JP4393729B2 - 流動層炉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に下水汚泥等の水分含有量の高い処理物を燃焼させ、あるいは部分燃焼して熱分解させて処理するのに好適な流動層炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
流動床炉は、炉本体内の炉床部に配設されたノズル孔から流動ガス(通常は空気)を噴出させてこの炉本体内に保持した硅砂等の流動媒体を流動させることにより該炉本体内に流動層を形成し、この流動層に供給した処理物を加熱して燃焼させたりするものであって、各種廃棄物の焼却処理等に広く用いられている。ここで、この流動層炉の炉床部に配設されて上記ノズル孔を形成するノズルとしては、各種のものが提案されているが、下水汚泥等の水分が多い処理物を焼却する流動層炉に用いられる方式としては、以下のものが挙げられる。
【0003】
まず第1の方式は散気管方式と呼ばれるもので、ノズル孔を多数あけた散気管を炉床部に複数本設置してこの散気管に流動ガスを供給することによりノズル孔から噴出させるものである。この散気管方式において散気管は通常300mm程度の間隔で配列され、ノズル孔のピッチは通常30〜60mmであり、従って、散気管方式の流動層床面積当たりのノズル数は50〜200ヶ/m2となる。また、第2の方式はキャップ方式と呼ばれるもので、炉本体の炉床部床下に流動ガスが供給される加圧室(プレナム室)を形成するとともに、横向きに開口する複数のノズル孔を放射状に設けたキャップを炉床部に複数個設置して上記加圧室と炉本体内とを連通することにより、このキャップを介してそのノズル孔から流動ガスを噴出させる方式である。また、これら以外にも、床下に加圧室を形成した炉床部に直接ノズル孔を穿設することにより流動ガスを噴出させる多孔板方式も多く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような流動層炉によって処理物を燃焼させる場合、流動層内における処理物の燃焼は、流動媒体の濃度が高い炉床部側の流動部とこれに対して流動媒体の濃度が比較的低い炉頂部側のフリーボード部とで行われるが、上述した下水汚泥等の水分含有量が多い処理物を燃焼させる場合には、特に炉床部側の流動部での燃焼が十分でないと水分の蒸発熱でこの流動部の温度が低下し、ひいては流動層全体の温度低下を招いてしまって、安定した流動層炉の運転を阻害する結果となる。しかるに、このような流動部における処理物の燃焼を十分に促すためには、一つに、この流動部における炉本体内部の容積を大きくすることが考えられるが、このような手段を採った場合には、この容積の増大分に見合う分だけ流動ガスの供給量も増大させたりしなければならなくなり、流動ガス供給のための動力の増大を招く結果となって、経済的ではない。
【0005】
本発明は、このような背景の下になされたもので、特に処理物が下水汚泥のような水分含有量の多いものであっても、上記流動部における燃焼性の向上を図ることが可能な流動層炉を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
ここで、本発明の発明者らは、このような流動層炉において種々の実験を行うとともに考察を重ねた結果、上述のように流動部における処理物の燃焼性を向上させるには、この流動部が形成される炉床部側のノズル孔から噴出させられる流動ガスの気泡をできるだけ小さくするのが望ましいという知見を得るに至った。これは、この流動ガスの気泡が小さいほど噴出した気泡の総表面積は増大し、処理物との固気の接触効率も増大するため、燃焼性を向上させることができるからである。
【0007】
ところで、このように流動ガスの気泡を小さくするには流動ガスが噴出させられるノズル孔の径を小さくすればよいのであるが、単にこうしてノズル孔径を小さくしただけでは、流動層に供給される流動ガス量が少なくなって流動媒体を確実に流動させるに十分な空塔速度を得ることができなくなる。このため、このような流動媒体の確実な流動を図りつつ気泡径を小さくするには、ノズル孔の径を小さくするとともにノズル孔数を増加させるとよい。しかしながら、その一方で、ノズル孔数を多くしすぎると、隣接するノズル孔間のピッチが小さくなり、これらのノズル孔から噴出させられた流動ガスの気泡同士が処理物と十分に接触しないうちにすぐに合流して大きな気泡が形成されてしまうため、固気の接触効率を増大させることができなくなってしまう。これは、ノズル孔がキャップに放射状に設けられた上記キャップ式のノズルを用いた場合において、より顕著なものとなる。
