JP4392889B2 - ディスクブレーキ用プレート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、ディスクブレーキ用プレートに関し、特に、自動二輪車に用いられるディスクブレーキ用プレートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のディスクブレーキ用プレートにおいては、例えば、特許公開平8−93809号に示されているように、中心側から周縁側に向けて径方向に(換言すれば、放射状に)伸長する複数の溝を、ブレーキパッドにより押圧される当該プレートの被押圧面に形成し、これにより、ブレーキパッドとプレートとの摺動により発生したブレーキパッドの摩耗粉を前記溝を介して外部に排出するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、中心側から周縁側に向けてまっすぐに径方向に伸長する溝を形成すると、その横断面が凹形状又は凸形状となり、制動時に、ブレーキパッドは、それら凹部と凸部のうち凸部のみと摺動することになる。したがって、ブレーキパッドは、プレートの凸部に断続的に当接させられることになって、振動(いわゆる、ジャダー)を起こす危険性があった。すなわち、ディスクブレーキ用プレートのブレーキパッドへの当接状態が、断続的に変化して、振動を引き起こす虞があった。
【0004】
本願発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、制動時に振動を引き起こす虞のないディスクブレーキ用プレートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本願発明は、ディスクブレーキ用プレートであって、ブレーキパッドにより押圧される、互いに対向して配置された一対の被押圧面と、前記一対の被押圧面のうち少なくとも一方の被押圧面に形成され、ブレーキパッドに当接し当該ブレーキパッド上を摺動する摺動部とを備え、前記摺動部は、前記プレートが回転した場合に前記摺動部のブレーキパッドへの当接位置が連続的に変化する形状に形成されているディスクブレーキ用プレートを提供するものである。
【0006】
かかる本願発明によれば、ディスクブレーキ用プレートのブレーキパッドへの当接位置が連続的に変化するので、従来のように当接状態が断続的に変化する場合に比較して、ブレーキパッドとプレートとの当たりが滑らかに行われ、制動時の振動を低減することができる。また、当接位置が連続的に変化するので、ブレーキパッドの偏摩耗を防止することができる。
【0007】
前記連続的に変化する形状に形成されている部分は、少なくとも一方の被押圧面のほぼ全面に形成することができる。
【0008】
前記ディスクブレーキ用プレートは、少なくとも2枚のプレートの裏面どうしを互いに重ね合わせることにより構成することができる。 前記摺動部を、さらに、前記一対の被押圧面のうち他方の被押圧面に形成してもよい。これによれば、被押圧面の表面積が増えて、放熱面積が増加し、ベンチレート効果を高めることができる。
【0009】
前記プレートが回転し、ブレーキパッドにより押圧制動される間、前記摺動部のブレーキパッドに当接する接触面積をほぼ一定にするようにしてもよい。
【0010】
あるいは、前記プレートが回転し、ブレーキパッドにより押圧制動される間、前記摺動部のブレーキパッドに当接する接触面積を連続的に変化させるようにしてもよい。
【0011】
さらに、前記プレートを車両本体側に取り付けるための取付け部を設け、前記取付け部に、車両本体側のシャフトを通すための中心孔を設けるようにしてもよい。
【0012】
前記中心孔の周辺に沿って、取付け孔を形成してもよい。
前記摺動部を、前記中心孔側から前記プレートの周縁にかけて渦巻き線状に伸長する凸部から形成してもよい。かかる構成によれば、ブレーキパッドとプレートとの当たりがより滑らかに行われ、制動時の振動をより低減することができる。
【0013】
前記凸部は、その幅を一定にする必要はかならずしもなく、前記中心孔側から前記プレートの周縁にかけて、その幅が徐々に広くなるように形成してもよい。
