JP4399259B2 - 加水分解性単量体の含有量が低くて自浄性防汚塗料に適した結合剤 - Google Patents

加水分解性単量体の含有量が低くて自浄性防汚塗料に適した結合剤 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は自浄性防汚塗料(self−polishing antifouling paints)用結合剤(binders)に関する。本発明は、また、それを自浄性防汚塗料で用いることにも関する。本発明は、更に、重合体バックボーン(back−bone)と結合していて海水中で加水分解を起こした時に酸基を生じる加水分解性官能性(A)と一緒にN−ビニルラクタム単位(B)を含有する共重合体の侵食速度(erosion rate)を調節する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
船体の海中部分に海洋有機体が成長すると船の性能が劣ってくる。
【0003】
防汚剤含有トップコート(topcoat)塗料を船体に塗布すると海による汚れの度合が制御される。そのような防汚剤は殺生物剤であり、このような殺生物剤は塗料の表面からそれの濃度が表面近くに存在する海洋有機体を死滅させるような速度で遊離して来る。
【0004】
トリオルガノ錫(triorganotin)単量体の含有量が50−80重量%で(i)防汚塗膜に新しい表面が絶えず現われかつ(ii)塗膜の表面が絶えず滑らかになるように徐々に溶解する膜形成性(film−forming)共重合体が特許文献1に開示されている。
【0005】
結合剤表面で錫−エステル結合に加水分解を受けさせることが基になった技術が20数年に亘って市場を支配している。その反応が起こるのは表面のみであるが、拡散および希釈過程はその反応を伝播させるに充分なほど強力である。そのようにして生じた反応生成物は、ペンダント型カルボン酸基を有する水溶性の安定なメタアクリル系結合剤(methacrylic binder)とトリブチル錫オキサイド(即ち、TBTO、これはあまり安定でなく、TBTの水酸化物および塩化物もまた反応生成物として挙げられている)である。このような過程で塗膜の表面層が強度を失う。その表面層は追加的に水溶性顔料および殺生物剤が間断なく滲出することでも弱くなっている。このように、船の移動で加えられる水の摩擦力によって前記塗膜の表面が侵食を徐々に受ける。海用防汚塗料で用いるための重合体が特許文献2に開示されている。その重合体は、
− 少なくとも1種のオレフィン系不飽和カルボン酸トリオルガノ錫塩である単量体単位(monomer units)Aが20から45重量%で、
− VP(ビニルピロリドン)、VPi(ビニルピペリドン)およびVC(ビニルカプロラクタム)を包含する群から選択される少なくとも1種の共重合用単量体Bが5から35重量%で(ここで、A+Bの合計は重合体組成物の40から70重量%である)、
− 重合体の残りである少なくとも1種のメタアクリル酸C1−C4アルキルおよび/またはスチレン単量体単位C、
の重合で生じさせたものであった。
【0006】
いろいろな加水分解性基をトリオルガノ錫基の代わりに用いることが特許文献3に開示されている。とりわけ、トリオルガノシリル基の使用が開示されている。(メタ)アクリル酸トリオルガノシリルのエステル結合が加水分解を起こすと水溶性の結合剤と毒性のないシロキサンが生じる。その後、そのようなシリルアクリレート技術に貢献する特許が数多く出された。
【0007】
トリアルキルシリル単量体と共重合用エーテル単量体の共重合体の使用が特許文献4に提案された。トリアルキルシリル単量体とヘミアセタールエステル基含有共重合用単量体の共重合体の使用が特許文献5に提案された。
【0008】
トリアルキルシリル単量体の共重合体を塩素置換パラフィンと混合することが特許文献6に提案された。トリアルキルシリル単量体の共重合体をロジンと混合することが特許文献7に提案された。
【0009】
C4+モノアミンまたは第四級アンモニウム化合物を安定剤として用いることが特許文献8に提案された。
【0010】
カルボン酸とピロリドンを極性基として含有するマクロマーを合成する目的でメタアクリル酸トリメチルシリルとビニルピロリドンとメタアクリル酸エチルとベータ−メルカプトエタノールを含有させた単量体組成物を重合させる1つの例が特許文献9に開示された。前記例では、酸による加水分解後にカルボン酸官能を生じる保護基としてトリメチルシリル基が用いられた。中間体であるアクリル酸シリル重合体の単離は行われなかった。
【0011】
自浄性防汚塗料用の無金属(metal−free)結合剤が特許文献10に開示されており、それは、
− エチレン系不飽和カルボン酸のトリアルキルシリルエステルおよびこれらの混合物から成る群から選択される単量体単位Aが4から50モル%で、
− 一般式
【化4】
Figure 0004399259
(以下、CH 2 =CH−NR""'−CO−R'|と表すこともある)で表されるN−ビニルラクタム単量体、一般式CH2=CH−N−CO−R"で表されるN−ビニルアミド、一般式
【化5】
Figure 0004399259
(以下、CH 2 =CR"'−COO−R""−NR""'−CO−R'|と表すこともある)で表される単量体、一般式CH2=CR"'−COO−R""−N−CO−R"で表される単量体、2−ピロリドン−1−イソプレニルケトンおよびこれらの混合物
[ここで、
R'は、炭素原子数が2から8のn−アルキリデン基であり、
R"は、炭素原子数が最大で18のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールおよびアリールアルキル基から成る群から選択され、
R"'は、HまたはCH3であり、
R""は、炭素原子数が1から8のn−アルキリデン基であり、
R""'は、HまたはR"である]
から成る群から選択される単量体単位Bが3から45モル%で、
− 単量体単位の残りであるエチレン系不飽和カルボン酸とC1−C18アルコールのエステル、スチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルトルエンおよびこれらの混合物から成る群から選択される単量体単位C、
の重合で生じさせたものであった。
【特許文献1】
英国特許出願公開第1457590号
【特許文献2】
ヨーロッパ特許出願公開第0218573号
【特許文献3】
ヨーロッパ特許出願公開第131626号(M&T)
【特許文献4】
米国特許第5436284号(NOF)
【特許文献5】
ヨーロッパ特許出願公開第714957号(NOF)
【特許文献6】
ヨーロッパ特許出願公開第775733号(Chugoku)
【特許文献7】
ヨーロッパ特許出願公開第802243号(NOF)
【特許文献8】
WO91/14743(Courtaulds)
【特許文献9】
米国特許第5,558,996号(Fuji Photo Film Co.)
