JP4395681B2 - ディーゼルエンジンの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンの制御装置、詳しくはディーゼルエンジンのアイドル運転時における燃焼を制御する制御装置に関し、ディーゼルエンジンの燃焼制御の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用ディーゼルエンジンにおけるアイドル運転時には、燃費性能、エミッション対策、ノッキング音低減等を考慮した燃料噴射時期の制御が行われる。
【0003】
この種の制御方法としては、例えば特開平59−153941号公報に開示されているものがある。この方法は、エンジン始動後の経過時間に基づいて燃料噴射時期を補正制御するもので、スタータ信号がオンとなった時点から所定時間内の場合には、燃料噴射時期を進角することによりエンジン回転の安定性を補償し、一方、所定時間が経過した場合には、燃料噴射時期を遅角することによりノッキング音を低減するものである。これにより、アイドル運転時におけるエンジンの安定性向上、ノッキング音低減、燃費性能向上等を同時に図ることができるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、アイドル運転時に、燃料噴射時期を遅角したいわゆる緩慢な燃焼状態を長時間継続すると、燃焼室の温度が低下するので、噴射された燃料が完全に燃焼しないことがある。その結果、未燃燃料が排気系に流出するようになり、この未燃燃料は排気系に備えられた酸化触媒のような排気ガス浄化装置にトラップされることになる。短時間のトラップならば、つまり短時間のアイドル運転期間ならば、未燃燃料は排気ガス浄化装置により適正に浄化されるが、アイドル運転期間が長時間に亘ると、未燃燃料は排気ガス浄化装置の浄化能力を超えて蓄積された状態となり、この状態で例えばアクセルを踏み込む等の高負荷走行を行うと、蓄積された未燃燃料が排気ガスとして一挙に放出され、その結果、白煙や異臭が発生することがある。
【0005】
また、アイドル運転時においては、EGRを多量にエンジン内に導入するため吸気絞り弁により吸気量を絞っているので、新気量が減少することになる。その結果、吸気内の酸素量が減少するので、燃焼が悪化すると共に、上記排気ガス浄化装置によるHCやCOの浄化能力が減少することがある。この場合においても、例えばアクセルを踏み込む等の高負荷走行を行うと、未燃燃料が排気ガスとして一挙に放出され、その結果、白煙や異臭が発生することがある。
【0006】
そこで、本発明は、長時間のアイドル運転時においても、白煙や異臭等を発生させない燃焼制御が可能なディーゼルエンジンの制御装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記課題を解決するため、本願の各発明は以下のように構成したことを特徴とする。
【0008】
まず、請求項1に記載の発明(以下、第1発明という)は、アイドル運転時における燃焼を緩慢にする燃焼抑制手段と、排気系に備えられた排気ガス浄化手段とを有するディーゼルエンジンの制御装置おいて、アイドル運転継続時間を計測する計測手段と、該手段により計測されるアイドル運転継続時間が予め設定された所定時間を超えたときに、上記燃焼抑制手段の作動を制限する燃焼抑制制限手段とを備え、上記所定時間を、アイドル運転時における排気ガス浄化手段による未燃燃料の浄化可能時間に相当する時間としたことを特徴とする。
【0010】
次に、請求項2に記載の発明(以下、第2発明という)は、上記第1発明において、燃焼抑制手段は、アイドル運転時に燃料噴射時期を遅角させ、燃焼抑制制限手段は、アイドル運転継続時間が上記所定時間を超えたときに、上記燃焼抑制手段によって遅角された燃料噴射時期を進角させることを特徴とする。
【0011】
