JP4383019B2 - 防蟻性組成物並びに防蟻性塗料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質系住宅を白蟻の被害から極めて長い期間に亘って防御するのに有用な防蟻性組成物、防蟻性塗料、これらで処理した部材、及び前記防蟻性塗料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、木質系住宅を白蟻の被害から守るため、薬剤(防蟻剤、忌避剤など)やベイト剤(遅効性殺虫剤)などを用いた種々の食害防止方法が提案又は採用されている。例えば、白蟻は土中を潜って家屋の床下に侵入し、家屋に被害を及ぼすことが多いため、食害防止用薬剤を30〜100倍くらいの水で希釈し、この溶液(液剤)を家屋の床下全面に亘って散布する方法(液剤散布法)が採用されている。また薬剤を混入させたシートを床下全面に張る方法(シート工法)、薬剤を混入させた重合性モノマー液(樹脂液)を床下全面に亘って散布し固化させる方法(固化工法)、ベイト剤(遅効性殺虫剤)を含浸させた餌木を家屋の周辺に埋設して白蟻をコロニーごと撲滅する方法(ベイト工法)なども提案又は採用されている。
【0003】
しかし上記方法のうちベイト工法では、点検、保守が煩雑である。また液剤散布法、シート工法、固化工法などでも、食害防止効果の持続期間は限られており、通常、3〜5年毎に再施工が行われている。しかも住宅の高品質化の要望の高まりをうけて、近年、「住宅の品質確保の促進等に関する法律 (品確法)」が制定され、10年間の品質保証が義務づけられるようになっている。3〜5年毎に再施工を施すことによって10年間の品質保証をすることは煩雑であり、長期間に亘って効果が持続し、メンテナンスフリーを達成できる工法が求められている。
【0004】
特に白蟻(ヤマトシロアリ、イエシロアリなど)は、土や自らの排泄物で塗り固めたアーケ−ド状のトンネル(蟻道)を形成し、この蟻道内を移動する性質を有している。前記薬剤を用いても、一旦白蟻が薬剤層を貫通し、蟻道を構築してしまえば、以降は薬剤層による被害を受けることなく白蟻は自由に薬剤層を行き来できるようになってしまう。従って、長期間に亘って効果を持続させるためには、長期間に亘って蟻道の構築を防止することが極めて重要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、長期間(例えば、従来の5年よりも長い期間。好ましくは10年以上)に亘って蟻道の構築を防止できる技術を確立することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく、種々の薬剤を用いて、蟻道構築防止効果を試験した。具体的には、コンクリート円柱に各種の薬剤を塗布(土壌設置面から上部に対して10cm長さ)した。このコンクリート円柱を過酷条件下(50±2℃)で10週間放置することによって(以下、耐候操作と称する)、床下で長期間に亘って(この場合は10年以上の長期間に相当)放置したのと同様の状況とした後、この円柱をイエシロアリコロニーの上に直接設置すると共に、円柱の上に2cm×2cm×5cmの餌木を置き、蟻道構築の有無を確認した。また耐候操作を行うことなく、前記と同様に試験し、蟻道構築の有無を確認した。
【0007】
前記薬剤として、防蟻剤(ビフェントリン、ペルメトリン)、忌避剤としてのヒノキチオール又はその塩若しくは金属錯体などを用いたところ(表1)、下記表2及び3に示す結果を得た(なお表2は耐候操作を行わなかった場合の結果であり、表3は耐候操作を行った場合の結果である)。
【0008】
【表1】
Figure 0004383019
【0009】
【表2】
Figure 0004383019
【0010】
【表3】
Figure 0004383019
【0011】
そして耐候操作を行った前記表3の結果より明らかなように、防蟻剤単独(No.1,2)、ヒノキチオール単独(No.3)、ヒノキチオールの塩又は金属錯体単独(No.4,5)、及び防蟻剤とヒノキチオールとの組み合わせ(No.6,7)のいずれにおいても蟻道が形成されたのに対して、防蟻剤とヒノキチオールの塩又は錯体とを組み合わせることによって(No.8〜12)初めて蟻道の構築を長期的に防止できることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち本発明に係る防蟻性組成物は、ヒノキチオールのアルカリ金属塩、鉄錯体及び銅錯体のうちの少なくとも1つと防蟻剤(好ましくはビフェントリンなどのピレスロイド系薬剤など)とを含有している点に要旨を有するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の防蟻性組成物は、ヒノキチオールのアルカリ金属塩、鉄錯体及び銅錯体のうちの少なくとも1つ(以下、ヒノキチオールマスキング体、又は単にマスキング体と称する場合がある)と、防蟻剤とを含有している。
【0014】
前記ヒノキチオールマスキング体を使用するのは、ヒノキチオール部位が忌避性を有しているだけでなく、天然物に由来しているために人体に対する安全性が高いためである。またフリーのヒノキチオールを使用するのではなく、ヒノキチオールマスキング体を使用するのは、マスキング体としなければ防蟻剤と組み合わせたときに長期間に亘る蟻道構築防止効果が得られないからである。
【0015】
ヒノキチオールマスキング体は、ヒドロキシル基がマスキングされていればよく、例えば、金属錯体、金属塩などが含まれる。
【0016】
前記金属錯体としては、ヒドロキシル基部位が単独で又は隣接するカルボニル基と共に金属原子に配位した錯体などが挙げられる。また金属錯体を構成する金属には、Fe、Cuが含まれる。
【0017】
また前記金属塩としては、アルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)が含まれる。
【0018】
前記ヒノキチオールマスキング体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい
【0019】
防蟻剤としては、ピレスロイド系薬剤(アクリナトリン、アレスリン、シクロプロトリン、シハロトリン、シフルトリン、シペルメトリン、トラロメトリン、ビフェントリン、フェンプロパトリン、フルシトリネート、ペルメトリン、レスメトリン、ジフェノトリン、フタルスリン、フルバリネート、フェンバレレート)、ピレスロイド様薬剤(シラフルオフェン、エトフェンプロックスなど)、カーバメート系薬剤(カルバリル、フェノブカルブ、プロポクスルなど)、ニトログアニジン系薬剤(イミダクロプリド、アセタミプリド、クロチアニジンなど)、有機リン系殺虫剤(ホキシム、ピリダフェンチオン、フェニトロチオンなど)、クロロフェナピル、フィプロニールなどが挙げられる。これら防蟻剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。なお前記ピレスロイド系薬剤とは、酸成分とアルコール成分から成るエステル系化合物のことを意味し、ピレスロイド様薬剤とは、エステル構造を持たない化合物のことを意味する。
【0020】
好ましい防蟻剤には安全性に優れた防蟻剤、例えば、低蒸気圧の防蟻剤が含まれる。低蒸気圧の防蟻剤には、ペルメトリン、トラロメスリン、ビフェントリン、アクリナトリン、シラフルオフェン、イミダクロプリド等が含まれる。
【0021】
特に好ましい防蟻剤は、ピレスロイド系薬剤(特にビフェントリンなど)が含まれる。ピレスロイド系薬剤は、前記防蟻剤のなかでは忌避性が高く、上記ヒノキチオールマスキング体と組み合わせることによって、蟻道構築をさらに効果的に防止できる。
【0022】
防蟻剤とマスキング体との比率は長期間に亘って蟻道構築を防止できる限り特に限定されないが、例えば、防蟻剤の割合は、マスキング体100質量部に対して、2〜40質量部程度、好ましくは5〜30質量部程度である。
【0023】
防蟻性組成物は、例えば、前記マスキング体と防蟻剤とを混合することによって製造できる。
【0024】
前記マスキング体及び防蟻剤を含有する防蟻性組成物を用いると、極めて長期間に亘って蟻道構築を防止できる。前記組成物の使用態様は特に限定されず、例えば、前記組成物を種々の部材に混入又は被覆させることによって蟻道構築を防止できる。
