JP4390092B2 - 管理機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば中耕除草または耕耘作業などを行う歩行型の管理機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、フォークの一側を爪クラッチに、また他側をブレーキ板に作用させて、ミッションケース入力軸の駆動力をPTO軸に継断自在に伝達させる駆動構造においては、一方向にバネ付勢されたフォーク軸を他方にバネを介しレバー部材で引張って爪クラッチやブレーキ部材にフォークを作用させていた。
【0003】
しかし乍らこのような構成の場合、2つのバネが互に干渉する状態となってそれぞれのバネ力の調整が困難となるなどの問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
したがって本発明は、ミッションケース入力軸からの駆動力を爪クラッチを介し継断自在にPTO軸に伝達させる管理機において、前記PTO軸は、前記爪クラッチに伝達された駆動を伝達するクラッチ体と、前記駆動を切断する摩擦板とが連設され、前記クラッチ体は、フォーク軸に設けられたフォークによってその一側を爪クラッチに他側を摩擦板にスライドさせ、フォーク軸の押引動作でPTO軸の確実なクラッチとブレーキ操作を可能とさせるもので、フォーク軸に連結させるレバー操作でフォーク軸が規定以上に爪クラッチ側に移動しても、フォークのスライドによってクラッチ体と爪クラッチの正確な係合を維持させて、クラッチ精度を向上させるものである。
【0005】
また、フォーク軸の一端側を操作部材に連結させると共に、他端側を摩擦板側にバネ付勢させて、フォーク軸とこの操作レバー部材間をバネなどを介することなく直接的に連結させる簡単な構造のもので、クラッチ体を択一的にクラッチと摩擦板に適正に作用可能とさせて、ロータリ作業機の正確な駆動及び駆動停止を容易に行うものである。
【0006】
さらに、フォークを爪クラッチ側に付勢するクラッチバネをフォークとフォーク軸間に介設して、フォーク軸に付勢するバネとクラッチバネの相互に独立した調整を容易に可能とさせて、摩擦板及び爪クラッチに作用させるクラッチ体のバネ圧の精度を向上させると共に、この操作系の調節や構造の簡単化を図るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1乃至図4に示す如く、左右一対の走行輪(1)をミッションケース(2)に車軸(3)を介して装設させ、ミッションケース(2)後部にヒッチ台(4)を固定させ、ヒッチ台(4)とミッションケース(2)に操向ハンドル(5)基端を連結させ、ミッションケース(2)の後方斜上方に操向ハンドル(5)を設け、変速レバー(6)、主クラッチレバーであるデッドマンレバー(7)、PTOクラッチレバー(8)、デフロックレバー(9)などを操向ハンドル(5)のループ形操作部(10)に取付けると共に、前記ミッションケース(2)上面の略水平面(2a)にエンジン(11)を上載させて固定させ、エンジン(11)出力を無段変速する油圧変速機(12)をミッションケース(2)後部の右側面に固定させ、エンジン(11)の出力軸(13)にプーリ(15)(16)及びベルト(17)を介してミッションケース(2)の入力軸(17)を連結させ、前記変速機(12)の変速入力軸(18)をミッションケース(2)の入力軸(17)に連結させ、変速機(12)の変速出力軸(19)に車軸(3)を連結させるように構成している。
【0008】
また、前記ミッションケース(2)を側面視略L形に形成して後側を下方に突出させ、ミッションケース(2)後側の下部に車軸(3)を配備させ、前記エンジン(11)の出力軸(13)と車軸(3)間に変速機(12)を配設させ、エンジン(11)の駆動力を上方から後下方に伝えて走行輪(1)を駆動させると共に、前記ミッションケース(2)の変速機(12)前方にPTO軸(20)を配設させ、該ケース(2)及び伝動ケース(21)を介してロータリ作業機(22)を機体前方に支持させている。
