JP4396402B2 - 定電圧電源回路 - Google Patents

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本発明は、帰還信号と参照信号との差分演算に基づいて、少なくとも動作状態と待機状態とに切り替えられる負荷回路に一定電圧を供給する定電圧電源回路に関し、2つ以上の異なった特性を容易に切り替えることが可能な定電圧電源回路に関する。
一般に、電子機器の負荷回路に一定電圧を供給する定電圧電源には、通常動作時には電子機器の高速応答性を確保し、かつ電源ノイズの影響をなくすなどの動作特性が要求されている。しかし、高速応答性に優れた回路構成では消費電流が大きくなるため、定電圧レギュレータ回路などの定電圧電源が用いられている携帯用電子機器等では、アクティブモード(動作状態)とスリープモード(待機状態)とを切り替えて使用するようにしている。例えば携帯電話などで負荷が待機状態となったときには、定電圧電源に高速応答性の必要がなくなり、またリップル除去率(PSRR:Power Supply Rejection Ratio)などは問題にならないからである。
そこで、定電圧電源を備えた電子機器では、1つの出力に対して2つ以上の異なった特性を実現するために、負荷回路の動作状態に応じて定電圧電源自体の特性を切り替えることが考えられている。すなわち、携帯電話などの定電圧レギュレータでは、通常の動作状態では定電圧電源の内部回路電流を数μA〜数十mA以上の大きさとし、待機状態にあるときには、駆動電流が数百nA〜数mA程度の低消費電力で動作するように、バッテリー等の消費電力を制御するようにしている。以下、このような消費電流を制御可能な定電圧電源の従来例について説明する。
図7には、負荷の状態に応じて消費する電流を制御することができるようにした従来の定電圧電源回路の一例を示している(例えば、特許文献1参照)。
図7において、電源端子Trefからの参照電圧Vrefに基づいて、負荷回路13に安定した出力電圧を供給すべく、2つの演算増幅器(OTA:Operation Transconductance Amp)11a,11bが設けられている。これらの演算増幅器11a,11bは、例えばトランジスタのサイズは異なるが同じ構成をもち、演算増幅器11aでは電流供給能力が大きいトランジスタのサイズが用いられている。演算増幅器11a,11bの反転入力端子(−)は電源端子Trefと接続され、演算増幅器11aの非反転入力端子(−)は抵抗素子R1,R2からなる帰還抵抗12aに接続され、演算増幅器11bの非反転入力端子(−)は抵抗素子R3,R4からなる帰還抵抗12bに接続されている。
また、演算増幅器11a,11bの出力端子は、それぞれPチャネルMOSトランジスタからなる出力トランジスタMPa,MPbのゲートに接続されている。さらに、出力トランジスタMPa,MPbのドレインはそれぞれ切り替え手段Sw10に接続され、出力電圧Voutを出力キャパシタCoutと負荷回路(LOAD)13との並列回路に供給している。負荷回路13は、消費電流が数十mAのアクティブモードと数十μAのスリープモードの切り替えを有しており、負荷回路13の状態に応じて演算増幅器11aまたは演算増幅器11bを選択する。
このように、切り替え手段Sw10を切り替えることによって、特性の異なる2つの演算増幅器11a,11bによる定電圧レギュレータを負荷回路13に選択して接続するようにした定電圧電源回路が記載されている。この定電圧電源回路では、出力トランジスタMPa,MPb、演算増幅器11a,11b、帰還抵抗12a,12bをそれぞれ2つずつ用意する必要があるだけでなく、切り替え手段Sw10を低抵抗にすることで、負荷回路13に負荷電流を充分な大きさで供給する必要があった。従って、これらの各素子の構成は大きくなって、そのチップ面積が増大する欠点があった。
また、切り替え手段Sw10を介して負荷回路13を駆動するため、負荷回路13への負荷流が切り替え手段Sw10におけるオン抵抗の影響を受けやすい。さらに、切り替え時には、切り替え手段Sw10の寄生容量からの電荷移動がそのまま出力電圧Voutにノイズとして現れるという欠点もあった。
図8は、別の従来装置を示す回路図である。ここでは、図7の従来装置と対応する部分に同一の参照符号を付けている。
この定電圧レギュレータは、PチャネルMOSトランジスタMP11〜MP14と、NチャネルMOSトランジスタMN11〜MN14と、電流源回路Ib11とから構成された1つの演算増幅器11aだけを備えており、必要に応じて演算増幅器11a内部の電流源回路Ib11における駆動電流を切り替えるように制御するものである。
この従来装置はチップ面積を縮小できる利点がある反面で、演算増幅器11a内の能動素子である各トランジスタMP11〜MP14,MN11〜MN14を負荷回路13の動作状態毎に異なった電流値で駆動する構成であるため、各素子のノードで動作点が変動して周波数特性が変化し、発振動作を引き起こすなど不安定になりやすい。また、低電流動作時には大きな駆動能力を有する素子を少ない電流値で駆動することになるため、演算増幅器11aの動作特性が著しく悪化する。さらに、位相補償、過負荷保護回路、通電流保護回路などを独立に設けることができないので、アクティブモード(動作状態)とスリープモード(待機状態)などのように2つ以上の状態が切り替わる携帯電話などに適用する際、それぞれの状態に応じて定電圧電源回路の出力特性を大きく異ならせることが難しいという問題もあった。
図9には、さらに別の定電圧電源回路の一例を示している(例えば、特許文献2参照)。