【特許文献10】
ヨーロッパ特許出願公開第1127902号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明者は、特許文献10の教示とは対照的に、親水性単量体Bの含有量を特定の範囲内にすることを条件として加水分解性Aの含有量を驚くべきほど低くしても優れた性能を示す結合剤を生じさせることができることを見いだした。そのように使用する加水分解性単量体の含有量を低くするとまた費用効果も非常に高くなる。
【0013】
本発明の目的は、加水分解性単量体の含有量が低いにも拘らず自浄性塗料で使用可能な結合剤を提供することにある。
【0014】
別の目的は、船体用トップコート塗料として用いるに適するように侵食性を向上させた防汚塗料組成物を提供することにある。
【0015】
本発明のさらなる目的は、水の存在下で加水分解が前以て決めておいた速度で起こるように改良を受けさせた自浄性防汚塗料用高分子量結合剤(polymeric binder)を提供することにある。
【0016】
更に別の目的は、N−ビニルラクタム単位(B)を加水分解性官能性(A)と組み合わせて含有する共重合体が基になった自浄性塗料の侵食速度を調節する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、(1)いわゆる加水分解型の単量体(A)および親水型の単量体(B)の含有量を単に変えることで浄化速度(polishing rate)を調節することが可能な新規な自浄性防汚塗料用重合体を提供するものである。
【0018】
B型の単量体の濃度が疑い無く充分なほど高い共重合体は水溶性である。その濃度以下の重合体はそのような特性を失いはするが、それでも親水性である。
【0019】
本発明は、A型の加水分解性単量体を請求する低い濃度(≦4%)で導入することで生じさせた親水性共重合体が加水分解を起こした後に水溶性重合体になり得ることを示す。
【0020】
従って、本発明は、自浄性塗料に入れる結合剤として用いるに適した膜形成性重合体を提供し、これの調製は、
− 水中で加水分解を起こした時に酸官能を生じ得るカルボン酸誘導体およびスルホン酸誘導体から選択される少なくとも1種のエチレン系不飽和単量体単位Aが0より高いモル%から4モル%迄で、
− 一般式CH=CH−N−CO−R’|で表されるN−ビニルラクタム単量体、一般式CH=CH−NR−CO−R”で表されるN−ビニルアミド、一般式CH=CR”’−COO−R””−N−CO−R’|で表される単量体、一般式CH=CR”’−COO−R””−NR””’−CO−R”で表される単量体、2−ピロリドン−1−イソプレニルケトンおよびこれらの混合物
[ここで、
Rは、Hであるか、或はアルキルから成る群から選択され、
R’は、炭素原子数が2から8のn−アルキリデン基であり、
R”は、炭素原子数が最大で18のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールおよびアリールアルキル基から成る群から選択され、
R”’は、HまたはCHであり、
R””は、炭素原子数が1から8のn−アルキリデン基であり、
R””’は、HまたはR”である]
から成る群から選択される少なくとも1種の単量体単位Bが5から45モル%で、
− 単量体単位の残りであるエチレン系不飽和カルボン酸とC1−C18アルコールのエステル、スチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルトルエンおよびこれらの混合物から成る群から選択される単量体単位C、
の重合で実施可能である。
【0021】
単量体単位Aを、例えば
− エチレン系不飽和カルボン酸のシリルエステルおよびこれらの混合物、
− エチレン系不飽和カルボン酸の錫エステルおよびこれらの混合物、
− ヨーロッパ特許出願公開第342 276号(Nippon Paint)に定義されている如き金属カルボン酸塩エステル(metallic carboxylate salts esters)、
− ヨーロッパ特許出願公開第1 088 837号、ヨーロッパ特許出願公開第0 982 324号およびヨーロッパ特許出願公開第900809号(Kansai Paint)に定義されている如き金属カルボン酸塩、
− ヨーロッパ特許出願公開第0 825 169号(Elf Atochem)およびヨーロッパ特許出願公開第0 825 203号(Elf Atochem)に定義されている如きチタン誘導体、
− ヨーロッパ特許出願公開第0 723 967号(Elf Atochem)に記述されている如き燐誘導体、
− WO 200105848(Yoshitomi)に定義されている如きホウ素誘導体、
− 第四級アミンでブロックされている(blocked)エチレン系不飽和カルボン酸、
− ヨーロッパ特許出願公開第0 232 006号(ICI)またはWO 0077103(Hempel’s)に定義されている如きアミンでブロックされているスルホン酸、
− エチレン系不飽和無水物(anhydrides)、
− エチレン系不飽和酸クロライド、
から選択する。
【0022】
好適な態様では、単量体単位Aを、エチレン系不飽和カルボン酸またはこれらの混合物をアルキルとカルボキシレートの可能な任意組み合わせと一緒にしてシリルエステルを生じさせる(重合前または後に)ことで構成させ、例えばエチレン系不飽和−C(O)−O−SiR[−O(O)C−Z]3−n[ここで、n=1、2、3であり、そしてZは、炭化水素誘導体および/またはカルボキシレート、例えばアビエテートおよびナフテネートなどの任意混合物である]などで構成させる。
【0023】
より好適な態様における単量体単位Aは、一般式(I)
【0024】
【化1】
Figure 0004399259
【0025】
[式中、
、R、R、R、Rは、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、アラルキルまたはハロゲン基(これらは、場合により、アルキル、アラルキル、アリール、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノまたはアミノアルキル基を包含する群から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)を表し、
は、水素原子、またはアルキル基、好適にはメチル基、または−CH−COO−(SiRO)−SiR(ここで、R、R、R、R、Rは、既に定義した通りである)を表し、
は、水素原子、アルキル基、または−COOR(ここで、Rはアルキル基を表す)を表し、そして
nは、0から200のジヒドロカルビルシロキサン単位数を表す]
で表されるオルガノシリル化カルボキシレート単量体(organosilylated carboxylate monomers)である。
【0026】
好適には、R、R、R、R、Rは各々独立してアルキル、アリール基または水素原子を表す。
【0027】
本発明の態様に従い、R、R、R、R、R、RおよびRを各々独立してメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチルから成る群から選択する。好適には、R、R、R、R、R、RおよびRはメチルである。
【0028】
単量体単位Aにおいて、トリアルキルシリル部分の中のアルキル基を、好適には、C1からC8のアルキル基、好適にはC3およびC4、より好適にはイソプロピルおよびn−ブチルから成る群から独立して選択する。前記アルキル基は分枝または線状であり得る。
【0029】
用語「重合体」を本明細書で用いる場合、これは重合反応の生成物を指し、これにはホモ重合体、共重合体、ターポリマーなどが含まれる。
【0030】
用語「共重合体」を本明細書で用いる場合、これは、異なる少なくとも2種類の単量体の重合反応で生じた重合体を指す。
【0031】
