JP4398557B2 - 抗菌性繊維仕上げ剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然繊維、再生繊維、合成・半合成繊維の単独、あるいは、それらの混合物からなる、原糸、織物、編物、又はこれらによって構成された衣料品等の繊維製品について、良好な抗菌性を付与し、その効果が、特に、白癬菌に対して著しい新規な繊維用抗菌性仕上げ剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維製品に対して、衛生加工、抗菌加工と称し、抗菌剤や殺菌剤を繊維に付着させることで、抗菌性や殺菌性を付与する加工が広く行われている。これに使用される抗菌剤、殺菌剤としては、▲1▼第4級アンモニウム塩、▲2▼第4級アンモニウム変性シラン誘導体、▲3▼ハロゲン化フェノール類、ハロゲン化フェニルエーテル誘導体、▲4▼芳香族スルホンクロラミド誘導体、▲5▼ハロゲン化含窒素複素環類、▲6▼有機カルボン酸類、▲7▼ヒドロキシ安息香酸エステル類、▲8▼抗菌性重金属イオンを含むポリマーなどが知られており、特に上記▲1▼、▲2▼、▲3▼、及び、▲7▼は、安全性と抗菌力の面から、繊維製品の抗菌加工に広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら▲1▼〜▲8▼の抗菌剤は、白癬菌に代表される真菌類、特に、皮膚糸状菌類に対して抗菌効果が弱く、水虫等の寄生性皮膚疾患を防止する目的で、靴下等に加工するには不十分であった。また、▲2▼を除く抗菌剤は、繊維に接着させるバインダーが必要になり、▲2▼も活性プロトンを持たないか又は極く少量しか持たない繊維(ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル繊維等)には、バインダーが必要となる。その上、▲2▼の抗菌剤が有するアルコキシシリル基は、加水分解に対して不安定であるので、加工時、水で希釈できず、有機溶剤で希釈して処理をする必要があり、又、水系で行なう場合は、加工浴(処理浴)を、要時調製で対応しなければならず、長期のストックができない点で、手間がかかり、コスト高となった。
【0004】
また、ウンデシレン酸ウンデシレン酸やウンデシレン酸亜鉛は、真菌類に対して、優れた抗菌力、静菌力を有することが知られているが、白癬菌に対する抗菌力が弱く、また実質的にバインダーが必要であったりして、▲1▼〜▲8▼同様、靴下等に加工するには不十分であった。
【0005】
本発明の目的は、繊維に対して良好な抗菌性、特に、白癬菌等の真菌類に対する優れた抗菌性を付与し、かつ、繊維に対する親和性が大きく、吸尽法等の簡便な加工方法での対応が可能であり、効果の耐洗濯性が高い、新規な抗菌性仕上げ剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ウンデシレン酸のエステル誘導体又はウンデシレン酸のアマイド誘導体(以下、ウンデシレン酸誘導体という)を含有する抗菌性繊維仕上げ剤組成物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるウンデシレン酸誘導体としては、ウンデシレン酸アルキルエステル、ウンデシレン酸ポリアルキレングリコールエステル、ウンデシレン酸ポリオールエステル、ウンデシレン酸アルカノールアマイド、ウンデシレン酸アルキルアマイド及びウンデシレン酸ポリアルキレンポリアマイドから選ばれる1種以上が挙げられる。
【0008】
ウンデシレン酸アルキルエステルには、ウンデシレン酸メチル、ウンデシレン酸エチル、ウンデシレン酸イソプロピル、ウンデシレン酸ブチル、ウンデシレン酸イソオクチル等のウンデシレン酸と短中鎖(炭素数1〜8)脂肪族アルコールとのエステル、ウンデシレン酸デシル、ウンデシレン酸ラウリル、ウンデシレン酸ステアリル、ウンデシレン酸オレイル等のウンデシレン酸と長鎖(炭素数9〜22)脂肪族アルコールとのエステル、ウンデシレン酸ベンジル等のウンデシレン酸と芳香族アルコールとのエステル等が挙げられる。
【0009】
ウンデシレン酸ポリアルキレングリコールエステルには、ウンデシレン酸ポリエチレングリコールエステル、ウンデシレン酸ポリプロピレングリコールエステル、ウンデシレン酸とポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックポリマーとのエステル等が挙げられる。これらのオキシエチレン鎖の平均縮合度は1〜20モルが好ましく、更に1〜10モルが好ましく、特に1〜5モルが好ましく、オキシプロピレン鎖の平均縮合度は1〜20モルが好ましく、更に1〜10モルが好ましく、特に1〜5モルが好ましい。
