JP2013151142A - 積層構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エチレン・酢酸ビニル共重合体からなる第1の基材と、炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を有する共重合体を含む接着層と、綿含有繊維からなる第2基材とがこの順に積層された積層構造であり、接着層は、さらに、下記式(I)で表される界面活性剤を含む水性接着剤によって形成されるものが好ましい。
(式中、Xは水素原子又は−SO3M(Mは水素原子、NH4又はアルカリ金属)を示す。nは1〜3の整数を表す。mは1〜100の整数を表す。)
【選択図】なし
Description
[1]エチレン・酢酸ビニル共重合体からなる第1の基材と、炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を1種類以上有する重合体を含む接着層と、綿含有繊維からなる第2基材とがこの順に積層された積層構造。
[2]接着層が、さらに、下記式(I)で表される界面活性剤を含む層である[1]に記載の積層構造。
(式中、Xは水素原子又は−SO3M(Mは水素原子、NH4又はアルカリ金属)を示す。nは1〜3の整数を表す。mは1〜100の整数を表す。)
[3]前記界面活性剤は、Xが水素原子である界面活性剤と、Xが−SO3Mである界面活性剤との2種類以上含む界面活性剤である[2]に記載の積層構造。
[4]前記界面活性剤における−SO3Mが、SO3NH4である[2]又は[3]に記載の積層構造。
[5]接着層が、さらに、塩基性化合物(C)を含有する層である[1]〜[4]のいずれか1つに記載の積層構造。
[6]接着剤層が、さらに、粘着樹脂を含有する層である[1]〜[5]のいずれか1つに記載の積層構造。
[7]接着層が、粒径(個数基準)0.01〜1.0μmの分散質を含有する接着剤から得られた層である[1]〜[6]のいずれか1つに記載の積層構造。
この積層構造においては、接着層は、接着剤、特に水性接着剤によって得られた層であり、接着剤における、水及び含有されている場合には溶剤が蒸発して形成された層である。
第1の基材は、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる。エチレン−酢酸ビニル共重合体は、一般に、エチレンと酢酸ビニルとを高温、高圧でラジカル共重合したものであり、酢酸ビニルの含有率等によって性質が異なるが、本発明の積層構造の第1の基材としてのエチレン−酢酸ビニル共重合体は、汎用され、種々の用途に使用されている、種々の酢酸ビニル含有率及び形態(フィルム、ブロック、繊維、発泡体状)のものをも包含する。例えば、フィルム及びシート、構造材料、建築材料、自動車部品、電気・電子製品、包装材料などに使用されるエチレン・酢酸ビニル共重合体が挙げられる。エチレン・酢酸ビニル共重合体は、ポリオレフィンなどが併用されていてもよい。好ましいポリオレフィンとしては、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、ポリプロピレン及びポリエチレンが例示される。
なかでも、好ましくは、スポーツシューズ類、タウンシューズ、ビジネスシューズ等の紳士靴及び婦人靴、さらに工業用の作業靴等を含む履物における、胛被、中底、外底等の構成材料として使用されるエチレン・酢酸ビニル共重合体材料である。
第1の基材のサイズ、厚み、形状等は、積層構造の使用目的に応じて適宜調整することができる。
第1の基材の接着層に対向する表面は、平滑であってもよいし、凹凸を有していてもよい。
第2の基材は、綿含有繊維からなる。綿含有繊維とは、綿100%の繊維、綿と、他の天然繊維及び/又は化学繊維との混紡繊維等が挙げられる。他の天然繊維としては、羊毛、絹、麻等が挙げられる。化学繊維としては、合成繊維(例えば、ポリエステル系、ナイロン等のポリアミド系繊維)、半合成繊維(アセテート等のセルロース系、プロミックス等のタンパク質系繊維)、再生繊維(レーヨン、キュプラ、ポリノジック等のセルロース系繊維)、無機繊維(炭素繊維、ガラス繊維)等が挙げられる。
なかでも、スポーツシューズ類、タウンシューズ、ビジネスシューズ等の紳士靴及び婦人靴、さらに工業用の作業靴等を含む履物における、胛被、中底、外底等の構成材料として使用される綿含有繊維が挙げられる。
第2の基材のサイズ、厚み、形状等は、積層構造の使用目的に応じて適宜調整することができる。
第2の基材の接着層に対向する表面は、平滑であってもよいし、凹凸を有していてもよい。
接着層は、炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を1種類以上有する重合体を含む。この接着層は、種々の材料からなる基材間、特に、エチレン・酢酸ビニル共重合体と綿含有繊維との積層構造の間に挟持される接着層である。
本発明の積層構造を製造するために、まず、第1の基材及び第2の基材のいずれか一方、好ましくは双方に、接着剤を塗布する。
接着剤を塗布する前には、第1の基材及び/又は第2の基材の表面に、接着層との接着を高めるために、プライマー処理を施してもよい。
プライマー処理としては、例えば、ブラスト処理、薬品処理、脱脂、火炎処理、酸化処理、蒸気処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、イオン処理、アンカー層の形成などが挙げられる。特に、綿含有繊維などの水を吸収し得る基材を用いる場合には、プライマー処理として、接着剤を塗布し、乾燥する処理を行なってもよい。
ここでの接着剤の塗布及び乾燥は、後述する方法によって行なうことができる。プライマー処理を行う場合、使用する接着剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。プライマー処理は2回以上の処理でもよい。また、第1及び第2の基材において異なる接着剤を使用してもよいが、同じものを用いることが好ましい。
なお、塗布に代えて、接着剤の組成によっては押出によって塗膜状に成形するか、あるいは各種基材表面に塗布し、乾燥して形成してもよく、得られた塗膜を、第1の基材と第2の基材との間に挟持し、加圧(又は加熱)接着してもよい。
塗布方法としては、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、バーコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法、へら塗り法等が挙げられる。
接着剤の塗布及び乾燥は、それぞれ1回のみ行なってもよいし、2回以上行なってもよい。その際、塗布方法及び乾燥方法は、それぞれ同じ方法を組み合わせてもよいし、異なる方法を組み合わせてもよい。また、電磁波の異なる周波数帯を組み合わせてもよい。
また、第1及び第2の基材の貼り合せを行なった後、得られた積層構造に対して、上述した非熱乾燥又は熱乾燥等(例えば、電磁波照射等)、さらに、圧力負荷を行ってもよい。
炭素数2〜20のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン(C2)、プロピレン(C3)、1−ブテン(C4)、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン等である。
α,β−不飽和カルボン酸類としては、例えば、α,β−不飽和カルボン酸(マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等)、α,β−不飽和カルボン酸エステル(マレイン酸メチル、イタコン酸メチル、シトラコン酸メチル等)、α,β−不飽和カルボン酸無水物(無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等)が挙げられる。また、これらのα,β−不飽和カルボン酸類を組み合わせて使用してもよい。なかでも、α,β−不飽和カルボン酸無水物が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。
なお、本明細書では、アクリル酸とメタクリル酸とを総称して(メタ)アクリル酸、アクリレートとメタクリレートとを総称して(メタ)アクリレートという。
α,β−不飽和カルボン酸の金属塩としては、(メタ)アクリル酸のナトリウム塩、マグネシウム塩が挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、さらに、メタクリル酸とアルコールとのエステル化物等が挙げられる。なかでも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが好ましい。
