JP4392550B2 - 排水口用フィルタの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排水口用フィルタの製造方法及び製造装置に関し、より詳細には、浴室の洗い場、洗面場、流し台、屋外の洗い場、排水中に異物の混入を伴う場所などに設けられた排水口に設置される排水口用フィルタの製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記排水口では、排水管の詰まりや汚染を防止するため、排水中のゴミや毛などの異物を捕捉し、排水とは別に廃棄することが望ましい。このため、上記排水口に装着する種々の排水口用フィルタが提案されている。
【0003】
例えば、特開平8−49274号公報(特許文献1)には、合成繊維のパイル織りにより基材表面から無数の針状体を突出させたシート状の排水口用フィルタが示されている。この排水口用フィルタは、裏面の粘着材層により排水口の目皿に貼着され、排水に含まれる毛などを表面の針状体に絡ませて捕捉するようになっている。これと同様に針状体(剛毛)を備えたシート状の排水口用フィルタが、実用新案第3042516号(特許文献2)、実開昭60−189305号公報(特許文献3)にもそれぞれ記載されている。
【0004】
また、実開平6−30270号公報(特許文献4)には、排水口の目皿の下面に沿わせて組込み可能なシート状の排水口用フィルタ、及び目皿を包み込む袋状の排水口用フィルタが示されている。このように排水口の目皿に重ねて組み込む、或いは目皿を包み込む排水口用フィルタが、特開平6−285309号公報(特許文献5)、実開平7−15872号公報(特許文献6)、及び特開平10−252115号公報(特許文献7)にそれぞれ記載されている。
【0005】
実開昭61−173401号公報(特許文献8)及び実開昭62−94164号公報(特許文献9)には、目皿の周縁から下方へ吊り下げて設置されるネット状の排水口用フィルタが記載されている。
【0006】
実開昭63−173305号公報(特許文献10)には、ドーム状に隆起したフィルタの外周部を囲むように粘着面を設けた排水口用フィルタが記載されている。そして、特開平8−296265号公報(特許文献11)には、目皿の中央上方から目皿を覆うように放射状に広がる複数のゴミ取り部材を有する排水口用フィルタが記載されている。
【0007】
さらに、特開平9−225214号公報(特許文献12)には、排水口直下の排水管に挿入されて用いられる三次元網目構造からなる略円柱形の排水口用フィルタが記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−49274号公報(第3頁)
【0009】
【特許文献2】
実用新案第3042516号(第3頁)
【0010】
【特許文献3】
実開昭60−189305号公報(第3頁)
【0011】
【特許文献4】
実開平6−30270号公報(第3頁)
【0012】
【特許文献5】
特開平6−285309号公報(第4頁)
【0013】
【特許文献6】
実開平7−15872号公報(第4頁)
【0014】
【特許文献7】
特開平10−252115号公報(第4頁)
【0015】
【特許文献8】
実開昭61−173401号公報(第4頁)
【0016】
【特許文献9】
実開昭62−94164号公報(第4頁)
【0017】
【特許文献10】
実開昭63−173305号公報(第4頁)
【0018】
【特許文献11】
特開平8−296265号公報(第4頁)
【0019】
【特許文献12】
特開平9−225214号公報(第4頁)
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1〜7及び12に記載の排水口用フィルタでは、排水を受けるフィルタ部分の形状は排水口の開口部や排水管内に設置される平板状のものであり、その面積は排水口や排水管の径と同程度となっている。そのため、この限られた面積内を排水が通過し、フィルタ部分がすぐに目詰まりしてしまうという欠点があった。
【0021】
また、特許文献8及び9に記載の排水口用フィルタのように、目皿の下方に網部を垂下させるものの場合には、水分を含む異物を捕らえる網部が空気の流通し難い目皿の下方に設置されるため、雑菌が繁殖しやすく不衛生であるという問題があった。
【0022】
また、特許文献10に記載の排水口用フィルタでは、フィルタの網目が単層であるため異物を逃しやすいという欠点があった。そのため、同じフィルタを複数枚重ねる形態も図示されているが、この場合も異物の捕捉能力、特に小さいゴミ等の異物を捕捉する能力は個々の単層フィルタにより決定されるので、大幅な改善を期待することはできない。さらに複数枚重ねることによりコストが嵩む、フィルタの清掃がより面倒になるなどの問題が発生する。
【0023】
特許文献11に記載の排水口用フィルタにおいても、同様に異物の捕捉能力が低いという問題がある。この場合、フィルタは網目ではなく櫛歯状となっているので、さらに異物の捕捉能力が低くなってしまう。
【0024】
