JP4385196B2 - 合成樹脂製壜体 - Google Patents

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本発明は合成樹脂製壜体に関するものであり、特には水を主成分とした内容液を氷結させて使用する合成樹脂製壜体に関する。
ポリエチレンテレフタレート(以下PETと記す。)樹脂製等の合成樹脂製壜体は水、スポーツ飲料水、お茶、ジュース等の飲料用として幅広く使用されている。このような壜体は、商品名等の表示あるいは意匠の観点から胴部を、印刷したシュリンクフィルムで外装した状態で製品化される。たとえば特許文献1には胴部をシュリンクフィルムで外装した壜体に関する発明が記載されている。
特開2001−322616号公報
一方このような壜体は夏季等においては冷凍庫で内容液を氷結させた状態のものを徐々に解かしながら飲用に供する等の使用のされ方もしている。
水を氷結した場合にはその体積が略1.09倍となるので、密封した壜体では氷結に伴う体積増加により内圧が上昇して壜体が破損する恐れがあるし、破損まで至らなくとも壜体が大きく変形してしまう。
たとえば図3に示した丸型PETボトルのように胴壁に減圧吸収パネル6のような凹状部分を形成しておけば、この部分の膨出状の変形により氷結に伴う体積増加を吸収することができるが、シュリンクフィルムで外装したものではシュリンクフィルムの破断が発生するし、また上記凹状部分の膨出により壜体が歪な形状になり美観が大きく損なわれる等の問題がある。
本発明は上記したような問題点を解消すべく創案されたものであり、氷結において、体積の増加を十分吸収し、シュリンクフィルムを外装した場合でもその破断がなく、また壜体の美観を大きく損なうことのない壜体形状を創出することを課題として、氷結しても安全に保存および使用ができ、外観的にも問題のない合成樹脂製壜体を提供することを目的とする。
上記技術的課題を解決する手段のうち、請求項1記載の発明の手段は、
胴部が略円筒状の丸型壜体において
胴部の上端部および下端部から中央高さ位置にかけて、略等中心角度で少なくとも3箇所の位置に配置した頂部を除く部分を緩やかに縮径して、前記中央高さ位置における平断面形状を、外側に向かって凸状の円弧で反転部を形成することなく前記頂部を接続させた形状とすること、
頂部で胴部の上下方向に柱部を形成すること、
にある。
PETボトル等においては、胴部の円筒状の筒壁を縦方向に隣接した多数(通常6枚以上)のパネルで形成した場合も含めて丸型壜体と称するが、上記請求項1の構成においても、これら多数のパネルで形成する形状も含めて胴部が略円筒状の丸型壜体する。
氷結により体積が膨張し、壜体に内圧状の力が及び、胴壁の周方向に所謂フープストレスが発生するのであるが本願発明者らは氷結の際における壜体の変形様式を観察、考察して、氷結温度近傍の温度ではPET樹脂等の壜体を形成する合成樹脂自体の延伸はほとんどないので、胴部の平断面形状がその周長を維持しながら断面積を増加するように変形すると共に、平断面で見てたとえば減圧吸収パネル等の凹部を有する壜体の場合には、まずこの凹部が壜体の外側に向かって膨出変形することを見出して本発明の手段を見い出すに至った。
請求項1記載の上記構成により、胴部の形状を、その上端部および下端部を略円筒状とし、胴部の上端部および下端部から中央高さ位置にかけて、略等中心角度で少なくとも3箇所の位置に配置した頂部を除く部分を緩やかに縮径して、前記中央高さ位置における平断面形状を、外側に向かって凸状の円弧で反転部を形成することなく頂部を接続させた形状とすることにより、胴部の上端部から下端部に至る高さ範囲においてその平断面形状でみて、減圧吸収パネルのような陥没部(凹部)、あるいは曲率が正負逆転する反転部を形成することがないので、シュリンクフィルムを外装した場合であっても、胴部の平断面の周長を外装された状態のシュリンクフィルムの周長とほぼ等しくしすることができる。
