JP4396402B2 - 定電圧電源回路 - Google Patents
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図7において、電源端子Trefからの参照電圧Vrefに基づいて、負荷回路13に安定した出力電圧を供給すべく、2つの演算増幅器(OTA:Operation Transconductance Amp)11a,11bが設けられている。これらの演算増幅器11a,11bは、例えばトランジスタのサイズは異なるが同じ構成をもち、演算増幅器11aでは電流供給能力が大きいトランジスタのサイズが用いられている。演算増幅器11a,11bの反転入力端子(−)は電源端子Trefと接続され、演算増幅器11aの非反転入力端子(−)は抵抗素子R1,R2からなる帰還抵抗12aに接続され、演算増幅器11bの非反転入力端子(−)は抵抗素子R3,R4からなる帰還抵抗12bに接続されている。
この定電圧レギュレータは、PチャネルMOSトランジスタMP11〜MP14と、NチャネルMOSトランジスタMN11〜MN14と、電流源回路Ib11とから構成された1つの演算増幅器11aだけを備えており、必要に応じて演算増幅器11a内部の電流源回路Ib11における駆動電流を切り替えるように制御するものである。
この定電圧電源回路は、1つの出力トランジスタと帰還抵抗を、それぞれ2つの異なる演算増幅器で駆動するものである。この定電圧電源回路では、演算増幅器の電流経路に電流容量の異なる2つのトランジスタからなる並列回路を設けて、実質的に2つの演算増幅器11a,11bを切り替え手段Sw11で切り替えて使用される。ここでは、負荷回路13が動作状態のときは並列回路のトランジスタは電流容量の大きい方のトランジスタがオンとなり、負荷回路13が待機状態のときは並列回路のトランジスタは電流容量の小さい方のトランジスタがオンとなっているように並列回路を制御することによって、定電圧回路の消費電流を負荷が動作状態のときは大きくし、負荷が待機状態のときは小さくするようにしたので、消費電流を抑制することができる。
図1に示す安定化電圧源(定電圧レギュレータ)は、電源端子Trefから参照電圧Vrefが供給される1つの演算増幅器11、1つのPチャネル型MOSトランジスタからなる出力トランジスタMPa、抵抗素子R1,R2を直列接続した1つの帰還抵抗12、および1つの出力容量Coutによって構成され、負荷回路13に対して出力電圧Voutを供給している。この演算増幅器11は3入力以上の差動対(図1では4入力)を備えており、この演算増幅器11の入力接続あるいは内部のノード接続を切り替えることによって、2つ以上の増幅器特性を実現することが可能となるものである。
Vout=Vref×{(R1+R2)/R2} ……(1)
負荷回路13の一端は、出力トランジスタMPaのドレインと帰還抵抗12との接続点に接続され、他端は接地電位VSSに接続されている。負荷回路13への負荷電流の変動によって出力電圧Voutが変動すると、その電位を分圧した帰還電圧が演算増幅器11に帰還される。この演算増幅器11は、両入力間の誤差を増幅して出力トランジスタMPaのゲート電位を変動させることによって、式(1)のように出力電圧Voutを一定に保つことができる。ここでは、演算増幅器11の駆動電流が大きいほど出力トランジスタMPaのゲート電位を制御するまでの時間が高速になるから、通常動作時の急激な負荷変動に対する負荷応答特性がよくなる。
状態1では、演算増幅器11の駆動電流を大きくし、さらに駆動能力の小さい差動回路の入力トランジスタを高インピーダンスとすることで、駆動能力の大きい入力トランジスタ同士のインピーダンスの比で電流源からの電流比を決定するようにする。この時は、入力トランジスタから増幅段まで、駆動能力の大きなトランジスタのみで構成されているので、各素子は安定した動作を行うことができる。
図2は、図1の基本回路構成を備えた定電圧レギュレータの具体的構成を示す回路図である。
いま、インピーダンス(Z−)は、トランジスタMN3のインピーダンスをZds3とすると、次式(2)のようになる。
また、トランジスタMN1,MN2のインピーダンスの並列値(Z+)は、トランジスタMN1,MN2のインピーダンスをそれぞれZds1,Zds2とすると、次式(3)のようになる。
そこで、負荷回路13が通常の動作状態(状態1)であれば、オフセット選択回路Sw1では、トランジスタMN1のゲートへの入力信号がトランジスタMN2のゲートへの入力信号に対して十分低い電位を選択しているので、
Zds1≫Zds2 ……(4)
となって、差動対における非反転端子のインピーダンス(Z+)は、ほぼトランジスタMN2のインピーダンスZds2に等しくなる。
