JP2013151143A - 積層構造 - Google Patents

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Mutsuko Higo
睦子 肥後
Masafumi Kumano
晶文 熊野
Rei Yoshida
礼 吉田
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Abstract

【課題】接着性に優れたナイロン樹脂、接着層及び綿含有繊維との積層構造体を提供することを目的とする。
【解決手段】ナイロン樹脂からなる第1の基材と、炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を1種類以上有する重合体を含む接着層と、綿含有繊維からなる第2基材とがこの順に積層された積層構造であり、接着層は、さらに、下記式(I)で表される界面活性剤を含む水性接着剤によって形成されるものが好ましい。

(式中、Xは水素原子又は−SOM(Mは水素原子、NH又はアルカリ金属)を示す。nは1〜3の整数を表す。mは1〜100の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ナイロン樹脂/接着層/綿含有繊維を含む積層構造に関する。
一般に、基材同士を接着剤により接着して得られる積層構造においては、基材及び接着層の種類、組み合わせについて種々の検討がなされている(非特許文献1)。
日本接着剤編「接着ハンドブック(第4版)」日刊工業新聞社発行、2007年12月28日、98頁
従来の積層構造では、特に、ナイロン樹脂と綿含有繊維との間に配置する接着層のナイロン樹脂及び綿含有繊維への接着性について必ずしも満足できるものでない場合があった。
本発明は、以下の発明を含む。
[1]ナイロン樹脂からなる第1の基材と、炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を1種類以上有する重合体を含む接着層と、綿含有繊維からなる第2基材とがこの順に積層された積層構造。
[2]接着層が、さらに、下記式(I)で表される界面活性剤を含む層である[1]に記載の積層構造。

(式中、Xは水素原子又は−SOM(Mは水素原子、NH又はアルカリ金属)を示す。nは1〜3の整数を表す。mは1〜100の整数を表す。)
[3]前記界面活性剤は、Xが水素原子である界面活性剤と、Xが−SOMである界面活性剤界面活性剤との2種類以上を含む界面活性剤である[2]に記載の積層構造。
[4]前記界面活性剤における−SOMが、SONHである[2]又は[3]に記載の積層構造。
[5]接着層が、さらに、塩基性化合物(C)を含有する層である[1]〜[4]のいずれか1つに記載の積層構造。
[6]接着剤層が、さらに、粘着樹脂を含有する層である[1]〜[5]のいずれか1つに記載の積層構造。
[7]接着層が、粒径(個数基準)0.01〜1.0μmの分散質を含有する接着剤から得られた層である[1]〜[6]のいずれか1つに記載の積層構造。
本発明によれば、特に、ナイロン樹脂と綿含有繊維との間に配置する接着層がナイロン樹脂及び綿含有繊維の双方に強固に接着した、ナイロン樹脂/接着層/綿含有繊維の積層構造を提供することができる。
本発明の積層構造は、ナイロン樹脂からなる第1の基材と、炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を1種類以上有する重合体を含む接着層と、綿含有繊維からなる第2の基材とがこの順に積層されている。
この積層構造においては、接着層は、接着剤、特に水性接着剤によって得られた層であり、接着剤における、水及び含有されている場合には溶剤が蒸発して形成された層である。
〈第1の基材〉
第1の基材は、ナイロン樹脂からなる。ナイロン樹脂とは、いわゆるポリアミド系樹脂であり、モノマーがアミド結合により縮合したポリマーであれば、その構成モノマーの種類、分子量など、種々のものが包含される。具体的には、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,6、ナイロン11、ナイロン12等が挙げられる。
第1の基材のサイズ、厚み、形状等は、積層構造の使用目的に応じて適宜調整することができる。
本発明の積層構造の第1の基材としてのナイロン樹脂の形態は、例えば、織物、編物、不織布、メリヤス、フェルト、フィルム、ブロック状等の種々の形態が挙げられる。例えば、フィルム及びシート、構造材料、建築材料、自動車部品、電気・電子製品、包装材料、衣料、靴などに使用される綿含有繊維が挙げられる。
なかでも、スポーツシューズ類、タウンシューズ、ビジネスシューズ等の紳士靴及び婦人靴、さらに工業用の作業靴等を含む履物における、胛被、中底、外底等の構成材料として使用されるナイロン樹脂である。
第1の基材のサイズ、厚み、形状等は、積層構造の使用目的に応じて適宜調整することができる。
第1の基材の接着層に対向する表面は、平滑であってもよいし、凹凸を有していてもよい。
〈第2の基材〉
第2の基材は、綿含有繊維からなる。綿含有繊維とは、綿100%の繊維、綿と、他の天然繊維及び/又は化学繊維との混紡繊維等が挙げられる。他の天然繊維としては、羊毛、絹、麻等が挙げられる。化学繊維としては、合成繊維(例えば、ポリエステル系、ナイロン等のポリアミド系繊維)、半合成繊維(アセテート等のセルロース系、プロミックス等のタンパク質系繊維)、再生繊維(レーヨン、キュプラ、ポリノジック等のセルロース系繊維)、無機繊維(炭素繊維、ガラス繊維)等が挙げられる。
本発明の積層構造の第2の基材としての綿含有繊維の形態は、例えば、織物、編物、不織布、メリヤス、フェルト、フィルム、ブロック状等の種々の形態が挙げられる。例えば、フィルム及びシート、構造材料、建築材料、自動車部品、電気・電子製品、包装材料、衣料、靴などに使用される綿含有繊維が挙げられる。
なかでも、スポーツシューズ類、タウンシューズ、ビジネスシューズ等の紳士靴及び婦人靴、さらに工業用の作業靴等を含む履物における、胛被、中底、外底等の構成材料として使用される綿含有繊維が挙げられる。
第2の基材のサイズ、厚み、形状等は、積層構造の使用目的に応じて適宜調整することができる。
第2の基材の接着層に対向する表面は、平滑であってもよいし、凹凸を有していてもよい。
〈接着層〉
接着層は、炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を1種類以上有する重合体を含む。この接着層は、種々の材料からなる基材間、特に、ナイロン樹脂と綿含有繊維との積層構造の間に挟持される接着層である。
〈積層構造の製造方法〉
本発明の積層構造を製造するために、まず、第1の基材及び第2の基材のいずれか一方、好ましくは双方に、接着剤を塗布する。
接着剤を塗布する前には、第1の基材及び/又は第2の基材の表面に、接着層との接着を高めるために、プライマー処理を施してもよい。プライマー処理としては、例えば、ブラスト処理、薬品処理、脱脂、火炎処理、酸化処理、蒸気処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、イオン処理、アンカー層の形成などが挙げられる。特に、綿含有繊維などの水を吸収し得る基材を用いる場合には、プライマー処理として、接着剤を塗布し、乾燥する処理を行なってもよい。ここでの接着剤の塗布及び乾燥は、後述する方法によって行なうことができる。プライマー処理を行う場合、使用する接着剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。プライマー処理は2回以上の処理でもよい。また、第1及び第2の基材において異なる接着剤を使用してもよいが、同じものを用いることが好ましい。
塗布は、公知の成膜方法、例えば、ナイロン樹脂及び綿含有繊維の一方又は双方の表面に接着剤を塗布し、必要に応じて室温付近で放置した後、乾燥又は乾燥と焼き付けのための加熱処理に付す方法が挙げられる。
なお、塗布に代えて、接着剤の組成によっては押出によって塗膜状に成形するか、あるいは各種基材表面に塗布し、乾燥して形成してもよく、得られた塗膜を、第1の基材と第2の基材との間に挟持し、加圧(又は加熱)接着してもよい。
塗布方法としては、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、バーコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法、へら塗り法等が挙げられる。
乾燥は、自然乾燥、風乾等の非熱乾燥、あるいは、通常の熱風循環型のオーブン、赤外線又は遠赤外線ヒーター、電磁波(例えば、周波数帯が2.45±0.02GHzの電磁波)照射装置又は電子レンジ等を使用する熱乾燥等により行うことができる。加熱温度及び加熱時間は、基材の特性、本発明で使用される接着剤の組成等に応じて適宜調整することができる。例えば、加熱温度としては、30〜150℃程度が挙げられ、好ましくは40〜85℃程度である。加熱時間は、1秒〜1時間程度が挙げられ、好ましくは5秒〜30分間程度であり、より好ましくは5秒〜10分間程度である。
接着剤の塗布及び乾燥は、それぞれ1回のみ行なってもよいし、2回以上行なってもよい。その際、塗布方法及び乾燥方法は、それぞれ同じ方法を組み合わせてもよいし、異なる方法を組み合わせてもよい。また、電磁波の異なる周波数帯を組み合わせてもよい。
第1及び第2の基材の貼り合せの際、熱、圧力又はその双方を負荷しながら行なってもよい。熱を負荷する場合には、第1の基材及び第2の基材並びに接着層が変質しない温度範囲とすることが必要であり、好ましくは120℃程度以下、より好ましくは100℃程度以下である。熱の負荷は、上述した通常の熱風循環型のオーブン、赤外線ヒーター、電子レンジ等を用いて行なってもよい。圧力を負荷する場合の圧力としては、100g/cm程度以上が挙げられ、第1の基材及び第2の基材の形状が変形する圧力未満が挙げられる。
また、第1及び第2の基材の貼り合せを行なった後、得られた積層構造に対して、上述した非熱乾燥又は熱乾燥等(例えば、電磁波照射等)、さらに、圧力負荷を行ってもよい。
接着剤を用いて形成される接着層の厚さとしては、その被着体である第1の基材及び第2の基材の形態等によって適宜調整することができる。例えば、0.01〜300μm程度が挙げられ、好ましくは0.01〜200μm程度、より好ましくは0.2〜200μm程度である。
このような積層構造における接着層は、通常、接着剤、特に水性接着剤によって形成され、この接着剤が、炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を1種類以上有する重合体を含む。
〈重合体〉
炭素数2〜20のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン(C2)、プロピレン(C3)、1−ブテン(C4)、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン等である。
炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を1以上含む重合体は、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)等のホモポリマー又はその変性物;エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体等のα−オレフィン系共重合体又はその変性物;共重合可能なモノマーとの共重合体又はその変性物;あるいはこれらの2種以上の混合物であることが好ましい。共重合可能なモノマーとの共重合体では、共重合可能なモノマー及びαオレフィンは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。共重合体の形態は、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等のいずれでもよい。これらは過酸化物などで低分子量化、高分子量化したものであってもよい。