さらに、請求項3に記載の発明(以下、第3発明という)は、上記第1発明において、燃焼抑制手段は、アイドル運転時に吸気量を減量させ、燃焼抑制制限手段は、アイドル運転継続時間が上記所定時間を超えたときに、上記燃焼抑制手段によって減量された吸気量を増量させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明(以下、第4発明という)は、上記第1発明において、燃焼抑制手段は、アイドル運転時にEGRを増量させ、燃焼抑制制限手段は、アイドル運転継続時間が上記所定時間を超えたときに、上記燃焼抑制手段によって増量されたEGRを減量させることを特徴とする。
【0013】
上記の構成によれば以下のような作用が得られる。
【0014】
まず、第1〜第4発明のいずれによっても、アイドル運転時に燃焼抑制手段により燃焼が緩慢にされるので、燃費性能、エミッション対策、ノッキング音低減等が考慮された燃焼が行われると共に、アイドル運転継続時間が予め設定された所定時間を超えたと計測されたときに、上記燃焼抑制手段の作動が燃焼抑制制限手段によって制限されるので、燃焼が活性化するようになる。その結果、未燃燃料の発生が抑制され、緩慢燃焼が長時間継続することによる排気系への未燃燃料の過剰な流出が防止されて、排気ガス浄化手段による適正な浄化が行われるようになるので、白煙や異臭等の発生が抑制されるようになる。
【0015】
その場合に、上記所定時間は、アイドル運転時における排気ガス浄化手段による未燃燃料の浄化可能時間に相当する時間であるとしたので、この時間内であれば、緩慢燃焼による燃費性能維持、エミッション対策、ノッキング音低減等の効果が最大限持続されると共に、この緩慢燃焼が長時間継続することによる排気系への未燃燃料の過剰な流出が防止され、排気ガス浄化手段による適正な浄化が可能となる。
【0016】
そして、アイドル運転継続時間が予め設定された上記所定時間を超えたときに、燃焼抑制制限手段は、第2発明によれば、アイドル運転時に燃焼抑制手段によって遅角された燃料噴射時期を進角させ、また第3発明によれば、アイドル運転時に燃焼抑制手段によって減量された吸気量を増量させ、そして第4発明によれば、アイドル運転時に燃焼抑制手段によって増量されたEGRを減量させるので、それぞれ燃焼が活性化するようになり、上記の作用が実現される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
本実施の形態に係るエンジン1は多気筒ディーゼルエンジンであって、図1に示すように、各気筒は、シリンダブロック2、シリンダヘッド3、及びピストン4によって画成された燃焼室5を有し、この燃焼室5に臨ませて、燃料噴射弁6、吸気弁7、及び排気弁8が設けられている。
【0019】
上記吸気弁7を介して燃焼室5に吸気(図中、白矢印で示す)を供給する吸気通路10は途中にサージタンク11を有し、該タンク11より上流側の共通吸気通路12には、上流側から下流側に順次、エアクリーナ13、吸気量を検出するエアフローセンサ14、吸気を冷却してその密度を大きくするインタークーラ15、及び吸気量を制御する吸気絞り弁16が配設されている。なお、該絞り弁16は、全閉のときであっても共通吸気通路12を完全に閉じることはなく、所定の小さな有効開口面積を保持しながら共通吸気通路12を開口させるように設定されている。
【0020】
上記サージタンク11の下流側は、それぞれ独立した独立吸気通路17により各気筒の燃焼室5に接続されている。この独立吸気通路17の燃焼室5を臨む下流端部は、隔壁17cにより第1通路17aと第2通路17bとに分割され、第2通路17bに備えられたスワール弁18を閉じたとき、第1通路17aから導入される吸気により燃焼室5内にスワールが生成されるようになっている。
【0021】
一方、燃焼室5から排気ガス(図中、黒矢印で示す)を排出する排気通路20には、排気ガス中のHC、COを浄化する排気ガス浄化装置21が配設されており、排気ガスは、該装置21を経由したのち、図示しないサイレンサを経て、大気へ排出される。
【0022】
そして、上記共通吸気通路12と排気通路20との間には、排気通路20中の排気ガスの一部を共通吸気通路12に還流するEGR通路22が設けられている。このEGR通路22は、排気通路20における排気ガス浄化装置21の上流側に設けられた入口22aを有し、また、共通吸気通路12における吸気絞り弁16とサージタンク11との間の所定位置に設けられた出口22bを有する。そして、この出口22bより上流側のEGR通路22の所定位置には、EGRガス量を調整するEGR弁23が配置されている。さらに、このEGR弁23よりも上流側のEGR通路22の外周に、EGRガスを冷却してその密度を大きくする複数の冷却フィン24…24が所定長さに亘って形成されている。