【0014】
前記凸部の間に、前記中心孔側から前記プレートの周縁にかけて渦巻き線状に伸長する凹部を形成することができる。
【0015】
前記凹部は、前記中心孔側から前記プレートの周縁にかけて、その幅を徐々に広くなるように形成することができる。
【0016】
他方の被押圧面に、前記中心孔側から前記プレートの周縁にかけて渦巻き線状に伸長する凸部を形成し、前記凸部の間に、前記中心孔側から前記プレートの周縁にかけて渦巻き線状に伸長する凹部を形成し、前記一方の被押圧面に形成された凸部を、前記プレートとの中心軸線に沿った方向で、前記他方の被押圧面に形成された凹部に対向させ、また、一方の被押圧面に形成された凹部を、前記プレートとの中心軸線に沿った方向で、前記他方の被押圧面に形成された凸部に対向させるようにしてもよい。このようにして、前記一方の被押圧面に形成された凹部と、前記他方の被押圧面に形成された凹部とを、表裏交互に形成することができる。
【0017】
もっとも、一方の被押圧面に形成された凸部を、前記プレートとの中心軸線に沿った方向で、前記他方の被押圧面に形成された凸部に対向させ、また、一方の被押圧面に形成された凹部を、前記プレートとの中心軸線に沿った方向で、前記他方の被押圧面に形成された凹部に対向させるようにしてもよい。
【0018】
前記凸部と前記凹部は、前記中心孔側から前記プレートの周縁にかけて、その幅が徐々に広くなるように形成してもよい。
【0019】
前記一方の被押圧面に形成された凸部と、前記他方の被押圧面に形成された凸部との間の距離を、既存のディスクブレーキ用プレートの厚みと実質的に同じにすることができる。
【0020】
前記プレートは、半抜きプレス加工により成形するようにしてもよい。
また、本願発明は、ディスクブレーキ用プレートであって、ブレーキパッドに押圧される一対の被押圧面と、プレートを車両本体側に保持するための中心孔と、前記一対の被押圧面のうち少なくとも一方の被押圧面に形成されたスパイラル状の溝とを備えており、前記溝を、前記中心孔の周辺から外側に向けて伸長させたディスクブレーキ用プレートを提供するものである。
【0021】
かかる本願発明によれば、スパイラル状の溝の間に形成された部分がブレーキパッドに当接摺動し、制動時に、当該部分のブレーキパッドへの当接位置が連続的に変化するので、従来のように当接状態が断続的に変化する場合に比較して、ブレーキパッドとプレートとの当たりが滑らかに行われ、制動時の振動を低減することができる。
【0022】
前記スパイラル状の溝を、さらに、前記一対の被押圧面のうち他方の被押圧面に形成してもよい。これによれば、被押圧面の表面積が増えて、放熱面積が増加し、ベンチレート効果を高めることができる。
【0023】
前記スパイラル状の溝は、表裏交互に形成することができ、また、前記プレートの厚みを、既存のディスクブレーキ用プレートの厚みと実質的に同じにすることができ、さらに、前記プレートは、半抜きプレス加工により成形することができる。
【0024】
また、本願発明は、ディスクブレーキ用プレートであって、ブレーキパッドに押圧される一対の被押圧面と、前記プレートを車両本体側に保持するための中心孔と、前記一対の被押圧面のうち少なくとも一方の被押圧面に形成された螺旋状の溝とを備えており、前記溝を、前記中心孔の周辺から外側に向けて伸長させたディスクブレーキ用プレートを提供するものである。
【0025】
かかる本願発明によれば、螺旋状の溝の間に形成された部分がブレーキパッドに当接摺動し、制動時に、ブレーキパッドへの当接位置が連続的に変化するので、従来のように断続的に変化する場合に比較して、ブレーキパッドとプレートとの当たりが滑らかに行われ、制動時の振動を低減することができる。
【0026】
前記螺旋状の溝を、さらに、前記一対の被押圧面のうちの他方の被押圧面に形成し、前記螺旋状の溝を、表裏交互に形成してもよい。
【0027】
