JPH10328556A - 気体含有継ぎ目無しカプセル粒子 - Google Patents

気体含有継ぎ目無しカプセル粒子

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JPH10328556A
JPH10328556A JP15580997A JP15580997A JPH10328556A JP H10328556 A JPH10328556 A JP H10328556A JP 15580997 A JP15580997 A JP 15580997A JP 15580997 A JP15580997 A JP 15580997A JP H10328556 A JPH10328556 A JP H10328556A
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capsule
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千年 重野
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訓史 上野
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清子 中垣
Yuri Nishiwaki
ゆり 西脇
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カプセル粒子の強度を保つべく、皮膜厚みの低
減が極力抑えられた、且つ処方液中に継ぎ目無しカプセ
ル粒子を配合しても、処方液の使用感を損なうことの無
い、密度調整が容易な継ぎ目無しカプセル粒子、さらに
はカプセル粒子の破壊時の弾力性が良好なカプセル粒子
を提供すること、並びにかかるカプセル粒子の製造方法
を提供すること。 【解決手段】内層及び該内層を被覆してなる皮膜から構
成されてなる継ぎ目無しカプセル粒子であって、内層に
気体を含有してなることを特徴とする気体含有継ぎ目無
しカプセル粒子、並びに多重ノズルを用いて製造する上
記の気体含有継ぎ目無しカプセル粒子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体を含有するカ
プセル粒子に関する。更に詳しくは、医薬品、食品、嗜
好品、浴用品、洗浄品分野等に利用可能な、気体を含有
する継ぎ目無しカプセル粒子に関する。さらに本発明の
目的は、かかるカプセル粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品、食品、嗜好品、浴用品、洗浄品
の分野において、その使い易さの点より液体や固体を含
有したカプセル粒子が種々開発されており、内容物に油
性成分、界面活性剤成分、香料等を含有させた継ぎ目無
しカプセル粒子が開発されてきた。
【0003】従来のカプセル粒子は、内容物として液体
及び/又は固体のみを含有させている為、継ぎ目無しカ
プセル粒子を浴槽に浮かべたい場合や継ぎ目無しカプセ
ル粒子を液体石鹸・シャンプー・リンス・液体洗剤等に
均一分散させ配合する場合等の、カプセル粒子の密度を
所望の程度に調整したい場合、皮膜と内容物の重量比率
や内容物の組成を調整したり、第三成分として密度調整
用の液体や固体を皮膜・内容液に配合したりしていた。
【0004】例えば、カプセル粒子の密度を小さくする
場合、一般的に皮膜比率の低減や内容液に密度の小さな
ものを使用することが必要となっていたが、その為皮膜
厚さが薄くなりすぎて処方液中での保存安定性やカプセ
ル粒子の強度が低下したり、内容液に元来不必要な密度
の小さな液等を添加することにより、その液の添加によ
る液体石鹸等の処方液の組成の変更が必要になるといっ
た問題を生じていた。また、例えばカプセル粒子を指等
でつぶして内容液の香料の臭いを楽しむ場合、内容物は
固体及び/又は液体であるため、カプセル粒子の弾力性
に乏しく、弾ける様につぶれる継ぎ目無しカプセル粒子
は無かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はカプセ
ル粒子の強度を保つべく、皮膜厚みの低減が極力抑えら
れた、且つ処方液中に継ぎ目無しカプセル粒子を配合し
ても、処方液の使用感を損なうことの無い、密度調整が
容易な継ぎ目無しカプセル粒子、さらにはカプセル粒子
の破壊時の弾力性が良好なカプセル粒子を提供すること
にある。さらに本発明の目的は、かかるカプセル粒子の
製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、継ぎ目無しカプセル
粒子中に気体を含有させることにより、カプセル粒子の
強度の低下を少なくし、容易に密度の調整が可能にな
り、さらにはカプセル粒子に弾力性を付与して破壊時の
カプセル粒子の感触を向上させることができることを見
出し、また、多重ノズルを用いることにより、かかるカ
プセル粒子を容易に製造できることを見出し、本発明を
完成させた。
【0007】即ち、本発明の要旨は、〔1〕内層及び該
内層を被覆してなる皮膜から構成されてなる継ぎ目無し
カプセル粒子であって、内層に気体を含有してなること
を特徴とする気体含有継ぎ目無しカプセル粒子、〔2〕
気体が内層の1〜100容積%を占める前記〔1〕記載
のカプセル粒子、〔3〕内層に内容物として、水溶性成
分、油性成分、及び界面活性剤成分からなる群より選ば
れる1種以上の構成成分を含有する前記〔1〕又は
〔2〕記載のカプセル粒子、〔4〕気体が、窒素、アル
ゴン、及びヘリウムからなる群より選ばれる1種以上か
らなる前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載のカプセル粒
子、〔5〕カプセル粒子の体積に対する皮膜体積の割合
(皮膜体積/カプセル粒子体積×100(%))が15
〜80容積%である前記〔1〕〜〔4〕いずれか記載の
カプセル粒子、〔6〕カプセル粒子の強度が0.5〜5
000gf/個である前記〔1〕〜〔5〕いずれか記載