α−オレフィン系重合体としては、全構造単位を100モル%として、例えば、プロピレン由来の構造単位:1−ブテン由来の構造単位を、好ましくは、71〜99モル%:1〜29モル%で含有する共重合体又はその変性物、より好ましくは80〜99モル%:1〜20モル%で含有する共重合体又はその変性物、さらに好ましくは、90〜99モル%:1〜10モル%で含有する共重合体又はその変性物が挙げられる。この共重合体は、好ましくは、融解ピークが実質的に観測されない共重合体である。融解ピークが実質的に観測されないとは、−100〜200℃の温度範囲における示差走査熱量測定(DSC)によって、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピークが観測されないことをいう。
エチレン由来の構造単位:プロピレン由来の構造単位を、好ましくは、5〜20モル%:80〜95モル%で含有する共重合体又はその変性物、より好ましくは、5〜19モル%:81〜95モル%で含有する共重合体又はその変性物、さらに好ましくは、10〜19モル%:81〜90モル%で含有する共重合体又はその変性物が挙げられる。この共重合体は、好ましくは、融解ピークが観測される共重合体である。融解ピークが観測されるとは、−100〜200℃の温度範囲における示差走査熱量測定(DSC)によって、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピーク又は結晶化熱量が1J/g以上の結晶化ピークが観測されることをいう。
エチレン由来の構造単位:プロピレン由来の構造単位:1−ブテン由来の構造単位を、好ましくは、1〜99モル%:99〜1モル%:99〜1モル%で含有する共重合体又はその変性物、より好ましくは、5〜80モル%:90〜2モル%:90〜1モル%で含有する共重合体又はその変性物、さらに好ましくは、10〜40モル%:85〜5モル%:60〜2モル%で含有する共重合体又はその変性物が挙げられる。この共重合体は、好ましくは、融解ピークが観測されない共重合体である。
これらの共重合体は、例えば、公知のシングルサイト触媒(メタロセン系等、例えば、特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報等参照)を用いて製造することができる(例えば、欧州特許公開第1211287号参照)。
また、上述したプロピレン−1−ブテン共重合体又はその変性物とエチレン−プロピレン共重合体又はその変性物とを、重量比で、好ましくは1〜99:99〜1、より好ましくは5〜95:95〜5、さらに好ましくは10〜90:90〜10でブレンドしたものであってもよい。
α−オレフィン系重合体の変性物としては、例えば、α,β−不飽和カルボン酸類による変性物が挙げられる。この場合の変性量は、α−オレフィンの重合体100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部、より好ましくは0.2〜4重量部である。
α,β−不飽和カルボン酸類としては、例えば、α,β−不飽和カルボン酸(マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等)、α,β−不飽和カルボン酸エステル(マレイン酸メチル、イタコン酸メチル、シトラコン酸メチル等)、α,β−不飽和カルボン酸無水物(無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等)が挙げられる。また、これらのα,β−不飽和カルボン酸類を組み合わせて使用してもよい。なかでも、α,β−不飽和カルボン酸無水物が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。
このような変性物は、α−オレフィン系重合体を溶融させた後、α,β−不飽和カルボン酸類等を添加して変性させる方法、α−オレフィン系重合体をトルエン、キシレンなどの溶媒に溶解した後、α,β−不飽和カルボン酸類等を添加して変性させる方法などの公知の方法が挙げられる。なお、変性物にα,β−不飽和カルボン酸無水物に由来する構造単位が含まれる場合、酸無水物基が保持されたものであっても、開環したものであってもよく、保持されたものと開環したものとの双方が含有されていてもよい。
なかでも、α−オレフィン系重合体としては、エチレンと、1種類以上の炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体又はこの共重合体の変性物、あるいはこれらの混合物であることが好ましい。
共重合可能なモノマーとしては、不飽和カルボン酸又はその無水物、α,β−不飽和カルボン酸の金属塩、α,β−不飽和カルボン酸エステル、ビニルエステル、ビニルエステル鹸化物、環状オレフィン、ビニル芳香族化合物、ポリエン化合物(ジエン類など)、(メタ)アクリロニトリル、ハロゲン化ビニル類、ハロゲン化ビリニデン類等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書では、アクリル酸とメタクリル酸とを総称して(メタ)アクリル酸、アクリレートとメタクリレートとを総称して(メタ)アクリレートという。
不飽和カルボン酸又はその無水物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、さらに、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。なかでもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。
α,β−不飽和カルボン酸の金属塩としては、(メタ)アクリル酸のナトリウム塩、マグネシウム塩が挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、さらに、メタクリル酸とアルコールとのエステル化物等が挙げられる。なかでも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが好ましい。
ビニルエステルとしては、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられる。なかでも、酢酸ビニルが好ましい。
ビニルエステル鹸化物としては、ビニルエステルを塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール等が挙げられる。
環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノルボルネン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロへプテン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
ビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。
ポリエン化合物としては、例えば、直鎖状又は分岐状の脂肪族共役ポリエン化合物、脂環式共役ポリエン化合物、脂肪族非共役ポリエン化合物、脂環式非共役ポリエン化合物、芳香族非共役ポリエン化合物等が挙げられる。これらは、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基等の置換基を有していてもよい。
脂肪族共役ポリエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3−ブタジエン、2−イソプロピル−1,3−ブタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、2−メチル−1,3−デカジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−オクタジエン、2,3−ジメチル−1,3−デカジエン等が挙げられる。
脂環式共役ポリエン化合物としては、例えば、2−メチル−1,3−シクロペンタジエン、2−メチル−1,3−シクロヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロヘキサジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−フルオロ−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ペンタジエン、2−クロロ−1,3−シクロペンタジエン、2−クロロ−1,3−シクロヘキサジエン等が挙げられる。
脂肪族非共役ポリエン化合物としては、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,5,9−デカトリエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、3,4−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、3−メチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,6−ヘプタジエン、4,4−ジメチル−1,6−ヘプタジエン、4−エチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエン、6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエン等が挙げられる。
脂環式非共役ポリエン化合物としては、例えば、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、2,5−ノルボルナジエン、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロペンタン、1,5−ジビニルシクロオクタン、1−アリル−4−ビニルシクロヘキサン、1,4−ジアリルシクロヘキサン、1−アリル−5−ビニルシクロオクタン、1,5−ジアリルシクロオクタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−4−ビニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−3−ビニルシクロペンタン、メチルテトラヒドロインデン等が挙げられる。
芳香族非共役ポリエン化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ビニルイソプロペニルベンゼン等が挙げられる。
共重合可能なモノマーとの共重合体の変性物としては、上述したように、例えば、α,β−不飽和カルボン酸類による変性物等が挙げられる。この場合の変性量は、共重合可能モノマーとの共重合体100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部、より好ましくは0.2〜4重量部である。
α−オレフィンと共重合可能なモノマーとの共重合体としては、具体的には、
