JP4390321B2 - 積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家具、寝具、自動車内装部の部品、スポーツシューズやウォーキングシューズやサンダルなどの靴底や中敷き等の靴部品、包装材料等の、クッション性、衝撃吸収性が要求される部品として使われる積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スポーツシューズやウォーキングシューズなどの靴底や中敷き等の積層体は、多孔質有機材料に有機溶剤系ポリクロロプレン(CR)接着剤により接着することで接着力の向上を図っている。
ところが、有機溶剤系CR接着剤には、有機溶剤が用いられているため、塗工時に有機溶剤が作業場で揮発し、作業員の安全衛生面、環境面で好ましくなく、有機溶剤の低減が望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の従来技術に鑑みてなされたものであり、従来の有機溶剤系接着剤を用いた場合のように安全衛生面、環境面での問題がなく、従来の有機溶剤系接着剤によるものと同等以上に強固に接着された積層体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、ポリクロロプレンラテックスと粘着付与樹脂を用いた接着剤を塗布し、接着剤層を形成することにより、十分接着された積層体を発明した。
すなわち本発明は、多孔質有機材料と布類をポリクロロプレンラテックス及び粘着付与樹脂を含有した接着剤を用いて接着してなる積層体である。
また、本発明は、多孔質有機材料と布類をポリビニルアルコールの存在下で重合されたポリクロロプレンラテックス及び粘着付与樹脂を含有した接着剤を用いて接着してなる積層体である。
また、本発明は、粘着付与樹脂の使用量がポリクロロプレンラテックスの固形分100重量部に対して20〜150重量部である上記の積層体である。
また、本発明は、接着剤層の厚さが10〜400μmである上記の積層体である。
また、本発明は、多孔質有機材料が発泡EVAである上記の積層体である。
更に、本発明は、ポリクロロプレンラテックスが、クロロプレン重合体のゲル含有量が15〜50重量%である上記の積層体である。
【0005】
以下、本発明の内容を詳細に説明する。
本発明における布類とは、織物、編物または不織布であり、繊維材質、組織、糸番手、T+W密度(T=たて糸、W=横糸)、厚さ、製法等は制限されず、目的や用途などに応じて、風合いや色などを考えて選定すればよい。
織物としては、スパン織物、フィラメント織物が挙げられ、繊維材質としては、綿、絹、レーヨン、キュポラ、アセテート、トリアセテート、ナイロン、ポリエステル、アクリル、プロミックスなどが挙げられる。
編物は、メリヤス、ニット、ジャージとも呼ばれ、繊維材質としては、綿、絹、レーヨン、キュポラ、アセテート、トリアセテート、ナイロン、ポリエステル、アクリル、プロミックスなどが挙げられる。
不織布としては、湿式不織布、ケミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布、エアレイ不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、ニードルパンチ不織布、ステッチボンド不織布が挙げられ、繊維材質としては、綿、レーヨン、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、ビニロン、ガラス繊維、パルプ、炭素繊維などが挙げられる。
【0006】
本発明における多孔質有機材料とは、軟質発泡プラスチックまたは発泡ゴム(フォームラバー)のことであり、すなわち、プラスチックまたはゴム材料中で空気やその他のガスによる細かい気泡を生成及び/または分散させ、固化させた後に安定な状態に維持したシート状の材料である。
発泡の種類、材質、厚さは特に限定されるものではなく、目的や用途などに応じて柔軟性や材料強度を考えて選定すればよい。
発泡の種類としては、溶融発泡、固相発泡、注型発泡などが挙げられ、溶融発泡の具体例としては、化学架橋フォーム(常圧法)、電子線架橋フォーム、押出発泡、1段加圧発泡、2段加圧発泡などが挙げられる。固相発泡の具体例としては、ビーズ法などが挙げられる。注型発泡としては、モールディング発泡、ブロック発泡(スラブ発泡)、連続ラミネート発泡、注入発泡、スプレー発泡などが挙げられる。
