JP6945433B2 - 静電塗装システムの自己診断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、静電塗装システムに含まれる機器の異常有無を判定する自己診断機能を有する静電塗装システムの自己診断方法に関する。
一般に、静電塗装システムにおける高電圧電源装置は、高圧トランスとその二次側の電圧増倍回路(例えば倍電圧整流回路)とを含む高電圧モジュールと、高圧トランス一次側に流れる電流をスイッチングするスイッチング駆動回路及びこれにドライブ信号を供給するCPU等を含む高電圧制御装置とを備えている。高電圧モジュールは塗装機に内蔵され、高電圧モジュールの高電圧出力が噴霧器に供給されるようになっている。
さらに、高電圧制御装置には、安全監視回路が設けられており、静電電位利用の塗装機(荷電塗装材料粒子を散布する噴霧器を有している)を駆動する際、塗装対象が 塗装機に近づきすぎたこと等による火花発生の抑止の為や、破損等(例えば、高電圧制御装置の破損、塗装機の破損や劣化、塗装機へ接続するケーブルの破損)の異常を検知した場合、塗装機の駆動を停止させることが出来る。この安全監視回路が正常に動作することを確認するため、安全監視回路へ自己診断回路(例えばリレー接点方式の検査電圧入力回路等)を設けているものがある。
また、静電塗装システムの噴霧器へのエア供給系統にも自己診断回路を設けて、エアモータ及びエア供給系統の不具合を検出する場合もある。
図5は従来の自己診断機能を有する静電塗装システムを示し、塗装機としてベル(Bell)型噴霧器(ガン)2を有するベル型塗装機1を用いた例を示している。ベル型噴霧器2は静電電位利用の塗装機器であって、エアモータ3の回転を利用して荷電塗装材料粒子を対象物に散布するものである。静電塗装システムにおける高電圧電源装置は、高電圧を発生して噴霧器2に高電圧出力を供給する高電圧発生部としての高電圧モジュール20と、高電圧モジュール20の出力を制御するとともに効率を最適化するための高電圧制御装置30と、両者を接続するケーブルとを有する。高電圧モジュール20は噴霧器2を具備する塗装機1のケーシング内に収納されているため、ケーブルで高電圧制御装置30と電気的に接続される。
高電圧モジュール20は、一次巻線21a及び二次巻線21bを有する高圧トランス(フライバックトランス)21と、二次巻線21bの誘起電圧を整流し増倍する電圧増倍回路22とを有し、電圧増倍回路22の高電圧出力が噴霧器に供給される。電圧増倍回路22は例えば倍電圧整流回路等である。
高電圧制御装置30は、作動直流電源としての電圧出力回路40(例えば可変制御安定化電源)と、電圧出力回路40から高圧トランス21の一次巻線21aに流れる電流をスイッチングするスイッチング駆動回路50と、スイッチング駆動回路50をスイッチングさせるためのスイッチング信号を生成する発振回路60とを有している。電圧出力回路40の出力電圧CT(高圧トランス21への供給電圧)は演算処理部としてのCPU35の電圧制御信号Cvで制御される。また、発振回路60の発振周波数、つまりスイッチング信号の周波数はCPU35の周波数制御信号Cfで制御される。
さらに、高電圧制御装置30は、電圧出力回路40の出力電圧CTを監視する第1安全監視回路11、スイッチング駆動回路50でスイッチングする一次巻線21aに流れるドライブ電流DRAを監視する第2安全監視回路12、及び高電圧モジュール20の電圧増倍回路22よりフィードバックされる先端電圧VM及び先端電流IMを監視する第3安全監視回路13を有する。ここでは、先端電圧VMは噴霧器2に供給される電圧増倍回路22出力端の出力電圧であり、先端電流IMは電圧増倍回路22出力端から噴霧器2に供給される電流である。また、第1、第2及び第3安全監視回路11,12,13がそれぞれ正常に動作することを確認するために、第1、第2及び第3自己診断回路31,32,33が設けられている。
