JP4400291B2 - 車両の制動制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両の制動制御装置に関し、特にブレーキペダル等の制動操作子に対して、機械的に接続されたブレーキ系統と電気的に接続されたブレーキ系統に二つのブレーキ系統を備えた車両の制動制御装置に好適なものである。
ブレーキペダル等の制動操作子に対して、車両の全ての車輪のブレーキ系統を電気的に接続する、所謂ブレーキバイワイヤと呼ばれる制動装置がある。このようなブレーキバイワイヤでは、例えば制動用シリンダとして各車輪に装備されているホイールシリンダへの作動油圧を、例えばポンプによる昇圧や各油圧制御バルブの動作によって制御することが可能である(例えば特許文献1参照)。
特開2000−135976公報
ところで、前述したブレーキバイワイヤ、つまり制動操作子に対して電気的に接続されたブレーキ系統と、既存の制動装置、即ち制動操作子に対して機械的に接続されたブレーキ系統とを並設した車両が考えられる。このような車両の場合、特開2000−135976公報の技術思想を単純に流用すると、例えば車両を停止状態に維持するときには、ブレーキバイワイヤ側のブレーキ系統も、常に制動力を発生し続けなければならない。つまり、例えばポンプを駆動し続けるとか、油圧制御バルブを作動させ続けるなどしなければならないことになる。しかしながら、ポンプを駆動し続けたり、油圧制御バルブを作動させ続けたりすることは、電力の消費につながる。また、電磁ソレノイドバルブの連続作動時間は90秒程度が限界なので、それ以上の連続作動は事実上、できないことになる。
本発明は、前記諸問題を解決すべく開発されたものであり、ブレーキバイワイヤと機械的制動装置とを並設した車両にあって、電力の消費を抑制可能な車両の制動制御装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明の車両の制動制御装置は、ブレーキバイワイヤと機械的制動装置を並設した車両において、車両の停止時、機械的制動装置による制動力だけで車両の停止状態を維持できるときには、ブレーキバイワイヤ側を非作動状態とすることを特徴とするものである。
而して、本発明の車両の制動制御装置によれば、ブレーキバイワイヤと機械的制動装置を並設した車両において、車両の停止時、機械的制動装置による制動力だけで車両の停止状態を維持できるときには、ブレーキバイワイヤ側を非作動状態とする構成としたため、ブレーキバイワイヤ側で消費される電力を抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の制動制御装置を適用した車両の一実施形態を示すシステム構成図である。この車両は、前輪1FL、1FRが駆動輪、後輪1RL、1RRが従動輪となる前輪駆動車両であり、エンジンの駆動トルクは、トルクコンバータ付きの自動変速機を介して前記前輪1FL、1FRに伝達される。
各車輪1FL〜1RRは、所謂ディスクブレーキを構成するホイールシリンダ4FL〜4RRを備えている。このホイールシリンダ4FL〜4RRは、何れも供給される制動流体圧によって各車輪1FL〜1RRに制動力を付与するものであるが、本実施形態では、前輪1FL、1FRのホイールシリンダ4FL、4FRは、運転者によるブレーキペダル(制動操作子)2の操作に伴って制動流体圧を昇圧するマスタシリンダ22に機械的に(配管を介して)接続されており(コンベンショナルブレーキともいう)、後輪1RL、1RRのホイールシリンダ4RL、4RRは、マスタシリンダ22とは機械的に接続されていない。この後輪1RL、1RRのホイールシリンダ4RL、4RRは、前述したブレーキバイワイヤになっており、それらの制動力は制動流体圧制御装置13及び制動流体圧コントローラ10によって制御可能である。つまり、前輪1FL、1FRのホイールシリンダ4FL、4FRとマスタシリンダ22は、本発明の第1のブレーキ系統に相当し、後輪1RL、1RRのホイールシリンダ4RL、4RRと制動流体圧制御装置13と制動流体圧コントローラ10とが本発明の第2のブレーキ系統に相当する。
