JP4388070B2 - 静電塗装装置 - Google Patents

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Description

本発明は、塗装機に高電圧を印加した状態で塗料を噴霧するようにした静電塗装装置に関する。
一般に、静電塗装装置として、回転霧化頭を用いて被塗物に向けて塗料を噴霧する塗装機と、電源電圧を昇圧して高電圧を発生して該高電圧を塗装機の回転霧化頭に出力する高電圧発生器と、該高電圧発生器に供給する電源電圧を制御する電源電圧制御装置と、該電源電圧制御装置に対して電源電圧を設定するための設定信号を出力し、前記高電圧発生器から出力する高電圧を制御する高電圧制御装置とによって構成したものが知られている(例えば、特開2002−186884号公報参照)。
このような従来技術による静電塗装装置では、例えば回転霧化頭は、被塗物に向けて高電圧を放電する電極を構成している。このため、回転霧化頭とアース電位となった被塗物との間には、静電界が形成されている。そして、回転霧化頭を通じて高電圧に帯電した塗料粒子は、この静電界に沿って被塗物に向けて飛行して塗着する。
また、静電塗装装置では、高電圧発生器の低圧側はアース電位となっている。このため、静電塗装装置では、前述した回転霧化頭と被塗物との間の静電界に加えて、高電圧発生器のアース側となる静電塗装装置の後部側と回転霧化頭との間にも静電界が形成される。このとき、塗装機のカバーの表面に噴霧ミスト、塵埃等の浮遊物および空気中の水分等が吸着して、カバー等の表面抵抗を低下させ、静電塗装装置の絶縁性を損なうという問題があった。このため、従来技術による静電塗装装置では、電源、高電圧発生器、回転霧化頭、被塗物等の経路からなる高電圧印加経路のうち高電圧発生器を流れる電流(以下、全帰路電流という)を検出し、該電流の振幅に基づいてカバー等の絶縁性の低下を検出していた。
ところで、従来技術による静電塗装装置では、高電圧印加経路のうち高電圧発生器を流れる全帰路電流に基づいてカバー等の絶縁性の低下を検出していた。しかし、高電圧発生器には、例えば高電圧印加経路を通って回転霧化頭と被塗物との間に流れる電流(以下、被塗物電流という)が流れるのに加えて、高電圧印加経路以外の漏洩経路を通る電流(以下、漏洩電流という)が流れる。このため、全帰路電流には、例えば回転霧化頭と被塗物との間に流れる被塗物電流と塗装機の表面等を流れる漏洩電流とを含んでしまう。ここで、塗装機の漏洩電流が生じる箇所は、塗装機のカバーの表面に加えて、例えば、塗装機内の塗料通路の内面、噴霧パターン成形用等のエア通路の内面等に存在する。
例えば、塗料通路の内面では、適切な洗浄を行っていても使用の経過と共に塗料中の顔料等が少しずつ残留付着する傾向があるから、残留付着した顔料等によって絶縁抵抗値が低下して高電圧が沿面放電し易い状態にある。特にアルミニウム粉等の金属顔料を含む所謂メタリック塗料を使用したときには、塗料通路内壁に導電体である顔料が残留するから、絶縁抵抗値の低下が顕著になる。
また、エア通路の内面では、例えば、噴霧パターン成形用のシェーピングエア、塗料の供給、停止を制御するエアバルブ用のパイロットエア、回転霧化頭を駆動するエアモータ用の駆動エア等が流通するときに、これらのエアに含まれる微細な塵埃や水分等が付着し、高電圧が沿面放電し易い状態にある。
このように塗装機は、複数箇所で漏洩電流が発生し得る状態にある。これに対し、全帰路電流に基づいて絶縁性の低下を検出したときには、被塗物電流と漏洩電流のいずれが増加したのか判別し難いのに加え、いずれの箇所で漏洩電流が生じているかが分からない。
このため、例えば塗装機のカバーの表面を清掃しただけでは漏洩電流を十分に抑止することができず、異常電流値の増加による高電圧の遮断が頻発して塗装機の稼動停止回数が増加する傾向があり、塗装生産性が低くなるという問題があった。また、漏洩電流が生じている箇所を特定することができないから、例えばカバーの表面、塗料通路の内面、エア通路の内面等の絶縁破壊の進行状況が不明で、未然に塗装機の破損(電気的焼損)を防ぐことができなかった。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、漏洩電流が生じている箇所を特定することができ、塗装機の損傷を未然に防止して信頼性、耐久性、塗装生産性を高めることができる静電塗装装置を提供することにある。
(1).上述した課題を解決するために、本発明は、被塗物に塗料を噴霧する塗装機と、電源電圧を昇圧して高電圧を発生し、該高電圧を前記塗装機に出力する高電圧発生器と、該高電圧発生器に供給する電源電圧を制御する電源電圧制御装置と、該電源電圧制御装置に対して電源電圧を設定するための設定信号を出力し、前記高電圧発生器から出力する高電圧を制御する高電圧制御装置とを備えてなる静電塗装装置に適用される。
そして、本発明が採用する構成の特徴は、前記高電圧発生器を流れる全帰路電流を検出する全帰路電流検出手段と、前記被塗物を通らずに流れる漏洩電流を検出する漏洩電流検出手段とを備え、前記高電圧制御装置は、前記全帰路電流検出手段による全帰路電流検出値と該漏洩電流検出手段による漏洩電流検出値とを用いて前記塗装機の絶縁性が損なわれたと判別したときには、前記電源電圧制御装置に対して電源電圧の供給を遮断する遮断信号を出力する電源遮断手段と、前記漏洩電流検出手段による漏洩電流検出値を用いて初期段階の絶縁低下が生じたと判別したときには、前記塗装機に生じている絶縁低下を報知する報知手段とを含む構成としたことにある。
このように構成したことにより、電源遮断手段は、例えば全帰路電流検出手段による全帰路電流検出値が所定の遮断しきい電流値を超えたか否か、または漏洩電流検出手段による漏洩電流検出値が所定の遮断しきい電流値を超えたか否かを判別することによって、絶縁破壊が生じ得る程度に塗装機の絶縁性が損なわれたか否かを判別することができる。これにより、電源遮断手段は、例えば全帰路電流検出値を用いて塗装機が被塗物に異常接近して塗装機の絶縁性が損なわれたことを判別することができる。また、漏洩電流検出値を用いて漏洩電流が流れる箇所(例えば、塗装機のカバーの表面、塗料通路の内面、エア通路の内面等)の絶縁性が損なわれたことを判別することができる。
また、被塗物を通らずに流れる漏洩電流を検出する漏洩電流検出手段を設けたから、報知手段は、例えば漏洩電流検出値が遮断しきい電流値よりも小さい所定の警報しきい電流値を超えたか否かを判別することによって、塗装機の絶縁性が損なわれる前に初期段階の絶縁低下が生じたか否かを判別することができる。これにより、報知手段は、漏洩電流検出値を用いて被塗物と塗装機との間以外の箇所(例えば塗装機のカバーの表面、塗料通路の内面、エア通路の内面等)における絶縁破壊の進行状況を把握することができる。この結果、これら各箇所での沿面放電による損傷が進行する前に、例えば警報の発生等によって絶縁低下を報知し、作業者に対して塗装機の保守(点検、清掃等)を促すことができ、塗装機の損傷を防ぎ、信頼性、耐久性を高めることができる。
特に、漏洩電流検出手段を用いて例えば塗装機のカバーの表面、塗料通路の内面、エア通路の内面等の漏洩電流を個別に検出したときには、報知手段は、漏洩電流が生じている箇所のうち、漏洩電流が増大している箇所を判別することができる。このため、報知手段を用いて当該漏洩電流の増大箇所を通知することによって、作業者は、塗装機のうち報知手段によって判別した箇所に対してだけ保守作業を行えばよく、塗装機の保守に必要な時間を短縮して、塗装生産性を向上することができる。
(2).本発明では、前記漏洩電流検出手段は、前記塗装機の外面を流れる電流を検出する外面電流検出器を含む構成としている。
この構成により、外面電流検出器を用いて塗装機の外面を流れる漏洩電流を検出することができる。これにより、電源遮断手段および報知手段は、塗装機の外面における絶縁破壊の進行状況を把握することができるから、塗装機の外面に吸着物が堆積して絶縁性が低下、損失したことを判別することができる。従って、電源遮断手段は、塗装機の外面で絶縁破壊が生じる前に高電圧の供給を遮断することができるから、塗装機の損傷を防ぎ、信頼性、耐久性を高めることができる。また、報知手段は、塗装機の外面で沿面放電による損傷が進行する前に警報の発生等によって絶縁低下を報知し、作業者に対して塗装機の外面に対する清掃を促すことができる。