この場合、高電圧制御装置30への電源供給時又は、操作者の任意のタイミングで第1、第2及び第3自己診断回路31,32,33によって第1、第2及び第3安全監視回路11,12,13の自己診断をそれぞれ行う。この時、塗装機1へ直接接続される信号部に挿入されたリレー等の物理スイッチで接続を切断した状態で(第1、第2及び第3安全監視回路11,12,13を切り離した状態で)、各安全監視回路11,12,13へ任意の電圧及び電流に相当する信号を入力し、各安全監視回路11,12,13が正常に電圧・電流を検出することを確認する。自己診断回路31,32,33から入力された値を、正常に検出しなかった場合、自己診断異常として処理する。このとき、高電圧出力操作は不可とされる。
自己診断回路31,32,33のいずれかが破損した場合、対応する安全監視回路11,12,13の破損が検知できなくなる。この為、安全監視回路により防止されていた、火花の発生による予期せぬ事故や、破損等の異常検知が出来ないことによって、工場ラインの復旧作業が難航する場合がある。あるいは、破損した自己診断回路を通して信号が出力されることによる塗装機1の誤動作が起こる場合がある。
一方、自己診断回路が設けられていない高電圧制御装置の場合は、異常箇所(高電圧制御装置の破損、ケーブルの断線、塗装機の破損)の判別が行えない為、工場ラインの復旧作業が難航する場合がある。
静電塗装システムにおけるエア供給系統は、エア供給源80、エア配管部90及び回転コントローラ(電圧可変による空気圧調整機器)100を備えている。この場合、噴霧器はベル型噴霧器2であり、ベル型噴霧器2を含むベル型塗装機1はベル型噴霧器2を回転駆動するエアモータ3を内部に備え、エアモータ3は回転力を発生するタービン72、制動用のブレーキ73及び高速回転するタービン72を回転自在に支持するベアリング74を有している。エアモータ3へは、エア供給源80の0.5〜1MPa程度のエアがエア配管部90を介して供給されるようになっている。エア配管部90は、第1エアバルブ91、第2エアバルブ92、電空レギュレータ93、電磁弁94、圧力センサ95、及びファイバアンプ96を有している。また、エア配管部90のエア圧力を制御して、エアモータ3の回転を制御するために回転コントローラ100が設けられている。回転コントローラ100は電空変換出力回路101、タービン出力制御回路102、ブレーキ出力制御回路103、圧力検出回路104、回転数検知回路105及び演算処理部としてのCPU110を有している。さらに、電空変換出力回路101に対して電圧出力診断を行うための自己診断回路106が回転コントローラ100に設けられている。
ベル型塗装機1は、回転コントローラ100で 供給状態を制御されたエアにより、エアモータ3を駆動することでベル型噴霧器2を回転させ、塗装材料としての液体塗料を霧状に変える機構を持つ。これにより、霧状に変えた塗料を高電圧電源装置の高電圧モジュール20により出力された高電圧で帯電させ、 塗装対象物(高電圧モジュール20から出力された高電圧に対して逆極性となっている)に塗装材料を吸着させることで、塗装を行う。
エア配管部90の電空レギュレータ93は、エア供給源80とエアモータ3間に挿入され、回転コントローラ100の電空変換出力回路101から出力される電気信号(圧力指令信号)C-Airに比例して空気圧力を無段階に制御する機器であって、供給されたエアAirに対し、電気信号C-Airに応じたエアO-Airを出力する。また、電空レギュレータ93は、制御しているO-Air圧力に比例した電圧出力をモニタ電圧R-Airとして電空変換出力回路101へ出力する。