このように、胴部の平断面の周長を外装された状態のシュリンクフィルムの周長とほぼ等しくなるようにしておけば、たとえ氷結によって胴部の平断面形状が変形したとしても、シュリンクフィルムはフィルム状であるので、胴部の変形した平断面形状に沿ってその形状を変化させるが、周方向に力がかかることがないので破断を防ぐことができる。なお、シュリンクフィルムは一般的に分別廃棄を目的としたミシン目が縦方向に形成されており、前記破断は、このミシン目に沿って起こり易くなっている。
また請求項1記載の構成により、平断面形状で胴部をみると、その上端部および下端部は略円形であり(多角形状も含む)真円形に近い形状ではあるが、中央高さ位置における平断面形状を、外側に向かって凸状の円弧で反転部を形成することなく頂部を接続させた形状として非真円形すること、また胴部の上端部および下端部から中央高さ位置にかけて、頂部を除く部分を緩やかに縮径させる形状とすることにより、胴部の大部分の高さ範囲に亘ってその平断面形状を非真円形とすることができる。
このようにして、大部分の高さ範囲に亘って平断面形状を非真円形とすることにより、この平断面形状を非真円形から真円形に近づけることにより、平断面で考えると一定の周長という条件下では真円形が最も大きな面積を有するので、周長を一定に維持しながらその断面積を大きくすることができ、氷結による体積増加をこの断面積の増加により吸収することが可能となる。
ここで、壜体胴部の断面積の増加により吸収すべき体積増加分は、氷結による内容液の体積増加と壜体製品における内容液面上のヘッドスペース等を考慮して略決めることができ、これにより平断面形状を非真円形とする高さ範囲と、非真円形の程度をどの程度にするかを決めることができる。商品性と云う観点からヘッドスペースには許容範囲があり氷結による体積増加をすべてこのヘッドスペースにより吸収することは多くの場合できないし、また氷結による体積増加によってヘッドスペースの空気が圧縮されて、キャップのシールが損なわれないようにする必要があり、このヘッドスペースの全体積を利用できるわけでもない。
ここで非真円形の程度の表し方にはたとえば楕円形における扁平率等があるが、本発明の技術思想に関連して、胴部の任意の高さにおける平断面積Saとこの平断面の周長と同じ長さの周長を有する真円の面積Scの比であるSc/Sa(以下Rs値と記す。)を非真円形の度合いを示す指標とするのが良い。
このRs値は平断面形状が真円形であれば1であるので、たとえばRs値が1.2であれば真円形に変形させることにより面積が1.2倍になることを示すことができ、この値を目安にしてどの程度体積増加分を吸収できるか予測することができる。
一方、減圧吸収パネルのように胴部の平断面形状に凹状部分を有する場合には、シュリンクフィルムは凹状部分の両基端部を直線的に結ぶように胴部を外装するため、凹状部分の底と隙間を形成した状態となる。このような状態では胴部の平断面の周長はシュリンクフィルムの周長より長くなり、氷結による体積膨張により凹部部分が膨出、シュリンクフィルムを周方向に引っ張る力が働いて破断が発生してしまう。
また、冷凍庫における温度分布、壜体の姿勢、向きにより氷結は必ずしも壜体内部で均一に進行するわけではないので、氷結による体積増加を効率良く吸収するためには、前述したRs値の大小だけでなく、胴部の平断面形状が氷結の際にスムーズに真円形に近づけるように変形させる必要がある。
ここで、中央高さ位置における平断面形状を、外側に向かって凸状の円弧で反転部を形成することなく前記頂部を接続させた形状とすることなる請求項1記載の構成に拠れば、平断面形状を緩やかな形状の円弧で構成でき、容易に円形に変形可能とすることができる。また変形がスムーズに進行するので、シュリンクフィルムを装着した場合、このシュリンクフィルムの変形もスムーズに進行し、皺の発生を小さく抑えることができる。
また、胴部の形状を上端部および下端部から中央高さ位置にかけて、略等中心角度で少なくとも3箇所の位置に配置した頂部を除く部分を緩やかに縮径して形成することなる請求項1記載の構成によれば、上端部あるいは下端部から中央高さ位置にかけて緩やかに非真円形の程度Rsを大きくすることができるので氷結による体積増加を、上端部あるいは下端部に比較して縮径した中央高さ位置近傍の変形で吸収させることができ、変形が壜体全体として目立たないようにすることが可能である。