(3).本発明では、前記漏洩電流検出手段は、前記塗装機内の塗料通路を流れる電流を検出する塗料通路電流検出器を含む構成としている。
この構成により、塗料通路電流検出器を用いて塗料通路内を流れる漏洩電流を検出することができる。これにより、電源遮断手段および報知手段は、塗料通路内における絶縁破壊の進行状況を把握することができるから、塗料通路の内面に顔料等が付着、堆積して絶縁性が低下、損失したことを判別することができる。従って、電源遮断手段は、塗料通路の内面で絶縁破壊が生じる前に高電圧の供給を遮断することができるから、塗料通路の損傷を防ぎ、信頼性、耐久性を高めることができる。また、報知手段は、塗料通路の内面で沿面放電による損傷が進行する前に警報の発生等によって絶縁低下を報知し、作業者に対して塗料通路の清掃、洗浄を促すことができる。
(4).本発明では、前記漏洩電流検出手段は、前記塗装機の外面を流れる電流を検出する外面電流検出器と、前記塗装機内の塗料通路を流れる電流を検出する塗料通路電流検出器とを含む構成としている。
この構成により、外面電流検出器を用いて塗装機の外面を流れる漏洩電流を検出することができると共に、塗料通路電流検出器を用いて塗料通路内を流れる漏洩電流を検出することができる。これにより、電源遮断手段および報知手段は、塗装機の外面における絶縁破壊の進行状況を把握することができると共に、塗料通路内における絶縁破壊の進行状況を把握することができる。
(5).本発明では、前記塗装機は、駆動エアによって回転駆動するエアモータと、該エアモータによって回転する回転軸と、該回転軸の先端に設けられ該回転軸によって回転する間に塗料供給弁を介して供給された塗料を噴霧する回転霧化頭と、該回転霧化頭の外周側に設けられ塗料の噴霧パターンを成形するシェーピングエアを吐出するためのエア吐出孔を有するシェーピングエアリングとによって構成し、前記漏洩電流検出手段は、前記駆動エアを供給するための駆動エア通路を流れる電流を検出する駆動エア通路電流検出器と、前記シェーピングを供給するためのシェーピングエア通路を流れる電流を検出するシェーピングエア通路電流検出器と、前記塗料供給弁を開閉駆動するための供給弁駆動エア通路を流れる電流を検出する供給弁駆動エア通路電流検出器とを含む構成としている。
この場合、漏洩電流検出手段は、駆動エア通路電流検出器、シェーピングエア通路電流検出器および供給弁駆動エア通路電流検出器を含む構成としたから、3個の電流検出器を用いてそれぞれのエア通路内を流れる漏洩電流を検出することができる。これにより、電源遮断手段および報知手段は、エア通路内における絶縁破壊の進行状況を把握することができるから、エア通路の内面に塵埃、水分等が付着、堆積して絶縁性が低下、損失したことを判別することができる。従って、電源遮断手段は、各エア通路の内面で絶縁破壊が生じる前に高電圧の供給を遮断することができるから、エア通路の損傷を防ぎ、信頼性、耐久性を高めることができる。また、報知手段は、各エア通路の内面で沿面放電による損傷が進行する前に警報の発生等によって絶縁低下を報知し、作業者にエア通路やエア源の保守を要請することができ、エア通路およびエア源のフィルタ、ドライヤに対する清掃を促すことができる。
(6).本発明では、前記塗装機は、駆動エアによって回転駆動するエアモータと、該エアモータによって回転する回転軸と、該回転軸の先端に設けられ該回転軸によって回転する間に塗料供給弁を介して供給された塗料を噴霧する回転霧化頭と、該回転霧化頭の外周側に設けられ塗料の噴霧パターンを成形するシェーピングエアを吐出するためのエア吐出孔を有するシェーピングエアリングとによって構成し、前記漏洩電流検出手段は全エア通路電流検出器を含む構成とし、該全エア通路電流検出器は、前記駆動エアを供給するための駆動エア通路を流れる電流と、前記シェーピングを供給するためのシェーピングエア通路を流れる電流と、前記塗料供給弁を開閉駆動するための供給弁駆動エア通路を流れる電流とを一緒に検出する構成としている。
この場合、漏洩電流検出手段に含まれる全エア通路電流検出器は、駆動エア通路を流れる電流と、シェーピングエア通路を流れる電流と、供給弁駆動エア通路を流れる電流とを一緒に検出する構成としたから、単一の全エア通路電流検出器を用いて全てのエア通路内を流れる漏洩電流を一緒に検出することができる。これにより、電源遮断手段および報知手段は、エア通路内における絶縁破壊の進行状況を把握することができるから、エア通路の内面に塵埃、水分等が付着、堆積して絶縁性が低下、損失したことを判別することができる。
また、駆動エア通路、シェーピングエア通路、供給弁駆動エア通路には一般に共通のエア源に接続され、同じエアが供給されるから、各エア通路内の絶縁性を低下させる要因は、エア中の水分、塵埃(微細ミスト)がエア通路の内面に付着することで共通している。このため、これらのエア通路は一緒に絶縁性が低下する傾向があるのに対し、全エア通路電流検出器は全てのエア通路内を流れる漏洩電流を一緒に(合計して)検出するから、いずれのエア通路の絶縁性が低下した場合でも早期かつ確実に検出することができる。また、複数のエア通路に対して単一の全エア通路電流検出器を用いるから、複数のエア通路に電流検出器をそれぞれ設けた場合に比べて、電流検出器の数を少なくすることができる。これにより、電源遮断手段および報知手段の制御機能を簡略化することができると共に、装置全体の製造コストを低減することができる。
(7).本発明では、前記電源遮断手段は、前記全帰路電流検出手段による全帰路電流検出値から前記漏洩電流検出手段による漏洩電流検出値を除き、被塗物との間に流れる被塗物電流を演算する被塗物電流演算手段と、該被塗物電流演算手段による被塗物電流が所定の遮断しきい電流値を超えたときに前記電源電圧制御装置に対して電源電圧の供給を遮断する遮断信号を出力する被塗物電流異常処理手段とを備える構成としている。
これにより、被塗物電流異常処理手段は、被塗物との間に流れる被塗物電流を用いて塗装機が被塗物に異常接近したか否かを判別することができ、異常接近したときには電源電圧の供給を遮断することができる。また、全帰路電流検出値を用いて被塗物に異常接近したか否かを判別する場合には、被塗物の接近状況が漏洩電流に基づいて緩和され、精度が低下し易い。これに対し、被塗物電流異常処理手段は、全帰路電流検出値から漏洩電流検出値を減算した被塗物電流を用いて塗装機が被塗物に異常接近したか否かを判別するから、被塗物の接近状況を高い精度で把握することができる。
さらに、被塗物電流異常処理手段は漏洩電流検出値を減算した被塗物電流を常時監視するから、塗装機の内外で異常な漏洩電流(塗装機の外面等のように通常の漏洩電流が生じる箇所以下での漏洩電流)が生じたか否かを間接的に監視することができる。このため、このような異常な漏洩電流が生じた場合でも、被塗物電流異常処理手段によって早期に発見、判別することができる。
(8).本発明では、前記電源遮断手段は、前記全帰路電流検出手段による全帰路電流検出値から前記漏洩電流検出手段による漏洩電流検出値を減算し、被塗物との間に流れる被塗物電流を演算する被塗物電流演算手段と、該被塗物電流演算手段による被塗物電流の変化量が所定の遮断しきい変化量を超えたときに前記電源電圧制御装置に対して電源電圧の供給を遮断する遮断信号を出力するスロープ異常処理手段とを備える構成としている。
これにより、スロープ異常処理手段は、被塗物との間に流れる被塗物電流の変化量を用いて塗装機が被塗物に異常接近したか否かを判別することができ、異常接近したときには電源電圧の供給を遮断することができる。また、全帰路電流検出値の変化量を用いて被塗物に異常接近したか否かを判別する場合には、被塗物の接近状況が漏洩電流に基づいて緩和され、精度が低下し易い。これに対し、スロープ異常処理手段は、全帰路電流検出値から漏洩電流検出値を減算した被塗物電流の変化量を用いて塗装機が被塗物に異常接近したか否かを判別するから、被塗物の接近状況を高い精度で把握することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示す一部破断の正面図である。
図2は、第1の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置の全体構成を示す構成図である。
図3は、図1中の高電圧制御装置に格納された遮断しきい電流値、警報しきい電流値を示す説明図である。
図4は、第1の実施の形態による高電圧発生制御処理を示す流れ図である。
