JP4384735B2 - 気体含有継ぎ目無しカプセル粒子の製造方法 - Google Patents

気体含有継ぎ目無しカプセル粒子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体を含有するカプセル粒子に関する。更に詳しくは、医薬品、食品、嗜好品、浴用品、洗浄品分野等に利用可能な、気体を含有する継ぎ目無しカプセル粒子に関する。さらに本発明の目的は、かかるカプセル粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医薬品、食品、嗜好品、浴用品、洗浄品の分野において、その使い易さの点より液体や固体を含有したカプセル粒子が種々開発されており、内容物に油性成分、界面活性剤成分、香料等を含有させた継ぎ目無しカプセル粒子が開発されてきた。
【0003】
従来のカプセル粒子は、内容物として液体及び/又は固体のみを含有させている為、継ぎ目無しカプセル粒子を浴槽に浮かべたい場合や継ぎ目無しカプセル粒子を液体石鹸・シャンプー・リンス・液体洗剤等に均一分散させ配合する場合等の、カプセル粒子の密度を所望の程度に調整したい場合、皮膜と内容物の重量比率や内容物の組成を調整したり、第三成分として密度調整用の液体や固体を皮膜・内容液に配合したりしていた。
【0004】
例えば、カプセル粒子の密度を小さくする場合、一般的に皮膜比率の低減や内容液に密度の小さなものを使用することが必要となっていたが、その為皮膜厚さが薄くなりすぎて処方液中での保存安定性やカプセル粒子の強度が低下したり、内容液に元来不必要な密度の小さな液等を添加することにより、その液の添加による液体石鹸等の処方液の組成の変更が必要になるといった問題を生じていた。また、例えばカプセル粒子を指等でつぶして内容液の香料の臭いを楽しむ場合、内容物は固体及び/又は液体であるため、カプセル粒子の弾力性に乏しく、弾ける様につぶれる継ぎ目無しカプセル粒子は無かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はカプセル粒子の強度を保つべく、皮膜厚みの低減が極力抑えられた、且つ処方液中に継ぎ目無しカプセル粒子を配合しても、処方液の使用感を損なうことの無い、密度調整が容易な継ぎ目無しカプセル粒子、さらにはカプセル粒子の破壊時の弾力性が良好なカプセル粒子を提供することにある。さらに本発明の目的は、かかるカプセル粒子の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、継ぎ目無しカプセル粒子中に気体を含有させることにより、カプセル粒子の強度の低下を少なくし、容易に密度の調整が可能になり、さらにはカプセル粒子に弾力性を付与して破壊時のカプセル粒子の感触を向上させることができることを見出し、また、多重ノズルを用いることにより、かかるカプセル粒子を容易に製造できることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕内層及び該内層を被覆してなる皮膜から構成されてなる継ぎ目無しカプセル粒子であって、内層に気体を含有してなることを特徴とする気体含有継ぎ目無しカプセル粒子、
〔2〕気体が内層の1〜100容積%を占める前記〔1〕記載のカプセル粒子、
〔3〕内層に内容物として、水溶性成分、油性成分、及び界面活性剤成分からなる群より選ばれる1種以上の構成成分を含有する前記〔1〕又は〔2〕記載のカプセル粒子、
〔4〕気体が、窒素、アルゴン、及びヘリウムからなる群より選ばれる1種以上からなる前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載のカプセル粒子、
〔5〕カプセル粒子の体積に対する皮膜体積の割合(皮膜体積/カプセル粒子体積×100(%))が15〜80容積%である前記〔1〕〜〔4〕いずれか記載のカプセル粒子、
〔6〕カプセル粒子の強度が0.5〜5000gf/個である前記〔1〕〜〔5〕いずれか記載のカプセル粒子、
〔7〕カプセル粒子の密度が0.100〜1.300g/cm3 である前記〔1〕〜〔6〕いずれか記載のカプセル粒子、
〔8〕多重ノズルを用いて製造する前記〔1〕〜〔7〕いずれか記載の気体含有継ぎ目無しカプセル粒子の製造方法、に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のカプセル粒子は、内層及び該内層を被覆してなる皮膜から構成されてなる継ぎ目無しカプセル粒子であって、内層に気体を含有してなることを特徴とする気体含有継ぎ目無しカプセル粒子である。
【0009】
カプセル粒子内層中に含有させる気体としては、特に限定されない。例えば、酸素、空気、窒素、水素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。好ましくは、カプセル粒子の内容物の酸化防止の観点から、窒素、ヘリウム、又はアルゴンが良い。特に好ましくは窒素が良い。かかる気体は単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。また、気体に芳香成分が溶け込んでいる場合は、匂い立ちが良好であるため好ましい。
