらの処理法は適宜組み合わせてもよい。
さらに具体的には、例えば、酸化型グルタチオン反応液、培養液、酵母液、除菌液等を合成吸着樹脂、好ましくはSP207に通塔し、水または水混和性有機溶媒(該水混和性有機溶媒は前記と同義である)を単独でもしくは2種以上を混合して溶出液とし、分離精製を行うか、または、酸化型グルタチオン反応液、培養液、酵母液、除菌液等を架橋度12%以上の強酸性カチオン交換樹脂(H型)、好ましくはSK112またはSK116に通塔後、さらに架橋度4%以下の強酸性カチオン交換樹脂(H型)、好ましくはSK102またはXUS−40232.01に通塔して、各々水または水混和性有機溶媒(該水混和性有機溶媒は前記と同義である)単独のもしくはこれら2種以上を混合した溶出液、アンモニア水溶液、塩化ナトリウム水溶液等で溶出して分離精製を行うことにより高純度の酸化型グルタチオン含有水溶液を調製できる。原料である還元型グルタチオンとしては、市販品を用いるかまたは既知の方法(例えば、特公昭44−239号公報、同46−4755号公報、同46−2838号公報、特開昭61−74595公報等に記載の方法)に準じて、合成法、発酵法または酵母法により得られる還元型グルタチオンを含有する反応液、精製した溶液もしくは凍結乾燥粉末を用いることができる。
2.酸化型グルタチオンの結晶製造
1.で得られた酸化型グルタチオン含有水溶液を、必要に応じて塩酸もしくは硫酸、または水酸化ナトリウム水溶液等でpH値が例えば2.5〜3.5となるように調整し、これに−20℃から用いる水混和性有機溶媒の沸点の間の温度または還流下で、水混和性有機溶媒を、1分間〜10時間、好ましくは1〜7時間かけて添加しながら晶析を行う。添加終了後、さらに15分間〜20時間、好ましくは0.5〜6時間、−20℃から35℃の間の温度で攪拌晶析して結晶を析出させる。析出する結晶を、例えば遠心濾過、デカンテーション等に付して結晶を分離し、水または水混和性有機溶剤で結晶を洗浄後、減圧下または通風下で取得した結晶を乾燥することにより、酸化型グルタチオンの結晶を得ることができる。また、さらに洗浄、乾燥、再結晶等の操作を行うことによりさらに精製することもできる。
また、1.で得られた酸化型グルタチオン含有水溶液を、必要に応じて塩酸もしくは硫酸、または水酸化ナトリウム水溶液等で、pH値が例えば2.5〜3.5となるように調整し、これを水混和性有機溶媒へ添加しながら晶析することによっても酸化型グルタチオンの結晶を得ることができる。
大量合成または工業化においては、上記2つの方法の方がより好ましいが、1.で得られた酸化型グルタチオン含有水溶液を、必要に応じて塩酸もしくは硫酸、または水酸化ナトリウム水溶液等で、pH値が例えば2.5〜3.5となるように調整し、24時間以上静置して結晶を析出させることによっても酸化型グルタチオンの結晶を得ることができる。
これらの晶析を行うときには、必要に応じて種晶を添加してもよい。
上記製造方法で得られる酸化型グルタチオンの結晶は、各種水混和性有機溶媒との付加物として得られることもあるが、これら各種水混和性有機溶媒との付加物も本願の結晶に含有される。
また、上記製造方法で得られる酸化型グルタチオンの結晶には、異なった結晶形または異なった粒度のものが存在する場合もあり、これらが単独でまたは混合物として得られることもあるが、これら異なった結晶形または異なった粒度のものの単独または混合物も本願の結晶に含有される。
次に、本発明の酸化型グルタチオンの結晶の保存安定性(吸湿性)を試験例により具体的に説明する。
試験例:酸化型グルタチオン・1水和物の結晶と酸化型グルタチオン凍結乾燥粉末との吸湿性の比較
実施例3で得られた酸化型グルタチオン・1水和物の結晶と参考例1で得られた酸化型グルタチオン凍結乾燥粉末について、23℃、常圧、湿度70%の条件下での吸湿性を追跡した。 その結果、参考例1で得られた酸化型グルタチオン凍結乾燥粉末は、著しく吸湿し、2日後には潮解した。これに対して、実施例3で得られた酸化型グルタチオン・1水和物の結晶では、含有水分量の変化はほとんどみられず、極めて安定であることが判った。
以下に、実施例および参考例により本発明を詳細に説明するが、いずれも本発明を限定するものではない。
発明を実施するための最良の形態
実施例1:酸化型グルタチオンの結晶(種晶)の取得
参考例1で得られた酸化型グルタチオン凍結乾燥粉末(3.0g)を水に溶解し、酸化型グルタチオン含有水溶液(5mL、酸化型グルタチオン含有濃度:600g/L)を調製した。この水溶液を48時間静置して、結晶を析出させた。結晶を濾取し、通風乾燥により酸化型グルタチオン・1水和物の結晶(0.6g)を得た。
融点:191℃
水分含量(カールフィッシャー法):3.08%
粉末X線回折[回折角(2θ°)、()内は相対強度比(I/I)を示す]:5.60(116),7.25(130),10.70(87),11.20(80),11.75(70),12.70(106),14.3(271),14.6(326),15.75(96),16.10(123),16.85(130),18.35(565),18.85(925),19.45(652),19.75(379),20.50(452),20.75(375),21.35(1090),22.10(291),23.20(293),23.50(314),24.15(241),24.80(303),25.70(248),26.25(155),27.10(235),27.55(181),28.20(208),28.55(239),29.00(354),29.85(157),30.25(163),30.85(130),31.40(145),32.00(155),33.10(150),34.15(173),35.65(227),35.95(194),36.70(178),37.00(173),38.50(161),39.00(150),39.50(120),40.65(163),41.20(132)