この定電圧電源回路は、1つの出力トランジスタと帰還抵抗を、それぞれ2つの異なる演算増幅器で駆動するものである。この定電圧電源回路では、演算増幅器の電流経路に電流容量の異なる2つのトランジスタからなる並列回路を設けて、実質的に2つの演算増幅器11a,11bを切り替え手段Sw11で切り替えて使用される。ここでは、負荷回路13が動作状態のときは並列回路のトランジスタは電流容量の大きい方のトランジスタがオンとなり、負荷回路13が待機状態のときは並列回路のトランジスタは電流容量の小さい方のトランジスタがオンとなっているように並列回路を制御することによって、定電圧回路の消費電流を負荷が動作状態のときは大きくし、負荷が待機状態のときは小さくするようにしたので、消費電流を抑制することができる。
このように図9の定電圧電源回路では、図7、図8のいずれの従来装置とも異なり、2つの演算増幅器11a,11bが切り替え手段Sw11を介して出力トランジスタMPaのゲートに接続されている。そして、負荷回路13が動作状態のときは一方の演算増幅器11aの出力により出力トランジスタMPaを制御し、待機状態のときは消費電流が少ない他一方の演算増幅器11bの出力により出力トランジスタMPaを制御するようにして、消費電流を抑制するようにしている。なお、図7、図8と対応する部分については、同一の参照符号を付けている。
特開2002−287833号公報(段落番号〔0010〕〜〔0024〕、図1) 特許第3394509号公報(段落番号〔0011〕〜〔0015〕、図1)
上述した特許文献2に記載された定電圧電源回路では、チップ面積が増大しないという利点があり、それぞれ動作状態と待機状態の状態で安定した動作を確保できる。しかし、演算増幅器11a,11b自体は2つ用いなければならない。そのため演算増幅器をそれぞれの回路ブロック毎にレイアウトを行うと、他ブロックとの結線の際に配線の引き回しが起こりやすい。従って、配線の寄生インピーダンスによってリップル除去率(PSRR)が悪化し、他配線とのクロストークによるノイズの回り込みが起こりやすいという問題があった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、それぞれ出力トランジスタ、演算増幅器、帰還抵抗を2つ以上用意することなしに、単一の演算増幅器だけを用いて構成された定電圧電源回路を提供することを目的とする。
本発明では上記課題を解決するために、帰還信号と参照信号との差分演算に基づいて、少なくとも動作状態と待機状態とに切り替えられる負荷回路に対して一定電圧を供給する定電圧電源回路において、駆動能力に差を有し、前記帰還信号と前記参照信号とがそれぞれ入力される複数の差動回路と、前記各差動回路で演算された差分信号をそれぞれ増幅する複数の増幅回路と、前記負荷回路が前記動作状態であれば、前記差動回路のうち駆動能力が高く消費電流が大きいものを選択し、前記負荷回路が前記待機状態に切り替えられた場合は、駆動能力が低く消費電流が小さい差動回路を選択する選択部と、を有する単一の演算増幅器を備えたことを特徴とする定電圧電源回路が提供される。
このような定電圧電源回路では、各差動回路を含む増幅回路にそれぞれ異なった特性を持たせることができ、それらを選択部によって切り替えて使用することができる。
本発明の定電圧電源回路によれば、単一の演算増幅器によって2つ以上の異なった特性を実現可能としながらも、出力トランジスタ、演算増幅器、帰還抵抗を2つ以上用意する必要がなくチップ面積を削減できる。また、出力端子、出力トランジスタのゲートにスイッチを入れる必要がないので、回路素子の寄生容量を通して電源電圧の変動を負荷回路側に伝えることがなく、電源変動除去比を悪化させることもない。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の定電圧電源回路の基本構成を示す回路図である。
図1に示す安定化電圧源(定電圧レギュレータ)は、電源端子Trefから参照電圧Vrefが供給される1つの演算増幅器11、1つのPチャネル型MOSトランジスタからなる出力トランジスタMPa、抵抗素子R1,R2を直列接続した1つの帰還抵抗12、および1つの出力容量Coutによって構成され、負荷回路13に対して出力電圧Voutを供給している。この演算増幅器11は3入力以上の差動対(図1では4入力)を備えており、この演算増幅器11の入力接続あるいは内部のノード接続を切り替えることによって、2つ以上の増幅器特性を実現することが可能となるものである。
すなわち、この安定化電圧源は、負荷回路13の通常の動作状態(以下、状態1という。)では、高速負荷応答、高PSRRが求められ、待機状態(以下、状態2という。)には低消費電力が求められる。ここでは、1つの負荷回路13に電源供給する安定化電圧源が2つの特性を求められる場合、駆動能力の大きな入力トランジスタからなる差動回路と、小さな入力トランジスタからなる差動回路を内部に構成し、1つの演算増幅器11に2組の反転入力端子(−)、非反転入力端子(+)を設けている。その場合に、状態1、状態2の切り替えに応じて、例えば差動入力端子への入力接続、または回路内部のノード接続を切り替えているために、負荷回路13のそれぞれの状態に最適な回路定数が設定され、安定した動作を実現することができる。
演算増幅器11には、その反転入力端子(−)に参照電圧Vrefが入力され、非反転入力端子(+)に出力電圧Voutを帰還抵抗12で分圧した帰還電圧とが入力され、両入力電位を比較することで、両入力電位が同一になるよう出力トランジスタMPaが制御される。
