JP2812771B2 - 不織布構造物及びその製法 - Google Patents

不織布構造物及びその製法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば濾材として好適に使用できる不織布
構造物及びその製法に関する。
〔従来の技術〕
従来、合成繊維製不織布をネットに張り付けた構造の
不織布構造物が濾材などの用途に使用されている。
このような不織布を濾材として使用する場合、要求さ
れる捕集性能としては、濾別できる限界粒子径が小さ
く、かつ、圧力損失をできるだけ押さえることである。
捕集できる限界粒子径を小さくするためには、充填密
度の高い濾材としたり、繊維直径の細い濾材としたりす
ることが行われる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、濾材の充填密度を高くすると、必然的に圧力
損失が増加してしまう。また、繊維径を細くした場合も
圧力損失が大きくなる。
本発明は、以上のような背景に鑑みなされたもので、
塵埃の捕集効率が高く、圧力損失も少ない不織布構造物
を提供することを課題とする。また、本発明は濾材とし
てだけでなく、植物育成用苗床など、他の、用途にも好
適に使用できる不織布構造物を提供することを課題とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記のような課題を解決する本発明の不織布構造物
は、熱可塑性樹脂の繊維群で形成された基布部1に多数
の孔1aを有するとともに、それぞれの孔1aの周囲に基布
部1と同質の繊維群でなる先端閉塞の筒状突起部2を有
し、その突起部2の突き出し高さが、基布部1の厚さの
2倍以上である不織布を、ネット3と一体化した構造で
ある。
本発明の不織布構造の製法は、多数の開孔12aを設け
た多孔板12に向けて、メルトブローダイ10から繊維群を
吹き付けて堆積させ、その際、その多孔板12を境として
繊維の吹き付け側圧力より、その反対側の圧力の方が小
さい状態として、前記繊維群を前記開孔12aから突出さ
せ、その突出が筒状に盛り上がって先端閉塞の突起部2
を形成した後、多孔板12から剥して不織布を得る工程
と、この不織布をネットと一体化する工程とを少なくと
も経る。
以下、本発明の更に詳細に説明する。
本発明はメルトブロー不織布で形成される。この本発
明の不織布構造物を構成する不織布は、第2図に示すよ
うに、熱可塑性樹脂の繊維群で構成される基布部1に多
数の孔1aを有している。
多数の孔1aが設けられる基布部1の素材に用いられる
熱可塑性樹脂は、ポリプロピレンを代表とする各種ポリ
オレフィン、エチレン・ビニル化合物共重合体、スチレ
ン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸エステル、
ポリアミド、ポリエステル等従来メルトブロー方で紡糸
できる樹脂を使用できる。
本発明においては、繊維を吹き飛ばすガス流の速度、
溶融樹脂の粘度あるいはメルトブローレート、ダイ・オ
リフィスの口径等によりその繊維長や繊維径を変化させ
ることができる。本発明における不織布の繊維長は、連
続したもの、10cm以上の長繊維、あるいは、1cm〜5cmの
短繊維でもよい。
繊維径についてみると、本発明に限らず、メルトブロ
ー不織布は一般に1μm〜10μmであり、多くは2μm
〜5μmである。本発明でもこの範囲で製造してよい。
そして、このような繊維径の繊維により、一般の製法に
よるメルトブロー不織布と同一目付けで本発明の不織布
を製造すると、一般のものに比較して表面積が増すため
に通気性が向上する。従って、濾材として圧力損失の低
減を図ることができる。
上記の基布部1は、第2図、第3図に示すように、多
数の孔1aを有している。また、それぞれの孔1aの周囲に