ビニルエステル鹸化物としては、ビニルエステルを塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール等が挙げられる。
(i) エチレン−酢酸ビニル共重合体、その鹸化物又は部分けん化物あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体の無水マレイン酸変性物、
(ii) エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、
(iii) エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート共重合体、
(iv) エチレン−ビニルシクロヘキサンなどのエチレン−脂環式α−オレフィン共重合体、
(v) エチレン−酢酸ビニル共重合体グリシジル(メタ)アクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体メチル(メタ)アクリレートなどのエチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重合体、
(vi) エチレン−エチル(メタ)アクリレート−無水マレイン酸共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート−無水マレイン酸共重合体、
(vii) エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート−メチル(メタ)アクリレート共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート−(メタ)アクリレート共重合体、
(viii) これらの金属塩の共重合体、および
(ix) 2種以上のこれら共重合体のブレンド等が挙げられる。
炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を有する重合体、特に、上記(i)〜(vii)の共重合体は、融点が、60〜200℃であるものが好ましく、60〜120℃がより好ましく、60〜110℃がさらに好ましい。この範囲の融点を有する重合体を用いる場合には、接着剤の被着体への浸透性又は密着性をより向上させることができる。
接着剤は、上述した炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を1種類以上有する重合体以外のその他の樹脂を含有していてもよい。
その他の樹脂としては、例えば、上述した重合体以外のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、AS樹脂等の重合体及び共重合体並びにそれらの変性物等の種々のものが挙げられる。これらは単独で又は2種以上をブレンドしてもよい。
また、粘着樹脂又は粘着付与剤としての機能を発揮する樹脂を使用してもよい。
このような樹脂としては、例えば、ロジン類、テルペン系樹脂、炭素数5の石油留分を重合した石油系樹脂及びこの水素添加樹脂、炭素数9の石油留分を重合した石油系樹脂及びこの水素添加樹脂、その他の石油系樹脂、クマロン樹脂並びにインデン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
通常、ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物、さらに必要に応じて他の化合物とを反応させて得ることができる。反応は、例えば、アセトン法、プレポリマーミキシング法、ケチミン法、ホットメルトディスパージョン法等の方法などが挙げられる。
アニオン性基は、通常、中和剤によって中和されるのが好ましい。
中和剤としては、トリエチルアミン、トリエタールアミン等の3級アミン化合物;水酸化ナトリウム等の無機アルカリ化合物;アンモニアなどが挙げられる。
例えば、ポリウレタン樹脂を水に分散または溶解させた、ポリウレタン分散液(またはポリウレタン水溶液)が挙げられる。ポリウレタン分散液におけるポリウレタン樹脂の含有量は、約10〜70重量%が挙げられ、約20〜60重量%が好ましく、約30〜60重量%がより好ましく、約30〜55重量%がさらに好ましい。
ポリウレタン分散液は、さらにイソシアネート反応基を含有しない有機溶剤、例えば、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドン等を含有してもよい。有機溶剤の量は特に限定されるものではないが、ポリウレタン分散液中の不揮発分100重量部に対して0.1〜100重量部とすることができる。
また、重合体:その他の樹脂(不揮発分重量比)は、好ましくは5:95〜95:5であり、より好ましくは5:95〜90:10であり、さらに好ましくは10:50〜80:20である。
これらの樹脂は、エマルションであってもよいし、炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を有する重合体と一緒に乳化してもよい。
接着剤は、一般に乳化剤として作用する界面活性剤がさらに含まれていることが好ましい。そのような界面活性剤としては、カチオン性、アニオン性、両性及びノニオン性の界面活性剤が挙げられる。なかでも好ましくは、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤である。特に、式(I)の構造を有するものが好ましい。界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよいが、2種類以上を併用することが好ましい。なかでも、式(I)の構造を有する界面活性剤を、2種類以上併用することがより好ましい。
式(I)におけるXは、水素原子、−SO3M(Mは水素原子、−NH4又はアルカリ金属)、つまり、硫酸、硫酸塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム等のアルカリ金属塩等)等が挙げられるが、なかでも、好ましくは、水素原子、−SO3H又は−SO3NH4である。
式(I)で表される界面活性剤としては、ラテムルAD−25(花王株式会社製)、下記式(A)で表されるラテムルE−1000A(花王株式会社製)、下記式(B)で表されるノイゲンEA−177(第一工業製薬株式会社製)等が挙げられる。
例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、ドデシルトリメチルアンモニウム塩及びセチルトリメチルアンモニウム塩等のアルキルアンモニウム塩、セチルピリジウム塩及びデシルピリジウム塩等のアルキルピリジウム塩、オキシアルキレントリアルキルアンモニウム塩、ジオキシアルキレンジアルキルアンモニウム塩、アリルトリアルキルアンモニウム塩、ジアリルジアルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンプロピレンエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物やポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
本発明で用いられる接着剤が、式(I)で表される界面活性剤以外の界面活性剤を含有する場合には、式(I)で表される界面活性剤と式(I)で表される界面活性剤以外の界面活性剤との合計含有量は、通常、接着剤を構成する樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部であり、好ましくは0.1〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部である。
式(A)で表される界面活性剤と式(B)で表される界面活性剤とを併用する場合には、重量比で、好ましくは1〜99:99〜1、より好ましくは5〜95:95〜5、さらに好ましくは10〜90:90〜10であり、特に、30:70〜90:10、40:60〜90:10、50:50〜90:10が挙げられる。
接着剤は、さらに、塩基性化合物を含有していることが好ましい。