また、本願発明は、ディスクブレーキ用プレートであって、ブレーキパッドに押圧される一対の被押圧面と、前記プレートを車両本体側に保持するための中心孔と、前記一対の被押圧面のうち少なくとも一方の被押圧面に形成された溝とを備えており、前記溝を、前記プレートの径方向に対して交差するように、前記中心孔の周辺から外側に向けて伸長させたディスクブレーキ用プレートを提供するものである。前記溝は、さらに、前記一対の被押圧面のうちの他方の被押圧面に形成してもよく、また、前記溝は、表裏交互に形成してもよい。
【0028】
本願発明に係わるディスクブレーキ用プレートは、自動二輪車に用いることが好ましい。
【0029】
本願発明の他の特徴や効果は、下記に詳細に述べられる記述や図面と請求の範囲を参照することによって、当業者にとって明らかとなるであろう。
【0030】
本願発明の一実施例を詳細に説明する前に、本願発明が、下記の記述に述べられ図面に示された構成要素の詳細な配置や詳細な構造への適用に限定されるものではないということを、理解するべきである。本願発明は、他の実施例においても可能であり、また、種々の方法で実行され成し遂げることができる。また、ここに使用された用語や術語は説明のためのものであって、限定して解釈されるべきでないということを理解するべきである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施例に係わるディスクブレーキ用プレート10を図1及び図2に基づいて説明する。
【0032】
本実施例に係わるディスクブレーキ用プレート10は、環状形状をしており、図1に仮想線で示されたブレーキパッド16により押圧される、互いに対向して配置された一対の被押圧面12、14と、ブレーキパッド16に当接し当該ブレーキパッド16上を摺動する摺動部20とを備えている。摺動部20は、制動時に、摺動部のブレーキパッド16への当接位置が連続的に変化する形状に形成されている。摺動部20は、一対の被押圧面12、14の両面に形成されており、これによって、被押圧面の表面積が増えて、放熱面積が増加し、ベンチレート効果を高めることができる。最も、摺動部20は、被押圧面12、14の両面に形成する必要はかならずしも必要なく、一方の被押圧面のみに形成するようにしてもよい。
【0033】
ディスクブレーキ用プレート10は、また、当該プレート10を、車両本体側(図示せず)に取り付けるための取付け部30を備えており、前記取付け部30は、車両本体側のシャフト(図示せず)を通すための円形の中心孔32と、ボルト(図示せず)を通して、プレート10を車両側に取り付けるための円形の取付け孔34とを備えている。本実施例においては、3つの取付け孔34が、中心孔32の周辺に沿って等間隔に形成されている。取り付け孔32の数は、3つである必要はなく、所望に応じて任意の数とすることができる。
【0034】
また、本実施例においては、中心孔32の周辺に沿って取り付け孔32の間に、重量軽減用の小孔36が設けられている。かかる小孔36を設けることにより、プレート10の重量をより軽減できるだけでなく、需要者に美感を与えるデザイン上の効果も奏することができる。最も、本実施例においては、後述するように、肉厚の薄い未成形材料を用いて、既存のプレートと同じ厚さのものを成形しているので、十分な軽量化が図られており、かならずしも小孔36を設ける必要はない。
【0035】
摺動部20は、複数の凸部22、26から構成されている。凸部22は、被押圧面12に形成されており、中心孔側からプレート10の周縁にかけて渦巻き線状(換言すれば、スパイラル状又は螺旋状)に伸長している。また、凸部22は、中心孔側からプレートの周縁にかけて、その幅が徐々に広くなるように形成されている。凸部22の間には、当該凸部22に沿って、中心孔側からプレートの周縁にかけて渦巻き線状に伸長する凹部24が形成されている。また、凹部24は、前記中心孔側から前記プレートの周縁にかけて、その幅が徐々に広くなるように形成されている。他方の被押圧面14には、中心孔側からプレートの周縁にかけて渦巻き線状に伸長する凸部26が形成されており、当該凸部26の間に、中心孔側からプレートの周縁にかけて渦巻き線状に伸長する凹部28が形成されている。一方の被押圧面12に形成された凸部22は、プレートの中心軸線40に沿った方向で、他方の被押圧面14に形成された凹部28に対向している。また、一方の被押圧面12に形成された凹部24は、プレートの中心軸線40に沿った方向で、他方の被押圧面14に形成された凸部26に対向している。このようにして、本実施例のディスクブレーキ用プレートにおいては、一方の被押圧面12に形成された凸部22と、他方の被押圧面14に形成された凸部26とは、表裏交互に形成されており、また、一方の被押圧面12に形成された凹部24と、他方の被押圧面14に形成された凹部28も、表裏交互に形成されている。