上記のように、従来の排水口用フィルタには、高い異物の捕捉能力を保ちつつ、排水能力を長期間維持することはできなかった。
【0025】
本発明者は、環状の設置部と、該設置部から上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した殻状壁とを備え、該殻状壁が三次元網目構造からなる部分を備えていることを特徴とする排水口用フィルタによれば、高い異物の捕捉能力を保ちつつ、排水能力を長期間維持し得ることを見い出した。
【0026】
また、本発明は、上記構成を有する排水口用フィルタを製造するための排水口用フィルタの製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る排水口用フィルタの製造方法は、環状の設置部と、該設置部から上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した殻状壁とを備え、該殻状壁が三次元網目構造からなる部分を備えており、前記設置部は、前記殻状壁が排水口を覆う位置をとるように、前記排水口又はその近傍に接し得る排水口用フィルタの製造方法であって、前記殻状壁の内面形状に対応する凸部を有する凸型と、前記殻状壁の下端外周に対応する内径を有する環状型とを用い、前記凸型を成形温度に保ちつつ、三次元網目構造を有する熱可塑性発泡樹脂からなるシート体の一方の面に前記環状型、他方の面に前記凸型を当てがい、該シート体及び前記凸型を該環状型の開口部に通すことにより前記シート体を前記凸型に沿わせて殻状に成形することを特徴とする。
【0028】
上記製造方法によれば、殻状壁の内面形状に対応する凸部を有する凸型と、殻状壁の下端外周に対応する内径を有する環状型という簡単な装置により、殻状壁の殻形状を得ることができ、上記排水口用フィルタを製造することができる。
【0029】
また、三次元網目構造を有するシート体を凸型に沿わせることにより、シート体の内側における網目が外側における網目よりも網目の開口が小さくなるようシート体を変形させ、この状態でシート体に成形熱を加えて網目を固定することができる。これにより、前記三次元網目構造からなる部分の内側における網目が、外側における網目よりも網目の開口が小さい排水口用フィルタを容易に製造することができる。
【0030】
また、本発明に係る他の排水口用フィルタの製造方法は、環状の設置部と、該設置部から上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した殻状壁とを備え、該殻状壁が三次元網目構造からなる部分を備えており、前記設置部は、前記殻状壁が排水口を覆う位置をとるように、前記排水口又はその近傍に接し得る排水口用フィルタの製造方法であって、前記殻状壁の内面形状に対応する凸部を有する雄型と、前記殻状壁の外面の形状に対応する凹陥部を有する雌型とを用い、前記雄型を成形温度に保ち、前記雌型を成形温度より低くしつつ、三次元網目構造を有する熱可塑性発泡樹脂からなるシート体を前記雄型と前記雌型とで挟むことにより殻状に成形することを特徴とする。
【0031】
上記製造方法によれば、殻状壁の内面形状に対応する凸部を有する雄型と、前記殻状壁の外面の形状に対応する凹陥部を有する雌型という簡単な装置により、殻状壁の殻形状を得ることができ、上記排水口用フィルタを製造することができる。
【0032】
また、前記凸型及び環状型を使用する場合に比し、シート体を両側から雄型及び雌型により挟んで成形するので、成形精度が向上する。この場合も、三次元網目構造を有するシート体を凸型に沿わせることにより、シート体の内側における網目が外側における網目よりも網目の開口が小さくなるようシート体を変形させ、この状態でシート体に成形熱を加えて網目を固定することができる。これにより、前記三次元網目構造からなる部分の内側における網目が、外側における網目よりも網目の開口が小さい排水口用フィルタを容易に製造することができる。
【0033】
また、本発明に係るさらに他の排水口用フィルタの製造方法は、環状の設置部と、該設置部から上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した殻状壁とを備え、該殻状壁が三次元網目構造からなる部分を備えており、前記設置部は、前記殻状壁が排水口を覆う位置をとるように、前記排水口又はその近傍に接し得る排水口用フィルタの製造方法であって、前記殻状壁の内面形状に対応する凸部又は前記殻状壁の外面形状に対応する凹部からなる成形面と、該成形面に開口する多数の吸気用小孔とを備えた成形型を用い、前記三次元編目構造部材を成形温度に加熱し、押え部材により前記三次元編目構造部材及び低通気性シートを、前記成形面を覆うように位置決めし、前記成形型の吸気用小孔からの吸気により前記成形面と前記低通気性シートとの間を減圧することにより前記三次元編目構造部材を前記成形面に沿わせて殻状に成形することを特徴とする。
【0034】