図5は、図4に続く流れ図である。
図6は、第2の実施の形態による高電圧発生制御処理を示す流れ図である。
図7は、図6に続く流れ図である。
図8は、図6中のスロープ検出処理を示す流れ図である。
図9は、第3の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置の全体構成を示す構成図である。
以下、本発明の実施の形態による静電塗装装置として回転霧化頭型塗装装置を例に挙げて添付図面に従って詳細に説明する。
まず、図1ないし図5は第1の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示している。図において、1はアース電位にある被塗物Aに向けて塗料を噴霧する塗装機で、該塗装機1は、後述するカバー2、エアモータ3、回転霧化頭5等によって構成されている。
2は絶縁性樹脂材料によって形成された円筒状のカバーを示している。このカバー2は、エアモータ3、高電圧発生器14等を覆っている。
3はカバー2の内周側に収容された導電性金属材料からなるエアモータを示している。このエアモータ3は、モータハウジング3Aと、該モータハウジング3A内に静圧エア軸受3Bを介して回転可能に支持された中空の回転軸3Cと、該回転軸3Cの基端側に固定されたエアタービン3Dとによって構成されている。また、エアモータ3には、塗装機1内に設けられた駆動エア通路4が接続されている。そして、エアモータ3は、エアタービン3Dに対して駆動エア通路4を通じて駆動エアを供給することにより、回転軸3Cと回転霧化頭5を、例えば3000〜150000rpmで高速回転させるものである。
5はエアモータ3の回転軸3C先端側に取付けられた回転霧化頭で、該回転霧化頭5は、例えば金属材料または導電性の樹脂材料によって形成されている。この回転霧化頭5は、エアモータ3によって高速回転された状態で、後述のフィードチューブ8を通じて塗料が供給されることにより、その塗料を遠心力によって周縁から噴霧する。また、回転霧化頭5には、エアモータ3の回転軸3C等を介して後述の高電圧発生器14が接続されている。これにより、静電塗装を行う場合に、回転霧化頭5全体に高電圧を印加することができ、これらの前面を流れる塗料を直接的に高電圧に帯電させることができる。
6は例えば絶縁性樹脂材料を用いて形成されたシェーピングエアリングで、該シェーピングエアリング6は、回転霧化頭5の外周側を囲繞するようにカバー2の先端側に設けられている。このシェーピングエアリング6には複数個のエア吐出孔6Aが穿設され、該エア吐出孔6Aは塗装機1内に設けられたシェーピングエア通路7が連通している。そして、エア吐出孔6Aにはシェーピングエア通路7を通じてシェーピングエアが供給され、エア吐出孔6Aは、該シェーピングエアを回転霧化頭5から噴霧される塗料に向けて噴出する。これにより、シェーピングエアは、回転霧化頭5から噴霧された塗料粒子の噴霧パターンを成形する。
8は回転軸3C内に挿通して設けられたフィードチューブで、該フィードチューブ8の先端側は、回転軸3Cの先端から突出して回転霧化頭5内に延在している。また、フィードチューブ8内には塗料通路9が設けられると共に、該塗料通路9は色替弁装置(図示せず)を介して塗料供給源10および洗浄シンナ供給源(図示せず)に接続されている。これにより、フィードチューブ8は、塗装時には塗料通路9を通じて回転霧化頭5に向けて塗料供給源10からの塗料を供給すると共に、洗浄時、色替時等には洗浄シンナ供給源からの洗浄流体(シンナ、空気等)を供給する。
なお、フィードチューブ8は、本実施の形態に限らず、例えば内筒に塗料通路が形成され、外筒に洗浄シンナ通路が配置された二重筒状に形成してもよい。また、塗料通路9は、本実施の形態のようにフィードチューブ8内を通るものに限らず、塗装機1の種類に応じて種々の通路形態が採用可能である。
11は塗料通路9の途中に設けられた例えば常閉型の塗料供給弁を示している。この塗料供給弁11は、塗料通路9内を延びる弁体11Aと、該弁体11Aの基端側に位置してシリンダ11B内に設けられたピストン11Cと、シリンダ11B内に設けられ弁体11Aを閉弁方向に付勢する弁ばね11Dと、シリンダ11B内で弁ばね11Dと反対側に設けられた受圧室11Eとから構成されている。また、受圧室11Eには、カバー2内を延びる供給弁駆動エア通路12が接続されている。そして、塗料供給弁11は、供給弁駆動エア通路12を通じて受圧室11Eに供給弁駆動エア(パイロットエア)が供給されることによって、弁ばね11Dに抗して弁体11Aが開弁し(図1中の左方に移動し)、塗料通路9内の塗料の流通を許可する。
13はエア源を示し、該エア源13は、駆動エア通路4、シェーピングエア通路7および供給弁駆動エア通路12に接続されている。ここで、エア源13は、フィルタを通じて外気を吸引、圧縮した後に、ドライヤ(いずれも図示せず)を用いて圧縮空気を乾燥させて吐出する。そして、エア源13から吐出される圧縮空気は、例えば駆動エア通路4の途中に設けられた空電変換器(図示せず)を介してエアモータ3に供給され、空電変換器を用いてエアモータ3の回転数が制御されている。また、エア源13から吐出される圧縮空気は、シェーピングエア通路7に供給されて塗料粒子の噴霧パターンを成形すると共に、供給弁駆動エア通路12に供給されて塗料供給弁11の開閉駆動に使用される。
14はカバー2の基端側に内蔵された高電圧発生器で、該高電圧発生器14は、例えば複数のコンデンサ、ダイオード(いずれも図示せず)からなる多段式整流回路(所謂、コッククロフト回路)によって構成されている。また、高電圧発生器14は、後述の電源電圧制御装置15から供給される電源電圧を昇圧して、例えば−30〜−150kVの高電圧を発生する。そして、高電圧発生器14は、エアモータ3、回転霧化頭5を通じて、該回転霧化頭5に供給された塗料に直接的に高電圧に帯電させている。
次に、15は電源電圧制御装置を示し、この電源電圧制御装置15は、高電圧発生器14から出力される出力電圧(高電圧)を制御するために高電圧発生器14に供給する直流の電源電圧を制御するものである。そして、この電源電圧制御装置15は、その入力側が電源変換回路16を介して商用電源17に接続され、出力側が高電圧発生器14に接続されている。
ここで、電源変換回路16は例えば高圧用トランスとA/D変換器とから構成され、商用電源17から給電されるAC100Vを例えばDC24Vに電源変換し、このDC24Vを電源電圧として電源電圧制御装置15に出力している。
また、前記電源電圧制御装置15は、NPN型のパワートランジスタ18と該パワートランジスタ18を制御するトランジスタ制御回路19とによって構成されている。そして、パワートランジスタ18のコレクタは電源変換回路16に接続され、エミッタは高電圧発生器14の入力側に接続されると共に、ベースはトランジスタ制御回路19に接続されている。
そして、トランジスタ制御回路19は、後述する高電圧制御装置20から出力される設定信号に応じてパワートランジスタ18のベース電圧を変化させ、エミッタから高電圧発生器14の入力側に印加される電源電圧を可変に制御している。
20は電源電圧制御装置15に対して電源電圧を設定するために電圧設定器21から出力される設定電圧に応じた信号(設定信号)を出力する高電圧制御装置で、該高電圧制御装置20は、処理装置(CPU)等を含んで構成されている。また、高電圧制御装置20は、その入力側に電圧設定器21、電圧センサ22、電流センサ23および漏洩電流検出器24が接続されると共に、出力側に後述の警報ブザー30、警報ランプ31が接続されている。
そして、高電圧制御装置20は、電圧設定器21から出力される設定電圧と電圧センサ22による検出電圧とを比較して高電圧発生器14から出力される出力電圧をフィードバック制御する。これにより、高電圧制御装置20は、トランジスタ制御回路19に設定信号を出力し、パワートランジスタ18の駆動を制御して高電圧発生器14から出力する高電圧を制御している。
また、高電圧制御装置20は、後述の図4および図5に示す高電圧発生制御処理のプログラムに従って作動する。これにより、高電圧制御装置20は、後述の電流センサ23,25〜29の電流検出値It,Ia〜Ieを用いて、塗装機1の絶縁状態を判別し、絶縁性が低下した初期段階と判別したときには、警報ブザー30、警報ランプ31に警報信号を出力する。一方、絶縁性が損なわれた状態と判別したときには、電源電圧制御装置15に対して遮断信号を出力し、高電圧発生器14に対する電源電圧の供給を遮断する。