のカプセル粒子、〔7〕カプセル粒子の密度が0.10
0〜1.300g/cm3 である前記〔1〕〜〔6〕い
ずれか記載のカプセル粒子、〔8〕多重ノズルを用いて
製造する前記〔1〕〜〔7〕いずれか記載の気体含有継
ぎ目無しカプセル粒子の製造方法、に関するものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のカプセル粒子は、内層及
び該内層を被覆してなる皮膜から構成されてなる継ぎ目
無しカプセル粒子であって、内層に気体を含有してなる
ことを特徴とする気体含有継ぎ目無しカプセル粒子であ
る。
【0009】カプセル粒子内層中に含有させる気体とし
ては、特に限定されない。例えば、酸素、空気、窒素、
水素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。好ましく
は、カプセル粒子の内容物の酸化防止の観点から、窒
素、ヘリウム、又はアルゴンが良い。特に好ましくは窒
素が良い。かかる気体は単独で用いても良く、二種以上
を混合して用いても良い。また、気体に芳香成分が溶け
込んでいる場合は、匂い立ちが良好であるため好まし
い。
【0010】カプセル粒子内層中に占めるかかる気体の
割合は、所望の程度の密度のカプセル粒子が得られるよ
うに適宜設定すれば良い。具体的には、好ましくは内層
の1〜100容積%、より好ましくは5〜95容積%、
更に好ましくは10〜80容積%、特に好ましくは20
〜70容積%、より特に好ましくは20〜50容積%で
ある。内層は単層又は多層のいずれでもよく、多層の場
合、気体はどの層に含有されていてもよく、全ての層に
含有されていてもよい。
【0011】本発明のカプセル粒子の内層には、内容物
としてカプセル粒子の内層に通常含有させることのでき
る公知の成分を含有させることができる。かかる内容物
としては、具体的には、水溶性成分、油性成分、及び界
面活性剤成分からなる群より選ばれる1種以上の構成成
分が挙げられる。かかる成分のうち、香料として知られ
ているものを用いることは、カプセル粒子の崩壊時に香
りの匂い立ちが良いため好ましい。香料としては、特に
限定されないが「香料の化学」(赤星亮一著、大日本図
書発行)や「香料の事典」(藤巻正生、服部達彦、林利
夫、荒井綜一編集、朝倉書店発行)に記載されている様
な、天然香料や合成香料、調合香料が挙げられる。
【0012】天然香料としては、動物性香料、植物性香
料がある。動物性香料としては、特に限定されないがム
スク、シベット、カストリウム、アンバーグリス等が挙
げられる。植物性香料としては特に限定されないが精
油、香辛料等が挙げられる。合成香料としても特に限定
されるものではなく、カルボン、サリチル酸メチル等の
通常用いられる公知のものが挙げられる。なお、内層が
多層の場合は、内容物はどの層に含有されていても良
い。
【0013】上記の水溶性成分としては、25℃におけ
る溶解度が水100gに対して25g以上のものであれ
ば特に限定されない。例えば、水;エタノール、メタノ
ール、イソプロピルアルコールのアルコール類;多価ア
ルコール;アセトン、カルボン等のケトン類等が挙げら
れる。かかる水溶性成分は単独で用いても良く、二種以
上の成分を混合して用いても良い。
【0014】多価アルコールとしては特に限定されるも
のではない。例えば、二価のエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール(「PEG」と略す。)200、PEG
300、PEG600、ブタンジオール、プロピレング
リコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、三価
以上のグリセリン、ブタントリオール、ヘキサントリオ
ール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キ
シリトール等が挙げられる。
【0015】上記の油性成分としては特に限定されるも
のではない。例えば、油脂類、ロウ類、炭化水素類、高
級脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、精油類、
シリコーン油類、中鎖脂肪酸トリグリセリド類を単独ま
たは2種以上の混合物として用いることができる。
【0016】油脂類としては特に限定されるものではな
い。例えば、大豆油、ヌカ油、ホホバ油、アボガド油、
アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、パーシ
ック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等の
天然油脂、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬
化油及びミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン
酸グリセリド等の合成トリグリセリド等が挙げられる。
ロウ類としては特に限定されるものではない。例えば、
カルナウバロウ、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン等が挙げ
られる。炭化水素類としては特に限定されるものではな
い。例えば、硫酸パラフィン、ワセリン、パラフィンマ
イクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、
プリスタン等が挙げられる。高級脂肪酸類としては特に
限定されるものではない。例えば、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オ
レイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソ
ステアリン酸等が挙げられる。高級アルコール類として
は特に限定されるものではない。例えば、ラウリルアル