塩基性化合物としては、カルボキシル基を中和できるものが好ましく、例えば、アンモニア、有機アミン化合物、金属水酸化物等が挙げられる。好ましくは、アンモニア又は有機アミン化合物である。特に、沸点が200℃以下の有機アミン化合物は、通常の乾燥によって容易に飛散させることができ、接着剤を用いて塗膜を形成する場合に、塗膜の耐水性、耐アルカリ性を維持/向上させることができ、好ましい。
有機アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等が挙げられる。なかでも、好ましくは、N,N−ジメチルエタノールアミン等である。
金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
本発明で用いられる接着剤は、溶剤を含有しないものが好ましいが、場合により、水に加えて、さらに、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;メタノ−ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール系溶媒、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、MTBE(メチルターシャリーブチルエーテル)、ブチルカルビトール等のセルソルブ系溶媒、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル,3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のグリコール系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエステル系溶媒;等の有機溶剤を含有していてもよい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる接着剤が溶剤を含有する場合、その含有量は、接着剤を構成する樹脂100重量部に対して、通常、0.01〜30重量部、好ましくは0.01〜10重量部である。
本発明で用いられる接着剤には、通常、水が含まれる。さらに、接着剤の意図する特性を損なわない範囲で必要に応じて、フェノール系安定剤、フォスファイト系安定剤、アミン系安定剤、アミド系安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、沈降防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤などの安定剤;揺変剤、増粘剤、分散剤、消泡剤、粘度調整剤、耐候剤、顔料、顔料分散剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難燃剤、油剤、染料、硬化剤、架橋剤などの添加剤;酸化チタン(ルチル型)、酸化亜鉛などの遷移金属化合物、カーボンブラック等の顔料;ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、ウオラストナイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、ガラスフレーク、硫酸バリウム、クレー、カオリン、微粉末シリカ、マイカ、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミナ、セライトなどの無機、有機の充填剤等の任意成分を含有していてもよい。
本発明で用いられる接着剤に含まれる水は、一般に、水道水、イオン交換水等が用いられる。また、接着剤の安定性をより高めるために、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの水溶性樹脂を添加してもよい。
水の含有量は、例えば、接着剤の全量に対して20重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは45重量%以上であり、また、好ましくは85重量%以下、より好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは70重量%以下である。
増粘剤は、配合物の粘性調整のために使用することができる。増粘剤としてはADEKA(株)社製;アデカノールUH−140S、UH−420、UH−438、UH−450VF、UH−462、UH−472、UH−526、UH−530、UH−540、UH−541VF、UH−550、UH−752、H−756VF、サンノプコ社製;SNシックナー920、922、924、926、929−S、A−801、A−806、A−812、A−813、A−818、621N、636、601、603、612、613、615、618、621N、630、634、636、4050等が挙げられる。
分散剤は、塗工基材の濡れ性改善のために使用することができる。分散剤としては、ADEKA(株)社製;アデカコールW−193、W−287、W−288、W−304、BYK社製;BYK−333、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−378、サンノプコ社製;ノプコウェット50、SNウェット366、ノプコ38−C、SNディスパーサンド5468、5034、5027、5040、5020等が挙げられる。
硬化剤としては、例えば、イソシアネート系の硬化剤であるジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)及びこれらのオリゴマー又はポリマーが挙げられる。具体的には、住化バイエルウレタン製のスミジュール44V20、スミジュールN3200、N3300、N3400、N3600、N3900、S−304、S−305、XP−2655、XP−2487、XP−2547等が挙げられる。
硬化剤は、接着剤を構成する樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.1〜10重量部がより好ましい。硬化剤は、有機溶剤に溶解して添加してもよい。
接着剤の製造方法としては、当該分野で公知の方法、例えば、樹脂を重合した後にその樹脂を水性媒体中に分散させる後乳化法(例えば、強制乳化法、自己乳化法、転相乳化法など)等が挙げられる。
具体的には、(1)反応器に、乳化する樹脂及び溶剤を投入し、攪拌、加熱溶解し、これに界面活性剤、水及び/又は溶剤を投入し、加熱及び攪拌し、この前後にさらに任意に水及び/又は溶剤を投入して攪拌する方法、(2)混練機に、乳化する樹脂、任意に溶剤を投入し、攪拌、加熱溶融し、これに界面活性剤、水及び/又は溶剤を投入し、加熱及び攪拌し、この前後にさらに任意に水及び/又は溶剤を投入して攪拌する方法等が挙げられる。ただし、(1)及び(2)の方法のいずれにおいても、少なくとも1回水が投入される。
撹拌機は、通常のものを用いることができる。このような耐圧容器としては、例えば、撹拌機付耐圧オートクレーブ等が挙げられる。攪拌は、例えば、常圧又は減圧のいずれで行なってもよい。また、撹拌機の回転数は、例えば、50〜1000rpm程度の回転数で行なうことができる。必要に応じて、接着剤の分散/攪拌が進むにつれて、回転数を上げることが好ましい。
加熱は、通常、50〜200℃、好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは70〜100℃で行う。
攪拌した後、得られた分散体から溶剤留去(好ましくは、減圧又は加圧留去)することが好ましい。ここでの留去の方法は、当該分野で公知の方法を利用することができる。減圧又は加圧の程度は、±0.001〜1MPa程度が挙げられ、±0.001〜0.5MPa程度が好ましい。
また、接着剤の製造工程において、界面活性剤は、所望の範囲内で使用することが好ましいが、界面活性剤を過剰に用いた場合には、任意に、得られた接着剤から過剰の界面活性剤を分離除去してもよい。界面活性剤の分離除去は、例えば、遠心分離機、平均細孔径が接着剤の平均粒子径よりも小さい細孔を有する濾過フィルター(好ましくは、0.05〜0.5μmの平均細孔径を有する精密濾過膜)または限外濾過膜などを用いる方法が挙げられる。
さらに、得られた接着剤は、冷却することが好ましい。これにより、樹脂組成物の微細な粒子を含む接着剤が得られる。冷却は、特に低温にする必要はなく、常温に放置する方法が挙げられる。これにより、冷却過程で樹脂等が凝集することなく、微細で均質な接着剤を得ることができる。
ここで個数基準の粒径とは、個数基準で積算粒子径分布の値が50%に相当する粒子径であり、体積基準メジアン径とは、体積基準で積算粒子径分布の値が50%に相当する粒子径である。特に断りがない限りは個数基準で測定したメジアン径の値を意味する。