【0025】
より具体的な使用態様は、前記部材の種類に応じて適宜選択でき、例えば、家屋に使用する部材に適用する場合、前記組成物と溶剤とを混合して塗布液を調製した後、家屋部材に塗布や含浸させてもよい。なお塗布や含浸は、家屋の建築前に部品の段階で行ってもよく、家屋の建築後に行ってもよい。また前記溶剤としては、作業環境の悪化を防止するため、水、水とアルコール類及び/又はアルキレングリコール類との混合物などの水系溶媒を用いるのが望ましい。また家屋部材に塗布や含浸させる場合、白蟻の侵入部位(床束、布基礎、配管など)に塗布や含浸させるのが望ましい。白蟻の侵入部位に塗布又は含浸させることによって、極めて長い期間に亘って蟻道構築を防止できる結果、極めて長い期間に亘って白蟻の侵入を防止でき、メンテナンスフリーを達成できる。
【0026】
また前記組成物は、粒状部材(軽石などの無機質系粒状部材など)、シート状部材(樹脂シートなど)などにも適用することもできる。例えば、粒状部材に適用する場合、粒状部材に前記塗布液を塗布又は含浸させればよい。この粒状部材は、床下に散布することによって蟻道構築を防止できる。シート状部材に適用する場合、原料ポリマーと前記組成物を混合した後でシート化してもよく、シート化後に前記塗布液を塗布又は含浸させてもよい。このシート状部材は床下に敷設することによって蟻道構築を防止できる。なおシート化は、床下で行ってもよい。
【0027】
なお部材に塗布又は含浸させる場合、塗布又は含浸後に、部材をコーティングすることによって、薬剤を保護してもよい。
【0028】
上記各使用態様のうち、塗布(特に家屋部材に塗布)させるのが望ましい。家屋部材に塗布すれば、施工に熟練した専門技術者が必要となるシート工法に比べて、簡便に施工することができる。
【0029】
前記塗布を行う場合、前記組成物及び溶剤のみならず、製膜成分も混合して防蟻性塗料として使用するのが望ましい。塗料として使用すると、塗布の作業性が向上するだけでなく、製膜成分によって前記組成物を保護することができ、蟻道防止効果の持続性をさらに高めることができる。なお製膜成分は、通常、溶剤とともにベース塗料として入手・使用するのが簡便である。
【0030】
ベース塗料としては、酢酸ビニル系塗料(エチレン−酢酸ビニル共重合体系塗料)、アクリル系塗料、塩化ビニル系塗料、エポキシ系塗料、アクリルウレタン系塗料などが挙げられる。塗料組成の分散剤としては、ノニオン性活性剤、アニオン性活性剤、両性活性剤、もしくはアニオン・カチオン活性剤の組み合わせなどが挙げられるが、なかでもアニオン性活性剤が好適である。
【0031】
好ましいベース塗料は、水性塗料(エマルジョン系塗料など)である。水性塗料は安全性に優れており、VOCによるシックハウス症問題を回避できる。また非有機リン系防蟻剤と組み合わせることによって、さらに安全性を高めることができる。
【0032】
また好ましいベース塗料には、通気性を有する塗料が含まれる。通気性を有していると、薬剤からの白蟻忌避作用を有効に発揮させることができる。通気性に優れた塗料としては、ポリマーセメント系塗膜塗料などが挙げられる。
【0033】
さらに前記ベース塗料は、無機系硬化剤(金属系硬化剤など)によって硬化する硬化性製膜成分を含有する硬化性塗料であるのが望ましい。硬化性塗料を用いると、ヒノキチオールマスキング体ではなくフリーのヒノキチオールを用いても、ベース塗料中の無機系硬化剤によってヒノキチオールをマスキング体化することができる。またヒノキチオールのマスキング体を使用する場合でも、このヒノキチオールマスキング体中にフリーのヒノキチオールが残存していれば、ベース塗料中の無機系硬化剤によってヒノキチオールをマスキング体化することができる。
【0034】