ここで、出力電圧Voutと参照電圧Vrefの関係は、次式(1)のように表される。
Vout=Vref×{(R1+R2)/R2} ……(1)
負荷回路13の一端は、出力トランジスタMPaのドレインと帰還抵抗12との接続点に接続され、他端は接地電位VSSに接続されている。負荷回路13への負荷電流の変動によって出力電圧Voutが変動すると、その電位を分圧した帰還電圧が演算増幅器11に帰還される。この演算増幅器11は、両入力間の誤差を増幅して出力トランジスタMPaのゲート電位を変動させることによって、式(1)のように出力電圧Voutを一定に保つことができる。ここでは、演算増幅器11の駆動電流が大きいほど出力トランジスタMPaのゲート電位を制御するまでの時間が高速になるから、通常動作時の急激な負荷変動に対する負荷応答特性がよくなる。
つぎに、図1に示す安定化電圧源を、例えば携帯電話などの電子機器に適用する場合の動作について説明する。
状態1では、演算増幅器11の駆動電流を大きくし、さらに駆動能力の小さい差動回路の入力トランジスタを高インピーダンスとすることで、駆動能力の大きい入力トランジスタ同士のインピーダンスの比で電流源からの電流比を決定するようにする。この時は、入力トランジスタから増幅段まで、駆動能力の大きなトランジスタのみで構成されているので、各素子は安定した動作を行うことができる。
また、駆動能力の小さい経路はほぼ出力に影響していない状態にあるため、周波数特性、過負荷保護機能等は駆動能力の大きな経路に接続した差動回路の設定でほぼ決定することができる。
状態2では、演算増幅器の駆動電流を小さくし、さらに駆動能力の大きい差動回路の入力トランジスタを高インピーダンスとすることで、駆動能力の小さいトランジスタ同士のインピーダンスの比で電流源からの電流比を決定するようにする。この時は、入力トランジスタから増幅段まで、駆動能力の小さなトランジスタのみで構成されているので、各素子は安定した動作を行うことができる。また、大きな素子を動作させる必要がないので、特性の悪化をある程度防ぐことができる。
また、駆動能力の大きい経路はほぼ出力に影響していない状態にあるため、周波数特性、過負荷保護機能等は駆動能力の小さな経路に接続した差動回路の設定でほぼ決定することができる。
以上、この多入力を備えた演算増幅器11では、内部接続の切り替えを行うだけで2つ以上の異なった特性を容易に切り替えることができ、それぞれの接続状態にあわせて最適な回路定数を設定できる。
また、出力段までの経路については、それぞれの入力トランジスタにあわせて駆動能力が大きいトランジスタで構成した経路と、駆動能力が小さいトランジスタで構成した経路とを構成することができる。
さらに、位相補償容量、過負荷保護回路等をそれぞれの経路にあわせて接続する。演算増幅器の状態毎に過負荷保護回路、短絡保護回路を独立に設けることが可能なため、状態毎の制御を任意に設定できる利点がある。
上述したような安定化電圧源では、異なる2つ以上の特性を備えた1つの演算増幅器11は、後述する実施の形態1〜3に示すように、演算増幅器11の入力接続を切り替えるか、あるいは後述する実施形態4,5に示すように、増幅器内部の各ノードの接続を切り替えることによって実現できる。なお、演算増幅器11の各定数は、演算増幅器11の特性を切り替えたときに、それぞれ異なる状態においても安定した動作が可能となるように設定されている。
(実施の形態1)
図2は、図1の基本回路構成を備えた定電圧レギュレータの具体的構成を示す回路図である。
ここでは、演算増幅器11が3つのNチャネル型MOSトランジスタ(以下、トランジスタという。)MN1〜MN3で構成される差動対と、電流源回路Ibiasと、4つのPチャネル型MOSトランジスタ(以下、トランジスタという。)MP1〜MP4で構成される2つの増幅回路と、帰還抵抗12からの帰還信号に選択的にマイナス方向へのオフセット電圧を加える直流電源E1と、オフセット選択回路Sw1とによって構成されている。
ここで、トランジスタMN1,MN2のゲートは2組の差動対に共通の非反転端子、トランジスタMN3はそれぞれの差動対の反転端子を構成している。また、ミラー接続されたトランジスタMP1とMP4により第1の増幅回路が構成され、ミラー接続されたトランジスタMP2とMP3により第2の増幅回路が構成されている。これら第1、第2の増幅回路には、それぞれ過負荷保護回路1、2を設けることができる。
帰還抵抗12は、抵抗素子R1,R2の接続点が直流電源E1の正極に接続されるとともに、オフセット選択回路Sw1の接点T2に接続されている。また、直流電源E1の負極は、オフセット選択回路Sw1の接点T1に接続されている。
オフセット選択回路Sw1は、負荷回路13の状態に応じて、状態1のときには図示実線の位置に切り替えられ、状態2のときには図示破線の位置に切り替えられるものである。従って、状態1ではトランジスタMN1(第1の入力トランジスタ)がオフセット選択回路Sw1を介して直流電源E1の負極に接続され、トランジスタMN2(第2の入力トランジスタ)がオフセット選択回路Sw1を介して帰還抵抗12に接続される。また、状態2ではトランジスタMN2がオフセット選択回路Sw1を介して直流電源E1の負極に接続され、トランジスタMN1がオフセット選択回路Sw1を介して帰還抵抗12に接続される。
増幅回路の電位については、トランジスタMN3のインピーダンス(Z−)対トランジスタMN1,MN2のインピーダンスの並列値(Z+)の比として決定され、トランジスタMP4とトランジスタMN3との接続点から取り出される演算増幅器11の出力信号によって、出カトランジスタMPaのゲートを制御するように構成されている。