【0036】
ディスクブレーキ用プレート10は、未成形材料を上型(図示せず)と下型
(図示せず)との間に配置して、当該上型及び下型を互いに対して押圧成形し未成形材料を打ち抜くことのない、いわゆる半抜きプレス加工により成形されている。より具体的に説明すると、上型の押圧面には、凹部24に対応する位置に当該凹部24と同形状の凸部が形成されており、下側の押圧面には、凹部28に対応する位置に当該凹部28と同形状の凸部が形成されている。このようにして、上型及び下型で未成形材料をプレスすることにより、一方の被押圧面12に凸部22及び凹部24を、他方の被押圧面14に凸部26及び凹部28を同時成形することができる。なお、中心孔、取付け孔及び小孔に関しては、別の工程で打ち抜き加工してもよいし、かかる部分だけは打ち抜きされるように当該上型又は下型の押圧面に対応する形状の突出部を形成して、凸部22、凹部24、凸部26、凹部28、中心孔32、取付け孔34及び小孔36を同時に形成するようにしてもよい。
【0037】
本実施例においては、未成形材料の厚さは、2.5mmになっている。また、前記プレス加工することにより成形されたディスクブレーキ用プレート10の一方の被押圧面に形成された凸部22と、他方の被押圧面に形成された凸部26との間の距離は、既存のディスクブレーキ用プレートの厚みと実質的に同じ3.5mmになっている。すなわち、本実施例によれば、従来より薄い板厚の素材を用い、前記プレス成形後は、ディスクブレーキ用プレートの摺動部の厚さを、既存の製品のプレートの厚みと実質的に同じにできる。したがって、ディスクブレーキ用プレートが取り付けられる自動二輪車などの本体側の既存の構造を変更することなく、プレートの軽量化を図ることができる。
【0038】
この点をより具体的に説明すれば、従来のディスクブレーキ用プレートにおいては、その素材の板厚として、完成品板厚と表面加工代とを見込んだ板厚が必要であった。また、このため、軽量化を図るために、取付け部の段切加工などが必要であった。これに対して、本実施例によれば、従来の2/3ないし4/5の板厚素材を使用して、既存のディスクブレーキ用プレートの厚みと実質的に同じプレートを成形するようにしているので、プレートの軽量化を図ることができると共に、使用する材料コストも低減できる。また、取付け部の段切加工などの余分の工程も必要ない。
【0039】
図1の仮想線で示されたブレーキパッド16と凸部22、26との接触面積は、制動時、ブレーキパッド16に対してプレートが回転してどの位置にあっても、ほぼ一定となることが理解される。これにより、制動時に、ブレーキパッド16と凸部22、26と間に生じる摩擦力に変化はなく良好な制動を得ることができる。最も、制動時の振動を低減することを主目的とするならば、接触面積を常に一定にするような構成を取る必要はなく、制動時に、ブレーキパッド16に当接する接触面積が連続的に変化するように、凸部22、26の形状を変更してもよい。
【0040】
さらに、図1の仮想線で示されたブレーキパッド16と凸部22、26との接触位置すなわち当接位置は、制動時、連続的に変化することが理解される。図1においては、回転方向が矢印Aで示されている。説明を容易にするために、プレートが静止しており、プレート上を微小なブレーキパッド40が矢印B方向に摺動すると考えると、ブレーキパッド40は、時間T1,時間T2,時間T3において、図3に示されているように移動する。このとき、当接位置は、例えば、X1,X2,X3のように、ブレーキパッド上で連続的に変化する。