また、材質としては軟質発泡ポリウレタン(軟質発泡PUR)、発泡ポリプロピレン(発泡PP)、発泡ポリエチレン(発泡PE)、発泡エチレン酢酸ビニルコポリマー(発泡EVA)、発泡塩化ビニル(発泡PVC)、発泡ポリクロロプレン(発泡CR)などが挙げられる。中でも熱成形による加工性が優れる軟質発泡PUR、発泡PP、発泡EVAが好ましく、特に圧着する前の密度が10〜80kg/m3である軟質発泡PUR、圧着する前の密度が10〜80kg/m3である発泡PP、圧着する前の密度が70〜120kg/m3である発泡EVAが特に好ましい。これらの密度範囲であれば接着をより強固にすることができる。これら内、特に発泡EVAは、強固な接着が可能になるうえ、成型しやすいため好ましい。
ここでいう密度とは23℃における物質の単位体積あたりの質量のことであり、直方体の材料の寸法をノギスによって測定して体積を求め、質量を秤で測定することで求められる。
多孔質有機材料の厚さは、特に限定がなく、目的や用途などに応じて適宜選定すればよい。例えばスポーツシューズの中敷きとしての用途を考えれば、10mm以下が好ましい。
また、これらの多孔質有機材料は、接着面が上記の多孔質有機材料であれば、これらのシートに他のシートを積層加工したものであっても構わない。
【0007】
本発明におけるポリクロロプレンラテックスとは、2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下クロロプレンと記す)の単独重合体またはクロロプレンとクロロプレンと共重合可能な単量体の1種以上とを乳化共重合して得られた共重合体を主成分とするラテックスである。
【0008】
クロロプレンと共重合可能な単量体としては、例えば2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸及びそのエステル類、メタクリル酸及びそのエステル類等が挙げられ、必要に応じて2種類以上用いて構わない。しかし、好ましくは、カルボキシル基含有ビニル単量体、例えばメタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、グルタコン酸などとの共重合体であることが望ましい。特にその中でも、メタクリル酸(2−メチルプロペン酸またはα−メチルアクリル酸ともいう)との共重合体であれば、接着剤に高い常態接着性能を持たせることができる。
【0009】
本発明におけるポリクロロプレンラテックスは、クロロプレンとカルボキシル基含有ビニル単量体との共重合体であることが望ましい。この場合、クロロプレンまたはクロロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体100重量部に対して、カルボキシル基含有ビニル単量体0.5〜10重量部が好ましい。0.5以上添加すれば接着強度の向上が顕著に認められるが、10重量部を超えるとラテックスの貯蔵安定性が劣る。
【0010】
ポリクロロプレンラテックスに使用される乳化剤または分散剤は、特に限定されるものではなく、アニオン型、ノニオン型、カチオン型の各種乳化剤または分散剤を用いることができる。
アニオン型としては、カルボン酸型、硫酸エステル型などがあり、具体例としては、ロジン酸のアルカリ金属塩、炭素数8〜20個のアルキルスルホネート、アルキルアリールサルフェート、ナフタリンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドとの縮合物などが挙げられる。
ノニオン型としては、水溶性高分子、エーテル型、エステル型、ソルビンタンエステル型、ソルビタンエステルエーテル型、アルキルフェノール型などがあり、具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンモノステアレート、ソルビタンモノオレートなどが挙げられる。
カチオン型としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アミン塩、芳香族4級アミン塩、複素環4級アンモニウム塩などがあり、具体例としては、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。