電磁弁94は、タービン出力制御回路102及びブレーキ出力制御回路103からの信号(Tur-C,Bra-C)に応じて、 エアの供給先を切り替える機器であって、タービン出力制御信号Tur-C が入力時、第1エアバルブ91へ制御用エアCA-tur を供給し、ブレーキ出力制御信号Bra-C が入力時、第2エアバルブ92 へ制御用エアCA-Braを供給する。タービン出力制御信号Tur-C とブレーキ出力制御信号Bra-C は排他制御であり、同時には出力しない信号である。
第1エアバルブ91は制御用エアCA-turが入力されている時、電空レギュレータ93から供給されたエアO-Airをタービン72へ供給する(エアA-turをタービンへ供給)。第2エアバルブ92は制御用エアCA-Braが入力されている時、電空レギュレータ93から供給されたエアO-Airをブレーキ73へ供給する(エアA-Braをブレーキへ供給)。
圧力センサ95はエア供給源80から出力されるエアAirの空気圧を計測し、電気信号Presへ変換し、回転コントローラ100の圧力検出回路104へ出力する。ファイバアンプ96はオプティカルファイバセンサであって、エアモータ3の回転数を計測して電気信号rpm1へ変換し、回転コントローラ100の回転数検知回路105へ出力する。
CPU110は、電空変換出力回路101、タービン出力制御回路102及びブレーキ出力制御回路103に接続され、これらを制御する。また、CPU110は、圧力検出回路104及び回転数検知回路105と接続され、エアAirの空気圧を計測した電気信号Pres及びエアモータ3の回転数を計測した電気信号rpm1の入力を受ける。
従来の静電塗装システムのベル型噴霧器による塗装開始に至るまでの動作は下記による。
(1) エア供給源80より、エア出力Airを供給する。このエア出力Airにより、エアモータ3内部のベアリング74へエアを供給し、ベル型噴霧器2を回転可能な状態とする(ベル型塗装機1は、ベル部分が高速回転をする為、ベアリング74へエアを供給できなければ、ベル型塗装機1は、タービン72を正常に駆動させることが出来ず、破損する)。
(2) エア出力Airの圧力は、圧力センサ95からの信号Presにて回転コントローラ100で検知する(常時実施)。
(3) エア出力Airが供給されている状態で、回転コントローラ100より電空レギュレータ制御信号C-Airを出力し、第1エアバルブ91及び第2エアバルブ92へエアを供給する。
(4) 第1エアバルブ91及び第2エアバルブ92へのエア供給状態において、タービン出力制御信号Tur-C 又はブレーキ出力制御信号Bra-Cを電磁弁94へ出力する。この時、タービン出力制御信号Tur-C が出力された場合は、第1エアバルブ91が駆動し(開き)、タービン73へエアA-turが供給され、エアモータ3が回転する。一方、ブレーキ出力制御信号Bra-C が出力された場合は、第2エアバルブ92が駆動し(開き)、ブレーキ73へエアA-Braが供給され、エアモータ3の回転を減速(又は停止)させる。
(5) エアモータ3の回転状態の検知は、ファイバアンプ(オプティカルファイバセンサ)96からの信号rpm1により行う。
(6) 回転コントローラ100が内蔵しているCPU110により、現在の回転数に応じて、タービン72及びブレーキ73を制御することで、常に指定のエアモータ回転数となるように制御を行う。
(7) ベル型噴霧器2のエアモータ3が指定の回転数となった時、塗装を開始する。なお、エアモータ3が指定の回転数となるまでは、塗装材料の供給及び高電圧モジュール20による高電圧出力は行わない。
ベル型噴霧器2の動作中においては、回転コントローラ100は電空変換出力回路101、圧力検出回路104、回転数検知回路105への入力信号により異常監視を行っている。また、自己診断回路106のよる自己診断時においては、電空変換出力回路101に対して電圧出力診断を行っている。
しかしながら、従来の自己診断においては電空変換出力回路101自体の異常確認であり、電空変換出力回路101、圧力検出回路104、回転数検知回路105での異常監視は、運用状態(対象物への塗装実行中)での異常監視である為、静電塗装システム全体の診断を、塗装実施前且つ、ベル型塗装機のベル部分が高速で回転する前に検知することが困難であった。