本発明に係る排水口用フィルタの製造装置は、環状の設置部と、該設置部から上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した殻状壁とを備え、該殻状壁が三次元網目構造からなる部分を備えており、前記設置部は、前記殻状壁が排水口を覆う位置をとるように、前記排水口又はその近傍に接し得る排水口用フィルタの製造装置であって、前記殻状壁の内面形状に対応する凸部を有する凸型と、前記殻状壁の下端外周に対応する内径を有する環状型とを備え、前記三次元網目構造の部材に殻状壁成型用の熱を付与する加熱部が、前記凸型に備えられていることを特徴とする。
【0035】
上記製造装置によれば、上記製造方法を実施することができる。
【0036】
また、本発明に係る他の排水口用フィルタの製造装置は、環状の設置部と、該設置部から上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した殻状壁とを備え、該殻状壁が三次元網目構造からなる部分を備えており、前記設置部は、前記殻状壁が排水口を覆う位置をとるように、前記排水口又はその近傍に接し得る排水口用フィルタの製造装置であって、前記殻状壁の内面形状に対応する凸部を有する雄型と、前記殻状壁の外面の形状に対応する凹陥部を有する雌型とを備え、前記三次元網目構造の部材に殻状壁成型用の熱を付与する加熱部が、前記雄型に備えられていることを特徴とする。
【0037】
上記製造装置によれば、上記製造方法を実施することができる。
【0038】
また、本発明に係るさらに他の排水口用フィルタの製造装置は、環状の設置部と、該設置部から上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した殻状壁とを備え、該殻状壁が三次元網目構造からなる部分を備えており、前記設置部は、前記殻状壁が排水口を覆う位置をとるように、前記排水口又はその近傍に接し得る排水口用フィルタの製造装置であって、前記殻状壁の内面形状に対応する凸部又は前記殻状壁の外面形状に対応する凹部からなる成形面、及び該成形面に開口する多数の吸気用小孔を備えた成形型と、前記三次元編目構造部材を成形温度にするための加熱部と、前記三次元編目構造部材及び低通気性シートを、前記成形型の成形部を覆うように位置決めする押え部材と、前記成形型の吸気用小孔を吸引源に接続するための接続部とを備えたことを特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明をする。
【0040】
図1(a)は、本発明の実施形態に係る排水口用フィルタの製造方法により製造された排水口用フィルタの斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示した領域A、図1(c)は領域Bにおける排水口用フィルタの断面をそれぞれ示している。図2(a)は、該排水口用フィルタの使用状態を示した図であり、図2(b)は図2(a)に示した領域Cにおける排水口用フィルタの断面を示している。
【0041】
図示のように、本発明の実施形態に係る排水口用フィルタ10は、環状の設置部10bと、設置部10bから上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有したドーム型の殻状壁10aと、殻状壁10aの天面付近で殻状壁10aと結合された廃棄用吊り上げ部材14とを備えている。
【0042】
殻状壁10aは、この例では三次元網目構造からなる部分10cで全体を形成されている。このような三次元網目構造は、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニール、若しくはポリエチレンテレフタレート又はこれらの共重合体(例えば発泡ポリエチレン/ポリスチレン共重合樹脂等)、或いはこれらの混合物からなる樹脂、或いは、メラニン樹脂、生分解性樹(脂肪族ポリエステル樹脂)等の種々の樹脂の発泡処理、又は発泡処理及び破泡処理等により得ることができる。これらの中でも望ましい網目(セル)の大きさを得る点と安定性(耐水性)等の点から、ポリウレタンフォームの破泡処理により形成することが望ましく、ポリエチレンフォーム等も破泡処理により形成することもできる。ポリウレタンフォームはポリオールの種類によりエステルタイプ及びエーテルタイプのいずれにも形成可能である。エステルタイプのものでは、空隙の大きさが多様となり、伸縮性、強度、耐摩耗性、耐熱性、耐油性、耐候性の面で有利である。エーテルタイプのものは、弾力性に優れ、多様な材料が選択でき、通常エステルタイプのものより安価である。
【0043】
本発明の実施形態では、図1(b)に示すように三次元網目構造からなる部分10cの外側が複数の突出繊維端10dを有する起毛状とされている。また、該部分10cの内側における網目は、該部分の外側における網目よりも網目の開口が小さくなっている。三次元網目構造における網目(セル)の大きさ(密度)は、排水を透過させる主要部分の最も密な部分において、25mm当たり(JISK6400設定)4〜30個となるように製造することが望ましい。30個より多くなると水の透過が非常に悪くなって目詰まりも急速となり、4個より少なくなると、異物の捕捉能力が低下する。この観点から、より望ましくは8〜25個、さらに望ましくは10〜20個となるように製造することが望ましい。
