JP4383790B2 - 携帯情報端末 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話やPDAなどの携帯情報端末であって、特に電子カメラなどを有して画像データを取得できるものにおける文字認識技術の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記の技術分野においては、携帯端末によって画像を採取し文字認識する場合に、採取した低解像度の画像から文字行位置の抽出処理を行った後、その文字行位置の部分画像に対し拡大表示を行うことにより、文字行部分画像を高解像度化して認識精度の向上を図る技術思想が提案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−78640号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
文字認識処理に適した画像の画質として、以下のものが挙げられる。
(1)フォーカスが認識対象の文字列に適切に合わされていること。
(2)画像のコントラストが十分高いこと。
(3)認識対象の上に、本体、利用者などの影が落ちていないこと。
(4)画像取得時のシャッターボタンの押下動作で生じる、端末本体の振動により、画像にぶれが生じていないこと。
【0005】
このような画質を得ることは、特に携帯情報端末においては困難であるため、上記の従来技術では、認識対象となる文字列を撮影する前に利用者が手動で、本体、撮影対象を動かして、ピント、照明条件等を調整し、認識対象の文字行が、文字認識に適した画質で、取得できるように調整するか、適切な条件で撮影ができるまで利用者が撮影を繰り返すか、又は、十分でない画質の画像に対して文字認識した結果に対して多くの修正作業を行う必要があって手間がかかるという課題がある。
【0006】
また、従来の携帯端末を用いて、長い文字行を文字認識する場合、文字行にフォーカスを合わせると、文字行が画像入力部の撮影可能範囲からはみ出てしまう。このため利用者は、はみ出した部分について手作業で入力を行うか、文字行を複数回に分けて撮影し、認識結果の合成を行う必要があった。後者の場合、利用者は、撮影を行うたびに本体の位置や向きを調整することで認識対象を文字認識に適した画質で撮影できるように手動で微調整しなければならず手間がかかるという課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、以上のような点に鑑みてなされたもので、上記課題の一部又は全部を解決すると共に、特に、携帯情報端末または携帯電話等を用いた文字認識において、連続して撮影した複数の画像に対する文字認識結果の一覧から、誤りの少ない文字認識結果を利用者が選択する技術思想、または連続して撮影した画像に対する文字認識結果を合成して、誤りの少ない文字認識結果を利用者に提示する技術思想を提供することを一つの目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために例えば、画像データを取得する画像取得部と、画像取得部で取得した画像データを記憶する記憶部と、操作入力を受ける操作部と、画像データに含まれる文字を認識する文字認識部と、制御部とを有する携帯情報端末において、以下の手段を採用する。
【0009】
制御部は、画像取得部で取得した複数の画像データに対して、文字認識部でそれぞれ文字認識処理を実行し、それらの結果から一の結果の選択を操作部で受ける。
【0010】
制御部は、操作部への入力に基づいて、その入力の前及び後の少なくとも一方に記憶部に記憶する複数の画像データに対する文字認識処理部による文字認識処理を実行させる。
【0011】
制御部は、記憶部に記憶している複数の画像データに対する文字認識部による文字認識処理の結果から、文字が重複する部分を検出し、検出された重複部分で位置合わせして複数の文字認識結果を合成する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に好適な実施形態の例を実施例1〜3として、図1から図16を用い説明する。なお、本例では横書きの画像を使用しているため、各箇所の例では文字行として説明するものの、表示画像に対して垂直方向の縦書き画像、すなわち、文字列としても良いことは言うまでもなく、その他、本発明は本実施形態に限られるものではない。
【0013】
図1は、画像入力部を持つ携帯電話100(PDA等であってもよく、携帯情報端末、携帯端末、携帯装置と総称する)の概略を示す構成図である。
【0014】
名刺や雑誌、あるいは看板などの文字認識対象の画像が、画像入力部110から入力され、文字認識部150において文字認識処理を行い、撮影された画像および文字認識結果を表示部120に表示する。撮影された画像および文字認識結果は記憶部160に記憶される。操作部130は、利用者が一般的に電話をかけるときなどに使用されるものであるが、他に利用者が表示部120に表示された画像の認識を開始する時に押下する認識開始ボタン131、表示部に表示された認識結果の前の画像に対する認識結果を選択する時に押下する上ボタン132、次の画像に対する認識結果を選択するときに押下する下ボタン134も有している。認識実行ボタン131は撮影の開始を指示する撮影開始ボタン、撮影の終了を指示する撮影終了ボタン、文字認識の終了を指示する認識終了ボタン、および認識結果の選択を確定する確定ボタンを兼ねる。
【0015】
文字認識部150、操作部130、画像入力部110、表示部120などの各部、各ユニットの制御は、CPU等から構成される制御部140によってその機能が制御される。なお、上述及び以下に説明する各部は、部、機構、ユニットとも表現でき、基本的にソフトウェア又はハード、又はソフトウェアとハードとの結合によって処理、制御される機能である。なお、撮影、取得、入力などされた画像は、後述する文字認識に用いるように、制御部140上のメモリ又は携帯端末に備わるメモリカード等の記憶装置160に記憶しておくような態様が望ましい。
【0016】
実施例1.