つぎに、上記構成の演算増幅器11における入力接続の切り替えについて説明する。
いま、インピーダンス(Z−)は、トランジスタMN3のインピーダンスをZds3とすると、次式(2)のようになる。
Z−=Zds3 ……(2)
また、トランジスタMN1,MN2のインピーダンスの並列値(Z+)は、トランジスタMN1,MN2のインピーダンスをそれぞれZds1,Zds2とすると、次式(3)のようになる。
Z+=(Zds1*Zds2)/(Zds1+Zds2) ……(3)
そこで、負荷回路13が通常の動作状態(状態1)であれば、オフセット選択回路Sw1では、トランジスタMN1のゲートへの入力信号がトランジスタMN2のゲートへの入力信号に対して十分低い電位を選択しているので、
Zds1≫Zds2 ……(4)
となって、差動対における非反転端子のインピーダンス(Z+)は、ほぼトランジスタMN2のインピーダンスZds2に等しくなる。
ここで、電流源回路Ibiasの電流値は差動対のインピーダンス比によってその電流比が決定される。従って、この演算増幅器11の差動対は、実質的にトランジスタMN2とMN3のインピーダンス比(Zds2:Zds3)で動作する。
この時、トランジスタMN2の電流はトランジスタMP2でミラーされ、トランジスタMP3の電流値となり、増幅段の電位はトランジスタMP3のインピーダンス対トランジスタMN3のインピーダンス比、すなわちトランジスタMN2とトランジスタMN3のインピーダンス比で決定される。
反対に、負荷回路13が待機状態(状態2)であれば、オフセット選択回路Sw1では、式(4)とは逆にトランジスタMN2のゲートへの入力信号がトランジスタMN1のゲートへの入力信号に対して十分低い電位を選択しているので、差動対における非反転端子のインピーダンス(Z+)は、ほぼトランジスタMN1のインピーダンスZds1に等しくなる。
この時には、上述したことと同じ理由から、増幅段の電位はトランジスタMN1とトランジスタMN3のインピーダンス比で決定される。
このように、実施の形態1では、多入力の差動対を備えた演算増幅器11において、その入力端子の接続を切り替えることによって、トランジスタMN1,MN3とトランジスタMP1,MP4で構成される増幅器と、トランジスタMN2,MN3とトランジスタMP2,MP3で構成される増幅器という、2つの特性のものを選択して動作させることが可能になる。
また、それぞれの増幅経路に対して過負荷保護回路1,2を個別に設けることができるから、トランジスタMN1,MN3とトランジスタMP1,MP4での増幅経路に対する過負荷保護回路1を、トランジスタMN2,MN3とトランジスタMP2,MP3での増幅経路に対する過負荷保護回路とは別に設定して、それぞれに応じた制御の状態を決めることが可能となる。
さらに、過負荷保護回路1,2だけではなく、位相補償容量等、演算増幅器に接続される制御に関しても、特に図示はしていないが同様にそれぞれの状態毎に切り替えて設定することが可能である。
以上、実施の形態1の定電圧レギュレータによれば、1つの定電圧レギュレータで異なる2つ以上の特性を低コストで実現でき、それぞれの状態に最適な回路定数を設定することで安定した動作が可能になる。この定電圧レギュレータでは、出力端子に大きなスイッチを入れる必要がなくなって、そのレイアウト面積を削減でき、スイッチの寄生素子の影響によるPSRRの悪化も生じない。
また、切り替えられる演算増幅器のそれぞれの動作状態毎に、過負荷保護回路、短絡保護回路を設けることが可能であるため、状態毎の最大電流を個別に設定できるバッテリー装置を用いた携帯機器等にも応用できる。
さらに、特性切り替えを1つの増幅器で行えるからブロックを複数用意する必要がなく、回路のレイアウトの際にブロック間の配線引き回しが起こりにくく、寄生素子の影響によるPSRRの悪化が起こりにくい利点もある。
(実施の形態2)
図3は、図2とは別の定電圧レギュレータの具体的構成を示す回路図である。
ここでは、演算増幅器11が4つのNチャネル型MOSトランジスタ(以下、トランジスタという。)MN1〜MN4で構成される差動対と、電流源回路Ibiasと、4つのPチャネル型MOSトランジスタ(以下、トランジスタという。)MP1〜MP4で構成される2つの増幅回路と、帰還抵抗12からの帰還信号に選択的にオフセット電圧を加える直流電源E1,E2と、オフセット選択回路Sw1,Sw2とによって構成されている。
ここで、トランジスタMN1,MN2のゲートは2組の差動対に共通の非反転端子を構成し、トランジスタMN3,MN4のゲートは2組の差動対に共通の反転端子を構成している。また、ミラー接続されたトランジスタMP1とMP4により第1の増幅回路が構成され、ミラー接続されたトランジスタMP2とMP3により第2の増幅回路が構成されている。
帰還抵抗12は、抵抗素子R1,R2の接続点が直流電源E1の正極に接続されるとともに、オフセット選択回路Sw1の接点T2に接続されている。また、直流電源E1の負極は、オフセット選択回路Sw1の接点T1に接続されている。
電源端子Trefは、直流電源E2の正極に接続されるとともに、オフセット選択回路Sw2の接点T2に接続されている。また、直流電源E2の負極は、オフセット選択回路Sw2の接点T1に接続されている。
