JP4384402B2 - デスフルオロピリドンカルボン酸系化合物を含有する水溶液剤およびその粉末化物並びにそれら製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗菌活性を有するデスフルオロピリドンカルボン酸系化合物またはその塩を含有する水溶液剤およびその粉末化物並びにそれら製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ピリドンカルボン酸またはその塩、とりわけ、デスフルオロキノロンと称される6位(三環式キノロンの場合は、9位に相当)にフッ素原子を有しないピリドンカルボン酸系化合物は、その安全性から優れた合成抗菌剤である。
しかし、ピリドンカルボン酸は、分子内にカルボン酸およびジヒドロピリジン骨格を有する両性物質であるため、生理的pH、すなわち中性付近における水に対する溶解度が低いものが多い。そのため、中性付近における溶解度の低いピリドンカルボン酸またはその塩を含有する水溶液剤とする場合は、中性付近における製剤化が困難であるという問題点がある。
【0003】
従来、ピリドンカルボン酸の分野で水への溶解性向上方法に関するものとして、塩形成により、エノキサシンおよびノルフロキサシンの溶解性を向上する方法(ジャーナル・オブ・パレンテラル・サイエンス・アンド・テクノロジー(J. Parenteral Sci. Technol.)第40巻、第70〜72頁、1986年);ピリドンカルボン酸乳酸塩に無機酸を添加する方法(特開昭60-94910号公報);ノルフロキサシンのシクロデキストリンによる包接(インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.)、第123号、第53〜63頁、1995年;ジャーナル・オブ・サーマル・アナリシス(Journal of Thermal Analysis.)第51巻、第1009〜1021頁、1998年)、幾つかの金属イオンおよびロメフロキサシンの錯体形成に関するもの;(インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.)、第87巻、第203〜213頁、1992年);ピリドンカルボン酸またはその塩にアルミニウム、マグネシウムまたは亜鉛を構成成分とする金属化合物を添加する方法(特開昭63-188626号公報);カルシウム塩およびポリビニルピロリドンを添加し、pH6.0〜8.5に調整する方法(特開平10-7568号公報、特開平05-058895号公報)などが知られている。
【0004】
とりわけ、ピリドンカルボン酸および金属陽イオンとの相互作用に関していくつかの観点から、多くの報告がなされている。たとえば、ピリドンカルボン酸および金属陽イオンを含む制酸剤を同時に服用時の吸収に及ぼす影響については、たとえば、ナリジクス酸および銅、マグネシウムまたは亜鉛イオンとの関係(インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.)、第22巻、第283〜290頁、1984年);シプロフロキサシンおよびアルミニウムまたはカルシウムイオンの関係(ザ・ランセット(The Lancet)、第2巻、第294頁、1986年);ノルフロキサシンおよび鉄(III)、アルミニウム、マグネシウムまたはカルシウムイオンとの関係(インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.)第68巻、第11〜18頁、1991年);ロメフロキサシン、オフロキサシンまたはノルフロキサシンおよびアルミニウムまたはマグネシウムイオンとの関係(アンティミクロバイアル・エイジェンツ・アンド・ケモセラピー(Antimicrobial Agents and Chemotherapy)、第36巻、第1219〜1224頁、1992年)が挙げられる。
【0005】
ピリドンカルボン酸および金属陽イオンからなる錯体の物理化学的性質としては、たとえば、ナリジクス酸またはオキソリニク酸およびマグネシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、コバルト、ニッケルまたは亜鉛イオンとの錯体(バイオインオーガニック・ケミストリー(Bioinorganic Chemistry)、第9巻、第145〜155頁、1978年);オフロキサシン、シプロフロキサシン、ノルフロキサシンまたはナリジクス酸および鉄(III)、アルミニウム、銅、ニッケル、鉛、亜鉛、マグネシウム、カルシウムまたはバリウムイオンとの錯体(ファーマシューティカル・リサーチ(Pharm. Res.)第6巻、第S139頁、1989年);ロメフロキサシン、オフロキサシンまたはノルフロキサシンおよびアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄(III)、コバルト、ニッケル、銅または亜鉛イオンとの錯体(ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブレティン(Chem. Pharm. Bull. 