JP4394397B2 - 紙束綴じ具 - Google Patents

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Description

本発明は、複数枚の紙やシートを一体に綴じることを可能とする紙束綴じ具に関する。
従来、書類などの作成・保管に際し、複数枚のシートが綴じられている。このような用途で用いられる紙束綴じ具としては、従来より種々の構造を有するものが提案されている。また、これらの紙束綴じ具は、金属または種々の合成樹脂により構成されている。しかしながら、金属からなる紙束綴じ具では、書類と共に廃棄されると、リサイクルが困難となる。従って、リサイクルを可能とするには、紙束綴じ具を書類から取り外し、分別廃棄しなければならない。
他方、下記の特許文献1には、水溶性樹脂よりなる紙束綴じ具が開示されている。
特開平9−183289号公報
特許文献1に記載されている紙束綴じ具では、水溶性樹脂を用いて構成されているため、書類に取り付けられたまま廃棄されたとしても、紙のリサイクルが容易に行われるとされている。また、従来より、種々の合成樹脂からなる紙束綴じ具も提案されており、これらの合成樹脂からなる紙束綴じ具においても、書類等に取り付けられたまま廃棄され得る。
しかしながら、上述した特許文献1に記載の紙束綴じ具や、合成樹脂からなる公知の紙束綴じ具では、書類に取り付けられたまま廃棄することは可能であるものの、書類等を綴じる際に変形された場合の変形後の形状保持性が十分でないという問題があった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、書類等を綴じるに際し、容易に変形させることができるとともに、変形された形状の保持性に優れた紙束綴じ具を提供することにある。
本発明に係る紙束綴じ具は、総延伸倍率10〜40倍の延伸ポリオレフィン系樹脂からなる、厚みが0.6〜1.5mmの帯状物であって、曲げ戻り角が20°以下であり、曲げ保持力が0.21N/mm以上であることを特徴とする。
本発明に係る紙束綴じ具のある特定の局面では、上記延伸ポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィンを圧延倍率5〜15倍で圧延し、しかる後、延伸倍率1.3〜3.0倍で延伸された材料からなる。
本発明に係る紙束綴じ具は、延伸倍率が5〜40倍の延伸ポリオレフィン樹脂からなる、厚みが0.6〜1.5mmの帯状物を用いて構成されており、曲げ戻り角が20°以下であり、曲げ保持力が0.21N/mm以上であるため、書類等を束ねるのに用いられるに際し、手指等により容易に変形させることができ、かつ変形された形状を確実に保持する。従って、書類等を束ねるに際しての作業性を高めることができるとともに、綴じられた書類の散乱等を確実に防止することができる。加えて、本発明に係る紙束綴じ具は、上記の延伸ポリオレフィン系樹脂からなる帯状物により構成されているため、紙や樹脂シートを束ねた後、廃棄に際し、分別処理を行う必要がない。
本発明において、上記延伸ポリオレフィン系樹脂が、ポリオレフィンを圧延倍率5〜15倍で圧延し、しかる後延伸倍率1.3〜3.0倍で延伸することにより得られたものである場合には、変形後の形状保持性がより一層高められる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
上記延伸ポリオレフィン系樹脂からなる帯状物は、ポリオレフィン系樹脂シートを圧延し、しかる後延伸することにより得られたシートを切断することにより得られる。上記延伸オレフィン系樹脂を構成するポリオレフィン系樹脂としては、フィルム形成能を有する任意のポリオレフィン系樹脂が使用でき、例えば、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ペンテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等が挙げられ、高密度ポリエチレン樹脂が好適に使用される。
上記高密度ポリエチレン樹脂の密度が小さくなると、延伸しても形状保持性が向上しなくなるので、0.94g/cm3以上が好ましい。