用語「独立して選択し」または「独立して表し」を本明細書で用いる場合、これは、そのように記述する基Rの各々が同一または異なり得ることを指す。例えば、式(I)で表される化合物における各Rはnの各値毎に異なっていてもよい。
【0032】
本明細書で用いる如き用語「アルキル」は、直鎖、分枝もしくは環状部分またはこれらの組み合わせを有する飽和炭化水素基に関し、これは炭素原子を1から20、好適には炭素原子を1から10、より好適には炭素原子を1から8、更により好適には炭素原子を1から6、更により好適には炭素原子を1から4個含有する。そのような基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、ペンチル、イソ−アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、3−メチルペンチル、オクチルなどが含まれる。
【0033】
本明細書で用いる如き用語「アルケニル」は、直鎖、分枝もしくは環状部分またはこれらの組み合わせを有していて二重結合を1または数個有する炭化水素基に関し、これは炭素原子を2から18、好適には炭素原子を2から10、より好適には炭素原子を2から8、更により好適には炭素原子を2から6、更により好適には炭素原子を2から4個含有する。アルケニル基の例には、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、イソプレニル、ファルネシル、ゲラニル、ゲラニルゲラニルなどが含まれる。
【0034】
本明細書で用いる如き用語「アルキニル」は、直鎖、分枝もしくは環状部分またはこれらの組み合わせを有していて三重結合を1または数個有する炭化水素基に関し、これは炭素原子を2から18、好適には炭素原子を2から10、より好適には炭素原子を2から8、更により好適には炭素原子を2から6、更により好適には炭素原子を2から4個有する。アルキニル基の例には、エチニル、プロピニル、(プロパルギル)、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどが含まれる。
【0035】
本明細書で用いる如き用語「アリール」は、芳香族炭化水素から水素が1個取り除かれることで生じた有機基に関し、これには、少なくとも1個の環が芳香環である各環中の員が7員以下の如何なる単環状環も二環状炭素環も含まれる。前記基は場合によりアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノ基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。アリールの例には、フェニル、p−トリル、4−メトキシフェニル、4−(t−ブトキシ)フェニル、3−メチル−4−メトキシフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、3−ニトロフェニル、3−アミノフェニル、3−アセトアミドフェニル、4−アセトアミドフェニル、2−メチル−3−アセトアミドフェニル、2−メチル−3−アミノフェニル、3−メチル−4−アミノフェニル、2−アミノ−3−メチルフェニル、2,4−ジメチル−3−アミノフェニル、4−ヒドロキシフェニル、3−メチル−4−ヒドロキシフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、3−アミノ−1−ナフチル、2−メチル−3−アミノ−1−ナフチル、6−アミノ−2−ナフチル、4,6−ジメトキシ−2−ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリルまたはアセナフチルなどが含まれる。
【0036】
本明細書で用いる如き用語「アラルキル」は、式アルキル−アリールで表される基に関し、ここで、アルキルおよびアリールはこの上で定義した意味と同じ意味を有する。アラルキル基の例には、ベンジル、フェネチル、ジベンジルメチル、メチルフェニルメチル、3−(2−ナフチル)−ブチルなどが含まれる。
【0037】
式(I)のエチレン系不飽和部分の例には、これらに限定するものでないが、(メタ)アクリレート、イタコネート、フマル酸メチル、マレイン酸メチル、フマル酸n−ブチル、マレイン酸n−ブチル、フマル酸アミル、マレイン酸アミルなど、そしてこれらの重合体または共重合体が含まれ得るが、本明細書では、メタアクリレートまたはアクリレートを総括的に「(メタ)アクリレート」と呼ぶ。
【0038】
好適な態様において、式(I)の前記エチレン系不飽和部分は、(メタ)アクリレートおよびこれの共重合体または重合体である。
【0039】
一般式(I)で表されるオルガノシリル化カルボキシレート単量体の例には、これらに限定するものでないが、ノナメチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−テトラシロキサン、ノナエチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−テトラシロキサン、ノナ−t−ブチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−テトラシロキサン、ノナベンジル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−テトラシロキサン、ノナ−イソプロピル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−テトラシロキサン、ノナ−n−プロピル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−テトラシロキサン、ノナ−イソブチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−テトラシロキサン、ノナ−アミル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−テトラシロキサン、ノナ−n−ブチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−テトラシロキサン、ノナ−ドデシル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−テトラシロキサン、ノナ−ヘキシル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−テトラシロキサン、ノナ−フェニル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−テトラシロキサン、ノナ−オクチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−テトラシロキサン、ウンデカメチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ペンタシロキサン、ウンデカエチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ペンタシロキサン、ウンデカ−t−ブチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ペンタシロキサン、ウンデカベンジル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ペンタシロキサン、ウンデカ−イソプロピル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ペンタシロキサン、ウンデカ−n−プロピル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ペンタシロキサン、ウンデカ−イソブチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ペンタシロキサン、ウンデカ−アミル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ペンタシロキサン、ウンデカ−n−ブチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ペンタシロキサン、ウンデカ−ドデシル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ペンタシロキサン、ウンデカ−ヘキシル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ペンタシロキサン、ウンデカ−フェニル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ペンタシロキサン、ウンデカ−オクチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ペンタシロキサン、トリデカメチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ヘキサシロキサン、トリデカエチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ヘキサシロキサン、トリデカ−t−ブチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ヘキサシロキサン、トリデカベンジル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ヘキサシロキサン、トリデカ−イソプロピル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ヘキサシロキサン、トリデカ−n−プロピル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ヘキサシロキサン、トリデカ−イソブチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ヘキサシロキサン、トリデカ−アミル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ヘキサシロキサン、トリデカ−n−ブチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ヘキサシロキサン、トリデカ−ドデシル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ヘキサシロキサン、トリデカ−ヘキシル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ヘキサシロキサン、トリデカ−フェニル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ヘキサシロキサン、トリデカ−オクチル−1−(メタ)アクリロイルオキシ−ヘキサシロキサン、そしてこれらの重合体が含まれる。
【0040】
単量体Aの中のエチレン系不飽和を、好適には、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸およびこれらの混合物から成る群から選択し、最も好適には、アクリル酸、メタアクリル酸およびこれらの混合物から成る群から選択する。
【0041】
単量体Aに存在させる加水分解性官能性は、重合前から存在させてもよいか、或は後誘導化(post−derivatisation)(例えば実施例5−8を参照)で導入してもよいか、或はまた塗料製造中に反応性顔料、例えば酸化亜鉛または酸化第一銅などと化学的に反応させることで生じさせることも可能である。
【0042】
本膜形成性重合体を生じさせる時に用いる単量体単位Aの量は、好適には0.1から4.0モル%以下、より好適には0.3から3.7モル%、最も好適には0.5から3.5モル%である。
【0043】
単量体単位Bは、一般式CH=CH−N−CO−R’|[式中、R’は、炭素原子数が2から8、好適には炭素原子数が2から4、より好適には炭素原子数が3のn−アルキリデン基である]で表されるN−ビニルラクタム単量体であってもよい。最も好適な単量体単位BはN−ビニルピロリドンである。
【0044】
単量体単位Bは、また、一般式CH=CH−NR−CO−R”[式中、Rは、Hであるか、或はアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールおよびアリールアルキル基から成る群から選択され、そしてR”もまたアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールおよびアリールアルキル基から成る群から選択され、両方とも、前記基は分枝または線状であり、独立して、炭素原子数は最大で18であり、炭素原子数は好適には2から12、より好適には炭素原子数は2から6である]で表されるN−ビニルアミドであってもよい。
【0045】
更に、単量体単位Bは、一般式CH=CR”’−COO−R””−N−CO−R’|[式中、R”’は、HまたはCHであり、R””は、R”(この上で定義した如き)または好適にはHであり、R’は、炭素数が2から8のn−アルキリデン基であり、好適には末端環が2−ピロリドンであるようなn−アルキリデン基である]で表される単量体であってもよい。R”’は好適にはCHであり、そのような単量体の例がPolymer 39(17)、4165−9、1998に記述されている。
【0046】
更にその上、単量体単位Bは、一般式CH=CR”’−COO−R””−NR””’−CO−R”[式中、R”’は、HまたはCHであり、R””は、炭素原子数が1から8のn−アルキリデン基であり、R”は、炭素原子数が最大で18のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールおよびアリールアルキル基から成る群から選択され、そしてR””’は、R”(この上で定義した如き)または好適にはHである]で表される単量体であってもよい。
【0047】
本膜形成性重合体を生じさせる時に用いる単量体単位Bの量は、好適には3から45モル%、より好適には10から30モル%、最も好適には15から25モル%である。Bの含有量を、好適には、意図する重合体がA型の単量体が加水分解を起こした後にのみ水に溶解するように選択する。
【0048】
単量体単位Cを、好適には、エチレン系不飽和カルボン酸とC1−C18アルコールのエステル、スチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルトルエンおよびこれらの混合物から成る群から選択する。前記エチレン系不飽和カルボン酸を、より好適には、(C0−8アルク)アクリル酸、更により好適または追加的にアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸およびこれらの混合物から成る群から選択し、最も好適にはアクリル酸、メタアクリル酸およびこれらの混合物から成る群から選択する。前記アルコールは脂肪族または環状脂肪族アルコールであってもよく、かつこれは線状または分枝していてもよく、これを好適にはC1−C10アルコール、より好適にはC1−C4アルコール、最も好適にはC1−C2アルコールから選択する。このようなエステル型の単量体単位の典型的な例は、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸エチルおよび(メタ)アクリル酸メチルである。
【0049】
本膜形成性重合体を生じさせる時に用いる単量体単位Cの量は、好適には少なくとも49モル%、より好適には少なくとも60%、最も好適には少なくとも70%である。
【0050】