【0010】
ウンデシレン酸ポリオールエステルには、▲1▼ソルビトール、ソルビタン、イソソルバイト、キシリトール等の糖アルコールとのエステル、▲2▼グリセリンとのエステル、▲3▼ペンタエリスリトールとのエステル、▲4▼ジグリセリン、トリグリセリン、ヘキサグリセリン、ペンタグリセリン、デカグリセリン等のポリグリセリンとのエステル、▲5▼ショ糖、グルコース、アルキルグルコシド、デキストリン、トレハロース等の糖類とのエステルが挙げられる。
【0011】
ウンデシレン酸アルカノールアマイドには、ウンデシレン酸モノエタノールアマイド、ウンデシレン酸ジエタノールアマイド、ウンデシレン酸トリエタノールアマイド、ウンデシレン酸アミノエチルエタノールアマイド等が挙げられる。
【0012】
ウンデシレン酸アルキルアマイドには、ウンデシレン酸アマイド、ビス−ウンデシレン酸アマイド、ウンデシレン酸デシルアマイド、ウンデシレン酸トリデシルアマイド、ウンデシレン酸オクタデシルアマイド等が挙げられる。
【0013】
ウンデシレン酸ポリアルキレンポリアマイドには、ウンデシレン酸とエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン等とのアマイドが挙げられる。
【0014】
以上のウンデシレン酸誘導体の中で、ウンデシレン酸とグリセリンとのエステルが、白癬菌等の真菌類に対する抗菌性、それら自体が油性であることによる繊維に対する親和性、耐洗濯性の面から特に好ましい。ウンデシレン酸とグリセリンとのエステル組成は、製造時のウンデシレン酸とグリセリンの仕込みモル比でほぼ決定され、本発明ではウンデシレン酸グリセリンエステルは、グリセリンに対するウンデシレン酸の仕込みモル比が、1:1〜1:3.5の範囲から選定されるのが好ましい。その場合、得られるウンデシレン酸グリセリンエステルは、モノ、ジ、トリ体の混合物となる。その組成比は、製造条件により異なるが、本発明では制限はない。また、分子蒸留等により、上記の混合物から、モノ、ジ、トリ体を分取、精製した高純度精製品も好適に使用できる。
【0015】
これらのウンデシレン酸誘導体の本発明の抗菌性繊維仕上げ剤組成物中の配合量は限定されないが、貯蔵を目的とする場合は1.0〜30.0重量%、特に1.0〜20.0重量%が好ましい。また、使用の際は、目的とする抗菌効果を効率良く得るために、対象とする繊維の重量に対して、0.01〜10.0%owf(繊維重量に対するウンデシレン酸誘導体の重量%)、更に0.05〜10.0%owf、特に0.05〜5.0%owfとなるように用いるのが好ましい。
【0016】
本発明では、ウンデシレン酸誘導体に加えて、アルキル第4級アンモニウム塩を併用すると、繊維への吸着性を向上させ、加工後の洗濯に対する耐久性を確保する点で、更に好ましい。
【0017】
アルキル第4級アンモニウム塩は、本発明の抗菌剤を調製する際に、ウンデシレン酸誘導体、更には、他の油相成分(一般的に繊維仕上げ剤として使用される油相成分、シリコーン油、流動パラフィン、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド、高級アルコール等)、及び、水の一部と、相転移以上の温度において混合するときに、液晶組成物を形成する。
【0018】
更に、この液晶組成物に、水相の残分を添加混合することで、アルキル第4級アンモニウム塩からなる2分子膜多層構造中にウンデシレン酸誘導体を内包した小包体水分散物を得ることができる。この2分子膜小包体は、これ自体、繊維に対する吸着性が大きく、従って、ウンデシレン酸誘導体を内包した小包体の希薄溶液に繊維を浸漬することで、繊維に高濃度に、本発明のウンデシレン酸を付着させることができる。加えて、この2分子膜小包体は、繊維に対する親和力が大きいので、加工後の耐洗濯性に優れ、洗濯に対して耐久性の良い抗菌加工を行うことができる。
【0019】
以上の2分子膜小包体を形成し得るアルキル第4級アンモニウム塩としては、炭素数8〜22のアルキル基を少なくとも1つ有するものであり、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジタロージメチルアンモニウムブロマイド、ジオレイルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアロイルN,N−ジメチルエチレンジアミドジメチル硫酸4級化物、ジステアロイルジエチレントリアミンジメチル硫酸4級化物等が挙げられる。