又、高密度ポリエチレン樹脂の重量平均分子量が小さくなり過ぎると、延伸しても形状保持性があまり向上せず、大きくなり過ぎると、フィルム成形や延伸がしにくくなるので、20万〜50万が好ましい。メルトインデックス(MI)は、フィルム成形性が優れている0.1〜20の範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜10である。
本発明においては、上記高密度ポリエチレンを単独で用いてもよいが、他のポリオレフィンを高密度ポリエチレン100重量部に対し30重量部以下の割合で混合してもよい。併用される他のポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニルなどを挙げることができる。更に上記高密度ポリエチレンは架橋されたものが用いられてもよい。
上記圧延は、ポリオレフィン系樹脂シートを一対の反対方向に回転するロールに供給し、押圧してシートの厚みを薄くすると共に伸長する方法である。
圧延温度が低くなると、均一に圧延できないことがあり、高くなると、溶融切断することがあるので、圧延する際のロール温度は、圧延するオレフィン系樹脂シートのオレフィン系樹脂の「融点−40℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、オレフィン系樹脂の「融点−30℃」〜「融点−5℃」である。
尚、本発明において、融点とは示差走査型熱量測定機(DSC)で熱分析を行った際に認められる、結晶の融解に伴う吸熱ピークの最大点をいう。
圧延倍率が小さいと、後の延伸に負担がかかり、大きくなりすぎると、後の延伸が困難になるので、5〜15倍が好ましい。圧延倍率が小さすぎると、高倍率の総延伸倍率を有する帯状物が得られないだけでなく、次の延伸の工程において局所的な延伸が生じ、均一な延伸が困難となる。さらに、延伸後のシートの厚みが巾方向で異なり、同一の形状保持性能を有するものが得られない。また、通常の圧延方法では、15倍以上の圧延を効率的に行うことは困難である。なお、本発明において、
圧延倍率=(圧延前のシートの断面積)/(圧延後のシートの断面積)
延伸倍率=(延伸前のシートの断面積)/(延伸後のシートの断面積)
総延伸倍率=(圧延前のシートの断面積)/(延伸後のシートの断面積)
である。
上記圧延後に行われる延伸は、従来公知の任意の方法でよく、例えば、ロール延伸法、ゾーン延伸法により、ヒータや熱風により加熱しながら延伸する方法が挙げられる。
延伸温度が低くなると、均一に延伸できないことがあり、高くなると、シートが溶融切断することがあるので、延伸温度は、延伸するオレフィン系樹脂シートのオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、オレフィン系樹脂の「融点−50℃」〜「融点−5℃」である。
圧延後の延伸倍率は、圧延倍率及び全体の総延伸倍率を決定すればよいが、圧延後の延伸が少ないと必要な形状保持性が得られないことがあるので、1.3倍以上が好ましく、より好ましくは1.5倍以上である。また、延伸倍率が高すぎるとシートから帯状物を切り出す際に端部にヒゲが発生したりがたつきが出たりすることがあるため、延伸倍率は3.0倍以下が好ましい。
総延伸倍率は、上記圧延倍率と延伸倍率との積であり、総延伸倍率が10倍未満の場合には、後述の実施例から明らかなように、紙束綴じ具の変形が困難となり、40倍を超えると、形状保持性が低下する。
また、上記帯状物の曲げ戻り角は20°以下であることが必要である。曲げ戻り角は、延伸されたポリオレフィン系樹脂シートから100mm×10mmの試験片を長辺方向が延伸方向と一致するように切り出して得られた該試験片を用いて以下の要領で測定される値である。
試験片を内角90°及びR=2mmの角部を有する支持台に、試験片の長辺方向が支持台の角部の延びる方向と垂直方向となり、かつ試験片の中央が支持台の角部と接するように支持台に固定し、試験片の先端を把持し、延伸方向と垂直方向に手で曲げ、しかる後、試験片を支持台から取り去り、試験片の固定されていた部分と曲げられた部分とのなす角度を測定した。この角度の90°からの差を曲げ戻り角とする。
上記曲げ戻り角が20°を超えると、形状保持性が十分でなく、紙束を綴じるのに不適切となる。
また、帯状物の形状は、帯状である限り特に限定されず、また帯状物は部分的に幅の狭い部分を有していてもよい。