第40巻、第692〜696頁、1992年);ナリジクス酸、エノキサシン、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、ロメフロキサシン、テマフロキサシン、オフロキサシン、アミフロキサシン、フレロキサシンまたはジフロキサシンおよびマグネシウムまたはカルシウムイオンとの錯体(インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.)第93巻、第121〜129頁、1993年);シプロフロキサシンおよびカルシウム、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウムまたは鉄(III)イオンとの錯体(ポリヘドロン(Polyhedron)、第15巻、第269〜275頁、1996年)についての記載がある。
【0006】
さらに、シプロフロキサシンの抗菌活性に及ぼす各種金属イオンの影響(ファーマシューティカル・リサーチ(Pharm. Res.)、第14巻、第366〜370号、1997年;ファーマシューティカル・リサーチ(Pharm. Res.)、第11巻、第917〜920頁、1994年)ならびにピリドンカルボン酸および金属陽イオンの錯体形成が該化合物の溶解または溶出に及ぼす影響。たとえば、ノルフロキサシンおよび鉄(III)、アルミニウム、マグネシウムまたはカルシウムイオンとの関係(インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.)、第68巻、第11〜18頁、1991年);ロメフロキサシンおよび鉄(III)、ビスマス、カルシウム、マグネシウムまたはアルミニウムイオンとの関係(インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.)、第87巻、第203〜213頁、1992年);シプロフロキサシンまたはオフロキサシンおよびアルミニウムまたは鉄(III)イオンとの関係(ファーマシューティカ・アクタ・ヘルベチアエ(Pharmaceutica Acta Helvetiae)、第73巻、第237〜245頁、1999年)などが挙げられる。
【0007】
これらの金属陽イオンがピリドンカルボン酸の溶解度に及ぼす影響に関しては、ある例では、金属陽イオンがピリドンカルボン酸との錯体形成により溶解度を上昇させる(インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.)第87巻、第203〜213頁、1992年)のに対し、他の例では、それが、ピリドンカルボン酸の溶解度を減少させている(インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.)第68巻、第11〜18頁、1991年;ジャーナル・オブ・サーマル・アナリシス(Journal of Thermal Analysis.)第51巻、第1009〜1021頁、1998年;ファーマシューティカ・アクタ・ヘルベチアエ(Pharmaceutica Acta Helvetiae)第73巻、第237〜245頁、1999年)。
【0008】
一方、シクロデキストリン類は、数多くの薬理活性物質の溶解性を向上させる目的で使用されてきている(アメリカン・ファーマシューティカル・アソシエーション・ワシントンDC第二版(2nd ed.; American Pharmaceutical Association: Washington D.C.)、第145〜147頁、1994年;ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンス(J. Pharm. Sci.)、第85巻、第1017〜1025頁、1996年)、そして、近年、ロフトソン(Loftsson)らにより外用剤の製剤開発におけるシクロデキストリン類の使用方法の理論および実践方法が概説されている(インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.)、第225巻、第15〜30頁、2001年)。毒性、価格および投与形態等の理由から使用できるシクロデキストリン類の量には限りがある。このことから、シクロデキストリン類による溶解性向上作用を増強する方法につき、検討されており、たとえば、水溶性高分子の添加(ファルマジー(Pharmazie)、第53巻、第733〜740頁、1998年;インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.)、第104巻、第181〜184頁、1994年;ドラッグ・デベロップメント・アンド・インダストリアル・ファーマシー(Drug Dev. Ind. Pharm.)、第22巻、第401〜405頁、1996年)やヒドロキシ酸との併用(ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンス(J. Pharm. Sci.)、第89巻、第1〜8頁、2000年)が挙げられる。また、アルミニウムおよびマグネシウムイオンを含む溶液中への溶出性が著しく低下するノルフロキサシンの溶出性をβ−シクロデキストリンが向上させるという報告もなされている(ジャーナル・オブ・サーマル・アナリシス(Journal of Thermal Analysis.)、第51巻、第1009〜1021頁、1998年)。