【0008】
そこで、本発明は、このような事情をも考慮して、上記課題を解決して上述の目的を達成するために、炉床部に配設されたノズル孔から流動ガスを噴出させて流動媒体を流動させることにより該炉本体内に流動層を形成して処理物を燃焼させる流動層炉において、上記炉床部に配設される上記ノズル孔の数を、該炉床部の単位床面積当たり200〜1200ヶ/m2としたことを特徴とし、これにより、ノズル孔から噴出した流動ガスの気泡同士がすぐに合流するのを防いで、気泡径の小さな流動ガスを十分な供給量および空塔速度で流動部に供給し、処理物との固気の接触効率を向上させることができてその燃焼性を高めることができる。すなわち、上記ノズル孔の数が単位床面積当たり200ヶ/m2を下回ると、ノズル孔径を大きくしなければ流動層を形成するに十分な供給量や空塔速度の流動ガスを供給することができなくなるおそれがある一方、逆にノズル孔数が1200ヶ/m2を上回ると、隣接するノズル孔間のピッチが小さくなりすぎて噴出させられた流動ガスの気泡同士がすぐに合流して大きな気泡となってしまうおそれがあり、いずれも固気の接触効率の向上を図ることができなくなってしまう。また、本発明の流動層炉は、上述した下水汚泥のように水分含有量の多い処理物、より具体的には水分含有量が70wt%以上である処理物の焼却処理等に用いて、より効果的である。
【0009】
ところで、このような流動層炉の炉床部に配設されるノズルのうち、例えば上述した多孔板方式のノズルにおいてこのようにノズル孔数を増やす場合には、隣接するノズル孔間のピッチが均等になるように千鳥状にノズル孔を炉床部に形成すればよいが、散気管方式や特にキャップ方式の場合には、個々の散気管やキャップにノズル孔を等ピッチで形成しても、隣接する散気管同士やキャップ同士で例えばノズル孔が直線状に向き合っていたり、ノズル孔の中心線が交差するように配設されていたりすると、これらのノズル孔から噴出した流動ガスの気泡がすぐに合流して大きな気泡となってしまうおそれがある。このため、とりわけこれら散気管方式や特にキャップ方式のノズルのようにして、上記炉床部に複数の上記ノズル孔が間隔をあけて配設されている場合には、これらのノズル孔は、上記炉床部に対向する平面視において、該ノズル孔から噴出される上記流動ガスが気泡となるまでの長さの範囲、すなわち当該流動ガスの吹き出しジェット長さの範囲内にあっては、該ノズル孔の中心線同士が交差しないように配設されるのが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明の第1の実施形態を示すものである。このうち図1は、本実施形態の流動層炉1を用いた廃棄物の焼却処理設備を示すものであって、この流動層炉1は、上部が下部よりも一段大径とされた概略円筒状をなす炉本体2を有し、この炉本体2の上記下部には水平に多孔板3が敷設されて炉床部4が形成されるとともに、この多孔板3よりも下側の底部には、供給口5から後述する流動ガスGが供給されて、上記多孔板3に形成されたノズル孔から炉床部4に該流動ガスGを噴出するプレナム室(加圧室)6が設けられている。一方、炉本体2の大径とされた上記上部の側壁には、この炉本体2内に処理物(廃棄物)Wを供給するための供給口7が設けられるとともに、炉頂部には炉本体2内から排出される排ガスEの排出口8が設けられている。なお、この炉本体2の炉頂部と小径の下部から大径の上部に至る部分とは、それぞれこの上部の大径部分に向かうに従い漸次拡径するテーパ状に形成されている。
【0011】