前述の従来システムの場合、自己診断回路が破損した場合、自己診断回路が診断対象とする回路の破損が検知できなくなり、対象物に対する塗装不良が発生する可能性がある。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、ハードウエアである専用の自己診断回路を付加することなく、対象物への塗装動作実行前に自己診断が可能な静電塗装システムの自己診断方法を提供することにある。
本発明のある態様は静電塗装システムの自己診断方法である。この静電塗装システムの自己診断方法は、一次巻線及び二次巻線を有する高圧トランスと、前記二次巻線の誘起電圧を整流する高電圧整流器とを有し、前記高電圧整流器の出力電圧を、静電電位利用の塗装機に供給する高電圧発生部と、
前記一次巻線に電圧出力を供給する電圧出力回路と、前記一次巻線の電流をスイッチングするスイッチング駆動回路とを有する高電圧制御装置と、を備える場合において、
前記電圧出力回路の出力電圧検出値は第1安全監視回路で、前記一次巻線の電流検出値は第2安全監視回路で、前記高電圧発生部の出力電圧検出値及び出力電流検出値は第3安全監視回路で、それぞれ検出し、
専用の自己診断回路を用いることなく、 前記高電圧発生部の高電圧出力の立ち上がり時に検出した前記電圧出力回路の出力電圧検出値、前記一次巻線の電流検出値、前記高電圧発生部の出力電圧検出値、及び前記高電圧発生部の出力電流検出値を用いて、前記高電圧発生部及び前記高電圧制御装置の自己診断を行うことを特徴とする。
前記態様において、前記電圧出力回路の出力電圧検出値が第1の電圧値に到達したときに、前記高電圧発生部及び前記高電圧制御装置の第1回目の自己診断を行い、前記第1の電圧値よりも高い第2の電圧値に到達したときに第2回目の自己診断を行ってもよい。
前記態様において、正常時の前記電圧出力回路の入力信号と出力電圧との既知関係と、前記電圧出力回路の前記入力信号と前記第1安全監視回路で検出された出力電圧検出値との関係との対比により、前記第1安全監視回路が正常かどうか判定し、
正常時の前記電圧出力回路の前記出力電圧と前記一次巻線の電流との既知関係と、前記電圧出力回路の前記出力電圧と前記第2安全監視回路で検出された前記一次巻線の電流検出値との関係との対比により、前記第2安全監視回路が正常かどうか判定し、
正常時の前記電圧出力回路の前記出力電圧と前記高電圧発生部の出力電圧及び出力電流との既知関係と、前記電圧出力回路の前記出力電圧と前記第3安全監視回路で検出された前記高電圧発生部の出力電圧検出値及び出力電流検出値との関係との対比により、前記第3安全監視回路が正常かどうか判定する、構成としてもよい。
記態様において、前記静電塗装システムはエア供給系統をさらに備え、
前記塗装機は前記エア供給系統で駆動されるエアモータを有する噴霧器を含み、
前記エア供給系統は、エア配管部を介して前記エアモータの回転を制御する回転コントローラを有し、
専用の自己診断回路を用いることなく、前記エアモータの立ち上がり時に検出した前記回転コントローラの圧力指令信号検出値と、前記エアモータの回転数検出値との関係から前記エア供給系統及び前記エアモータの自己診断を行う構成であるとよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、ハードウエアである専用の自己診断回路を付加することなく、対象物への塗装動作実行前に自己診断が可能であり、塗装不良を未然に防止可能である。