さらに、本請求項の壜体では縦方向に見ると胴部の筒壁の一部が中央高さ位置にかけて凹んだ形状となるが、胴部の上下方向に形成される少なくとも3本の柱部の縦リブ的な作用によって、壜体全体としての剛性を保持することができ、また氷結による変形後における壜体の起立姿勢を真直ぐに維持することができる。
請求項2記載の発明の手段は、請求項1記載の発明において、胴部の上端部および下端部に円周状リブを形成したこと、にある。
請求項2記載の上記構成により、上端部および下端部に形成した円周状リブにより、氷結による変形が及ぶ範囲の上限及び下限を決めることができ、肩部あるいは底部における変形を確実に防止することができ、変形後も壜体の美観をより高度に維持することができ、また底部による壜体の安定した座り性を損なうこともない。
請求項3記載の発明の手段は、請求項1または2記載の発明において、
胴部の上端部および下端部における平断面形状をn角形状とし(nは6以上の自然数)、このn角形の頂点のうち、略等中心角度に位置する少なくとも3つの頂点を頂部としたこと、にある。
請求項3記載の上記構成により、多角形の頂点の一部を頂部として柱部を形成せしめると共に、残りの頂点で稜線を形成させながら縮径させることができ、美観の点で優れたものとすることができると共に、胴部の剛性を高くすることができる。
なお、一つの円に各頂点が内接する6角形以上の多角形であればとくに限定されることはないが、頂点を等中心角度に位置させることができるのでnが偶数の正n角形であることが好ましい。また、各辺を直線ではなく曲率半径の大きな円弧で形成することもできる。たとえば正6角形であれば3つの頂部を、正8角形であれば4つの頂部を、正12角形であれば3つあるいは6つの頂部を等中心角度に位置させることができる。
請求項4記載の発明の手段は請求項3記載の発明において、頂部とする頂点を角取した形状としたこと、にある。
請求項4記載の上記構成により、柱部を幅広に形成することにより胴部の上下方向に形成される柱部の縦リブ的な作用をより効果の高いものとすることことができる。
請求項5記載の発明の手段は、請求項3または4記載の発明において、上端部および下端部における平断面形状を正6角形状として、一つ置きに位置する頂点を頂部とし、中央高さ位置における平断面形状を3回軸対称形としたこと、にある。
中央高さ位置における平断面形状を3回軸対称形としたことにより、壜体全体として扁平状でなく周方向に等法的な形状とすることができ、丸型壜体としての形状を大きく損なうことがないようにすることができると共に、平断面形状の非真円形の度合いScを大きくすることが可能である。
請求項6記載の発明の手段は請求項1、2、3、4または5記載の発明において、胴部をシュリンクフィルムで外装したこと、にある。
請求項6記載の上記構成により、前述したように胴部の平断面の周長を外装された状態のシュリンクフィルムの周長とほぼ等しくしすることができるので、氷結によって胴部の平断面形状が変形したとしても、シュリンクフィルムはフィルム状であるので、胴部の変形した平断面形状に沿ってその形状を変化させるが、周方向に力がかかることがないので、縦方向に形成されたミシン目に沿って起こる破断の発生をなくすことができる。
請求項7記載の発明の手段は、請求項1、2、3、4、5または6記載の発明において、壜体をPET系樹脂製の2軸延伸ブロー成形品とすること、にある。
飲料用ボトルとして幅広く使用され、低温でもすぐれた機械的特性を発揮する
PET系樹脂製の2軸延伸ブロー成形の壜体を、内容液を氷結させて使用する用途に幅広く使用できる。また、シュリンクラベルを巻いた状態でも使用することができる。
なお、PET系樹脂としては、主としてPETが使用されるが、PET樹脂の本質が損なわれない限り、エチレンテレフタレート単位を主体として、他のポリエステル単位を含む共重合ポリエステルも使用できると共に、たとえばガスバリア性や耐熱性を向上させるためにナイロン系樹脂、ポリエチレンテレナフタレート樹脂等の樹脂をブレンドして使用することもできる。共重合ポリエステル形成用の成分としては、たとえばイソフタル酸、ナフタレン2,6ジカルボン酸、アジピン酸等のジカルボン酸成分、プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール等のグリコール成分を挙げることができる。