また、上記焼却処理設備において、流動層炉1頂部の上記排出口8にはサイクロン11が接続されていて、排出口8から排出された排ガスEはこのサイクロン11において固気分離された後に熱回収設備12に供給される一方、分離された固形分は流動層炉1に戻される。さらに、この熱回収設備12では、流動用ブロア13によって昇圧された空気が上記排ガスEによって予熱されるようになされており、こうして予熱された空気が上記流動ガスGとして流動層炉1の上記プレナム室6に供給される。また、熱回収設備12から排出された排ガスEは、排ガス冷却器14で冷却水等により冷却された後、排ガス集塵機15によってダスト分が除去され、誘引ファン16によって吸引されて大気に放出される。
【0012】
一方、上記炉本体2内の炉床部4上には流動媒体として硅砂が張り込まれており、多孔板3の上記ノズル孔から噴出させられる流動ガスGによってこの流動媒体が浮遊させられて流動化することにより、該炉本体2内には流動層Aが形成され、さらにこの流動層Aの炉床部4側には上記流動媒体の濃度が高い流動部Bが形成されるとともに、炉頂部側にはこれに対して流動媒体の濃度が比較的低いフリーボード部Cが形成される。従って、上記供給口7から供給された処理物Wは、この流動層Aの特に流動部Bにおいて、激しく流動する流動媒体によって微細に粉砕されるとともに、既に供給された処理物Wの燃焼熱と予熱された流動ガス(空気)Gとにより燃焼させられて焼却処理され、またこうして処理物Wを燃焼させた後の流動ガスGはフリーボード部Cを通って燃焼排ガスEとして上述のように処理される。
【0013】
そして、本実施形態では、上記多孔板3に形成されて炉床部4に配設される上記ノズル孔の数が、該炉床部4の単位床面積当たり200〜1200ヶ/m2の範囲とされている。なお、本実施形態における上記ノズル孔は、炉床部4を形成する上記多孔板3に穿設された断面円形の貫通孔であって、隣接するノズル孔同士のピッチが互いに等間隔となるように、炉床部4に対向する平面視において千鳥状に配設されている。
【0014】
ここで、図2は、ノズル孔の数が炉床部の単位床面積当たり200〜1200ヶ/m2の範囲とされた上記実施形態の流動層炉(以下、実施例1、2と称する。)と、ノズル孔の数がこの範囲外とされる流動層炉(以下、比較例1〜6と称する。)とで、それぞれのノズル孔の総開口面積が略等しくなるようにして、同一の条件で処理物の燃焼による焼却処理を行った場合の、単位床面積当たりのノズル孔数と処理物の最大処理量との関係を示したものである。なお、このとき流動層炉の炉本体自体は多孔板を除いて実施例と比較例とで互いに等しい形状および寸法であって、流動層の上記流動部の内径、すなわち円形をなす炉床部の径が300mmとされており、この炉本体内には平均粒径550μmの硅砂を100kg張り込んで流動層Aを形成した。また、各実施例および比較例において炉床部に配設したノズル孔数、炉床部の単位床面積当たりのノズル孔数(ヶ/m2)、ノズル孔径、隣接するノズル孔間のピッチ、およびノズル孔から噴出させられた流動ガスによる気泡の平均径は、次表1に示すとおりである。さらに、この流動層炉に供給される処理物は、水分含有量76wt%、高位発熱量(乾量基準)4200kcal/kgの下水汚泥であり、その最大処理量は、炉本体から排出される排ガスのCO濃度が50ppm以下であって、上記設備内における最高温度が900℃以下であり、かつ流動部Bの温度が800℃以上となるような条件下で、安定運転が可能であった最大の処理物の時間当たりの供給量である。
【0015】
【表1】
【0016】
しかるに、上記表1および図2の結果より、単位床面積当たりのノズル孔数が200ヶ/m2を下回る比較例1〜3では最大処理量も60kg/h未満であるのに対し、200ヶ/m2に極近い比較例4の辺りで処理量は上昇し、実施例1、2を含む200〜1200ヶ/m2の範囲では単位床面積当たりのノズル孔数が増えるに従って処理量も増大していることが分かる。一方、単位床面積当たりのノズル孔数が1200ヶ/m2を上回る比較例5、6においては、これよりもノズル孔数が少ない実施例2と比べて処理量が低減しているが、これは表1に示したように単位床面積当たりのノズル孔数が1200ヶ/m2を上回るとノズル孔から噴出した流動ガスによる気泡の径が隣接するノズル孔同士のピッチと略等しくなり、これらのノズル孔から噴出した気泡同士が合流して大きな気泡が形成されることにより、流動部における固気の接触効率が却って悪化して処理物の燃焼性が損なわれたためであると考えられる。従って、このように単位床面積当たりのノズル孔数が200〜1200ヶ/m2とされた上記実施形態の流動層炉1によれば、流動層Aの流動部Bにおける固気の接触効率を向上させて処理物Wの燃焼性を高めることができ、この処理物Wが水分含有量70wt%以上の下水汚泥等であっても、その水分蒸発熱によって流動部Bの温度が低下するのを防いで、この流動部Bの容積を大きくしたりすることなく、安定した流動層炉1および焼却設備の運転を可能とすることができる。