【0009】
しかしながら、シクロデキストリン類および金属陽イオンを併用して、生理的pH、すなわち、中性付近におけるピリドンカルボン酸の水に対する溶解度を向上させる方法は知られていない。
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、デスフルオロピリドンカルボン酸およびその薬理学的に許容される塩の可溶化方法を提供することである。本発明の他の目的は、デスフルオロピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩の溶解性の改善された水溶液剤およびその粉末化物を提供することである。また本発明のさらなる他の目的は、デスフルオロピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩を含む水溶液剤およびその粉末化物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、マグネシウム塩、シクロデキストリン類および粘稠剤を配合することにより、中性付近の生理的pHにおいて、デスフルオロピリドンカルボン酸またはその塩の薬理効果を得るために十分な溶解度を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、マグネシウムイオンおよびシクロデキストリン類を組み合わせて使用することによりデスフルオロピリドンカルボン酸またはその塩を溶解する際に相乗効果が得られることを見出した。さらに本願記載の製造方法により、中性付近の生理的pHにおいて薬理的効果を得るために十分な溶解度を持つ水溶液剤および溶解性が改善された粉末が得られた。さらに、粘稠剤の添加により、水溶液剤および粉末を溶解した水溶液での保存時の析出を防止することが可能となった。
【0012】
本明細書において、特に断わらない限り、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を;アルキル基とは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルおよびペンチルなどの直鎖状または分枝鎖状C1-6アルキル基を;アルケニル基とは、ビニルおよびアリルなどの直鎖状または分枝鎖状C2-6アルケニル基を;シクロアルキル基とは、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなどのC3-6シクロアルキル基を;アルキレン基とは、メチレン、エチレン、プロピレンなどのC1-6アルキレン基を;アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシおよびペンチルオキシなどの直鎖状または分枝鎖状C1-6アルコキシ基を;アルキルチオ基とは、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオおよびペンチルチオなどの直鎖状または分枝鎖状C1-6アルキルチオ基を;アルキルアミノ基とは、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノおよびジペンチルアミノなどの直鎖状または分枝鎖状C1-6アルキル基で置換されたアミノ基を;アリール基とは、フェニル、ナフチルなどの基をそれぞれ意味する。
【0013】
R2におけるシクロアルキル基;R3におけるアルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基;R4におけるアルキル基またはアルコキシ基;Zのイソインドリルおよびピリジル基における置換基であるアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルチオまたはアミノ基は、ハロゲン原子、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよいアミノ基、保護されていてもよいアルキルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、シクロアルキル基、アルケニル基およびハロゲン原子で置換されたアルキル基から選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。
【0014】