また、必要に応じて、例えば、種々の孔径を有するフィルター等を用いてろ過等してもよい。
複数種類の分散質が接着剤に含まれる場合(例えば、α−オレフィン由来の構造単位を有する重合体及びポリウレタン樹脂など)、各分散質の粒径は、同程度であることが好ましい。同程度としては、例えば、α−オレフィン由来の構造単位を有する重合体の粒径の±50%以内が好ましく、±30%以内がより好ましい。
炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位と、炭素数2〜20のα−オレフィンと異なる炭素数2〜20のα−オレフィン、α、β−不飽和カルボン酸エステル、α、β−不飽和カルボン酸無水物、酢酸ビニルよりなる群から選ばれる1種以上のモノマーを由来とする構造単位とを有する共重合体、
エチレン由来の構造単位と、炭素数3〜20のα−オレフィン、α、β−不飽和カルボン酸エステル及びα、β−不飽和カルボン酸無水物、酢酸ビニルよりなる群から選ばれる1種以上のモノマーを由来とする構造単位とを有する共重合体、
エチレン由来の構造単位と、α、β−不飽和カルボン酸エステル及びα、β−不飽和カルボン酸よりなる群から選ばれる1種以上のモノマーを由来とする構造単位とを有する共重合体、 エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体等のα−オレフィン系共重合体又はその変性物;あるいはこれらの2種以上の混合物、
エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体等のα−オレフィン系共重合体又はその無水マレイン酸変性物;あるいはこれらの2種以上の混合物、
α−オレフィンと酢酸ビニルとの共重合体又はその変性物;あるいはこれらの2種以上の混合物、
α−オレフィンと(メタ)アクリレートとα,β−カルボン酸との共重合体又はその変性物;あるいはこれらの2種以上の混合物、及び
α−オレフィンと(メタ)アクリレートと無水マレイン酸との共重合体又はその変性物;あるいはこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の積層構造では、前記重合体が、60〜110℃の融点を有することが好ましい。
本発明の積層構造では、接着層が、さらに、ポリウレタン樹脂又は非水溶性のポリウレタン樹脂を含有することが好ましい。
本発明の積層構造では、接着層が、さらに、テルペン重合体、テルペンフェノール、β−ピネン重合体、芳香族変性テルペン重合体、α−ピネン重合体、テルペン系水素添加樹脂からなる群から選択されるテルペン系樹脂を含有することが好ましい。
本発明の積層構造では、接着層が、さらに、ポリウレタン樹脂と、テルペン重合体、テルペンフェノール、β−ピネン重合体、芳香族変性テルペン重合体、α−ピネン重合体、テルペン系水素添加樹脂からなる群から選択されるテルペン系樹脂とを含有することが好ましい。
本発明の積層構造では、接着層が、さらに、ポリウレタン樹脂とテルペンフェノール又は非水溶性のポリウレタン樹脂とテルペンフェノールとを含有することが好ましい。
本発明の積層構造では、接着層が、さらに、イソシアネートを含有することが好ましい。
本発明の積層構造では、接着層が、さらに、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)及びこれらのオリゴマー又はポリマーからなる群から選択されるイソシアネートを含有することが好ましい。
本発明の積層構造では、接着層が、水性エマルションを構成する全樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部、0.1〜20重量部又は0.1〜10重量部の前記界面活性剤を含むことが好ましい。
本発明の積層構造では、接着層が、式(A)で表される界面活性剤と式(B)で表される界面活性剤とを、質量比で、1〜99:99〜1、5〜95:95〜5、10〜90:90〜10、30:70〜90:10、40:60〜90:10又は50:50〜90:10で含むことが好ましい。
本発明の積層構造では、熱可塑性樹脂の重合の後、該樹脂が水性媒体中に分散させられた後乳化法、強制乳化法、自己乳化法又は転相乳化法によって得られた接着剤によって接着増が形成されているものであることが好ましい。
(1)重合体の構造単位含有率
核磁気共鳴装置(Bruker社製 商品名AC−250)を用いて、下記条件にて測定した1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトルの測定結果に基づき算出した。具体的には、13C−NMRスペクトルにおいて、プロピレンに由来する構造単位のメチル炭素のスペクトル強度と1−ブテンに由来する構造単位のメチル炭素のスペクトル強度との比からプロピレンに由来する構造単位と1−ブテンに由来する構造単位の組成比を算出し、次に、1H−NMRスペクトルにおいて、メチン単位とメチレン単位由来の水素のスペクトル強度とメチル単位由来の水素のスペクトル強度との比から、エチレンに由来する構造単位とプロピレンに由来する構造単位と1−ブテンに由来する構造単位との組成比を算出した。
13C−NMR(Hデカップリング)
13C周波数:150.9MHz
パルス幅:6.00μ秒
パルス繰り返し時間:4.0秒
積算回数:256回
測定温度:137℃
溶媒:オルトジクロロベンゼン−d4(濃度 約20%)
135℃において、ウベローデ粘度計を用いて行った。テトラリン単位体積あたりの重合体の濃度cが、0.6、1.0、1.5mg/mlである重合体のテトラリン溶液を調整し、135℃における極限粘度を測定した。それぞれの濃度で3回繰り返し測定し、得られた3回の値の平均値をその濃度での比粘度(ηsp)とし、ηsp/cのcをゼロ外挿した値を極限粘度[η]として求めた。
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法によって、下記の条件で測定を行った。
装置:東ソー社製 HLC−8121GPC/HT
カラム:東ソー社製 TSKgel GMHHR−H(S)HT 4本
温度:145℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン
溶出溶媒流速:1.0ml/分
試料濃度:1mg/ml
測定注入量:300μl
分子量標準物質:標準ポリスチレン
検出器:示差屈折
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製DSC220C:入力補償DSC)を用い以下の条件で測定した。
(i)試料約5mgを室温から30℃/分の昇温速度で200℃まで昇温し、昇温完了後、5分間保持した。
(ii)次いで、200℃から10℃/分の降温速度で−100℃まで降温し、降温完了後、5分間、保持した。この(ii)で観察されるピークが結晶化ピークであり、ピーク面積が1J/g以上の結晶化ピークの有無を確認した。
(iii)続いて、−100℃から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した。この(iii)で観察されるピークが結晶の融解ピークであり、ピーク面積が1J/g以上の融解ピークの有無を確認した。
JIS−K−7210に従い、測定を行った。
無水マレイン酸の変性量は、サンプル1.0gをキシレン20mlに溶解させ、サンプルの溶液をメタノール300mlに攪拌しながら滴下してサンプルを再沈殿させて回収したのち、回収したサンプルを真空乾燥した後(80℃、8時間)、熱プレスにより厚さ100μmのフィルムを作製し、得られたフィルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1780cm−1付近の吸収より無水マレイン酸変性量を定量した。
JIS K−6828に準じた測定方法で行った。
(8)水性エマルションの粒子径
HORIBA製作所製、レーザー回折粒子径測定装置LA−950V2で測定した値である。特に断りがない限り、粒子径は、個数基準で測定したメジアン径の値である。