(i) エチレン−酢酸ビニル共重合体、その鹸化物又は部分けん化物あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体の無水マレイン酸変性物、
(ii) エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、
(iii) エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート共重合体、
(iv) エチレン−ビニルシクロヘキサンなどのエチレン−脂環式α−オレフィン共重合体、
(v) エチレン−酢酸ビニル共重合体グリシジル(メタ)アクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体メチル(メタ)アクリレートなどのエチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重合体、
(vi) エチレン−エチル(メタ)アクリレート−無水マレイン酸共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート−無水マレイン酸共重合体、
(vii) エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート−メチル(メタ)アクリレート共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート−(メタ)アクリレート共重合体、
(viii) これらの金属塩の共重合体、および
(ix) 2種以上のこれら共重合体のブレンド等が挙げられる。
炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を有する重合体、特に、上記(i)〜(vii)の共重合体は、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.01〜500g/10分であるものが好ましく、より好ましくは0.01〜400g/10分である。
炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を有する重合体、特に、上記(i)〜(vii)の共重合体は、融点が、60〜200℃であるものが好ましく、60〜120℃がより好ましく、60〜110℃がさらに好ましい。この範囲の融点を有する重合体を用いる場合には、接着剤の被着体への浸透性又は密着性をより向上させることができる。
炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を有する重合体は、好ましくは、炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位と、この炭素数2〜20のα−オレフィンと異なる炭素数2〜20のα−オレフィン、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和カルボン酸無水物及び酢酸ビニルよりなる群から選ばれる1種以上のモノマーを由来とする構造単位を有する共重合体であり、より好ましくは、エチレン由来の構造単位と、炭素数3〜20のα−オレフィン、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和カルボン酸無水物及び酢酸ビニルよりなる群から選ばれる1種以上のモノマーを由来とする構造単位を有する共重合体であり、さらに好ましくは、エチレン由来の構造単位と、α,β−不飽和カルボン酸エステル及びα,β−不飽和カルボン酸よりなる群から選ばれる1種以上のモノマーを由来とする構造単位を有する共重合体である。
具体的には、好ましくは、(i) エチレン−酢酸ビニル共重合体、その鹸化物又は部分けん化物あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体の無水マレイン酸変性物、(ii) エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(iii) エチレン−(メタ)アクリレート共重合体、(v) エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重合体、(vi) エチレン−(メタ)アクリレート−無水マレイン酸共重合体、(vii) エチレン−(メタ)アクリレート−(メタ)アクリレート共重合体であり、より好ましくは、(ia) エチレン−酢酸ビニル共重合体、(ii) エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(iii) エチレン−(メタ)アクリレート共重合体、(v) エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重合体、(vi) エチレン−(メタ)アクリレート−無水マレイン酸共重合体である。これらのうち、特に、炭素数2〜20のα−オレフィン(より好ましくは、エチレン)由来の構造単位を含有する共重合体が好ましい。
接着剤において、重合体の含有量は、例えば、用いる重合体の種類、使用目的、得ようとする性能等により適宜調整することができる。例えば、接着剤の安定性を維持し、粘性を適度に保ち及び/又は良好な塗膜形成能、接着性を発現させる観点から、接着剤の全量に対して、好ましくは1〜60重量%であり、より好ましくは3〜60重量%、3〜50重量%であり、さらに好ましくは5〜55重量%である。
〈その他の樹脂〉
接着剤は、上述した炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を1種類以上有する重合体以外のその他の樹脂を含有していてもよい。
その他の樹脂としては、例えば、上述した重合体以外のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、AS樹脂等の重合体及び共重合体並びにそれらの変性物等の種々のものが挙げられる。これらは単独で又は2種以上をブレンドしてもよい。
また、粘着樹脂又は粘着付与剤としての機能を発揮する樹脂を使用してもよい。
このような樹脂としては、例えば、ロジン類、テルペン系樹脂、炭素数5の石油留分を重合した石油系樹脂及びこの水素添加樹脂、炭素数9の石油留分を重合した石油系樹脂及びこの水素添加樹脂、その他の石油系樹脂、クマロン樹脂並びにインデン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
具体的には、ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水添ロジン、マレイン化ロジン、フマル化ロジン及びこれらのグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、メチルエステル、トリエチレングリコールエステル、フェノール変性物およびそのエステル化物などのロジン類;テルペン重合体、テルペンフェノール、β−ピネン重合体、芳香族変性テルペン重合体、α−ピネン重合体、テルペン系水素添加樹脂などのテルペン系樹脂;炭素数5の石油留分を重合した石油系樹脂、炭素数9の石油留分を重合した石油系樹脂及びおよびこれらの水素添加樹脂;マレイン酸変性物並びにフマル酸変性物などの石油系樹脂;後述するポリイソシアネート化合物とポリオール化合物、さらに必要に応じて他の化合物とを反応させて得られるポリウレタン樹脂などが挙げられる。
なかでも、好ましくは、テルペン系樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。テルペン系樹脂は、YSレジンPX/PXN、YSポリスター、マイティエース、YSレジンTO/TR、クリアロンP/M/K(ヤスハラケミカル社製)、タマノル803L/901(荒川化学社製)、テルタック80(日本テルペン化学社製)等として市販されているもののいずれをも使用することができる。
ポリウレタン樹脂は、ポリウレタンが水中に分散された水性エマルションの形態のものが好ましい。つまり、ポリウレタンとしては、水溶性又は非水溶性のいずれでもよいが、非水溶性のものが好ましい。
通常、ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物、さらに必要に応じて他の化合物とを反応させて得ることができる。反応は、例えば、アセトン法、プレポリマーミキシング法、ケチミン法、ホットメルトディスパージョン法等の方法などが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、通常のポリウレタンの製造に使用される、分子内にイソシアネート基を2個以上有する有機ポリイソシアネート化合物が挙げられる。例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,6−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,3−ビス(イソシアネート)メチルシクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;2,4−トルイレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トルイレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、1,5’−ナフテンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ジフェニルメチルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;リジンエステルトリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−イソシアネート−4,4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチロールプロパンとトルイレンジイソシアネートとのアダクト体、トリメチロールプロパンと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとのアダクト体等のトリイソシアネート類などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオール化合物としては、通常のポリウレタンの製造に使用される、分子内に水酸基を2個以上有する化合物が挙げられる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオール類;アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸等のジカルボン酸類と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,3−プロパンジオール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等のポリオール化合物とから得られるポリエステルポリオール類;ポリカプロラクトンポリオール、ポリβ−メチル−δ−バレロラクトン等のポリラクトン系ポリエステルポリオール類;ポリブタジエンポリオール又はその水添物、ポリカーボネートポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリアクリル酸エステルポリオールなどが挙げられる。