【0044】
本実施形態においては、設置部10bは、図1(c)に示すように、設置部10bは平面状に形成されている。このような形状は、例えば、殻状壁10aの底部を熱溶融させ平面状に固化させることによって形成される。設置部10はこの平面状の形状によって、図2(a)に示すように排水口20の周縁部20aに適合するように接する。
【0045】
廃棄用吊り上げ部材14は、殻状壁10aと結合されていればよく、殻状壁10aの天面付近でなく側面や設置部10b等に設けられていてもよく、或いは省略することもできる。また、この廃棄用吊り上げ部材14は、摘み部と殻状壁10aへの連結部とを備えておればよく、殻状壁に挿通する端部に幅方向に広がる戻り止め部を設ける等、様々な形態が可能である。
【0046】
このように構成された本発明の実施形態に係る排水口用フィルタ10は、図2(a)に示すように設置部10bにより排水口20の周縁部20aに設置されて使用される。排水口20に流れる排水は殻状壁10aを通過することとなり、三次元網目構造部分10cが、排水中に含まれるゴミや毛などの異物Xを捕捉する。また、排水口の上方に設置されるため、水切れが良く衛生的である。
【0047】
本発明の実施形態に係る排水口用フィルタ10によれば、三次元網目構造部分10cによって、排水中の異物Xを該構造中に立体的に分散させて捕捉することができるので、異物Xを捕捉しても該構造中に排水経路となる空隙を残留させ易い。したがって、高い異物の捕捉能力を保ちつつ、排水能力を長期間維持することができる。
【0048】
また、設置部からの立ち上がり部及び閉じた天面を有した立体的な殻状壁10aが三次元網目構造部分10cを備えているので、排水と最もよく接する部分が目詰まり等で排水能力を低下させても、殻状壁10aの他の部分からの排水が確保される。したがって、この点からも高い排水能力を長期間維持することができる。
【0049】
さらに本実施形態では、三次元網目構造部分10cの外側は、網目構造の網目の連続が切断された起毛状となっているので、排水中の異物Xを起毛状の部分に絡め取ることができ、より高い異物の捕捉能力を得ることができる。また、図2(b)に示すように、殻状壁10aのドーム形状に基づいて、三次元網目構造部分10cの内側における網目が、外側における網目よりも網目の開口が小さくなっているので、大きい異物X1を三次元網目構造の外側で捕捉し、小さい異物X2を内側で捕捉するというように、異物Xの捕捉位置をより立体的に分散させることができる。したがって、排水能力をより長期間維持することができる。
【0050】
上記のような排水口用フィルタ10は、その設置部10bに粘着材層が設けられていても良い。これにより、排水口又はその近傍に粘着を伴って適合することができる。
【0051】
粘着材層は、ゴム系、アクリル系、ユリア樹脂系、メラニン樹脂系、フェノール系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーン系などの種々の樹脂で構成され得る。これらは、溶剤系、水性系のいずれでも良く、感圧接着タイプとすることができる。設置部と対象表面との間の分子間力で密着状態を維持するものでも良い。また、上記実施形態のように粘着材層を省略することもできる。
【0052】
また、粘着材層は設置部10bに沿って環状に設けることができ、或いは設置部10bの複数箇所に離散的に、或いは1箇所だけに設けることもできる。尚、粘着性が強い素材を用いる場合には、使用時まで粘着性を保護するため、粘着材層は剥離紙等で覆われていることが好ましい。
【0053】
また、殻状壁10aの天面付近に薬剤載置用凹部が設けられていても良い。これにより薬剤載置用凹部の中に薬剤を設置することができる。薬剤としては、洗浄剤、香料、消臭剤、脱臭剤、殺菌剤、除菌剤、抗菌剤等を用いることができ、これにより、排水中の異物を除去しつつ、設置した薬剤の作用を得ることができる。
【0054】
図3(a)及び(b)は、本発明により製造し得る他の形態に係る上記排水口用フィルタを排水口に設置した状態を模式的に示した断面図である。
【0055】
図3(a)に示すように、排水口用フィルタ10Aは、環状の設置部10Abと、該設置部10Abから上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した殻状壁10Aaとを備えている。設置部10Abは、該殻状壁10Aaの殻状下端部を径方向内側に折り曲げ、その先端を再び下方へ折り曲げた形状となっている。図示のように、排水口用フィルタ10Aは、設置部10Abの先端部を排水口20に挿入するようにして適合させることができる。
【0056】
図3(b)に示すように、さらに他の形態に係る排水口用フィルタ10Bは、環状の設置部10Bbと、該設置部10Bbから上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した殻状壁10Baとを備えており、設置部10Bbは殻状壁10Ba下部から径方向外側に突出したフランジ部を備えている。
【0057】