【0017】
次に、図3ないし図5は本発明の第2の実施形態を示すものであって、この第2の実施形態においては、第1の実施形態の多孔板方式によるノズル孔に代えて、キャップ方式が採用されている。なお、図3および図4において上記第1の実施形態と共通する部分については同一の符号を配して説明を省略する。すなわち、この第2の実施形態では、図4に示すように耐火材21が内張りされた炉床部4の床板22に、傘形あるいはキノコ形をなすキャップ23がその頭部23Aを炉床部4上に突出させて該床板22を垂直に貫通するように設けられており、このキャップ23内には、その下端においてプレナム室6に開口して上向きに延びた後、頭部23A内において斜め下向きに外周側に延びるように複数に分岐して該頭部23Aの裏面に開口するノズル孔23Bが形成されており、プレナム室6に供給された流動ガスGはこのノズル孔23Bを介して炉本体1内の炉床部4上に噴出させられるようになされている。なお、このキャップ23の頭部23A裏面に開口する分岐した上記複数のノズル孔23Bの開口部は、キャップ23の周方向に等間隔にこの裏面に配設されている。
【0018】
そして、さらに上記炉床部4には複数のキャップ23…が互いに間隔をあけて配設されており、これらのキャップ23…の上記ノズル孔23Bは、炉床部4に対向する平面視において図3に示すように、それぞれのキャップ23の複数のノズル孔23B…から噴出される上記流動ガスGの吹き出しジェット長さLの範囲内にあっては、隣接するキャップ23,23間で互いのノズル孔23B…の中心線O同士が交差しないように配設されている。すなわち、本実施形態では、上記図3に示すように上記複数のキャップ23…それぞれの頭部23Aに3つのノズル孔23B…が分岐して周方向に等間隔に、つまり120°間隔で開口するように形成されており、このようなキャップ23…が、第1の実施形態のノズル孔と同様に、隣接するキャップ23…同士のピッチPが互いに等間隔となるように、炉床部4に対向する平面視において千鳥状に配設されている。従って、上記複数のキャップ23…のうち互いに隣接し合う3つのキャップ23…は、図3に示すように上記平面視において正三角形の3つの頂点上に配設されることとなる。
【0019】
そして、本実施形態では、これらのキャップ23…の頭部23Aに開口する各3つずつの上記ノズル孔23B…の中心線Oが、上記吹き出しジェット長さLの範囲では隣接する他のキャップ23のノズル孔23Aの中心線Oとは交差しないようになされており、より具体的には、上記互いに隣接し合う3つのキャップ23…間で、これらのキャップ23…が頂点をなす上記正三角形の3辺上に、各キャップ23の上記3つのノズル孔23B…のうち1つの中心線Oが、該正三角形の周回り方向に同じ方向(図3では反時計回り方向)に延びるように配設されている。なお、ここで、上記吹き出しジェット長さLは、上記平面視においてノズル孔23Bから噴出させられた上記流動ガスGが気泡Dを形成するまでの長さとして定義される。
【0020】
ここで、図5は、第1の実施形態の図2と同じように、キャップのノズル孔の配置が、炉床部に対向する平面視において、該ノズル孔から噴出される流動ガスの吹き出しジェット長さの範囲内にあっては該ノズル孔の中心線同士が交差しないように上記第2の実施形態の流動層炉(図5における三角点。以下、実施例3、4と称する。)と、同じようにキャップ方式のノズルを用いた流動層炉でもこのようなノズル孔の配置を採らない流動層炉(図5における黒塗り四角点。以下、比較例7〜9と称する。)とで、それぞれのノズル孔の総開口面積が略等しくなるようにして、同一の条件で処理物の燃焼による焼却処理を行った場合の、単位床面積当たりのノズル孔数と処理物の最大処理量との関係を示したものである。