カルボキシル保護基としては、通常のカルボキシル基の保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、1,1−ジメチルプロピル、n-ブチルおよびtert-ブチルなどのアルキル基;フェニルおよびナフチルなどのアリール基;ベンジル、ジフェニルメチル、トリチル、p-メトキシベンジルおよびビス(p-メトキシフェニル)メチルなどのアルアルキル基;アセチルメチル、ベンゾイルメチル、およびp-メタンスルホニルベンゾイルメチルなどのアシル−アルキル基;アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチルおよびピバロイルオキシメチルなどのアシルオキシアルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;メトキシメチルおよびメトキシエトキシメチルなどのアルコキシ−アルキル基;ならびにベンジルオキシメチルなどのアル−アルコキシ−アルキル基などが挙げられる。
【0015】
アミノ基およびアルキルアミノ基の保護基としては、通常のアミノ基の保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、ベンジルオキシカルボニル、フェニルアセチル、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、tert-アミルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2−フルフリルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、1,1−ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、フタロイル、スクシニル、アラニル、ロイシル、1−アダマンチルオキシカルボニルおよび8−キノリルオキシカルボニルなどのアシル基;ベンジル、ジフェニルメチルおよびトリチルなどのアルアルキル基;ならびに5−メチル−2−オキソ−2H−1,3−ジオキソール−4−イル−メチルなどの含酸素複素環式アルキル基などが挙げられる。
【0016】
ヒドロキシル基の保護基としては、通常のヒドロキシル基の保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、1,1−ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、2−(フェニルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(トリフェニルホスホニオ)エトキシカルボニル、1−アダマンチルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、4−エトキシ−1−ナフチルオキシカルボニル、8−キノリルオキシカルボニル、アセチル、ホルミル、メトキシアセチル、フェノキシアセチル、ピバロイルおよびベンゾイルなどのアシル基;メチルおよびtert-ブチルなどのアルキル基;アリルなどのアルケニル基;ベンジル、p-メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、ジフェニルメチルおよびトリチルなどのアルアルキル基;ならびにメトキシメチル、ベンジルオキシメチル、2−メトキシエトキシメチルおよび1−エトキシエチルなどのアルコキシ−アルキル基などが挙げられる。
【0017】
デスフルオロピリドンカルボン酸またはその塩の可溶化は、該化合物にマグネシウム塩、シクロデキストリン類および粘稠剤を配合することによって行われ、さらに、アミノ酸を配合することもできる。
【0018】
本発明の水溶液剤は、たとえば、以下に示す手順(a)〜(c)により得ることができる。
(a)デスフルオロピリドンカルボン酸系化合物またはその塩に水または塩基性の水溶液を加え、塩基または塩基性の水溶液でpHを10以上に調整し、溶解させ、(b)シクロデキストリン類、マグネシウム塩および粘稠剤を加え、(c)ついで、酸または酸性の水溶液を加え、pHを6〜8に調整する。
さらに、(b)のステップにおいて、シクロデキストリン類を加え、溶解させた後、マグネシウム塩および粘稠剤を加える方法が好ましい。
【0019】
また、水溶液剤の粉末化物は、たとえば、以下に示す手順(a)〜(d)により得ることができる。
(a)デスフルオロピリドンカルボン酸系化合物またはその塩に水または塩基性の水溶液を加え、塩基または塩基性の水溶液でpHを10以上に調整し、溶解させ、(b)シクロデキストリン類、マグネシウム塩および粘稠剤を加え、(c)ついで、酸または酸性の水溶液を加え、pHを6〜8に調整した後、(d)得られた水溶液より水を除去し粉末化する。
さらに、(b)のステップにおいて、シクロデキストリン類を加え、溶解させた後、マグネシウム塩および粘稠剤を加える方法が好ましい。
水の除去方法としては、たとえば、凍結乾燥後、必要に応じて粉砕する方法およびスプレードライ法が挙げられる。
【0020】
可溶化に使用される塩基としては、たとえば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンおよびトロメタモールなどのヒドロキシアルキルアミン類;リン酸三ナトリウムなどが挙げられ、好ましくは、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。
【0021】