上記帯状物の厚みは0.6〜1.5mmであり、幅は書類に応じて適宜設定されればよい。一般的な書類を綴じる用途に用いられる場合には、帯状物の幅は3〜15mm程度が好適である。
本発明に係る紙束綴じ具の具体的な実施形態を図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る紙束綴じ具の平面図である。紙束綴じ具1は、相対的に幅の太い中央部分1aと、中央部分1aの両端に設けられた相対的に幅の細い舌片1b,1cとを有する。舌片1b,1cの幅が細くされているのは、折り曲げを容易とするとともに、紙束に設けられた貫通孔への挿通を容易とするためである。
紙束綴じ具1の使用方法の一例を、図2を参照して説明する。図2では、複数枚の紙2が積層されて紙束が構成されている。各紙2には、貫通孔2a,2aが2穴パンチを用いて形成されている。上記紙束綴じ具1を用いてこの紙束を綴じるに際しては、舌片1b,1cを紙束の一面側から貫通孔2a,2aに挿入する。そして、舌片1b,1cを、紙束の反対側の面に沿うように曲げる。このようにして、図2に断面図で示すように、紙束綴じ具1により、複数枚の紙2からなる紙束を綴じることができる。この場合、紙束綴じ具1は、容易に変形させることができ、かつ前述したように形状保持性に優れているため、図2に示した状態を確実に維持する。
本発明の紙束綴じ具は、図2に示したように、単体として紙束を綴じるのに用いられるものであってもよく、あるいはフラットファイルなどに取り付けられていてもよい。すなわち、紙束綴じ具1を例にとると、紙束綴じ具1の中央部分1aをフラットファイル本体に接着等により固定しておいてもよい。その場合には、舌片1b,1cを中央部分に対して直交する方向に対して折り曲げ、舌片1b,1cを紙束の貫通孔に挿通させ、中央部分1aが接している面とは反対側の面において、図2に示したように、舌片1b,1cを紙束表面に沿わせればよい。
また、本発明に係る紙束綴じ具は、図3及び図4に示すフラットファイルに用いることも可能である。
図3は、紙束綴じ具が用いられるフラットファイルの一例を示す斜視図であり、図4は、図3のIV−IV線に沿う断面図である。
フラットファイルでは、複数枚の紙2が積層され、綴じられている。紙2には、2穴パンチにより2つの貫通孔が形成されている。図4では、一方の貫通孔2aが設けられている部分のみが示されている。
図3に示すフラットファイルのフラットファイル本体には、予め、帯状物からなる本発明の一実施形態に係る紙束綴じ具1の中央部分1aが貼り合わされている。また、各貫通孔2aに合致するように、挟持板3には、貫通孔3aが形成されている。紙束綴じ具1の舌片1b,1cが浮き上がらされ、紙2の貫通孔2a,2aに挿通され、上方に延ばされる。そして、舌片1b,1cの先端を、さらに挟持板3の貫通孔3aを挿通させ、該先端部分を挟持板3の表面に沿うように折り曲げる。
しかる後、挟持板3の上面に沿って摺動するように挟持板3に取り付けられている留め具4を摺動させることにより、舌片1b,1cの先端を挟持板3と留め具4との間に挟持し、固定することができる。
図3及び図4に示したフラットファイルに用いた場合、上記挟持板3及び留め具4により紙束綴じ具1が変形された状態をより確実に保持させることができる。
もっとも、本発明に係る紙束綴じ具は、形状保持性に優れているため、図3及び図4に示したフラットファイルのように用いられる必要は必ずしもなく、図2に示したように、帯状物からなる紙束綴じ具1のみを用いて紙束を綴じることができる。従って、上記挟持板3や留め具4を省略することができる。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を示すことにより、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
重量平均分子量(Mw)3.3×105、融点135℃の高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製ノバテックHY540)を押出機に供給して樹脂温度200℃で溶融混練した後、Tダイを用いてシート状に吐出し、吐出されたシート状の溶融混練物をロール温度110℃に制御したカレンダー成形機にて幅340mm、厚さ7.0mmのシートに成形してポリエチレン樹脂シートを得た。