は、基布部1と同質の繊維群でなり、しかも、先端2aが
閉塞した筒状突起部2が穿設されている。
ここで、前記孔1aの形状は円形に限らず、楕円形、方
形、その他の任意の形状を採ることができる。また、孔
1aの孔径は、0.2mm〜6mm、好ましくは3mm以下、さらに
好ましくは0.4mm〜2mmが望ましい。ここでいう孔径と
は、孔1aが円形以外の場合、任意の形状をした孔1aの全
体を包含する円、すなわち最小外接円の径をいう。孔径
が0.2mm未満であると孔1aより突出した筒状突起部2が
ちぎれやすくなり余り好ましくない。6mmを超えると感
触、あるいは、小さな凹凸表面の対象物との形状的なじ
みやすさが損なわれるようになって余り好ましくない。
ところで、孔1aの大小は筒状突起部2の大きさに関係
し、孔1aの小さいものは自ずと筒状突起部2も小さい。
そして、孔1aが0.2mm〜1mm程度の場合と、孔1aが1mm〜6
mmである場合とでは、この孔1aに対応して形成される筒
状突起2の風合い、外観、手触りはかなり異なる。
基布部1の孔数は1cm2当り2箇以上、好ましくは5箇
以上が望ましいが、孔径に応じて適宜選択されるとよ
い。
そして、前記孔の径が、0.2mm〜1mmで、1cm2あたりの
孔数が50以上である場合、対応する筒状突起部2は、あ
たかも、不織布構成繊維を起毛させたような起毛状突起
となる。
次に、筒状突起部2の突き出し高さ(h)は、基布部
1の厚さ(t)の2倍以上(第3図参照)、好ましくは
4倍以上に及ぶと、触覚的にも視覚的にも十分な嵩高性
が確保されてよい。すなわち、見掛け密度が小さくて軽
く、しかも十分な厚みがあって全体的に非常に柔軟にな
る。突き出し高さが2倍未満の場合には、十分な嵩高性
が失われる。
このような突起部2の存在により、弾力性、緩衝性、
柔軟性が良好となる。
そして、以上の不織布がネット3と一体化されて本発
明の不織布構造物が構成される。使用するネット3は、
上記した熱可塑性樹脂で形成したネット3、金網などを
使用できる。ネット3と一体化する理由は不織布を平面
的に保持・補強し、かつ不織布及びその筒状突起の厚さ
方向での圧密変形を防止する趣旨であるから、その作用
を奏する限りネット3の材質は問わない。また、ネット
3の編目の大きさは濾材とした場合など圧力損失を損な
わない大きさであれば大きさは問わない。
ここで、不織布をエレクトレット化することも可能
で、そうすることで、本発明の構造物をエレクトレット
フィルタとして使用できる。
本発明の不織布構造物は次のような製法で製造され
る。
メルトブロー法のための装置は、押出機の先端にダイ
10を設け、このダイ10の樹脂吐出口であるダイ・オリフ
ィスの周辺(樹脂吐出口としてキャピラリーチューブを
用いた場合はその周辺)にガス吹出用オリフィス11を設
け、このガス吹出用オリフィス11からダイ・オリフィス
に向けて高圧の加熱ガスを噴き出すように構成し、そら
に、その吹き出し方向の先に、吹き出されたガス流に飛
ばされ、延伸・冷却された繊維を受け止めて捕集する多
孔板12を配置したものである。ここで、多孔板12は、繊
維群を堆積させつつ移動して、帯状に不織布を形成する
ことができるよう移動自在とする。具体的には、平たい
多孔板12を移動させることを例示できるが、多孔板12を
回転自在な円筒状にすることがより好適である。また、
無端ベルト状にすることも可能である。
なお、多孔板12に設ける開孔12aは、前記した不織布
の孔1aを形成するのに必要な形状、大きさである。
多孔板12としては、鉄板などに穿設したものの他、金
網を使用できる。金網の場合、編目が開孔12aとして機
能する。そして、金網の場合、鉄板などに穿孔したもの
に比較して、目の細かい金網を使用することで、開孔12
aの径の小さいものを容易に入手できる。60〜20メッシ