なお、電圧設定器21から出力される設定電圧は、塗料の性質、塗装条件等に応じて例えば−30〜−150kVの範囲内で適宜設定されるものである。
22は高電圧発生器14の出力側に接続された電圧センサで、該電圧センサ22は、エアモータ3、回転霧化頭5の電圧として高電圧発生器14から出力される出力電圧を検出し、この電圧検出値Vを高電圧制御装置20に向けて出力している。
23は高電圧発生器14に接続された全帰路電流検出手段としての電流センサを示している。この電流センサ23は、商用電源17、電源変換回路16、高電圧発生器14、回転霧化頭5、被塗物A等の経路からなる高電圧印加経路のうち、高電圧発生器14を流れる全帰路電流を検出している。このとき、高電圧発生器14には、高電圧印加経路を通る被塗物電流に加えて、後述する各種の漏洩経路を通る漏洩電流が流れる。即ち、高電圧印加経路と漏洩経路とはアースを介して接続されているから、高電圧発生器14には、被塗物電流と漏洩電流との両方が戻ってくる。このため、電流センサ23は、被塗物電流と漏洩電流とを加えた全帰路電流を検出し、この電流検出値Itを高電圧制御装置20に向けて出力している。
24は被塗物Aを通らずに流れる漏洩電流を検出する漏洩電流検出手段としての漏洩電流検出器を示している。この漏洩電流検出器24は、後述する電流センサ25〜29によって構成され、その出力側が高電圧制御装置20に接続されている。
25は外面電流検出器としての電流センサを示している。この電流センサ25は、例えばカバー2の表面に設けられた導電性金属材料等からなる環状の導体端子25Aに接続されている。この場合、導体端子25Aは、カバー2の表面と略同一面をなし、カバー2を取囲む環状の導体によって形成されている。そして、電流センサ25は、導体端子25Aを通じて塗装機1の外面(カバー2の表面)を流れる電流を検出し、この電流検出値Iaを高電圧制御装置20に向けて出力している。
26は駆動エア通路電流検出器としての電流センサを示している。この電流センサ26は、例えば駆動エア通路4の途中に設けられた導電性金属材料等からなる環状の導体端子26Aに接続されている。この場合、導体端子26Aは、その内周面が駆動エア通路4の内壁面と略同一面をなす環状の導体によって形成されている。そして、電流センサ26は、導体端子26Aを通じて塗装機1内の駆動エア通路4を流れる電流を検出し、この電流検出値Ibを高電圧制御装置20に向けて出力している。
27はシェーピングエア通路電流検出器としての電流センサを示している。この電流センサ27は、例えばシェーピングエア通路7の途中に設けられた導電性金属材料等からなる環状の導体端子27Aに接続されている。この場合、導体端子27Aは、その内周面がシェーピングエア通路7の内壁面と略同一面をなす環状の導体によって形成されている。そして、電流センサ27は、導体端子27Aを通じて塗装機1内のシェーピングエア通路7を流れる電流を検出し、この電流検出値Icを高電圧制御装置20に向けて出力している。
28は供給弁駆動エア通路電流検出器としての電流センサを示している。この電流センサ28は、例えば供給弁駆動エア通路12の途中に設けられた導電性金属材料等からなる環状の導体端子28Aに接続されている。この場合、導体端子28Aは、その内周面が供給弁駆動エア通路12の内壁面と略同一面をなす環状の導体によって形成されている。そして、電流センサ28は、導体端子28Aを通じて塗装機1内の供給弁駆動エア通路12を流れる電流を検出し、この電流検出値Idを高電圧制御装置20に向けて出力している。
29は塗料通路電流検出器としての電流センサを示している。この電流センサ29は、例えば塗料供給弁11よりも上流側(塗料供給源10側)に位置して塗料通路9の途中に設けられた導電性金属材料等からなる環状の導体端子29Aに接続されている。この場合、導体端子29Aは、その内周面が塗料通路9の内壁面と略同一面をなす環状の導体によって形成されている。そして、電流センサ29は、導体端子29Aを通じて塗装機1内の塗料通路9を流れる電流を検出し、この電流検出値Ieを高電圧制御装置20に向けて出力している。
30は警報ブザー、31は警報ランプをそれぞれ示している。これらの警報ブザー30、警報ランプ31は、警報手段を構成すると共に、高電圧制御装置20の出力側に接続されている。そして、警報ブザー30、警報ランプ31は、高電圧制御装置20から出力される警報信号に基づいて駆動し、作業者に対してカバー2等の絶縁性が低下していることを報知するものである。
第1の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置は上述のような構成を有するもので、次に、塗装装置としての作動について説明する。
塗装機1は、エアモータ3によって回転霧化頭5を高速回転させ、この状態でフィードチューブ8を通じて回転霧化頭5に塗料を供給する。これにより、塗装機1は、回転霧化頭5が回転するときの遠心力によって塗料を微粒化して噴霧する。また、シェーピングエアリング6を通じてシェーピングエアを供給することによって、塗料粒子は、噴霧パターンが制御されつつ被塗物に塗着するものである。
また、回転霧化頭5にはエアモータ3を介して高電圧発生器14による高電圧が印加されている。これにより、塗料粒子は、回転霧化頭5を通じて直接的に高電圧に帯電すると共に、回転霧化頭5と被塗物Aとの間に形成された静電界に沿って飛行し、被塗物に塗着する。
次に、高電圧制御装置20による高電圧発生制御処理について図4および図5を参照しつつ説明する。
なお、遮断しきい電流値It0は、回転霧化頭5が被塗物Aに異常接近した状態またはカバー2等の絶縁性が損なわれた状態で、高電圧発生器14を流れる全帰路電流値を示している。この遮断しきい電流値It0は、例えば200μA程度に設定されている。
また、遮断しきい電流値Ix0は、回転霧化頭5が被塗物Aに異常接近して絶縁性が損なわれた状態で塗装機1と被塗物Aとの間に流れる被塗物電流値を示している。この遮断しきい電流値Ix0は、例えば80μA程度に設定されている。遮断しきい電流値Ia0は、カバー2の絶縁性が損なわれた状態でカバー2の外面を流れる電流値を示している。この遮断しきい電流値Ia0は、例えば60μA程度に設定されている。さらに、遮断しきい電流値Ib0〜Id0は、各エア通路4,7,12の絶縁性が損なわれた状態で各エア通路4,7,12内に流れる電流値を示している。この遮断しきい電流値Ib0〜Id0は、例えば10μA程度に設定されている。遮断しきい電流値Ie0は、塗料通路9の絶縁性が損なわれた状態で塗料通路9内に流れる電流値を示している。この遮断しきい電流値Ie0は、例えば15μA程度に設定されている。
一方、警報しきい電流値Ia1〜Ie1は、遮断しきい電流値Ia0〜Ie0よりも小さい値(例えば、遮断しきい電流値It0の60%〜80%程度の値)にそれぞれ設定されている。
ここで、警報しきい電流値Ia1は、カバー2の絶縁性が低下した初期段階の状態(カバー2の絶縁性が失われる傾向がある状態)でカバー2の外面を流れる電流値を示している。この警報しきい電流値Ia1は、遮断しきい電流値Ia0よりも小さい値として例えば40μA程度に設定されている。同様に、警報しきい電流値Ib1〜Id1は、各エア通路4,7,12の絶縁性が低下した初期段階の状態で各エア通路4,7,12内に流れる電流値を示している。この警報しきい電流値Ib1〜Id1は、遮断しきい電流値Ib0〜Id0よりも小さい値として例えば6μA程度にそれぞれ設定されている。警報しきい電流値Ie1は、塗料通路9の絶縁性が低下した初期段階の状態で塗料通路9内に流れる電流値を示している。この警報しきい電流値Ie1は、遮断しきい電流値Ie0よりも小さい値として例えば10μA程度に設定されている。
前述した遮断しきい電流値It0,Ix0,Ia0〜Ie0、警報しきい電流値Ia1〜Ie1をまとめると、図3に示すデータマップのようになる。
まず、ステップ1では、予め高電圧制御装置20のメモリ等(図示せず)に格納しておいた図3に示すデータから絶対値検出用の遮断しきい電流値It0,Ix0,Ia0〜Ie0を読込む。ステップ2では、予めメモリに格納しておいた図3に示すデータから絶対値検出用の警報しきい電流値Ia1〜Ie1を読込み、ステップ3では、電流センサ23,25〜29によって検出した電流の検出値It,Ia〜Ieを読込む。