コール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オ
レイルアルコール、ラウリンアルコール、コレステロー
ル、2−ヘキシルデカノール等が挙げられる。
【0017】エステル類としては特に限定されるもので
はない。例えば、オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、
乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸
ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピリン酸
イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル
等が挙げられる。精油類としては特に限定されるもので
はない。例えば、ハッカ油、ジャスミン油、ショウ脳
油、ヒノキ油、トウヒ油、リュウ油、テレピン油、ケイ
皮油、ヘルガモット油、ミカン油、ショウブ油、パイン
油、ラベンダー油、ベイ油、クローブ油、ヒバ油、バラ
油、ユーカリ油、レモン油、ライム油、ペパーミント
油、ローズ油、セージ油、メントール、シネオール、オ
イゲノール、シトラール、シトロネラール、ボルネオー
ル、リナロール、ゲラーオール、カンファー、チモー
ル、スピラントール、ピネン、リモネン、テルペン系化
合物等が挙げられる。シリコーン油類としては特に限定
されるものではない。例えば、ジメチルポリシキロキサ
ン等が挙げられる。中鎖脂肪酸トリグリセリド類として
は特に限定されるものではない。例えば、トリ(カプリ
ル酸カプリン酸)グリセリン、トリカプリン酸グリセリ
ン等が挙げられる。
【0018】上記の界面活性剤としては特に限定される
ものではなく、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオ
ン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および両性界面
活性剤を単独もしくは2種以上混合して用いることがで
きる。本発明で用いられる界面活性剤は、前記で定義さ
れるような水溶性を示すものであっても良く、25℃に
おける溶解度が水100gに対して25g未満の油溶性
を示すものであっても良く、油溶性の高い界面活性剤が
好適に用いられる。界面活性剤を2種以上用いる場合、
油に対する溶解性が低いものであっても、混合して全体
として溶解性があればよい。
【0019】アニオン性界面活性剤としては特に限定さ
れるものではないが、例えば、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸
アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ステアリン酸ナトリウム、半硬化牛脂脂肪酸ソーダ
石ケン、半硬化牛脂脂肪酸カリ石ケン、オレイン酸カリ
石ケン、ヒマシ油カリ石ケン、アルキルナフタレンスル
ホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウ
ム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウ
ム、アルキルリン酸ジエタノールアミン、アルキルリン
酸カリウム、ポリオキエチレンアルキル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタ
ノールアミン、高級アルコール硫酸ナトリウム、アルキ
ルリン酸ジエタノールアミン、混合脂肪酸ソーダ石ケ
ン、アルキルリン酸カリウム、特殊カルボン酸型高分子
活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0020】カチオン性界面活性剤としては特に限定さ
れるものではないが、ラウリルトリメチルアンモニウム
クロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリ
ド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステア
リルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンゼン
ジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルアミンオレ
エート、ステアリルアミンアセテート、ステアリルアミ
ン酸等が挙げられる。
【0021】非イオン性界面活性剤としては特に限定さ
れるものではないが、例えば、グリセリン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビ
ット、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレング
リコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ
油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン
脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0022】両性界面活性剤としては特に限定されるも
のではないが、例えばアルキルジメチルアミノ酢酸ベタ
イン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカ
ルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイ
ン、レシチン、ラウリルアミノプロピオン酸、アルキル
ジアミノエチルグリシン等が挙げられる。
【0023】カプセル粒子の皮膜の溶解後、内容物が皮
膚と接触する場合等においては、より皮膚刺激性が少な
い非イオン性界面活性剤を単独もしくは混合して用いる
のが好ましい。界面活性剤の使用量は特に限定されるも
のではない。内層に油性成分と界面活性剤を含有する場