具体的には、制動流体圧制御装置13によって、例えば駆動力制御装置(TCS)のように制動流体圧を増圧したり、アンチスキッド制御装置(ABS)のように制動流体圧を減圧したりすることにより、後輪1RL、1RRのホイールシリンダ4RL、4RRへの制動流体圧を調整し、後輪1RL、1RRへの制動力を制御することができる。そのため、制動流体圧制御装置13内には、作動流体を吸入したり吐出したりするためのポンプや、制動流体圧そのものを制御するための調圧バルブや電磁ソレノイドバルブなどを内装している。なお、この制動流体圧制御装置13では、後述する制動流体圧コントローラ10からの後輪制動力指令値FRCが“0”である場合には、ポンプを停止し、電磁ソレノイドバルブへの通電を停止する、所謂非作動状態とする。
また、この車両には、前記制動流体圧コントローラ10で後輪1RL、1RRの制動力を制御するために、各車輪1FL〜1RRの回転速度を車輪速度Vwi として検出する車輪速度センサ5FL〜5RR、路面勾配による加減速度を含めて車体に作用する前後加減速度GX を検出する加速度センサ6、マスタシリンダ22の出力圧をマスタシリンダ圧PMCとして検出する圧力センサ7を備えている。
制動流体圧コントローラ10は、種々の演算処理を行うために、例えばマイクロコンピュータ等の演算処理装置を備えて構成される。そして、車輪速度センサ5FL〜5RRで検出される車輪速度Vwi 、加速度センサ6で検出される前後加減速度GX 、圧力センサ7で検出されるマスタシリンダ圧PMCに基づいて後輪制動力指令値FRCを算出し、それを制動流体圧制御装置13に向けて出力する。
次に、制動流体圧コントローラ10内で行われる後輪制動力指令値算出の演算処理について図2のフローチャートに従って説明する。この演算処理は、例えば10msec. 程度に設定された所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込によって実行される。なお、このフローチャートでは、特に通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた結果は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報やプログラムは随時記憶装置から読込まれる。
この演算処理では、まずステップS1で、圧力センサ7で検出されたマスタシリンダ圧PMCを読込む。
次にステップS2に移行して、ステップS1で読込んだマスタシリンダ圧PMCに所定の変換係数k1 を乗じて前輪制動力FF を算出する。
次にステップS3に移行して、例えば理想制動力配分の逆比などに応じて、ステップS1で読込んだマスタシリンダ圧PMCに関する所定の関数fから車両として要求されている車両要求制動力FVOを算出する。
次にステップS4に移行して、ステップS3で算出された車両要求制動力FVOからステップS2で算出された前輪制動力FF を減じて不足分制動力FVUを算出する。
次にステップS5に移行して、車輪速度センサ5FL〜5RRで検出された各車輪速度Vwi を読込み、それらの平均値から平均車輪速度VwA を算出する。
次にステップS6に移行して、ステップS5で算出された平均車輪速度VwA が“0”である、即ち車両が停止しているか否かを判定し、平均車輪速度VwA が“0”である場合にはステップS10に移行し、そうでない場合にはステップS8に移行する。なお、車両停止の判定は、車輪速度センサ5FL〜5RRで検出された車輪速度Vwi が全て“0”であることをもって、車両停止と判定するようにしてもよい。
ステップS10では、予め判明している自車両のクリープトルクTC よりもステップS2で算出された前輪制動力FF の方が大きいか否かを判定し、クリープトルクTC よりも前輪制動力FF の方が大きい場合にはステップS15に移行し、そうでない場合にはステップS11に移行する。
ステップS11では、制御作動フラグF1 が“1”のセット状態であるか否かを判定し、制御作動フラグF1 がセット状態である場合にはステップS12に移行し、そうでない場合にはステップS8に移行する。
ステップS12では、ステップS3で算出された車両要求制動力FVOが予め判明している自車両のクリープトルクTC よりも大きいか否かを判定し、車両要求制動力FVOがクリープトルクTC よりも大きい場合にはステップS14に移行し、そうでない場合にはステップS13に移行する。
ステップS13では、制御作動フラグF1 を“0”のリセット状態としてからステップS8に移行する。
ステップS8では、後輪制動力指令値FRCをステップS4で算出された不足分制動力FVUとしてからステップS9に移行する。