ポリウレタン樹脂は、水中での分散安定性を向上させるために、分子内に親水基を有することが好ましい。親水基を分子内に含むポリウレタンは、アイオノマー構造とよばれ、それ自体に界面活性能力を有する。よって、水中に分散しやすい傾向があり、ポリウレタンの水性エマルションにさらにモノマーを乳化重合して得られる水性エマルションの耐水性を向上させる傾向がある。
親水性基としては、スルホニル基、カルボキシル基などのアニオン性基が好ましく、スルホニル基がより好ましい。モノマーを乳化重合して得られる水性エマルションの耐水性を一層向上させる傾向があるからである。
アニオン性基は、通常、中和剤によって中和されるのが好ましい。
中和剤としては、トリエチルアミン、トリエタールアミン等の3級アミン化合物;水酸化ナトリウム等の無機アルカリ化合物;アンモニアなどが挙げられる。
分子内に親水基を導入するために、ポリウレタンの製造時に、以下の化合物を使用することが好ましい。化合物としては、例えば、分子内にポリエチレングリコールに由来する構造単位等のノニオン性親水基を有し、かつ、スルホニル基、カルボキシル基、水酸基、一級アミノ基(−NH)、二級アミノ基(=NH)等の、イソシアネート基と反応性を有する活性水素を1個以上有する化合物(以下、「親水性基含有化合物」という場合がある)等が挙げられる。
親水性基含有化合物としては、例えば、3,4−ジアミノブタンスルホン酸、3,6−ジアミノ−2−トルエンスルホン酸、2,6−ジアミノベンゼンスルホン酸、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチルスルホン酸等のスルホン酸含有化合物;2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール吉草酸等のカルボン酸含有化合物等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリウレタン樹脂を水性エマルションとして製造する場合、必要に応じて鎖延長、分子量調節等を目的として、親水性基含有化合物とは異なる化合物であって、分子内にイソシアネート化合物と反応し得る活性水素を含有する化合物を併用してもよい。このような化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等の多価アミン化合物;トリエタノールアミン等の三級アミン含有多価アルコール類メタノール、エタノール、ブタノール等のモノアルコール類などが挙げられる。
ポリウレタン樹脂としては、市販のポリウレタン水性エマルション、市販の水溶性 ポリウレタン樹脂としては、市販のポリウレタン水性エマルション、市販の水溶性ウレタン樹脂をそのまま用いてもよい。
例えば、ポリウレタン樹脂を水に分散または溶解させた、ポリウレタン分散液(またはポリウレタン水溶液)が挙げられる。ポリウレタン分散液におけるポリウレタン樹脂の含有量は、約10〜70重量%が挙げられ、約20〜60重量%が好ましく、約30〜60重量%がより好ましく、約30〜55重量%がさらに好ましい。
ポリウレタン分散液は、さらにイソシアネート反応基を含有しない有機溶剤、例えば、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドン等を含有してもよい。有機溶剤の量は特に限定されるものではないが、ポリウレタン分散液中の不揮発分100重量部に対して0.1〜100重量部とすることができる。
水溶性ウレタン樹脂としては、例えば、住友バイエルウレタン(株)製;ディスパコールU−42、U−53、U−54、U−56、KA−8481、KA−8584、KA−8755、KA−8756、KA−8766、DIC(株)製;ハイドランHW−111、HW−311、HW−333、HW−350、HW−337、HW−374、AP−20、AP−60LM、AP−80、三洋化成工業(株)製;ユープレンUXA-306、UXA-307、パーマリンUA−150、パーマリンUA−200、パーマリンUA−300、パーマリンUA−310、ユーコートUWS−145、第一工業製薬(株)製;スーパーフレックス107M、110、126、130、150、160、300、361、370、410、420、460、700、750、820、ADEKA社製;アデカボンタイターHUX−401、HUX−420A、HUX−380、HUX−561、HUX−210、HUX−822、HUX−895、HUX−830等が挙げられる。
本発明で用いられる接着剤がその他の樹脂を含有する場合、その含有量は、接着剤全量に対して、好ましくは1〜99重量%であり、より好ましくは3〜99重量%であり、さらに好ましくは5〜90重量%である。
また、重合体:その他の樹脂(不揮発分重量比)は、好ましくは5:95〜95:5であり、より好ましくは5:95〜90:10であり、さらに好ましくは10:50〜80:20である。
これらの樹脂は、エマルションであってもよいし、炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を有する重合体と一緒に乳化してもよい。
〈界面活性剤〉
接着剤は、一般に乳化剤として作用する界面活性剤がさらに含まれていることが好ましい。そのような界面活性剤としては、カチオン性、アニオン性、両性及びノニオン性の界面活性剤が挙げられる。なかでも好ましくは、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤である。特に、式(I)の構造を有するものが好ましい。界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよいが、2種類以上を併用することが好ましい。なかでも、式(I)の構造を有する界面活性剤を、2種類以上併用することがより好ましい。
式(I)におけるXは、水素原子、−SOM(Mは水素原子、−NH又はアルカリ金属)、つまり、硫酸、硫酸塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム等のアルカリ金属塩等)等が挙げられるが、なかでも、好ましくは、水素原子、−SOH又は−SONHである。
2種類以上の界面活性剤の組み合わせとしては、Xが同じでn及び/又はmが異なるものを組み合わせてもよいが、n及び/又mが同じ又は異なって、Xが異なるものを組み合わせることが好ましい。具体的には、Xが水素原子と−SOHとの組み合わせ、水素原子と−SONHとの組み合わせ、−SOHと−SONHとの組み合わせが挙げられる。なかでも、水素原子と−SONHとの組み合わせが好ましい。
式(I)で表される界面活性剤としては、ラテムルAD−25(花王株式会社製)、下記式(A)で表されるラテムルE−1000A(花王株式会社製)、下記式(B)で表されるノイゲンEA−177(第一工業製薬株式会社製)等が挙げられる。
接着剤には、式(I)で表される界面活性剤以外の界面活性剤が含有されていてもよい。
例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、ドデシルトリメチルアンモニウム塩及びセチルトリメチルアンモニウム塩等のアルキルアンモニウム塩、セチルピリジウム塩及びデシルピリジウム塩等のアルキルピリジウム塩、オキシアルキレントリアルキルアンモニウム塩、ジオキシアルキレンジアルキルアンモニウム塩、アリルトリアルキルアンモニウム塩、ジアリルジアルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンプロピレンエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物やポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、通常、接着剤を構成する樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部であり、好ましくは0.1〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部である。
本発明で用いられる接着剤が、式(I)で表される界面活性剤以外の界面活性剤を含有する場合には、式(I)で表される界面活性剤と式(I)で表される界面活性剤以外の界面活性剤との合計含有量は、通常、接着剤を構成する樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部であり、好ましくは0.1〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部である。
式(A)で表される界面活性剤と式(B)で表される界面活性剤とを併用する場合には、重量比で、好ましくは1〜99:99〜1、より好ましくは5〜95:95〜5、さらに好ましくは10〜90:90〜10であり、特に、30:70〜90:10、40:60〜90:10、50:50〜90:10が挙げられる。
〈塩基性化合物〉
接着剤は、さらに、塩基性化合物を含有していることが好ましい。
塩基性化合物としては、カルボキシル基を中和できるものが好ましく、例えば、アンモニア、有機アミン化合物、金属水酸化物等が挙げられる。好ましくは、アンモニア又は有機アミン化合物である。特に、沸点が200℃以下の有機アミン化合物は、通常の乾燥によって容易に飛散させることができ、接着剤を用いて塗膜を形成する場合に、塗膜の耐水性、耐アルカリ性を維持/向上させることができ、好ましい。
有機アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等が挙げられる。なかでも、好ましくは、N,N−ジメチルエタノールアミン等である。
金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
接着剤が塩基性化合物を含有する場合、その含有量は、好ましくは、接着剤を構成する樹脂100重量部に対して、1〜30重量部であり、より好ましくは、2〜20重量部であり、さらに好ましくは2〜10重量部である。
〈溶剤〉
本発明で使用される接着剤は、溶剤を含有しないものが好ましいが、場合により、水に加えて、さらに、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;メタノ−ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール系溶媒、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、MTBE(メチルターシャリーブチルエーテル)、ブチルカルビトール等のセルソルブ系溶媒、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル,3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のグリコール系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエステル系溶媒;等の有機溶剤を含有していてもよい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる接着剤が溶剤を含有する場合、その含有量は、接着剤を構成する樹脂100重量部に対して、通常、0.01〜30重量部、好ましくは0.01〜20重量部、より好ましくは0.01〜10重量部である。
〈その他の成分〉
