JP4388344B2 - 内視鏡用スネア - Google Patents

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Description

この発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに通されて粘膜切除術等を行うために用いられる内視鏡用スネアに関する。
内視鏡用スネアは一般に、可撓性シース内に軸線方向に進退自在に操作ワイヤが挿通配置されて、一対の弾性ワイヤを先端と基端とで各々相互に固着して中間部分を曲げて形成されたスネアループが操作ワイヤの先端に連結され、操作ワイヤを軸線方向に進退操作することによりスネアループが可撓性シースの先端内に出入りして、スネアループが可撓性シース外では自己の弾性によって膨らみ、可撓性シース内に引き込まれることにより弾性変形して窄まるようになっている(例えば、特許文献1)。
特開2000−83963
図11は、上述のような従来の内視鏡用スネアの先端部分において、スネアループ10を可撓性シース1の先端から少し引き出した状態を示す斜視図であり、2は操作ワイヤ、4は、スネアループ10を構成する一対の弾性ワイヤ3と操作ワイヤ2とを連結する接続管である。
図11に示されるように、従来の内視鏡用スネアにおいては、スネアループ10を構成する一対の弾性ワイヤ3の先端部分3aどうしが、スネアループ10の膨縮面に対して同方向に隣接する位置関係で相互に固着されている。×印はその先端固着部であり、各弾性ワイヤ3は先端部分3aの直後に形成された先端側曲げ部3bで大きく外方に曲げられている。
図12は、そのような従来の内視鏡用スネアのスネアループ10が可撓性シース1内に引き込まれた状態を示す平面断面図であり、可撓性シース1内に引き込まれたスネアループ10は、各弾性ワイヤ3が弾性変形することにより窄まった状態になる。
その際に、一対の弾性ワイヤ3の先端部分3aどうしがスネアループ10の膨縮面と同方向に隣接する位置関係で固着されていることにより、先端部分3aの近傍部分Aにおいては弾性ワイヤ3同士が交差できずにぶつかり合う。
その結果、先端側曲げ部3b付近が真っ直ぐに近い状態に伸ばされた状態になるため塑性変形し、スネアループ10が次に可撓性シース1の先端から押し出された時に広がりが小さくなって、内視鏡用スネアとしての機能が低下してしまう場合がある。
そこで本発明は、スネアループがシース内に引き込まれた時に弾性ワイヤが先端側曲がり部付近で塑性変形を起こさず、使用を繰り返してもスネアループの広がりが縮小しない耐久性の優れた内視鏡用スネアを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用スネアは、可撓性シース内に軸線方向に進退自在に操作ワイヤが挿通配置されて、一対の弾性ワイヤを先端と基端とで各々相互に固着して中間部分を曲げて形成されたスネアループが操作ワイヤの先端に連結され、操作ワイヤを軸線方向に進退操作することによりスネアループが可撓性シースの先端内に出入りして、スネアループが可撓性シース外では自己の弾性によって膨らみ、可撓性シース内に引き込まれることにより弾性変形して窄まるようにした内視鏡用スネアにおいて、スネアループを構成する一対の弾性ワイヤを、先端側の固着部においてスネアループの膨縮面に対して交差する方向に隣接する位置関係で相互に固着したものである。
なお、一対の弾性ワイヤが、先端側の固着部においてスネアループの膨縮面に対して略直交する方向に隣接する位置関係で相互に固着されているのが最もよく、一対の弾性ワイヤのうち一方の弾性ワイヤの最先端部分が、スネアループの膨縮面に対して交差する方向に折り曲げられていてもよい。
本発明によれば、スネアループを構成する一対の弾性ワイヤを、先端側の固着部においてスネアループの膨縮面に対して交差する方向に隣接する位置関係で相互に固着したことにより、スネアループがシース内に引き込まれた時に一対の弾性ワイヤ同士が先端部分の近傍でぶつかり合わずに交差するので、弾性ワイヤが先端側曲がり部付近で塑性変形を起こさず、使用を繰り返してもスネアループの広がりが縮小しない。
可撓性シース内に軸線方向に進退自在に操作ワイヤが挿通配置されて、一対の弾性ワイヤを先端と基端とで各々相互に固着して中間部分を曲げて形成されたスネアループが操作ワイヤの先端に連結され、操作ワイヤを軸線方向に進退操作することによりスネアループが可撓性シースの先端内に出入りして、スネアループが可撓性シース外では自己の弾性によって膨らみ、可撓性シース内に引き込まれることにより弾性変形して窄まるようにした内視鏡用スネアにおいて、一対の弾性ワイヤが、先端側の固着部においてスネアループの膨縮面に対して略直交する方向に隣接する位置関係で相互に固着されている。
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図2は、本発明の参考例である内視鏡用スネアの全体構成を図示する平面図であり、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される可撓性シース1は、例えば四フッ化エチレン樹脂チューブ等のような電気絶縁性の合成樹脂チューブによって形成されている。
可撓性シース1内には、導電性の操作ワイヤ2が軸線方向に進退自在に挿通配置されていて、スネアループ10を形成する一対の導電性の弾性ワイヤ3の基端部分が操作ワイヤ2の先端に連結されている。
可撓性シース1の基端に連結された操作部20の操作部本体21には、図示されていない高周波電源コードを接続するための端子23を有する操作片22がスライド自在に取付けられていて、その端子23に操作ワイヤ2の基端が連結されている。
したがって、スネアループ10を構成する弾性ワイヤ3に操作ワイヤ2を介して高周波電流を通電することができ、操作部本体21に対して操作片22をスライド操作することにより操作ワイヤ2が進退し、弾性ワイヤ3が可撓性シース1の先端内に出入りすることによってスネアループ10が膨縮する。
図1は、内視鏡用スネアの先端部分において、スネアループ10を可撓性シース1の先端から少し引き出した状態を図示する斜視図であり、スネアループ10を形成する一対の弾性ワイヤ3の基端部分が、操作ワイヤ2の先端に固着された金属製の接続管4に差し込まれて銀ロ−付け等によってそこに固着されている。
一対の弾性ワイヤ3の先端部分3aは、前方に向けて並べられて銀ロー付け又はレーザ溶接等によって相互に固着されている。×印はその固着部であり、各弾性ワイヤ3は先端部分3aの直後に形成された先端側曲げ部3bで大きく外方に曲げられている。
そのような一対の弾性ワイヤ3の先端部分3aの固着部ではその正面図である図3にも図示されるように、一対の弾性ワイヤ3が、スネアループ10の膨縮面Xと略直交する方向Yに隣接する位置関係で相互に固着されている。
その結果、図4に示されるように、操作ワイヤ2が操作部20側から牽引されて一対の弾性ワイヤ3が可撓性シース1内に引き込まれて窄まった状態に弾性変形したとき、先端部分3aの近傍部分Aにおいて弾性ワイヤ3同士が交差してぶつかり合わないので、先端側曲げ部3b部分付近が真っ直ぐに伸ばされることなく滑らかにカーブした状態で窄まり、塑性変形し難い。
したがって、次に操作ワイヤ2を操作部20側から押し込み操作して一対の弾性ワイヤ3が可撓性シース1の先端から押し出された時には、弾性ワイヤ3の弾性によってスネアループ10が元通りの所定の大きさに膨らみ、内視鏡用スネアとしての機能が低下しない。
図5は、本発明の実施例の内視鏡用スネアの先端部分の斜視図であり、スネアループ10を構成する一対の弾性ワイヤ3のうち一方の弾性ワイヤ3の最先端部分を側方(ただし、スネアループ10の膨縮面Xに対して直交する方向Y)に折り曲げたものである(最先端折り曲げ部3c)。