合は、カプセル粒子の内層の全油性成分と界面活性剤の
重量比率は、好ましくは49:1〜1:3、より好まし
くは19:1〜1.5:1の範囲が良い。
【0024】尚、本発明のカプセル粒子は、カプセル粒
子の内層に前記の成分以外に、さらに酸化防止剤、防腐
剤、顔料等の機能性微粒子等を含有していてもよい。こ
れらはカプセル粒子に含有されるものとして公知のもの
であれば、特に限定されるものではない。例えば、p−
オキシ安息香酸メチル、酸化チタン、カーボン、酸化ア
ルミニウム等が挙げられる。
【0025】本発明のカプセル粒子の皮膜を形成する成
分である皮膜形成体としては、公知のカプセル粒子の形
成に用いられる皮膜形成体を用いることができる。例え
ば、カラギーナン、寒天、アルギン酸ナトリウム、ジェ
ランガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ゼ
ラチンが挙げられる。かかる皮膜形成体は、単独または
混合して用いることができる。好ましくは寒天、ゼラチ
ン、ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、より好まし
くは寒天、ジェランガムが良い。
【0026】ゼラチンとしては、カプセル粒子の皮膜形
成体として通常用いられているものであれば特に限定さ
れるものではない。例えば、市販の各種のゼラチンが使
用可能である。なお、ここでのゼラチンは、ゼラチンの
不溶化対策としてコハク化やフタル化された、いわゆる
モディファイトゼラチン等を含む広義のゼラチンを指
す。ゼラチンを皮膜形成体として用いる場合は、カプセ
ル粒子の形態を維持するのに充分な皮膜強度を確保する
観点より、JIS K6503に記されているようなゼ
リー強度で50〜350gが好ましく、より好ましくは
70〜330gであり、特に好ましくは90〜310g
である。
【0027】寒天としては、特に限定されるものではな
く、通常市販されているものを使用することができる。
皮膜強度を充分確保する観点から、好ましくは1.5重
量%水溶液濃度でのゼリー強度が500g/cm2
上、より好ましくは700g/cm2 以上のものが良
い。寒天の1.5%水溶液を調製し、20℃で15時間
放置し、凝固せしめたゲルについて、その表面1cm2
当たり20秒間耐え得る最大重量(g数)をもってゼリ
ー強度とする。その他の皮膜形成体のゼリー強度に関し
ては、1重量%水溶液濃度でのゼリー強度が100g/
cm2 以上のものが好ましく、より好ましくは200g
/cm2 以上のものが良い。ゼリー強度は20℃におい
てゲルが破壊されるとき、ゲルにかかる単位面積当たり
の力(g/cm2 )である。
【0028】本発明のカプセル粒子の皮膜中の皮膜形成
体の含有量は特に限定されるものではないが、好ましく
は0.1〜99重量%、より好ましくは0.3〜97重
量%、さらに好ましくは0.5〜95重量%、特に好ま
しくは1.0〜90重量%である。皮膜強度を充分確保
する観点から、0.1重量%以上が好ましい。皮膜形成
体として寒天とアルギン酸ナトリウム若しくはジェラン
ガムを混合して使用する場合は、寒天1重量部に対し
て、アルギン酸ナトリウム若しくはジェランガムを0.
1〜10重量部用いることが好ましく、0.5〜5重量
部用いることがより好ましく、1〜3重量部用いること
が特に好ましい。
【0029】本発明のカプセル粒子の皮膜中の水分濃度
は、皮膜が維持される程度であれば特に限定されない
が、好ましくは1〜99.7重量%、より好ましくは2
〜99.5重量%、更に好ましくは5〜99重量%であ
る。
【0030】尚、公知の色素、顔料、防腐剤、香料、グ
リセリン、ソルビット、サッカロース等の物質を皮膜の
形成に影響を与えない程度添加しても良い。
【0031】本発明のカプセル粒子の体積に対する皮膜
体積の割合(「皮膜率」と略記する。)(皮膜体積/カ
プセル粒子体積×100(%))は特に限定されない
が、15〜80容積%であることが好ましい。より好ま
しくは20〜70容積%、特に好ましくは20〜60容
積%が良い。気体を含有させることによる、密度調整効
果を発揮させる観点から、皮膜率は80容積%以下が好
ましく、皮膜強度や内容液の外界との遮断性を保持する
観点から、皮膜率は15容積%以上が好ましい。皮膜体
積やカプセル粒子体積は、製造時の気体成分、皮膜形成
用液体、内容物成分のノズルからの供給量から算出でき
る。
【0032】本発明のカプセル粒子の平均皮膜厚さは特
に限定されるものではなく、上記皮膜率を満たす程度の
ものが好ましい。具体的には、好ましくは2mm以下、
より好ましくは0.05〜2mm、さらに好ましくは
0.05〜1.5mm、特に好ましくは0.1〜1mm
である。カプセル粒子を溶解させて内容物を放出させる
場合の溶解時間を短縮化する観点からは2mm以下が好
ましく、カプセル粒子生成時の皮膜の崩壊防止の観点か
らは0.05mm以上が好ましい。
【0033】カプセル粒子の強度は、皮膜組成や含水
率、粒径等で変化し、0.5〜5000gf/個が好ま
しく、より好ましくは0.7〜3000gf/個であ
り、特に好ましくは0.8〜2000gf/個である。
カプセル粒子の医薬品等への配合時等にカプセル粒子の
破壊を防ぐ観点から、0.5gf/個以上が好ましく、
カプセル粒子の水等における溶解性や崩壊性を確保する
観点から、5000gf/個以下が好ましい。カプセル
粒子の強度とは、圧縮試験機やゴム硬度計や木屋式硬度
計等で求められる、カプセル粒子が破壊される荷重であ
る。
【0034】本発明においては、内層に気体を含有させ
ることにより、カプセル粒子の密度を所望の程度に調整
することができる。本発明のカプセル粒子の密度は、用
いる内容物や皮膜の密度によっても変化を受けるため、
かかる成分についても考慮することが好ましい。具体的
には、カプセル粒子の密度は、好ましくは0.100〜
1.300g/cm3 であり、より好ましくは0.20
0〜1.200g/cm3 であり、更に好ましくは0.