【0020】
ウンデシレン酸誘導体とアルキル第4級アンモニウム塩の混合比は、抗菌効果とウンデシレン酸誘導体の内包性の観点から、ウンデシレン酸誘導体:アルキル第4級アンモニウム塩(重量比)として、好ましくは5:99〜90:10、より好ましくは10:90〜80:20、更に好ましくは20:80〜60:40である。
【0021】
又、上記の2分子膜小包体を得る場合、前記のアルキル第4級アンモニウム塩と高級アルコールの混合物も好適に使用できる。アルキル第4級アンモニウム塩と高級アルコールを組み合わせることで、得られる2分子膜多層構造の小胞体の繊維への吸着力を、更に、向上させることができる。
【0022】
高級アルコールとしては、デシルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、牛脂アルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。
【0023】
アルキル第4級アンモニウム塩と高級アルコールの混合比は、吸着力と2分子膜多層構造の維持の点から、アルキル第4級アンモニウム塩:高級アルコール(重量比)として、好ましくは20:80〜99:5、より好ましくは30:70〜70:30、更に好ましくは40:60〜60:40である。
【0024】
本発明では、油相成分として、繊維用仕上げ剤に通常使用されている油を配合することができる。具体的には、炭化水素として、流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス等の鉱物系炭化水素、スクワレン、スクワラン、プリスタン、オリーブスクワラン等の天然物由来の炭化水素が挙げられる。ロウ類として、ミツロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。トリグリセライドとして、オリーブ油、マカデミアンナッツ油、コーン油等の植物油脂、牛脂、豚脂等の動物油脂等が挙げられる。シリコーンオイルとして、ジメチルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサン、メチルハイドロキシポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン等が挙げられる。
【0025】
本発明では、更に、通常繊維用仕上げ剤に使用されるアニオン性、非イオン性、カチオン性、両性の乳化剤を併用することができる。
【0026】
アニオン性の乳化剤としては、アルキル硫酸エステル及びそれらの塩、アルキルエーテル硫酸エステル及びそれらの塩、アルキルエーテルカルボン酸及びそれらの塩、脂肪酸セッケン類、アルキルスルホン酸及びそれらの塩、アルキルアリルスルホン酸及びそれらの塩、α−スルホメチルエステル及びそれらの塩、アルキルリン酸エステル及びそれらの塩、アルキルエーテルリン酸エステル及びそれらの塩、N−アシルアミノ酸及びそれらの塩等が挙げられる。
【0027】
非イオン性の乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアマイド、脂肪酸アルカノールアマイド、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアマイド等が挙げられる。
【0028】
カチオン性の乳化剤としては、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、アルキルアミン及びそれらの塩、N,N−ジエチルエチレンジアミン脂肪酸アマイド等のアミドアミン類及びそれらの塩もしくは第4級化物、トリエタノールアミン脂肪酸エステル等のアルカノールアミン脂肪酸エステルの第4級化物等が挙げられる。
【0029】
両性の乳化剤としては、N−アルキルアミノ酸類、N−アシルアミノ酸類、アルキル酢酸ベタイン類、アルキルスルホベタイン類、アルキルホスホベタイン類等が挙げられる。
【0030】
これらの乳化剤の何れを用いることもでき、乳化剤はウンデシレン酸誘導体に対して、0.1〜30.0重量%、更に1.0〜20.0重量%、特に5.0〜20.0重量%用いるのが好ましい。
【0031】
本発明には、一般的に繊維仕上げ剤に使用される水溶性溶剤を併用することができる。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン等のポリオール類、ソルビトール、キシリトール等の糖アルコール類等が挙げられる。
【0032】