得られたポリエチレン樹脂シートを120℃に加熱した圧延成形機(積水工機製作所製)を用いて圧延倍率9.4倍に圧延し、幅340mm、厚み740μmの圧延シートを得た。
得られた圧延シートを110℃に加熱された熱風加熱式の多段延伸装置(協和エンジニアリング製)にて倍率が1.5倍の多段延伸を行い、総延伸倍率14.3倍、幅280mm、厚さ600μmの延伸樹脂シートを得た。上記延伸樹脂シート、長さ190mm×幅10mmに切り出し、切り出された帯状物からなる紙束綴じ具を用意した。
(実施例2)
重量平均分子量(Mw)3.3×105、融点135℃の高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製ノバテックHY540)を押出機に供給して樹脂温度200℃で溶融混練した後、Tダイを用いてシート状に吐出し、吐出されたシート状の溶融混練物をロール温度110℃に制御したカレンダー成形機にて幅340mm、厚さ9.0mmのシートに成形してポリエチレン樹脂シートを得た。
得られたポリエチレン樹脂シートを120℃に加熱した圧延成形機(積水工機製作所製)を用いて圧延倍率12.5倍に圧延し、幅340mm、厚み720μmの圧延シートを得た。
得られた圧延シートを110℃に加熱された熱風加熱式の多段延伸装置(協和エンジニアリング製)にて倍率が1.4倍の多段延伸を行い、総延伸倍率17.5倍、幅280mm、厚さ600μmの延伸樹脂シートを得た。得られた延伸樹脂シートを用い、実施例1と同様にして紙束綴じ具を作製した。
(実施例3)
重量平均分子量(Mw)3.3×105、融点135℃の高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製ノバテックHY540)を押出機に供給して樹脂温度200℃で溶融混練した後、Tダイを用いてシート状に吐出し、吐出されたシート状の溶融混練物をロール温度110℃に制御したカレンダー成形機にて幅340mm、厚さ6.0mmのシートに成形してポリエチレン樹脂シートを得た。
得られたポリエチレン樹脂シートを120℃に加熱した圧延成形機(積水工機製作所製)を用いて圧延倍率9.4倍に圧延し、幅340mm、厚み640μmの圧延シートを得た。
得られた圧延シートを110℃に加熱された熱風加熱式の多段延伸装置(協和エンジニアリング製)にて倍率が1.1倍の多段延伸を行い、総延伸倍率10.3倍、幅320mm、厚さ600μmの延伸樹脂シートを得た。得られた延伸樹脂シートを用い、実施例1と同様にして紙束綴じ具を作製した。
(実施例4)
重量平均分子量(Mw)3.3×105、融点135℃の高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製ノバテックHY540)を押出機に供給して樹脂温度200℃で溶融混練した後、Tダイを用いてシート状に吐出し、吐出されたシート状の溶融混練物をロール温度110℃に制御したカレンダー成形機にて幅340mm、厚さ9.6mmのシートに成形してポリエチレン樹脂シートを得た。
得られたポリエチレン樹脂シートを120℃に加熱した圧延成形機(積水工機製作所製)を用いて圧延倍率16.0倍に圧延し、幅340mm、厚み600μmの圧延シートを得た。得られた延伸樹脂シートを用い、実施例1と同様にして紙束綴じ具を作製した。
(比較例1)
重量平均分子量(Mw)3.3×105、融点135℃の高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製ノバテックHY540)を押出機に供給して樹脂温度200℃で溶融混練した後、Tダイを用いてシート状に吐出し、吐出されたシート状の溶融混練物をロール温度110℃に制御したカレンダー成形機にて幅340mm、厚さ5.6mmのシートに成形してポリエチレン樹脂シートを得た。
得られたポリエチレン樹脂シートを120℃に加熱した圧延成形機(積水工機製作所製)を用いて圧延倍率9.4倍に圧延し、幅340mm、厚み600μmの圧延シートを得た。得られた延伸樹脂シートを用い、実施例1と同様にして紙束綴じ具を作製した。
(比較例2)
重量平均分子量(Mw)3.3×105、融点135℃の高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製ノバテックHY540)を押出機に供給して樹脂温度200℃で溶融混練した後、Tダイを用いてシート状に吐出し、吐出されたシート状の溶融混練物をロール温度110℃に制御したカレンダー成形機にて幅340mm、厚さ7.5mmのシートに成形してポリエチレン樹脂シートを得た。