250〜1.100g/cm3 であり、特に好ましくは
0.3〜0.850g/cm3 である。
【0035】本発明のカプセル粒子の平均粒子径は特に
限定されないが、好ましくは0.1〜20mm、より好
ましくは0.2〜20mm、さらに好ましくは0.3〜
10mm、特に好ましくは0.5〜10mmが良い。た
だし、平均粒子径は重量平均である。カプセル粒子の粒
子径は、例えばマイクロメーターやノギス等で測定する
ことができる。
【0036】本発明のカプセル粒子の製造方法として
は、例えば特公昭36−3700号公報に開示されてい
る二重ノズルによる製法や特公昭53−39193号公
報や特開平6−55060号公報に開示されている三重
ノズルによる製法等の多重ノズルを用いた液中硬化法等
が挙げられる。多重ノズルを用いることにより、皮膜及
び内層から構成されてなる本発明のカプセル粒子を容易
に製造することができる。ここで多重ノズルとは、二重
ノズル以上の多重構造を有するノズルである。本発明に
おいては、多重ノズルとは順次増大する直径を有する少
なくとも二重以上の多重ノズルであればその形状等は特
に限定されるものではなく、各ノズル吐出口端面は揃っ
ていなくてもかまわない。
【0037】多重ノズルを用いて本発明の気体含有継ぎ
目無しカプセル粒子を製造する場合、ノズルへは、皮膜
形成用液体、カプセル粒子の内層に封入される気体成
分、そして所望により、内層に入れられる内容物を含有
する成分(内容物成分)が供給される。ここで、皮膜形
成用液体とは、皮膜形成体を溶融液としたものか、ある
いは皮膜形成体を含有する溶液である。皮膜形成用液体
及び内容物成分は、ノズルへは液体で供給される。内容
物自体は液体である必要はなく、懸濁液として供給して
も良い。かかる液体としては、例えば、乳化液や前述の
水溶性成分、油性成分、界面活性剤成分が挙げられ、2
5℃で固体であっても、カプセル化時に50〜90℃に
加温するなどして液体であれば、特に限定されるもので
なく、固体や液体の懸濁液も含まれる。
【0038】二重ノズルを用いたカプセル化法において
は、一方のノズルから気体成分単独若しくは気体成分と
内容物成分との懸濁液を吐出させて、またもう一方のノ
ズルから皮膜形成用液体を吐出させて、気体含有継ぎ目
無しカプセル粒子を製造することが可能であり、三重ノ
ズルを用いたカプセル化法においては、中間ノズルまた
は最内ノズルから、気体成分単独若しくは気体成分と内
容物成分との懸濁液を吐出させて、気体含有継ぎ目無し
カプセル粒子を製造することができる。気体を吐出させ
ないノズルからは、内容物成分を流すことができる。
尚、皮膜形成用液体を吐出する皮膜ノズルからも気体成
分を吐出させても良い。また、四重以上のノズルは、カ
プセル化に支障のない範囲で適宜気体や液体が吐出され
る。このようにして、内層に気体を含有させることがで
きる。
【0039】気体成分と内容物成分との懸濁液を吐出さ
せる場合の、該懸濁液中の気体成分の含有量は特に限定
されないが、0.1〜50容積%が好ましく、より好ま
しくは0.5〜40容積%であり、特に好ましくは0.
8〜35容積%である。該懸濁液中の気体の平均分散粒
子径も特に限定されないが、好ましくは0.1μm〜1
mm、更に好ましくは1〜500μm、特に好ましくは
10〜100μmである。かかる懸濁液の調製方法は、
バブリング等の公知の手法が用いられる。また、該懸濁
液の粘度は特に限定されないが、100〜10000c
pが好ましく、より好ましくは200〜5000cpで
あり、特に好ましくは300〜1000cpである。
【0040】気体成分を単独でノズルから吐出させる場
合、気体への供給圧力は特に限定されないが、0.1〜
20kg/cm2 が好ましく、より好ましくは0.2〜
10kg/cm2 であり、特に好ましくは0.5〜8k
g/cm2 である。多重ノズルから気体を流れやすくす
るためには0.1kg/cm2 以上が好ましく、振動等
により気体を分裂させるためには20kg/cm2 以下
が好ましい。
【0041】また、多重ノズルを用いた液中硬化法にお
いては、ノズルに振動を与えて、またはノズルから吐出
される液体または気体に振動を与えて液滴を形成させる
手法があるが、好ましくはノズルから吐出される液体ま
たは気体に振動を与える手法が良い。振動数は公知の値
であれば特に限定されるものではない。なお、本発明で
は振動を与えず液滴を得る方法も選択される。
【0042】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を詳
述するが、本発明はこれらの実施例等により何ら限定さ
れるものではない。
【0043】実施例1 カプセル粒子の製造には、順次増大する直径を有する三
重ノズル(最内ノズル径0.19cm、中間ノズル径
0.28cm、最外ノズル径0.35cm。いずれもノ
ズル出口での孔の直径である。)を有する装置を用い
た。窒素ガスを最内ノズルより流量9.23cc/mi
nで、香料(l―カルボン、比重=0.960(25
℃))を中間ノズルより流量5.00cc/minで、
最外ノズルより皮膜形成用液体(ゼラチン〔AP−10
0、新田ゼラチン(株)製、19mPs〕40.0重量
%、グリセリン4.0重量%、水56.0重量%の70
℃に保った水溶液)を流量53.16cc/minで、
同時に7℃の冷却液(ココナードMT、花王製)中に吐
出し、同時に窒素ガスに152Hzの振動を与え多層液
滴を生成した。そして冷却液と液滴とを固液分離後、1