【0023】
上記吸気絞り弁16、スワール弁18、及びEGR弁23は、負圧往動式のアクチュエータ30,31,23aによりそれぞれ開閉駆動される。そして、これらアクチュエータ30,31,23aを作動させる負圧を生成するバキュームポンプ32が設けられている。
【0024】
上記バキュームポンプ32により常時負圧とされた負圧供給用通路33に対して、通路34を介してアクチュエータ30が接続され、該通路34には、電磁式の切換弁35が接続されている。この切換弁35は、オンされたとき、アクチュエータ30に負圧を供給して吸気絞り弁16を閉じると共に、オフされたとき、アクチュエータ30を大気に開放して吸気絞り弁16を開くように構成されている。
【0025】
また、上記負圧供給用通路33に対して、通路36を介してアクチュエータ31が接続され、該通路36には、電磁式の切換弁37が接続されている。この切換弁37は、オンされたとき、アクチュエータ31に負圧を供給してスワール弁18を閉じると共に、オフされたとき、アクチュエータ31を大気に開放してスワール弁18を開くように構成されている。
【0026】
そして、上記EGR弁23の開度調整のため、デューティ式の調整弁40,41が設けられている。一方の調整弁40は、三方弁であって、通路42を介してEGR弁23のアクチュエータ23aに接続され、また、通路43を介して負圧供給用通路33に接続され、そして、通路44を介して大気に開放される。また、他方の調整弁41は、上記通路43に接続されている。
【0027】
上記調整弁40により、通路42の通路43と通路44とに対する連通度が連続可変式に変更されると共に、調整弁41により、調整弁40に供給される負圧の大きさが連続可変式に変更される。そして、アクチュエータ23aに供給される負圧が大きいほどEGR弁23の開度が大きくなり、EGRガスが増量されるように構成されている。また、調整弁40により通路42を大気に開放された通路44のみに接続すると、EGR弁23が応答よく一気に閉弁される。
【0028】
次に、この実施の形態の制御システム構成について説明する。
【0029】
エンジン1にはコントロールユニット50が備えられ、このコントロールユニット50に、共通吸気通路12に配設されたエアフローセンサ14からの吸気量を示す信号、エンジン1の回転数Neを検出するエンジン回転数センサ51からの信号、アクセルペダルの踏込量に基づくアクセル開度θを検出するアクセル開度センサ52からの信号等が入力されるようになっている。
【0030】
そして、コントロールユニット50は、上記した信号が示すエンジン1の運転状態等に応じて燃料噴射弁6に対する燃料噴射量及び燃料噴射時期を制御する制御信号を出力すると共に、上記各切換弁35,37、及び各調整弁40,41の作動を制御する制御信号を出力し、吸気量制御、スワール生成制御、EGR制御等を行うようになっている。
【0031】
次に、上記コントロールユニット50による上記各制御の具体的動作例を、図2及び図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0032】
まず、ステップS1で、図1に示す各センサ14,51,52からの信号を入力し、次に、ステップS2及びステップS3で、これらの信号が示すエンジン1の運転状態等に基づいて燃料噴射弁6からの燃料噴射条件、つまり燃料噴射量及び燃料噴射時期を演算する。具体的には、エンジン回転数Neとアクセル開度θとから燃料噴射量を演算し、そして、エンジン回転数Neと燃料噴射量の関係を設定したマップに基づいて燃料噴射時期を演算する。
【0033】