可溶化に使用される酸としては、たとえば、塩酸、硝酸、リン酸、ホウ酸および硫酸などの鉱酸;クエン酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸、乳酸および酢酸などの有機カルボン酸;メタンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸などのスルホン酸が挙げられ、好ましくは、塩酸、リン酸、ホウ酸、クエン酸、酢酸およびメタンスルホン酸などが挙げられ;さらに好ましくは、クエン酸が挙げられる。
【0022】
本発明に用いるデスフルオロピリドンカルボン酸系化合物としては、二環式ピリドンカルボン酸の6位、または、三環式ピリドンカルボン酸の9位がフッ素置換されていないピリドンカルボン酸系化合物であれば、特に限定されないが、好ましくは、一般式
【化4】
「式中、R1は、水素原子またはカルボキシル保護基を;R2は、置換されていてもよいシクロアルキル基を;R3は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、アルコキシもしくはアルキルチオ基、保護されていてもよいヒドロキシルもしくはアミノ基またはニトロ基を;R4は、置換されていてもよいアルキルまたはアルコキシ基を;Zは、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルチオもしくはアミノ基および保護されていてもよいヒドロキシルもしくはアミノ基から選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよいイソインドリン−5−イル、ピリジン−4−イルまたはピリジン−3−イル基をそれぞれ示す。」
で表わされる二環式ピリドンカルボン酸系化合物化合物が挙げられ、さらに好ましくは、1−シクロプロピル−8−ジフルオロメトキシ−7−[(1R)−2,3−ジヒドロ−1−メチル−1H−イソインドール−5−イル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリン−カルボン酸(以下、T−3811と称する)、メシル酸1−シクロプロピル−8−ジフルオロメトキシ−7−[(1R)−2,3−ジヒドロ−1−メチル−1H−イソインドール−5−イル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリン−カルボン酸・一水和物(以下、T−3811Meと称する)および1−シクロプロピル−8−メチル−7−[5−メチル−6−(メチルアミノ)−3−ピリジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリン−カルボン酸(以下、T−3912と称する)が挙げられ、さらに好ましくは、T−3912が挙げられる。
また、本発明に用いられるデスフルオロピリドンカルボン酸系化合物は、その塩、水和物および塩の水和物を含み、その使用量は、たとえば、水溶液剤中に重量%として、0.01%〜5%、好ましくは、0.05〜1.5%であればよい。
【0023】
本発明で使用されるデスフルオロピリドンカルボン酸の塩としては、通常知られているアミノ基などの塩基性基またはヒドロキシルもしくはカルボキシル基などの酸性基における塩が挙げられる。塩基性基における塩としては、たとえば、塩酸、臭化水素酸および硫酸などの鉱酸との塩;酒石酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸およびクエン酸などの有機カルボン酸との塩;ならびにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩を挙げることができ、酸性基における塩としては、たとえば、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;アンモニウム塩;ならびにリジン、アルギニンおよびオルニチンなどのアミノ酸、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トロメタモール、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェナミンならびにN,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどの含窒素有機塩基との塩などが挙げられ、好ましい塩としては、薬理学的に許容される塩が挙げられる。
【0024】
本発明で使用されるシクロデキストリン類としては、たとえば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンなどのシクロデキストリンまたはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンなどのシクロデキストリン誘導体が挙げられ、好ましくは、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンが挙げられる。これらは、単独または二種以上混合して使用してもよい。
また、本発明に用いられるシクロデキストリン類の使用量は、たとえば、水溶液剤中に重量%として、0.05%〜20%であればよく、好ましくは、0.1〜15%であればよい。