【0009】
前記ロータリ作業機(22)はロータリ軸(23)とロータリ刃(24)とを有し、前記PTO軸(20)に伝動ケース(21)を介しロータリ軸(23)を連結させると共に、耕耘と草刈に兼用する複数の切削ロータリ刃(24)をロータリ軸(23)に取付け、各切削ロータリ刃(24)の上面及び左右をロータリカバー(25)及び左右側板(26)によって閉塞させ、走行輪(1)前進と同一方向回転の切削ロータリ刃(24)の正転によって耕耘作業を行わせる一方、切削ロータリ刃(24)の逆転によって草刈作業を行わせる。
【0010】
さらに、前記作業機(22)の耕耘作業と同時に畦立作業を行わせる後作業機(27)を備え、ヒッチ台(4)後側に固設する後ヒッチ(28)にヒッチピン(29)を介して後作業機(27)を着脱自在に設けると共に、ヒッチピン(29)回りに回転させて昇降自在に後作業機(27)を後ヒッチ(28)に取付け、後作業機(27)を下降着地させて畦立作業位置に支持させたり、ヒッチ台(4)後側に後作業機(27)を持上げて非作業位置に支持させる。また、前記エンジン(11)後側に燃料タンク(30)を設ける。
【0011】
図5にも示す如く、平面視門形のゲージフレーム(31)両端部を作業機(22)前方に突出させて左右ゲージ輪(32)を取付け、前記ゲージフレーム(31)の門形中間部に固設する結合フレーム(33)の結合子(34)に調高ハンドル(35)前端のネジ軸(36)を結合させるもので、前記調高ハンドル(35)を機体の中心ラインより右側で前後方向に配設し、ハンドル(35)後端側を操向ハンドル(5)の下方位置まで延設させて、操向ハンドル(5)位置でハンドル(35)後端のハンドル操作部(37)の回動操作を可能に設けている。そして前記ゲージフレーム(31)の門形支脚部(31a)を側面視略L形に形成して、ロータリカバー(25)の左右側板(26)に支軸(38)を介し回転自在に取付ける回転支持体(39)に、支脚部(31a)のL形コーナ部を上側より当接保持させて、調高ハンドル(35)の回動操作時には支持体(39)を中心としてゲージフレーム(31)を揺動させ、ゲージ輪(32)を昇降させるように構成している。
【0012】
また、前記ロータリカバー(25)前方に平面視門形の前面カバー(40)を備えるもので、前面カバー(40)の両端部を前記支脚部(31a)の前端内側に固定させて、ゲージ輪(32)の地上高の調節時にはゲージ輪(32)と一体に前面カバー(40)も移動させて、例えば作業機(22)を下降させる耕耘作業時には作業機(22)に対しては前面カバー(40)を上昇位置とさせて圃場面との干渉を回避させ、また作業機(22)を上昇させる草刈作業時には作業機(22)に対しては前面カバー(40)を下降位置とさせて、草や小石などの作業機(22)前方への飛散を防止するように構成している。
【0013】
図6に示す如く、前記ロータリ軸(23)に爪台(41)を固定させ、爪台(41)に支軸(42)を介してロータリ刃(24)を回転自在に軸支させ、ロータリ軸(23)回転時に遠心力によって放射線方向にロータリ刃(24)を突出させ、支軸(42)回りの回転によって衝撃を吸収させるロータリ刃(24)の高速逆転によって草刈を行わせると共に、前記爪台(41)に後退ストッパ(43)を固定させ、ロータリ軸(23)を正転させて耕耘するとき、ロータリ刃(24)を後退ストッパ(43)に当接させ、耕耘抵抗に対してロータリ刃(24)を後傾姿勢で固定支持させ、後退ストッパ(43)を介して後退角を形成してロータリ刃(24)を支持させて耕耘抵抗を低減させ乍ら耕耘力(深さ)を確保するように構成している。
【0014】