本重合体の調製は、フリーラジカル触媒、例えばベンゾイルパーオキサイド、パーオキシ2−エチルヘキサン酸t−ブチル(TBPEH)、ペルオキシ安息香酸t−ブチル(TBP)またはアゾビスイソブチロニトリルなどを用いて適切な単量体を適切な比率で重合条件下で付加重合させることで実施可能である。この反応を有機溶媒、例えばキシレン、トルエン、アミド、例えばN−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルホルムアミドなど、エーテル、例えばジオキサン、THFおよびジエチルエーテルなど、酢酸ブチル、n−ブタノール、2−エトキシエタノール、シクロヘキサノン、メチル−イソアミルケトン、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、酢酸2−エトキシエチルおよびこれらの混合物など中で実施する。重合を好適には70−140℃の範囲の温度で実施するが、より高い温度も前記溶媒および触媒がそれに適合することを条件として使用可能である。そのような範囲内ならば、使用する温度を高くすればするほど分子量が低い重合体がもたらされる。重合は、あらゆる重合体用材料を溶媒に入れて加熱するか、或は好適には、加熱しておいた溶媒に単量体および触媒を徐々に添加することで実施可能である。後者の手順を用いると分子量が低い重合体がもたらされる。
【0051】
本発明は、また、本発明の膜形成性重合体を自浄性塗料で用いることも提供する。本発明は、更に、
− 本発明に従う1種以上の膜形成性重合体、および
− 1種以上の防汚剤(antifoulants)、
を必須成分として含有する自浄性防汚塗料も提供する。本発明のコーティング組成物に入れる他の必須成分として用いる防汚剤は、通常公知の防汚剤のいずれであってもよい。そのような公知の防汚剤は、おおよそ、無機化合物、金属含有有機化合物および金属を含有しない有機化合物に分類分けされる。
【0052】
無機化合物の例には、銅化合物(例えば硫酸銅、銅粉、チオシアン酸第一銅、炭酸銅、塩化銅、および伝統的に好適な酸化第一銅)、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸ニッケル、そして銅とニッケルの合金が含まれる。
【0053】
金属含有有機化合物の例には、有機銅化合物、有機ニッケル化合物および有機亜鉛化合物が含まれる。また、エチレンビスジチオカルバミン酸マンガン[マネブ(maneb)]、プロピネブ(propineb)なども使用できる。有機銅化合物の例には、ノニルフェノール−スルホン酸銅、ビス(エチレンジアミン)ビス(ドデシルベンゼンスルホン酸)銅、酢酸銅、ナフテン酸銅、銅ピリチオンおよび銅ビス(ペンタクロロフェノラート)が含まれる。有機ニッケル化合物の例には、酢酸ニッケルおよびジメチルジチオカルバミン酸ニッケルが含まれる。有機亜鉛化合物の例には、酢酸亜鉛、カルバミン酸亜鉛、エチレン−ビス(ジチオカルバミン酸)ビス(ジメチルカルバモイル)亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、亜鉛ピリチオンおよびエチレン−ビス(ジチオカルバミン酸)亜鉛が含まれる。混合金属含有有機化合物の例として、亜鉛塩と一緒に錯体を形成している(高分子量の)エチレンビスジチオカルバミン酸マンガン[マンコゼブ(mancozeb)]を挙げることができる。
【0054】
金属を含有しない有機化合物の例には、N−トリハロメチルチオフタルイミド、トリハロメチルチオスルファミド、ジチオカルバミン酸、N−アリールマレイミド、3−(置換アミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、ジチオシアノ化合物、トリアジン化合物、オキサチアジンなどが含まれる。
【0055】
N−トリハロメチルチオフタルイミドの例には、N−トリクロロメチルチオフタルイミドおよびN−フルオロジクロロメチルチオフタルイミドが含まれる。
【0056】
ジチオカルバミン酸の例には、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド、N−メチルジチオカルバミン酸アンモニウムおよびエチレン−ビス(ジチオカルバミン酸)アンモニウムが含まれる。
【0057】
トリハロメチルチオスルファミドの例には、N−(ジクロロフルオロメチルチオ)−N’,N’−ジメチル−N−フェニルスルファミドおよびN−(ジクロロフルオロメチルチオ)−N’,N’−ジメチル−N−(4−メチルフェニル)スルファミドが含まれる。
【0058】
N−アリールマレイミドの例には、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−4−トリルマレイミド、N−3−クロロフェニルマレイミド、N−(4−n−ブチルフェニル)マレイミド、N−(アニリノフェニル)マレイミドおよびN−(2,3−キシリル)マレイミドが含まれる。
【0059】
3−(置換アミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオンの例には、2−(チオシアノメチルチオ)−ベンゾチアゾール、3−ベンジリデンアミノ−1、3−チアゾリジン−2,4−ジオン、3−(4−メチルベンジリデンアミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、3−(2−ヒドロキシベンジリデンアミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、3−(4−ジメチルアミノベンジリデンアミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオンおよび3−(2,4−ジクロロベンジリデンアミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオンが含まれる。
【0060】
ジチオシアノ化合物の例には、ジチオシアノメタン、ジチオシアノエタンおよび2,5−ジチオシアノチオフェンが含まれる。
【0061】
トリアジン化合物の例には2−メチルチオ−4−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジンが含まれる。
【0062】
オキサチアジンの例には、1,4,2−オキサチアジンおよびこれらのモノ−およびジ−オキサイド(例えばPCT特許WO 98/05719に開示されている如き):即ち3位の置換基が(a)フェニル;ヒドロキシル、ハロ、C1−C12アルキル、C5−6シクロアルキル、トリハロメチル、フェニル、C1−C5アルコキシ、C1−5アルキルチオ、テトラヒドロピラニルオキシ、フェノキシ、C1−4アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、C1−4アルキルスルフィニル、カルボキシもしくはこれのアルカリ金属塩、C1−4アルコキシカルボニル、C1−4アルキルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、トリルアミノカルボニル、モルホリノカルボニル、アミノ、ニトロ、シアノ、ジオキソラニルもしくはC1−4アルキルオキシイミノメチルから独立して選択される1から3個の置換基で置換されているフェニル;ナフチル;ピリジニル;チエニル;フラニル;またはC1−C4アルキル、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルチオ、ハロ、シアノ、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、ニトロ、C1−C4アルキルオキシカルボニル、フェニル、フェニルアミノカルボニルおよびC1−4アルキルオキシイミノメチルから独立して選択される1から3個の置換基で置換されているチエニルもしくはフラニル;または(b)一般式
【0063】
【化2】
Figure 0004399259
【0064】
[式中、Xは酸素または硫黄であり、Yは窒素、CHまたはC(C1−4アルコキシ)であり、そしてC6環はC1−4アルキル置換基を1個持っていてもよくて2番目の置換基もC1−4アルキルから選択されてもよいか、或は場合によりベンジルが5位もしくは6位に存在していてもよい]