さらには、PET系樹脂製壜体は、PET樹脂製壜体としての本質が損なわれない限り、たとえば耐熱性、ガスバリア性の向上のためにPET樹脂/ナイロン樹脂/PET樹脂のようにナイロン樹脂等の中間層を有したものであっても良い。
本発明は上記した構成であり、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、胴部に減圧吸収パネルのような陥没部(凹部)、あるいは曲率が正負逆転する反転部を形成することがないので、シュリンクフィルムを外装した場合であっても、胴部の平断面の周長を外装された状態のシュリンクフィルムの周長とほぼ等しくしすることができる。
また、胴部の大部分の高さ範囲に亘ってその平断面形状を非真円形とすることができ、氷結による体積増加に係る吸収機能を十分に発揮させることができる。
また、中央高さ位置における平断面形状を、外側に向かって凸状の円弧で反転部を形成することなく前記頂部を接続させた形状とすることにより、平断面形状を緩やかな形状の円弧で構成でき、真円形にスムーズに変形可能とすることができる。
また、胴部の形状を上端部および下端部から中央高さ位置にかけて、頂部を除く部分を緩やかに縮径して形成することにより、上端部あるいは下端部から中央高さ位置にかけて緩やかに非真円形の程度を大きくすることができるので氷結による体積増加を、中央高さ位置近傍の変形で吸収させることができ、変形が壜体全体として目立たないようにすることができる。
また、胴部の上下方向に形成される少なくと3本の柱部の縦リブ的な作用によって、壜体全体としての剛性を保持することができ、また氷結に伴なう変形後における壜体の起立姿勢を真直ぐに維持することができる。
請求項2記載の発明にあっては、胴部の上端部および下端部に円周状リブを形成することにより、氷結による変形が及ぶ範囲の上限及び下限を決めることができ、変形後も壜体の美観をより高度に維持することができ、また底部による壜体の安定した座り性を損なうこともない。
請求項3記載の発明にあっては、胴部の上端部および下端部における平断面形状を多角形状として、略等中心角度に位置する少なくとも3つの頂点を頂部とすることにより、柱部を形成すると共に、稜線を形成させながら縮径させることができ、美観の点で優れたものとすることができると共に、胴部の剛性をより高くすることができる。
請求項4記載の発明にあっては、頂部とする頂点を角取した形状とすることにより、柱部を幅広に形成して胴部の上下方向に形成される柱部の縦リブ的な作用をより効果の高いものとすることことができる。
請求項5記載の発明にあっては、上端部および下端部における平断面形状を正6角形状として、中央高さ位置における平断面形状を3回軸対称形とすることにより、壜体全体として扁平状でなく周方向に等法的な形状とすることができ、丸型壜体としての形状を大きく損なうことがないようにすることができると共に、平断面形状の非真円形の度合いを大きくすることができる。
請求項6記載の発明にあっては、シュリンクフィルムを外装した状態であっても、胴部の平断面の周長を外装された状態のシュリンクフィルムの周長とほぼ等しくしすることができるので、氷結による体積増加に伴なうシュリンクフィルムの縦方向に形成されたミシン目に沿って起こる破断の発生をなくすことができる。
請求項7記載の発明にあっては、PET系樹脂製の2軸延伸ブロー成形の壜体を、氷結させて使用する用途に幅広く使用できる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1、図2は本発明の合成樹脂製壜体の一実施例を示すものであり、2軸延伸ブロー成形の内容量500ml用のPETボトルである。壜体1の形状は全体としては筒壁を6つのパネルで形成した丸型ボトルであり、肩部3、胴部4そして底部5を有し、高さ方向でみると胴部4の上端部および下端部から中央高さ位置にかけて、一つ置きに稜線13を緩やかに縮径した(凹ませた)形状をしている。