一方、ステップS14では、クリープトルクTC からステップS2で算出された前輪制動力FF を減じた値を後輪制動力指令値FRCにしてからステップS9に移行する。
また、ステップS15では、制御作動フラグF1 を“1”のセット状態としてからステップS16に移行する。
ステップS16では、後輪制動力指令値FRCを“0”としてからステップS9に移行する。
ステップS9では、後輪制動力指令値FRCを出力してからメインプログラムに復帰する。
この演算処理では、自車両が停止していないときには、車両要求制動力FVOから前輪制動力FF を減じた値が後輪制動力指令値FRCに設定されるので、前輪1FL、1FRと後輪1RL、1RRとで車両全体に要求されている制動力を達成する。
また、自車両の停止中であって、クリープトルクTC が前輪制動力FF より大きく、且つ車両要求制動力FVOがクリープトルクより小さい場合にも、車両要求制動力FVOから前輪制動力FF を減じた値が後輪制動力指令値FRCに設定されるので、前輪1FL、1FRと後輪1RL、1RRとで車両全体に要求されている制動力を達成するとともに、車両は停止状態を維持する。
また、自車両の停止中であって、クリープトルクTC が前輪制動力FF より大きく、且つ車両要求制動力FVOがクリープトルクより大きい場合には、クリープトルクTC から前輪制動力FF を減じた値が後輪制動力指令値FRCに設定されるので、前輪1FL、1FRと後輪1RL、1RRとでクリープトルク相当の制動力が達成され、車両は停止状態を維持する。
これに対し、自車両の停止中であって、クリープトルクTC が前輪制動力FF より小さいときには、後輪制動力指令値FRCが“0”になるので、制動流体圧制御装置13は非作動状態となり、ポンプは停止し、電磁ソレノイドバルブへの通電も停止される。従って、これらの装置への電力の消費を抑制することができる。勿論、クリープトルクTC が前輪制動力FF より小さいので、車両は前輪制動力FF のみによって停止状態を維持することができる。
なお、自車両の停止状態でブレーキペダルから足を離すと、マスタシリンダ圧PMCが“0”になるので、そのような場合には車両要求制動力FVO(=0)から前輪制動力FF (=0)を減じた値が後輪制動力指令値FRC(=0)に設定され、車両が発進可能となる。
このように、本実施形態の車両の制動制御装置によれば、車両が停止状態で且つ前輪制動力FF がクリープトルクTC より大きい場合、即ち前輪制動力FF のみによって車両を停止状態に維持できるときには、後輪制動力指令値FRCを“0”とする、即ち制動流体圧制御装置13を非作動状態とすることにより、電力の消費を抑制することができる。
以上より、図1のマスタシリンダ22及び前輪1FL、1FRのホイールシリンダ4FL、4FRが本発明の第1のブレーキ系統を構成し、以下同様に、図1の制動流体圧コントローラ10及び制動流体圧制御装置13及び後輪1RL、1RRのホイールシリンダ4RL、4RRが第2のブレーキ系統を構成し、図1の車輪速度センサ5FL〜5RR及び図2の演算処理のステップS7が停車検出手段を構成し、図2の演算処理のステップS10が停車維持検出手段を構成し、図2の演算処理のステップS16が制動制御手段を構成している。
次に、本発明の車両の制動制御装置の第2実施形態について説明する。この実施形態の車両の概略構成は、前記第1実施形態の図1のものと同様である。この実施形態では、制動流体圧コントローラ10内で行われる演算処理が、前記第1実施形態の図2のものから図3のものに変更されている。この図3の演算処理は、第1実施形態の図2のものと同等のステップも多数存在するが、フロー全体が異なるため、それらのステップについても簡潔に説明する。
この演算処理も、例えば10msec. 程度に設定された所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込によって実行される。なお、このフローチャートでは、特に通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた結果は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報やプログラムは随時記憶装置から読込まれる。
この演算処理では、まずステップS21で、圧力センサ7で検出されたマスタシリンダ圧PMCを読込む。