で表される置換基に相当する1,4,2−オキサチアジンのモノ−およびジ−オキサイドなどが含まれる。
【0065】
金属を含有しない有機化合物の他の例には、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N,N−ジメチル−N’−フェニル−(N−フルオロジクロロメチルチオ)−スルファミド、テトラメチルチウラムジスルフィド、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、2−(メトキシカルボニルアミノ)ベンズイミダゾール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、ジヨードメチル−p−トリルスルホン、フェニル(ビスピリジン)ビスマスジクロライド、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、ジヒドロアビエチルアミン、N−メチロールホルムアミドおよびピリジントリフェニルボランが含まれる。
【0066】
好適な態様に従い、WO−A−9505739に開示されているオキサチアジンを防汚剤として用いると、塗料の自浄性が向上すると言った追加的利点が得られる(ヨーロッパ特許出願公開第823462号に開示されている)。
【0067】
汚れをもたらす有機体の中で蔓脚類(barnacles)が最も厄介であることが確かめられている、と言うのは、それらは大部分の殺生物剤に耐性を示すからである。従って、本塗料配合に好適には少なくとも1種の蔓脚類防除剤(barnaclecide)、例えば酸化第一銅またはチオシアネートなどを少なくとも有効量で含有させるべきである。好適な蔓脚類防除剤がヨーロッパ特許出願公開第831134号に開示されている。ヨーロッパ特許出願公開第831134号には、少なくとも1種の2−トリハロゲノメチル−3−ハロゲノ−4−シアノピロール誘導体(5位および場合により1位が置換されており、2位および3位のハロゲンは独立してフッ素、塩素および臭素から成る群から選択され、5位の置換基はC1−8アルキル、C1−8モノハロゲノアルキル、C5−6シクロアルキル、C5−6モノハロゲノシクロアルキル、ベンジル、フェニル、モノ−およびジ−ハロゲノベンジル、モノ−およびジ−ハロゲノフェニル、モノ−およびジ−C1−4−アルキルベンジル、モノ−およびジ−C1−4−アルキルフェニル、モノハロゲノモノ−C1−4アルキルベンジルおよびモノハロゲノモノ−C1−4−アルキルフェニルから成る群から選択され、5位の置換基にハロゲンがいくらか存在する場合、それは塩素および臭素から成る群から選択され、1位の任意の置換基はC1−4アルキルおよびC1−4アルコキシC1−4アルキルから選択されてもよい)を組成物の乾燥質量の総重量を基準にして0.5から9.9重量%用いることが開示されている。
【0068】
本発明では、そのような防汚剤から選択した1種以上の防汚剤を用いる。そのような防汚剤を、本コーティング組成物の固体含有量の中のそれの比率が通常は0.1から90重量%、好適には0.1から80重量%、より好適には1から60重量%になるような量で用いる。防汚剤の量があまりにも少ないと防汚効果がもたらされない一方、防汚剤の量があまりにも多いと結果として生じる塗膜が欠陥、例えば亀裂および剥がれなどを生じることで防汚特性の効果が低くなる傾向がある。
【0069】
本塗料に更に顔料(または充填材)1種または2種以上、溶媒1種または2種以上および添加剤1種または2種以上を含有させることも可能である。
【0070】
本塗料組成物に「活性」顔料、即ち海水に難溶な1種以上の顔料を含有させてもよい。そのような顔料が海水中で示す溶解度は、顔料の粒子が塗膜表面に残存しないような溶解度である。このような顔料は全体としての滑らかさ(相対的に動く海水が塗膜に及ぼす)を誘発し、局所的侵食を最小限にしかつ本塗料を塗布している間に生じる異常発生物を優先的に除去する効果を有する。自浄性防汚塗料では難溶性の顔料が長年に亘って用いられてきた。典型的な例はチオシアン酸第一銅、酸化第一銅、酸化亜鉛、酢酸メタ砒酸第二銅、クロム酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチレンビス(ジチオカルバミン酸)亜鉛およびジエチルジチオカルバミン酸亜鉛である。好適な難溶性顔料は酸化亜鉛、酸化第一銅およびチオシアン酸第一銅である。難溶性顔料の混合物を用いることも可能であり、例えば塗膜の徐々の溶解を誘発するに最も高い効果を示す酸化亜鉛をより高い効果を示す海洋生物防除剤(marine biocides)である酸化第一銅、チオシアン酸第一銅、ジメチルもしくはジエチルジチオカルバミン酸亜鉛またはエチレンビス−(ジチオカルバミン酸)亜鉛と混合してもよく、酸化亜鉛と酸化第一銅もしくはチオシアン酸第一銅の混合物が最も好適である。
【0071】
本塗料組成物に海水に高度に不溶な1種以上の顔料、例えば二酸化チタン、タルクまたは酸化第二鉄などを含有させることも可能である。そのような高度に不溶な顔料の使用量は本塗料の全顔料成分の40重量パーセント以下であってもよい。高度に不溶な顔料は本塗料の侵食を遅らせる効果を有する。
【0072】
本塗料組成物に本塗料に色を与える1種以上の顔料または染料、例えば二酸化チタン、酸化第一銅または酸化鉄などを含有させてもよい。
【0073】
重合体に対する顔料の比率を、好適には、乾燥塗膜の中の顔料の体積濃度が少なくとも25パーセント、より好適には少なくとも35パーセントになるような比率にする。顔料濃度の上限は臨界顔料体積濃度である。例えば顔料体積濃度を約50パーセント以下にすると、そのような塗料は非常に有効であることを確認した。
【0074】
有機溶媒の例には、芳香族炭化水素、例えばキシレンおよびトルエンなど、脂肪族炭化水素、例えばヘキサンおよびヘプタンなど、エステル類、例えば酢酸エチルおよび酢酸ブチルなど、アミド類、例えばN−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルホルムアミドなど、アルコール類、例えばイソプロピルアルコールおよびブチルアルコールなど、エーテル類、例えばジオキサン、THFおよびジエチルエーテルなど、そしてケトン類、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびメチルイソアミルケトンなどが含まれる。このような溶媒は単独またはこれらの組み合わせで使用可能である。
【0075】
船体への塗布に予測される操作温度で所望の粘度、好適には5−50dPa.s、より好適には10−20dPa.sの範囲、最も好適には約15dPa.sの粘度が得られるようにする目的で溶媒を用いる。そのような溶媒の性質は、また、所望乾燥時間を考慮に入れると、明らかに、船体への塗布で予測される操作温度に適合する。
【0076】
そのようにして生じさせる本発明のコーティング組成物に場合により添加剤材料を混合してもよい。そのような添加剤材料の例は、除湿剤、そしてコーティング組成物に入れる流れ止め剤、アンチフラッディング剤(anti−flooding agents)、揺変剤(thixotropic)および抗沈降剤(anti−settling agents)、安定剤および消泡剤として通常用いられる添加剤である。
【0077】
本発明の共重合体がアルカリ性溶液(例えばpHが典型的に約8の海水)の中で示す侵食速度は、単に単量体AとBの含有量を変えることで調整可能である。共重合用単量体Bを適確な用量で用いると、これは最終塗料の特性に否定的な影響を全く与えない。Bの含有量をあまりにも高くすると水に溶解する樹脂がもたらされ、そしてBの含有量をあまりにも低くすると、A型の単量体が有する官能性の加水分解速度が低くなってゼロになるであろう。この侵食速度はまた共重合用単量体Aの種類にも依存する。本発明の共重合体が海水中で示す加水分解速度と本発明の共重合体を用いて生じさせた自浄性塗料が海水中で示す侵食速度の間に直接的な関係があると思われる。このように、本発明では、錫を含有しない自浄性コーティングを幅広い範囲の浄化速度(polishing rates)に亘って設計することができる。