本発明におけるポリクロロプレンラテックスは、ポリビニルアルコールを乳化剤として用いて重合されたものであることが好ましい。ポリビニルアルコールを用いて乳化重合を行ったものであれば、接着剤に良好なタック性をもたせることができ、より強固な接着が可能となる。この際、ポリビニルアルコールの鹸化度は60〜98モル%、重合度が200〜3000の範囲のものが好ましい。より好ましくは、鹸化度75〜95モル%、重合度が200〜700であり、重合操作が安定に行えるほか、得られたラテックスの安定性が優れている。
【0011】
本発明におけるポリビニルアルコールの添加量は、初期仕込みクロロプレン単量体100重量部に対して0.5重量部以上10重量部未満が好適である。0.5重量部未満では乳化力が不足し、10重量部以上では得られたポリクロロプレンラテックスを接着剤として使用した際に、接着強度、特に耐水接着力を低下させてしまう。
【0012】
また、本発明におけるクロロプレン重合体は、ゲル(トルエン不溶分)含有量が15〜50重量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは20〜45重量%、更に好ましくは30〜40重量%の範囲である。ゲル含有量が15重量%未満の場合には、接着剤の接着力が不十分である場合があり、また、ゲル含有量が50重量%を越えると、耐水接着力が若干弱くなる。
なお、ゲル含有量とは、ポリクロロプレンラテックスの固形分のうち、トルエンに不溶な成分の量のことであり、実施例に記載した方法によって測定される。
【0013】
クロロプレン重合体のゲル含有量を制御するには、▲1▼連鎖移動剤の使用とその使用量、▲2▼重合温度、▲3▼重合率の制御によって可能となる。
【0014】
ポリクロロプレンの連鎖移動剤の種類は特に限定されるものではなく、通常クロロプレンの乳化重合に使用されるものが使用できるが、例えばn−ドデシルメルカプタンやtert−ドデシルメルカプタン等の長鎖アルキルメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジスルフィド等のジアルキルキサントゲンジスルフィド類、ヨードホルム等の公知の連鎖移動剤を使用することができる。なお、連鎖移動剤の添加は、仕込み時だけではなく、重合途中に添加することもできる。効率的なゲル含有量制御をおこなうためには、オクチルメルカプタンの使用が好ましい。
【0015】
重合温度は、0〜55℃の範囲が好ましい。重合反応を安全におこなうためには30〜50℃とすることが好ましい。
【0016】
最終重合率は、80%以上とすることが好ましく、90%以上とすることがより好ましい。
連鎖移動剤、重合温度、最終重合率以外のクロロプレン重合体の制御因子としては、重合触媒、重合停止剤、脱モノマー、濃縮条件等があり、これらを適切に選定、制御することで、固形分濃度、トルエン可溶部の分子量等を調整することが可能である。
【0017】
重合触媒は、過硫酸カリウム等の加硫酸塩、第3−ブチルヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等であり、特に限定されるものではない。
【0018】
ポリクロロプレンの重合停止剤(重合禁止剤)は特に限定するものでなく、例えば、2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジン、ヒドロキシアミン等が使用できる。
【0019】
ポリクロロプレンの重合終了後の未反応モノマーは、脱モノマー操作によって除去されるが、その方法は特に限定するものではない。
得られたポリクロロプレンラテックスは、濃縮あるいは、水等の添加で希釈することで、固形分濃度を必要な濃度に制御することができる。濃縮の方法としては、減圧濃縮などがあるが、特に限定するものではない。しかし、接着剤の乾燥速度を速めるために、本発明におけるポリクロロプレンラテックスの固形分濃度は45重量%以上であることが好ましい。
【0020】