5℃、20%RHの条件下で液滴の乾燥を行い、内層に
香料と気体を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、
粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。
【0044】カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天
秤で測定したところ、4.08mg/個であり、カプセ
ル粒子の密度は0.990g/cm3 であった。気体が
カプセル粒子の内層を占める割合は64.9容積%、皮
膜率は62.2容積%であった。このカプセル粒子を2
0℃の水に投入したところ、カプセル粒子が浮いた。カ
プセル粒子の強度を10個測定したところ平均513g
f/個であった。
【0045】実施例2 窒素ガスの流量が2.00cc/min、香料(l―カ
ルボン)の流量が13.30cc/min、皮膜形成用
液体の流量が136.36cc/minで、振動が29
8Hzである以外は、実施例1と同様の条件で多層液滴
を生成し、内層に香料と気体を含有し外層に継ぎ目の無
い皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得
た。カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定
したところ、5.35mg/個であり、カプセル粒子の
密度は1.276g/cm3 であった。気体がカプセル
粒子の内層を占める割合は13.3容積%、皮膜率は8
0.0容積%であった。また、カプセル粒子の強度を1
0個測定したところ平均742gf/個であった。
【0046】実施例3 窒素ガスの流量が45.00cc/min、香料(l―
カルボン)の流量が5.00cc/min、皮膜形成用
液体の流量が20.05cc/minで、振動が234
Hzである以外は、実施例1と同様の条件で多層液滴を
生成し、内層に香料と気体を含有し外層に継ぎ目の無い
皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得
た。カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定
したところ、1.21mg/個であり、カプセル粒子の
密度は0.290g/cm3 であった。気体がカプセル
粒子の内層を占める割合は90.0容積%、皮膜率は1
5.0容積%であった。また、カプセル粒子の強度を1
0個測定したところ平均112gf/個であった。この
カプセル粒子を20℃の水に投入したところ、カプセル
粒子が浮いた。
【0047】実施例4 窒素ガスの流量が5.00cc/min、香料(l―カ
ルボン)の流量が45.00cc/min、皮膜形成用
液体の流量が20.05cc/minで、振動が234
Hzである以外は、実施例1と同様の条件で多層液滴を
生成し、内層に香料と気体を含有し外層に継ぎ目の無い
皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得
た。カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定
したところ、3.95mg/個であり、カプセル粒子の
密度は0.942g/cm3 であった。気体がカプセル
粒子の内層を占める割合は10.0容積%、皮膜率は1
5.0容積%であった。また、カプセル粒子の強度を1
0個測定したところ平均127gf/個であった。この
カプセル粒子を20℃の水に投入したところ、カプセル
粒子が浮いた。
【0048】実施例5 カプセル粒子の製造装置としては、実施例1と同じ装置
を用いた。窒素ガスを最内ノズルより流量3.00cc
/minで、香料(l―カルボン)を中間ノズルより流
量15.00cc/minで、最外ノズルより皮膜形成
用液体(寒天(伊那食品工業(株)製、UM−11)
1.5重量%、水98.5重量%の70℃に保った水溶
液)を流量78.80cc/minで、同時に20℃の
冷却液(ココナードMT)中に吐出し、同時に窒素ガス
に358Hzの振動を与え多層液滴を生成し、内層に香
料と気体を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒
径が2.0mmのカプセル粒子を得た。カプセル粒子の
1個当たりの重量を精密天秤で測定したところ、4.3
4mg/個であり、カプセル粒子の密度は0.963g
/cm3 であった。気体がカプセル粒子の内層を占める
割合は16.7容積%、皮膜率は81.4容積%であっ
た。このカプセル粒子を20℃の水に投入したところカ
プセル粒子は浮き、このカプセル粒子を指でつぶし破壊
したところ、カプセル粒子が弾ける様につぶれた。カプ
セル粒子の強度を10個測定したところ平均2.2gf
/個であった。
【0049】実施例6 窒素ガスの流量を2.00cc/minで、香料をサリ
チル酸メチル(比重=1.190(15℃))にし流量
を13.00cc/minで、皮膜形成用液体の流量を
60.00cc/minで吐出し、振動を298Hzに
した以外は、実施例5と同様の条件で多層液滴を生成
し、内層に香料と気体を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜
を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。カ
プセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定したと
ころ、4.22mg/個であり、カプセル粒子の密度は
1.006g/cm3 であった。気体がカプセル粒子の
内層を占める割合は13.3容積%、皮膜率は80.0
容積%であった。また、カプセル粒子の強度を10個測
定したところ平均2.1gf/個であった。このカプセ
ル粒子を指でつぶし破壊したところ、カプセル粒子が弾
ける様につぶれた。
【0050】実施例7 窒素ガスの流量を5.00cc/minで、香料をサリ
チル酸メチル(比重=1.190(15℃))にし流量
を45.00cc/minで、皮膜形成用液体の流量を
8.82cc/minで吐出し、振動を234Hzにし
た以外は、実施例5と同様の条件で多層液滴を生成し、
内層に香料と気体を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有
する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。カプセ
ル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定したとこ
ろ、4.44mg/個であり、カプセル粒子の密度は
1.060g/cm3 であった。気体がカプセル粒子の
内層を占める割合は10.0容積%、皮膜率は15.0
容積%であった。また、カプセル粒子の強度を10個測
定したところ平均0.5gf/個であった。このカプセ
ル粒子を指でつぶし破壊したところ、カプセル粒子が弾
ける様につぶれた。
【0051】実施例8 カプセル粒子の製造には、順次増大する直径を有する二
重ノズル(最内ノズル径0.28cm、最外ノズル径
0.35cm。いずれもノズル出口での孔の直径であ
る。)を有する装置を用いた。ヘリウムガスを最内ノズ
ルより流量60cc/minで、皮膜形成用液体(寒天
1.5重量%、水98.5重量%の70℃に保った水溶
液)を流量10.59cc/minで、同時に20℃の
冷却液(ココナードMT)中に吐出し、同時にヘリウム
ガスに280Hzの振動を与え多層液滴を生成し、内層
に気体を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒径
が2.0mmのカプセル粒子を得た。カプセル粒子の1
個当たりの重量を精密天秤で測定したところ、0.63
mg/個であり、カプセル粒子の密度は0.150g/
cm3 であった。気体がカプセル粒子の内層を占める割
合は100.0容積%、皮膜率は15.0容積%であっ
た。また、カプセル粒子の強度を10個測定したところ
平均0.5gf/個であった。このカプセル粒子を20
℃の水に投入したところカプセル粒子は浮き、このカプ
セル粒子を指でつぶし破壊したところ、カプセル粒子が
弾ける様につぶれた。
【0052】実施例9 窒素ガスの流量が5.00cc/min、香料(l―カ
ルボン)の流量が10.00cc/min、皮膜形成用
液体の流量が60.00cc/minで、振動が298
Hzである以外は、実施例5と同様の条件で多層液滴を
生成し、内層に香料と気体を含有し外層に継ぎ目の無い
皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得
た。カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定
したところ、3.89mg/個であり、カプセル粒子の
密度は0.928g/cm3 であった。気体がカプセル
粒子の内層を占める割合は33.3容積%、皮膜率は8
0.0容積%であった。カプセル粒子の強度を10個測
定したところ平均2.0gf/個であった。このカプセ
ル粒子を20℃の水に投入したところカプセル粒子は浮
き、このカプセル粒子を指でつぶし破壊したところ、カ
プセル粒子が弾ける様につぶれた。
【0053】比較例1 カプセル粒子の製造には、実施例8と同じ装置を用い
た。香料(l―カルボン)を最内ノズルより流量14.
23cc/minで、最外ノズルより皮膜形成用液体
(ゼラチン〔AP−100、新田ゼラチン(株)製、1
9mPs〕40.0重量%、グリセリン4.0重量%、
水56.0重量%の70℃に保った水溶液)を流量5
3.16cc/minで、同時に7℃の冷却液(ココナ
ードMT)中に吐出し、同時に最内液に152Hzの振
動を与え多層液滴を生成した。そして冷却液と固液分離
後、15℃、20%RHの条件下で乾燥を行い、内層に
香料を含有し外層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒径が
2.0mmのカプセル粒子を得た。カプセル粒子の1個
当たりの重量を精密天秤で測定したところ、5.06m
g/個であり、カプセル粒子の密度は1.225g/c
3 であった。気体がカプセル粒子の内層を占める割合
は0.0容積%、皮膜率は62.2容積%であった。こ
のカプセル粒子を20℃の水に投入したところ、カプセ
ル粒子は沈んだ。カプセル粒子10個について、その強
度を測定したところ平均512gf/個であった。
【0054】比較例2 カプセル粒子の密度が実施例1と同じ0.990g/c
3 になる様に、最内ノズルより、窒素ガスの代わりに
流動パラフィン(比重=0.85)を流量65.22c
c/minで吐出し、最内液の流動パラフィンに372
Hzの振動を与えた以外は実施例1と同様の条件で多層