アルゴンで置換したSUS製リアクター中にビニルシクロへキサン(以下、VCHと記載する場合がある)386部とトルエン3640部を投入した。50℃に昇温後、エチレンを0.6MPaで加圧しながら仕込んだ。トリイソブチルアルミニウム(TIBA)のトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製TIBA濃度 20%]10部を仕込み、つづいてジエチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド 0.001部を脱水トルエン 87部に溶解したものと、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート 0.03部を脱水トルエン 122部に溶解したものを投入し2時間攪拌した。得られた反応液をアセトン 約10000部中に投じ、沈殿した白色固体を濾取した。該固体をアセトンで洗浄後、減圧乾燥した結果、共重合体(B−1−1)300部を得た。該共重合体の[η]は0.48dl/gで、Mnは15,600、分子量分布(Mw/Mn)は2.0、融点(Tm)は57℃、ガラス転移点(Tg)は−28℃、共重合体におけるVCH単位の含有率は13モル%であった。
得られた共重合体(B−1−1)共重合体100部に、無水マレイン酸0.4部、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0.04部を添加して十分に予備混合後に二軸押出機の供給口より供給して溶融混練を行い、共重合体(B−1−2)を得た。なお、押出機の溶融混練を行う部分の温度は、溶融混練を前半と後半の二段階に分け、前半は180℃、後半は260℃と温度設定にして溶融混練を行った。共重合体(B−1−2)のマレイン酸グラフト量は0.2%、MFRは180g/10分(190℃、荷重:2.16kgf)であった。
容量1lのセパラブルフラスコ反応器に、攪袢器、温度計、滴下ロート、還流冷却管をつけて、反応器内の気体を窒素で置換した。ここに溶媒としてキシレン600部、重合体(B−2−1)[エチレン・プロピレン共重合体(クラリアントジャパン株式会社製LICOCENE PP1602、エチレン:プロピレン=15mol%:85mol%)]100部、無水マレイン酸50部、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(スミライザーGP、住友化学製)1部を入れ140℃に加熱、撹拌し、溶液を得た後、ジ−tertブチルパーオキサイド2部を添加し、5時間同温度で攪拌を続けて反応を行った。なお、加熱はオイルバスを用いた。反応終了後、内容物を室温まで下げ、アセトン1000部に投じ、沈殿した白色固体を濾取した。該固体をアセトンで洗浄後、減圧乾燥した結果、無水マレイン酸で変性して得られる重合体(B−2−2)を得た。得られた重合体のMwは45362、Mnは23354、分子量分布(Mw/Mn)は1.9、マレイン酸変性量は0.93%であった。
また重合体(B−2−1)は、−100〜200℃の温度範囲に、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピーク及び結晶化熱量が1J/g以上の結晶化ピークが観測された。
重合体(B−2−3)[エチレン・プロピレン共重合体(クラリアントジャパン株式会社製LICOCENE PP2602、エチレン:プロピレン=13mol%:87mol%)]を用いる以外は、重合体(B−2−2)の製造例と同様にして、無水マレイン酸で変性して得られる重合体(B−2−4)を得た。得られた重合体のMwは55115、Mnは25836、分子量分布(Mw/Mn)は2.2、マレイン酸変性量は0.84%であった。
また重合体(B−2−3)は、−100〜200℃の温度範囲に、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピーク及び結晶化熱量が1J/g以上の結晶化ピークが観測された。
容量2lのセパラブルフラスコ反応器に、攪袢器、温度計、滴下ロート、還流冷却管をつけて減圧にしたのち、反応器内の気体を窒素で置換した。このフラスコに乾燥したトルエン1lを重合溶媒として導入した。ここにプロピレン8NL/min、1−ブテン0.5NL/minを常圧にて連続フィードし、溶媒温度を30℃とした。トリイソブチルアルミニウム(以後TIBAという場合がある)1.25mmolを反応器に添加した後、重合触媒としてジメチルシリル(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド0.005mmolを反応器に添加した。その15秒後にトリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.025mmolを反応器に添加し、重合を開始した。30分間の重合の結果、プロピレン含有量が96mol%のプロピレン−1−ブテン共重合体(B−3−1)155.8gが得られた。得られた重合体の極限粘度[η]は2.1dl/gで、分子量分布(Mw/Mn)は2.5であった。また−100〜200℃の温度範囲に、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピーク及び結晶化熱量が1J/g以上の結晶化ピークのいずれもが観測されなかった。
重合体(B−3−1)を用いる以外は、重合体(B−2−2)の製造例と同様にして、無水マレイン酸で変性された重合体(B−3−2)を得た。得られた重合体のMwは49043、Mnは14267、分子量分布(Mw/Mn)は3.4、マレイン酸変性量は1.79%であった。
攪拌機、温度計、還流冷却管を備えた容器2lのセパラブルフラスコ反応容器に、溶媒としてトルエン200部、共重合体として重合体(B−1−2)100部を入れ、80℃にて攪拌、溶解した。次いで、界面活性剤として、ラテムルE−1000A(30%水溶液、花王株式会社製)17部、ノイゲンEA−177(第一工業製薬株式会社製)5部、イソプロパノール5部の混合液を10分間かけて滴下した。さらに5分間攪拌後、ジメチルエタノールアミン5部を投入し、さらに5分間攪拌した。
次いで、攪拌装置をTKロボミクス(株式会社PRIMIX製)に変更し、本反応混合物をディスパー翼にて攪拌しながら、イソプロパノール100部、イオン交換水100部の混合液を30分間かけて滴下した。反応混合物に流動性が認められた時点で、攪拌羽根をホモミキサーに変更し、さらに攪拌しながらイオン交換水300部を滴下し、乳白色の分散体を得た。
得られた分散体を2Lナスフラスコに投入し、エバポレーターにて減圧留去を行い、200メッシュナイロン網にて濾過し、重合体(B−1−2)及び界面活性剤を含む水性エマルションを得た。得られた水性エマルション(E−1)の粒径(個数基準)は0.61μm、不揮発分濃度は36%であった。
共重合体として重合体(B−2−1)100部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルションを製造した。得られた水性エマルション(E−2)の粒径(個数基準)は0.25μm、不揮発分濃度は38%であった。
共重合体として重合体(B−2−2)100部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルションを製造した。得られた水性エマルション(E−3)の粒径(個数基準)は0.22μm、不揮発分濃度は39%であった。
共重合体として重合体(B−2−3)100部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルションを製造した。得られた水性エマルション(E−4)の粒径(個数基準)は0.21μm、不揮発分濃度は36%であった。
共重合体として重合体(B−2−4)100部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルションを製造した。得られた水性エマルション(E−5)の粒径(個数基準)は0.13μm、不揮発分濃度は36%であった。
共重合体として重合体(B−3−2)100部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルションを製造した。得られた水性エマルション(E−6)の粒径(個数基準)は0.33μm、不揮発分濃度は34%であった。
共重合体として重合体(B−2−2)50部、重合体(B−3−2)50部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルションを製造した。得られた水性エマルション(E−7)の粒径(個数基準)は0.21μm、不揮発分濃度は35%であった。