なお、このときの処理条件や最大処理量の定義は第1の実施形態における実施例1、2および比較例1〜6と同じであり、ノズル孔の総開口面積も第1の実施形態の場合と同様である。また、次表2は、このときの実施例3、4および比較例7〜9のノズル孔数(ただし、キャップ数×各キャップのノズル孔数で示す)、炉床部の単位床面積当たりのノズル孔数(ヶ/m2)、ノズル孔径、隣接するキャップ間のピッチ、およびノズル孔から噴出させられた流動ガスによる気泡の平均径を示すものであり、さらに吹き出しジェット長さは実施例3、4および比較例7〜9とも平均して約50mm程度であった。
【0021】
【表2】
【0022】
しかるに、この図5の結果より、ノズル孔の配置が上記構成を採らない比較例7〜9においては、比較例7では上記吹き出しジェット長さが隣接するキャップ間のピッチの1/2よりも短いため気泡の合流は生じなかったものの、気泡径自体が大きいため処理量の向上は望めず、また比較例8、9では隣接するキャップ間でノズル孔の中心線が吹き出しジェット長さ内で交差しているため、これらのノズル孔から吹き出した流動ガス同士が合流して大きな気泡が生成され、やはり処理量が低迷しているのに対し、上記構成を採用した実施例3、4では気泡が合流することなく流動部に噴出させられ、その結果比較例7〜9よりも処理量が大幅に増大し、図2に示した多孔板方式による実施例1、2と同程度の燃焼性の向上が認められた。従って、この第2の実施形態においても、流動層の流動部における容積を大きくしたりすることなく、安定した流動層炉の運転を可能とすることが可能となる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、炉床部に配設されるノズルの単位床面積当たりのノズル孔数を200〜1200ヶ/m2とすることにより、処理物が水分含有量70wt%以上のものであってりしても、流動層の流動部における容積を大きくしたりすることなくその燃焼性の向上を図ることができ、従って従来よりもコンパクトで経済的な流動層炉を提供することが可能となる。また、特にキャップ方式のノズル等においては、隣接するキャップ同士でそのノズル孔の中心線が吹き出しジェット長さの範囲内で交差しないように配設することにより、気泡の合流を確実に防いで一層の燃焼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の流動層炉1を用いた下水汚泥の焼却処理設備を示す図である。
【図2】 第1の実施形態に係わる単位床面積当たりのノズル孔数と処理物の最大処理量との関係を示す図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態における炉床部4に対向する平面図である。
【図4】 図3におけるZZ断面図である。
【図5】 第2の実施形態に係わる単位床面積当たりのノズル孔数と処理物の最大処理量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 流動層炉
2 炉本体
3 多孔板
4 炉床部
6 プレナム室
23 キャップ
23B ノズル孔
G 流動ガス
W 処理物
A 流動層
B 流動部
C フリーボード部
L 吹き出しジェット長さ
Claims (3)
- 炉床部に配設されたノズル孔から流動ガスを噴出させて流動媒体を流動させることにより該炉本体内に流動層を形成して処理物を燃焼させる流動層炉において、上記炉床部に配設される上記ノズル孔の数を、該炉床部の単位床面積当たり200〜1200ヶ/m2としたことを特徴とする流動層炉。
- 上記処理物の水分含有量が70wt%以上であることを特徴とする請求項1に記載の流動層炉。
- 上記炉床部には複数の上記ノズル孔が間隔をあけて配設されており、これらのノズル孔は、上記炉床部に対向する平面視において、該ノズル孔から噴出される上記流動ガスの吹き出しジェット長さの範囲内にあっては該ノズル孔の中心線同士が交差しないように配設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流動層炉。
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