本発明で使用される接着剤には、通常、水が含まれる。さらに、接着剤の意図する特性を損なわない範囲で必要に応じて、フェノール系安定剤、フォスファイト系安定剤、アミン系安定剤、アミド系安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、沈降防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤などの安定剤;揺変剤、増粘剤、分散剤、消泡剤、粘度調整剤、耐候剤、顔料、顔料分散剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難燃剤、油剤、染料、硬化剤、架橋剤などの添加剤;酸化チタン(ルチル型)、酸化亜鉛などの遷移金属化合物、カーボンブラック等の顔料;ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、ウオラストナイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、ガラスフレーク、硫酸バリウム、クレー、カオリン、微粉末シリカ、マイカ、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミナ、セライトなどの無機、有機の充填剤等の任意成分を含有していてもよい。
(水)
本発明で用いられる接着剤に含まれる水は、一般に、水道水、イオン交換水等が用いられる。また、接着剤の安定性をより高めるために、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの水溶性樹脂を添加してもよい。
水の含有量は、例えば、接着剤の全量に対して20重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは45重量%以上であり、また、好ましくは85重量%以下、より好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは70重量%以下である。
(増粘剤)
増粘剤は、配合物の粘性調整のために使用することができる。増粘剤としてはADEKA(株)社製;アデカノールUH−140S、UH−420、UH−438、UH−450VF、UH−462、UH−472、UH−526、UH−530、UH−540、UH−541VF、UH−550、UH−752、H−756VF、サンノプコ社製;SNシックナー920、922、924、926、929−S、A−801、A−806、A−812、A−813、A−818、621N、636、601、603、612、613、615、618、621N、630、634、636、4050等が挙げられる。
(分散剤)
分散剤は、塗工基材の濡れ性改善のために使用することができる。分散剤としては、ADEKA(株)社製;アデカコールW−193、W−287、W−288、W−304、BYK社製;BYK−333、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−378、サンノプコ社製;ノプコウェット50、SNウェット366、ノプコ38−C、SNディスパーサンド5468、5034、5027、5040、5020等が挙げられる。
(硬化剤)
硬化剤としては、例えば、イソシアネート系の硬化剤であるジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)及びこれらのオリゴマー又はポリマーが挙げられる。具体的には、住化バイエルウレタン製のスミジュール44V20、スミジュールN3200、N3300、N3400、N3600、N3900、S−304、S−305、XP−2655、XP−2487、XP−2547等が挙げられる。
硬化剤は、接着剤を構成する樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.1〜10重量部がより好ましい。硬化剤は、有機溶剤に溶解して添加してもよい。
<接着剤の製造方法>
接着剤の製造方法としては、当該分野で公知の方法、例えば、樹脂を重合した後にその樹脂を水性媒体中に分散させる後乳化法(例えば、強制乳化法、自己乳化法、転相乳化法など)等が挙げられる。
具体的には、(1)反応器に、乳化する樹脂及び溶剤を投入し、攪拌、加熱溶解し、これに界面活性剤、水及び/又は溶剤を投入し、加熱及び攪拌し、この前後にさらに任意に水及び/又は溶剤を投入して攪拌する方法、(2)混練機に、乳化する樹脂、任意に溶剤を投入し、攪拌、加熱溶融し、これに界面活性剤、水及び/又は溶剤を投入し、加熱及び攪拌し、この前後にさらに任意に水及び/又は溶剤を投入して攪拌する方法等が挙げられる。ただし、(1)及び(2)の方法のいずれにおいても、少なくとも1回水が投入される。
上述した(1)の製造方法において、反応器としては、加熱可能な加熱装置と、内容物に対して剪断力等を与えることができる撹拌機とを備えた容器(好ましくは、密閉及び/又は耐圧容器)が用いられる。
撹拌機は、通常のものを用いることができる。このような耐圧容器としては、例えば、撹拌機付耐圧オートクレーブ等が挙げられる。攪拌は、例えば、常圧又は減圧のいずれで行なってもよい。また、撹拌機の回転数は、例えば、50〜1000rpm程度の回転数で行なうことができる。必要に応じて、接着剤の分散/攪拌が進むにつれて、回転数を上げることが好ましい。
加熱は、通常、50〜200℃、好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは70〜100℃で行う。
攪拌した後、得られた分散体から溶剤留去(好ましくは、減圧又は加圧留去)することが好ましい。ここでの留去の方法は、当該分野で公知の方法を利用することができる。減圧又は加圧の程度は、±0.001〜1MPa程度が挙げられ、±0.001〜0.5MPa程度が好ましい。
上述した(2)の製造方法において、混練器としては、例えば、ロールミル、ニーダー、押出機、インクロール、バンバリーミキサー等が挙げられる。特に、スクリューを1本又は2本以上ケーシング内に有する押出機又は多軸押出機を用いてもよい。
押出機を用いて乳化する方法としては、乳化する樹脂、界面活性剤を混合し、これを押出機のホッパー又は供給口より連続的に供給し、これを加熱溶融混練し、さらに押出機の圧縮ゾーン、計量ゾーン及び脱気ゾーン等に設けられた少なくとも1つの供給口より、水を供給し、スクリューで混練した後、ダイから連続的に押出す。
なお、接着剤の製造過程において、上記以外の成分、その他の樹脂、消泡剤、粘度調整剤等の上述したその他の成分を、任意の時点で適宜添加することが好ましい。
また、接着剤の製造工程において、界面活性剤は、所望の範囲内で使用することが好ましいが、界面活性剤を過剰に用いた場合には、任意に、得られた接着剤から過剰の界面活性剤を分離除去してもよい。界面活性剤の分離除去は、例えば、遠心分離機、平均細孔径が接着剤の平均粒子径よりも小さい細孔を有する濾過フィルター(好ましくは、0.05〜0.5μmの平均細孔径を有する精密濾過膜)または限外濾過膜などを用いる方法が挙げられる。
さらに、得られた接着剤は、冷却することが好ましい。これにより、樹脂組成物の微細な粒子を含む接着剤が得られる。冷却は、特に低温にする必要はなく、常温に放置する方法が挙げられる。これにより、冷却過程で樹脂等が凝集することなく、微細で均質な接着剤を得ることができる。
接着剤に含まれる分散質の粒径は、個数基準で、通常10μm以下であり、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.01〜2μm、さらに好ましくは0.01〜1μmであり、静置安定性が良好である。
ここで個数基準の粒径とは、個数基準で積算粒子径分布の値が50%に相当する粒子径であり、体積基準メジアン径とは、体積基準で積算粒子径分布の値が50%に相当する粒子径である。特に断りがない限りは個数基準で測定したメジアン径の値を意味する。
また、必要に応じて、例えば、種々の孔径を有するフィルター等を用いてろ過等してもよい。
複数種類の分散質が接着剤に含まれる場合(例えば、α−オレフィン由来の構造単位を有する重合体及びポリウレタン樹脂など)、各分散質の粒径は、同程度であることが好ましい。同程度としては、例えば、α−オレフィン由来の構造単位を有する重合体の粒径の±50%以内が好ましく、±30%以内がより好ましい。
本発明の積層構造では、前記重合体が、
炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位と、炭素数2〜20のα−オレフィンと異なる炭素数2〜20のα−オレフィン、α、β−不飽和カルボン酸エステル、α、β−不飽和カルボン酸無水物、酢酸ビニルよりなる群から選ばれる1種以上のモノマーを由来とする構造単位とを有する共重合体、
エチレン由来の構造単位と、炭素数3〜20のα−オレフィン、α、β−不飽和カルボン酸エステル及びα、β−不飽和カルボン酸無水物、酢酸ビニルよりなる群から選ばれる1種以上のモノマーを由来とする構造単位とを有する共重合体、
エチレン由来の構造単位と、α、β−不飽和カルボン酸エステル及びα、β−不飽和カルボン酸よりなる群から選ばれる1種以上のモノマーを由来とする構造単位とを有する共重合体、
エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体等のα−オレフィン系共重合体又はその変性物;あるいはこれらの2種以上の混合物、
エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体等のα−オレフィン系共重合体又はその無水マレイン酸変性物;あるいはこれらの2種以上の混合物、
α−オレフィンと酢酸ビニルとの共重合体又はその変性物;あるいはこれらの2種以上の混合物、
α−オレフィンと(メタ)アクリレートとα,β−カルボン酸との共重合体又はその変性物;あるいはこれらの2種以上の混合物、及び
α−オレフィンと(メタ)アクリレートと無水マレイン酸との共重合体又はその変性物;あるいはこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の積層構造では、前記重合体が、60〜110℃の融点を有することが好ましい。
本発明の積層構造では、接着層が、さらに、ポリウレタン樹脂又は非水溶性のポリウレタン樹脂を含有することが好ましい。
本発明の積層構造では、接着層が、さらに、テルペン重合体、テルペンフェノール、β−ピネン重合体、芳香族変性テルペン重合体、α−ピネン重合体、テルペン系水素添加樹脂からなる群から選択されるテルペン系樹脂を含有することが好ましい。
本発明の積層構造では、接着層が、さらに、ポリウレタン樹脂と、テルペン重合体、テルペンフェノール、β−ピネン重合体、芳香族変性テルペン重合体、α−ピネン重合体、テルペン系水素添加樹脂からなる群から選択されるテルペン系樹脂とを含有することが好ましい。
本発明の積層構造では、接着層が、さらに、ポリウレタン樹脂とテルペンフェノール又は非水溶性のポリウレタン樹脂とテルペンフェノールとを含有することが好ましい。
本発明の積層構造では、接着層が、さらに、イソシアネートを含有することが好ましい。
本発明の積層構造では、接着層が、さらに、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)及びこれらのオリゴマー又はポリマーからなる群から選択されるイソシアネートを含有することが好ましい。
本発明の積層構造では、接着層が、水性エマルションを構成する全樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部、0.1〜20重量部又は0.1〜10重量部の前記界面活性剤を含むことが好ましい。
本発明の積層構造では、接着層が、式(A)で表される界面活性剤と式(B)で表される界面活性剤とを、質量比で、1〜99:99〜1、5〜95:95〜5、10〜90:90〜10、30:70〜90:10、40:60〜90:10又は50:50〜90:10で含むことが好ましい。