【0025】
本発明で使用されるマグネシウム塩としては、たとえば、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、L−アスパラギン酸マグネシウムおよび乳酸マグネシウムおよびこれらの水和物などが挙げられ、好ましくは、塩化マグネシウムおよびその水和物が挙げられ、これらは、単独または二種以上混合して使用してもよい。
また、本発明に用いられるマグネシウム塩の使用量は、たとえば、水溶液剤中に重量%として、0.05%〜5%であればよく、好ましくは、0.1〜1.5%であればよい。
【0026】
本発明で使用される粘稠剤としては、薬理学的に許容される多糖類、ポリビニル化合物、多価アルコールなどの水溶性高分子が挙げられる。多糖類としては、たとえば、セルロース誘導体およびアルギン酸ナトリウムが挙げられ、セルロース誘導体としては、たとえば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられ、ポリビニル化合物としては、たとえば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールが挙げられ、多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびこれらの共重合体が挙げられる。好ましくは、セルロース誘導体およびポリビニル化合物が挙げられ、さらに好ましくは、ポリビニルピロリドンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。また、これらは、単独または二種以上混合して使用してもよい。
また、本発明に用いられる粘稠剤の使用量は、たとえば、水溶液剤中に重量%として、0.05%〜5%であればよく、好ましくは、0.1〜3%であればよい。
【0027】
本発明の水溶液剤およびその粉末化物には、さらに、アミノ酸を使用することができる。
所望に応じて使用されるアミノ酸としては、たとえば、リジン、アルギニンなどが挙げられ、好ましくは、アルギニンが挙げられる。これらのアミノ酸は、それぞれ、単独で使用してもよく、また、二種以上を組み合わせて使用してもよい。また、本発明で所望に応じて使用されるアミノ酸の使用量は、たとえば、水溶液剤中に重量%として、0.05%〜10%であればよく、好ましくは、0.1%〜5%であればよい。
【0028】
本発明の水溶液剤およびその粉末化物には、必要に応じて、グリセリン、塩化ナトリウムなどの等張化剤などその他の成分を加えてもよい。
【0029】
本発明の水溶液剤の粉末化物は、使用時に、滅菌精製水、生理食塩液などに溶解させて用いることもできる。
また、本発明の水溶液剤およびその粉末化物は、外用剤であればどのような製剤としても利用できるが、たとえば、点眼剤、点鼻剤、鼻腔用吸入剤または点耳剤などが挙げられる。
【0030】
次に、本発明の効果についてマグネシウム塩およびシクロデキストリン類を組み合わせることによる溶解度向上の相乗効果および粘稠剤の添加による析出防止効果を試験例に挙げて説明する。
以下、ポリビニルピロリドンは、プラスドンK25(商品名)、ISP社製を;ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、日本食品化工社製を;ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、メトローズ60SH50(商品名)、信越化学社製を使用した。
【0031】
試験例1 可溶化効果の測定
塩化マグネシウムおよびヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(以下、HP-β-CYDと称する)の可溶化効果をみるために、(a)HP-β-CYDを1w/v%になるように添加した水溶液、(b)塩化マグネシウム・6水和物を1w/v%になるように添加した水溶液、(c)HP-β-CYDおよび塩化マグネシウム・6水和物を各々、1w/v%になるように添加した水溶液、(d)HP-β-CYDおよび塩化マグネシウム・6水和物を各1w/v%、ポリビニルピロリドンを3w/v%になるように添加した水溶液に過剰のT−3912を加え、撹拌した。得られた懸濁液を水酸化ナトリウムでpH6.6〜6.7に調整した後、室温で5日間放置した。ついで、孔径0.45μmのフィルターでろ過し、ろ液のpHおよび薬物濃度を測定した。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
T−3912は、pH6.7のリン酸緩衝液中で、通常、1μg/mLの溶解度を示す化合物である。上記結果より、T−3912の溶解度は、リン酸緩衝液中での溶解度に比べ、HP-β-CYDの添加により12倍、塩化マグネシウムの添加により25倍となった。さらにT−3912は、HP-β-CYDと塩化マグネシウムを併用することによりリン酸緩衝液中での溶解度に比べ、261倍となった。上記結果より、塩化マグネシウムおよびHP-β-CYDの組み合わせた場合には、明らかな相乗効果が得られた。また、ポリビニルピロリドンは、T−3912の溶解性には、ほとんど影響を与えなかった。