本発明における粘着付与樹脂の種類は、特に限定されるものではない。具体的には、ロジン樹脂、重合ロジン樹脂、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂、C5留分系石油樹脂、C9留分系石油樹脂、C5/C9留分系石油樹脂、DCPD系石油樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂などが挙げられる。好ましくは、ロジン樹脂、重合ロジン樹脂、テルペンフェノール樹脂である。
粘着付与樹脂の軟化点(JIS K−5903に規定される環球法により測定される軟化点)は、70〜160℃が好ましい。さらに好ましくは100〜160℃であり、積層体の接着を強固にすることができる。
【0021】
粘着付与樹脂を添加する場合の添加方法は特に限定されるものではないが、接着剤中に樹脂を均一に分散させるために、エマルジョンとしてから添加することが好ましい。さらに粘着付与樹脂の製法には、トルエン等の有機溶剤に溶解させたものを乳化剤を用いて水中に乳化または分散させた後、有機溶剤を減圧しながら加熱して取り除く方法と、微粒子に粉砕して乳化または分散させる方法などがあるが、より微粒子のエマルジョンが作成できる前者が好ましい。
【0022】
粘着付与樹脂の添加量としては、ポリクロロプレンラテックスを固形分で100重量部に対し、固形分で20〜150重量部が好ましく、さらに好ましくは40〜100重量部である。20重量部未満では初期接着力が不十分であり、150重量部を越えると接着剤被膜の形成が阻害され初期接着力及び常態接着力ともに低下する。
【0023】
本発明における積層体の接着剤は、ポリクロロプレンラテックスと粘着付与樹脂を必須成分とするが、要求性能に応じて、酸化チタンや水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの充填剤、ポリアクリル酸ナトリウムなどの増粘剤、亜鉛華やイソシアネート化合物などの架橋剤、顔料、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加硫促進剤、消泡剤、防黴剤、防腐剤等を任意に含有させることができる。
【0024】
接着剤は多孔質有機材料側のみに塗布される。多孔質有機材料に接着剤を塗布する方法としては、均一塗布が可能である自動化された機械塗布が好ましいが、特に限定されない。一般的には、カーテンフローコーター法、バーコーター法、ロールコーター法などが挙げられるが、刷毛やブラシ、ローラーやナイフなどを用いて手作業によって塗布しても構わない。
【0025】
本発明の積層体は、多孔質有機材料に接着剤を塗布し、さらにその上に布類を積層し、プレス機械によって圧着することで得られる。これらの接着方法及び積層方法は特に限定されるものではない。接着剤の粘度が低い場合には、接着剤を多孔質有機材料に塗布したのち、布類を積層する前に予備乾燥工程を導入した方が好ましい。
【0026】
予備乾燥によりプレス時に布類から接着剤が染み出すことを防ぐことができる。予備乾燥温度は60〜80℃が好ましい。加熱時間にもよるが、加熱温度が高い場合には、プレス工程以前に多孔質有機材料を熱変形させてしまう場合があるので、予備乾燥を行う場合には、温度は50〜90℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。
また、接着剤の塗工、張り合わせ後、100〜140℃で乾燥後、プレス機械によって圧着することもできる。
【0027】
プレスは、加熱プレス、常温プレスどちらであっても構わない。加熱プレスでは、100〜130℃が好ましい。常温プレスの場合には、プレスする前に布類をのせた多孔質有機材料を100〜130℃に加熱しておく工程が必要である。プレス工程における圧力は、特に制限はなく、目的と用途に応じて設定することができる。積層体の多孔質有機材料を破壊することなく、かつ十分な接着力を確保するために、0.5〜80kg/cm2が好ましく、さらに好ましくは1〜50kg/cm2が好ましい。
このプレスの工程では、シートが加熱によって軟化した状態で圧力をかける手法、例えばブリードローイング法、マッチモールド成形法、プラグアンドリング成形法、スリップ成形法(絞り成形法)、真空成形法、圧縮成型法などによって目的や用途に応じた成形をおこなうことができる。
【0028】