本発明の積層構造では、熱可塑性樹脂の重合の後、該樹脂が水性媒体中に分散させられた後乳化法、強制乳化法、自己乳化法又は転相乳化法によって得られた接着剤によって接着増が形成されているものであることが好ましい。
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。例中の部及び%は、特に断らないかぎり重量基準を意味する。
以下の実施例において、物性測定は以下の方法で行った。
(1)重合体の構造単位含有率
核磁気共鳴装置(Bruker社製 商品名AC−250)を用いて、下記条件にて測定した1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトルの測定結果に基づき算出した。具体的には、13C−NMRスペクトルにおいて、プロピレンに由来する構造単位のメチル炭素のスペクトル強度と1−ブテンに由来する構造単位のメチル炭素のスペクトル強度との比からプロピレンに由来する構造単位と1−ブテンに由来する構造単位の組成比を算出し、次に、1H−NMRスペクトルにおいて、メチン単位とメチレン単位由来の水素のスペクトル強度とメチル単位由来の水素のスペクトル強度との比から、エチレンに由来する構造単位とプロピレンに由来する構造単位と1−ブテンに由来する構造単位との組成比を算出した。
13C−NMR(Hデカップリング)
13C周波数:150.9MHz
パルス幅:6.00μ秒
パルス繰り返し時間:4.0秒
積算回数:256回
測定温度:137℃
溶媒:オルトジクロロベンゼン−d4(濃度 約20%)
(2)極限粘度[η]
135℃において、ウベローデ粘度計を用いて行った。テトラリン単位体積あたりの重合体の濃度cが、0.6、1.0、1.5mg/mlである重合体のテトラリン溶液を調整し、135℃における極限粘度を測定した。それぞれの濃度で3回繰り返し測定し、得られた3回の値の平均値をその濃度での比粘度(ηsp)とし、ηsp/cのcをゼロ外挿した値を極限粘度[η]として求めた。
(3)分子量分布
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法によって、下記の条件で測定を行った。
装置:東ソー社製 HLC−8121GPC/HT
カラム:東ソー社製 TSKgel GMHHR−H(S)HT 4本
温度:145℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン
溶出溶媒流速:1.0ml/分
試料濃度:1mg/ml
測定注入量:300μl
分子量標準物質:標準ポリスチレン
検出器:示差屈折
(4)結晶融解ピーク及び結晶化ピーク
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製DSC220C:入力補償DSC)を用い以下の条件で測定した。
(i)試料約5mgを室温から30℃/分の昇温速度で200℃まで昇温し、昇温完了後、5分間保持した。
(ii)次いで、200℃から10℃/分の降温速度で−100℃まで降温し、降温完了後、5分間、保持した。この(ii)で観察されるピークが結晶化ピークであり、ピーク面積が1J/g以上の結晶化ピークの有無を確認した。
(iii)続いて、−100℃から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した。この(iii)で観察されるピークが結晶の融解ピークであり、ピーク面積が1J/g以上の融解ピークの有無を確認した。
(5)メルトフローレート(MFR)
JIS−K−7210に従い、測定を行った。
(6)変性量
無水マレイン酸の変性量は、サンプル1.0gをキシレン20mlに溶解させ、サンプルの溶液をメタノール300mlに攪拌しながら滴下してサンプルを再沈殿させて回収したのち、回収したサンプルを真空乾燥した後(80℃、8時間)、熱プレスにより厚さ100μmのフィルムを作製し、得られたフィルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1780cm−1付近の吸収より無水マレイン酸変性量を定量した。
(7)不揮発分
JIS K−6828に準じた測定方法で行った。
(8)水性エマルションの粒子径
HORIBA製作所製、レーザー回折粒子径測定装置LA−950V2で測定した値である。特に断りがない限り、粒子径は、個数基準で測定したメジアン径の値である。
<共重合体(B−1−1)の製造例>
アルゴンで置換したSUS製リアクター中にビニルシクロへキサン(以下、VCHと記載する場合がある)386部とトルエン3640部を投入した。50℃に昇温後、エチレンを0.6MPaで加圧しながら仕込んだ。トリイソブチルアルミニウム(TIBA)のトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製TIBA濃度 20%]10部を仕込み、つづいてジエチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド 0.001部を脱水トルエン 87部に溶解したものと、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート 0.03部を脱水トルエン 122部に溶解したものを投入し2時間攪拌した。得られた反応液をアセトン 約10000部中に投じ、沈殿した白色固体を濾取した。該固体をアセトンで洗浄後、減圧乾燥した結果、共重合体(B−1−1)300部を得た。該共重合体の[η]は0.48dl/gで、Mnは15,600、分子量分布(Mw/Mn)は2.0、融点(Tm)は57℃、ガラス転移点(Tg)は−28℃、共重合体におけるVCH単位の含有率は13モル%であった。
<共重合体(B−1−2)の製造例>
得られた共重合体(B−1−1)共重合体100部に、無水マレイン酸0.4部、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0.04部を添加して十分に予備混合後に二軸押出機の供給口より供給して溶融混練を行い、共重合体(B−1−2)を得た。なお、押出機の溶融混練を行う部分の温度は、溶融混練を前半と後半の二段階に分け、前半は180℃、後半は260℃と温度設定にして溶融混練を行った。共重合体(B−1−2)のマレイン酸グラフト量は0.2%、MFRは180g/10分(190℃、荷重:2.16kgf)であった。
<共重合体(B−2−2)の製造例>
容量1lのセパラブルフラスコ反応器に、攪袢器、温度計、滴下ロート、還流冷却管をつけて、反応器内の気体を窒素で置換した。ここに溶媒としてキシレン600部、重合体(B−2−1)[エチレン・プロピレン共重合体(クラリアントジャパン株式会社製LICOCENE PP1602、エチレン:プロピレン=15mol%:85mol%)]100部、無水マレイン酸50部、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(スミライザーGP、住友化学製)1部を入れ140℃に加熱、撹拌し、溶液を得た後、ジ−tertブチルパーオキサイド2部を添加し、5時間同温度で攪拌を続けて反応を行った。なお、加熱はオイルバスを用いた。反応終了後、内容物を室温まで下げ、アセトン1000部に投じ、沈殿した白色固体を濾取した。該固体をアセトンで洗浄後、減圧乾燥した結果、無水マレイン酸で変性して得られる重合体(B−2−2)を得た。得られた重合体のMwは45362、Mnは23354、分子量分布(Mw/Mn)は1.9、マレイン酸変性量は0.93%であった。
また重合体(B−2−1)は、−100〜200℃の温度範囲に、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピーク及び結晶化熱量が1J/g以上の結晶化ピークが観測された。
<共重合体(B−2−4)の製造例>
重合体(B−2−3)[エチレン・プロピレン共重合体(クラリアントジャパン株式会社製LICOCENE PP2602、エチレン:プロピレン=13mol%:87mol%)]を用いる以外は、重合体(B−2−2)の製造例と同様にして、無水マレイン酸で変性して得られる重合体(B−2−4)を得た。得られた重合体のMwは55115、Mnは25836、分子量分布(Mw/Mn)は2.2、マレイン酸変性量は0.84%であった。
また重合体(B−2−3)は、−100〜200℃の温度範囲に、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピーク及び結晶化熱量が1J/g以上の結晶化ピークが観測された。
<共重合体(B−3−1)の製造例>
容量2lのセパラブルフラスコ反応器に、攪袢器、温度計、滴下ロート、還流冷却管をつけて減圧にしたのち、反応器内の気体を窒素で置換した。このフラスコに乾燥したトルエン1lを重合溶媒として導入した。ここにプロピレン8NL/min、1−ブテン0.5NL/minを常圧にて連続フィードし、溶媒温度を30℃とした。トリイソブチルアルミニウム(以後TIBAという場合がある)1.25mmolを反応器に添加した後、重合触媒としてジメチルシリル(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド0.005mmolを反応器に添加した。その15秒後にトリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.025mmolを反応器に添加し、重合を開始した。30分間の重合の結果、プロピレン含有量が96mol%のプロピレン−1−ブテン共重合体(B−3−1)155.8gが得られた。得られた重合体の極限粘度[η]は2.1dl/gで、分子量分布(Mw/Mn)は2.5であった。また−100〜200℃の温度範囲に、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピーク及び結晶化熱量が1J/g以上の結晶化ピークのいずれもが観測されなかった。
<共重合体(B−3−2)の製造例>
重合体(B−3−1)を用いる以外は、重合体(B−2−2)の製造例と同様にして、無水マレイン酸で変性された重合体(B−3−2)を得た。得られた重合体のMwは49043、Mnは14267、分子量分布(Mw/Mn)は3.4、マレイン酸変性量は1.79%であった。
<水性エマルションの製造例1>
攪拌機、温度計、還流冷却管を備えた容器2lのセパラブルフラスコ反応容器に、溶媒としてトルエン200部、共重合体として重合体(B−1−2)100部を入れ、80℃にて攪拌、溶解した。次いで、界面活性剤として、ラテムルE−1000A(30%水溶液、花王株式会社製)17部、ノイゲンEA−177(第一工業製薬株式会社製)5部、イソプロパノール5部の混合液を10分間かけて滴下した。さらに5分間攪拌後、ジメチルエタノールアミン5部を投入し、さらに5分間攪拌した。
次いで、攪拌装置をTKロボミクス(株式会社PRIMIX製)に変更し、本反応混合物をディスパー翼にて攪拌しながら、イソプロパノール100部、イオン交換水100部の混合液を30分間かけて滴下した。反応混合物に流動性が認められた時点で、攪拌羽根をホモミキサーに変更し、さらに攪拌しながらイオン交換水300部を滴下し、乳白色の分散体を得た。
得られた分散体を2Lナスフラスコに投入し、エバポレーターにて減圧留去を行い、200メッシュナイロン網にて濾過し、重合体(B−1−2)及び界面活性剤を含む水性エマルションを得た。得られた水性エマルション(E−1)の粒径(個数基準)は0.61μm、不揮発分濃度は36%であった。