次に、ステップ4では、全帰路電流の検出値Itから漏洩電流の検出値Ia〜Ieを減算して、塗装機1と被塗物Aとの間に流れている被塗物電流値Ixを以下の(1)式に基づいて演算する。
Ix=It−(Ia+Ib+Ic+Id+Ie) ・・・・(1)
次に、ステップ5では、ステップ4で算出した被塗物電流値Ixが予め決められた遮断しきい電流値Ix0よりも大きい(Ix>Ix0)か否かを判定する。そして、ステップ5で「YES」と判定したときには、例えば回転霧化頭5が被塗物Aに異常接近して絶縁性が損なわれた状態となり、塗装機1と被塗物Aとの間に流れる電流が絶縁破壊を生じ得る程度に増大している。このため、ステップ6に移って被塗物電流値Ixが過大であることを示す異常停止表示を例えば高電圧制御装置20のモニタ等(図示せず)に出力する。
その後、ステップ7では、高電圧制御装置20は電源電圧制御装置15に対して遮断信号を出力し、トランジスタ制御回路19を駆動して高電圧発生器14と電源変換回路16との間を遮断し、高電圧の供給を停止する。最後に、ステップ8では、塗装機1の駆動を停止させる処理を行い、処理を終了する。
一方、ステップ5で「NO」と判定したときには、ステップ9に移行する。そして、ステップ9では、カバー2等の表面を流れる電流検出値Iaが予め決められた遮断しきい電流値Ia0よりも大きい(Ia>Ia0)か否かを判定する。そして、ステップ9で「YES」と判定したときには、例えばカバー2等に付着した吸着物によって沿面放電が生じて絶縁性が損なわれた状態となり、カバー2の表面を流れる電流が絶縁破壊を生じ得る程度に増大している。このため、ステップ10に移ってカバー2の表面で検出した電流検出値Iaが過大であることを示す異常停止表示を例えば高電圧制御装置20のモニタ等(図示せず)に出力する。その後、ステップ7に移って高電圧発生器14と電源変換回路16との間を遮断して高電圧の供給を停止し、ステップ8に移って塗装機1の駆動を停止させる処理を行い、処理を終了する。
一方、ステップ9で「NO」と判定したときには、ステップ11に移行する。そして、ステップ11では、エア通路4,7,12内を流れる電流検出値Ib〜Idと塗料通路9内を流れる電流検出値Ieがそれぞれ予め決められた遮断しきい電流値Ib0〜Ie0よりも大きい(Ib>Ib0,Ic>Ic0,Id>Id0,Ie>Ie0)か否かを判定する。そして、ステップ11で「YES」と判定したときには、例えばエア通路4,7,12内に付着した水分、塵埃等によって沿面放電が生じて絶縁性が失われた状態となり、エア通路4,7,12内のいずれかを流れる電流が絶縁破壊を生じ得る程度に増大している。または、塗料通路9内に付着した顔料等によって沿面放電が生じて絶縁性が損なわれた状態となり、塗料通路9内を流れる電流が絶縁破壊を生じ得る程度に増大している。このため、ステップ12に移って電流検出値Ib〜Ieのうち過大となった電流検出値Ib〜Ieの通路を特定する異常停止表示を例えば高電圧制御装置20のモニタ等(図示せず)に出力する。その後、ステップ7に移って高電圧発生器14と電源変換回路16との間を遮断して高電圧の供給を停止し、ステップ8に移って塗装機1の駆動を停止させる処理を行い、処理を終了する。
一方、ステップ11で「NO」と判定したときには、ステップ13に移行する。そして、ステップ13では、高電圧発生器14を流れる全帰路電流の電流検出値Itが予め決められた遮断しきい電流値It0よりも大きい(It>It0)か否かを判定する。そして、ステップ13で「YES」と判定したときには、電流検出値Itが絶縁破壊を生じ得る程度に増大しているから、ステップ14に移って全帰路電流の電流検出値Itが過大であることを示す異常停止表示を例えば高電圧制御装置20のモニタ等(図示せず)に出力する。その後、ステップ7に移って高電圧発生器14と電源変換回路16との間を遮断して高電圧の供給を停止し、ステップ8に移って塗装機1の駆動を停止させる処理を行い、処理を終了する。
一方、ステップ13で「NO」と判定したときには、ステップ5,9,11,13のいずれでも「NO」と判定されたから、電流検出値Ia〜Ie,It、被塗物電流値Ixはいずれも遮断しきい電流値Ia0〜Ie0,It0,Ix0以下となる。このため、電流検出値Ia〜Ie,It、被塗物電流値Ixは塗装が継続可能な程度に小さいものと考えられるから、ステップ15に移行する。
次に、ステップ15では、カバー2等の表面を流れる電流検出値Iaが予め決められた警報しきい電流値Ia1よりも大きい(Ia>Ia1)か否かを判定する。そして、ステップ15で「YES」と判定したときには、塗装の継続は可能であるものの、例えばカバー2に付着した吸着物によって沿面放電が生じ、絶縁性が低下している。このため、ステップ16に移って警報ブザー30、警報ランプ31に警報信号を出力すると共に、例えば高電圧制御装置20のモニタ等(図示せず)に電流検出値Iaが増大してカバー2の絶縁性が低下していることを表示し、これらを用いて作業者に対してカバー2の表面の保守(点検、清掃等)を促す。その後、ステップ3以降の処理を繰返す。
一方、ステップ15で「NO」と判定したときには、ステップ17に移行する。そして、ステップ17では、エア通路4,7,12内を流れる電流検出値Ib〜Idと塗料通路9内を流れる電流検出値eがそれぞれ予め決められた警報しきい電流値Ib1〜Ie1よりも大きい(Ib>Ib1,Ic>Ic1,Id>Id1,Ie>Ie1)か否かを判定する。そして、ステップ17で「YES」と判定したときには、塗装の継続は可能であるものの、例えばエア通路4,7,12内に付着した水分、塵埃等によって沿面放電が生じて絶縁性が低下した状態、または塗料通路9内に付着した顔料等によって沿面放電が生じて絶縁性が低下した状態となっている。このため、ステップ18に移って警報ブザー30、警報ランプ31に警報信号を出力すると共に、例えば高電圧制御装置20のモニタ等(図示せず)にエア通路4,7,12と塗料通路9のうち絶縁性が低下した通路を表示する。これにより、作業者に対してエア通路4,7,12と塗料通路9のうち絶縁性が低下した通路を知らせると共に、当該通路等の保守を促す。その後、ステップ3以降の処理を繰返す。
一方、ステップ17で「NO」と判定したときには、いずれの電流検出値Ia〜Ieも警報しきい電流値Ia1〜Ie1よりも小さく、通常の塗装状態に保たれていると考えられる。このため、そのままの状態を保持して、ステップ3に移行し、ステップ3以降の処理を繰返す。
第1の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置は上述の如き高電圧発生制御処理に基づき作動するものである。
然るに、本実施の形態では、高電圧発生器14を流れる全帰路電流を検出する電流センサ23と、被塗物Aを通らずに流れる漏洩電流を検出する漏洩電流検出器24とを設けている。このため、高電圧制御装置20は、電流センサ23による電流検出値Itが所定の遮断しきい電流値It0を超えたか否か、または漏洩電流検出器24による電流検出値Ia〜Ieが所定の遮断しきい電流値Ia0〜Ie0を超えたか否かを判別することによって、絶縁破壊が生じ得る程度に塗装機1の絶縁性が損なわれたか否かを判別することができる。
これにより、高電圧制御装置20は、例えば電流検出値Itを用いて塗装機1が被塗物Aに異常接近して塗装機1の絶縁性が損なわれたことを判別できる。また、高電圧制御装置20は、電流検出値Ia〜Ieを用いて塗装機1のカバー2の表面、エア通路4,7,12の内面、塗料通路9の内面等のように被塗物Aを通らずに漏洩電流が流れる箇所の絶縁性が損なわれたことを判別することができる。
また、高電圧制御装置20は、漏洩電流検出器24による電流検出値Ia〜Ieを用いて塗装機1の絶縁低下を報知する構成としている。このため、高電圧制御装置20は、電流検出値Ia〜Ieが遮断しきい電流値Ia0〜Ie0よりも小さい所定の警報しきい電流値Ia1〜Ie1を超えたか否かを判別することによって、塗装機1の絶縁性が損なわれる前に初期段階の絶縁低下が生じたか否かを判別することができる。
これにより、高電圧制御装置20は、電流検出値Ia〜Ieを用いて被塗物Aと塗装機1との間以外の箇所(例えば塗装機1のカバー2の表面、エア通路4,7,12の内面、塗料通路9の内面等)における絶縁破壊の進行状況を把握することができるから、これら各箇所での沿面放電による損傷が進行する前に警報を発生して塗装機1の保守、清掃を促すことができ、塗装機1の損傷を防ぎ、信頼性、耐久性を高めることができる。