このように、実施の形態1では、多入力の差動対を備えた演算増幅器11において、その入力端子の接続を切り替えることによって、トランジスタMN1,MN3とトランジスタMP1,MP4で構成される増幅器と、トランジスタMN2,MN3とトランジスタMP2,MP3で構成される増幅器という、2つの特性のものを選択して動作させることが可能になる。
図3は、図2とは別の定電圧レギュレータの具体的構成を示す回路図である。
ここでは、演算増幅器11が4つのNチャネル型MOSトランジスタ(以下、トランジスタという。)MN1〜MN4で構成される差動対と、電流源回路Ibiasと、4つのPチャネル型MOSトランジスタ(以下、トランジスタという。)MP1〜MP4で構成される2つの増幅回路と、帰還抵抗12からの帰還信号に選択的にオフセット電圧を加える直流電源E1,E2と、オフセット選択回路Sw1,Sw2とによって構成されている。
いま、トランジスタMN3,MN4のインピーダンスの並列値(Z−)は、トランジスタMN3,MN4のインピーダンスをZds3,Zds4とすると、次式(5)のようになる。
また、トランジスタMN1,MN2のインピーダンスの並列値(Z+)は、トランジスタMN1,MN2のインピーダンスをそれぞれZds1,Zds2とすると、次式(6)のようになる。
そこで、負荷回路13が通常の動作状態(状態1)であれば、オフセット選択回路Sw1,Sw2では、それぞれトランジスタMN1,MN3のゲートへの入力信号がトランジスタMN2,MN4のゲートへの入力信号に対して十分低い電位を選択しているので、前記した式(4)とともに、次式(7)が成立する。
従って、差動対における非反転端子のインピーダンス(Z+)は、ほぼトランジスタMN2のインピーダンスZds2に等しく、反転端子のインピーダンス(Z−)は、ほぼトランジスタMN3のインピーダンスZds3に等しくなる。
このように、実施の形態2では、多入力の差動対を備えた演算増幅器11において、その入力端子の接続を切り替えることによって、トランジスタMN1,MN4とトランジスタMP1,MP4で構成される増幅器と、トランジスタMN2,MN3とトランジスタMP2,MP3で構成される増幅器という、2つの特性のものを選択して動作させることが可能になる。この実施の形態2では、特に、トランジスタMN1,MN4とトランジスタMP1,MP4の駆動能力とトランジスタMN2,MN3とトランジスタMP2,MP3の駆動能力を異なるように設定しておけば、入力端子の接続を切り替えると同時に電流源回路Ibiasを流れる電流の大きさを切り替えて、それぞれの状態1、状態2にトランジスタMN1〜MN4の駆動能力と、電流源回路Ibiasの電流値を最適化しておくことで、それぞれの状態で安定した動作を行うことが可能となる。
図4は、図2や図3とはさらに別の定電圧レギュレータの具体的構成を示す回路図である。
負荷回路13が通常の動作状態(状態1)であれば、オフセット選択回路Sw3,Sw4によりトランジスタMN2,MN3のゲートへの入力信号がそれぞれトランジスタMN1,MN4のゲートへの入力信号に対して十分低い電位となる。従って、上記式(7)と、次の式(8)が成り立つ。
従って、トランジスタMN1,MN2の非反転端子のインピーダンス(Z+)は、ほぼトランジスタMN1のインピーダンスZds1に等しくなり、同様に、トランジスタMN3,MN4の反転端子のインピーダンス(Z−)も、ほぼトランジスタMN4のインピーダンスZds4に等しくなる。
図5は、図1の基本回路構成を備えた定電圧レギュレータの具体的構成を示す回路図である。
いま、負荷回路13が通常の動作状態(状態1)であれば、スイッチS1,S4がオフされ、スイッチS2,S3がオンされることによって、トランジスタMN1,MN4のドレインをそれぞれ高インピーダンスに切り替える。すると、トランジスタMN1のインピーダンスZds1は上記式(4)に示すように、トランジスタMN2のインピーダンスZds2より大きくなる。従って、上記式(3)に示すように、差動対における非反転端子のインピーダンス(Z+)は、ほぼトランジスタMN2のインピーダンスZds2に等しくなる。
ここで、電流源回路Ibiasの電流値は差動対のインピーダンス比によってその電流比が決定される。従って、この演算増幅器11の差動対は、実質的にトランジスタMN2とMN3のインピーダンス比(Zds2:Zds3)で動作する。
このように、実施の形態4では、多入力の差動対を備えた演算増幅器11において、その各ノードの接続によってインピーダンスを切り替えることによって、トランジスタMN1,MN4とトランジスタMP1,MP4で構成される増幅器と、トランジスタMN2,MN3とトランジスタMP2,MP3で構成される増幅器という、2つの特性のものを選択して動作させることが可能になる。なお、トランジスタMN1〜MN4のドレイン側ノードに接続された抵抗回路R11〜R14とスイッチS1〜S4については、それぞれトランジスタMN1〜MN4のソース側ノードに接続してもよい。