なお、図2にはこの壜体1の平断面図形状を示している。(a)は胴部4の上端部および下端部(図1中のA−AおよびC−C線位置)における平断面図であり、(b)は胴部4の中央高さ位置(図1中のB−B線位置)における平断面図である。
図2(a)から判るように、胴部4の上端部と下端部の平断面形状は、正6角形状であるが、各辺は直線状でなく若干外側に凸状に比較的大きく平坦に近い曲率半径R3の円弧で形成している。また6つの頂点のうち一つ置き、計3つの頂点に付いては曲率半径R2の円弧で角取した形状として等中心角度の3箇所に頂部11を形成している。また他の頂点は比較的小さな曲率半径R1で角張るように形成しており、全体として凹部あるいは曲率が正負に変化する反転部のない形状としている。
また図2(b)から判るように、胴部4の中央高さ位置における平断面形状は、上端部と下端部の正6角形状の平断面図における3箇所に配置された頂部11の配置は固定して、他の3つ頂点(図2中で稜線13で示した位置)を中心軸に
近づけるように、頂部11以外の部分を縮径した形状である。
さらにこの平断面形状を詳細にみると、隣接した頂部11を、曲率半径R1,曲率半径R3、曲率半径R1、曲率半径R3、そして曲率半径R1の外側に向かって凸状の円弧で反転部を形成することなく接続させた形状とし、全体として凹部あるいは反転部のない形状としている。また、平断面形状全体として3回対称軸を有する形状とし、扁平状でなく、周方向に等法的な形状としている。
そして、上端部あるいは下端部から中央高さ位置にかけての平断面形状は、頂部11を固定して、その他の部分を稜線13部分を中心に緩やかに縮径して、図2(a)に示される形状から図2(b)に示される形状へと変化させた平断面形状としている。
上記のように平断面形状を変化させて壜体1を形成することにより、壜体1には等中心角度の3箇所の位置に、上下方向に真直ぐに起立した柱部12が頂部11により形成される。この柱部12により、縦方向にみると(図1参照)筒壁の一部が中央高さ位置にかけて内側に凹んだ形状としても壜体1全体としての剛性を確保することができる。
また胴部4の上端部の肩部3との境界近傍位置、および下端部の底部5との境界近傍位置に周条にした円周状リブ7を本実施例では2本ずつ形成して、氷結による体積増加に係る変形の上限及び下限となるようにしている。
なお、本実施例の壜体1の胴部4の上端部の円周状リブ7の直下から下端部の円周状リブ7の直上に亘る範囲においてはその平断面形状は非真円形であるが、非真円形に係るRs値は、中央高さ位置(図2(b))における1.12から、上端部および下端部における1.03の範囲である。正6角形のRs値は1.08程度であるが、本実施例では正6角形の各辺を外側に凸状の円弧で形成し、また頂点の角取り等しているので小さ目の値を示す。図2(a)および(b)には、参考のために2点鎖線でそれぞれの平断面形状と同じ周長を有する真円形状を示す。
ここで、本実施例の壜体1の上端部、および下端部の2本の円周状リブ7で形成される谷部8に、上端および下端を位置させてシュリンクフィルムで胴部4のほぼ全高さ範囲を外装したが、シュリンクフィルムによる外装は全周に亘って実質的に隙間のないものとなった。
次に、シュリンクフィルムで上記のように外装した本実施例の壜体1に20℃の水500mlを充填してヘッドスペースを17mlとして正立状態で−20℃の冷凍庫内に入れて中の水を氷結させる実験を行なったが、シュリンクフィルム9の破断はなく、皺の発生も極く限られたものであった。
また、壜体1の中央高さ位置における変形状態をみると、図2(b)に2点鎖線で示した真円形に近づいた形状であった。また上端部および下端部では、円周状リブ7で変形が規制されると共に、この円周状リブ7直近における平断面形状のRs値が1.03と小さいので、外観上目立つような変形は発生しなかった。