これらのオフセット選択回路Sw1,Sw2は、いずれも負荷回路13の状態に応じて、状態1のときには図示実線の位置に切り替えられ、状態2のときには図示破線の位置に切り替えられるものである。従って、状態1ではトランジスタMN1がオフセット選択回路Sw1を介して直流電源E1の負極に接続され、トランジスタMN2がオフセット選択回路Sw1を介して帰還抵抗12に接続され、トランジスタMN3がオフセット選択回路Sw2を介して直流電源E2の負極に接続され、トランジスタMN4がオフセット選択回路Sw2を介して電源端子Trefに接続される。そして、状態2ではトランジスタMN2がオフセット選択回路Sw1を介して直流電源E1の負極に接続され、トランジスタMN1がオフセット選択回路Sw1を介して帰還抵抗12に接続され、トランジスタMN4がオフセット選択回路Sw2を介して直流電源E2の負極に接続され、トランジスタMN3がオフセット選択回路Sw2を介して電源端子Trefに接続される。
増幅回路の電位については、トランジスタMN3,MN4のインピーダンスの並列値(Z−)対トランジスタMN1,MN2のインピーダンスの並列値(Z+)の比として決定され、トランジスタMP3,MP4とトランジスタMN3,MN4との接続点から取り出される演算増幅器11の出力信号によって、出カトランジスタMPaのゲートを制御するように構成されている。
つぎに、上記構成の演算増幅器11における入力接続の切り替えについて説明する。
いま、トランジスタMN3,MN4のインピーダンスの並列値(Z−)は、トランジスタMN3,MN4のインピーダンスをZds3,Zds4とすると、次式(5)のようになる。
Z−=(Zds3*Zds4)/(Zds3+Zds4) ……(5)
また、トランジスタMN1,MN2のインピーダンスの並列値(Z+)は、トランジスタMN1,MN2のインピーダンスをそれぞれZds1,Zds2とすると、次式(6)のようになる。
Z+=(Zds1*Zds2)/(Zds1+Zds2) ……(6)
そこで、負荷回路13が通常の動作状態(状態1)であれば、オフセット選択回路Sw1,Sw2では、それぞれトランジスタMN1,MN3のゲートへの入力信号がトランジスタMN2,MN4のゲートへの入力信号に対して十分低い電位を選択しているので、前記した式(4)とともに、次式(7)が成立する。
Zds3≫Zds4 ……(7)
従って、差動対における非反転端子のインピーダンス(Z+)は、ほぼトランジスタMN2のインピーダンスZds2に等しく、反転端子のインピーダンス(Z−)は、ほぼトランジスタMN3のインピーダンスZds3に等しくなる。
ここで、電流源回路Ibiasの電流値は差動対のインピーダンス比によってその電流比が決定される。従って、この演算増幅器11の差動対は、実質的にトランジスタMN2とMN3のインピーダンス比(Zds2:Zds3)で動作する。
この時、トランジスタMN2の電流はトランジスタMP2でミラーされ、トランジスタMP3の電流値となり、増幅段の電位はトランジスタMP3のインピーダンス対トランジスタMN3のインピーダンス比、すなわちトランジスタMN2とトランジスタMN3のインピーダンス比で決定される。
反対に、負荷回路13が待機状態(状態2)であれば、オフセット選択回路Sw1では、式(4)や式(7)とは逆にトランジスタMN2,MN3のゲートへの入力信号がトランジスタMN1,MN4のゲートへの入力信号に対して十分低い電位を選択しているので、差動対における非反転端子のインピーダンス(Z+)は、ほぼトランジスタMN1のインピーダンスZds1に等しく、反転端子のインピーダンス(Z−)は、ほぼトランジスタMN4のインピーダンスZds4に等しくなる。
この時には、上述したことと同じ理由から、増幅段の電位がトランジスタMN1とトランジスタMN4のインピーダンス比で決定される。
このように、実施の形態2では、多入力の差動対を備えた演算増幅器11において、その入力端子の接続を切り替えることによって、トランジスタMN1,MN4とトランジスタMP1,MP4で構成される増幅器と、トランジスタMN2,MN3とトランジスタMP2,MP3で構成される増幅器という、2つの特性のものを選択して動作させることが可能になる。この実施の形態2では、特に、トランジスタMN1,MN4とトランジスタMP1,MP4の駆動能力とトランジスタMN2,MN3とトランジスタMP2,MP3の駆動能力を異なるように設定しておけば、入力端子の接続を切り替えると同時に電流源回路Ibiasを流れる電流の大きさを切り替えて、それぞれの状態1、状態2にトランジスタMN1〜MN4の駆動能力と、電流源回路Ibiasの電流値を最適化しておくことで、それぞれの状態で安定した動作を行うことが可能となる。
(実施の形態3)
図4は、図2や図3とはさらに別の定電圧レギュレータの具体的構成を示す回路図である。
この実施の形態3では、差動対を構成する4つのNチャネル型MOSトランジスタ(以下、トランジスタという。)MN1〜MN4について、トランジスタMN1,MN4を互いに同一能力とし、トランジスタMN2,MN3も互いに同一能力として、さらにトランジスタMN1,MN4をトランジスタMN2,MN3に比べて能力が十分小さいものと仮定している。
また、オフセット選択回路Sw3,Sw4によって、トランジスタMN2,MN3へのオフセット電源E3,E4を状態毎にオンオフするとともに、電流源回路Ibiasの電流値が状態毎に変化するように制御している。ここでは、実施の形態1,2と共通する部分には対応する参照符号を付けることにより、それらの詳細な説明を省略している。
つぎに、上記構成の演算増幅器11における入力接続の切り替えについて説明する。