図2は、図1の携帯端末を使用した第1の実施形態の処理手順を説明する図である。以下に示す処理、制御は制御部、制御部140によって主に行われるが説明を省略する。
【0017】
利用者が、認識開始ボタンを押下する(ステップ201)ことにより、携帯情報端末あるいは携帯電話100は画像取得、および文字認識処理を開始する。携帯情報端末あるいは携帯電話100が具備するCCDやイメージセンサ等の画像入力部110を用いて、文字認識対象となる名刺や雑誌、あるいは看板などの画像を撮影し、装置内の一時記憶メモリ又は制御部140に具備されるメモリ上にディジタル画像として取得する(ステップ202)。
【0018】
文字認識部150において、取得したディジタル画像より文字認識対象となる文字行の抽出を行う(ステップ203)。
【0019】
図3は、文字行抽出ステップ203を説明する図である。取得されたディジタル画像300に2値化処理を行い、2値化された画像中の黒画素の水平方向の投影分布301を求めることで、画像中に含まれる文字行の垂直位置302〜306を取得する。取得された文字行の中から、基準位置307に最も近い位置にある文字行を文字認識対象の垂直位置とし、その近傍にある黒画素の連結成分を統合し、認識対象の文字列、およびその画像中の位置308を取得する。ここで、文字行抽出に用いる基準位置は次のものを用いることができる。
・撮影時に画像上に重ね合わせて表示されたポインタ309の位置
・処理対象画像より前に撮影、文字認識された画像中の認識対象文字列の位置これらの位置の少なくとも一方から得られる位置情報を文字行抽出の基準位置307として用いることができる。
【0020】
ステップ203で抽出された文字列は文字認識部150において文字認識される(ステップ204)。
【0021】
取り込まれたディジタル画像と文字認識結果は、制御部140に具備されるメモリまたは記憶装置160上の履歴テーブルに記憶される(ステップ205)。ただし、ディジタル画像の記録は必ずしも必用ではない。
【0022】
図4は、メモリ上の履歴テーブルを説明する図である。ディジタル画像401と文字認識結果402、および文字行位置403は、履歴テーブル400に、画像番号406に一意に対応付けて記録される。また認識結果の表示フラグ404、及び認識結果の表示順位405も、画像番号406に一意に対応付け同履歴テーブル400に記録される。認識結果の表示フラグ404は後述のステップ207、及び認識結果の表示順位405は後述の208で定義される。
【0023】
ステップ202〜205の処理は利用者が認識終了ボタンを押下するまで制御部140によって自動的に繰り返される(ステップ206)。利用者はこの間に、より文字認識に適した画質で画像を取得できるように、本体または撮影対象を動かし画質の調整を行うことができる。調整の参考とするため、ステップ205完了後、文字認識結果を表示部120に撮影中の画像とあわせて表示するようにしてもよい。ステップ206における、認識を終了するための条件は、利用者による認識終了ボタンの押下以外に、認識開始からの事前に指定した時間が経過した場合や、同一の認識結果が事前に指定した回数以上得られた場合、などの予め設定した条件を適用することも可能である。
【0024】
ステップ207において、文字認識結果の表示の可否を決定する。同一の文字認識結果が重複して存在する場合、2つめ以降の同一の文字認識結果を表示しない。例えば、図4において、No.3と5の文字認識結果はまったく同じであるため、No.5の表示を行わない。文字認識結果の表示の可否は、画像番号406と対応付けて、履歴テーブル400に認識結果表示フラグ404として記録される。
【0025】
ステップ208では認識結果の表示の順番を決定する。文字認識結果を表示する順番は画像を取得した順番で表示する以外に、文字認識結果の確度の高い順番とすることができる。文字認識結果の確度を評価する基準としては以下のものを用いることができる。
・文字認識処理における、文字の識別類似度、文字幅・文字間ピッチの一貫性などの情報から算出した認識結果の確信度
・文字認識結果のテーブル400中における同一の文字列の出現頻度
これらの評価基準のいずれか、または両方を用いて文字認識結果を評価し、順位付けを行う。ここに挙げた以外に、文字認識結果の評価に好適な評価基準があればそれを用いてもかまわない。文字認識結果を表示する順番は、画像番号406と対応付けて、履歴テーブル400に認識結果表示順位405として記録される。