【0034】
試験例2 デスフルオロピリドンカルボン酸とそれ以外のピリドンカルボン酸との溶解性の比較
デスフルオロピリドンカルボン酸とそれ以外のピリドンカルボン酸との溶解性を比較するために、試験例1と同様にしてT−3811Meおよびナジフロキサシンについて塩化マグネシウムおよびHP-β-CYDの可溶化効果の比較試験を行った。すなわち、(a)HP-β-CYDを1w/v%になるように添加した水溶液、(b)塩化マグネシウム・6水和物を1w/v%になるように添加した水溶液、(c)HP-β-CYDおよび塩化マグネシウム・6水和物を各々1w/v%になるように添加した水溶液になるように添加した水溶液および(d)添加剤を加えない水溶液に過剰量のT−3811Meおよびナジフロキサシンを添加し、必要に応じ、水酸化ナトリウムでpHを6.9〜7.1に調整した後、室温で1日間放置した。ついで、孔径0.45μmのフィルターでろ過し、各ろ液のpHおよび薬物濃度を測定した。なお、T−3811Meの溶解度は、T−3811として測定した。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
T−3811は、HP-β-CYDの添加により約1.4倍、塩化マグネシウムの添加により約38倍の溶解度となるが、さらにHP-β-CYDおよび塩化マグネシウムを併用することにより約62倍の溶解度が得られ、相乗効果がみられた。一方、ナジフロキサシンでは、HP-β-CYDの添加により約10倍、塩化マグネシウムの添加により約20倍程度の溶解度の上昇がみられたが、HP-β-CYDおよび塩化マグネシウムを併用しても約21倍であり、相乗効果はみられなかった。
【0037】
試験例3 ポリビニルピロリドンの析出防止効果
0.01mol/L水酸化ナトリウム溶液にT−3912が0.1%になるように完全に溶解した後、HP-β-CYDを0.5%、塩化マグネシウム・6水和物を1%になるように添加した。この液を二分し、一方にのみポリビニルピロリドンを1.5w/v%になるように添加した。ついで、両方の溶液をクエン酸でpH7に調整し、さらにグリセリンを添加し、等張とした後、孔径0.22μmフィルターでろ過した。この液を40℃、室温および冷蔵で保存し、析出がみられるまでの日数を90日まで数えた。結果を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
ポリビニルピロリドンを含まない溶液では、何れの場合も析出がみられ、ポリビニルピロリドンを含む溶液では、90日経過後も全く析出がみられなかった。
【0040】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
0.01mol/ml水酸化ナトリウム溶液95mLにT−3912 0.1gを加え、溶解させた。この溶液にHP-β-CYD0.5gを添加し、溶解させた後、塩化マグネシウム・6水和物を1g添加した。さらにポリビニルピロリドン3gを添加し、溶解した。得られた溶液に1mol/mLクエン酸を加え、pHを7に調整した後、精製水を加えて全量を100mLとした。さらにグリセリンを添加し、等張な溶液とした。得られた溶液を孔径0.22μmのメンブランフィルターでろ過した後、点眼容器に充填し、T−3912を0.1w/v%含有する点眼液を製造した。
【0041】
実施例2
0.01mol/L水酸化ナトリウム溶液95mLにT−3912 0.1gを加え、溶解させた。この溶液にHP-β-CYD 0.5 gを添加し、溶解させた後、塩化マグネシウム・6水和物1gを添加した。さらにポリビニルピロリドン3gを添加し、溶解した。得られた溶液に1mol/Lクエン酸を加え、pHを7に調整した後、精製水を加えて全量100mLとした。さらに塩化ナトリウムを添加し、等張な溶液とした。得られた溶液を孔径0.22μmのメンブランフィルターでろ過した後、点眼容器に充填し、T−3912を0.1w/v%含有する点眼液を製造した。
【0042】
実施例3
0.01mol/L水酸化ナトリウム溶液95mLにT−3912 0.1gを加え、溶解させた。この溶液にHP-β-CYD 0.5gを添加し、溶解させた後、塩化マグネシウム・6水和物1gを添加した。さらにポリビニルピロリドン3gおよびアルギニン0.3gを添加し、溶解した。得られた溶液に1mol/Lクエン酸を加え、pHを7に調整した後、精製水を加えて全量100mLとした。さらにグリセリンを添加し、等張な溶液とした。得られた溶液を孔径0.22μmのメンブランフィルターでろ過した後、点眼容器に充填し、T−3912を0.1w/v%含有する点眼液を製造した。
【0043】
実施例4
T−3811Me 0.5gを精製水95mLに溶解した後、1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えpH10とした。この溶液にHP-β-CYD 1gを添加し、溶解させた。さらに塩化マグネシウム・6水和物1gを添加し、1 mol/Lクエン酸を加えてpHを6に調整した後、精製水を加えて全量100mLとした。さらにグリセリンを添加し、等張な溶液とした。得られた溶液を孔径0.22μmのメンブランフィルターでろ過した後、点眼容器に充填し、T−3811Meを0.5w/v%含有する点眼液を製造した。