図6は、図5とは別の定電圧レギュレータの具体的構成を示す回路図である。
この実施の形態5では、差動対を構成する4つのNチャネル型MOSトランジスタ(以下、トランジスタという。)MN1〜MN4について、トランジスタMN1,MN4を互いに同一能力とし、トランジスタMN2,MN3も互いに同一能力として、さらにトランジスタMN1,MN4をトランジスタMN2,MN3に比べて能力が十分小さいものと仮定している。
いま、負荷回路13が通常の動作状態(状態1)であれば、スイッチS2,S3がオフされることによって、トランジスタMN2,MN3のドレインはそれぞれ抵抗回路R12,R13を介して増幅回路に接続される構成となるため、非反転端子のインピーダンス(Z+)は、ほぼトランジスタMN1のインピーダンスZds1に等しくなり、トランジスタMN3,MN4の反転端子のインピーダンス(Z−)は、ほぼトランジスタMN4のインピーダンスZds4に等しくなる。
Claims (7)
- 帰還信号と参照信号との差分演算に基づいて、少なくとも動作状態と待機状態とに切り替えられる負荷回路に対して一定電圧を供給する定電圧電源回路において、
駆動能力に差を有し、前記帰還信号と前記参照信号とがそれぞれ入力される複数の差動回路と、
前記各差動回路で演算された差分信号をそれぞれ増幅する複数の増幅回路と、
前記負荷回路が前記動作状態であれば、前記差動回路のうち駆動能力が高く消費電流が大きいものを選択し、前記負荷回路が前記待機状態に切り替えられた場合は、駆動能力が低く消費電流が小さい差動回路を選択する選択部と、
を有する単一の演算増幅器を備えたことを特徴とする定電圧電源回路。 - 前記演算増幅器は、
ソース端子を共有する3個以上の差動入力トランジスタと、
前記各差動入力トランジスタの少なくとも1つに対する入力信号にオフセット電圧を加える直流電源と、
を有し、
前記選択部は、
前記負荷回路の状態に応じて少なくとも1つの前記差動入力トランジスタのゲート端子と前記直流電源とを接続するオフセット選択回路であることを特徴とする請求項1記載の定電圧電源回路。 - 前記演算増幅器は、第1、第2の差動入力トランジスタを含む第1の差動回路と、これらとは駆動能力に差を有する第3、第4の差動入力トランジスタを含む第2の差動回路とを有し、
前記オフセット選択回路は、前記第1、第3の差動入力トランジスタのいずれかのゲート端子に前記オフセット電圧を加えた前記帰還信号を供給する第1のオフセット選択回路と、前記第2、第4の差動入力トランジスタのいずれかのゲート端子に前記オフセット電圧を加えた前記参照信号を供給する第2のオフセット選択回路とを有することを特徴とする請求項2記載の定電圧電源回路。 - 前記第1、第2の差動入力トランジスタは、前記第3、第4の差動入力トランジスタに比べて駆動能力の低いものであって、
前記負荷回路が待機状態に切り替えられた場合には、前記第1、第2のオフセット選択回路を切り替えることによって、それぞれ前記第3、第4の差動入力トランジスタのゲート端子を前記第1、第2の差動入力トランジスタのゲート端子より低い電位に設定するようにしたことを特徴とする請求項3記載の定電圧電源回路。 - 前記演算増幅器は、
ソース端子を共有する3個以上の差動入力トランジスタと、
前記差動入力トランジスタのドレイン側インピーダンスを変化させる抵抗回路と、
を有し、
前選択部は、
前記負荷回路の状態に応じて前記差動回路の少なくとも1つの前記差動入力トランジスタのドレイン側に前記抵抗回路を接続する切り替え回路であることを特徴とする請求項1記載の定電圧電源回路。 - 前記演算増幅器は、
第1、第2の差動入力トランジスタを含む第1の差動回路と、
これらとは駆動能力に差を有する第3、第4の差動入力トランジスタを含む第2の差動回路と、
前記第1ないし第4の差動入力トランジスタのドレイン端子をそれぞれ前記増幅回路と接続する第1ないし第4の抵抗回路と、
を有することを特徴とする請求項5記載の定電圧電源回路。 - 前記第1、第2の差動入力トランジスタは、前記第3、第4の差動入力トランジスタに比べて駆動能力の低いものであって、それらのドレイン端子がそれぞれ前記増幅回路と直接接続されており、
前記負荷回路が待機状態に切り替えられた場合、前記第3、第4の抵抗回路を介して前記第3、第4の差動入力トランジスタのドレイン端子をそれぞれ前記増幅回路と接続することにより、前記第1、第2の差動入力トランジスタによって前記差分演算を行い、
前記負荷回路が動作状態に切り替えられた場合、前記第3、第4の差動入力トランジスタのドレイン端子をそれぞれ前記増幅回路に直接接続することにより、前記第3、第4の差動入力トランジスタによって前記差分演算を行うことを特徴とする請求項6記載の定電圧電源回路。
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