そして、演算された燃料噴射量と燃料噴射時期とに基づき、ステップS4で、運転状態がEGR制御が行われる領域X1または領域X2か否かを判定し、運転状態が領域X1または領域X2でない、つまり運転状態がEGR制御が行われない領域X3であると判定した場合には、ステップS5に進んで吸気絞り弁16及びスワール弁18を共に開いたのち、ステップS18に進む。
【0034】
ここで、図4により、上記した各運転状態を示す領域X1〜X3について説明する。図4では、エンジン1の運転状態をエンジン回転数Neと燃料噴射量とをパラメータとして示しており、この場合のエンジン1の運転状態は、3つの領域X1〜X3に分かれている。
【0035】
まず、領域X1及び領域X2は、エンジン回転数が低く、且つエンジン負荷が低い運転状態に対応してEGR制御が行われる領域であり、両領域X1,X2においては、EGR増量による燃焼の悪化を避けるため、エアフローセンサ14によって検出される実際の吸気量Qが、例えば燃料噴射量とエンジン回転数Neとに応じて予め決定されたマップに照合して設定された目標吸気量Qoとなるよう、EGR通路22に配設したEGR弁23の開度がフィードバック制御される。
【0036】
上記領域X1は、EGRが増量される領域であるため、吸気絞り弁16が閉じられ、且つ、燃焼性確保のためスワールを生成すべく、スワール弁18が閉じられる。その場合、このスワール弁18を閉じると第2通路17bは閉じられることとなり、吸気は第1通路17aのみを経て燃焼室5に導入されるので、吸気量は減量されることになる。そして、エンジン回転数Ne及びエンジン負荷が低く、且つアクセル開度θがゼロであるアイドル運転状態はこの領域X1に属する。
【0037】
一方、領域X3は、エンジン回転数が高く、且つエンジン負荷が高い運転状態に対応してEGR制御が行われない領域であり、EGR弁23が閉じられるので、共通吸気通路12へのEGRの還流はない。すなわち、この領域においては、燃料噴射量の増量に対応すべく吸気量を増量させる必要があるので、EGRを停止するのである。
【0038】
なお、上記領域X2及び領域X3は、吸気絞り弁16及びスワール弁18が共に開かれる領域である。
【0039】
さて、上記ステップS4で、運転状態が領域X1または領域X2であると判定した場合にはEGR制御を行う領域であることを意味し、次にステップS6に進んで、運転状態が領域X1であるか否かを判定する。運転状態が領域X1でない、つまり運転状態が領域X2であると判定した場合には、ステップS7で、吸気絞り弁16及びスワール弁18を共に閉じる。そして、ステップS8で、目標吸気量Qoが、エンジン1の運転状態に応じて決定されるベース値として設定される。さらに、ステップS9で、不感帯が予め設定された大きい値に設定されたのち、ステップS13に進む。
【0040】
また、上記ステップS6で、運転状態が領域X1であると判定した場合には、後述するステップS10の燃焼制御を行い、次にステップS11に進んで、目標吸気量Qoが、エンジン1の運転状態に応じて決定されるベース値から補正値(正の値)を差し引いた小さい値に設定される。この補正値は、吸気絞り弁16を閉じたことにより、実吸気量Qが大幅に減少されることに起因して、EGR弁23の開度が過小となるのを防止するためのものである。そして、ステップS12で、不感帯が予め設定された小さい値に設定されたのち、ステップS13に進む。
【0041】
ここで、図5により、上記EGRフィードバック制御について説明する。
【0042】
まず、実吸気量Qと目標吸気量Qoとの偏差ΔQが所定値よりも小さい場合には、フィードバック補正値の更新を行わないよう、不感帯が設定される。このときは、フィードバック補正値として前回値がそのまま用いられることになる。上記不感帯の大きさは、吸気脈動の大きさに関連したパラメータに基づいて変更され、吸気脈動が大きいほど不感帯は大きく設定される。例えば本実施の形態においては、吸気絞り弁16が閉じたとき、或いはスワール弁18が閉じたときは、それらが開かれたときに比較して吸気脈動が大きいときであるとして、不感帯は大きい値に変更される。
【0043】