【0010】
カプセル粒子内層中に占めるかかる気体の割合は、所望の程度の密度のカプセル粒子が得られるように適宜設定すれば良い。具体的には、好ましくは内層の1〜100容積%、より好ましくは5〜95容積%、更に好ましくは10〜80容積%、特に好ましくは20〜70容積%、より特に好ましくは20〜50容積%である。内層は単層又は多層のいずれでもよく、多層の場合、気体はどの層に含有されていてもよく、全ての層に含有されていてもよい。
【0011】
本発明のカプセル粒子の内層には、内容物としてカプセル粒子の内層に通常含有させることのできる公知の成分を含有させることができる。かかる内容物としては、具体的には、水溶性成分、油性成分、及び界面活性剤成分からなる群より選ばれる1種以上の構成成分が挙げられる。かかる成分のうち、香料として知られているものを用いることは、カプセル粒子の崩壊時に香りの匂い立ちが良いため好ましい。香料としては、特に限定されないが「香料の化学」(赤星亮一著、大日本図書発行)や「香料の事典」(藤巻正生、服部達彦、林利夫、荒井綜一編集、朝倉書店発行)に記載されている様な、天然香料や合成香料、調合香料が挙げられる。
【0012】
天然香料としては、動物性香料、植物性香料がある。
動物性香料としては、特に限定されないがムスク、シベット、カストリウム、アンバーグリス等が挙げられる。植物性香料としては特に限定されないが精油、香辛料等が挙げられる。
合成香料としても特に限定されるものではなく、カルボン、サリチル酸メチル等の通常用いられる公知のものが挙げられる。
なお、内層が多層の場合は、内容物はどの層に含有されていても良い。
【0013】
上記の水溶性成分としては、25℃における溶解度が水100gに対して25g以上のものであれば特に限定されない。例えば、水;エタノール、メタノール、イソプロピルアルコールのアルコール類;多価アルコール;アセトン、カルボン等のケトン類等が挙げられる。かかる水溶性成分は単独で用いても良く、二種以上の成分を混合して用いても良い。
【0014】
多価アルコールとしては特に限定されるものではない。例えば、二価のエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(「PEG」と略す。)200、PEG300、PEG600、ブタンジオール、プロピレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、三価以上のグリセリン、ブタントリオール、ヘキサントリオール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール等が挙げられる。
【0015】
上記の油性成分としては特に限定されるものではない。例えば、油脂類、ロウ類、炭化水素類、高級脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、精油類、シリコーン油類、中鎖脂肪酸トリグリセリド類を単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0016】
油脂類としては特に限定されるものではない。例えば、大豆油、ヌカ油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等の天然油脂、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油及びミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン酸グリセリド等の合成トリグリセリド等が挙げられる。ロウ類としては特に限定されるものではない。例えば、カルナウバロウ、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン等が挙げられる。炭化水素類としては特に限定されるものではない。例えば、硫酸パラフィン、ワセリン、パラフィンマイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、プリスタン等が挙げられる。高級脂肪酸類としては特に限定されるものではない。例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。高級アルコール類としては特に限定されるものではない。例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラウリンアルコール、コレステロール、2−ヘキシルデカノール等が挙げられる。
【0017】