特に、第1の実施の形態では、漏洩電流検出器24は例えば塗装機1のカバー2の表面、エア通路4,7,12の内面、塗料通路9の内面等の漏洩電流を個別に検出する電流センサ25〜29を備える構成としている。このため、高電圧制御装置20は、漏洩電流を検出する複数箇所のうち、漏洩電流が増大している箇所(絶縁性が低下している箇所)を判別することができる。この結果、作業者は、塗装機1のうち高電圧制御装置20によって判別した箇所やその関連装置等だけを保守、清掃すればよい。
具体的には、電流センサ25の電流検出値Iaが増大して高電圧制御装置20が警報の発生や高電圧の供給停止を行ったときには、塗装機1のカバー2の表面に吸着物が堆積しているものと考えられる。このため、作業者は塗装機1のカバー2の表面を清掃すればよい。
また、電流センサ26〜28の電流検出値Ib〜Idが増大して高電圧制御装置20が警報の発生や高電圧の供給停止を行ったときには、駆動エア通路4、シェーピングエア通路7、供給弁駆動エア通路12のうちいずれかの通路の内面に水分、塵埃等が付着しているものと考えられる。このため、高電圧制御装置20によって判別されたいずれかの通路を清掃すると共に、各エア通路4,7,12にエアを供給するエア源13のフィルタ、ドライヤ等を点検、清掃、交換等すればよい。
さらに、電流センサ29の電流検出値Ieが増大して高電圧制御装置20が警報の発生や高電圧の供給停止を行ったときには、塗料通路9の内面に塗料の顔料等が付着しているものと考えられる。このため、作業者は塗装機1内の塗料通路9をシンナ等を用いて清掃すればよい。
このように、絶縁性が低下して漏洩電流が生じた箇所のみ保守、清掃等を行えばよいから、塗装機1の清掃等による塗装中断時間を短縮することができ、塗装生産性を向上することができる。
また、高電圧制御装置20は、被塗物Aと塗装機1との間に流れる被塗物電流値Ixを演算し、該被塗物電流値Ixが所定の遮断しきい電流値Ix0を超えたときに電源電圧制御装置15に対して遮断信号を出力する構成としている。このため、高電圧制御装置20は、被塗物電流値Ixを用いて塗装機1が被塗物Aに異常接近したか否かを判別することができ、異常接近したと判別したときには高電圧発生器14に対する電源電圧の供給を遮断することができる。
また、従来技術のように全帰路電流検出値Itを用いて塗装機1が被塗物Aに異常接近したか否かを判別する場合には、被塗物Aの接近状況が漏洩電流に基づいて緩和され、精度が低下し易い。これに対し、本実施の形態では、全帰路電流検出値Itから漏洩電流の電流検出値Ia〜Ieを除いた被塗物電流値Ixを用いて塗装機1が被塗物Aに異常接近したか否かを判別するから、被塗物Aの接近状況を高い精度で把握することができる。この結果、塗装途中の不必要な塗装の中断を防止して被塗物Aの塗装不良を回避することができ、塗装生産性を向上させることができる。
さらに、高電圧制御装置20は漏洩電流の電流検出値Ia〜Ieを除いた被塗物電流値Ixを常時監視することができる。従って、高電圧制御装置20は、塗装機1の内外で異常な漏洩電流(塗装機1の外面等のように通常の漏洩電流が生じる箇所以下での漏洩電流)が生じたか否かを間接的に監視することができる。このため、このような異常な漏洩電流が生じた場合でも、早期に発見、判別することができ、塗装機1が損傷する前に点検、修理を促すことができる。
次に、図6ないし図8は第2の実施の形態による高電圧発生制御処理を示している。本実施の形態の特徴は被塗物電流の変化量が所定の遮断しきい変化量を超えたときに電源電圧制御装置に対して電源電圧の供給を遮断する遮断信号を出力するスロープ異常処理を行うことにある。なお、本実施の形態では第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
また、遮断しきい電流値It0,Ix0,Ia0〜Ie0、警報しきい電流値Ia1〜Ie1は、第1の実施の形態と同様に設定され、図3に示すように、高電圧制御装置20のメモリ等(図示せず)に予め格納されているものである。
また、スロープ検出に用いる例えば170ms毎の被塗物電流値は、Ix′として高電圧制御装置20のメモリ(図示せず)に格納されているものとする。また、遮断しきい変化量ΔIx0は、回転霧化頭5が被塗物に異常接近するときに塗装機1と被塗物Aとの間に流れる被塗物電流値Ixの変化量として4〜40μA程度の値(例えば15μA程度)に設定され、高電圧制御装置20のメモリに格納されている。
まず、ステップ21では、予めメモリに格納しておいた絶対値検出用の遮断しきい電流値It0,Ix0,Ia0〜Ie0、遮断しきい変化量ΔIx0を読込む。ステップ22では、予めメモリに格納しておいた絶対値検出用の警報しきい電流値Ia1〜Ie1を読込む。ステップ23では、電流センサ23,25〜29によって検出した電流の検出値It,Ia〜Ieを読込む。
次に、ステップ24では、全帰路電流の検出値Itから漏洩電流の検出値Ia〜Ieを減算し、第1の実施の形態と同様に、塗装機1と被塗物Aとの間に流れている被塗物電流値Ixを(1)式に基づいて演算する。
次に、ステップ25では、後述するスロープ検出処理を行い、後述する(2)式に従って、170ms毎の被塗物電流値Ixの変化量ΔIxを演算し、ステップ26に移行する。
そして、ステップ26では、被塗物電流値Ixの変化量ΔIxが予め決められた遮断しきい変化量ΔIx0よりも大きい(ΔIx>ΔIx0)か否かを判定する。そして、ステップ26で「YES」と判定したときには、例えば回転霧化頭5が被塗物Aに異常接近する傾向があり、塗装機1と被塗物Aとの間に流れる電流が短時間で大きく増大している。このため、ステップ27に移って被塗物電流の変化量ΔIxが過大であることを示す異常停止表示を例えば高電圧制御装置20のモニタ等(図示せず)に出力する。その後、ステップ28に移ってトランジスタ制御回路19を駆動し、高電圧発生器14と電源変換回路16との間を遮断して高電圧の供給を停止し、ステップ29に移って塗装機1の駆動を停止させる処理を行い、処理を終了する。
一方、ステップ26で「NO」と判定したときには、ステップ30に移行し、被塗物電流値Ixが予め決められた遮断しきい電流値Ix0よりも大きい(Ix>Ix0)か否かを判定する。そして、ステップ30で「YES」と判定したときには、例えば回転霧化頭5が被塗物Aに異常接近して絶縁性が損なわれた状態となり、塗装機1と被塗物Aとの間に流れる電流が絶縁破壊を生じ得る程度に増大している。このため、ステップ31に移って被塗物電流値Ixが過大であることを示す異常停止表示を例えば高電圧制御装置20のモニタ等(図示せず)に表示する。その後、ステップ28では、高電圧制御装置20が電源電圧制御装置15に遮断信号を出力することによって、電源電圧制御装置15は高電圧発生器14と電源変換回路16との間を遮断して高電圧の供給を停止する。最後に、ステップ29では、塗装機1の駆動を停止させる処理を行い、処理を終了する。
一方、ステップ30で「NO」と判定したときには、ステップ32に移行する。そして、ステップ32では、カバー2等の表面を流れる電流検出値Iaが予め決められた遮断しきい電流値Ia0よりも大きい(Ia>Ia0)か否かを判定する。そして、ステップ32で「YES」と判定したときには、例えばカバー2等に付着した吸着物によって沿面放電が生じて絶縁性が損なわれた状態となり、カバー2の表面を流れる電流が絶縁破壊を生じ得る程度に増大している。このため、ステップ33に移ってカバー2の表面で検出した電流検出値Iaが過大であることを示す異常停止表示を例えば高電圧制御装置20のモニタ等(図示せず)に出力する。その後、ステップ28に移って高電圧発生器14と電源変換回路16との間を遮断して高電圧の供給を停止し、ステップ29に移って塗装機1の駆動を停止させる処理を行い、処理を終了する。