ュなどの目の細かい金網を使用したとき、前記基布部1
の孔1aが0.2mmから1mmのものを容易に製造できる。従っ
て、このような編目の金網を多孔板として使用して製造
した本発明の不織布は、先端閉塞の筒状突起2が、あた
かも繊維を起毛したような風合いの起毛状突起となり、
手触り感も柔らかく、カーペットのような印象を与え
る。
不織布の製造にあたっては、溶融樹脂を押し出すと同
時に、ガス吹出用オリフィス11から高圧加熱ガスを吹き
出し、溶融状態の熱可塑性樹脂を繊維化させ、多孔板12
に向けて飛散させ、飛散した繊維の温度が軟化点より低
い温度に下がる前にその繊維を回転する多孔板12に連続
的に衝突させ、その多孔板12上に繊維状樹脂を連続的に
膜状に堆積させる。一般にガス流による延伸力は弱いの
で、そのような弱い力でも繊維を一様に筒状に延伸でき
るように熱可塑性樹脂の温度は軟化点以上であることが
好ましい。
製造の際、その多孔板12を境とし、繊維を吹き付けた
側の反対の側の方の圧力が、吹き付けた側の圧力よりも
小さい状態に置かれるようにする(以下、単に圧力差と
いうときがある)。
具体的には、繊維を吹き付けた側の反対の側を減圧手
段で減圧して多孔板12の開孔12a部分から延伸成形可能
な繊維を反対側に吸引して突き出させ突起部2を形成す
ることを好適例として示すことができる。減圧手段とし
ては真空吸引装置等を使用する。
このような減圧手段を使用しなくとも、多孔板12を単
にメルトブローダイ10に近づけるだけで、繊維を吹き付
けた側の反対の側の方の圧力を、吹き付けた側の圧力よ
りも小さい状態とすることができる。すなわち、ガス吹
出用オリフィス11から吹き出される高圧加熱ガスの風圧
により、前記圧力関係が成立し、その風圧で多孔板12の
開孔12a部分から繊維群の一部を反対側に押し出して突
起部2を形成する。
多孔板12をメルトブローダイ10に近づけると、溶融状
態の繊維があまり冷却されていない状態で捕集されるた
め、繊維同士の接着率が高くなり、あまりにも近づけす
ぎると、フィルム状になるため、注意を要する。
多孔板12への繊維群の堆積により、多孔板12の開孔12
a以外の部分で前記基布部1が形成され、前記圧力差に
より開孔12a部分で孔1aが形成されると共にその孔1aの
周囲に基布部1を構成する繊維郡と同一の繊維からなる
筒状の突起部2が盛り上がって形成される。この突起部
2は前記圧力差により開孔12a部分を通過するガス流に
繊維群の一部が乗ってガス流の流れ方向に突出し、その
突出が筒状に盛り上がって先端閉塞の筒状突起部2に成
長する。従って、このような筒状突起部2の形成には、
このようなガス流を生じさせるだけの圧力差が必要であ
る。そして、このような突起部2が形成された後、多孔
板12上に形成された繊維上樹脂堆積膜を多孔板12上から
剥離し、本発明のメルトブロー不織布を得る。
以上のように、不織布の形成とりわけ突起部2を形成
する場合、溶融樹脂の粘度やメルトフローレートが関係
し、あるいは繊維の径や強度、さらにはダイ10と多孔板
12との間の距離(捕集距離)、さらには圧力差が影響す
る。樹脂粘度や繊維径、あるいは繊維強度が大きい場
合、大きな圧力差で繊維を吸引もしくは吹き付ける必要
があるが、粘度が小さい場合には、小さな圧力差で繊維
を吸引または吹き付けることができる。いずれにせよ、
ダイ10により吹き出された繊維が軟化点以上の温度にあ
るうちに多孔板12上に堆積するよう捕集距離を調整し、
かつ、その軟化点以上の温度にある繊維に延伸変形応力
以上の応力がかかるように圧力差を調整する。
これら溶融樹脂の粘度、メルトフローレート、繊維
径、繊維強度、捕集距離、圧力差のいかんにより異なっ
た風合い不織布、異なった形態の突起部2が形成され
る。
本発明で、不織布はネット3と一体化される。一体化