共重合体として重合体(B−4−1)[BONDINE HX8140(ARKEMA社製)]100部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルションを製造した。得られた水性エマルション(E−8)の粒径(個数基準)は0.09μm、不揮発分濃度は40%であった。
共重合体として重合体(B−4−2)[BONDINE AX8390(ARKEMA社製)]100部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルションを製造した。得られた水性エマルション(E−9)の粒径(個数基準)は0.11μm、不揮発分濃度は42%であった。
重合体(B−1−2)100部に代えて、重合体(B−4−2)67部、粘着樹脂(テルペンフェノール、タマノル803L、荒川化学社製)33部を用いる以外は<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルション(E−10)を製造した。得られた水性エマルションの粒径(個数基準)は0.10μm、不揮発分濃度は41%であった。
共重合体として重合体(B−4−3)[BONDINE HX8290(ARKEMA社製)]100部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルション(E−11)を製造した。得られた水性エマルションの粒径(個数基準)は0.18μm、不揮発分濃度は39%であった。
重合体(B−1−2)100部に代えて、重合体(B−4−3)50部、粘着樹脂(テルペンフェノール、タマノル803L、荒川化学社製)50部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルション(E−12)を製造した。得られた水性エマルションの粒径(個数基準)は0.20μm、不揮発分濃度は33%であった。
共重合体として重合体(B−4−4)[BONDINE LX4110(ARKEMA社製)]100部用い、反応温度を90℃とする以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルション(E−13)を製造した。得られた水性エマルションの粒径(個数基準)は0.08μm、不揮発分濃度は44%であった。
重合体(B−1−2)100部に代えて、重合体(B−4−4)75部、粘着樹脂(テルペンフェノール、タマノル803L、荒川化学社製)25部を用い、反応温度を90℃とする以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルション(E−14)を製造した。得られた水性エマルションの粒径(個数基準)は0.20μm、不揮発分濃度は34%であった。
エチレン/メタクリル酸共重合体の水性エマルション(AC−3100、中央理化工業株式会社製)(E−15)。この水性エマルションの粒径は、0.7μm、不揮発分濃度は45%であった。
エチレン・酢酸ビニル(EVA)共重合体の水性エマルション(HA−1100、中央理化工業株式会社製)(E−16)。この水性エマルションの粒径は、0.8μm、不揮発分濃度は45%であった。
EVA共重合体の水性エマルション(EC−1800、中央理化工業株式会社製)(E−17)。この水性エマルションの粒径は、1.7μm、不揮発分濃度は45%であった。
エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体の水性エマルション(セポルジョンG415、住友精化株式会社製)(E−18)。この水性エマルションの粒径は、1.7μm、不揮発分濃度は50%であった。
水性エマルション(E−18)とテルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−19)を製造した。
エチレン/酢酸ビニル共重合体の水性エマルション(スミカフレックス400HQ、住友化学株式会社製)(E−20)。この水性エマルションの粒径は、0.7μm、不揮発分濃度は55%であった。
水性エマルション(E−20)とテルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−21)を製造した。
エチレン/酢酸ビニル共重合体の水性エマルション(スミカフレックス401HQ、住友化学株式会社製)(E−22)。この水性エマルションの粒径は、0.8μm、不揮発分濃度は55%であった。
水性エマルション(E−22)とテルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−23)を製造した。
エチレン/酢酸ビニル共重合体の水性エマルション(スミカフレックス408HQE、住友化学株式会社製)(E−24)。この水性エマルションの粒径は、0.9μm、不揮発分濃度は50%であった。
水性エマルション(E−24)とテルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−25)を製造した。
エチレン/酢酸ビニル共重合体の水性エマルション(スミカフレックス500、住友化学株式会社製)(E−26)。この水性エマルションの粒径は、0.7μm、不揮発分濃度は55%であった。
水性エマルション(E−26)とテルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−27)を製造した。
水性エマルション(E−11)と、テルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−28)を製造した。
水性エマルション(E−9)と、テルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−29)を製造した。
水性エマルション(E−8)と、テルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−30)を製造した。
エチレン/酢酸ビニル/特殊エステル共重合体の水性エマルション(スミカフレックス950HQ、住友化学株式会社製)(E−31)。この水性エマルションの粒径は、0.6μm、不揮発分濃度は52%であった。
水性エマルション(E−31)とテルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−32)を製造した。
重合体(B−1−2)100部に代えて、プロピレン・ブチレン共重合体(B−3−2)50部及びエチレン・プロピレン共重合体(B−2−4)50部を用いる以外、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルション(E−33)を製造した。得られた水性エマルション(E−33)の粒径は0.2μm(個数基準)、不揮発分は34%であった。
水性エマルション(E−13)とテルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−34)を製造した。
ラボプラストミルマイクロ(東洋精機製)のセル内の温度を95℃に設定した。このセル内に共重合体(B−1−2)3.12gを封入し、毎分300回転で3分間攪拌した。この時の最高剪断速度は1173秒−1であった。その後、乳化剤としてオキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体(重量平均分子量15500:プルロニックF108:旭電化(株)製)0.46gを水0.21gとともに添加し、セル内の温度を95℃に保ちながら、さらに、毎分300回転で3分間混練した(剪断速度1173秒−1)。混練した後、内容物を取り出し、約70℃の温水を入れた容器内で攪拌、分散させ、分散質の体積基準メジアン径が0.43μmの水性エマルション(E−35)を得た。
表1に示す共重合体と界面活性剤とを表1に示す重量比で用いて、実質的に<水性エマルションの製造例1>と同様にエマルション(E−36)〜(E−38)を得た。
表1における共重合体及び界面活性剤は以下のとおりである。
共重合体U1:エチレン−アクリル酸−無水マレイン酸ターポリマー(BONDINE HX8290、ARKEMA社製、融点:81℃)
共重合体U2:エチレン−アクリル酸−無水マレイン酸ターポリマー(BONDINE LX4110、ARKEMA社製、融点:107℃)
共重合体U3:エチレン−アクリル酸−無水マレイン酸ターポリマー(BONDINE HX8210、ARKEMA社製、融点:100℃)
界面活性剤1:上記式(A)で表される化合物(ラテムルE−1000A、30%水溶液、花王株式会社製)