一方、ステップ32で「NO」と判定したときには、ステップ34に移行する。そして、ステップ34では、エア通路4,7,12内を流れる電流検出値Ib〜Idと塗料通路9内を流れる電流検出値Ieがそれぞれ予め決められた遮断しきい電流値Ib0〜Ie0よりも大きい(Ib>Ib0,Ic>Ic0,Id>Id0,Ie>Ie0)か否かを判定する。そして、ステップ34で「YES」と判定したときには、例えばエア通路4,7,12内に付着した水分、塵埃等によって沿面放電が生じて絶縁性が損なわれた状態となり、エア通路4,7,12内のいずれかを流れる電流が絶縁破壊を生じ得る程度に増大している。または、塗料通路9内に付着した顔料等によって沿面放電が生じて絶縁性が損なわれた状態となり、塗料通路9内を流れる電流が絶縁破壊を生じ得る程度に増大している。このため、ステップ35に移って電流検出値Ib〜Ieのうち過大となった電流検出値Ib〜Ieの通路を特定する異常停止表示を例えば高電圧制御装置20のモニタ等(図示せず)に出力する。その後、ステップ28に移って高電圧発生器14と電源変換回路16との間を遮断して高電圧の供給を停止し、ステップ29に移って塗装機1の駆動を停止させる処理を行い、処理を終了する。
一方、ステップ34で「NO」と判定したときには、ステップ36に移行する。そして、ステップ36では、高電圧発生器14を流れる全帰路電流の電流検出値Itが予め決められた遮断しきい電流値It0よりも大きい(It>It0)か否かを判定する。そして、ステップ36で「YES」と判定したときには、電流検出値Itが絶縁破壊を生じ得る程度に増大しているから、ステップ37に移って全帰路電流の電流検出値Itが過大であることを示す異常停止表示を例えば高電圧制御装置20のモニタ等(図示せず)に出力する。その後、ステップ28に移って高電圧発生器14と電源変換回路16との間を遮断して高電圧の供給を停止し、ステップ29に移って塗装機1の駆動を停止させる処理を行い、処理を終了する。
一方、ステップ36で「NO」と判定したときには、被塗物電流の変化量ΔIx、電流検出値Ia〜Ie,It、被塗物電流値Ixは塗装が継続可能な程度に小さいものと考えられるから、ステップ38に移行する。
次に、ステップ38では、カバー2等の表面を流れる電流検出値Iaが予め決められた警報しきい電流値Ia1よりも大きい(Ia>Ia1)か否かを判定する。そして、ステップ38で「YES」と判定したときには、塗装の継続は可能であるものの、例えばカバー2に付着した吸着物によって沿面放電が生じ、絶縁性が低下している。このため、ステップ39に移って警報ブザー30、警報ランプ31に警報信号を出力すると共に、例えば高電圧制御装置20のモニタ等(図示せず)に電流検出値Iaが増大してカバー2の絶縁性が低下していることを表示し、これらを用いて作業者に対してカバー2の表面の保守(点検、清掃等)を促す。その後、ステップ23以降の処理を繰返す。
一方、ステップ38で「NO」と判定したときには、ステップ40に移行する。そして、ステップ40では、エア通路4,7,12内を流れる電流検出値Ib〜Idと塗料通路9内を流れる電流検出値Ieがそれぞれ予め決められた警報しきい電流値Ib1〜Ie1よりも大きい(Ib>Ib1,Ic>Ic1,Id>Id1,Ie>Ie1)か否かを判定する。そして、ステップ40で「YES」と判定したときには、塗装の継続は可能であるものの、例えばエア通路4,7,12内に付着した水分、塵埃等によって沿面放電が生じて絶縁性が低下した状態、または塗料通路9内に付着した顔料等によって沿面放電が生じて絶縁性が低下した状態となっている。このため、ステップ41に移って警報ブザー30、警報ランプ31に警報信号を出力すると共に、例えば高電圧制御装置20のモニタ等(図示せず)にエア通路4,7,12と塗料通路9のうち絶縁性が低下した通路を表示する。これにより、作業者に対してエア通路4,7,12と塗料通路9のうち絶縁性が低下した通路を知らせると共に、当該通路等の保守を促す。その後、ステップ23以降の処理を繰返す。
一方、ステップ40で「NO」と判定したときには、いずれの電流検出値Ia〜Ieも警報しきい電流値Ia1〜Ie1よりも小さく、通常の塗装状態に保たれていると考えられる。このため、そのままの状態を保持して、ステップ23に移行し、ステップ23以降の処理を繰返す。
次に、ステップ25のスロープ検出処理について、図8を参照しつつ説明する。ステップ51では、電流の時間変化を検出するために予め設定された時間Tlとして例えば170ms程度の設定時間Tlを経過したか否かを判定する。そして、ステップ51で「NO」と判定したときには、ステップ54に移ってそのままリターンする。
一方、ステップ51で「YES」と判定したときには、ステップ52に移って今回の被塗物電流値Ixと前回(170ms前)の被塗物電流値Ix′との差を以下の(2)式に基づいて演算する。そして、両者の差を電流の振動によるスロープ検出用の被塗物電流の変化量ΔIxとして算出する。その後、ステップ53に移って、メモリ内に格納された被塗物電流値Ix′を今回の被塗物電流値Ixに更新(Ix′=Ix)し、ステップ54に移ってリターンする。これにより、設定時間Tl毎の被塗物電流の変化量ΔIxを演算するものである。
ΔIx=Ix−Ix′ ・・・・(2)
かくして、第2の実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、被塗物電流の変化量ΔIxが所定の遮断しきい変化量ΔIx0を超えたときに電源電圧制御装置15に対して電源電圧の供給を遮断する遮断信号を出力する構成としている。従って、塗装機1と被塗物Aとの間に流れる被塗物電流の変化量ΔIxを用いて塗装機1が被塗物Aに異常接近したか否かを判別することができ、異常接近したときには高電圧発生器14に対する電源電圧の供給を遮断することができる。
一方、従来技術のように全帰路電流検出値Itの変化量を用いて被塗物Aに異常接近したか否かを判別する場合には、被塗物Aの接近状況が漏洩電流に基づいて緩和され、精度が低下し易い。これに対し、本実施の形態では、全帰路電流検出値Itから漏洩電流検出値Ia〜Ieを除いた被塗物電流値Ixの変化量ΔIxを用いて塗装機1が被塗物Aに異常接近したか否かを判別するから、被塗物Aの接近状況を高い精度で把握することができる。このため、不必要な塗装の中断を回避することができ、塗装の生産性を高めることができる。
次に、図9は第3の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示している。本実施の形態の特徴は、駆動エア通路を流れる電流と、シェーピングエア通路を流れる電流と、供給弁駆動エア通路を流れる電流とを一緒に検出する全エア通路電流検出器を設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
41は第3の実施の形態による漏洩電流検出手段としての漏洩電流検出器で、該漏洩電流検出器41は、被塗物Aを通らずに流れる漏洩電流を検出すると共に、その検出値を高電圧制御装置20に向けて出力する。また、漏洩電流検出器41は、第1の実施の形態による漏洩電流検出器24と同様に、外面電流検出器としての電流センサ25と塗料通路電流検出器としての電流センサ29とを備えている。しかし、本実施の形態では、第1の実施の形態による電流センサ26〜28に代えて後述する単一の電流センサ42を備える構成としている点で第1の実施の形態とは異なる。
42は全エア通路電流検出器としての電流センサで、該電流センサ42は、第1の実施の形態による電流センサ26〜28に代えて設けられ、例えば駆動エア通路4の途中に設けられた導体端子42Aと、シェーピングエア通路7の途中に設けられた導体端子42Bと、供給弁駆動エア通路12の途中に設けられた導体端子42Cとに接続されている。そして、電流センサ42は、導体端子42A〜42Cを通じて各エア通路4,7,12を流れる電流を検出し、これらの電流を合計した電流検出値If(If=Ib+Ic+Id)を高電圧制御装置20に向けて出力している。
これにより、高電圧制御装置20は、第1の実施の形態とほぼ同様に、電流検出値It,Ia,If,Ieを用いて被塗物電流値Ixを演算すると共に、電流検出値Ifを用いて電圧供給の遮断、警報の発生を行うものである。
かくして、第3の実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。しかし、本実施の形態では、漏洩電流検出器41は、駆動エア通路4を流れる電流と、シェーピングエア通路7を流れる電流と、供給弁駆動エア通路12を流れる電流とを一緒に検出する電流センサ42を含む構成としたから、単一の電流センサ42を用いて全てのエア通路4,7,12内を流れる漏洩電流を一緒に検出することができる。