本発明における積層体の接着剤層の厚さは、特に限定がなく、目的や用途などに応じて決定すればよい。しかし、強固な接着がなされるためには、10〜400μmが好ましい。10μm未満の場合には、布類及び多孔質有機材料に対する接着剤の投錨効果が小さくなり、材質によっては接着力が不十分となる可能性があり、また400μmを越える場合にも、材質によっては接着力が不十分となる可能性があり、均一な接着剤層が形成されない場合がある。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0030】
[実施例1]
内容積3リットルの反応器を用い、窒素雰囲気中で、水94重量部及びデンカポバールB−05(ポリビニルアルコール、鹸化度88モル%、重合度550)3.5重量部を入れ加温(60℃)溶解した。この水溶液を室温近くまで冷却した後、この中にクロロプレン単量体97重量部、メタクリル酸3重量部、及びオクチルメルカプタン0.4重量部を加えた。これを45℃に保持しながら亜硫酸ナトリウムと過硫酸カリウムを触媒として用いて重合し、pH7で固形分47重量%になるように調製したラテックスAを得た。
【0031】
ラテックスAについて以下の測定をおこなった。
[固形分濃度]
アルミ皿だけを秤量してAとした。ラテックス試料を2mlいれたアルミ皿を秤量しBとした。ラテックス試料を入れたアルミ皿を110℃雰囲気下で2時間乾燥させた後、秤量してCとした。固形分濃度(%)は下式により求めた。
固形分濃度={(C−A)/(B−A)}×100
[ゲル含有量測定]
ラテックス試料を凍結乾燥し秤量してaとした。23℃で20時間、トルエンで溶解(0.6%に調整)し、遠心分離機を使用し、更に200メッシュの金網を用いてゲルを分離した。ゲル分を風乾燥後110℃雰囲気下で、1時間乾燥し、秤量してbとした。ゲル含有量(%)は下式に従って算出した。
ゲル含有量=(b/a)×100 (%)
[貯蔵弾性率]
ラテックス試料をガラス板に塗布し、23℃で1週間乾燥し厚さ1mmのシートを得た。このシートより幅4mm、長さ38mmの試験片を打ち抜き、粘弾性測定装置、レオバイブロンDDV−25F(オリエンテック社製)を用い、20℃、振幅±1%、予備荷重30g、周波数1Hzで測定をおこなった。
ラテックスAの固形分は47重量%、ゲル含有量は30重量%、20℃における貯蔵弾性率は1.0MPaであった。
【0032】
次に、ラテックスAを固形分で100重量部に対して、粘着付与樹脂としてタマノルE−100(テルペンフェノール樹脂、軟化点150℃、固形分53重量%、荒川化学工業株式会社製)を固形分で75重量部と、FR−41(酸化チタン、古河機械金属株式会社)を固形分で35重量部添加して攪拌し、接着剤を作成した。この接着剤を接着剤Aとする。
【0033】
さらに、接着剤Aを厚さ5mmの発泡EVAシート(品名:3F−10、三福工業株式会社製、厚さ5mm、密度95kg/m3)に刷毛で塗布した。接着剤Aの塗布量は200g(wet)/m2である。塗布した発泡EVAシートを70℃雰囲気下で4分間乾燥させ、接着剤層を形成させ、その上にナイロン製ジャージ布を重ね、130℃に加熱されたプレス機械によって1kgf/cm2の圧力で圧着し、積層体Aを得た。この塗布からプレスまでの条件を接着法Aとする。
【0034】
積層体を以下の方法で評価した。
[初期接着力評価試験]
圧着から10分後に引張試験機で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
[常態接着力評価試験]
圧着から5日後に引張試験機で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
[耐水接着力評価試験]
圧着から1日後に、23℃の水に2日間浸漬した後、200mm/minで180℃剥離強度を測定した。
【0035】
[実施例2]
実施例1において、オクチルメルカプタンを0.45部として実施例1同様に重合をおこない、pH7で固形分47重量%のラテックスBを得た。ゲル含有量及び貯蔵弾性率は実施例1と同じ条件で測定をおこなった。
ラテックスBの固形分は47重量%、ゲル含有量は23重量%、20℃における貯蔵弾性率は0.9MPaであった。
次に、ラテックスBを固形分で100重量部に対して、粘着付与樹脂としてタマノルE−100(テルペンフェノール樹脂、軟化点150℃、固形分53重量%、荒川化学工業株式会社製)を固形分で48重量部と、FR−41(酸化チタン、古河機械金属株式会社)を固形分で30重量部添加して攪拌し、接着剤を作成した。この接着剤を接着剤Bとする。