本発明に係る静電塗装システムの自己診断方法の実施の形態を示すブロック図。 実施の形態における自己診断動作を示すフローチャート。 実施の形態における電圧出力回路の出力電圧CTと、高圧トランスの一次巻線に流れるドライブ電流DRAとの関係であって、正常時と異常時とを示すグラフ。 実施の形態における電圧出力回路の出力電圧CTと、電圧増倍回路よりフィードバックされる先端電圧VM及び先端電流IMとの関係であって、正常時と異常時とを示すグラフ。 従来の静電塗装システムを示すブロック図。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は本発明に係る静電塗装システムの自己診断方法の実施の形態を示すブロック図である。この場合、図5の従来の静電塗装システムと異なる所は、高電圧電源装置における高電圧制御装置30の第1、第2及び第3安全監視回路11,12,13に対応する第1、第2及び第3自己診断回路31,32,33を省略し、第1、第2及び第3安全監視回路11,12,13が正常かどうかの診断をCPU35で行うとともに、エア供給系統の回転コントローラ100に含まれる電空変換出力回路101に対応する自己診断回路106を省略し、電空変換出力回路101が正常かどうかの診断をCPU110で行うようにしている。その他の構成は図5の従来の静電塗装システムと同様である。
静電塗装システムにおける高電圧電源装置において、自己診断を必要とする箇所の特性は、電圧出力回路40より出力された電圧CTに対して、塗装機1の特性(内部のコンデンサ等の容量やトランス、接続ケーブル等によって定まる)による、電圧・電流が流れるまでの遅延時間があるものの、基本的には比例の関係にある。これを利用し、高電圧ON(高電圧出力動作起動)直後の高電圧出力の立ち上がり時に、例えば、電圧出力回路40の出力電圧CTを2V、3Vといった、機器に故障等の異常が発生していても影響を及ぼさない低い電圧値で、各安全監視回路11,12,13が検出した値からCPU35で静電塗装システム内の異常有無を判定する(各安全監視回路11,12,13が正常か否かも同時に判定可能である)。
第1安全監視回路11で監視する出力電圧CTは、CPU35の電圧制御信号Cvにより変化し、CPU35には正常時の電圧制御信号Cvと出力電圧CTとの関係が予め格納されている。この為、電圧制御信号Cvにより電圧CTの出力値を可変させ、第1安全監視回路11に複数(本実施の形態では、CT=2V、CT=3V)の電圧を計測させることで、計測させた各電圧の計測結果が正常となった時、第1安全監視回路11が正常であると判定可能である。
同様にCPU35には正常時の出力電圧CTとドライブ電流DRAとの関係が予め格納されているから、第2安全監視回路12にCT=2V及びCT=3Vのときのドライブ電流DRAを計測させることで、計測結果が正常範囲となった時、第2安全監視回路12が正常であると判定可能である。
さらに、CPU35には正常時の出力電圧CTと先端電圧VM及び先端電流IMとの関係が予め格納されているから、第3安全監視回路13にCT=2V及びCT=3Vのときの先端電圧VM及び先端電流IMを計測させることで、計測結果が正常範囲となった時、第3安全監視回路13が正常であると判定可能である。
CPU35による判定手順(ソフトウェア)はCPU35内部の記憶手段に格納されていてもよいし、外部の記憶手段に格納されていてもよい。なお、高圧トランス21の一次側で電圧CTが2V、3Vのときは、高圧モジュール20の噴霧器2への高電圧出力10kV以下の電圧に相当する。
自己診断の動作フローは図2に示される。図2のステップ#1で静電塗装システムの電源ONとなると、ステップ#2で高電圧出力動作起動となる。電圧出力回路40の出力電圧CTは0Vから徐々に上昇しステップ#3で出力電圧CTが2Vに到達する。その時点で、ステップ#4において、第1安全監視回路11の出力電圧CTの検出値、第2安全監視回路12のドライブ電流DRA(高圧トランス21の一次側電流)の検出値及び第3安全監視回路13の先端電圧VM及び先端電流IMの検出値が設定範囲内であるかどうか判定する。それらの検出値の何れかが設定範囲外の場合、ステップ#5で自己診断エラーと判定(NG判定)し、ステップ#6で高電圧出力停止とする。