負荷回路13が通常の動作状態(状態1)であれば、オフセット選択回路Sw3,Sw4によりトランジスタMN2,MN3のゲートへの入力信号がそれぞれトランジスタMN1,MN4のゲートへの入力信号に対して十分低い電位となる。従って、上記式(7)と、次の式(8)が成り立つ。
Zds2≫Zds1 ……(8)
従って、トランジスタMN1,MN2の非反転端子のインピーダンス(Z+)は、ほぼトランジスタMN1のインピーダンスZds1に等しくなり、同様に、トランジスタMN3,MN4の反転端子のインピーダンス(Z−)も、ほぼトランジスタMN4のインピーダンスZds4に等しくなる。
そこで、オフセット選択回路Sw3,Sw4の切り替えと同時に、電流源回路Ibiasの電流値をトランジスタMN1,MN4の駆動能力に最適な値にすることで、実施の形態2で説明したのと同じ理由から、増幅段の電位がトランジスタMN1とMN4とのインピーダンス比で決定され、この状態1でトランジスタMN1,MN4は、それぞれ最適な動作点をとることができる。
反対に、負荷回路13が待機状態(状態2)であれば、トランジスタMN2,MN3の入力端子をそれぞれトランジスタMN1,MN4の入力端子と同一電位とするだけで、トランジスタMN1,MN4の駆動能力が予めトランジスタMN2,MN3に比べて十分小さく設定されているため、非反転端子のインピーダンス(Z+)は、ほぼトランジスタMN2のインピーダンスZds2に等しくなり、トランジスタMN3,MN4の反転端子のインピーダンス(Z−)は、ほぼトランジスタMN3のインピーダンスZds3に等しくなる。
この時、増幅段の電位はトランジスタMNlとMN4のインピーダンス比で決定される。また、入力端子の接続を切り替えると同時に電流源回路Ibiasを流れる電流の大きさを切り替えて、それぞれの状態1、状態2にトランジスタMN1〜MN4の駆動能力と、電流源回路Ibiasの電流値を最適化しておくことで、それぞれの状態で安定した動作を行うことが可能となる。
以上、実施の形態1〜3では、いずれも演算増幅器は電流源とソース端子を共有する3個以上のトランジスタで構成される差動対と、入力トランジスタから出力段までのそれぞれ独立した増幅経路と、差動対で比較された差分を増幅する増幅段で構成される。そして、差動対を構成するトランジスタはそれぞれの入力電位によってインピーダンスが決定される。また、電流源回路から供給される電流は、差動対のインピーダンスにより電流比が決定され、反転入力、非反転入力の電流和を増幅段で比較し、差分が増幅されて出力される構成とすることができる。
上記構成を持つ演算増幅器では、差動対の入力トランジスタのいずれかにオフセットを持たせることにより、入力トランジスタを等価的に高インピーダンスにしている。高インピーダンスとなったトランジスタから増幅段までの経路には電流はほぼ流れないため、この経路が増幅段に与える影響は微小である。従って、差動対は残りのトランジスタのインピーダンス比によって、実質的に電流比を決定できる。
これにより、それぞれの増幅経路毎に、位相補償、過負荷保護等の各制御を同時に行っても、高インピーダンス増幅経路は出力にほぼ影響を与えないため、実質的に残りの増幅経路への制御のみで回路設定を決定できる。また、入力が高インピーダンスになっている状態でも、この増幅経路には微小電流が流れる状態にしておくと、各トランジスタが閾値(Vth)付近でバイアスされている状態となるため、接続の切り替えを行った直後であっても正常に動作を行うことができる。
(実施の形態4)
図5は、図1の基本回路構成を備えた定電圧レギュレータの具体的構成を示す回路図である。
ここでは、演算増幅器11が4つのNチャネル型MOSトランジスタ(以下、トランジスタという。)MN1〜MN4で構成される差動対と、電流源回路Ibiasと、4つのPチャネル型MOSトランジスタ(以下、トランジスタという。)MP1〜MP4で構成される2つの増幅回路と、差動対を構成するトランジスタMN1〜MN4のドレイン側ノードに接続された抵抗回路R11〜R14と、これらの抵抗回路R11〜R14を短絡するように内部の各ノードの接続を切り替えるスイッチS1〜S4とによって構成されている。
スイッチS1〜S4は、負荷回路13の状態に応じてオンオフされるものであって、選択されたスイッチS1〜S4に対応する抵抗回路R11〜R14によって、トランジスタMN1〜MN4のドレイン側におけるインピーダンスが切り替えられる。
ここで、トランジスタMN1,MN2のゲートは2組の差動対に共通の非反転端子、トランジスタMN3,MN4のゲートは2組の差動対に共通の反転端子を構成している。また、ミラー接続されたトランジスタMP1とMP4により第1の増幅回路が構成され、ミラー接続されたトランジスタMP2とMP3により第2の増幅回路が構成されている。
増幅回路の電位については、トランジスタMN3,MN4のインピーダンスの並列値(Z−)対トランジスタMN1,MN2のインピーダンスの並列値(Z+)の比として決定され、トランジスタMP3,MP4とトランジスタMN3,MN4との接続点から取り出される演算増幅器11の出力信号によって、出カトランジスタMPaのゲートを制御するように構成されている。
つぎに、上記構成の演算増幅器11における各ノードの接続の切り替えについて説明する。
いま、負荷回路13が通常の動作状態(状態1)であれば、スイッチS1,S4がオフされ、スイッチS2,S3がオンされることによって、トランジスタMN1,MN4のドレインをそれぞれ高インピーダンスに切り替える。すると、トランジスタMN1のインピーダンスZds1は上記式(4)に示すように、トランジスタMN2のインピーダンスZds2より大きくなる。従って、上記式(3)に示すように、差動対における非反転端子のインピーダンス(Z+)は、ほぼトランジスタMN2のインピーダンスZds2に等しくなる。
