JP4395564B2 - 歯科用インプラントのための補綴取付け合釘 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二部構造歯科用インプラントのための、金属から成る補綴取付け合釘であって、該取付け合釘が、顎骨に固定された歯科用インプラントの骨側の部分に中心ねじを用いて固定され、噛合わせ側でたとえば歯冠または橋義歯の形式の補綴物を収容するようになっている形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
天然歯の欠損後、この欠損を人工的な補綴コンポーネントによって様々な形式で補償することができる。最近では、概して２つの金属部分から成る歯科用インプラントがより広範囲に用いられており、２つの金属部分のうちの一方は、粘膜の下の歯牙のない顎に固定される。この部分には、骨への固定後に第２の部分、いわゆる取付け合釘がねじ込まれ、この取付け合釘が、たとえば歯冠または橋義歯の形式の歯科用補綴物を支持する。この取付け合釘は、大量生産され、標準仕様で供給される。
【０００３】
歯科用インプラントおよび取付け合釘は、多数の出版物に記載されている。取付け合釘は全て、歯肉を貫通して口腔に連通する部分は円形を成している。これに対して、天然歯は、特に前歯の領域では、程度の差こそあれ明らかに円形ではない横断面を有している。
【０００４】
できるだけ歯に似ている補綴物を生産するためには、歯科技術的な大きな手間がかかるが、これは、手間のかかる補綴コンポーネントを洗浄する場合に衛生上の問題を生ぜしめる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、中心ねじを用いて顎骨に固定された歯科用インプラントの骨側の部分に固定され、噛合わせ側でたとえば歯冠または橋義歯の形式の補綴物を収容し、この場合、口腔領域における取付け合釘の横断面形状が、天然歯の形状にできるだけ近くなるように適応されており、現在利用できる工作機械を用いて容易に製造可能であることが望ましい、二部構造歯科用インプラントのための、金属から成る補綴取付け合釘を提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の構成では、歯科用インプラントの骨側を向いた取付け合釘の部分が、円錐体として形成されており、前記円錐体には、上方に向かって拡開していて回転双曲面として形成された区分が続いており、この区分が、別の区分において部分的な回転放物面に移行しており、この別の区分が、材料を切除することによって形成された円錐台の形状を噛合わせ側に有しており、この円錐台が、横断面で見て唇側に半楕円形の底面を、舌側に放物面状の底面を有しており、この場合、円錐台と部分的な回転放物面との間の移行部が、取付け合釘の歯肉貫通領域に位置しており、かつ０．１〜１．５ｍｍの均一な幅を有する肩として形成されており、さらに、円錐台が、１〜１５゜の角度で上方に向かってテーパしているようにした。
【０００７】
【発明の効果】
噛合わせ側において、円錐台の一部が、主軸線に対して３０〜６０゜の角度で傾斜させられており、かつ孔が設けられていると有利である。
【０００８】
取付け合釘が、チタンまたはチタン合金から形成されているとさらに有利である。
【０００９】
円錐台の形状は、横断面を変更することができるので、できるだけ天然歯の形状に適応させられている。部分的な回転放物面の材料の切除は、自動制御される数値制御工作機械を用いて、有利にはフライス盤によって行うことができる。この材料の切除は、機械加工された円錐台と回転放物面との間の移行部として０．１〜１．５ｍｍの均一な幅の肩が形成され、この肩に橋義歯または歯冠の形式の補綴コンポーネントが取り付けられるように制御される。材料の切除は、円錐台の不均一な断面のために異なる深さに行われるので、この肩は、波形に形成され、ひいてはこの点でも天然歯に似ている。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面につき詳しく説明する。
【００１１】
取付け合釘は、円錐体として構成されていて４〜１０゜の角度で上方へ拡開した部分（１）を有している。回転双曲面として形成された区分（３）への移行部として、短い円筒状の区分（２）が設けられているが、この区分（２）は、必ずしも必要ではなく、単に取扱いを容易にしようとするものである。回転双曲面は、区分（４）へ移行しており、この区分（４）は、回転放物面の部分形状を有しており、噛合わせ側では材料の切除により円錐台（５）において終わっている。この円錐台（５）は、唇側に半楕円形の底面（６）を、また舌側に放物面状の底面（７）を備えた横断面を有している。半楕円の軸比を変更することによって、円錐台（５）の横断面をも変更して、これにより各天然歯の個々の形状に適応させることができる。円錐台（５）を形成するための材料の切除は、円錐台（５）と部分的な回転放物面（４）との間の移行部が、均一な幅の肩（８）を形成するように行われる。円錐台（５）の横断面が部分的にしか対称的ではないために、この肩は波形に形成される。円錐台（５）の部分（９）が、補綴部を取付け合釘に完全に固定するために、主軸線に対して３０〜６０゜の角度で傾斜させられており、かつ孔（１０）を有していると有利である。骨側の部分への取付け合釘のねじ結合は、中心孔（１１）を介して行われる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による取付け合釘を示す縦断面図である。
【図２】本発明による取付け合釘を示す縦断面図である。
【図３】本発明による取付け合釘を示す、図２のＡ−Ａに沿った横断面図である。
【符号の説明】
１ 部分、 ２ 区分、 ３ 区分、 ４ 区分、 ５ 円錐台、 ６ 半楕円形の底面、 ７ 放物面状の底面、 ８ 肩、 ９ 部分、 １０，１１ 孔

Claims (2)

1. 二部構造の歯科用インプラントのための、金属から成る補綴取付け合釘であって、前記取付け合釘が、顎骨に固定された歯科用インプラントの骨側の部分に中心ねじを用いて固定され、噛合わせ側で歯冠または橋義歯の形式の補綴物を収容するようになっている形式のものにおいて、
   歯科用インプラントの骨側を向いた取付け合釘の部分（１）が、円錐体として形成されており、前記円錐体には、上方に向かって拡開していて回転双曲面として形成された区分（３）が続いており、該区分（３）が、別の区分（４）において部分的な回転放物面に移行しており、区分（４）が、材料を切除することによって形成された円錐台（５）の形状を噛合わせ側に有しており、該円錐台が、横断面で見て唇側に半楕円形の底面（６）を、舌側に放物面状の底面（７）を有しており、この場合、円錐台（５）と部分的な回転放物面（４）との間の移行部が、取付け合釘の歯肉貫通領域に位置しており、かつ０．１〜１．５ｍｍの均一な幅を有する肩（８）として形成されており、さらに、円錐台（５）が、１〜１５゜の角度で上方に向かってテーパしていることを特徴とする、歯科用インプラントのための補綴取付け合釘。
2. 円錐台（５）には、３０〜６０゜の角度で傾斜された部分（９）が噛合わせ側に設けられており、該部分が、孔（１０）を備えている、請求項１記載の補綴取付け合釘。

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