エステル類としては特に限定されるものではない。例えば、オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル等が挙げられる。精油類としては特に限定されるものではない。例えば、ハッカ油、ジャスミン油、ショウ脳油、ヒノキ油、トウヒ油、リュウ油、テレピン油、ケイ皮油、ヘルガモット油、ミカン油、ショウブ油、パイン油、ラベンダー油、ベイ油、クローブ油、ヒバ油、バラ油、ユーカリ油、レモン油、ライム油、ペパーミント油、ローズ油、セージ油、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネラール、ボルネオール、リナロール、ゲラーオール、カンファー、チモール、スピラントール、ピネン、リモネン、テルペン系化合物等が挙げられる。シリコーン油類としては特に限定されるものではない。例えば、ジメチルポリシキロキサン等が挙げられる。中鎖脂肪酸トリグリセリド類としては特に限定されるものではない。例えば、トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリン、トリカプリン酸グリセリン等が挙げられる。
【0018】
上記の界面活性剤としては特に限定されるものではなく、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および両性界面活性剤を単独もしくは2種以上混合して用いることができる。本発明で用いられる界面活性剤は、前記で定義されるような水溶性を示すものであっても良く、25℃における溶解度が水100gに対して25g未満の油溶性を示すものであっても良く、油溶性の高い界面活性剤が好適に用いられる。界面活性剤を2種以上用いる場合、油に対する溶解性が低いものであっても、混合して全体として溶解性があればよい。
【0019】
アニオン性界面活性剤としては特に限定されるものではないが、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、半硬化牛脂脂肪酸ソーダ石ケン、半硬化牛脂脂肪酸カリ石ケン、オレイン酸カリ石ケン、ヒマシ油カリ石ケン、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルリン酸ジエタノールアミン、アルキルリン酸カリウム、ポリオキエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、高級アルコール硫酸ナトリウム、アルキルリン酸ジエタノールアミン、混合脂肪酸ソーダ石ケン、アルキルリン酸カリウム、特殊カルボン酸型高分子活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0020】
カチオン性界面活性剤としては特に限定されるものではないが、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルアミンオレエート、ステアリルアミンアセテート、ステアリルアミン酸等が挙げられる。
【0021】
非イオン性界面活性剤としては特に限定されるものではないが、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0022】
両性界面活性剤としては特に限定されるものではないが、例えばアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、レシチン、ラウリルアミノプロピオン酸、アルキルジアミノエチルグリシン等が挙げられる。
【0023】
カプセル粒子の皮膜の溶解後、内容物が皮膚と接触する場合等においては、より皮膚刺激性が少ない非イオン性界面活性剤を単独もしくは混合して用いるのが好ましい。
界面活性剤の使用量は特に限定されるものではない。内層に油性成分と界面活性剤を含有する場合は、カプセル粒子の内層の全油性成分と界面活性剤の重量比率は、好ましくは49:1〜1:3、より好ましくは19:1〜1.5:1の範囲が良い。
【0024】
尚、本発明のカプセル粒子は、カプセル粒子の内層に前記の成分以外に、さらに酸化防止剤、防腐剤、顔料等の機能性微粒子等を含有していてもよい。これらはカプセル粒子に含有されるものとして公知のものであれば、特に限定されるものではない。例えば、p−オキシ安息香酸メチル、酸化チタン、カーボン、酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0025】
本発明のカプセル粒子の皮膜を形成する成分である皮膜形成体としては、公知のカプセル粒子の形成に用いられる皮膜形成体を用いることができる。例えば、カラギーナン、寒天、アルギン酸ナトリウム、ジェランガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ゼラチンが挙げられる。かかる皮膜形成体は、単独または混合して用いることができる。好ましくは寒天、ゼラチン、ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、より好ましくは寒天、ジェランガムが良い。
【0026】