本発明の抗菌性繊維仕上げ剤組成物は、ウンデシレン酸誘導体と、好ましくはアルキル第4級アンモニウム塩又はアルキル第4級アンモニウム塩及び高級アルコールの混合物と、更に、必要により配合される他の油相成分とを、予め混合して又は別々に、水相に撹はん下添加することで乳化分散させ、調製することができる。その際、ホモミキサー、パドル式乳化機、高圧ホモジナイザー等の、繊維仕上げ剤を製造する際に一般的に使用される乳化機械が好適に使用できる。
【0033】
特に、本発明の繊維仕上げ剤組成物は、ウンデシレン酸誘導体と、アルキル第4級アンモニウム塩又はこれと高級アルコールと、水相の全重量の5〜50%、好ましくは10〜30%の水と、他の油相成分とを、アルキル第4級アンモニウム塩又はこれと高級アルコールの混合物の相転移温度以上の温度で撹拌、混合し、液晶構造を有する組成物を形成させた後、この液晶構造組成物に水相の残量を添加混合することで、アルキル第4級アンモニウム塩からなる2分子膜多層構造中にウンデシレン酸誘導体が内包された小胞体水分散液を形成させて製造することが好ましい。相転移温度以下では液晶構造が形成されないので、実際の乳化温度は、調製中の温度の低下等を考慮して、相転移温度より5〜20℃程高く設定することが好ましい。液晶構造組成物を調製する際は、パドル式乳化機、ホモミキサー等の繊維仕上げ剤の調製に一般的に使用される乳化機械が好適に使用される。
また、水相の残量を添加混合することで、目的とするウンデシレン酸誘導体が内包された小胞体水分散液を製造することができるが、その際の温度は、相転移温度に制限されず、系が撹拌に適する流動性を保つことができる温度に調整すればよい。
【0034】
本発明の抗菌性繊維仕上げ剤組成物は、次の方法で繊維製品の加工に用いることができる。
(1)ウンデシレン酸誘導体純分として0.1〜20.0重量%、好ましくは0.2〜10.0重量%、より好ましくは0.2〜5.0重量%を含有したパディング液を調製し、絞り率50〜150%で、脱水し、乾燥する(パディング法)。
(2)ウンデシレン酸誘導体純分として、加工する繊維製品の重量に対して、0.1〜20.0重量%、好ましくは0.2〜10.0重量%、より好ましくは0.2〜5.0重量%を含有する加工液を、繊維製品重量に対して5〜50倍重量、好ましくは5〜30倍重量調製し、そこへ繊維製品を浸漬させ、吸尽させる(吸尽法)。浸漬温度は、室温〜80℃、好ましくは、40〜60℃、浸漬時間は、5〜60分、好ましくは10〜30分である。繊維製品は、浸漬後、脱水、乾燥される。
【0035】
本発明の抗菌性繊維仕上げ剤組成物は、繊維に対する吸着性が高いので、前記の吸尽法が、特に好適に適用できる。
【0036】
【実施例】
(1)抗菌性繊維仕上げ剤組成物の調製方法
真空装置、かき取り撹拌機、過熱装置を備えたステンレス製の1L乳化機に、表1の成分及び水の全量の20重量%相当分を仕込み、30mmHgの減圧下、温度70℃(相転移温度より15〜20℃高い温度)で、100r/minで、60分間撹拌し、液晶構造組成物を得た。更に、同条件で、予め70℃に加温しておいた水の残量を添加し、60分間撹拌し、表1に示す本発明品1〜8を得た。
【0037】
【表1】
Figure 0004398557
【0038】
(注)
*ウンデシレン酸グリセリド:モノ体41.0%、ジ体33.0%、トリ体26.0%
*流動パラフィン70:パラフィン系炭化水素及びナフテン系炭化水素で炭素数16〜32のものの混合物
(2)繊維への処理方法
本発明品1〜8から、精錬漂白済みの綿100%からなる試験生地に対して、ウンデシレン酸誘導体が純分で0.4%owfになるように濃度調整した処理溶液を、試験生地に対して20倍重量調製した。この処理液中に、試験生地を、40℃×30分間浸漬させた後、遠心脱水、熱風乾燥し(100〜105℃×15分間)した(吸尽法)。
【0039】
(3)ウンデシレン酸誘導体の繊維への吸着量の測定
上記(2)の処理で得られた試験生地を、約10gに裁断し重量を精秤し、ソックスレー抽出器で、溶媒にクロロホルムを用いて、30分間抽出を行った。得られた抽出液の溶媒を除去後、0.5mol/Lのカセイカリ/エタノール溶液で、105℃×30分間還流し、ウンデシレン酸誘導体をケン化分解し、ウンデシレン酸を遊離させた。更に、これを硫酸酸性下、メタノールで還流し、ウンデシレン酸メチルエステルとした後、ガスクロマトグラフィーにより、ウンデシレン酸を定量した(日本油化学会 基準油脂分析試験法、脂肪酸組成−FID昇温ガスクロマトグラフ法)。
【0040】