また、図5に示すように、フィードバック補正値(EGR弁23の開度補正値)を示すことになる調整弁41へのデューティ制御値が設定される。上記偏差ΔQが正の値で大きい場合は、実吸気量Qが目標吸気量Qoに対して過大であることを意味するので、このときはフィードバック補正値、つまりデューティ制御値は増加される(EGR弁23の開度は増加される)。これに対し、偏差ΔQが負の値で大きい場合は、実吸気量Qが目標吸気量Qoに対して過小であることを意味するので、このときはフィードバック補正値、つまりデューティ制御値は減少される(EGR弁23の開度は減少される)。
【0044】
上記した制御により、EGR制御が行われる低回転数低負荷領域において、所定のEGRが良好に確保され、良好な燃焼が実行されることになる。
【0045】
さて、ステップS13で、実吸気量Qから目標吸気量Qoを差し引いた偏差ΔQを演算する。次に、ステップS14で、演算された偏差ΔQが、上記不感帯の範囲を超えたか否かを判定し、超えたと判定した場合にはステップS15で、図5に示すように、偏差ΔQに基づいてフィードバック補正値、つまりデューティ制御値が更新される一方、超えていないと判定した場合にはステップS16で、フィードバック補正値は前回値にホールドされる。そしてステップS15もしくはステップS16ののちはステップS17に進み、フィードバック補正値、つまりデューティ制御値を出力し、実吸気量Qが目標吸気量Qoとなるように調整弁41を介してEGR弁23を駆動する。
【0046】
そして、ステップS18で、演算された燃料噴射量及び燃料噴射時期で燃料を噴射するように燃料噴射弁6を駆動して、リターンする。
【0047】
さて、図3に基づき、本願の特徴部分であるアイドル運転状態を含む領域X1における燃焼制御について説明する。
【0048】
まず、ステップS21で、アクセル開度センサ52からの信号等に基づいて、現在の運転状態がアイドル運転状態か否かを判定し、運転状態がアイドル運転状態でないでないと判定した場合には、ステップS22でアイドル運転継続時間tをゼロに戻し、次にステップS23及びステップS24で吸気絞り弁16及びスワール弁18を共に閉じるよう切換弁35及び切換弁37に制御信号を出力して、リターンする。
【0049】
一方、ステップS21で、運転状態がアイドル運転状態であると判定した場合には、ステップS25で、アイドル運転継続時間tを計測したのち、ステップS26で、計測されたアイドル運転継続時間tが予め設定された所定時間t1を超えたか否かを判定する。計測されたアイドル運転継続時間tが所定時間t1を超えていないと判定した場合には、上記したステップS23以下の基本的なアイドル運転制御を実行する。
【0050】
また、計測されたアイドル運転継続時間tが所定時間t1を超えたと判定した場合には、ステップS27以下の制御を実行する。つまり、ステップS27で、燃料噴射時期を進角させるよう燃料噴射弁6に制御信号を出力し、ステップS28で、吸気絞り弁16を開くよう切換弁35に制御信号を出力し、そして、ステップS29で、スワール弁18を開くよう切換弁37に制御信号を出力して、リターンする。
【0051】
すなわち、アイドル運転時において図6に示すような燃焼制御を実行することにより、アイドル運転継続時間tが予め設定された所定時間t1内の場合には、燃料噴射時期を遅角し、また吸気絞り弁16を閉じ、そしてスワール弁18を閉じるので、燃費性能、エミッション対策、ノッキング音低減等が考慮された緩慢燃焼が行われると共に、アイドル運転継続時間tが上記所定時間t1を超えた場合には、遅角されていた燃料噴射時期を進角し、また閉じていた吸気絞り弁16を開き、そして閉じていたスワール弁18を開くので、未燃燃料の発生が抑制された活性燃焼が行われるようになり、白煙や異臭等の発生が抑制されるようになる。
【0052】
なお、上記所定時間t1は、排気ガス浄化装置21による未燃燃料の浄化可能時間に相当する時間(例えば2分等)とされているが、一定の値ではない。例えば、エンジン1における冷却水の温度が低いときには燃焼性が悪く、未燃燃料の発生量が増加する傾向となるので、その場合には、所定時間t1を短く設定すれば、未燃燃料の適正な浄化が行われることとなる。
【0053】
【発明の効果】