ステップ#4において、出力電圧CTの検出値、ドライブ電流DRAの検出値、先端電圧VMの検出値及び先端電流IMの検出値が全て設定範囲内であるとき、高電圧出力動作を継続してステップ#7で出力電圧CTが3Vに到達する。その時点で、ステップ#8において、第1安全監視回路11の出力電圧CTの検出値、第2安全監視回路12のドライブ電流DRA(高圧トランス21の一次側電流)の検出値及び第3安全監視回路13の先端電圧VM及び先端電流IMの検出値が設定範囲内であるかどうか判定する。それらの検出値の何れかが設定範囲外の場合、ステップ#5で自己診断エラーと判定(NG判定)し、ステップ#6で高電圧出力停止とする。
ステップ#8において、出力電圧CTの検出値、ドライブ電流DRAの検出値、先端電圧VMの検出値及び先端電流IMの検出値が全て設定範囲内であるとき、ステップ#9のように高電圧出力動作を継続する。そして、先端電圧VM及び先端電流IMは塗装機1で塗装が可能な設定値まで上昇していく。
図3は電圧出力回路40の出力電圧CTと高圧トランス21の一次側電流DRAとの関係であって、正常時と異常時の場合を例示している。正常の場合には出力電圧CTの増加に伴い徐々にドライブ電流DRAも上昇する(つまり、出力電圧CT=2V及び3Vのときに電流DRAが設定範囲内に収まっている)が、異常の場合、出力電圧CTが増加しても電流DRAが変化しなかったり、出力電圧CTが小さいうちに電流DRAが大きな値となる(例えば1A等)。
図4は電圧出力回路40の出力電圧CTと、高電圧モジュール20の先端電圧VM及び先端電流IMの検出値との関係であって、正常時と異常時の場合を例示している。正常の場合には出力電圧CTの増加に伴い徐々に先端電圧VM及び先端電流IMも上昇する(つまり、出力電圧CT=2V及び3Vのときに先端電圧VM及び先端電流IMが設定範囲内に収まっている)が、異常の場合、出力電圧CTが増加しても先端電圧VM及び先端電流IMが変化しなかったり、出力電圧CTが小さいうちに先端電圧VM及び先端電流IMが大きな値となる(例えば検出値が検出限界値を振り切っている)。
ステップ#8における正常判定基準として、第1安全監視回路11に関しては、出力電圧CTが3Vに到達時の第1安全監視回路11のCT検出値が、2V到達時の検出値の例えば、(1.5倍−10%)〜(1.5倍+15%)であること。第2安全監視回路12に関しては、出力電圧CTが3Vに到達時の第2安全監視回路12のドライブ電流DRA検出値が、2V到達時の検出値の例えば、(1.5倍−30%)〜(1.5倍+200%)であること。第3安全監視回路13に関しては、出力電圧CTが3Vに到達時の第3安全監視回路13の先端電圧VM検出値が、2V到達時の検出値の例えば、(1.5倍−10%)〜(1.5倍+200%)であり、かつ出力電圧CTが3Vに到達時の先端電流IM検出値が、2V到達時の検出値の例えば、(1.5倍−30%)〜(1.5倍+1μA)であること。
なお、上記ステップ#4,#8の判定基準は、静電塗装システム構成に応じて適宜変更可能である。
また、静電塗装システムにおけるエア供給系統及びこれにより駆動されるエアモータ3において、自己診断を要する箇所の特性は、電空変換出力回路101から出力される圧力指令信号C-Airに対して、電気信号→エア変換、及びエア→電気信号変換や、エアの特性による遅延時間があるものの基本的には比例の関係にある。これを利用し、塗装前且つエアモータ3へのエア供給が少なく周辺設備に影響を与えない(電空レギュレータ93への印加電圧が低く、ベルが低回転時の)段階において、電空レギュレータ93へ供給した圧力指令信号C-Airの電圧(複数の電圧値を用いる)から算出されるエアモータ回転数の設定範囲と、実際のエアモータ3の回転数検出値とを比較することで異常の有無を確認することが出来る。また、電空レギュレータ93が回転コントローラ100からの圧力指令信号C-Air に応じたエアO-Airを出力する際、複数の測定点で測定することで、システム全体の劣化状態(エア漏れ、ケーブルの断線等)を確認することが可能となる。