とは、不織布にネット3を張り付けた場合のみならず、
不織布中にネット3が包含された形態も含む。ネット3
に張り付ける場合は、突起部2の無い平坦面側にネット
3を張り付けてもよいが、筒状突起部の圧縮変形を防止
する目的からは突起部2の側に張り付けるのがよい。
不織布をネットと一体化する方法の一つとして、前記
した不織布を得る工程中において、多孔板上にネットを
重ねこのネットの上から繊維群を吹き付けて堆積させる
ことが生産性の面で有利であり、しかも、不織布とネッ
トとの強固な一体化を図る上で有利である。
本発明で、不織布は界面活性剤で親水処理し、あるい
は撥水剤で撥水処理を施してもよい。
また、従来公知の方法により、不織布をエレクトレッ
ト化してもよい。例えば、不織布を形成している熱可塑
性樹脂の2次転移以上、融点以下の温度に不織布を保持
し、この状態で不織布の両面に誘電体板を介して金属性
電極板で挟み、電極板間に直流高電圧を印加し、不織布
を通過して電極板間を流れる電流が定常電導電流を示す
ようになるまで、あるいはそれ以上の時間一定温度で処
理し、その後加熱をやめ、電圧を印加したまま室温まで
冷却して、電圧の印加を停止する。これにより、不織布
を構成する繊維中のイオンあるいは電極から繊維中に電
荷の移動が起こり、不織布の両面が帯電し、冷却固定に
より帯電が固定される。
なお、不織布をエレクトレット化する場合、不織布を
ネットと一体化してから前記方法によりエレクトレット
化してもよい。
上記のような方法で得られる不織布構造物は、表面積
が大きく、各種空調機などのエアーフィルタ、植物育成
用苗床、あるいは包装材料、水切シート、緩衝材料とし
て有用である。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
<実施例1> 本実施例で用いたメルトブローダイ10は、第4図〜第
7図に示したように、押し出すべき溶融樹脂を収容す
る樹脂室14を有したダイブロック15と、平面状に並ん
だ状態で各基端部が前記ダイブロック15に保持され前記
樹脂室14にそれぞれが連通した複数のキャピラリーチュ
ーブ16(毛細管)と、このキャピラリーチューブ16の
先端部をリップ部17の平坦な押え面で挾持して、この押
え面とキャピラリーチューブ16との間にガス吹出用オリ
フィス11を形成するとともに、前記ダイブロック15に組
み合わせてダイブロック15との間に前記ガス吹出用オリ
フィス11に連通するガス室18を形成したガスプレート19
とを備えたものである。
そして、キャピラリーチューブ16の先端はリップ部17
よりやや突き出した状態となっている。
このキャピラリーチューブ16に向き合って、メルトブ
ロー用ダイ10の前方に、多孔板12を筒状にした回転自在
の多孔ロールを備えた捕集装置13が配置されている。こ
の捕集装置13は、ダイ10に向けて進退自在になってお
り、キャピラリーチューブ16の先端と多孔板12表面との
間の距離(捕集距離)を調節できるようになっている。
また、多孔板ロールの内部には、繊維群を受ける部分の
裏側となる部分に負圧室21を形成するための仕切り22が
設けられ、多孔ロールの内面とこの仕切り板22との接触
部には、多孔ロールの回転を許容し、かつ、負圧室21内
に空気がリークするのを防止するスライドシール23が設
けられている。そして、負圧室21に真空吸引装置24が接
続され、負圧室21内を一定の負圧状態に保持するように
なっている。
また、多孔ロール内の負圧室21を通過した部分に対応
して、多孔ロールの外側に、不織布を押さえる押えロー
ル25が設けられ、形成された不織布はこの押えロール25
を通過して多孔ロールから剥されるようになっている。
以上の装置において、多孔ロールの各開孔12aの径は
1.5mm、孔数18箇/cm2、多孔ロールを形成した多孔板12