図7にも示す如く、作業機(22)を耕耘及び草刈高さ位置の2段階に切換える作業高さ切換部材(44)を調高ハンドル(35)の中間に連結させるもので、前記ミッションケース(2)と伝動ケース(21)を連結するPTO軸(20)外側の軸パイプ(45)に切換部材(44)下端を固設させ、該切換部材(44)の前後方向に開設する長孔(46)の前端・後端下側に草刈・耕耘ノッチ(47)(48)形成して、前記ハンドル(35)を嵌挿固定するハンドル受体(49)の両側丸軸部(50)を前記ノッチ(47)(48)に係合させるとき、ハンドル(35)を大きく前後に移動させて、受体(49)の丸軸部(50)と草刈ノッチ(47)の係合時にあってはゲージ輪(32)を下動位置とさせ、且つハンドル操作部(37)の回動操作によってゲージ輪(32)を下動位置で無段階に小さく変化させて、作業機(22)の耕深を1cmとする低草刈作業や、地上高を30mm或いは40mmとする高草刈作業或いは移動作業などを行う一方、丸軸部(50)と耕耘ノッチ(48)の係合時にあってはゲージ輪(32)を上動位置とさせ、且つハンドル操作部(37)の回動操作によってゲージ輪(32)を上動位置で無段階に小さく変化させて、作業機(22)の耕深を10cm或いは5cmとする耕耘作業などを行うように構成している。
【0015】
さらに、前記側板(26)の外側に前後ボルト(51)(52)を介し取外し自在に且つ前ボルト(51)を中心に回動自在に側面カバー(53)を取付けるもので、側面カバー(53)は形状を扇形に形成し、ロータリカバー(25)の円弧外周面の外径寸法より側面カバー(53)の円弧外周の外径寸法を小に設け、ロータリ軸(23)より前位置のボルト(51)を中心とする円弧形ボルト長孔(54)を側面カバー(53)に開設し、該長孔(54)及びボルト(52)を介し側面カバー(53)を側板(26)に上下位置調節自在に取付けて、図3に示す如くゲージ輪(32)の上動する地上高(作業高さ)の低い作業機(22)の耕耘作業時などでは側面カバー(53)を上動させ、側板(26)形状内にカバー(53)を収納する一方、ゲージ輪(32)の下動する地上高の高い作業機(22)の草刈作業時などでは図6に示す如く側面カバー(53)を下動させ、側板(26)より側面カバー(53)を突出させて、側板(26)下端部と圃場面間に大きく形成される間隙をカバー(53)で覆ってロータリ刃(24)を保護するように構成している。
【0016】
また、前記ロータリカバー(25)の後端に蝶番(55)を介し回動自在にリヤカバー(56)の上端を取付けると共に、該カバー(56)の下端に上下寸法の短いゴム板(57)を固着させて、ロータリカバー(25)と圃場面間の距離が大きく変化する場合にもリヤカバー(56)の回動によって良好に対応させると共に、ゴム板(57)の上下寸法を短くすることによって作業機(22)側への巻込みを防止するように構成している。さらに前記前面カバー(40)の前端側部に前面カバー(40)と略同一幅のゴム板カバー(58)を固設して、草刈作業時に石などの前方飛散を防止するように構成している。
【0017】
上記からも明らかなように、走行輪(1)を有するミッションケース(2)の上部にエンジン(11)を、またミッションケース(2)の前方にロータリ作業機(22)を配備させると共に、エンジン(11)前端とロータリ作業機(22)後端とをラップさせ、ロータリ作業機(22)の下動時(耕耘作業時)にはエンジン(11)及びミッションケース(2)などで構成する機体を前傾姿勢に変化させてエンジン(11)重心を前移動させるもので、ロータリ作業機(22)を下動させ耕耘作業などを行うときには、エンジン荷重をロータリ作業機(22)に付加させてこの作業の効率を良好とさせると共に、ロータリ作業機(22)を上動させての走行作業時にはハンドル(5)荷重を小さくして旋回などを容易とさせることができる。
【0018】