そこで、電空変換出力回路101に対応する自己診断回路を撤廃し、エア供給系統及びこれで駆動されるエアモータ3が正常かどうかの自己診断を、電空レギュレータ93への供給電圧が低電圧(エアモータ3の回転が周囲に影響を与えない低回転)の時にCPU110で行うようにしている。具体的にいえば、電空変換出力回路101から電空レギュレータ93へ印加される圧力指令信号C-Airである供給電圧(複数の電圧値)と、ファイバアンプ96で検知されたエアモータ3の回転数(信号rpm1)とを比較することで異常(回転コントローラ故障、配管故障、エアモータ故障)の有無を判定する。つまり、電空レギュレータ93への供給電圧検出値と、ファイバアンプ96で検知されたエアモータ3の回転数検出値(信号rpm1)とが所定の比例関係にあれば(回転数検出値rpm1が圧力指令信号C-Airの検出値から算出されるエアモータ回転数の設定範囲内であれば)、正常と判定し、所定の比例関係から外れた場合には異常と判定する。
但し、機器の劣化によるが要因で異常判定の場合(例えば塗装機の老朽化)は、エア漏れによる エア供給源のエア排出量増加や塗装品質に影響があるものの、システムとしては稼働可能である。この異常は、機器のリプレースする時期が近いことを示す異常である為、自己診断エラーを 操作者が手動でクリア操作を行い、従来通りに運用を行えるようにしても良い(但し、運転効率の悪化により、塗装対象の塗装品質悪化が発生する可能性がある)。
なお、電圧出力回路40への供給電圧の出力制御は、一般に指定の電圧を出力させる場合、例えば、1秒かけて徐々に電圧を上げていき、指定した電圧へ到達させるように電圧を制御している。電空変換出力回路101の供給電圧制御もエアモータ3の回転数を徐々に上昇させるように行っている。このため、上記自己診断を行う時間的余裕は十分にある。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) 静電塗装システムの高電圧電源装置において、専用の自己診断回路を用いることなく、高電圧モジュール20の高電圧出力の立ち上がり時に検出した電圧出力回路40の出力電圧CTの検出値、高電圧モジュール20が有する高圧トランス21の一次巻線21aの電流検出値DRA、高電圧モジュール20の出力電圧VMの検出値、高電圧モジュール20の出力電流値IMの検出値の少なくともいずれかを使用して、CPU35で自己診断を行うことができ、異常(断線、高電圧制御装置故障、塗装機故障・劣化等)かどうかを判定することができる。
(2) 静電塗装システムのエア供給系統において、専用の自己診断回路を用いることなく、エアモータ3の立ち上がり時に検出した回転コントローラ100の圧力指令信号検出値と、エアモータ3の回転数検出値との関係からエア供給系統及びエアモータ3の自己診断を行うことができる。
(3) 自己診断回路を用いた従来のシステムから自己診断を行う際のプロセスを変更することで、静電塗装システム全体の劣化状態(エア漏れ、 ケーブルの断線等)を確認することが可能である。
(4) 自己診断時に利用する電圧(塗装機へ供給する電圧)が低い為、故障時において周囲に影響を与えることなく即時に運転を停止することが出来る。
(5) 塗装機1においては、塗料を使用(噴霧)する前に停止させることが出来るため、塗装対象への塗装中に、故障に起因した動作停止が発生するのを未然に防止可能であり、塗装物の破棄を行う頻度を減少させることが出来る(塗装中に動作停止が発生した場合、塗装中だった筐体等は一般的に破棄される)。