液滴を生成し、内層に香料と流動パラフィンを含有し外
層に継ぎ目の無い皮膜を有する、粒径が2.0mmのカ
プセル粒子を得た。カプセル粒子の1個当たりの重量を
精密天秤で測定したところ、4.184mg/個であ
り、カプセル粒子の密度は0.990g/cm3 であっ
た。流動パラフィンがカプセル粒子の内層を占める割合
は92.9容積%もあり、皮膜率は25.0容積%に低
下した。このカプセル粒子を20℃の水に投入したとこ
ろカプセル粒子は浮いたが、カプセル粒子の強度を10
個測定したところ平均231gf/個に低下した。
【0055】比較例3 カプセル粒子の密度が実施例5と同じ0.963g/c
3 になる様に、香料(l―カルボン)を最内ノズルよ
り流量50cc/minで、最外ノズルより皮膜形成用
液体(寒天1.5重量%、水98.5重量%の70℃に
保った水溶液)を流量3.57cc/minで吐出し、
振動を213Hzにした以外は実施例8と同様の条件で
多層液滴を生成し、内層に香料を含有し外層に継ぎ目の
無い皮膜を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を
得た。カプセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測
定したところ、4.03mg/個であり、カプセル粒子
の密度は0.963g/cm3 であった。気体がカプセ
ル粒子の内層を占める割合は0.0容積%、皮膜率は
6.7容積%であった。このカプセル粒子を20℃の水
に投入したところカプセル粒子は浮いたが、このカプセ
ル粒子を指でつぶし破壊したところ、カプセル粒子が弾
ける様にはつぶれず、カプセル粒子の強度も10個測定
したところ平均0.1gf/個に低下してた。
【0056】比較例4 カプセル粒子の密度が実施例9と同じ0.928g/c
3 になる様に、流動パラフィン(比重=0.85)を
最内ノズルより流量59.06cc/minで吐出し、
最内液の流動パラフィンに513Hzの振動を与えた以
外は実施例9と同様の条件で多層液滴を生成し、内層に
香料と流動パラフィンを含有し外層に継ぎ目の無い皮膜
を有する、粒径が2.0mmのカプセル粒子を得た。カ
プセル粒子の1個当たりの重量を精密天秤で測定したと
ころ、3.89mg/個であり、カプセル粒子の密度は
0.928g/cm3 であった。流動パラフィンがカプ
セル粒子の内層を占める割合は85.5容積%もあり、
皮膜率は46.5容積%に低下してしまった。このカプ
セル粒子を20℃の水に投入したところカプセル粒子は
浮いたが、カプセル粒子の強度を10個測定したところ
平均0.7gf/個に低下してた。
【0057】上記の実施例から、カプセル粒子に気体を
含有させることにより、カプセル粒子の強度を低下させ
ることなく、カプセル粒子の密度を幅広く設定できるこ
とが分かった。また、上記の比較例から、流動パラフィ
ンを用いてカプセル粒子の密度を調整したり、内容物成
分や皮膜形成用液体の組成を調整してカプセル粒子の密
度を調整すると、カプセル粒子の強度が低下してしまう
ことが分かった。
【0058】
【発明の効果】本発明のカプセル粒子は、カプセル粒子
中に気体を含有させることで、カプセル粒子の強度の低
下や処方液の組成の変更なく容易に密度調製が可能であ
り、さらにカプセル粒子の崩壊時の弾力性が良好である
というものである。また、本発明の製造方法により、本
発明のカプセル粒子の製造が容易に達成される。
フロントページの続き (72)発明者 西脇 ゆり 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層及び該内層を被覆してなる皮膜から
    構成されてなる継ぎ目無しカプセル粒子であって、内層
    に気体を含有してなることを特徴とする気体含有継ぎ目
    無しカプセル粒子。
  2. 【請求項2】 気体が内層の1〜100容積%を占める
    請求項1記載のカプセル粒子。
  3. 【請求項3】 内層に内容物として、水溶性成分、油性
    成分、及び界面活性剤成分からなる群より選ばれる1種
    以上の構成成分を含有する請求項1又は2記載のカプセ
    ル粒子。
  4. 【請求項4】 気体が、窒素、アルゴン、及びヘリウム
    からなる群より選ばれる1種以上からなる請求項1〜3
    いずれか記載のカプセル粒子。
  5. 【請求項5】 カプセル粒子の体積に対する皮膜体積の
    割合(皮膜体積/カプセル粒子体積×100(%))が
    15〜80容積%である請求項1〜4いずれか記載のカ
    プセル粒子。
  6. 【請求項6】 カプセル粒子の強度が0.5〜5000
    gf/個である請求項1〜5いずれか記載のカプセル粒
    子。
  7. 【請求項7】 カプセル粒子の密度が0.100〜1.
    300g/cm3 である請求項1〜6いずれか記載のカ
    プセル粒子。
  8. 【請求項8】 多重ノズルを用いて製造する請求項1〜
    7いずれか記載の気体含有継ぎ目無しカプセル粒子の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008546400A (ja) * 2005-06-21 2008-12-25 ヴェ. マヌ フィル 崩壊可能なカプセルを組み込んだ喫煙器具、崩壊可能なカプセル、及び前記カプセルの製造方法
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