また、ミッションケース(2)の前方にゲージ輪(32)を高さ調節自在に設けると共に、ミッションケース(2)の走行輪(1)とゲージ輪(32)との間にロータリ作業機(22)を配備させたもので、極めて簡単な操作でロータリ作業機(22)を安定良好に耕耘高さ及び草刈高さに切換えると共に、適正耕耘高さ及び草刈高さを容易に設定してこれらの作業性を向上させることができる。
【0019】
さらに、正逆転の切換によって耕耘作業と草刈作業を行うロータリ刃(24)をロータリ作業機(22)は設け、耕耘作業時にはエンジン(11)重心を前移動させるもので、同一の作業機(22)によるロータリ刃(24)の正逆転で耕耘と草刈作業の両方を可能とさせると共に、荷重を必要とする耕耘作業にあってはエンジン(11)荷重をロータリ作業機(22)に付加して耕耘作業の能率向上化を図ることができる。
【0020】
図8乃至図10に示す如く、前記ミッションケース(2)内には、ミッションケース入力軸(17)と変速入力軸(18)の入力伝達軸(59)とを連動連結する一対の変速入力ギヤ(60)(61)と、前記変速出力軸(19)の出力伝達軸(62)に設ける高低速ギヤ(63)(64)と、切換軸(65)に設ける高低速切換ギヤ(66)と、出力伝達軸(62)に遊嵌する遊転軸(67)と切換軸(65)を常時連結する一対の減速ギヤ(68)(69)と、デフピニオンギヤ(70)及び左右デフサイドギヤ(71)(72)をパイプ状のデフケース(73)に内設させ該ケース(73)に固設するスプロケット(74)をチェン(75)を介し前記遊転軸(67)の固定スプロケット(76)に連結させるデフ機構(77)と、右車軸(3)に摺動自在にスプライン嵌合させてフオーク(78)の操作でもってスプロケット(74)に継断自在に結合するデフロックである爪クラッチ(79)とを備え、前記デフロックレバー(9)の操作によってワイヤ及びフオークシャフト(80)及びフオーク(78)を介しスプロケット(74)に爪クラッチ(79)を結合させるとき、車軸(3)と各ギヤ(70)(71)(72)をデフケース(73)と一体とさせて左右車軸(3)の回転差をなくして一体回転させると共に、爪クラッチ(79)とスプロケット(74)の結合解除時には左右車軸(3)間に回転差の発生するデフ機能を有するように構成している。
【0021】
また、前記ミッションケース(2)内には、入力軸(17)に設けるPTO正転ギヤ(81)と、前記入力伝達軸(59)に設けるPTO逆転ギヤ(82)と、前記PTO変速軸(83)にスプライン嵌合して前記正逆転ギヤ(81)(82)に択一的に結合させるPTO正逆転切換ギヤ(84)と、前記PTO軸(20)に遊転支持する爪クラッチギヤ(85)に結合させるPTO変速軸(83)の変速出力ギヤ(86)と、PTO軸(20)にスプライン嵌合して一側の爪クラッチ部(87)を爪クラッチギヤ(84)の爪クラッチ(88)に係脱自在に連結させる可動クラッチ体(89)と、クラッチ体(89)他側のブレーキ板(90)をクラッチ体(89)の切時に圧接させてPTO軸(20)を制動する摩擦板(91)と、前記PTOクラッチレバー(8)の操作によってワイヤ(92)・クラッチアーム(93)・フォークシャフト(94)を介しクラッチ体(89)を左右に摺動させ爪クラッチ(88)の入切を行うPTOクラッチフォーク(95)とを備え、伝動ケース(21)の伝動チェン(21a)を介してPTO軸(20)にロータリ軸(23)を連結させ、ロータリ刃(24)を低速で正転させて耕耘作業を行う一方、ロータリ刃(24)を高速で逆転させて草刈作業を行うように構成している。
【0022】
図10に示す如く、前記フォークシャフト(94)におけるミッションケース(2)の一側突出端には、該シャフト(94)を摩擦板(91)側に付勢するブレーキ用バネ(96)を設けると共に、ミッションケース(2)内のシャフト(94)に取付けるバネ座(97)とフォーク(95)間にフォーク(95)を爪クラッチ(88)方向に付勢するクラッチバネ(98)を介設して、前記クラッチレバー(8)でワイヤ(92)を引張ってブレーキ用バネ(96)に抗しシャフト(94)を爪クラッチ(88)側に規定位置(爪クラッチ(88)との作用位置)以上に爪クラッチ(88)側に移動させるとき、前記クラッチ用バネ(98)に抗しフォーク(95)をシャフト(94)上で逆方向にスライドさせて、クラッチ体(89)を爪クラッチ(88)の適正作用位置に保つように構成している。