同様に、トランジスタMN3,MN4の反転端子のインピーダンス(Z−)についても、ほぼトランジスタMN3のインピーダンスZds3に等しくなる。
ここで、電流源回路Ibiasの電流値は差動対のインピーダンス比によってその電流比が決定される。従って、この演算増幅器11の差動対は、実質的にトランジスタMN2とMN3のインピーダンス比(Zds2:Zds3)で動作する。
この時、トランジスタMN2の電流はトランジスタMP2でミラーされ、トランジスタMP3の電流値となり、増幅段の電位はトランジスタMP3のインピーダンス対トランジスタMN3のインピーダンス比、すなわちトランジスタMN2とトランジスタMN3のインピーダンス比で決定される。
反対に、負荷回路13が待機状態(状態2)であれば、スイッチS2,S3がオフされ、スイッチS1,S4がオンされることによって、トランジスタMN2,MN3のドレインをそれぞれ高インピーダンスに切り替える。すると、差動対における非反転端子のインピーダンス(Z+)は、ほぼトランジスタMN1のインピーダンスZds1に等しくなり、反転端子のインピーダンス(Z−)は、ほぼトランジスタMN4のインピーダンスZds4に等しくなる。
この時には、上述したことと同じ理由から、増幅段の電位がトランジスタMN1とトランジスタMN4のインピーダンス比で決定される。
このように、実施の形態4では、多入力の差動対を備えた演算増幅器11において、その各ノードの接続によってインピーダンスを切り替えることによって、トランジスタMN1,MN4とトランジスタMP1,MP4で構成される増幅器と、トランジスタMN2,MN3とトランジスタMP2,MP3で構成される増幅器という、2つの特性のものを選択して動作させることが可能になる。なお、トランジスタMN1〜MN4のドレイン側ノードに接続された抵抗回路R11〜R14とスイッチS1〜S4については、それぞれトランジスタMN1〜MN4のソース側ノードに接続してもよい。
また、図2に示す実施の形態1におけるものと同様に、それぞれの増幅経路に対して過負荷保護回路を個別に設けることができるから、トランジスタMN1,MN3とトランジスタMP1,MP4での増幅経路に対する過負荷保護回路1を、トランジスタMN2,MN3とトランジスタMP2,MP3での増幅経路に対する過負荷保護回路とは別に設定して、それぞれに応じた制御の状態を決めることが可能となる。
さらに、過負荷保護回路だけではなく、位相補償容量等、演算増幅器に接続される制御に関しても、特に図示はしていないが同様にそれぞれの状態毎に切り替えて設定することが可能である。
この実施の形態4では、特に、トランジスタMN1,MN4とトランジスタMP1,MP4の駆動能力とトランジスタMN2,MN3とトランジスタMP2,MP3の駆動能力を異なるように設定しておけば、差動対の入力トランジスタのドレイン、ソース間のインピーダンスを切り替えると同時に電流源回路Ibiasを流れる電流の大きさを切り替えて、それぞれの状態1、状態2にトランジスタMN1〜MN4の駆動能力と、電流源回路Ibiasの電流値を最適化しておくことで、それぞれの状態で安定した動作を行うことが可能となる。
(実施の形態5)
図6は、図5とは別の定電圧レギュレータの具体的構成を示す回路図である。
この実施の形態では、差動対を構成する4つのNチャネル型MOSトランジスタ(以下、トランジスタという。)MN1〜MN4について、トランジスタMN1,MN4を互いに同一能力とし、トランジスタMN2,MN3も互いに同一能力として、さらにトランジスタMN1,MN4をトランジスタMN2,MN3に比べて能力が十分小さいものと仮定している。
また、一方の差動対を構成するトランジスタMN2、MN3のドレイン側に接続された抵抗回路R12,R13と、これらの抵抗回路R12,R13を短絡するように内部の各ノードの接続を切り替えるスイッチS2,S3とが設けられている。ここでは、実施の形態4と共通する部分には対応する参照符号を付けることにより、それらの詳細な説明を省略している。
つぎに、上記構成の演算増幅器11における入力接続の切り替えについて説明する。
いま、負荷回路13が通常の動作状態(状態1)であれば、スイッチS2,S3がオフされることによって、トランジスタMN2,MN3のドレインはそれぞれ抵抗回路R12,R13を介して増幅回路に接続される構成となるため、非反転端子のインピーダンス(Z+)は、ほぼトランジスタMN1のインピーダンスZds1に等しくなり、トランジスタMN3,MN4の反転端子のインピーダンス(Z−)は、ほぼトランジスタMN4のインピーダンスZds4に等しくなる。
そこで、スイッチS2,S3をオフに切り替えると同時に、電流源回路Ibiasの電流値をトランジスタMN1,MN4の駆動能力に最適な値にすることで、実施の形態4で説明したのと同じ理由から、増幅段の電位がトランジスタMN1とMN4とのインピーダンス比で決定され、この状態1でトランジスタMN1,MN4は、それぞれ最適な動作点をとることができる。
反対に、負荷回路13が待機状態(状態2)であれば、スイッチS2,S3がオンされることによって、トランジスタMN1,MN4の駆動能力が予めトランジスタMN2,MN3に比べて十分小さく設定されているため、非反転端子のインピーダンス(Z+)は、ほぼトランジスタMN2のインピーダンスZds2に等しくなり、トランジスタMN3,MN4の反転端子のインピーダンス(Z−)は、ほぼトランジスタMN3のインピーダンスZds3に等しくなる。