前記硬化性製膜成分を含有するベース塗料としては、例えば、特開平3−185085号公報に記載されている熱可塑性樹脂エマルジョンと熱硬化性樹脂エマルジョンと鉄酸化物との混合物、日本防御化学株式会社から入手できるエチレン−酢酸ビニル系塗膜防水材(AMコート)、住友大阪セメント株式会社から入手できるアクリル系樹脂−セメント系無機物混合物(ライオンフレックスコート)、東亞合成株式会社から入手できるカチオン性アクリル系ゴム−無機質硬化剤(アロンQD、アロンQD−H)、旭化成株式会社から入手できるアクリル系樹脂エマルジョン(ポリトロン)などが例示できる。ヒノキチオールに対するマスキング性に優れている無機系硬化剤としては、例えば、AMコート、パラテックスなどが挙げられる。
【0035】
好ましい硬化性ベース塗料は、1液型塗料である。1液型塗料を使用すれば、2液型塗料に比べて塗布作業を簡便にできる。
【0036】
防蟻性塗料中のマスキング体の濃度は、例えば、0.5〜25質量%程度、好ましくは1〜10質量%程度、さらに好ましくは2〜5質量%程度である。また防蟻性塗料中の防蟻剤の濃度は、上述のマスキング体と防蟻剤との比率に応じて適宜決定できるが、例えば、0.05〜2.5質量%程度、好ましくは0.1〜1質量%程度、さらに好ましくは0.1〜0.5質量%程度である。
【0037】
前記防蟻性塗料は、ヒノキチオールマスキング体と防蟻剤と製膜成分(ベース塗料など)とを混合することによって製造してもよく、ヒノキチオールマスキング体と、防蟻剤と、硬化性製膜成分(硬化性ベース塗料など)とを混合することによって製造してもよい。
【0038】
前記防蟻性塗料を塗布する場合、塗布量は、前記マスキング体や防蟻剤の濃度に応じて適宜選択できるが、例えば、50〜5,000g/m2程度、好ましくは100〜1,000g/m2程度、さらに好ましくは150〜500g/m2程度である。
【0039】
前記防蟻性塗料を、白蟻の侵入部位(床束、布基礎、配管など)に塗布する場合、塗布幅は、例えば、3cm以上、好ましくは5cm以上、さらに好ましくは10cm以上とする。塗布幅が広いほど白蟻の侵入を確実に防止できる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0041】
実験例1
薬剤(防蟻剤、ヒノキチオール、ヒノキチオールマスキング体など)をブチルジグリコールに溶解させた後、樹脂エマルジョン(アクリル樹脂エマルジョン又はエチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン)を加えてよく混和することにより上記表1に示す試料を得た(No.1〜7はヒノキチオールのマスキング体と防蟻剤とを組み合わせない例であり、No.8〜12はヒノキチオールのマスキング体と防蟻剤とを組み合わせる例である)。
【0042】
前記試料を直径3cm×高さ15cmの円柱状コンクリートに2度塗りし(合計塗布量:120〜150g/m2)、供試材(耐候操作無し)とした。また、この円柱状コンクリートを温度50℃(±2℃)で10週間加温した材料(耐候操作有り)も合わせて供試材とした。研究室にて飼育中のイエシロアリコロニー(鹿島市で採取)の上部に前記耐候操作無し及び有りの供試円柱状コンクリートを直接設置し、この円柱状コンクリートの上に餌木(2cm×2cm×5cmのスギ辺材)を載置した。蟻道の構築状況を目視にて確認し、経時的な蟻道構築長さ(地際からの長さ)を測定した。なおこの実験は、n=3で行っており、蟻道構築長さは3つの試験結果の平均値を採用した。
【0043】
結果は上記表2(耐候操作なしの場合)及び表3(耐候操作ありの場合)に示した通りである。また上記結果の一部を図1及び図2に視覚的に示す。図1は実験例1において蟻道が構築されていない状態を示す写真であり、図中、破線で囲まれた餌木及びこの餌木を支えるコンクリート柱には蟻道が全く構築されていない。図2は実験例1において蟻道が構築されている状態を示す写真である。シロアリは生態上、光を遮断し徘徊するため蟻道を構築する性質を有しており、この蟻道は主にシロアリの排泄物及び土壌で構成されている。
【0044】
表2〜3及び図1〜2から明らかなように、ヒノキチオールマスキング体と防蟻剤とを組み合わせると、耐候操作(長期間に亘る床下放置に相当)を行った後でも、蟻道の構築を防止できる。
【0045】
実験例2