【0023】
またこの場合フォークシャフト(94)をクラッチ体(89)の切方向にスライドさせるブレーキ用バネ(96)に対し、クラッチバネ(98)はフォークシャフト(94)上でフォーク(95)のみを逆方向にスライドさせて、これらバネ(96)(98)が相互に干渉し合うのを解消させ、ブレーキ用及びクラッチ用としてそれぞれの独立したバネ力の調整を可能とさせている。さらにフォークシャフト(94)とクラッチレバー(8)とをバネなどを介することなく直接的に連結させることによって、このクラッチレバー(8)によるレバー操作系の調節や構造の簡単化を図ることができる。
【0024】
以上からも明らかなように、ミッションケース入力軸(17)からの駆動力を爪クラッチ(88)を介し継断自在にPTO軸(20)に伝達させる管理機において、クラッチ体(89)の一側を爪クラッチ(88)に他側を摩擦板(91)に作用させるフォーク(95)をフォーク軸であるフォークシャフト(94)上にスライド自在に設けて、フォークシャフト(94)の押引動作でPTO軸の確実なクラッチとブレーキ操作を可能とさせるもので、フォークシャフト(94)に連結させるレバー部材であるクラッチレバー(8)の操作でフォークシャフト(94)が規定以上に爪クラッチ(88)側に移動しても、フォーク(95)のスライドによってクラッチ体(89)と爪クラッチ(88)の正確な係合を維持させて、クラッチ精度を向上させることができる。
【0025】
また、フォークシャフト(94)の一端側をレバー(8)に直接的に連結させると共に、フォークシャフト(94)の他端側を摩擦板(91)側にバネ(96)付勢させたもので、フォークシャフト(94)とこの操作レバー(8)間をバネなどを介することなく直接的に連結させる簡単な構造のもので、クラッチ体(89)を択一的に爪クラッチ(88)と摩擦板(91)に適正に作用可能とさせて、ロータリ作業機の正確な駆動及び駆動停止を容易に行うことができる。
【0026】
さらに、フォーク(95)を爪クラッチ(88)側に付勢するクラッチバネ(98)をフォーク(95)とフォークシャフト(94)間に介設したもので、フォークシャフト(94)に付勢するバネ(96)とクラッチバネ(98)の相互に独立した調整を容易に可能とさせて、摩擦板(91)及び爪クラッチ(88)に作用させるクラッチ体(89)のバネ圧の精度を向上させると共に、この操作系の調節や構造の簡単化を図ることができる。
【0027】
なお、前述実施例においてはクラッチ体(89)他側にブレーキ板(90)を摩擦板(91)に圧接させてPTO軸(20)の駆動を停止させる構成を示したが、ブレーキ板(90)及び摩擦板(91)を爪クラッチに形成してクラッチ体(89)の両側を爪クラッチ構造としても良く、また、爪クラッチ部(87)と爪クラッチ(88)とを摩擦クラッチに形成して、クラッチ体(89)の両側を摩擦クラッチ及びブレーキ構造としても良い。
【0028】
図8、図11乃至図13に示す如く、走行用の高低速切換ギヤ(66)とPTO正逆転切換ギヤ(84)とを一体的に切換動作させる単一の切換フォーク(99)を、ミッションケース(2)内を左右方向に挿通させる切換ロッド(100)に連結支持させ、ミッションケース(2)右外側に突出させるロッド(100)右端にアーム(101)・レバー支軸(102)を介して作業切換レバー(103)を連結させ、該切換レバー(103)の支軸(102)を中心とした左右揺動操作によって、走行が高速でロータリ刃(24)が高速逆転と走行が低速でロータリ刃(24)が低速正転の2段階の切換えを行うように構成している。