ゼラチンとしては、カプセル粒子の皮膜形成体として通常用いられているものであれば特に限定されるものではない。例えば、市販の各種のゼラチンが使用可能である。なお、ここでのゼラチンは、ゼラチンの不溶化対策としてコハク化やフタル化された、いわゆるモディファイトゼラチン等を含む広義のゼラチンを指す。
ゼラチンを皮膜形成体として用いる場合は、カプセル粒子の形態を維持するのに充分な皮膜強度を確保する観点より、JIS K6503に記されているようなゼリー強度で50〜350gが好ましく、より好ましくは70〜330gであり、特に好ましくは90〜310gである。
【0027】
寒天としては、特に限定されるものではなく、通常市販されているものを使用することができる。皮膜強度を充分確保する観点から、好ましくは1.5重量%水溶液濃度でのゼリー強度が500g/cm2 以上、より好ましくは700g/cm2 以上のものが良い。寒天の1.5%水溶液を調製し、20℃で15時間放置し、凝固せしめたゲルについて、その表面1cm2 当たり20秒間耐え得る最大重量(g数)をもってゼリー強度とする。
その他の皮膜形成体のゼリー強度に関しては、1重量%水溶液濃度でのゼリー強度が100g/cm2 以上のものが好ましく、より好ましくは200g/cm2 以上のものが良い。ゼリー強度は20℃においてゲルが破壊されるとき、ゲルにかかる単位面積当たりの力(g/cm2 )である。
【0028】
本発明のカプセル粒子の皮膜中の皮膜形成体の含有量は特に限定されるものではないが、好ましくは0.1〜99重量%、より好ましくは0.3〜97重量%、さらに好ましくは0.5〜95重量%、特に好ましくは1.0〜90重量%である。皮膜強度を充分確保する観点から、0.1重量%以上が好ましい。
皮膜形成体として寒天とアルギン酸ナトリウム若しくはジェランガムを混合して使用する場合は、寒天1重量部に対して、アルギン酸ナトリウム若しくはジェランガムを0.1〜10重量部用いることが好ましく、0.5〜5重量部用いることがより好ましく、1〜3重量部用いることが特に好ましい。
【0029】
本発明のカプセル粒子の皮膜中の水分濃度は、皮膜が維持される程度であれば特に限定されないが、好ましくは1〜99.7重量%、より好ましくは2〜99.5重量%、更に好ましくは5〜99重量%である。
【0030】
尚、公知の色素、顔料、防腐剤、香料、グリセリン、ソルビット、サッカロース等の物質を皮膜の形成に影響を与えない程度添加しても良い。
【0031】
本発明のカプセル粒子の体積に対する皮膜体積の割合(「皮膜率」と略記する。)(皮膜体積/カプセル粒子体積×100(%))は特に限定されないが、15〜80容積%であることが好ましい。より好ましくは20〜70容積%、特に好ましくは20〜60容積%が良い。気体を含有させることによる、密度調整効果を発揮させる観点から、皮膜率は80容積%以下が好ましく、皮膜強度や内容液の外界との遮断性を保持する観点から、皮膜率は15容積%以上が好ましい。皮膜体積やカプセル粒子体積は、製造時の気体成分、皮膜形成用液体、内容物成分のノズルからの供給量から算出できる。
【0032】
本発明のカプセル粒子の平均皮膜厚さは特に限定されるものではなく、上記皮膜率を満たす程度のものが好ましい。具体的には、好ましくは2mm以下、より好ましくは0.05〜2mm、さらに好ましくは0.05〜1.5mm、特に好ましくは0.1〜1mmである。カプセル粒子を溶解させて内容物を放出させる場合の溶解時間を短縮化する観点からは2mm以下が好ましく、カプセル粒子生成時の皮膜の崩壊防止の観点からは0.05mm以上が好ましい。
【0033】
カプセル粒子の強度は、皮膜組成や含水率、粒径等で変化し、0.5〜5000gf/個が好ましく、より好ましくは0.7〜3000gf/個であり、特に好ましくは0.8〜2000gf/個である。カプセル粒子の医薬品等への配合時等にカプセル粒子の破壊を防ぐ観点から、0.5gf/個以上が好ましく、カプセル粒子の水等における溶解性や崩壊性を確保する観点から、5000gf/個以下が好ましい。
カプセル粒子の強度とは、圧縮試験機やゴム硬度計や木屋式硬度計等で求められる、カプセル粒子が破壊される荷重である。
【0034】
本発明においては、内層に気体を含有させることにより、カプセル粒子の密度を所望の程度に調整することができる。本発明のカプセル粒子の密度は、用いる内容物や皮膜の密度によっても変化を受けるため、かかる成分についても考慮することが好ましい。具体的には、カプセル粒子の密度は、好ましくは0.100〜1.300g/cm3 であり、より好ましくは0.200〜1.200g/cm3 であり、更に好ましくは0.250〜1.100g/cm3 であり、特に好ましくは0.3〜0.850g/cm3 である。
【0035】
本発明のカプセル粒子の平均粒子径は特に限定されないが、好ましくは0.1〜20mm、より好ましくは0.2〜20mm、さらに好ましくは0.3〜10mm、特に好ましくは0.5〜10mmが良い。ただし、平均粒子径は重量平均である。カプセル粒子の粒子径は、例えばマイクロメーターやノギス等で測定することができる。
【0036】