【0078】
追加的に、本発明は中性の水にも適用可能であることを予想外に見いだし、その結果として、淡水(例えば湖の水または川の水)中で自浄性を示す防汚被膜を生じさせることができる。このことは、錫が基になっている現在のコーティングが自浄性を示すのはアルカリ性の水(例えば海水)の中でのみであることから全く予想外であった。従って、本発明の自浄性防汚塗料は淡水に浸かる船体および他の構造物にも使用可能である。
【実施例】
【0079】
固体含有量の測定
結合剤溶液の固体含有量の測定では、サンプルを120℃で1時間加熱する前と後の重量を測ることで測定を行った[標準試験方法ISO 3233/ASTM 2697/DIN 53219]。(表、特性、%)
粘度の測定
結合剤溶液および塗料の粘度の測定では、Brookfieldを用いて25℃で測定を行った[ASTM試験方法D2196−86]。(表、特性、dPa.s)
重合体の分子量分布の測定
分子量分布の測定では、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として用いかつポリスチレンを標準として用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定を行った。重量平均分子量(Mw)および多分散性(d=Mw/Mn)を表に報告する。
結合剤の接着力および水敏感性の測定
ガラスまたはエポキシプライマー(primer)のいずれかの上に引き伸ばしたもの(draw−down)[ギャップ(gap)150um]の接着力を水に浸漬(ガラスに関しては24時間、エポキシ下塗りに関しては示す時間)する前と後で評価することで接着力の調査を行った。水浸漬によって引き起こされた変化を報告する。
結合剤の加水分解性の評価
引き伸ばしたものをアルカリ性溶液(NaOH、pH=13.4)に浸漬しそして加水分解が起こったことが観察される前の時間(分)(誘導時間)を測定することで、加水分解性の評価を行った。
【0080】
より正確な評価では、板の上に引き伸ばした結合剤または塗料を六角形のドラムの上に固定した後、それをアルカリ性溶液(pH=11.3、12.3または13.3)の中に入れて回転させた。膜の厚みを規則的な間隔で測定することで膜の侵食を測定した。侵食をμm/時で表す速度として報告する。
塗膜の浄化の評価
侵食速度は試験全体に亘る1カ月当たりの平均膜厚低下(μm/月で表す)である(1カ月=30日)。
【0081】
直径が20cmのステンレス鋼盤を標準的な抗腐食系(乾燥膜厚が300μm)で保護した。試験を受けさせるべき自浄性塗料の層を全乾燥膜厚が200から300μmの範囲になるように2層塗布した。天然の海水を絶えず新しくしながら試験を20℃の一定温度で実施した。前記盤を1000rpmで回転させたが、これは、中心から9cmの所が約34km/時(18ノット/時)であることに相当する。
【0082】
塗膜を1日乾燥させた後全乾燥膜厚を7週毎の間隔で測定した。それの測定を多数の固定した地点で行い、各測定点を前記盤の中心から9cmの所に位置させた。
実施例1から4および比較実施例AからC
結合剤の調製を特に実施例1の特定組成に関してより詳細に記述し、あらゆる単量体組成物を表1に挙げるばかりでなく結合剤の4種類の特性も挙げる。他の操作条件は特に明記しない限りあらゆる実施例で同じである。結合剤の加水分解性を評価した(表2)。最後に、結合剤を自浄性防汚塗料の2種類の塗料配合に混合した(表3)。
実施例1の結合剤の調製
2Lの4つ口フラスコにキシレンを310gおよびn−ブタノールを20g入れて窒素下に保持した。前記フラスコの4つの口に撹拌手段、還流冷却装置、反応温度制御用温度計および単量体添加手段を取り付けた。
【0083】
別の槽の中でプレミックス(premix)の調製を行い、これに下記を含有させた:
− メタアクリル酸トリブチルシリル(TBSiMA)を12.4g[単量体の0.9モル%]
− ビニルピロリドン(VP)を99g[単量体の18.6モル%]
− メタアクリル酸メチルを111g[単量体の23.2モル%]
− アクリル酸メチルを223g[単量体の49.3モル%]
− アクリル酸ブチルを50g[単量体の8.0モル%]
− TBPEH[=Akzo−NobelがTrigonox(商標)21Sの名称の下で販売しているパーオキシ−2−エチルヘキサン酸t−ブチル]を19.8g(=総単量体重量を基準にして2%)。
【0084】
温度を90℃に維持しながら前記プレミックスを前記反応槽に滴下して加えた(全時間:約3時間)。前記プレミックスの添加が終了して30分後に0.2%のTBPEHを45分の間隔で5回に分けて後添加した。最後の後添加が終了してほぼ15分後、温度を1時間かけて120℃にまで上昇させた。冷却後の結合剤溶液を75gのキシレンで薄めて粘度を12.5dPa.sにした。
塗料配合−PF1
下記の組成を有する塗料を調製した(体積%値は乾燥塗膜の中の全固体量を基にして計算した値である):
− 樹脂溶液 28.60pbw[56体積%]
− 酸化第一銅 36.20pbw[22体積%]
− 酸化亜鉛 13.70pbw[9体積%]
− 酸化鉄 1.40pbw[1体積%]
− 4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4− 7.20pbw[6体積%]
イソチアゾリン−3−オン(30重量%溶液として)
− 揺変剤添加剤 1.70pbw[4体積%]
− モレキュラーシーブ(添加剤) 1.00pbw[2体積%]
− キシレン 10.50pbw
塗料配合−PF2
下記の組成を有する塗料を調製した(体積%値は乾燥塗膜の中の全固体量を基にして計算した値である):
− 樹脂溶液 18.90pbw[37体積%]
− ガムロジン 5.20pbw[19体積%]
− 酸化第一銅 36.20pbw[22体積%]
− 酸化亜鉛 13.70pbw[9体積%]
− 酸化鉄 1.40pbw[1体積%]
− 4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4− 7.20pbw[6体積%]
イソチアゾリン−3−オン(30重量%溶液として)
− 揺変剤添加剤 1.70pbw[4体積%]
− モレキュラーシーブ(添加剤) 1.00pbw[2体積%]
− キシレン 15.00pbw
塗料の特性
また、そのようにして得た塗料をビニル樹脂/タール抗腐食塗料(tar anti−corrosive paint)の上に塗布してプラーク(plaque)を生じさせ、このプラークをパネル(panel)の上に置きそしてそのパネルをいかだに吊るして南オランダ(Southern Netherlands)の河口に12カ月間浸漬することで、それに防汚活性に関する試験も受けさせた。各パネルにまた無毒の対照で被覆しておいたプラークも含めた(それは海草でひどく汚れそして4週以内に動物がいくらか生息し始めた)。
【0085】
本発明の塗料で被覆しておいたパネルには海草による汚れも動物による汚れも有意には観察されず、実際、藻のスライムは全く存在していなかった。
【0086】
【表1】
Figure 0004399259
【0087】
[1]固体重量% [2]Mw/Mn
単量体A1:メタアクリル酸トリ(n−ブチル)シリル
単量体A2:メタアクリル酸トリブチル錫
単量体A3:メタアクリル酸(亜鉛および/または銅のカルボン酸塩として存在)
単量体B:ビニルピロリドン
単量体C1:メタアクリル酸メチル
単量体C2:アクリル酸メチル
単量体C3:アクリル酸ブチル
実施例5から8:酸性重合体の後誘導化(post derivatisations)
実施例5の調製では、722gの実施例4と24gのロジンと9.1gのジクロロジメチルシランを14gのトリエチルアミンの存在下で反応させることで調製を行った。撹拌を16時間行った後、生じた白色塩を樹脂溶液から分離した。加水分解性単量体の含有量が1.8モル%の最終樹脂が示した粘度は10dPa.sであり、固体含有量は53%でありそしてMw(GPCによる)は20kDである。