【0044】
実施例5
0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液95mLにT−3912 0.3gを加え、溶解させた。この溶液にHP-β-CYD 1gを添加し、溶解させた後、塩化マグネシウム・6水和物1gを添加した。さらにヒドロキシプロピルメチルセルロース0.5gを添加し、溶解した。得られた溶液に1mol/Lクエン酸を加え、pHを6.7に調整した後、精製水を加えて全量100mLとした。さらにグリセリンを添加し、等張な溶液とした。得られた溶液を孔径0.22μmのメンブランフィルターでろ過した後、点眼容器に充填し、T−3912を0.3w/v%含有する点眼液を製造した。
【0045】
実施例6
0.01mol/ml水酸化ナトリウム溶液95mLにT−3912 0.1gを加え、溶解させた。この溶液にHP-β-CYD 0.5gを添加し、溶解させた後、塩化マグネシウム・6水和物を1g添加した。さらにポリビニルピロリドン3gを添加し、溶解した。得られた溶液に1mol/mLクエン酸を加え、pHを7に調整した後、精製水を加えて全量を100mLとした。得られた溶液を孔径0.22μmのメンブランフィルターでろ過した後凍結乾燥し、固形物(粉末)を得た。
【0046】
実施例7
実施例6で得られた固形物(粉末)に、滅菌精製水または生理食塩液を加えて溶解し、水性液剤を得た。それぞれの浸透圧比は、0.6、1.6であった。
【0047】
【発明の効果】
デスフルオロピリドンカルボン酸系化合物またはその塩に、マグネシウム塩、シクロデキストリン類および粘稠剤を配合することを特徴とする本発明の水溶液剤またはその粉末化物は、たとえば、溶解度の低い化合物であっても、溶解性が改善され、中性付近における製剤化が可能となり、たとえば、眼、耳および鼻腔内の感染症の治療薬として、点眼剤、点耳剤、点鼻剤および鼻腔用吸入剤に応用でき有用である。
Claims (3)
- 1−シクロプロピル−8−メチル−7−[5−メチル−6−(メチルアミノ)−3−ピリジニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリン−カルボン酸もしくはその塩または1−シクロプロピル−8−ジフルオロメトキシ−7−[(1R)−2,3−ジヒドロ−1−メチル−1H−イソインドール−5−イル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリン−カルボン酸もしくはその塩、マグネシウム塩、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよび粘稠剤を配合することを特徴とする水溶液剤またはその粉末化物。
- (a)1−シクロプロピル−8−メチル−7−[5−メチル−6−(メチルアミノ)−3−ピリジニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリン−カルボン酸もしくはその塩または1−シクロプロピル−8−ジフルオロメトキシ−7−[(1R)−2,3−ジヒドロ−1−メチル−1H−イソインドール−5−イル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリン−カルボン酸もしくはその塩に水または塩基性の水溶液を加え、塩基または塩基性の水溶液でpHを10以上に調整し、溶解させ、(b)ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、マグネシウム塩および粘稠剤を加え、(c)ついで、酸または酸性の水溶液を加え、pHを6〜8に調整することを特徴とするデスフルオロピリドンカルボン酸系化合物またはその塩の水溶液剤の製造方法。
- (a)1−シクロプロピル−8−メチル−7−[5−メチル−6−(メチルアミノ)−3−ピリジニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリン−カルボン酸もしくはその塩または1−シクロプロピル−8−ジフルオロメトキシ−7−[(1R)−2,3−ジヒドロ−1−メチル−1H−イソインドール−5−イル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリン−カルボン酸もしくはその塩に水または塩基性の水溶液を加え、塩基または塩基性の水溶液でpHを10以上に調整し、溶解させ、(b)ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、マグネシウム塩および粘稠剤を加え、(c)ついで、酸または酸性の水溶液を加え、pHを6〜8に調整した後、(d)粉末化することを特徴とするデスフルオロピリドンカルボン酸系化合物またはその塩の粉末の製造方法。
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