図示のように、排水口用フィルタBは、設置部10Bbが排水口20Eの周縁部20Eaに載置されて適合している。この排水口用フィルタ10Bによれば、設置部10Bbのフランジ部により、排水口20Eの周縁部20Eaとの接触面積が増し、排水口用フィルタ10Bを安定して設置することができる。
【0058】
設置部は、三角形その他の多角形状、又は円形、星形等、種々の環状の形態とすることができる。
【0059】
殻状壁は、設置部から上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した種々の形状とすることができ、例えば、ドーム状、有蓋筒状、錘体状等とすることができる。ドーム型のものには、真円状に形成されたものだけでなく、卵状、楕円状、又はその組み合わせ等、全体として丸味を帯びた殻形状が含まれる。
【0060】
次に本発明に係る排水口用フィルタの製造方法及び製造装置の例について説明する。
【0061】
図4(a)は、三次元網目構造を有するシート体の基となるブロック体の製造方法を模式的に示した側面図であり、図4(b)は、該ブロック体からシート体を裁断する様子を模式的に示した斜視図である。
【0062】
まず図4(a)に示すように、ポリウレタンフォームの発泡体m1を形成するために、原料タンク50からポリオール、イソシアネート等を導出し、水、触媒(アミン触媒、金属触媒)、界面活性剤等を添加して、これらを反応装置60内で混合し、該装置内のプロペラにより攪拌して反応させる。発泡体m1は反応装置60先端の排出口から排出され、ローラ70から引き出される搬送用紙上に載積されて引き延ばされる。この場合の反応温度は望ましくは70℃以上、より望ましくは150〜200℃、さらに望ましくは170〜180℃である。また、加熱時間は、望ましくは1.5〜5分間、より望ましくは2〜4分間である。
【0063】
この反応ではポリオールとイソシアネートとが結合してウレタン結合を形成すると共に、イソシアネートと水とが反応して二酸化炭素を発生させる泡化反応が起こる。該反応は搬送用紙上においても継続し、発泡体m1は搬送用紙上で膨張しつつコンベヤで搬送される。
【0064】
上記膨張が収まると発泡体m1は破泡手段(図示せず)によって破泡される。この破泡処理には、発泡体m1に振動を与える振動装置、発泡体m1に突風を吹き付けるガス噴射機、発泡体m1に圧力を加えるプレス機など、様々な破泡手段を用いることができる。破泡処理を受けた発泡体m1は、破泡されて残留した発泡構造の骨組みによって三次元網目構造をなす。三次元網目構造における網目(セル)の大きさは、上述のように主要部分の最も密な部分において、25mm当たり(JIS K6400設定)4〜30個、より望ましくは8〜25個、さらに望ましくは10〜20個となるように製造することが望ましい。セルの大きさは、材料や添加する界面活性剤等の種類、二酸化炭素の発生量に影響を与える反応装置60内での攪拌速度などの反応条件を変化させることにより調節することができる。
【0065】
コンベヤで搬送された発泡体m1は、裁断機80の手前の搬送経路、又は裁断機80に設けられた成形スリット(図示せず)に通されて略直方体状に成形される。その後、発泡体m1は裁断機80で複数のブロック体m2へと裁断され、さらに、図4(b)に示すように、ブロック体m2から複数のシート体m3へと裁断される。この裁断時にシート体m3のカットされた表面は起毛状態となる。上記破泡処理をこれらの裁断処理の後に行うこともできる。
【0066】
図5(a)〜(e)は、本発明の実施形態に係る排水口用フィルタの製造工程を模式的に示した断面図である。本発明の実施形態に係る排水口用フィルタは、上記のように、排水口又はその近傍に接する環状の設置部10bと、設置部10bから上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した殻状壁10aとを備えている。
【0067】
まず図5(a)に示すように、殻状壁の内面形状に対応する凸部95aを有する凸型95と、殻状壁10aの下端外周に対応する内径のリング部90aを有する環状型90とを用い、適当な搬送手段(図示せず)により凸型95と環状型90との間にシート体m3を搬送する。尚、本実施形態では凸型95に管部95xが設けられており、管部95xには電熱線が挿入され、且つ伝熱のための油が充填されている。これにより、電熱線からの熱を凸型(雄型)95Aに伝導させることができ、冷却時には電熱線への電力供給を遮断するようになっている。或いは、必要に応じて温度調節器等により加熱又は冷却された水などの流体を管部95xに通して温度を制御することもできる。尚、管部95xは、形状が損なわれない程度に凸形状に沿わせて設けられていることが望ましい。
【0068】