この定量値と、予め測定しておいた原料のウンデシレン酸誘導体中のウンデシレン酸含有率と抽出に使用した試験生地の重量から、処理により繊維に吸着したウンデシレン酸誘導体の量を定量し、%owfで算出した。結果を表2に示す。
【0041】
また、上記(2)の処理で得られた試験生地を、市販の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ系合成洗剤(花王(株)製、アタック)を使用し、その0.5%水溶液で、家庭用全自動洗濯機(日立KWS312)により、水温30℃で30分洗濯し、更に水温30℃で10分間すすぎ、遠心脱水後、風乾した。この洗濯後の試験生地中のウンデシレン酸誘導体の量を前記と同様に定量した。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
Figure 0004398557
【0043】
(4)抗菌効果の測定方法
上記(2)の処理で得られた試験生地を、約1cm角の大きさに裁断し、0.25mol/Lのリン酸緩衝液(pH7.2)を800倍に希釈して試験容器の三角フラスコに各70ml入れて湿熱滅菌、冷却後に80℃になった時点で、各試験生地の0.75gを加えて更に冷却した。それらのフラスコに白癬菌(Trichophyton mentagrophytes IFO 5466)の胞子懸濁液5mlを加えて、27℃で1時間浸とうした後に0.1mlを採取してPDA(ポテト・デキストロース・寒天)培地で希釈平板とし、27℃で4日間培養後、出現したコロニー数を計測した。浸とう前の菌液のコロニー数から減菌率を算出した。なお、この方法は、防菌防黴 20,561−564(1992)に記載の方法に準じている。結果を表3に示す。また、上記(2)の処理で得られた試験生地に上記(3)の洗濯処理をした後の滅菌率を上記と同様に算出した。結果を表3に示す。
【0044】
また、本試験では、比較品1〜3として以下のものを用い、同様に洗濯前後の滅菌率を算出した。結果を表3に示す。
・比較品1:3−(トリメチルシリル)−プロピルオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド(バイエル社製)10.0重量%とメタノール90.0重量%からなる抗菌仕上げ剤
・比較品2:2,4,4’トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(バイエル社製)10.0重量%とメタノール90.0重量%からなる抗菌仕上げ剤
・比較品3:ポリメタクリル酸銅20%分散液(バイエル社製)50.0重量%と水50.0重量%からなる抗菌仕上げ剤。
【0045】
比較品1〜3は、抗菌剤の純分として0.4重量%になるように濃度調整した処理溶液中に試験生地を浸漬し(25℃×10分間)た後、絞り率100%で、マングル脱水を行い、本発明品1〜8と同条件で乾燥して処理済みの試験生地を得た(パディング法)。
【0046】
【表3】
Figure 0004398557

Claims (4)

  1. ウンデシレン酸のエステル誘導体又はウンデシレン酸のアマイド誘導体(以下、ウンデシレン酸誘導体という)、アルキル第4級アンモニウム塩、及び高級アルコールを含有し、
    ウンデシレン酸誘導体が、アルキル第4級アンモニウム塩と高級アルコールの混合物から得られた2分子膜多層構造の小胞体中に内包され、かつ、その小胞体が水相中に分散してなり、
    ウンデシレン酸誘導体の配合量が1.0〜30.0重量%であり、
    ウンデシレン酸誘導体:アルキル第4級アンモニウム塩の重量比が20:80〜60:40であり、
    アルキル第4級アンモニウム塩:高級アルコールの重量比が30:70〜70:30である、
    抗菌性繊維仕上げ剤組成物。
  2. ウンデシレン酸誘導体が、ウンデシレン酸アルキルエステル、ウンデシレン酸ポリアルキレングリコールエステル、ウンデシレン酸ポリオールエステル、ウンデシレン酸アルカノールアマイド、ウンデシレン酸アルキルアマイド及びウンデシレン酸ポリアルキレンポリアマイドから選ばれる1種以上である請求項1に記載の抗菌性繊維仕上げ剤組成物。
  3. ウンデシレン酸誘導体が、ウンデシレン酸とグリセリンよりなるエステルである請求項1に記載の抗菌性繊維仕上げ剤組成物。
  4. ウンデシレン酸とグリセリンよりなるエステルが、グリセリンに対するウンデシレン酸の仕込みモル比を1:1〜1:3.5として製造されたエステルである、請求項3に記載の抗菌性繊維仕上げ剤組成物。
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