得られたポリエチレン樹脂シートを120℃に加熱した圧延成形機(積水工機製作所製)を用いて圧延倍率12.5倍に圧延し、幅340mm、厚み600μmの圧延シートを得た。得られた延伸樹脂シートを用い、実施例1と同様にして紙束綴じ具を作製した。
(実施例及び比較例の評価)
実施例1〜4及び比較例1,2で得られた各紙束綴じ具について、圧延倍率、延伸倍率及び総延伸倍率、並びに用いた原反シートの幅及び厚み、圧延後のシートの幅及び厚み、並びに延伸後のシートの幅及び厚みを下記の表1にまとめて示す。
上記のようにして得られた各紙束綴じ具について、保持力及び曲げ戻り角を評価した。曲げ戻り角の評価方法は前述した通りであり、保持力の評価は、以下の要領で行った。
(曲げ保持力)
保持力の評価は以下のように行なった。
試験片を内角90°及びR=2mmの角度を有する支持台に、試験片の長辺方向が支持台の角度の延びる方向と垂直方向となり、かつ試験片の中央が支持台の角度と接するように支持台に固定し、試験片の先端を把持し、延伸方向と垂直方向に手で曲げ、しかる後、試験片を支持台から取り去った。取り去った試験片の一方の長辺を曲げ部より5mmの位置から端部までを水平となるように固定し、固定位置から水平方向に30mmの位置をR=3mmの先端を有する押し子により、試験片が真っ直ぐになるように鉛直下方に速度100mm/分にて押し下げ、真っ直ぐに戻すことを可能とした場合の押し子に加えた力を保持力とした。
結果を下記の表1に示す。
Figure 0004394397
表1から明らかなように、比較例1,2では、保持力が小さく、曲げ戻り角が21°以上であり、形状保持性能が劣っていることがわかる。これに対して、実施例1〜4によれば、保持力は十分な大きさを有し、曲げ戻り角が18°以下であり、形状保持性能に優れていることがわかる。
次に、実施例1〜4及び比較例1,2で得られた各シートを、図3に示したフラットファイルに用いられる紙束綴じ具1を構成するように切り出し、フラットファイルを実際に作製した。帯状物を切り出すに際しては、帯状物1の中央部分1aの長さを、紙束に設けられた2穴間距離に対応させた。また、該中央部分1aの両端に位置する舌片1b,1cは、中央部分1aよりも細く、5mmの幅とした。
実施例1〜4及び比較例1,2で得られた延伸樹脂シートを用いて構成された紙束綴じ具を、超音波溶着によりファイル本体に接着させることにより、フラットファイルを構成した。
得られたフラットファイルに10枚の紙からなる紙束を綴じた。紙束を綴じるに際しては、帯状物の舌部1b,1cを折り曲げ、紙束を留めるように試みたところ、実施例1〜4で得られた延伸樹脂シートを用いて構成された紙束綴じ具では、不都合は生じなかった。これに対して、比較例1,2で得られた延伸樹脂シートを用いた紙束綴じ具では、舌片1b,1cが浮き、従って図3に示した挟持板3より抑える必要があった。
従って、上記フラットファイルを作製した実験から明らかなように、実施例1〜4で得られた延伸樹脂シートを用いた紙束綴じ具では、上記挟持板を省略し得ることがわかる。
本発明の一実施例形態に係る紙束綴じ具の平面図。 図1に示した紙束綴じ具の使用方法の一例を示す断面図。 本発明の紙束綴じ具が用いられるフラットファイルの一例を示す斜視図。 図3の紙束綴じ具のIV−IV線に沿う断面図。
符号の説明
1…紙束綴じ具
1a…中央部分
1b,1c…舌片
2…紙
2a…貫通孔
3…挟持板
3a…貫通孔
4…留め具

Claims (2)

  1. 総延伸倍率10〜40倍の延伸ポリオレフィン系樹脂からなる、厚みが0.6〜1.5mmの帯状物であって、曲げ戻り角が20°以下であり、曲げ保持力が0.21N/mm以上であることを特徴とする紙束綴じ具。
  2. 前記延伸ポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂を圧延倍率5〜15倍で圧延し、次に、延伸倍率1.3〜3.0倍で延伸されたものであることを特徴とする請求項1に記載の紙束綴じ具。
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