本発明のカプセル粒子の製造方法としては、例えば特公昭36−3700号公報に開示されている二重ノズルによる製法や特公昭53−39193号公報や特開平6−55060号公報に開示されている三重ノズルによる製法等の多重ノズルを用いた液中硬化法等が挙げられる。多重ノズルを用いることにより、皮膜及び内層から構成されてなる本発明のカプセル粒子を容易に製造することができる。ここで多重ノズルとは、二重ノズル以上の多重構造を有するノズルである。本発明においては、多重ノズルとは順次増大する直径を有する少なくとも二重以上の多重ノズルであればその形状等は特に限定されるものではなく、各ノズル吐出口端面は揃っていなくてもかまわない。
【0037】
多重ノズルを用いて本発明の気体含有継ぎ目無しカプセル粒子を製造する場合、ノズルへは、皮膜形成用液体、カプセル粒子の内層に封入される気体成分、そして所望により、内層に入れられる内容物を含有する成分(内容物成分)が供給される。ここで、皮膜形成用液体とは、皮膜形成体を溶融液としたものか、あるいは皮膜形成体を含有する溶液である。
皮膜形成用液体及び内容物成分は、ノズルへは液体で供給される。内容物自体は液体である必要はなく、懸濁液として供給しても良い。かかる液体としては、例えば、乳化液や前述の水溶性成分、油性成分、界面活性剤成分が挙げられ、25℃で固体であっても、カプセル化時に50〜90℃に加温するなどして液体であれば、特に限定されるものでなく、固体や液体の懸濁液も含まれる。
【0038】
二重ノズルを用いたカプセル化法においては、一方のノズルから気体成分単独若しくは気体成分と内容物成分との懸濁液を吐出させて、またもう一方のノズルから皮膜形成用液体を吐出させて、気体含有継ぎ目無しカプセル粒子を製造することが可能であり、三重ノズルを用いたカプセル化法においては、中間ノズルまたは最内ノズルから、気体成分単独若しくは気体成分と内容物成分との懸濁液を吐出させて、気体含有継ぎ目無しカプセル粒子を製造することができる。気体を吐出させないノズルからは、内容物成分を流すことができる。尚、皮膜形成用液体を吐出する皮膜ノズルからも気体成分を吐出させても良い。また、四重以上のノズルは、カプセル化に支障のない範囲で適宜気体や液体が吐出される。このようにして、内層に気体を含有させることができる。
【0039】
気体成分と内容物成分との懸濁液を吐出させる場合の、該懸濁液中の気体成分の含有量は特に限定されないが、0.1〜50容積%が好ましく、より好ましくは0.5〜40容積%であり、特に好ましくは0.8〜35容積%である。該懸濁液中の気体の平均分散粒子径も特に限定されないが、好ましくは0.1μm〜1mm、更に好ましくは1〜500μm、特に好ましくは10〜100μmである。かかる懸濁液の調製方法は、バブリング等の公知の手法が用いられる。
また、該懸濁液の粘度は特に限定されないが、100〜10000cpが好ましく、より好ましくは200〜5000cpであり、特に好ましくは300〜1000cpである。
【0040】
気体成分を単独でノズルから吐出させる場合、気体への供給圧力は特に限定されないが、0.1〜20kg/cm2 が好ましく、より好ましくは0.2〜10kg/cm2 であり、特に好ましくは0.5〜8kg/cm2 である。多重ノズルから気体を流れやすくするためには0.1kg/cm2 以上が好ましく、振動等により気体を分裂させるためには20kg/cm2 以下が好ましい。
【0041】
また、多重ノズルを用いた液中硬化法においては、ノズルに振動を与えて、またはノズルから吐出される液体または気体に振動を与えて液滴を形成させる手法があるが、好ましくはノズルから吐出される液体または気体に振動を与える手法が良い。振動数は公知の値であれば特に限定されるものではない。なお、本発明では振動を与えず液滴を得る方法も選択される。
【0042】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例等により何ら限定されるものではない。
【0043】
実施例1
カプセル粒子の製造には、順次増大する直径を有する三重ノズル(最内ノズル径0.19cm、中間ノズル径0.28cm、最外ノズル径0.35cm。いずれもノズル出口での孔の直径である。)を有する装置を用いた。窒素ガスを最内ノズルより流量9.23cc/minで、香料(l―カルボン、比重=0.960(25℃))を中間ノズルより流量5.00cc/minで、最外ノズルより皮膜形成用液体(ゼラチン〔AP−100、新田ゼラチン(株)製、19mPs〕40.0重量%、グリセリン4.0重量%、水56.0重量%の70℃に保った水溶液)を流量53.16cc/minで、同時に7℃の冷却液(ココナードMT、花王製)中に吐出し、同時に窒素ガスに152Hzの振動を与え多層液滴を生成した。そして冷却液と液滴とを固液分離後、15℃、20%RHの条件下で液滴の乾燥を行い、内層に香料と気体を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。
【0044】
カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定したところ、4.08mg/個であり、カプセル粒子の密度は0.990g/cm3 であった。気体がカプセル粒子の内層を占める割合は64.9容積%、皮膜率は62.2容積%であった。
このカプセル粒子を20℃の水に投入したところ、カプセル粒子が浮いた。カプセル粒子の強度を10個測定したところ平均513gf/個であった。
【0045】
実施例2
窒素ガスの流量が2.00cc/min、香料(l―カルボン)の流量が13.30cc/min、皮膜形成用液体の流量が136.36cc/minで、振動が298Hzである以外は、実施例1と同様の条件で多層液滴を生成し、内層に香料と気体を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。
カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定したところ、5.35mg/個であり、カプセル粒子の密度は1.276g/cm3 であった。気体がカプセル粒子の内層を占める割合は13.3容積%、皮膜率は80.0容積%であった。また、カプセル粒子の強度を10個測定したところ平均742gf/個であった。
【0046】
実施例3
窒素ガスの流量が45.00cc/min、香料(l―カルボン)の流量が5.00cc/min、皮膜形成用液体の流量が20.05cc/minで、振動が234Hzである以外は、実施例1と同様の条件で多層液滴を生成し、内層に香料と気体を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。
カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定したところ、1.21mg/個であり、カプセル粒子の密度は0.290g/cm3 であった。気体がカプセル粒子の内層を占める割合は90.0容積%、皮膜率は15.0容積%であった。また、カプセル粒子の強度を10個測定したところ平均112gf/個であった。
このカプセル粒子を20℃の水に投入したところ、カプセル粒子が浮いた。
【0047】
実施例4
窒素ガスの流量が5.00cc/min、香料(l―カルボン)の流量が45.00cc/min、皮膜形成用液体の流量が20.05cc/minで、振動が234Hzである以外は、実施例1と同様の条件で多層液滴を生成し、内層に香料と気体を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。
カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定したところ、3.95mg/個であり、カプセル粒子の密度は0.942g/cm3 であった。気体がカプセル粒子の内層を占める割合は10.0容積%、皮膜率は15.0容積%であった。また、カプセル粒子の強度を10個測定したところ平均127gf/個であった。
このカプセル粒子を20℃の水に投入したところ、カプセル粒子が浮いた。
【0048】
実施例5
カプセル粒子の製造装置としては、実施例1と同じ装置を用いた。窒素ガスを最内ノズルより流量3.00cc/minで、香料(l―カルボン)を中間ノズルより流量15.00cc/minで、最外ノズルより皮膜形成用液体(寒天(伊那食品工業(株)製、UM−11)1.5重量%、水98.5重量%の70℃に保った水溶液)を流量78.80cc/minで、同時に20℃の冷却液(ココナードMT)中に吐出し、同時に窒素ガスに358Hzの振動を与え多層液滴を生成し、内層に香料と気体を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。
カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定したところ、4.34mg/個であり、カプセル粒子の密度は0.963g/cm3 であった。気体がカプセル粒子の内層を占める割合は16.7容積%、皮膜率は81.4容積%であった。
このカプセル粒子を20℃の水に投入したところカプセル粒子は浮き、このカプセル粒子を指でつぶし破壊したところ、カプセル粒子が弾ける様につぶれた。カプセル粒子の強度を10個測定したところ平均2.2gf/個であった。
【0049】
実施例6
窒素ガスの流量を2.00cc/minで、香料をサリチル酸メチル(比重=1.190(15℃))にし流量を13.00cc/minで、皮膜形成用液体の流量を60.00cc/minで吐出し、振動を298Hzにした以外は、実施例5と同様の条件で多層液滴を生成し、内層に香料と気体を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定したところ、4.22mg/個であり、カプセル粒子の密度は1.006g/cm3 であった。気体がカプセル粒子の内層を占める割合は13.3容積%、皮膜率は80.0容積%であった。また、カプセル粒子の強度を10個測定したところ平均2.1gf/個であった。