この時、増幅段の電位はトランジスタMNlとMN4のインピーダンス比で決定される。また、内部のスイッチS2,S3をオンに切り替えると同時に電流源回路Ibiasを流れる電流の大きさを切り替えて、それぞれの状態1、状態2にトランジスタMN1〜MN4の駆動能力と、電流源回路Ibiasの電流値を最適化しておくことで、それぞれの状態で安定した動作を行うことが可能となる。
本発明の定電圧電源回路の基本構成を示す回路図である。 図1の基本回路構成を備えた定電圧レギュレータの具体的構成を示す回路図である。 図2とは別の定電圧レギュレータの具体的構成を示す回路図である。 図2や図3とはさらに別の定電圧レギュレータの具体的構成を示す回路図である。 図1の基本回路構成を備えた定電圧レギュレータの具体的構成を示す回路図である。 図5とは別の定電圧レギュレータの具体的構成を示す回路図である。 従来の定電圧電源回路の一例を示す回路図である。 別の従来装置を示す回路図である。 さらに別の定電圧電源回路の一例を示す回路図である。
符号の説明
11……演算増幅器、12……帰還抵抗、13……負荷回路、Tref……電源端子、MPa……出力トランジスタ、R1,R2……抵抗素子、Cout……出力容量、Sw1,Sw2……オフセット選択回路、MN1〜MN4……トランジスタ(Nチャネル型MOSトランジスタ)、E1,E2……直流電源、R11〜R14……抵抗回路

Claims (7)

  1. 帰還信号と参照信号との差分演算に基づいて、少なくとも動作状態と待機状態とに切り替えられる負荷回路に対して一定電圧を供給する定電圧電源回路において、
    駆動能力に差を有し、前記帰還信号と前記参照信号とがそれぞれ入力される複数の差動回路と、
    前記各差動回路で演算された差分信号をそれぞれ増幅する複数の増幅回路と、
    前記負荷回路が前記動作状態であれば、前記差動回路のうち駆動能力が高く消費電流が大きいものを選択し、前記負荷回路が前記待機状態に切り替えられた場合は、駆動能力が低く消費電流が小さい差動回路を選択する選択部と
    を有する単一の演算増幅器を備えたことを特徴とする定電圧電源回路。
  2. 前記演算増幅器は、
    ソース端子を共有する3個以上の差動入力トランジスタと、
    前記各差動入力トランジスタの少なくとも1つに対する入力信号にオフセット電圧を加える直流電源と、
    を有し、
    前記選択部は、
    前記負荷回路の状態に応じて少なくとも1つの前記差動入力トランジスタのゲート端子と前記直流電源とを接続するオフセット選択回路であることを特徴とする請求項1記載の定電圧電源回路。
  3. 前記演算増幅器は、第1、第2の差動入力トランジスタを含む第1の差動回路と、これらとは駆動能力に差を有する第3、第4の差動入力トランジスタを含む第2の差動回路とを有し、
    前記オフセット選択回路は、前記第1、第3の差動入力トランジスタのいずれかのゲート端子に前記オフセット電圧を加えた前記帰還信号を供給する第1のオフセット選択回路と、前記第2、第4の差動入力トランジスタのいずれかのゲート端子に前記オフセット電圧を加えた前記参照信号を供給する第2のオフセット選択回路とを有することを特徴とする請求項2記載の定電圧電源回路。
  4. 前記第1、第2の差動入力トランジスタは、前記第3、第4の差動入力トランジスタに比べて駆動能力の低いものであって、
    前記負荷回路が待機状態に切り替えられた場合には、前記第1、第2のオフセット選択回路を切り替えることによって、それぞれ前記第3、第4の差動入力トランジスタのゲート端子を前記第1、第2の差動入力トランジスタのゲート端子より低い電位に設定するようにしたことを特徴とする請求項3記載の定電圧電源回路。
  5. 前記演算増幅器は、
    ソース端子を共有する3個以上の差動入力トランジスタと、
    前記差動入力トランジスタのドレイン側インピーダンスを変化させる抵抗回路と、
    を有し、
    前選択部は、
    前記負荷回路の状態に応じて前記差動回路の少なくとも1つの前記差動入力トランジスタのドレイン側に前記抵抗回路を接続する切り替え回路であることを特徴とする請求項1記載の定電圧電源回路。
  6. 前記演算増幅器は、
    第1、第2の差動入力トランジスタを含む第1の差動回路と、
    これらとは駆動能力に差を有する第3、第4の差動入力トランジスタを含む第2の差動回路と、
    前記第1ないし第4の差動入力トランジスタのドレイン端子をそれぞれ前記増幅回路と接続する第1ないし第4の抵抗回路と、
    を有することを特徴とする請求項5記載の定電圧電源回路。
  7. 前記第1、第2の差動入力トランジスタは、前記第3、第4の差動入力トランジスタに比べて駆動能力の低いものであって、それらのドレイン端子がそれぞれ前記増幅回路と直接接続されており、
    前記負荷回路が待機状態に切り替えられた場合、前記第3、第4の抵抗回路を介して前記第3、第4の差動入力トランジスタのドレイン端子をそれぞれ前記増幅回路と接続することにより、前記第1、第2の差動入力トランジスタによって前記差分演算を行い、
    前記負荷回路が動作状態に切り替えられた場合、前記第3、第4の差動入力トランジスタのドレイン端子をそれぞれ前記増幅回路に直接接続することにより、前記第3、第4の差動入力トランジスタによって前記差分演算を行うことを特徴とする請求項6記載の定電圧電源回路。
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