【0026】
履歴テーブル400上の文字認識結果402を、認識結果の表示フラグ404、および認識結果の表示順位405に基づいて、表示部120に表示する。履歴テーブル400に文字認識結果402に対応するディジタル画像401が記録されているならば、文字認識結果402と合わせて表示することができる。利用者は、表示される文字認識結果の中から、採用する文字認識結果を操作部130によって選択することができる(ステップ209)。
【0027】
図5は、文字認識結果の表示、および選択を説明する図である。表示部120上に、文字認識結果501と、それに対応するディジタル画像502を表示し、ディジタル画像502上に文字認識の対象とした文字行の位置示す矩形503を重ねて表示する。利用者は、操作部130の上ボタン132を押下することで、表示中の文字認識結果の前の文字認識結果を、下ボタン133を押下することで、表示中の文字認識結果の次の文字認識結果を表示することができる。利用者は、決定ボタン131を押下し、文字認識結果を選択する。また文字認識結果の表示と選択では、複数の文字認識結果を一画面に表示し、ディジタル画像と文字行位置を表示しない形態としてもかまわない。
【0028】
このように、連続して撮影された複数の画像に文字認識を適用することで、文字認識処理に好適な条件で取得された画像、すなわち誤りの少ない文字認識結果の利用者へ提供することができ、また、利用者は所望の文字認識結果を選択することができる。
【0029】
実施例2.
本実施例では、連続して撮影した画像から得られた文字認識結果を合成し、より確度の高い文字認識結果を得る方法を説明する。
【0030】
図6は本実施例の処理の流れを表す図である。
【0031】
ステップ601〜606までは、図2のステップ201〜206までと同様の処理を行い、画像データと文字認識結果の記録を行う。
【0032】
ステップ607では、複数の画像についての文字認識結果の、文字コードが重複する個所の検出を行い、文字認識結果の位置合わせを行う。図7は重複位置の検出を説明する図である。2つの認識結果の文字列に対し、一致する文字が多くなるように文字列の位置合わせを行う。一致する文字の位置関係や、それぞれの文字パタンの大きさの関係から、文字が一致しない個所の対応付けや、文字の欠落の推定、1文字を2文字以上に分割してしまった個所等の推定を行うことができる。図中実線は一致する文字の対応付け、破線は一致する文字の位置などから推定された文字の対応付けである。図8の文字認識結果に対し、位置合わせを行うことで図9の結果が得られる。
【0033】
ステップ608では、ステップ607で位置合わせを行った認識結果を合成し、最終的な認識結果を得る。具体的には、それぞれの文字位置について、出現する文字を調べ、その文字に対する文字識別類似度の平均や、文字の出現頻度などを用いて、順位付けを行う。それぞれの文字位置について、順位が最も高いものをその文字位置における認識結果として採用し、図10に示す文字認識結果を得る。
【0034】
本実施例においては、図11に示すような、認識対象の文字行1101にフォーカスを合わせた場合に、撮影可能範囲1102から文字行がはみ出してしまうような長い文字行の認識も可能である。ステップ602〜605を実行中に、本体または撮影対象1100を少しずつ文字行1102の方向に沿って移動させると、図12に示すような画像群が取得できる。これらの画像の文字認識結果は図13のようになり、ステップ607の位置合わせ処理を行うと図14の結果が得られる。この結果に対し、ステップ608の処理を行うことで、撮影可能範囲からはみ出してしまう長い文字列に対しても、短い文字列を認識した場合と同様の確度の高い文字認識結果を得ることができる(図15)。
【0035】
実施例3
図16は本実施例の処理の流れを表す図である。
【0036】
利用者が撮影開始ボタンを押下することにより、制御部140は画像入力部に対し、一定時間ごとに画像の取得の指示を行う(ステップ1601)。取得された画像は、例えば事前に定めた画像数だけ履歴として保存される(ステップ1602)。画像データの履歴の件数が事前に定めた画像数の上限を超える場合は、履歴中の最も古い画像を削除し、新しく取得した画像を履歴に追加する。
【0037】