此の結果、ブレーキパッドとプレートとの当たりが滑らかに行われ、制動時の振動を低減することができ、また、当接位置が連続的に変化するので、ブレーキパッドの偏摩耗を防止することができる。このように、本実施例によれば、中心孔側からプレート10の周縁にかけて渦巻き線状に伸長する凸部22、26を被押圧面12、14に形成したので、従来のように、ディスクブレーキ用プレートのブレーキパッド16への当接位置が断続的に変化することなく、凸部22、26のブレーキパッド16への当接位置が連続的に変化し、ブレーキパッド16との当たりが滑らかに行われ、制動時の振動を低減することができる。また、凸部22、26を渦巻き線状に湾曲させたので、単に凸部を直線状に傾斜させたものに比して、ブレーキパッド16との当たりをより滑らかにすることができる。
【0041】
さらに、図3に示されているように、T1時点でのX1とY1とを足した接触面積と、T2時点でのX2とY2とを足した接触面積と、T3時点でのX3とY3とを足した面積とが、それぞれ等しくなるように構成してもよいし、かかる接触面積が時間の経過と共に連続的に変化するように構成してもよい。
【0042】
また、本実施例によれば、被押圧面12、14に、中心孔の周辺から外側に向けて伸長するスパイラル状の溝24、28が形成されているので、ブレーキパッド16の摩耗粉を前記溝を介して外部に排出することができ、従来必要であった、ブレーキパッド16のクリーニング効果をだすための小孔抜きや溝切削または放電加工などが不要になる。
【0043】
さらに、本実施例によれば、被押圧面12、14に凹凸部を形成したので、被押圧面の表面積が増えて、放熱面積が増加し、ベンチレート効果を高め、冷却性に優れたプレートを提供することができ、従来のようにベンチレート効果を出すために用いられた三層構造を必要とすることがなく、安価に製造することができる。
【0044】
なお、本実施例においては、凹部24、28としての溝を、渦巻き線状(換言すれば、スパイラル状又は螺旋状)に伸長させたが、かならずしも、この形状に限定されるものではなく、プレートの径方向に対して交差するように、中心孔の周辺から外側に向けて直線状にあるいは湾曲させて伸長させるようにしてもよい。
【0045】
以上のように、前記連続的に変化する形状に形成されている摺動部部は、少なくとも一方の被押圧面のほぼ全面に形成されている。
【0046】
なお、ディスクブレーキ用プレートは、少なくとも2枚のプレートの裏面どうしを互いに重ね合わせることにより構成するようにしてもよい。このような構成にすることにより、各板を薄板にすることができ、また、薄板でプレス可能を容易に行うことができる。これにより、軽量化が図られ、メンテナンスも容易となる。
【0047】
上記実施例においては、一方の被押圧面12に形成された凸部22を、プレートの中心軸線40に沿った方向で、他方の被押圧面14に形成された凹部28に対向させ、また、一方の被押圧面12に形成された凹部24を、プレートの中心軸線40に沿った方向で、他方の被押圧面14に形成された凸部26に対向させるようにしたが、一方の被押圧面に形成した凸部を、他方の被押圧面に形成した凸部に対向させ、また、一方の被押圧面に形成した凹部を、他方の被押圧面に形成した凹部に対向させるようにしてもよい。このような構造は、プレス成形で可能である。
【0048】
本実施例のディスクブレーキ用プレートは、自動二輪車で用いられることが好ましい。
【0049】
本願発明の種々の特徴が、特許請求の範囲に述べられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ディスクブレーキ用プレートの正面図である。
【図2】図2は、図1のC−C線に沿って取った断面図である。
【図3】図3は、本実施例の作用を説明するためのディスクブレーキ用プレートの正面図である。
【符号の説明】
10 ディスクブレーキ用プレート 12 被押圧面
14 被押圧面 16 ブレーキパッド
20 摺動部 22 凸部
24 凹部(溝) 26 凸部
28 凹部(溝) 30 取付け部
32 中心孔 34 取付け孔
36 小孔 40 微小なブレーキパッド

Claims (11)

  1. ディスクブレーキ用プレートであって、