次いで凸型95を成形温度に保ちつつ、図5(b)に示すように、三次元網目構造を有する熱可塑性発泡樹脂からなるシート体m3の一方の面に環状型90、他方の面に凸型95を当てがい、シート体m3及び凸型95を環状型90におけるリング部90aの開口部に通すことによりシート体m3を凸型95に沿わせて殻状に加熱成形する。このとき環状型90はリング部90aでシート体m3を押さえつけるので、三次元網目構造からなる部分の外側が熱で軟化乃至溶融するのを防いで、該外側を上記裁断時の起毛状に維持することができる。また、三次元網目構造を有するシート体を凸型95に沿わせることにより、シート体m3の内側における網目が外側における網目よりも網目の開口が小さくなるようシート体m3を変形させ、この状態でシート体m3に成形熱を加えて網目を固定することができ、これにより、三次元網目構造からなる部分の内側における網目が、外側における網目よりも網目の開口が小さい排水口用フィルタを容易に製造することができる。
【0069】
環状型90におけるリング部90a底面と凸型95の凸部95aを囲む平面との間に挟まれる部分では、シート体m3が加熱圧縮され平板部100bが形成される。
【0070】
本実施形態のように、ポリウレタンフォームを用いる場合、上記成形温度は望ましくは軟化点である160℃以上、融点である250℃以下、より望ましくは150〜240℃、さらに望ましくは180〜220℃である。
【0071】
上記加熱成形により、図5(c)に示すように、環状型90を取り除くと、凸型95上には殻状壁100aとプレスにより圧縮された平板部100bを備えた殻状体m4が残る。
【0072】
次に、図5(d)に示すように、殻状体m4を載置した凸型95を裁断型92直下に搬送する。裁断型92は、凸型95との組み合わせ時に凸部95a周縁に当たるリング状刃92aを備えている。次いで、図5(e)に示すように、殻状体m4から殻状の排水口用フィルタ10を切り出す。この切り出しは殻状壁の外周縁に沿って行ってもよいが、排水口用フィルタ10の設置部10bにおけるフランジ部が殻状壁10a外周面から少し突出するように平板部100bを裁断することもできる。これにより、設置部10bの平坦部が増し、設置部10bが排水口の周縁の略水平面に適合しやすくなる、また上述した粘着材層12を用いる場合には、粘着材層12を設置部10bに設け易くなる。尚、必要に応じて、殻状壁10aに上述した廃棄用吊り上げ部材14を取り付けることができる。さらに、凸型を下に配置することにより、成形時の加熱効率が高くなり、成形物である排水口フィルタの保形性も良好となるので好ましい。
【0073】
図3(a)に示したような段部を伴った縮径部を設置部に設けるには、凸型を該設置部を含めて排水口用フィルタの内面形状に沿う形状とし、環状型を径の拡大・収縮が可能な構造とし、凸型の最大径部を通過した後に該環状型を収縮させるようにすればよい。径の拡大・収縮可能な環状型は、例えば耐熱性ゴム等の弾性体により形成することができる。或いは、環状型を周方向に複数に分割し、相互間の距離を増減させることにより径の収縮を可能にすることもできる。成形後は縮径部の途中で切断して排水口用フィルタを得る。
【0074】
以上のように上記製造方法によれば、殻状壁10aの内面形状に対応する凸部95aを有する凸型95と、殻状壁10aの下端外周に対応する内径を有する環状型90という簡単な装置により、殻状壁10aの殻形状を得ることができる。
【0075】
図6(a)〜(e)は、本発明の他の実施形態に係る排水口用フィルタの製造工程の一部を模式的に示した断面図である。
【0076】
図6(a)に示すように、図5に示した実施形態におけるリング部90aを有する環状型90に代えて、殻状壁10aの外面の形状に対応する凹陥部91aを有する雌型91を用いる。この場合、雌型91を成形温度より低くしておく。本実施形態では雌型91に水や冷却用チラーなどの不凍結剤を有する流体を流すための管部95yが設けられており、これにより雌型91の温度を低くすることができるようになっている。或いは、必要に応じて温度調節器等により加熱又は冷却された水などの流体を管部95yに通して温度を制御することもできる。これにより、三次元網目構造からなる部分の外側が熱で軟化乃至溶融するのを防いで、該外側を上記裁断時の起毛状に維持することができる。尚、管部95yは、形状が損なわれない程度に凹形状に沿わせて設けられていることが望ましい。
【0077】
図6に示す工程は、図5の工程における凸型95及び環状型90を各々雄型95及び雌型91に置き換えて同様に行われるので、説明は省略する。
【0078】
図7(a)〜(c)は、本発明のさらに他の実施形態に係る排水口用フィルタの製造工程の一部を模式的に示した断面図である。
【0079】
図7(a)に示すように、図5に示した実施形態におけるリング部90aを有する環状型90、及びリング状刃92aを有する裁断型92に代えて、雄型95との組み合わせ時に、雄型95の凸部95aとの間に殻状の空隙を形成する凹陥部93aと、雄型95の凸部95a周縁に当たるリング状刃93bとを備えた裁断雌型93を用いることもできる。これにより、加熱圧縮成形と排水口用フィルタ10の切り出しとを同時に行うことができる。これは図5に示したリング部90aを用いる方法にも適用することができる。
【0080】
また、シート体m3を用いず、直接ポリオール、イソシアネート、水、触媒(アミン触媒、金属触媒)、界面活性剤等の原材料を、図6に示したような雄型95と雌型91との間の間隙に注入し、熱風炉を通して排水口用フィルタを成形することもできる。