界面活性剤2:上記式(B)で表される化合物(ノイゲンEA−177、第一工業製薬株式会社製)
水性エマルション(E−36)、テルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)、ポリウレタンエマルション(SBU社製、ディスパコールU−54)、イソシアネート(SBU社製、デスモジュールN3300)を不揮発分比で100部:100部:100部:5部になるように配合して水性エマルション(E−39)を得た。
水性エマルション(E−36)、テルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)、ポリウレタンエマルション(SBU社製、ディスパコールU−54)、イソシアネート(SBU社製、デスモジュールN3300)を不揮発分比で100部:100部:200部:10部になるように配合して水性エマルション(E−40)を得た。
水性エマルション(E−36)、テルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)、ポリウレタンエマルション(SBU社製、ディスパコールU−54)、イソシアネート(SBU社製、デスモジュールN3300)を不揮発分比で100部:100部:1600部:41部になるように配合して水性エマルション(E−41)を得た。
水性エマルション(E−36)、テルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)、ポリウレタンエマルション(SBU社製、ディスパコールU−54)、イソシアネート(SBU社製、デスモジュールN3300)を不揮発分比で100部:100部:100部:15部になるように配合して水性エマルション(E−42)を得た。
水性エマルション(E−36)、テルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)、ポリウレタンエマルション(SBU社製、ディスパコールU−54)、イソシアネート(SBU社製、デスモジュールN3300)を不揮発分比で100部:100部:200部:20部になるように配合して水性エマルション(E−43)を得た。
ポリウレタンエマルション(SBU社製、ディスパコールU−54)、イソシアネート(SBU社製、デスモジュールN3300)を不揮発分比で100部:5部になるように配合して水性エマルション(E−44)を得た。
水性エマルション(E−36)、ポリウレタンエマルション(SBU社製、ディスパコールU−54)、イソシアネート(SBU社製、デスモジュールN3300)を不揮発分比で100部:100部:5部になるように配合して水性エマルション(E−45)を得た。
水性エマルション(E−36)、ポリウレタンエマルション(SBU社製、ディスパコールU−54)、イソシアネート(SBU社製、デスモジュールN3300)を不揮発分比で100部:200部:10部になるように配合して水性エマルション(E−46)を得た。
表2及び表3示す共重合体と界面活性剤とを表2及び表3に示す重量比で用いて、実質的に<水性エマルションの製造例1>と同様にして水性エマルション(E−47)〜(E−63)を得た。
表中における共重合体及び界面活性剤は以下のとおりである。
共重合体P1:C2(エチレン)/EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)/MAH(無水マレイン酸)共重合体(OREVAC T9314、ARKEMA社製)
共重合体P2:C2/EVA/MAH共重合体(OREVAC T9318、ARKEMA社製)
共重合体Q1:MAH変性−EVA(OREVAC G18211、ARKEMA社製)
共重合体R1:EVA部分けん化物(メルセン H6051、東ソー(株)製)
共重合体R2:EVA部分けん化物(メルセン H6410M、東ソー(株)製)
共重合体R3:EVA部分けん化物(メルセン H6820、東ソー(株)製)
共重合体R4:EVA部分けん化物(メルセン H6822X、東ソー(株)製)
共重合体R5:EVA部分けん化物(メルセン H6960、東ソー(株)製)
共重合体S1:EVA(EVATATE KA−40、住友化学工業(株)製)
共重合体T1:熱減成ポリエチレン(UMX2000、三洋化成工業(株)製)
共重合体U1:エチレン−アクリル酸−無水マレイン酸ターポリマー(BONDINE HX8290、ARKEMA社製)
共重合体U2:エチレン−アクリル酸−無水マレイン酸ターポリマー(BONDINE LX4110、ARKEMA社製)
界面活性剤1:上記式(A)で表される化合物(ラテムルE−1000A、30%水溶液、花王株式会社製)
界面活性剤2:上記式(B)で表される化合物(ノイゲンEA−177、第一工業製薬株式会社製)
<5日間静置安定性>
得られた水性エマルションを250mLポリ容器に入れ、室温にて5日間静置した後に外観の変化を観察した。評価基準は下記の通りとした。その結果を表4及び表5に示す。
○:凝集や沈殿、相分離が認められず、良好な状態であった。
×:凝集や沈殿、相分離が発生した。
水性エマルション(E−15)〜(E−35)は、いずれも、目視観察により均質に分散しており、かつ、長期間の保存においても、凝集、沈殿、相分離などが発生せず、良好な安定性を示した。
水性エマルション(E−36)〜(E−63)は、上記と同様に、5日間静置安定性を評価したところ、いずれも、凝集や沈殿、相分離が認められず、良好な状態である。
水性エマルションの製造例で得られた各水性エマルション(不揮発分比)に、増粘剤としてアデカノールUH−420(ADEKA社製)を、分散剤としてノプコウェット50(サンノプコ社製)を、表6に記載の量(不揮発分比、単位:重量部)を添加し、かつ配合物の不揮発分が40%になるように水で調製してスリーワンモーターで攪拌し、水性接着剤を得た。
得られた表6の水性接着剤を、ガラス棒を用いて、綿100%の帆布に塗布(塗布量:乾燥後重量約60g/m2)し、20分間自然乾燥し、得られた帆布を電子レンジ(panasonic社製、NE-EH212、周波数2.455GHz)に入れ、750Wで30秒間電磁波処理した。
また、各水性接着剤を、バーコーターNo.75(巻き線の径:75×25μm)を用いて、M-EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体の発泡体)に塗布(塗布量:乾燥後重量約70g/m2)し、得られたM−EVAを電子レンジに入れ、750Wで110秒間電磁波処理した。
再度、綿帆布及びM−EVAに各々に、各水性接着剤を塗布(綿帆布塗布量:乾燥後重量約40g/m2、M−EVA塗布量:乾燥後重量約80g/m2)し、得られた綿帆布及びM−EVAを電子レンジに入れ、750Wで30秒間電磁波処理した。
続いて、綿帆布及びM−EVAの水性接着剤の塗布面同士を貼り合せ、圧着した。
このようにして得られた綿/接着層/M−EVA積層構造を、再度電子レンジに入れ、750Wで110秒間電磁波処理した。電子レンジからすぐに取り出し、手で圧着した。
得られた各積層構造を24時間、室温で放置し、その後、引張り試験機(島津製作所社製、オートグラフ)を用いて、剥離速度200mm/分、剥離角度180度で、積層構造の密着性を、剥離強度を測定することにより評価した。その結果を表6に示す。
○:剥離強度10N/inch以上。
×:剥離強度10N/inch未満
上記水性エマルション(E−15)〜(E−34)及び(E−35)を用いた水性接着剤は、各種基材に対する密着性が良好である。
水性エマルションの製造例で得られた各水性エマルション(不揮発分比)に、増粘剤としてアデカノールUH−756VF(ADEKA社製)を、分散剤としてノプコウェット50(サンノプコ社製)を、表7に記載の量(不揮発分比、単位:重量部)を添加しかつ配合物の不揮発分が40%になるように水で調製してスリーワンモーターで攪拌し、水性接着剤B1及び水性接着剤B2を、それぞれを得た。
得られた水性接着剤B2を、ガラス棒を用いて、綿100%の帆布に塗布(塗布量:乾燥後重量約130g/m2)し、20分間自然乾燥し、得られた帆布を電子レンジ(ミクロ電子社製、9KWマイクロ波オーブン、周波数2.45GHz)に入れ、3000Wで30秒間電磁波処理した。
また、水性接着剤B1を、バーコーターNo.75を用いて、M−EVAに塗布(塗布量:乾燥後重量約30g/m2)し、得られたM−EVAを電子レンジに入れ、3000Wで110秒間電磁波処理した。