さらに、厚さ5mmの発泡EVAシート(品名:3F−10、三福工業株式会社製、厚さ5mm、密度95kg/m3)とナイロン製ジャージ布を接着剤Bを用いて、接着法Aにより接着し、積層体Bを得た。
積層体の接着力の評価は実施例1と同様におこなった。
【0036】
[実施例3]
ラテックスAと接着剤Aの作成方法は、実施例1と同じであるが、接着剤Aを厚さ5mmの発泡EVAシート(品名:3F−10、三福工業株式会社製、厚さ5mm、密度95kg/m3)に刷毛で、塗布量が200g(wet)/m2となるように塗布した後、70℃雰囲気下で4分間乾燥させ、接着剤層を形成させ、その上にナイロン製ジャージ布を重ね、それを120℃雰囲気下で4分間加熱した後、室温のままのプレス機械によって1kgf/cm2の圧力で圧着し、積層体Cを得た。この実施例3の塗布からプレスまでの条件を接着法Bとする。
積層体の接着力の評価は実施例1と同様におこなった。
【0037】
[実施例4]
ラテックスBと接着剤Bの作成方法は、実施例2と同じであるが、接着剤Bを厚さ5mmの発泡EVAシート(品名:3F−10、三福工業株式会社製、厚さ5mm、密度95kg/m3)に刷毛で、塗布量が200g(wet)/m2となるように塗布した後、乾燥させずに、接着剤の上にポリエステル製織布を重ね、それを120℃雰囲気下で4分間加熱した後、室温のままのプレス機械によって1kgf/cm2の圧力で圧着し、積層体Dを得た。この実施例4の塗布からプレスまでの条件を接着法Cとする。
積層体の接着力の評価は実施例1と同様におこなった。
【0038】
[比較例1]
デンカクロロプレンA−90(ポリクロロプレンゴム、電気化学工業株式会社製)100重量部、トルエン460重量部、メチルエチルケトン115重量部、メタクリル酸メチル90重量部、ベンゾイルパーオキサイド0.5重量部の組成比で、メタクリル酸メチルのグラフト反応を行い有機溶剤系CR接着剤を作成した。重合停止剤として2,6−t−ブチル−4−メチルフェノールを使用し、メタクリル酸メチルの転化率を約30%に制御した。これを接着剤Cとする。
さらに、厚さ5mmの発泡EVAシート(品名:3F−10、三福工業株式会社製、厚さ5mm、密度95kg/m3)とナイロン製ジャージ布を接着剤Cによって、接着法Aによって接着し、積層体Eを得た。
さらに、実施例1と同様の方法で積層体Eの接着力を評価した。
【0039】
実施例1〜4,比較例1の得られた接着剤の評価結果を表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】
表1より明らかな如く、本発明の積層体(実施例1〜4)は、有機溶剤を全く含まず、従来の有機溶剤系CR接着剤を用いた積層体(比較例1)と同等以上の性能を有していることがわかる。
Claims (7)
- 多孔質有機材料と布類を、クロロプレン重合体のゲル含有量が15〜50重量%であるポリクロロプレンラテックス及び粘着付与樹脂を含有した接着剤を用いて接着してなることを特徴とする積層体。
- ポリクロロプレンラテックスがポリビニルアルコールの存在下で重合されたポリクロロプレンラテックスであることを特徴とする請求項1記載の積層体。
- ポリクロロプレンラテックスの固形分100重量部に対して粘着付与樹脂を20〜150重量部含有することを特徴とする請求項1または2記載の積層体。
- 接着剤層の厚さが10〜400μmであることを特徴とする請求項1または2または3記載の積層体。
- 多孔質有機材料が発泡EVAであることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の積層体。
- ポリクロロプレンラテックスが、クロロプレン重合体のゲル含有量が20〜40重量%であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の積層体。
- ポリクロロプレンラテックスが、クロロプレン重合体の貯蔵弾性率が0.5〜5MPaであることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の積層体。
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