このようにすることにより、図6に示されるように、弾性ワイヤ3に高周波電流を通電して最先端折り曲げ部3cを患部100の粘膜に押し当てながら移動させて表面粘膜の高周波切開処置を行うことができ、図7に示されるように、スネアループ10で患部100を囲んで高周波粘膜切除処置を行う場合には、最先端折り曲げ部3cを粘膜に触れないように上向きにすればよい。50は内視鏡、51は処置具挿通チャンネルの出口開口である。
なお、最先端折り曲げ部3cの突端部を図8に示されるように丸まった形状に形成すれば可撓性シース1内に収納された時に可撓性シース1の内面を傷つけない。また、図9に示されるように最先端折り曲げ部3cをカーブしたフック状に形成してもよく、図10に示されるように、スネアループ10の膨縮面Xに直交する方向Yに対してある程度の角度θだけ偏角させてもよい。ただし、θは30°以下が適当である。
なお、一対の弾性ワイヤ3の先端部分3aの固着部分では、一対の弾性ワイヤ3をスネアループ10の膨縮面に対して交差する方向に隣接する位置関係で相互に固着すればよく、必ずしも直交する方向に隣接する位置関係にしなくても差し支えない。また、高周波電流を通電しない機械式の内視鏡用スネアに本発明を適用しても差し支えない。
本発明の参考例の内視鏡用スネアの先端部分のスネアループが可撓性シースの先端から少し引き出された状態の斜視図である。 本発明の参考例の内視鏡用スネアの全体構成を示す平面図である。 本発明の参考例の内視鏡用スネアの先端部分の正面図である。 本発明の参考例の内視鏡用スネアの先端部分のスネアループが可撓性シース内に引き込まれて窄まった状態の平面断面図である。 本発明の実施例の内視鏡用スネアの先端部分のスネアループが可撓性シースの先端から少し引き出された状態の斜視図である。 本発明の実施例の内視鏡用スネアによる粘膜切開処置の状態を例示する斜視図である。 本発明の実施例の内視鏡用スネアによる粘膜切除処置の状態を例示する斜視図である。 本発明の実施例の内視鏡用スネアの弾性ワイヤの最先端折り曲げ部の第1の変形例を示す側面図である。 本発明の実施例の内視鏡用スネアの弾性ワイヤの最先端折り曲げ部の第2の変形例を示す側面図である。 本発明の実施例の内視鏡用スネアの弾性ワイヤの最先端折り曲げ部の第3の変形例を示す正面図である。 従来の内視鏡用スネアの先端部分のスネアループが可撓性シースの先端から少し引き出された状態の斜視図である。 従来の内視鏡用スネアの先端部分のスネアループが可撓性シース内に引き込まれて窄まった状態の平面断面図である。
符号の説明
1 可撓性シース
2 操作ワイヤ
3 弾性ワイヤ
3a 先端部分
3b 先端側曲げ部
3c 最先端折り曲げ部
10 スネアループ
X 膨縮面
Y 膨縮面Xに対して直交する方向

Claims (2)

  1. 可撓性シース内に軸線方向に進退自在に操作ワイヤが挿通配置されて、一対の弾性ワイヤを先端と基端とで各々相互に固着して中間部分を曲げて形成されたスネアループが上記操作ワイヤの先端に連結され、上記操作ワイヤを軸線方向に進退操作することにより上記スネアループが上記可撓性シースの先端内に出入りして、上記スネアループが上記可撓性シース外では自己の弾性によって膨らみ、上記可撓性シース内に引き込まれることにより弾性変形して窄まるようにした内視鏡用スネアにおいて、
    上記スネアループを構成する一対の弾性ワイヤ、先端側の固着部において上記スネアループの膨縮面に対して交差する方向に隣接する位置関係で相互に固着されると共に、上記一対の弾性ワイヤのうち一方の弾性ワイヤの最先端部分が、上記スネアループの膨縮面に対して交差する方向に折り曲げられていることを特徴とする内視鏡用スネア。
  2. 上記一対の弾性ワイヤが、先端側の固着部において上記スネアループの膨縮面に対して略直交する方向に隣接する位置関係で相互に固着されている請求項1記載の内視鏡用スネア。
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