次にステップS22に移行して、ステップS21で読込んだマスタシリンダ圧PMCに所定の変換係数k1 を乗じて前輪制動力FF を算出する。
次にステップS23に移行して、例えば理想制動力配分の逆比などに応じて、ステップS21で読込んだマスタシリンダ圧PMCに関する所定の関数fから車両として要求されている車両要求制動力FVOを算出する。
次にステップS24に移行して、ステップS23で算出された車両要求制動力FVOからステップS22で算出された前輪制動力FF を減じて不足分制動力FVUを算出する。
次にステップS25に移行して、車輪速度センサ5FL〜5RRで検出された各車輪速度Vwi を読込み、それらの平均値から平均車輪速度VwA を算出する。
次にステップS26に移行して、ステップS25で算出された平均車輪速度VwA が“0”である、即ち車両が停止しているか否かを判定し、平均車輪速度VwA が“0”である場合にはステップS31に移行し、そうでない場合にはステップS27に移行する。
ステップS31では、加速度センサ6で検出される前後加速度GX を読込み、それを自車両の質量と重力加速度とで除し、その値の逆正弦値から路面勾配AR を算出してからステップS32に移行する。なお、加速度センサ6で検出される前後加速度GX と、車両の質量M、重力加速度g、路面勾配AR の関係は図4のようになり、結果、GX =M×g×AR となる。また、更に厳密を期す場合には、車輪速度センサ5FL〜5RRで検出された車輪速度Vwi の微分値として求めた車輪加速度と、加速度センサ6で検出される前後加速度GX とを比較して路面勾配AR を算出する。
ステップS32では、ステップS31で算出された路面勾配AR に変換係数k2 を乗じ、それにクリープトルクTC を和して停車維持必要制動力FVNを算出してからステップS33に移行する。
ステップS33では、ステップS32で算出された停車維持必要制動力FVNよりもステップS22で算出された前輪制動力FF の方が大きいか否かを判定し、停車維持必要制動力FVNよりも前輪制動力FF の方が大きい場合にはステップS40に移行し、そうでない場合にはステップS34に移行する。
ステップS34では、制御作動フラグF1 が“1”のセット状態であるか否かを判定し、制御作動フラグF1 がセット状態である場合にはステップS35に移行し、そうでない場合にはステップS27に移行する。
ステップS35では、ステップS22で算出された前輪制動力FF から記憶装置に更新記憶されている前輪制動力前回値FF0を減じて前輪制動力変化量ΔFF を算出してからステップS36に移行する。
ステップS36では、ステップS35で算出された前輪制動力変化量ΔFF に応じた後輪制動力増加補正量ΔFRCを算出してからステップS37に移行する。この後輪制動力増加補正量ΔFRCは、例えば制御マップ検索などによって設定され、前輪制動力変化量ΔFF が負の領域で小さいほど、つまり前輪制動力FF が速やかに小さくなっているほど、換言すればブレーキペダルが速く踏戻されているほど、小さく設定される。なお、後述するように、この後輪制動力増加補正量ΔFRCを後輪制動力指令前回値FRC0 に和して算出される基準後輪制動力指令値FRCB は、停車維持必要制動力FVNから前輪制動力FF を減じた値より小さくなるように設定されている。即ち、基準後輪制動力指令値FRCB と前輪制動力FF との加算値は停車維持必要制動力FVNより小さくなるように設定されている。
ステップS37では、記憶装置に更新記憶されている後輪制動力指令前回値FRC0 にステップS36で算出された後輪制動力増加補正量ΔFRCを和した値を基準後輪制動力指令値FRCB としてからステップS38に移行する。
ステップS38では、ステップS37で算出された基準後輪制動力指令値FRCB がステップS24で算出された不足分制動力FVUより大きいか否かを判定し、基準後輪制動力指令値FRCB が不足分制動力FVUより大きい場合にはステップS40に移行し、そうでない場合にはステップS39に移行する。
ステップS39では、制御作動フラグF1 を“0”のリセット状態としてからステップS27に移行する。
ステップS27では、後輪制動力指令値FRCをステップS24で算出された不足分制動力FVUとしてからステップS28に移行する。
一方、ステップS40では、ステップS37で算出された基準後輪制動力指令値FRCB を後輪制動力指令値FRCにしてからステップS28に移行する。