【0081】
また、上記実施形態ではポリウレタンフォームを用いる場合について説明したが、ポリウレタンフォームの代わりにポリエチレンフォームを用いる場合は、主原料(低密度ポリエチレン等)と有機系発泡助剤などの添加剤とを用い、図4に示したような方法でシート体m3を形成し、上記実施形態と同様にして加熱成形を行う。
【0082】
しかし、ポリエチレンフォームの場合、耐熱温度がポリウレタンの1/2〜1/3であるため、上記の方法で熱成形ができない。そこで、保温容器のようなものの中で40℃〜50℃程度にシート体m3を温めておき、図6に示したような雄型95及び雌型91を使ってプレス成形するとよい。
【0083】
或いは、殻状壁を真空成形により形成することもできる。この場合は、凸型(雄型)95及び雌型91のいずれかの型に吸気用小孔を設け、殻状壁の内面形状に対応する凸部又は殻状壁の外面形状に対応する凹部からなる成形面、及び該成形面に開口する多数の吸気用小孔を備えた成形型を形成する。そして、シート体m3を成形温度に加熱して軟化させておき、凸型(雄型)95及び雌型91の内、吸気用小孔を備えた方の型に載せ、さらに該型に対して反対側のシート体m3表面に、実質的に空気を透過難い変形可能な低通気性シートを載せておく。シート体m3及び低通気性シートを、押え部材によって前記成形型の成形部を覆うように位置決めした後、成形型の吸気用小孔を吸引源に接続するための接続部によって、該型の凸部又は凹部とシート体m3との間の空間を急激に減圧状態とすることにより成形及び冷却する。
【0084】
低通気性シートは、実質上通気性のない非通気性シートとするのが望ましいが、吸気用小孔からの吸引により三次元編目構造部材を成形面に沿わせるように変形する程度に通気性が低いものでもよい。
【0085】
押え部材は、成形面の周辺部において三次元編目構造部材及び低通気性シートを押さえる環状のもの、或いは、成形面との間に三次元編目構造部材及び低通気性シートを挟み得るように成形面に沿う形状の凹部又は凸部を備えたものとすることができる。
【0086】
図8(a)は、他の形態に係る管部を備えた凸型(雄型)の断面図であり、図8(b)及び(c)は、さらに他の形態に係る管部を備えた凸型(雄型)の断面図である。
【0087】
図8(a)に示した凸型(雄型)95Aでは、凸型(雄型)95Aがその下部に台部97Aを備えており、管部95Axは台部97Aに設けられている。台部97Aは平板状に形成されており、管部95Axには電熱線が挿入され、且つ伝熱のための油が充填されている。これにより、電熱線からの熱を凸型(雄型)95Aに伝導させることができる。冷却時には電熱線への電力供給を遮断するとよい。また、温度調節器等により加熱又は冷却された水などの液体を管部95Axに通して温度を制御することもできる。
【0088】
図8(b)及び(c)に示した凸型(雄型)95Bでは、凸型(雄型)95Bが第1部材95BAと第2部材95BBとで構成されており、管部95Bxは第1部材95BAに設けられた溝部95BAxと第2部材95BBに設けられた溝部95BBxとを組み合わせることにより形成される。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、殻状壁の内面形状に対応する凸部を有する凸型、及び殻状壁の下端外周に対応する内径を有する環状型、或いは、殻状壁の内面形状に対応する凸部を有する雄型、及び殻状壁の外面の形状に対応する凹陥部を有する雌型という簡単な装置により、上記殻形状の排水口用フィルタを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の製造方法及び製造装置により製造された排水口用フィルタの斜視図であり、(b)は(a)に示した領域A、(c)は領域Bにおける排水口用フィルタの断面をそれぞれ示している。
【図2】 (a)は、図1に示す排水口用フィルタの使用状態を示した図であり、(b)は(a)に示した領域Cにおける排水口用フィルタの断面を示している。
【図3】 (a)及び(b)は、本発明の方法又は装置により製造し得る排水口用フィルタを排水口に設置した状態を模式的に示した切断端面図である。
【図4】 (a)は、三次元網目構造を有するシート体の基となるブロック体の製造方法を模式的に示した側面図であり、(b)は、該ブロック体からシート体を裁断する様子を模式的に示した斜視図である。
【図5】 (a)〜(e)は、本発明に係る排水口用フィルタの製造工程の一例を模式的に示した切断端面図である。
【図6】 (a)〜(e)は、本発明に係る排水口用フィルタの製造工程の他の例を模式的に示した切断端面図である。
【図7】 (a)〜(c)は、本発明に係る排水口用フィルタの製造工程のさらに他の例を模式的に示した切断端面図である。
【図8】 (a)は、他の形態に係る管部を備えた凸型(雄型)の切断端面図であり、(b)及び(c)は、さらに他の形態に係る管部を備えた凸型(雄型)の切断端面図である。
【符号の説明】
10 排水口用フィルタ
10a 殻状壁
10b 設置部