ヒノキチオール(HT)、ヒノキチオールNa塩(HT−Na)、又はヒノキチオールCu錯体(HT−Cu)を含む溶液を濾紙(アドバンテック社製)に含浸させ、室温状態にて風乾し、サンプルとした。このサンプル濾紙を複数枚に裁断した後、湿度60%に調整したデシケーター中に入れ、温度60℃、70℃、又は80℃の恒温器に静置した。一定期間毎に裁断濾紙を取り出し、エタノールで抽出し、抽出液を高速液体クロマトグラフィーで分析することによって含有量Cを測定した(n=3)。結果を図3〜5に示す(なお図3〜5中、C0は、時間=0のときの含有量を示す)。
【0046】
またこの結果をもとにアレニウスの式に従って温度25℃での半減期を計算した。結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
Figure 0004383019
【0048】
表4に示したように、HTの半減期が4.6時間であるのに対して、HT−Naの半減期は20.7日と少ししか延びなかった。しかしヒノキチオールNa塩(HT−Na)の安定性はあまり高くないにも拘わらず、上記表3より明らかなように、ヒノキチオールNa塩(HT−Na)は、防蟻剤と組み合わせたとき、極めて優れた長期持続性を示す。一方、前記表4より明らかなように、HT−Cuでは半減期は27年1ヶ月と大きく延び、揮発性が殆どないことが判る。しかしそれにも拘わらず、上記表3より明らかなように、優れた防蟻性を示す。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、ヒノキチオールマスキング体と防蟻剤とを組み合わせているため、極めて長期間に亘って蟻道の構築を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実験例において蟻道が構築されていない状態を示す写真である。
【図2】図2は実験例において蟻道が構築されている状態を示す写真である。
【図3】図3はヒノキチオール含有量の経時変化を示すグラフである。
【図4】図4はヒノキチオールNa塩含有量の経時変化を示すグラフである。
【図5】図5はヒノキチオールCu錯体含有量の経時変化を示すグラフである。

Claims (12)

  1. ヒノキチオールのアルカリ金属塩、鉄錯体及び銅錯体のうちの少なくとも1つと防蟻剤とを含むことを特徴とする防蟻性組成物。
  2. 前記アルカリ金属塩がリチウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩のうちの少なくとも1つである請求項1記載の防蟻性組成物。
  3. 前記防蟻剤がピレスロイド系薬剤である請求項1又は2に記載の防蟻性組成物。
  4. 前記ピレスロイド系薬剤がビフェントリン及びペルメトリンのうちの少なくとも1つである請求項3に記載の防蟻性組成物。
  5. 前記防蟻剤の割合が、ヒノキチオールのアルカリ金属塩、鉄錯体及び銅錯体のうちの少なくとも1つ100質量部に対して、2〜40質量部である請求項1〜4のいずれかに記載の防蟻性組成物。
  6. 製膜成分と、請求項1〜5のいずれかに記載の防蟻性組成物とを含有する防蟻性塗料。
  7. ヒノキチオールのアルカリ金属塩、鉄錯体及び銅錯体のうちの少なくとも1つを0.5〜25質量%含有する請求項6記載の防蟻性塗料。
  8. 前記製膜成分が金属系硬化剤を含有する硬化性製膜成分である請求項6又は7に記載の防蟻性塗料。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の防蟻性組成物を混入又は被覆した部材。
  10. 請求項6〜8のいずれかに記載の防蟻性塗料を塗布した部材。
  11. ヒノキチオールのアルカリ金属塩、鉄錯体及び銅錯体のうちの少なくとも1つと、防蟻剤と、製膜成分とを混合することを特徴とする防蟻性塗料の製造方法。
  12. ヒノキチオールのアルカリ金属塩、鉄錯体及び銅錯体のうちの少なくとも1つと、防蟻剤と、金属系硬化剤を含有する硬化性製膜成分とを混合することを特徴とする防蟻性塗料の製造方法。
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