また、ステップS41では、制御作動フラグF1 を“1”のセット状態としてからステップS42に移行する。
ステップS42では、後輪制動力指令値FRCを“0”としてからステップS9に移行する。
ステップS28では、後輪制動力指令値FRCを制動流体圧制御装置13に向けて出力する。
次にステップS29に移行して、ステップS22で算出された前輪制動力FF を記憶装置の所定領域に前輪制動力前回値FF0として更新記憶する。
次にステップS30に移行して、ステップS27、ステップS40、ステップS42で算出された後輪制動力指令値FRCB を記憶装置の所定領域に後輪制動力指令前回値FRCO として更新記憶してからメインプログラムに復帰する。
この演算処理では、自車両が停止していないときには、車両要求制動力FVOから前輪制動力FF を減じた値が後輪制動力指令値FRCに設定されるので、前輪1FL、1FRと後輪1RL、1RRとで車両全体に要求されている制動力を達成する。
また、自車両の停止中であって、路面勾配AR とクリープトルクTC に応じた停車維持必要制動力FVNが前輪制動力FF より大きく、制御作動フラグF1 がリセット状態である場合にも、車両要求制動力FVOから前輪制動力FF を減じた値が後輪制動力指令値FRCに設定されるので、前輪1FL、1FRと後輪1RL、1RRとで車両全体に要求されている制動力を達成するとともに、車両は停止状態を維持する。
これに対し、自車両の停止中であって、路面勾配AR とクリープトルクTC に応じた停車維持必要制動力FVNが前輪制動力FF より小さいときには、後輪制動力指令値FRCが“0”になるので、制動流体圧制御装置13は非作動状態となり、ポンプは停止し、電磁ソレノイドバルブへの通電も停止される。従って、これらの装置への電力の消費を抑制することができる。勿論、停車維持必要制動力FVNが前輪制動力FF より小さいので、車両は前輪制動力FF のみによって停止状態を維持することができる。
一方、路面勾配AR とクリープトルクTC に応じた停車維持必要制動力FVNが前輪制動力FF より小さく、後輪制動力指令値FRCが“0”に設定される場合には、制御作動フラグF1 がセットされている。この制動作動フラグF1 のセット状態で、停車維持必要制動力FVNが前輪制動力FF より大きくなると、つまりブレーキペダルの踏戻しが行われると、前輪制動力変化量ΔFF に応じた、即ちブレーキペダルの踏戻し速度に応じた後輪制動力増加補正量ΔFRCが設定され、これを後輪制動力指令前回値FRC0 に和して基準後輪制動力指令値FRCB が設定され、不足分制動力FVUが基準後輪制動力指令値FRCB より小さい場合には、当該基準後輪制動力指令値FRCB が後輪制動力指令値FRCに設定される。
これを図5のタイミングチャートに基づいて説明する。ここでは前輪制動力FF が停車維持必要制動力FVNより僅かに大きく、その結果、後輪制動力指令値FRCが“0”となって制動流体圧制御装置13が非作動状態になっているものとし、そこからブレーキペダルの踏戻しが行われたものとすると、ペダル戻し速度が大きいほど、即ち前輪制動力変化量ΔFF が負の領域で小さいほど、後輪制動力増加補正量ΔFRCが小さく設定されるので、ペダル戻し速度が大きいほど、後輪制動力指令値FRC(=後輪制動力FR )は少しずつしか大きくならない。一般に、ブレーキペダルの足戻しが速いほど、運転者は速やかに車両を発進、加速したいものであるから、前輪制動力FF の減少に伴う後輪制動力指令値FRCの増加速度を小さく制限して車両の発進、加速を妨げないようにした。例えば、本実施形態のようにトルクコンバータからクリープトルクが発生しているような場合には、このようにすることで、ブレーキペダルの足戻しが速いほど、走行速度Vが速やかに立上る。
また、ブレーキペダル踏戻し時には、前輪制動力FF と後輪制動力指令値FRCとの加算値、即ち車両総制動力FV が停車維持必要制動力FVNより小さな値になるように、基準後輪制動力指令値FRCB を設定することにより、当該基準後輪制動力指令値FRCB が後輪制動力指令値FRCに設定された場合でも、車両の発進、加速が妨げられない。