10c 三次元網目構造からなる部分
10d 突出繊維端
14 廃棄用吊り上げ部材
Claims (6)
- 環状の設置部と、該設置部から上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した殻状壁とを備え、該殻状壁が三次元網目構造からなる部分を備えており、前記設置部は、前記殻状壁が排水口を覆う位置をとるように、前記排水口又はその近傍に接し得る排水口用フィルタの製造方法であって、
前記殻状壁の内面形状に対応する凸部を有する凸型と、前記殻状壁の下端外周に対応する内径を有する環状型とを用い、
前記凸型を成形温度に保ちつつ、三次元網目構造を有する熱可塑性発泡樹脂からなるシート体の一方の面に前記環状型、他方の面に前記凸型を当てがい、該シート体及び前記凸型を該環状型の開口部に通すことにより、
前記シート体の他方の面は、前記凸型により加熱され、
前記シート体の一方の面は、前記殻状壁の下端外周に対応する部分が前記環状型により押さえつけられて、
前記シート体を前記凸型に沿わせて殻状に成形することを特徴とする排水口用フィルタの製造方法。 - 環状の設置部と、該設置部から上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した殻状壁とを備え、該殻状壁が三次元網目構造からなる部分を備えており、前記設置部は、前記殻状壁が排水口を覆う位置をとるように、前記排水口又はその近傍に接し得る排水口用フィルタの製造方法であって、
前記殻状壁の内面形状に対応する凸部を有する雄型と、前記殻状壁の外面の形状に対応する凹陥部を有する雌型とを用い、
前記雄型を成形温度に保ち、前記雌型を冷却し、三次元網目構造を有する熱可塑性発泡樹脂からなるシート体を前記雄型と前記雌型とで挟むことにより殻状に成形することを特徴とする排水口用フィルタの製造方法。 - 環状の設置部と、該設置部から上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した殻状壁とを備え、該殻状壁が三次元網目構造からなる部分を備えており、前記設置部は、前記殻状壁が排水口を覆う位置をとるように、前記排水口又はその近傍に接し得る排水口用フィルタの製造方法であって、
前記殻状壁の内面形状に対応する凸部又は前記殻状壁の外面形状に対応する凹部からなる成形面と、該成形面に開口する多数の吸気用小孔とを備えた成形型を用い、
前記三次元編目構造部材を成形温度に加熱し、押え部材により前記三次元編目構造部材及び低通気性シートを、前記成形面を覆うように位置決めし、
前記成形型の吸気用小孔からの吸気により前記成形面と前記低通気性シートとの間を減圧することにより前記三次元編目構造部材を前記成形面に沿わせて殻状に成形することを特徴とする排水口用フィルタの製造方法。 - 環状の設置部と、該設置部から上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した殻状壁とを備え、該殻状壁が三次元網目構造からなる部分を備えており、前記設置部は、前記殻状壁が排水口を覆う位置をとるように、前記排水口又はその近傍に接し得る排水口用フィルタの製造装置であって、
前記殻状壁の内面形状に対応する凸部を有する凸型と、前記殻状壁の下端外周に対応する内径を有する環状型とを備え、
前記三次元網目構造の部材に殻状壁成型用の熱を付与する加熱部が、前記凸型に備えられていることを特徴とする排水口用フィルタの製造装置。 - 環状の設置部と、該設置部から上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した殻状壁とを備え、該殻状壁が三次元網目構造からなる部分を備えており、前記設置部は、前記殻状壁が排水口を覆う位置をとるように、前記排水口又はその近傍に接し得る排水口用フィルタの製造装置であって、
前記殻状壁の内面形状に対応する凸部を有する雄型と、前記殻状壁の外面の形状に対応する凹陥部を有する雌型とを備え、
前記三次元網目構造の部材に殻状壁成型用の熱を付与する加熱部が、前記雄型に備えられており、
前記三次元網目構造の部材を冷却する冷却部が、前記雌型に備えられていることを特徴とする排水口用フィルタの製造装置。 - 環状の設置部と、該設置部から上方への立ち上がり部及び閉じた天面を有した殻状壁とを備え、該殻状壁が三次元網目構造からなる部分を備えており、前記設置部は、前記殻状壁が排水口を覆う位置をとるように、前記排水口又はその近傍に接し得る排水口用フィルタの製造装置であって、
前記殻状壁の内面形状に対応する凸部又は前記殻状壁の外面形状に対応する凹部からなる成形面、及び該成形面に開口する多数の吸気用小孔を備えた成形型と、
前記三次元編目構造部材を成形温度にするための加熱部と、
前記三次元編目構造部材及び低通気性シートを、この順で前記成形型の成形部を覆うように位置決めする押え部材と、
前記成形型の吸気用小孔を吸引源に接続するための接続部とを備えたことを特徴とする排水口用フィルタの製造装置。
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