<水性エマルションの製造例2>
共重合体として重合体(B−2−1)100部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルションを製造した。得られた水性エマルション(E−2)の粒径(個数基準)は0.25μm、不揮発分濃度は38%であった。
<水性エマルションの製造例3>
共重合体として重合体(B−2−2)100部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルションを製造した。得られた水性エマルション(E−3)の粒径(個数基準)は0.22μm、不揮発分濃度は39%であった。
<水性エマルションの製造例4>
共重合体として重合体(B−2−3)100部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルションを製造した。得られた水性エマルション(E−4)の粒径(個数基準)は0.21μm、不揮発分濃度は36%であった。
<水性エマルションの製造例5>
共重合体として重合体(B−2−4)100部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルションを製造した。得られた水性エマルション(E−5)の粒径(個数基準)は0.13μm、不揮発分濃度は36%であった。
<水性エマルションの製造例6>
共重合体として重合体(B−3−2)100部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルションを製造した。得られた水性エマルション(E−6)の粒径(個数基準)は0.33μm、不揮発分濃度は34%であった。
<水性エマルションの製造例7>
共重合体として重合体(B−2−2)50部、重合体(B−3−2)50部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルションを製造した。得られた水性エマルション(E−7)の粒径(個数基準)は0.21μm、不揮発分濃度は35%であった。
<水性エマルションの製造例8>
共重合体として重合体(B−4−1)[BONDINE HX8140(ARKEMA社製)]100部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルションを製造した。得られた水性エマルション(E−8)の粒径(個数基準)は0.09μm、不揮発分濃度は40%であった。
<水性エマルションの製造例9>
共重合体として重合体(B−4−2)[BONDINE AX8390(ARKEMA社製)]100部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルションを製造した。得られた水性エマルション(E−9)の粒径(個数基準)は0.11μm、不揮発分濃度は42%であった。
<水性エマルションの製造例10>
重合体(B−1−2)100部に代えて、重合体(B−4−2)67部、粘着樹脂(テルペンフェノール、タマノル803L、荒川化学社製)33部を用いる以外は<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルション(E−10)を製造した。得られた水性エマルションの粒径(個数基準)は0.10μm、不揮発分濃度は41%であった。
<水性エマルションの製造例11>
共重合体として重合体(B−4−3)[BONDINE HX8290(ARKEMA社製)]100部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルション(E−11)を製造した。得られた水性エマルションの粒径(個数基準)は0.18μm、不揮発分濃度は39%であった。
<水性エマルションの製造例12>
重合体(B−1−2)100部に代えて、重合体(B−4−3)50部、粘着樹脂(テルペンフェノール、タマノル803L、荒川化学社製)50部を用いる以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルション(E−12)を製造した。得られた水性エマルションの粒径(個数基準)は0.20μm、不揮発分濃度は33%であった。
<水性エマルションの製造例13>
共重合体として重合体(B−4−4)[BONDINE LX4110(ARKEMA社製)]100部用い、反応温度を90℃とする以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルション(E−13)を製造した。得られた水性エマルションの粒径(個数基準)は0.08μm、不揮発分濃度は44%であった。
<水性エマルションの製造例14>
重合体(B−1−2)100部に代えて、重合体(B−4−4)75部、粘着樹脂(テルペンフェノール、タマノル803L、荒川化学社製)25部を用い、反応温度を90℃とする以外は、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルション(E−14)を製造した。得られた水性エマルションの粒径(個数基準)は0.20μm、不揮発分濃度は34%であった。
<水性エマルション(E−15)>
エチレン/メタクリル酸共重合体の水性エマルション(AC−3100、中央理化工業株式会社製)(E−15)。この水性エマルションの粒径は、0.7μm、不揮発分濃度は45%であった。
<水性エマルション(E−16)>
エチレン・酢酸ビニル(EVA)共重合体の水性エマルション(HA−1100、中央理化工業株式会社製)(E−16)。この水性エマルションの粒径は、0.8μm、不揮発分濃度は45%であった。
<水性エマルション(E−17)>
EVA共重合体の水性エマルション(EC−1800、中央理化工業株式会社製)(E−17)。この水性エマルションの粒径は、1.7μm、不揮発分濃度は45%であった。
<水性エマルション(E−18)>
エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体の水性エマルション(セポルジョンG415、住友精化株式会社製)(E−18)。この水性エマルションの粒径は、1.7μm、不揮発分濃度は50%であった。
<水性エマルションの製造例19>
水性エマルション(E−18)とテルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−19)を製造した。
<水性エマルション(E−20)>
エチレン/酢酸ビニル共重合体の水性エマルション(スミカフレックス400HQ、住友化学株式会社製)(E−20)。この水性エマルションの粒径は、0.7μm、不揮発分濃度は55%であった。
<水性エマルションの製造例21>
水性エマルション(E−20)とテルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−21)を製造した。
<水性エマルション(E−22)>
エチレン/酢酸ビニル共重合体の水性エマルション(スミカフレックス401HQ、住友化学株式会社製)(E−22)。この水性エマルションの粒径は、0.8μm、不揮発分濃度は55%であった。
<水性エマルションの製造例23>
水性エマルション(E−22)とテルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−23)を製造した。
<水性エマルション(E−24)>
エチレン/酢酸ビニル共重合体の水性エマルション(スミカフレックス408HQE、住友化学株式会社製)(E−24)。この水性エマルションの粒径は、0.9μm、不揮発分濃度は50%であった。
<水性エマルションの製造例25>
水性エマルション(E−24)とテルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−25)を製造した。
<水性エマルション(E−26)>
エチレン/酢酸ビニル共重合体の水性エマルション(スミカフレックス500、住友化学株式会社製)(E−26)。この水性エマルションの粒径は、0.7μm、不揮発分濃度は55%であった。
<水性エマルションの製造例27>
水性エマルション(E−26)とテルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−27)を製造した。
<水性エマルションの製造例28>
水性エマルション(E−11)と、テルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−28)を製造した。
<水性エマルションの製造例29>
水性エマルション(E−9)と、テルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−29)を製造した。
<水性エマルションの製造例30>
水性エマルション(E−8)と、テルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−30)を製造した。
<水性エマルション(E−31)>
エチレン/酢酸ビニル/特殊エステル共重合体の水性エマルション(スミカフレックス950HQ、住友化学株式会社製)(E−31)。この水性エマルションの粒径は、0.6μm、不揮発分濃度は52%であった。
<水性エマルションの製造例32>
水性エマルション(E−31)とテルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−32)を製造した。
<水性エマルションの製造例33>
重合体(B−1−2)100部に代えて、プロピレン・ブチレン共重合体(B−3−2)50部及びエチレン・プロピレン共重合体(B−2−4)50部を用いる以外、<水性エマルションの製造例1>と同様に水性エマルション(E−33)を製造した。得られた水性エマルション(E−33)の粒径は0.2μm(個数基準)、不揮発分は34%であった。
<水性エマルションの製造例34>
水性エマルション(E−13)とテルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)とを不揮発分比で67部:33部になるように配合して水性エマルション(E−34)を製造した。
<水性エマルションの製造例35>
ラボプラストミルマイクロ(東洋精機製)のセル内の温度を95℃に設定した。このセル内に共重合体(B−1−2)3.12gを封入し、毎分300回転で3分間攪拌した。この時の最高剪断速度は1173秒−1であった。その後、乳化剤としてオキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体(重量平均分子量15500:プルロニックF108:旭電化(株)製)0.46gを水0.21gとともに添加し、セル内の温度を95℃に保ちながら、さらに、毎分300回転で3分間混練した(剪断速度1173秒−1)。混練した後、内容物を取り出し、約70℃の温水を入れた容器内で攪拌、分散させ、分散質の体積基準メジアン径が0.43μmの水性エマルション(E−35)を得た。
<水性エマルションの製造例36〜38>
表1に示す共重合体と界面活性剤とを表1に示す重量比で用いて、実質的に<水性エマルションの製造例1>と同様にエマルション(E−36)〜(E−38)を得た。
表1における共重合体及び界面活性剤は以下のとおりである。
共重合体U1:エチレン−アクリル酸−無水マレイン酸ターポリマー(BONDINE HX8290、ARKEMA社製、融点:81℃)
共重合体U2:エチレン−アクリル酸−無水マレイン酸ターポリマー(BONDINE LX4110、ARKEMA社製、融点:107℃)