このカプセル粒子を指でつぶし破壊したところ、カプセル粒子が弾ける様につぶれた。
【0050】
実施例7
窒素ガスの流量を5.00cc/minで、香料をサリチル酸メチル(比重=1.190(15℃))にし流量を45.00cc/minで、皮膜形成用液体の流量を8.82cc/minで吐出し、振動を234Hzにした以外は、実施例5と同様の条件で多層液滴を生成し、内層に香料と気体を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。
カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定したところ、4.44mg/個であり、カプセル粒子の密度は1.060g/cm3 であった。気体がカプセル粒子の内層を占める割合は10.0容積%、皮膜率は15.0容積%であった。また、カプセル粒子の強度を10個測定したところ平均0.5gf/個であった。
このカプセル粒子を指でつぶし破壊したところ、カプセル粒子が弾ける様につぶれた。
【0051】
実施例8(参考例)
カプセル粒子の製造には、順次増大する直径を有する二重ノズル(最内ノズル径0.28cm、最外ノズル径0.35cm。いずれもノズル出口での孔の直径である。)を有する装置を用いた。ヘリウムガスを最内ノズルより流量60cc/minで、皮膜形成用液体(寒天1.5重量%、水98.5重量%の70℃に保った水溶液)を流量10.59cc/minで、同時に20℃の冷却液(ココナードMT)中に吐出し、同時にヘリウムガスに280Hzの振動を与え多層液滴を生成し、内層に気体を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。
カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定したところ、0.63mg/個であり、カプセル粒子の密度は0.150g/cm3 であった。気体がカプセル粒子の内層を占める割合は100.0容積%、皮膜率は15.0容積%であった。また、カプセル粒子の強度を10個測定したところ平均0.5gf/個であった。
このカプセル粒子を20℃の水に投入したところカプセル粒子は浮き、このカプセル粒子を指でつぶし破壊したところ、カプセル粒子が弾ける様につぶれた。
【0052】
実施例9
窒素ガスの流量が5.00cc/min、香料(l―カルボン)の流量が10.00cc/min、皮膜形成用液体の流量が60.00cc/minで、振動が298Hzである以外は、実施例5と同様の条件で多層液滴を生成し、内層に香料と気体を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。
カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定したところ、3.89mg/個であり、カプセル粒子の密度は0.928g/cm3 であった。気体がカプセル粒子の内層を占める割合は33.3容積%、皮膜率は80.0容積%であった。カプセル粒子の強度を10個測定したところ平均2.0gf/個であった。
このカプセル粒子を20℃の水に投入したところカプセル粒子は浮き、このカプセル粒子を指でつぶし破壊したところ、カプセル粒子が弾ける様につぶれた。
【0053】
比較例1
カプセル粒子の製造には、実施例8と同じ装置を用いた。香料(l―カルボン)を最内ノズルより流量14.23cc/minで、最外ノズルより皮膜形成用液体(ゼラチン〔AP−100、新田ゼラチン(株)製、19mPs〕40.0重量%、グリセリン4.0重量%、水56.0重量%の70℃に保った水溶液)を流量53.16cc/minで、同時に7℃の冷却液(ココナードMT)中に吐出し、同時に最内液に152Hzの振動を与え多層液滴を生成した。そして冷却液と固液分離後、15℃、20%RHの条件下で乾燥を行い、内層に香料を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。
カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定したところ、5.06mg/個であり、カプセル粒子の密度は1.225g/cm3 であった。気体がカプセル粒子の内層を占める割合は0.0容積%、皮膜率は62.2容積%であった。
このカプセル粒子を20℃の水に投入したところ、カプセル粒子は沈んだ。カプセル粒子10個について、その強度を測定したところ平均512gf/個であった。
【0054】
比較例2
カプセル粒子の密度が実施例1と同じ0.990g/cm3 になる様に、最内ノズルより、窒素ガスの代わりに流動パラフィン(比重=0.85)を流量65.22cc/minで吐出し、最内液の流動パラフィンに372Hzの振動を与えた以外は実施例1と同様の条件で多層液滴を生成し、内層に香料と流動パラフィンを含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。
カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定したところ、4.184mg/個であり、カプセル粒子の密度は0.990g/cm3 であった。流動パラフィンがカプセル粒子の内層を占める割合は92.9容積%もあり、皮膜率は25.0容積%に低下した。このカプセル粒子を20℃の水に投入したところカプセル粒子は浮いたが、カプセル粒子の強度を10個測定したところ平均231gf/個に低下した。
【0055】
比較例3
カプセル粒子の密度が実施例5と同じ0.963g/cm3 になる様に、香料(l―カルボン)を最内ノズルより流量50cc/minで、最外ノズルより皮膜形成用液体(寒天1.5重量%、水98.5重量%の70℃に保った水溶液)を流量3.57cc/minで吐出し、振動を213Hzにした以外は実施例8と同様の条件で多層液滴を生成し、内層に香料を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。
カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定したところ、4.03mg/個であり、カプセル粒子の密度は0.963g/cm3 であった。気体がカプセル粒子の内層を占める割合は0.0容積%、皮膜率は6.7容積%であった。
このカプセル粒子を20℃の水に投入したところカプセル粒子は浮いたが、このカプセル粒子を指でつぶし破壊したところ、カプセル粒子が弾ける様にはつぶれず、カプセル粒子の強度も10個測定したところ平均0.1gf/個に低下してた。
【0056】
比較例4
カプセル粒子の密度が実施例9と同じ0.928g/cm3 になる様に、流動パラフィン(比重=0.85)を最内ノズルより流量59.06cc/minで吐出し、最内液の流動パラフィンに513Hzの振動を与えた以外は実施例9と同様の条件で多層液滴を生成し、内層に香料と流動パラフィンを含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。
カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定したところ、3.89mg/個であり、カプセル粒子の密度は0.928g/cm3 であった。流動パラフィンがカプセル粒子の内層を占める割合は85.5容積%もあり、皮膜率は46.5容積%に低下してしまった。
このカプセル粒子を20℃の水に投入したところカプセル粒子は浮いたが、カプセル粒子の強度を10個測定したところ平均0.7gf/個に低下してた。
【0057】
上記の実施例から、カプセル粒子に気体を含有させることにより、カプセル粒子の強度を低下させることなく、カプセル粒子の密度を幅広く設定できることが分かった。また、上記の比較例から、流動パラフィンを用いてカプセル粒子の密度を調整したり、内容物成分や皮膜形成用液体の組成を調整してカプセル粒子の密度を調整すると、カプセル粒子の強度が低下してしまうことが分かった。
【0058】
【発明の効果】
本発明のカプセル粒子は、カプセル粒子中に気体を含有させることで、カプセル粒子の強度の低下や処方液の組成の変更なく容易に密度調製が可能であり、さらにカプセル粒子の崩壊時の弾力性が良好であるというものである。また、本発明の製造方法により、本発明のカプセル粒子の製造が容易に達成される。

Claims (7)

  1. 内層及び該内層を被覆してなる皮膜から構成され、内層に気体を含有してなる気体含有継ぎ目無しカプセル粒子の製造方法であって、皮膜を形成する皮膜形成体が、カラギーナン、寒天、アルギン酸ナトリウム、ジェランガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム及びゼラチンからなる群より選ばれ、かつ、皮膜形成用液体、気体成分及び内容物成分を三重ノズルを用いて吐出させて調製することを特徴とする気体含有継ぎ目無しカプセル粒子の製造方法
  2. 気体が内層の1〜95容積%を占める請求項1記載のカプセル粒子の製造方法
  3. 内容物成分が、水溶性成分、油性成分、及び界面活性剤成分からなる群より選ばれる1種以上の構成成分を含有する請求項1又は2記載のカプセル粒子の製造方法
  4. 気体が、窒素、アルゴン、及びヘリウムからなる群より選ばれる1種以上からなる請求項1〜3いずれか記載のカプセル粒子の製造方法
  5. カプセル粒子の体積に対する皮膜体積の割合(皮膜体積/カプセル粒子体積×100(%))が15〜80容積%である請求項1〜4いずれか記載のカプセル粒子の製造方法
  6. カプセル粒子の強度が0.5〜5000gf/個である請求項1〜5いずれか記載のカプセル粒子の製造方法
  7. カプセル粒子の密度が0.100〜1.300g/cm3 である請求項1〜6いずれか記載のカプセル粒子の製造方法
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