このようにして、氷結により変形する部分は、主として縦方向にみて緩やかに縮径した部分であり、また3本の柱部12の作用効果により、3回対称軸の対称性が大きくくずれることなく等法的な形状が保持されるので美観を大きく損なうことなく氷結した状態を維持することができた。また下端部の円周状リブ7の作用効果により底部5の変形はほとんどなく、氷結した状態でも安定した座り性を確保できる。
図3および図4は壜体1の従来例を示すものであり、2軸延伸ブロー成形した丸型の内容量500ml用のPETボトルであり、胴部4の略全高さ範囲に亘り中心軸対称の6箇所に胴壁を凹ますようにして減圧吸収パネル6を形成したものである。そしてシュリンクフィルム9はその上端部および下端部をそれぞれ胴部4の上端と下端に形成された周溝7に位置して上下方向へのずれが生じないように胴部4を外装している。
また図4に示される平断面形状でみると、減圧吸収パネル6の部分では、胴部4の外表面とシュリンクフィルム9の間に隙間ができている。
この比較例についても実施例と同様に20℃の水を500ml充填してヘッドスペースを17mlとして正立状態で−20℃の冷凍庫内に入れて中の水を氷結させる実験を行なったが、凹部である減圧吸収パネル6が外側方向(図4の白抜き矢印方向)に膨出した状態(図4中の2点鎖線参照)となり、シュリンクフィルム9は破断していた。
なお本発明の作用効果は前述した実施例に限定されるものでなく、一般的に発揮されるものであり、たとえば胴部の胴壁を多数の平面状のパネルで形成することなく、円筒形のままとすることもできる。また、壜体の容量あるいは許容されるヘッドスペースの体積および充填温度等によって、氷結による体積増加のうち胴部の変形により吸収する必要のある体積が分かるので、外観等を考慮しながらRs値等を目安にして中央高さ位置における断面形状等を適宜決めることができる。
以上説明したように本発明の壜体は、氷結において、体積の増加を十分吸収し、シュリンクフィルムを外装した場合でもその破断がなく、また壜体の美観を大きく損なうことのないものであり、氷結して使用する分野でさらに幅広い使用が期待される。
本発明の壜体の第1実施例を示す正面図である。 図1の壜体の、(a)A−A線およびC−C線に沿っての平断面図、(b)B−B線に沿っての平断面図である。 従来例の壜体を示す正面図である。 図3中のD−D線に沿っての平断面図である。
符号の説明
1 ;壜体
2 ;口部
3 ;肩部
4 ;胴部
5 ;底部
6 ;減圧吸収パネル
7 ;円周状リブ
8 ;谷部
9 ;シュリンクフィルム
11;頂部
12;柱部
13;稜線
R1;曲率半径
R2;曲率半径
R3;曲率半径

Claims (7)

  1. 胴部(4)が略円筒状の丸型壜体において、胴部(4)の上端部および下端部から中央高さ位置にかけて、略等中心角度で少なくとも3箇所の位置に配置した頂部(11)を除く部分を緩やかに縮径して、前記中央高さ位置における平断面形状を、外側に向かって凸状の円弧で反転部を形成することなく前記頂部(11)を接続させた形状とすると共に、前記頂部(11)で胴部(4)の上下方向に柱部(12)を形成したことを特徴とする合成樹脂製壜体。
  2. 胴部(4)の上端部および下端部に円周状リブ(7)を形成したことを特徴とする請求項1記載の合成樹脂壜体。
  3. 胴部(4)の上端部および下端部における平断面形状をn角形状とし(nは6以上の自然数)、該n角形の頂点のうち、略等中心角度に位置する少なくとも3つの頂点を頂部(11)としたことを特徴とする請求項1または2記載の合成樹脂壜体。
  4. 頂部(11)とする頂点を角取した形状とした請求項3記載の合成樹脂壜体。
  5. 上端部および下端部における平断面形状を正6角形状として、一つ置きに位置する頂点を頂部(11)とし、中央高さ位置における平断面形状を3回軸対称形とした請求項3または4記載の合成樹脂製壜体。
  6. 胴部(4)をシュリンクフィルム(9)で外装した請求項1、2、3、4または5記載の合成樹脂製壜体。
  7. ポリエチレンテレフタレート系樹脂製の2軸延伸ブロー成形品とした請求項1、2、3、4、5または6記載の合成樹脂製壜体。
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