共重合体U3:エチレン−アクリル酸−無水マレイン酸ターポリマー(BONDINE HX8210、ARKEMA社製、融点:100℃)
界面活性剤1:上記式(A)で表される化合物(ラテムルE−1000A、30%水溶液、花王株式会社製)
界面活性剤2:上記式(B)で表される化合物(ノイゲンEA−177、第一工業製薬株式会社製)
<水性エマルションの製造例39>
水性エマルション(E−36)、テルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)、ポリウレタンエマルション(SBU社製、ディスパコールU−54)、イソシアネート(SBU社製、デスモジュールN3300)を不揮発分比で100部:100部:100部:5部になるように配合して水性エマルション(E−39)を得た。
<水性エマルションの製造例40>
水性エマルション(E−36)、テルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)、ポリウレタンエマルション(SBU社製、ディスパコールU−54)、イソシアネート(SBU社製、デスモジュールN3300)を不揮発分比で100部:100部:200部:10部になるように配合して水性エマルション(E−40)を得た。
<水性エマルションの製造例41>
水性エマルション(E−36)、テルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)、ポリウレタンエマルション(SBU社製、ディスパコールU−54)、イソシアネート(SBU社製、デスモジュールN3300)を不揮発分比で100部:100部:1600部:41部になるように配合して水性エマルション(E−41)を得た。
<水性エマルションの製造例42>
水性エマルション(E−36)、テルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)、ポリウレタンエマルション(SBU社製、ディスパコールU−54)、イソシアネート(SBU社製、デスモジュールN3300)を不揮発分比で100部:100部:100部:15部になるように配合して水性エマルション(E−42)を得た。
<水性エマルションの製造例43>
水性エマルション(E−36)、テルペンフェノールの水性エマルション(タマノルE−200NT、荒川化学社製)、ポリウレタンエマルション(SBU社製、ディスパコールU−54)、イソシアネート(SBU社製、デスモジュールN3300)を不揮発分比で100部:100部:200部:20部になるように配合して水性エマルション(E−43)を得た。
<水性エマルションの製造例44>
ポリウレタンエマルション(SBU社製、ディスパコールU−54)、イソシアネート(SBU社製、デスモジュールN3300)を不揮発分比で100部:5部になるように配合して水性エマルション(E−44)を得た。
<水性エマルションの製造例45>
水性エマルション(E−36)、ポリウレタンエマルション(SBU社製、ディスパコールU−54)、イソシアネート(SBU社製、デスモジュールN3300)を不揮発分比で100部:100部:5部になるように配合して水性エマルション(E−45)を得た。
<水性エマルションの製造例46>
水性エマルション(E−36)、ポリウレタンエマルション(SBU社製、ディスパコールU−54)、イソシアネート(SBU社製、デスモジュールN3300)を不揮発分比で100部:200部:10部になるように配合して水性エマルション(E−46)を得た。
<水性エマルションの製造例47〜63>
表2及び表3示す共重合体と界面活性剤とを表2及び表3に示す重量比で用いて、実質的に<水性エマルションの製造例1>と同様にして水性エマルション(E−47)〜(E−63)を得た。
表中における共重合体及び界面活性剤は以下のとおりである。
共重合体P1:C(エチレン)/EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)/MAH(無水マレイン酸)共重合体(OREVAC T9314、ARKEMA社製)
共重合体P2:C/EVA/MAH共重合体(OREVAC T9318、ARKEMA社製)
共重合体Q1:MAH変性−EVA(OREVAC G18211、ARKEMA社製)
共重合体R1:EVA部分けん化物(メルセン H6051、東ソー(株)製)
共重合体R2:EVA部分けん化物(メルセン H6410M、東ソー(株)製)
共重合体R3:EVA部分けん化物(メルセン H6820、東ソー(株)製)
共重合体R4:EVA部分けん化物(メルセン H6822X、東ソー(株)製)
共重合体R5:EVA部分けん化物(メルセン H6960、東ソー(株)製)
共重合体S1:EVA(EVATATE KA−40、住友化学工業(株)製)
共重合体T1:熱減成ポリエチレン(UMX2000、三洋化成工業(株)製)
共重合体U1:エチレン−アクリル酸−無水マレイン酸ターポリマー(BONDINE HX8290、ARKEMA社製)
共重合体U2:エチレン−アクリル酸−無水マレイン酸ターポリマー(BONDINE LX4110、ARKEMA社製)
界面活性剤1:上記式(A)で表される化合物(ラテムルE−1000A、30%水溶液、花王株式会社製)
界面活性剤2:上記式(B)で表される化合物(ノイゲンEA−177、第一工業製薬株式会社製)
粘着樹脂1:テルペンフェノール(タマノル803L、荒川化学社製)
<水性エマルション(E−64)>
エチレン/酢酸ビニル/特殊エステル共重合体の水性エマルション(スミカフレックス950HQ、住友化学株式会社製)(E−64)。この水性エマルションの粒径は、0.8μm、不揮発分濃度は55%であった。
上記水性エマルションの製造例で得られた水性エマルションについて、以下の試験を行なった。
<5日間静置安定性>
上記水性エマルションの製造例で得られた水性エマルションについて、以下の試験を行なった。
得られた水性エマルションを250mLポリ容器に入れ、室温にて5日間静置した後に外観の変化を観察した。評価基準は下記の通りとした。その結果を表4及び表5に示す。
○:凝集や沈殿、相分離が認められず、良好な状態であった。
×:凝集や沈殿、相分離が発生した。
<積層構造の製造例1>
水性エマルション(E−28)(不揮発分比)に、増粘剤としてアデカノールUH−420(ADEKA社製)を、分散剤としてノプコウェット50(サンノプコ社製)を、表6に記載の量(不揮発分比)を添加してスリーワンモーターで攪拌して、水性接着剤を得た。
得られた水性接着剤を、ガラス棒を用いて、綿100%の帆布に塗布(塗布量:約60g/m)し、20分間自然乾燥し、得られた帆布を電子レンジ(panasonic社製、NE-EH212、周波数2.45GHz)に入れ、750Wで30秒間電磁波処理した。
綿帆布及びナイロン6又はナイロン66基材の各々に、得られた水性接着剤を塗布(綿帆布塗布量:約40g/m、ナイロン6又はナイロン66基材塗布量:約80g/m)し、得られた綿帆布及びナイロン6又はナイロン66基材を電子レンジに入れ、300Wで60秒間電磁波処理した。
続いて、綿帆布及びナイロン6又はナイロン66基材の得られた水性接着剤の塗布面同士を貼り合せ、ローラで圧着した。
これによって、綿/接着層/ナイロン樹脂の積層構造を得た。
<積層構造の製造例2>
水性エマルション(E−28)(不揮発分比)に、増粘剤としてアデカノールUH−420(ADEKA社製)を、分散剤としてノプコウェット50(サンノプコ社製)を、表6に記載の量(不揮発分比)を添加してスリーワンモーターで攪拌して、水性接着剤を得た。
得られた水性接着剤を、ガラス棒を用いて、綿100%の帆布に塗布(塗布量:約60g/m)し、20分間自然乾燥し、得られた帆布を電子レンジ(panasonic社製、NE-EH212)に入れ、750Wで30秒間電磁波処理した。
綿帆布及びナイロン6基材のそれぞれに、得られた水性接着剤を塗布(綿帆布塗布量:約40g/m)、ナイロン6塗布量:約80g/m)した。得られた綿帆布を電子レンジに入れ、750Wで60秒間電磁波処理し、綿帆布を取り出した。続いて、ナイロン6基材を電子レンジに入れ500Wで20秒電磁波処理した。
その後、綿帆布及びナイロン6基材の得られた水性接着剤の塗布面同士を貼り合せ、ローラで圧着した。
これによって、綿/接着層/ナイロン樹脂の積層構造を得た。
<積層構造の剥離強度試験1>
上記で得られた各積層構造を24時間、室温で放置し、その後、引張り試験機(島津製作所社製、オートグラフ)を用いて、剥離速度200mm/分、剥離角度180度で、積層構造の密着性を、剥離強度を測定することにより評価した。その結果を表6に示す。
○:剥離強度10N/inch以上。
×:剥離強度10N/inch未満
<積層構造の製造例3>
上記水性エマルションの製造例で得られた水性エマルションを、ガラス棒を用いて、ナイロン6基材又はナイロン66基材に、膜厚が乾燥後10μm程度となるように塗工し、120℃又は100℃で30分間の熱処理を行い、ナイロン6基材又はナイロン66基材の表面に水性エマルションに由来する層を塗膜として有する積層構造を得た。
<積層構造の剥離強度試験2>
上記で得られた各積層構造を24時間、室温で放置し、その後、該塗膜に1mm幅で100マスの切れ目を入れ、セロハンテープ剥離にて塗膜が完全に残存するマス数をカウントした。セロハンテープ剥離3回後の塗膜残存量で接着性を評価した。数字が大きい(100に近い)ほど、接着性が良好であることを意味する。
なお、表6及び表7で試験した以外の水性エマルションを用いても、上記と同様に積層構造を製造することができる。
また、表8に示す水性エマルション(不揮発分比)に、増粘剤としてアデカノールUH−420(ADEKA社製)を、分散剤としてノプコウェット50(サンノプコ社製)を、表8に記載の量(不揮発分比)を添加してスリーワンモーターで攪拌して、以下の水性接着剤を製造した。
表8で得られた水性接着剤を用いても、上記と同様に積層構造を製造することができる。
本発明によれば、接着性に優れたナイロン樹脂/接着層/綿含有繊維の積層構造を提供することができる。

Claims (7)

  1. ナイロン樹脂からなる第1の基材と、炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構造単位を1種類以上有する重合体を含む接着層と、綿含有繊維からなる第2基材とがこの順に積層された積層構造。
  2. 接着層が、さらに、下記式(I)で表される界面活性剤を含む層である請求項1に記載の積層構造。

    (式中、Xは水素原子又は−SOM(Mは水素原子、NH又はアルカリ金属)を示す。nは1〜3の整数を表す。mは1〜100の整数を表す。)
  3. 前記界面活性剤は、Xが水素原子である界面活性剤と、Xが−SOMである界面活性剤界面活性剤との2種類以上を含む界面活性剤である請求項2に記載の積層構造。
  4. 前記界面活性剤における−SOMが、SONHである請求項2又は3に記載の積層構造。
  5. 接着層が、さらに、塩基性化合物(C)を含有する層である請求項1〜4のいずれか1つに記載の積層構造。
  6. 接着剤層が、さらに、粘着樹脂を含有する層である請求項1〜5のいずれか1つに記載の積層構造。
  7. 接着層が、粒径(個数基準)0.01〜1.0μmの分散質を含有する接着剤から得られた層である請求項1〜6のいずれか1つに記載の積層構造。
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