実施例2:酸化型グルタチオンの結晶の取得−1
参考例1で得られた酸化型グルタチオン凍結乾燥粉末(10.0g)を水に溶解し、酸化型グルタチオン含有水溶液(33mL、酸化型グルタチオン含有濃度:300g/L)を調製した。この水溶液を50℃に加温し、実施例1で得られた結晶(0.1g)を種晶として添加した。この溶液にメタノール(66mL)を5時間かけて添加し、晶析を行った。晶析液を30分かけて20℃まで冷却した後、結晶を濾取し、通風乾燥により酸化型グルタチオン・1水和物の結晶(8.5g)を得た。
実施例3:酸化型グルタチオンの結晶の取得−2
特開昭61−74595号公報の実施例2に記載の方法に準じて得られた還元型グルタチオンの反応液を、特開平5−146279号公報に記載の方法に準じて、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整した後、系内に酸素を吹き込んで酸化し、酸化型グルタチオン反応液(48.1L、酸化型グルタチオン含有濃度:18.0g/L)を得た。この反応液を硫酸でpH3.0に調整した後、除菌処理して酸化型グルタチオンの除菌液(55.5L、酸化型グルタチオン含有濃度:14.4g/L)を得た。この除菌液をダイヤイオンSK116(22L)に通塔した後、ダウエックスXUS−40232.01(13L)に吸着させ、アンモニア水溶液(20L、濃度:2mol/L)で溶出させた。この溶出液をダイヤイオンSK116(7L)に通塔してフリー化およびアンモニアの除去を行い、酸化型グルタチオン含有水溶液(19L、酸化型グルタチオン含有濃度:35.4g/L)を得た。この溶液に活性炭(130g)を添加し、40℃で1時間攪拌した後、濾過により活性炭を除去した。得られた濾液を、2.24L(酸化型グルタチオン含有濃度:300g/L)まで濃縮し、35℃で攪拌しながら、実施例1に記載の方法に準じて得られる結晶(13g)を種晶として添加した。この溶液にメタノール(4.6L)を5時間かけて添加し、晶析を行った。晶析液を2時間かけて20℃まで冷却した後、結晶を濾取し、通風乾燥により酸化型グルタチオン・1水和物の結晶(610g)を得た。
参考例1:酸化型グルタチオン凍結乾燥粉末の取得
特開平5−146279号公報に記載の方法に準じて、還元型グルタチオン4.8gを水(24mL)に溶解し、得られた水溶液を水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整した後、硫酸銅存在下で攪拌した。反応液をダイヤイオンSK116(32mL)およびデュオライトC467(4mL、住友化学工業(株)製)に通塔し、処理液を濃縮して酸化型グルタチオン含有水溶液(11mL、酸化型グルタチオン含有濃度:300g/L)を得た。この水溶液を凍結乾燥して、酸化型グルタチオン凍結乾燥粉末3.0gを得た。
産業上の利用可能性
本発明により、例えば健康食品、医薬品、化粧品等の製品、原料もしくは中間体等として有用である酸化型グルタチオンの結晶および大量合成または工業化に適した酸化型グルタチオンの結晶の製造方法が提供される。

Claims (7)

  1. 酸化型グルタチオン・1水和物の結晶。
  2. 粉末X線回折において、回折角(2θ)が、5.60°,7.25°,10.70°,11.20°,11.75°,12.70°,14.3°,14.6°,15.75°,16.10°,16.85°,18.35°,18.85°,19.45°,19.75°,20.50°,20.75°,21.35°,22.10°,23.20°,23.50°,24.15°,24.80°,25.70°,26.25°,27.10°,27.55°,28.20°,28.55°,29.00°,29.85°,30.25°,30.85°,31.40°,32.00°,33.10°,34.15°,35.65°,35.95°,36.70°,37.00°,38.50°,39.00°,39.50°,40.65°および41.20°においてピークを有する酸化型グルタチオン・1水和物の結晶。
  3. 酸化型グルタチオン含有水溶液にアルコール類およびケトン類からなる群より選ばれる1つの溶媒を添加または滴下する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の酸化型グルタチオン・1水和物の結晶の製造方法。
  4. 酸化型グルタチオン含有水溶液にメタノール、エタノール、n−プロパノールおよびイソプロピルアルコールからなる群より選ばれる溶媒を添加または滴下する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の酸化型グルタチオン・1水和物の結晶の製造方法。
  5. 酸化型グルタチオン含有水溶液にメタノールを添加または滴下する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の酸化型グルタチオン・1水和物の結晶の製造方法。
  6. 酸化型グルタチオン含有水溶液が、酸化型グルタチオンの溶液を合成吸着樹脂処理またはイオン交換樹脂処理することにより得られる水溶液である請求項3〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 請求項3〜6のいずれかに記載の製造方法により得られる酸化型グルタチオン・1水和物の結晶。
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