の板厚は0.5mmであった。
そして、樹脂にはメルトフローレートが300のポリプ
ロピレンを使用し、孔径0.4mm、ピッチ0.7mmのキャピラ
リーチューブからの1本あたりの毎分の吐出量0.06gr/
孔/分、樹脂温度280℃で押し出した。延伸用ガスには
温度260℃、圧力0.6kg/cm2の空気を使用し、捕集距離8c
m、多孔板12裏側の負圧室21の真空度は−500mm水柱とし
てメルトブローした。
得られた嵩高メルトブロー不織布は、面積当りの重量
(目付け)が60gr/m2、平均繊維径は6μm、孔径は1.3
mm、孔数は18/cm2、突起部2の見掛け高さは約1.4mm、
基布部1の見掛け厚さは約0.2mmであった。この実施例
の不織布の各部の繊維の状態を30倍の走査電子顕微鏡で
撮影した写真に基づく微細図を第8〜10図に示す。この
微細図から明らかなように、突起部2は基布部1と同質
の繊維群からなっている。
この嵩高メルトブロー不織布は、見かけ比重が0.04
で、きわめて嵩高である。
得られた不織布をポリプロピレン製で編目の大きさが
4mmであるネット3に張り付けた。
<実施例2> 多孔板12として平網の金網を用い、この金網でロール
を形成し、捕集装置13を構成した。金網12は、線径0.3m
m、メッシュ#30で、編目の目の開きが0.54mm×0.60mm
のものを使用した。
そして、樹脂にはメルトフローレートが300のポリプ
ロピレンを使用し、孔径0.4mm、ピッチ0.7mmのキャピラ
リーチューブからの1本あたりの毎分の吐出量0.06gr/
孔/分、樹脂温度280℃で押し出した。延伸用ガスには
温度260℃、圧力0.6kg/cm2の空気を使用し、捕集距離8c
m、金網12裏側の負圧室21の真空度は−500mm水柱として
メルトブローした。
得られた嵩高メルトブロー不織布は、面積当りの重量
(目付け)が40gr/m2、平均繊維径は6μm、起毛状突
起の数が125/cm2、起毛状突起に対応した孔の径は0.6m
m、起毛状突起2の見掛け高さは約0.8mm、基布部1の見
掛け厚さは約0.1mmであった。この実施例の不織布の各
部の繊維の状態を30倍の走査電子顕微鏡で撮影した写真
に基づく微細図を第11〜13図に示す。この微細図から明
らかなように、起毛状突起2は基布部1と同質の繊維群
からなっている。
この嵩高メルトブロー不織布は、突起2が起毛状で、
見かけ比重が0.04で、きわめて嵩高で、隠ぺい力が高
く、通気性、及び、柔軟性に富み、感触も良好であっ
た。
<実施例3,4> 実施例1での不織布製造の際、多孔ロールで、帯状の
ネットを送りながら、このネットの上から金網に向けて
メルトブローした。また、実施例2での不織布製造の
際、金網ロールで実施例1で使用したネットと同様の帯
状ネットを送りつつ、このネットの上から金網に向けて
メルトブローした。
いずれの場合も、ネットが不織布に包含されるよう一
体化した。
〔発明の効果〕
本発明は、前記構成としたので、従来の濾材や植物育
成用マットなどに代替するものとして好適に使用でき
る。とりわけ、圧力損失が低く濾材として好適に使用で
きる。そして、ネットと一体化したことで、剛性が付与
され形状維持が可能となり、例えば、エアフィルタとし
て使用する場合にプリーツ化が容易である。また、積層
して使用する場合、ネットがスペーサとなるので不織布
の圧縮による厚密化が防止できる。よって、厚密化によ
る圧力損失の増大を防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の不織布構造物を表面から見た斜視図、
第2図は本発明の不織布構造物を裏面から見た斜視図、
第3図は本発明の不織布構造物の断面図、第4図は本発
明にかかるメルトブロー装置の断面図、第5図はそのダ
イの正面図、第6図はその一部拡大図、第7図は多孔板