    ブレーキパッドにより押圧される、互いに対向して配置された一対の被押圧面と、
    押圧面に形成され、ブレーキパッドに当接し当該ブレーキパッド上を摺動する摺動部とを備え、
    前記摺動部は、前記プレートが回転した場合に前記摺動部のブレーキパッドへの当接位置が連続的に変化する形状に形成されており、
    被押圧面に形成された前記摺動部は、前記プレートの中心側から前記プレートの周縁にかけて渦巻き線状に伸長する凸部から形成されており、前記凸部の間に、前記プレートの中心側から前記プレートの周縁にかけて渦巻き線状に伸長する凹部が当該凸部と隣接して形成されており、
    一方の被押圧面に形成された凸部が、前記プレートとの中心軸線に沿った方向で、他方の被押圧面に形成された凹部に対向しており、
    また、前記一方の被押圧面に形成された凹部が、前記プレートとの中心軸線に沿った方向で、前記他方の被押圧面に形成された凸部に対向しており、
    前記一方の被押圧面に形成された凹部と、前記他方の被押圧面に形成された凹部とは、表裏交互に形成されており、
    前記一方の被押圧面に形成された凸部とこれに対向する前記他方の被押圧面に形成された凹部との間の距離と、前記一方の被押圧面に形成された凹部とこれに対向する前記他方の被押圧面に形成された凸部との間の距離が、均一であり、
    前記連続的に変化する形状に形成されている部分が、前記一対の被押圧面のほぼ全面に形成されていることを特徴とするディスクブレーキ用プレート。
  2. 請求項1に記載のディスクブレーキ用プレートにおいて、
    前記プレートが回転し、ブレーキパッドにより押圧されて制動されている間、前記摺動部のブレーキパッドに当接する接触面積がほぼ一定であることを特徴とするディスクブレーキ用プレート。
  3. 請求項1に記載のディスクブレーキ用プレートにおいて、
    さらに、前記プレートを車両本体側に取り付けるための取付け部を備えており、
    前記取付け部は、車両本体側のシャフトを通すための中心孔を備えていることを特徴とするディスクブレーキ用プレート。
  4. 請求項に記載のディスクブレーキ用プレートにおいて、
    前記凸部は、前記中心側から前記プレートの周縁にかけて、その幅が徐々に広くなるように形成されていることを特徴とするディスクブレーキ用プレート。
  5. 請求項に記載のディスクブレーキ用プレートにおいて、
    前記凹部は、前記中心側から前記プレートの周縁にかけて、その幅が徐々に広くなるように形成されていることを特徴とするディスクブレーキ用プレート。
  6. 請求項に記載のディスクブレーキ用プレートにおいて、
    前記凸部と前記凹部は、前記中心側から前記プレートの周縁にかけて、その幅が徐々に広くなるように形成されていることを特徴とするディスクブレーキ用プレート。
  7. 請求項に記載のディスクブレーキ用プレートにおいて、
    前記一方の被押圧面に形成された凸部と、前記他方の被押圧面に形成された凸部との間の距離が、既存のディスクブレーキ用プレートの厚みと実質的に同じになっていることを特徴とするディスクブレーキ用プレート。
  8. 請求項に記載のディスクブレーキ用プレートにおいて
    前記凹部と前記凸部は、スパイラル状に前記中心側から外側に向けて伸長していることを特徴とするディスクブレーキ用プレート。
  9. 請求項に記載のディスクブレーキ用プレートにおいて
    前記凹部と前記凸部は、螺旋状に前記中心側から外側に向けて伸長していることを特徴とするディスクブレーキ用プレート。
  10. 請求項に記載のディスクブレーキ用プレートにおいて
    前記凹部と前記凸部は、前記プレートの径方向に対して交差するように、前記中心側から外側に向けて伸長していることを特徴とするディスクブレーキ用プレート。
  11. 請求項に記載のディスクブレーキ用プレートにおいて、
    前記車両本体は、自動二輪車であることを特徴とするディスクブレーキ用プレート。
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