以上具体例を挙げて詳しく説明したように、まず、第1〜第4発明のいずれによっても、アイドル運転時に燃焼抑制手段により燃焼が緩慢にされるので、燃費性能、エミッション対策、ノッキング音低減等が考慮された燃焼が行われると共に、アイドル運転継続時間が予め設定された所定時間を超えたと計測されたときに、上記燃焼抑制手段の作動が燃焼抑制制限手段によって制限されるので、燃焼が活性化するようになる。したがって、未燃燃料の発生が抑制され、緩慢燃焼が長時間継続することによる排気系への未燃燃料の過剰な流出が防止されて、排気ガス浄化手段による適正な浄化が行われるようになるので、白煙や異臭等の発生が抑制されるようになる。
【0054】
その場合に、上記所定時間は、アイドル運転時における排気ガス浄化手段による未燃燃料の浄化可能時間に相当する時間であるとしたので、この時間内であれば、緩慢燃焼による燃費性能維持、エミッション対策、ノッキング音低減等の効果が最大限持続されると共に、この緩慢燃焼が長時間継続することによる排気系への未燃燃料の過剰な流出が防止され、排気ガス浄化手段による適正な浄化が可能となる。
【0055】
そして、アイドル運転継続時間が予め設定された上記所定時間を超えたときに、燃焼抑制制限手段は、第2発明によれば、アイドル運転時に燃焼抑制手段によって遅角された燃料噴射時期を進角させ、また第3発明によれば、アイドル運転時に燃焼抑制手段によって減量された吸気量を増量させ、そして第4発明によれば、アイドル運転時に燃焼抑制手段によって増量されたEGRを減量させるので、それぞれ燃焼が活性化するようになり、上記の作用が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るディーゼルエンジンの全体構成図及び制御システム構成図である。
【図2】 燃焼制御の一例を説明するフローチャートである。
【図3】 同じく燃焼制御の一例を説明するフローチャートである。
【図4】 エンジン回転数と燃料噴射量とをパラメータとして各運転領域を示す図である。
【図5】 EGR制御におけるフィードバック補正値についての不感帯設定例を示す図である。
【図6】 アイドル運転時の燃焼制御を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
6 燃料噴射弁
16 吸気絞り弁
18 スワール弁
21 排気ガス浄化装置
50 コントロールユニット
Claims (4)
- アイドル運転時における燃焼を緩慢にする燃焼抑制手段と、排気系に備えられた排気ガス浄化手段とを有するディーゼルエンジンの制御装置であって、アイドル運転継続時間を計測する計測手段と、該手段により計測されるアイドル運転継続時間が予め設定された所定時間を超えたときに、上記燃焼抑制手段の作動を制限する燃焼抑制制限手段とが備えられており、上記所定時間は、アイドル運転時における排気ガス浄化手段による未燃燃料の浄化可能時間に相当する時間であることを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
- 燃焼抑制手段は、アイドル運転時に燃料噴射時期を遅角させ、燃焼抑制制限手段は、アイドル運転継続時間が上記所定時間を超えたときに、上記燃焼抑制手段によって遅角された燃料噴射時期を進角させることを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの制御装置。
- 燃焼抑制手段は、アイドル運転時に吸気量を減量させ、燃焼抑制制限手段は、アイドル運転継続時間が上記所定時間を超えたときに、上記燃焼抑制手段によって減量された吸気量を増量させることを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの制御装置。
- 燃焼抑制手段は、アイドル運転時にEGRを増量させ、燃焼抑制制限手段は、アイドル運転継続時間が上記所定時間を超えたときに、上記燃焼抑制手段によって増量されたEGRを減量させることを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの制御装置。
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