このように、本実施形態の車両の制動制御装置によれば、車両が停止状態で且つ前輪制動力FF がクリープトルクTC より大きい場合、即ち前輪制動力FF のみによって車両を停止状態に維持できるときには、後輪制動力指令値FRCを“0”とする、即ち制動流体圧制御装置13を非作動状態とすることにより、電力の消費を抑制することができる。
また、前輪制動力FF が停車維持必要制動力FVNよりも小さくなったときに、前輪制動力FF と後輪制動力指令値FRCとの加算値が停車維持必要制動力FVNより小さな値になるように、後輪制動力指令値FRC、即ち基準後輪制動力指令値FRCB を設定することにより、車両の発進、加速が妨げられない。
また、運転者によるブレーキペダル戻し速度が大きいほど、前輪制動力FF の減少に伴う後輪制動力指令値FRCの増加速度を小さく制限することにより、車両のスムースな発進、加速が妨げられない。なお、ブレーキペダル戻し速度に応じた後輪制動力指令値FRCの増加速度は、例えば“0”であっても構わない。
以上より、図1のマスタシリンダ22及び前輪1FL、1FRのホイールシリンダ4FL、4FRが本発明の第1のブレーキ系統を構成し、以下同様に、図1の制動流体圧コントローラ10及び制動流体圧制御装置13及び後輪1RL、1RRのホイールシリンダ4RL、4RRが第2のブレーキ系統を構成し、図1の車輪速度センサ5FL〜5RR及び図3の演算処理のステップS26が停車検出手段を構成し、図3の演算処理のステップS33が停車維持検出手段を構成し、図3の演算処理のステップS42、ステップS35〜ステップS40が制動制御手段を構成している。
なお、前記実施形態では、前輪をマスタシリンダによるコンベンショナルブレーキ、後輪をブレーキバイワイヤとしたが、コンベンショナルブレーキとブレーキバイワイヤの組合せはこれに限定されるものではなく、例えば前1輪だけをコンベンショナルブレーキ、残りの3輪をブレーキバイワイヤとしてもよい。また、前輪がブレーキバイワイヤ、後輪がコンベンショナルブレーキ、左右の一方がブレーキバイワイヤ、他方がコンベンショナルブレーキとしても構わない。
また、車輪の数も4輪に限定されない。例えば2輪であっても構わない。そのうちの何れかの車輪がコンベンショナルブレーキ、残りがブレーキバイワイヤという組合せであれば、如何様な輪数、組合せであってもよい。
また、前記実施形態では、コントローラをマイクロコンピュータで構成したが、これに代えて、適宜演算処理装置を用いてもよい。
本発明の制動制御装置を適用した車両のシステム概略構成図である。 図1の制動流体圧コントローラで行われる後輪制動力指令値算出のための演算処理の第1実施形態を示すフローチャートである。 図1の制動流体圧コントローラで行われる後輪制動力指令値算出のための演算処理の第2実施形態を示すフローチャートである。 加速度センサの出力と路面勾配との関係を示す説明図である。 図3の演算処理の作用の説明図である。
符号の説明
1FL〜1RRは車輪
2はブレーキペダル
4FL〜4RRはホイールシリンダ
5FL〜5RRは車輪速度センサ
6は加速度センサ
7は圧力センサ
10は制動流体圧コントローラ
13は制動流体圧制御装置

Claims (2)

  1. 車両の何れかの車輪に配設され且つ運転者が操作する制動操作子に機械的に接続された第1のブレーキ系統と、前記第1のブレーキ系統以外の車輪に配設され且つ運転者が操作する制動操作子とは電気的に接続された第2のブレーキ系統と、車両が停止状態であることを検出する停車検出手段と、前記第1のブレーキ系統の制動力のみで車両の停止状態を維持できることを検出する停車維持検出手段と、前記停車検出手段で車両の停止状態が検出され且つ停車維持検出手段で第1のブレーキ系統の制動力のみで車両の停止状態が維持できることが検出されたときに、前記第2のブレーキ系統を非作動状態とする制動制御手段とを備え、前記制動制御手段は、前記第1のブレーキ系統の制動力が車両の停止状態を維持できる制動力よりも小さくなったときに、第1のブレーキ系統の制動力と第2のブレーキ系統の制動力の加算値が車両停止状態を維持する制動力よりも小さな値になるように第2のブレーキ系統の制動力を制御することを特徴とする車両の制動制御装置。
  2. 前記制動制御手段は、前記第1のブレーキ系統の制動力の減少する速度が大きいほど、第2のブレーキ系統の制動力の増加速度を小さく制限することを特徴とする請求項1に記載の車両の制動制御装置。
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