(6) 専用の自己診断回路を設けた従来のシステムと比較して、製造コストを下げることが可能である。また、自己診断回路破損による誤動作を防止することが可能である(例えば、塗装機へ意図せぬタイミングでの電圧供給等)。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
上記実施の形態では、塗装機としてベル型塗装機を例示したが、それ以外の塗装機を使用した場合にも本発明は適用可能である。
1 ベル型塗装機、2 ベル型噴霧器、3 エアモータ、11,12,13 安全監視回路、20 高電圧モジュール、21 高圧トランス、22 電圧増倍回路、30 高電圧制御装置、31,32,33,106 自己診断回路、35,110 CPU、40 電圧出力回路、50 スイッチング駆動回路、60 発振回路、80 エア供給源、90 エア配管部、100 回転コントローラ、101 電空変換出力回路

Claims (4)

  1. 一次巻線及び二次巻線を有する高圧トランスと、前記二次巻線の誘起電圧を整流する高電圧整流器とを有し、前記高電圧整流器の出力電圧を、静電電位利用の塗装機に供給する高電圧発生部と、
    前記一次巻線に電圧出力を供給する電圧出力回路と、前記一次巻線の電流をスイッチングするスイッチング駆動回路とを有する高電圧制御装置と、を備える静電塗装システムの自己診断方法であって、
    前記電圧出力回路の出力電圧検出値は第1安全監視回路で、前記一次巻線の電流検出値は第2安全監視回路で、前記高電圧発生部の出力電圧検出値及び出力電流検出値は第3安全監視回路で、それぞれ検出し、
    専用の自己診断回路を用いることなく、 前記高電圧発生部の高電圧出力の立ち上がり時に検出した前記電圧出力回路の出力電圧検出値、前記一次巻線の電流検出値、前記高電圧発生部の出力電圧検出値、及び前記高電圧発生部の出力電流検出値を用いて、前記高電圧発生部及び前記高電圧制御装置の自己診断を行うことを特徴とする静電塗装システムの自己診断方法。
  2. 前記電圧出力回路の出力電圧検出値が第1の電圧値に到達したときに、前記高電圧発生部及び前記高電圧制御装置の第1回目の自己診断を行い、前記第1の電圧値よりも高い第2の電圧値に到達したときに第2回目の自己診断を行う、請求項1に記載の静電塗装システムの自己診断方法。
  3. 正常時の前記電圧出力回路の入力信号と出力電圧との既知関係と、前記電圧出力回路の前記入力信号と前記第1安全監視回路で検出された出力電圧検出値との関係との対比により、前記第1安全監視回路が正常かどうか判定し、
    正常時の前記電圧出力回路の前記出力電圧と前記一次巻線の電流との既知関係と、前記電圧出力回路の前記出力電圧と前記第2安全監視回路で検出された前記一次巻線の電流検出値との関係との対比により、前記第2安全監視回路が正常かどうか判定し、
    正常時の前記電圧出力回路の前記出力電圧と前記高電圧発生部の出力電圧及び出力電流との既知関係と、前記電圧出力回路の前記出力電圧と前記第3安全監視回路で検出された前記高電圧発生部の出力電圧検出値及び出力電流検出値との関係との対比により、前記第3安全監視回路が正常かどうか判定する、請求項1又は2に記載の静電塗装システムの自己診断方法。
  4. 前記静電塗装システムはエア供給系統をさらに備え、
    前記塗装機は前記エア供給系統で駆動されるエアモータを有する噴霧器を含み、
    前記エア供給系統は、エア配管部を介して前記エアモータの回転を制御する回転コントローラを有し、
    専用の自己診断回路を用いることなく、前記エアモータの立ち上がり時に検出した前記回転コントローラの圧力指令信号検出値と、前記エアモータの回転数検出値との関係から前記エア供給系統及び前記エアモータの自己診断を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の静電塗装システムの自己診断方法。
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