利用者は、文字認識に好適な条件で画像が取得できるよう、本体または撮影対象の位置を動かして調節し、認識ボタン131を押下する(ステップ1603)。
【0038】
認識ボタン131の押下後、事前に指定された画像数だけ画像の取得し、画像データの履歴に追加する(ステップ1604)。ステップ1602で履歴として保存できる画像データの最大数と、ステップ1604で履歴に追加する画像データの数は、それぞれ独立で指定可能である。
【0039】
なお、認識ボタン押下前のみ又は後のみの複数の画像を記憶させることもできる。
【0040】
ステップ1605では、履歴に保存された画像データに対して文字行抽出、文字認識を行う。ステップ1605で文字認識に用いる画像の指定は、履歴に保存されている画像データ中の任意の一枚以上の画像を指定することができる。すなわち、保存されているすべての画像に対して文字認識を適用することも可能であるし、保存されている画像の一部に対してのみ文字認識を適用することも可能である。例えば、認識ボタン押下より前の画像に対してのみ文字認識を適用することで、認識ボタン押下時の本体の振動による影響を回避することができる点で有効である。この指定は、予め指定しておいても良いし、認識ボタンの押下後に指定しても良い。
【0041】
ステップ1107〜1109までは、図6のステップ607〜609までと同様の処理を行い、文字認識結果の合成と表示を行う。また、ステップ1107〜1109までの処理を、図2のステップ207〜209までの処理と置き換えることも可能である。
【0042】
本実施例では、認識対象の撮影中に文字認識を利用者が指示する形態としたが、事前に撮影した認識対象の画像に対し、文字認識を指示することも可能である。例えば、事前に認識対象を撮影した動画の再生中に文字認識を指示する形態とすることも可能である。
【0043】
【発明の効果】
本発明によって、正しい文字認識結果を容易に得ることができる。
【0044】
また、撮影可能範囲からはみ出てしまう文字列に対する文字認識を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 携帯端末の詳細構成図を示す。
【図2】 第1の実施形態に係る文字認識方法のフロー図である。
【図3】 第1の実施形態に係る文字行抽出処理を説明する図である。
【図4】 第1の実施形態に係るディジタル画像と文字認識結果の対応付けを説明する図である。
【図5】 第1の実施形態に係る認識結果の表示と選択処理を説明する図である。
【図6】 第2の実施形態に係る文字認識方法のフロー図である。
【図7】 第2の実施形態に係る文字認識結果の位置合わせ処理を説明する図である。
【図8】 第2の実施形態に係る画像群の文字認識結果を表示した図である。
【図9】 第2の実施形態に係る文字認識結果の位置合わせ処理の結果の図である。
【図10】 第2の実施形態に係る最終的な文字認識結果の図である。
【図11】 第2の実施形態に係る文字認識の対象文字列と、撮影可能範囲を説明する図である。
【図12】 第2の実施形態に係る取得された画像群の図である。
【図13】 第2の実施形態に係る画像群の文字認識結果を表示した図である。
【図14】 第2の実施形態に係る文字認識結果の位置合わせ処理の結果の図である。
【図15】 第2の実施形態に係る最終的な文字認識結果の図である。
【図16】 第3の実施形態を説明する文字認識処理のフロー図を示す。
【符号の説明】
100…携帯情報端末(携帯端末)、110…画像入力部、120…表示部、130…操作部、140…制御部、150…文字認識部、160…記憶部

Claims (1)

  1. 画像を取得する画像取得部と、前記画像取得部で連続して取得した複数の画像を記憶する記憶部と、操作入力を受ける操作部と、画像に含まれる文字を認識する文字認識部と、制御部とを有する携帯情報端末であって、
    前記制御部は、前記記憶部に記憶している複数の画像に対する前記文字認識部による文字認識処理の結果から、文字が重複する部分を検出し、検出された重複部分で位置合わせし、それぞれの文字位置について、出現する文字を調べ、その文字に対する文字識別類似度の平均により順位付けし、順位の高いものをその文字位置における認識結果として採用することにより、複数の文字認識結果を合成することを特徴とする携帯情報端末。
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