【0029】
前記切換レバー(103)は調高ハンドル(35)の近傍に設けたもので、支軸(102)を回動自在に支持する受筒(104)を前記軸パイプ(45)に固設させると共に、軸パイプ(45)の上面にブラケット(105)を介して切換部材(44)下端を固設させ、前記ブラケット(105)に左右移動自在に取付ける規制軸(106)に規制板(107)を固設させ、規制軸(106)外側で切換部材(44)外側面と規制板(107)内側面間に圧縮バネ(108)を介設し、前記支軸(102)上端に固設する規制アーム(109)を前記規制板(107)外側面に当接させるように設けている。
【0030】
また、前記規制板(107)は切換部材(44)の草刈ノッチ(47)の外側を開放し、耕耘ノッチ(48)の外側を閉封する状態に配設させ、規制板(107)上端の折曲縁(107a)を切換部材(44)の上端縁にラップさせると共に、規制板(107)の上半部と下半部の内側面(107b)(107c)に段差を形成させ、前記耕耘ノッチ(48)に受体(49)の丸軸部(50)係合時にあっては規制板(107)の内側面(107b)を丸軸部(50)と干渉状態とさせて、前記切換レバー(103)の高速側への切換えを不可能とさせ、草刈ノッチ(47)に丸軸部(50)が係合するときにのみ高速側への切換えを可能とさせるように構成している。
【0031】
またこれとは逆に、調高ハンドル(35)が草刈ノッチ(47)位置で前記切換レバー(103)が高速側に切換っている規制板(107)の切換部材(44)側近接時にあって、調高ハンドル(35)が耕耘ノッチ(48)側に切換操作されるときには、規制板(107)前端と丸軸部(50)とを干渉させて耕耘高さ位置への切換えを不可能とさせるように構成している。
【0032】
このようにロータリ作業機(22)を耕耘高さ位置で耕耘作業を行っているとき、ロータリ刃(24)が高速逆回転となるのを規制し低速正転を維持させる一方、ロータリ刃(24)を高速逆回転とさせて草刈作業を行っているときロータリ作業機(22)が耕耘高さとなるのを規制して草刈高さを維持させるもので、作業者の誤操作を防止した確実な耕耘及び草刈作業を可能とさせることができる。
【0033】
以上からも明らかなように、ロータリ作業機(22)を耕耘作業高さと草刈作業高さの2段階に切換える作業高さ変更部材である調高ハンドル(35)と、ロータリ作業機(22)の作業速度を耕耘及び草刈作業に応じ低速と高速の2段階に切換える作業変速部材である切換レバー(103)とを設けると共に、調高ハンドル(35)と切換レバー(103)間にこれら何れか一方の操作を規制する規制部材である規制板(107)を設けたもので、例えば低速耕耘或いは高速草刈作業中に、調高ハンドル(35)或いは切換レバー(103)の何れか一方の操作でロータリ作業機(22)が高速耕耘となる不都合などを規制し誤操作を防止して、常に適正な耕耘及び草刈作業を維持させることができる。
【0034】
また、ロータリ作業機(22)の耕耘高さによる耕耘作業時、ロータリ作業機(22)の作業速度の低速側から高速側への切換えを規制板(107)で規制したもので、ロータリ作業機(22)の下動位置で低速度による耕耘作業時には、高速となるのを規制して適正速度での確実な耕耘作業を維持させることができる。
【0035】
さらに、ロータリ作業機(22)の高速による草刈作業時、ロータリ作業機(22)の草刈作業高さから耕耘作業高さへの切換えを規制板(107)で規制したもので、ロータリ作業機(22)の上動位置で高速度による草刈作業時には、ロータリ作業機(22)の下動を規制し高速耕耘状態となるのを防止して、適正な草刈作業を維持させることができる。
【0036】