【0088】
実施例6の調製では、742gの実施例4と追加的量である49gのロジンと10.5gのメチルトリクロロシランを21gのトリエチルアミンの存在下で反応させることで調製を行った。撹拌を16時間行った後、生じた白色塩を樹脂溶液から分離した。加水分解性単量体の含有量が1.8モル%の最終樹脂が示した粘度は23dPa.sであり、固体含有量は54%でありそしてMw(GPCによる)は30kDである。
【0089】
実施例7の調製では、900gの実施例4(固体%が50%になるように薄めた後)と3.25gの酸化亜鉛を反応させることで調製を行った。生じた水(0.7g)は蒸留で除去可能である。加水分解性単量体の含有量が1.8モル%の最終樹脂が示した粘度は27dPa.sであり、そして固体含有量は52%である。
【0090】
実施例8の調製では、900gの実施例4(固体%が50%になるように薄めた後)と78ミリモルの酢酸銅と78ミリモルのナフテン酸をヨーロッパ特許出願公開第342 276号(Nippon Paint)に示されている手順に従って反応させることで調製を行った。加水分解性単量体の含有量が1.8モル%の最終樹脂が示した粘度は38dPa.sであり、そして固体含有量は50%である。
【0091】
【表2】
Figure 0004399259
【0092】
【表3】
Figure 0004399259
【0093】
試験パネルの表面積が20%を超える度合で藻に覆われており(そして)またはスライム層が中程度からひどく存在し(そして)または表面に何らかの種類の硬質汚れが存在する時が−である。
【0094】
これを読む人の注意は、本出願に関連して本明細書と同時またはそれ以前に提出されかつ本明細書と一緒に公の検閲に開放されたあらゆる論文および資料に向けられるであろうが、そのような論文および資料全部の内容は引用することによって本明細書に組み入れられる。
【0095】
本明細書(添付請求の範囲、要約および図のいずれも包含)に開示した特徴の全部および/またはそのように開示した如何なる方法の段階も工程の段階も全部が如何なる組み合わせで組み合わされてもよいが、そのような特徴および/または段階の少なくともいくらかが相互に排除される場合の組み合わせを除く。
【0096】
本明細書(添付請求の範囲、要約および図のいずれも包含)に開示した各特徴は、特に明記しない限り、同一、均当または同様な目的を果たす代替特徴に置き換え可能である。従って、特に明記しない限り、開示した各特徴は一般的な一連の均当または同様な特徴の単なる一例である。
【0097】
本発明をこの上に示した態様1つまたは2つ以上の詳細に限定するものでない。本発明は、本明細書(添付請求の範囲、要約および図のいずれも包含)に開示した特徴の中の新規な如何なる特徴にも新規な如何なる組み合わせにもまたそのように開示した何らかの方法の段階または工程段階の中の新規な如何なる段階にも新規な如何なる組み合わせにも及ぶ。

Claims (10)

  1. − 一般式(I)
    Figure 0004399259
    [式中、
    1、R2、R3、R4、R5は、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、アラルキルまたはハロゲン基を表し、これらは、場合により、アルキル、アラルキル、アリール、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノまたはアミノアルキル基を包含する群から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、R6は、水素原子またはメチル基、または−CH2−COO−(SiR45O)n−SiR123(ここで、R1、R2、R3、R4、R5は、既に定義した通りである)を表し、
    7は、水素原子、アルキル基、または−COOR9(ここで、R9はアルキル基を表す)
    を表し、そして
    nは、0から200のジヒドロカルビルシロキサン単位数を表す]
    で表されるオルガノシリル化カルボキシレート単量体
    ら選択される少くとも1種のエチレン系不飽和単量体単位Aが0より高いモル%から4モル%迄で;
    − 一般式
    Figure 0004399259
    で表されるN−ビニルラクタム単量体、一般式CH2=CH−NR−CO−R”で表され
    るN−ビニルアミド、一般式
    Figure 0004399259
    で表される単量体、一般式CH2=CR”’−COO−R””−NR””’ −CO−R”で表される単量体、2−ピロリドン−1−イソプレニルケトンおよびこれらの混合物
    [ここで、
    Rは、Hであるか、或は独立して炭素原子数が最大で18のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリールおよびアリールアルキル基から成る群から選択され、
    R’は、炭素原子数が2から8のn−アルキン基であり、
    R”は、炭素原子数が最大で18のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールおよびアリールアルキル基から成る群から選択され、
    R”’は、HまたはCH3であり、
    R””は、炭素原子数が1から8のn−アルキン基であり、
    R””’は、HまたはR”である]
    から成る群から選択される少なくとも1種の単量体単位Bが5から45モル%で;
    − 単量体単位の残りである、エチレン系不飽和カルボン酸とC1−C18アルコールのエステル、スチレン、アルファーメチルスチレン、ビニルトルエンおよびこれらの混合物から成る群から選択される単量体単位C、
    の重合で生じた膜形成性重合体。
  2. 前記単量体単位Aがトリアルキルシリルモノエステル、ジアルキルシリルジエステル、モノアルキルシリルトリエステル、シリルテトラエステルから選択される請求項1記載の膜形成性重合体。
  3. 式(I)のnが0に等しく、そして単量体単位Aにおけるトリアルキルシリルモノエステルのアルキル基が独立してC1からC8のアルキル基から成る群から選択される請求項記載の膜形成性重合体。
  4. 単量体単位Bにおいて、
    − R’が、炭素原子数が2から4のn−アルキン基であり、そして/または
    − R”が、炭素原子数が2から12のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールおよびアリールアルキル基から成る群から選択され、そして/または
    − R”’がCH3である、
    請求項1記載の膜形成性重合体。
  5. 単量体単位Cにおいて、前記エステルがエチレン系不飽和カルボン酸とC1−C10アルコールのエステルである請求項1記載の膜形成性重合体。
  6. 単量体単位Cにおいてエチレン系不飽和がアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸およびこれらの混合物から成る群から選択される請求項1記載の膜形成性重合体。
  7. 請求項1からのいずれか1項記載の膜形成性重合体を海洋用塗料として使用する方法。
  8. 請求項1からのいずれか1項記載の膜形成性重合体を淡水中で用いられる自浄性塗料として使用する方法。
  9. 自浄性防汚塗料であって、
    − 請求項1からのいずれか1項記載の1種以上の膜形成性重合体、および
    − 1種以上の防汚剤、
    を必須成分として含有する自浄性防汚塗料。
  10. R”、R”’、およびR””’が各々独立してアルキル、アリール基または水素原子を表す請求項1記載の膜形成性重合体。
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