表面に繊維群を衝突させながら繊維群を吸引している状
況の装置斜視図、第8〜10図は本発明の実施例1の不織
布の形状を示した30倍の電子顕微鏡写真に基づく微細図
で、第8図は突起のない平坦側の平面図、第9図は突起
側の平面図、第10図は突起部の断面図である。第11〜13
図は本発明の実施例2の不織布の形状を示した30倍の電
子顕微鏡写真に基づく微細図で、第11図は突起のない平
坦側の平面図、第12図は突起側の平面図、第13図は突起
部の断面図である。 1……基布部、1a……孔 2a……突起部先端、2……突起部 3……ネット、10……メルトブローダイ 12……多孔板、12a……開孔

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂の繊維群で形成された基布部
    に多数の孔を有するとともに、それぞれの孔の周囲に基
    布部と同質の繊維群でなる先端閉塞の筒状突起部を有
    し、その突起部の突き出し高さが、基布部の厚さの2倍
    以上である不織布を、ネットと一体化したことを特徴と
    する不織布構造物。
  2. 【請求項2】前記不織布がエレクトレット化されている
    ことを特徴とする請求項1記載の不織布構造物。
  3. 【請求項3】前記孔の径は、0.2mm〜6mmで、1cm2あたり
    の孔数が2以上であることを特徴とする請求項1記載の
    不織布構造物。
  4. 【請求項4】前記孔の径は、0.2mm〜1mmで、1cm2あたり
    の孔数が50以上であることを特徴とする請求項1記載の
    不織布構造物。
  5. 【請求項5】多数の開孔を設けた多孔板に向けて、メル
    トブローダイから繊維群を吹き付けて堆積させ、その
    際、その多孔板を境として繊維の吹き付け側圧力より、
    その反対側の圧力の方が小さい状態として、前記繊維群
    を前記開孔から突出させ、その突出が筒状に盛り上がっ
    て先端閉塞の突起部を形成した後、繊維集合体を多孔板
    から剥して不織布を得る工程と、この不織布をネットと
    一体化する工程とを経ることを特徴とする不織布構造物
    の製法。
  6. 【請求項6】不織布をネットと一体化する工程が、不織
    布を得る工程中において、多孔板上にネットを重ねこの
    ネットの上から繊維群を吹き付けて堆積させることで行
    われることを特徴とする請求項5記載の不織布構造物の
    製法。
  7. 【請求項7】前記多孔板を境として繊維の吹き付け側圧
    力よりその反対側の圧力の方が小さい状態とする方法と
    して、繊維の吹き付け側に対するその反対側を負圧に
    し、その負圧で多孔板の開孔から繊維群の一部を吸引し
    て突き出させるようにしたことを特徴とする請求項5ま
    たは6記載の不織布構造物の製法。
  8. 【請求項8】前記多孔板を境として繊維の吹き付け側圧
    力よりその反対側の圧力の方が小さい状態とする方法と
    して、多孔板をメルトブローダイに近づけ、メルトブロ
    ーダイから吹き付けられる風圧で多孔板の開孔から繊維
    群の一部を突き出すようにしたことを特徴とする請求項
    5または6記載の不織布構造物の製法。
  9. 【請求項9】前記多孔板が、5〜60メッシュの金網であ
    ることを特徴とする請求項5〜8いずれかに記載の不織
    布構造物の製法。
  10. 【請求項10】得えられた不織布を電界中に置いて帯電
    させエレクトレット化する工程を経ることを特徴とする
    請求項5〜9記載いずれかに記載の不織布構造物の製
    法。
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