再度、綿帆布及びM−EVAに各々に、水性接着剤B2を塗布(綿帆布塗布量:乾燥後重量約60g/m2、M−EVA塗布量:乾燥後重量約30g/m2)し、得られた綿帆布及びM−EVAをマイクロ波オーブンに入れ、3000Wで15秒間電磁波処理した。
続いて、綿帆布及びM−EVAの水性接着剤の塗布面同士を貼り合せ、圧着した。
このようにして得られた綿/接着層/M−EVA積層構造を、再度電子レンジに入れ、3900Wで120秒間電磁波処理した。電子レンジからすぐに取り出し、手で圧着した。
得られた積層構造を24時間、室温で放置し、上記と同様の方法及び評価基準で積層構造の密着性評価した。その結果を表7に示す。
水性エマルションの製造例で得られた各エマルション(不揮発分比)に、増粘剤としてアデカノールUH−756VF(ADEKA社製)を、分散剤としてノプコウェット50(サンノプコ社製)を、表8に記載の量(不揮発分比、単位:重量部)を添加してかつ配合物の不揮発分が40%になるように水で調製してスリーワンモーターで攪拌して、水性接着剤C1と水性接着剤C2を得た。
得られた表5記載の水性接着剤C2を、ガラス棒を用いて、綿100%の帆布に塗布(乾燥後重量塗布量:約130g/m2)し、20分間自然乾燥し、得られた帆布をマイクロ波オーブンで3000W、30秒間電磁波処理した。
また、表8に示す各水性接着剤C1を、バーコーターNo.75を用いて、M−EVAに塗布(乾燥後重量塗布量:約30g/m2)し、得られたM−EVAをマイクロ波オーブンに入れ、5000Wで170秒電磁波処理した。
得られた綿帆布及びM-EVA各々に、水性接着剤C2を塗布(綿帆布塗布量:乾燥後重量約70g/m2、M−EVA塗布量:乾燥後重量約30g/m2)し、これら綿帆布を80℃の熱風オーブンに約15分、M−EVAを80℃の熱風オーブンに約10分入れ、水性接着剤の塗布面同士を熱いうちに貼り合わせた。
得られた綿/接着層/M−EVA積層構造を、再度熱風乾燥機に入れ、80℃で10分間加熱処理し、乾燥機から取り出したあと、手で圧着した。
得られた積層構造を24時間、室温で放置し、上記と同様の方法及び評価基準で積層構造の密着性評価した。その結果を表8に示す。
水性エマルションの製造例で得られた各水性エマルション(不揮発分比)100重量部に、増粘剤としてアデカノールUH−420(ADEKA社製)を、分散剤としてノプコウェット50(サンノプコ社製)を、表9に記載の量(不揮発分比、単位:重量部)を添加しかつ配合物の不揮発分が40%になるように水で調製してスリーワンモーターで攪拌し、水性接着剤Dを得た。
得られた表9の水性接着剤Dを、ガラス棒を用いて、綿100%の帆布に塗布(塗布量:乾燥後重量約130g/m2)し、1時間自然乾燥した。
また、綿に塗布したものと同じ水性接着剤Dを、バーコーターNo.75を用いて、M-EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体の発泡体)に塗布(乾燥後重量塗布量:約30g/m2)し、得られたM−EVAを1時間自然乾燥した。その後、綿帆布およびM−EVAにガラス棒を用いて塗布(綿帆布:乾燥後重量約70g/m2、M−EVA塗布量:乾燥後重量約30g/m2)し、電子レンジに入れ、750Wで30秒間電磁波処理した。
続いて、綿帆布及びM−EVAの水性接着剤の塗布面同士を貼り合せ、圧着した。
このようにして得られた綿/接着層/M−EVA積層構造を、再度電子レンジに入れ、750Wで110秒間電磁波処理した。乾燥機から取り出したあと、手で圧着した。これによって、綿/接着層/M−EVAからなる積層構造を得た。
得られた積層構造を24時間、室温で放置し、上記と同様の方法及び評価基準で積層構造の密着性評価した。その結果を表9に示す。
まず、表10−1に示したように、水性エマルションの製造例で得られた水性エマルション(E−36)〜(E−38)(不揮発分比、単位:重量部)に、粘着樹脂1としてテルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)及び粘着樹脂2として水性ウレタンエマルション(ディスコパールU−54、SBU社製)を、不揮発分比で100:100:100になるように配合し、さらに、増粘剤としてアデカノールUH−756VF(ADEKA社製)を、分散剤としてノプコウェット50(サンノプコ社製)を、架橋剤としてデスモジュールN3300(SBU社製)を添加してかつ配合物の不揮発分が40%になるように水で調製した後スリーワンモーターで攪拌し、水性接着剤F1〜F10を得た。
また、各水性接着剤(F1)〜(F9)を、バーコーターNo.75を用いて、M−EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体の発泡体)に塗布(塗布量:乾燥後重量約30g/m2)し、得られたM−EVAを3000Wで110秒電子波処理した。その後、水性接着剤(F10)を、綿帆布およびM−EVAにガラス棒を用いて塗布(綿帆布塗布量:乾燥後重量約70g/m2、M−EVA塗布量:乾燥後重量約70g/m2)し、M−EVAを3000Wで15秒間電磁波処理した。
続いて、綿帆布及びM−EVAの水性接着剤の塗布面同士を貼り合せ、3900Wで120秒電磁波処理した。その後、手で圧着した。これによって、綿/接着層/M−EVAからなる積層構造を得た。
○:剥離強度70N/inch以上。
×:剥離強度70N/inch未満。
○:剥離強度15N/inch以上。
×:剥離強度15N/inch未満。
まず、水性エマルションの製造例で得られた水性エマルション(E−36)(不揮発分比、単位:重量部)100重量部に、粘着樹脂としてテルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)50部を、不揮発分比で100:50になるように配合し、さらに、増粘剤としてアデカノールUH−420UH(ADEKA社製)を2重量部、分散剤としてノプコウェット50(サンノプコ社製)を8重量部添加してかつ配合物の不揮発分が40%になるように水で調製した後スリーワンモーターで攪拌し、水性接着剤G1を得た。
得られた水性接着剤G1を、ガラス棒を用いて、綿100%の帆布に塗布(塗布量:乾燥後重量約167g/m2)し、1時間自然乾燥した。その後、再度、水性接着剤G1を塗布した(塗布量:乾燥後重量約100g/m2)。
また、水性接着剤G1を、バーコーターNo.75を用いて、M−EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体の発泡体)に塗布(塗布量:乾燥後重量約30g/m2)した。
帆布及びM−EVAの双方を1時間自然乾燥した後、綿帆布及びM−EVAの水性接着剤の塗布面同士を貼り合せ、3900Wで150秒電磁波処理した。その後、手で圧着した。これによって、綿/接着層/M−EVAからなる積層構造を得た。
得られた各積層構造を24時間、室温で放置し、その後、引張り試験機(島津製作所社製、オートグラフ)を用いて、剥離速度50mm/分、剥離角度180度で、積層構造の密着性を、剥離強度を測定することにより評価した。剥離強度10N/inch以上と良好な結果が得られた。
Claims (7)
- エチレン・酢酸ビニル共重合体からなる第1の基材と、炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を1種類以上有する重合体を含む接着層と、綿含有繊維からなる第2基材とがこの順に積層された積層構造。
- 接着層が、さらに、下記式(I)で表される界面活性剤を含む層である請求項1に記載の積層構造。
(式中、Xは水素原子又は−SO3M(Mは水素原子、NH4又はアルカリ金属)を示す。nは1〜3の整数を表す。mは1〜100の整数を表す。) - 前記界面活性剤は、Xが水素原子である界面活性剤と、Xが−SO3Mである界面活性剤との2種類以上を含む界面活性剤である請求項2に記載の積層構造。
- 前記界面活性剤における−SO3Mが、SO3NH4である請求項2又は3に記載の積層構造。
- 接着層が、さらに、塩基性化合物(C)を含有する層である請求項1〜4のいずれか1つに記載の積層構造。
- 接着剤層が、さらに、粘着樹脂を含有する層である請求項1〜5のいずれか1つに記載の積層構造。
- 接着層が、粒径(個数基準)0.01〜1.0μmの分散質を含有する接着剤から得られた層である請求項1〜6のいずれか1つに記載の積層構造。
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