ところで図14に示す如く、前記変速機(12)の変速入力軸(18)と出力軸(19)は回転方向を逆方向に設けると共に、入出力軸(18)(19)間に一対の伝達ギヤ(110)(111)を組込み可能とさせる一定の寸法(L)を確保して、車軸(3)に高負荷がかかり変速機(12)出力が低下する場合ギヤ(110)(111)のギヤボックス(112)に交換するだけで伝達馬力を増大させて、効率を良好とさせるように構成している。
【0037】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、ミッションケース入力軸(17)からの駆動力を爪クラッチ(88)を介し継断自在にPTO軸(20)に伝達させる管理機において、クラッチ体(89)の一側を爪クラッチ(88)に他側を摩擦板(91)に作用させるフォーク(95)をフォーク軸(94)上にスライド自在に設けたものであるから、フォーク軸(94)の押引動作でPTO軸の確実なクラッチとブレーキ操作を可能とさせるもので、フォーク軸(94)に連結させるレバー部材(8)でフォーク軸(94)が規定以上に爪クラッチ(88)側に移動しても、フォーク(95)のスライドによってクラッチ体(89)と爪クラッチ(88)の正確な係合を維持させて、クラッチ精度を向上させることができるものである。
【0038】
また、フォーク軸(94)の一端側をレバー部材(8)に連結させると共に、フォーク軸(94)の他端側を摩擦板(91)側にバネ(96)付勢させたものであるから、フォーク軸(94)とこの操作レバー部材(8)間をバネなどを介することなく直接的に連結させる簡単な構造のもので、クラッチ体(89)を択一的に爪クラッチ(88)と摩擦板(91)に適正に作用可能とさせて、ロータリ作業機の正確な駆動及び駆動停止を容易に行うことができるものである。
【0039】
さらに、フォーク(95)を爪クラッチ(88)側に付勢するクラッチバネ(98)をフォーク(95)とフォーク軸(94)間に介設したものであるから、フォーク軸(94)に付勢するバネ(96)とクラッチバネ(98)の相互に独立した調整を容易に可能とさせて、摩擦板(91)及び爪クラッチ(88)に作用させるクラッチ体(89)のバネ圧の精度を向上させると共に、この操作系の調節や構造の簡単化を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体の側面図。
【図2】全体の平面図。
【図3】耕耘状態を示す全体の側面図。
【図4】作業機の側面図。
【図5】作業機の平面図。
【図6】ロータリ刃部の側面説明図。
【図7】ゲージ輪の高さ調節説明図。
【図8】ミッションケースの断面説明図。
【図9】ミッションケースの側面説明図。
【図10】PTOクラッチ部の説明図。
【図11】PTO変速部の平面説明図。
【図12】PTO変速部の側面説明図。
【図13】PTO変速部の背面説明図。
【図14】変速機とギヤの交換説明図。
【符号の説明】
(8) クラッチレバー(レバー部材)
(17) 入力軸
(20) PTO軸
(88) 爪クラッチ
(89) クラッチ体
(91) 摩擦板
(94) フォークシャフト(フォーク軸)
(95) フォーク
(96) バネ
(98) クラッチバネ
Claims (3)
- ミッションケース入力軸からの駆動力を爪クラッチを介し継断自在にPTO軸に伝達させる管理機において、
前記PTO軸は、前記爪クラッチに伝達された駆動を伝達するクラッチ体と、前記駆動を切断する摩擦板とが連設され、かつ
前記クラッチ体は、フォーク軸に設けられたフォークによってその一側を前記爪クラッチに、他側を前記摩擦板にスライドしうることを特徴とする、管理機。 - 前記フォーク軸の一端側を操作部材に連結させると共に、他端側を前記摩擦板側にバネ付勢させたことを特徴とする請求項1記載の管理機。
- 前記フォークを前記爪クラッチ側に付勢するクラッチバネを、前記フォークとフォーク軸間に介設したことを特徴とする請求項1及び2記載の管理機。
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