これにより、高電圧制御装置20は、エア通路4,7,12内における絶縁破壊の進行状況を把握することができるから、エア通路4,7,12の内面に塵埃、水分等が付着、堆積したことを検出することができる。従って、高電圧制御装置20は、エア通路4,7,12の内面で絶縁破壊が生じる前に高電圧の供給を遮断することができるから、エア通路4,7,12の損傷を防ぎ、信頼性、耐久性を高めることができる。また、高電圧制御装置20は、エア通路4,7,12の内面で沿面放電による損傷が進行する前に警報を発生することができ、エア通路4,7,12の清掃やエア源13のフィルタ、ドライヤに対する清掃を促すことができる。
また、駆動エア通路4、シェーピングエア通路7、供給弁駆動エア通路12には共通のエア源13に接続され、同じエアが供給されるから、各エア通路4,7,12内の絶縁性を低下させる要因は、エア中の水分、塵埃(微細ミスト)がエア通路4,7,12の内面に付着することで共通している。このため、これらのエア通路4,7,12は一緒に絶縁性が低下する傾向があるのに対し、電流センサ42は全てのエア通路4,7,12内を流れる漏洩電流を一緒に(合計して)検出するから、いずれのエア通路4,7,12に対して絶縁性の低下が生じた場合でも早期かつ確実に検出することができる。
また、複数のエア通路4,7,12に対して単一の電流センサ42を用いるから、第1の実施の形態のように複数のエア通路4,7,12に電流センサをそれぞれ設けた場合に比べて、電流センサの数を少なくすることができる。このため、電圧の遮断処理および警報処理の制御機能を簡略化することができると共に、装置全体の製造コストを低減することができる。
なお、第1,第2の実施の形態では、ステップ5〜14,26〜37は電源遮断手段の具体例、ステップ15〜18,38〜41は報知手段の具体例、ステップ4,24は被塗物電流演算手段の具体例、ステップ5〜8,28〜31は被塗物電流異常処理手段の具体例、ステップ25〜29はスロープ異常処理手段の具体例をそれぞれ示している。
また、遮断しきい電流値It0,Ix0,Ia0〜Ie0、遮断しきい変化量ΔIx0、警報しきい電流値Ia1〜Ie1等は、図3および前記各実施の形態に例示した値に限らず、塗装機の種類、塗装条件等に応じて適宜設定されるものである。
また、前記第2の実施の形態では、被塗物電流の変化量ΔIxは、電圧の供給を遮断する遮断処理に用いるものとした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば被塗物電流の変化量を用いて警報手段に対して警報を発生させる警報処理に用いる構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、回転霧化頭5を金属材料または導電性の樹脂材料によって形成し、該回転霧化頭5を介して直接的に塗料を高電圧に帯電させる直接帯電式の回転霧化頭型塗装装置を例に挙げて説明した。しかし、本発明は直接帯電式に限らず、例えば回転霧化頭型塗装装置のカバーの外周側に外部電極を設け、この外部電極によって回転霧化頭から噴霧された塗料を間接的に高電圧に帯電させる間接帯電式の回転霧化頭型塗装装置に適用してもよい。
さらに、前記各実施の形態では静電塗装装置として回転霧化頭5を用いて塗料を噴霧する回転霧化頭型塗装装置(回転霧化式静電塗装装置)に適用する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば空気霧化式静電塗装装置、液圧霧化式静電塗装装置等の回転霧化以外の霧化方式を用いた静電塗装装置に適用してもよい。この場合、塗装機の絶縁性カバーの表面、塗料通路、供給弁駆動エア通路、霧化エア、シェーピングエア(パターン形成エア)等の各種の通路に導体端子を設け、該導体端子に電流センサを接続する。これにより、電流センサを用いて、各通路等に流れる電流を検出ものである。

Claims (8)

  1. 被塗物に塗料を噴霧する塗装機と、電源電圧を昇圧して高電圧を発生し、該高電圧を前記塗装機に出力する高電圧発生器と、該高電圧発生器に供給する電源電圧を制御する電源電圧制御装置と、該電源電圧制御装置に対して電源電圧を設定するための設定信号を出力し、前記高電圧発生器から出力する高電圧を制御する高電圧制御装置とを備えてなる静電塗装装置において、
    前記高電圧発生器を流れる全帰路電流を検出する全帰路電流検出手段と、前記被塗物を通らずに流れる漏洩電流を検出する漏洩電流検出手段とを備え、
    前記高電圧制御装置は、前記全帰路電流検出手段による全帰路電流検出値と該漏洩電流検出手段による漏洩電流検出値とを用いて前記塗装機の絶縁性が損なわれたと判別したときには、前記電源電圧制御装置に対して電源電圧の供給を遮断する遮断信号を出力する電源遮断手段と、
    前記漏洩電流検出手段による漏洩電流検出値を用いて初期段階の絶縁低下が生じたと判別したときには、前記塗装機に生じている絶縁低下を報知する報知手段とを含む構成としたことを特徴とする静電塗装装置。
  2. 前記漏洩電流検出手段は、前記塗装機の外面を流れる電流を検出する外面電流検出器を含む構成としてなる請求項1に記載の静電塗装装置。
  3. 前記漏洩電流検出手段は、前記塗装機内の塗料通路を流れる電流を検出する塗料通路電流検出器を含む構成としてなる請求項1に記載の静電塗装装置。
  4. 前記漏洩電流検出手段は、前記塗装機の外面を流れる電流を検出する外面電流検出器と、前記塗装機内の塗料通路を流れる電流を検出する塗料通路電流検出器とを含む構成としてなる請求項1に記載の静電塗装装置。
  5. 前記塗装機は、駆動エアによって回転駆動するエアモータと、該エアモータによって回転する回転軸と、該回転軸の先端に設けられ該回転軸によって回転する間に塗料供給弁を介して供給された塗料を噴霧する回転霧化頭と、該回転霧化頭の外周側に設けられ塗料の噴霧パターンを成形するシェーピングエアを吐出するためのエア吐出孔を有するシェーピングエアリングとによって構成し、
    前記漏洩電流検出手段は、前記駆動エアを供給するための駆動エア通路を流れる電流を検出する駆動エア通路電流検出器と、前記シェーピングを供給するためのシェーピングエア通路を流れる電流を検出するシェーピングエア通路電流検出器と、前記塗料供給弁を開閉駆動するための供給弁駆動エア通路を流れる電流を検出する供給弁駆動エア通路電流検出器とを含む構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の静電塗装装置。
  6. 前記塗装機は、駆動エアによって回転駆動するエアモータと、該エアモータによって回転する回転軸と、該回転軸の先端に設けられ該回転軸によって回転する間に塗料供給弁を介して供給された塗料を噴霧する回転霧化頭と、該回転霧化頭の外周側に設けられ塗料の噴霧パターンを成形するシェーピングエアを吐出するためのエア吐出孔を有するシェーピングエアリングとによって構成し、
    前記漏洩電流検出手段は全エア通路電流検出器を含む構成とし、該全エア通路電流検出器は、前記駆動エアを供給するための駆動エア通路を流れる電流と、前記シェーピングを供給するためのシェーピングエア通路を流れる電流と、前記塗料供給弁を開閉駆動するための供給弁駆動エア通路を流れる電流とを一緒に検出する構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の静電塗装装置。
  7. 前記電源遮断手段は、前記全帰路電流検出手段による全帰路電流検出値から前記漏洩電流検出手段による漏洩電流検出値を減算し、前記塗装機と被塗物との間に流れる被塗物電流を演算する被塗物電流演算手段と、該被塗物電流演算手段による被塗物電流が所定の遮断しきい電流値を超えたときに前記電源電圧制御装置に対して電源電圧の供給を遮断する遮断信号を出力する被塗物電流異常処理手段とを備える構成としてなる請求項1に記載の静電塗装装置。
  8. 前記電源遮断手段は、前記全帰路電流検出手段による全帰路電流検出値から前記漏洩電流検出手段による漏洩電流検出値を減算し、前記塗装機と被塗物との間に流れる被塗物電流を演算する被塗物電流演算手段と、該被塗物電流演算手段による被塗物電流の変化量が所定の遮断しきい変化量を超えたときに前記電源電圧制御装置に対して電源電圧の供給を遮断する遮断信号を出力するスロープ異常処理手段とを備える構成としてなる請求項1に記載の静電塗装装置。
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