JP4971678B2 - 防蟻処理方法 - Google Patents

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本発明は、防蟻処理方法に関し、詳しくは、建築物の木部等からなる構造物を白蟻の食害から長期間にわたり守ることができるヒノキチオールを防蟻成分として含む防蟻剤による防蟻処理方法に関する。
白蟻(ヤマトシロアリ、イエシロアリ、ダイコクシロアリ、アメリカカンザイシロアリ等)の被害は家屋の木材部分のみならず基礎コンクリートやコンクリートブロック、プラスチック部分までに食害を及ぼし、場合によっては電線や通信ケーブルまでかじることが知られている。
このような被害を防ぐべく、従来では、農薬として使用されている有機塩素系殺虫剤、有機りん系殺虫剤あるいはヒ素化合物などの殺虫剤を家屋の床下の土壌表面や木部などの表面に処理していた。
しかしながら、上記したような合成殺虫剤は薬剤自体が分解しにくく、自然界に残留、蓄積する場合が多く、このことから最近の環境汚染に対する懸念、VOC問題など人体への毒性、健康への影響に配慮した安全性の高い薬剤が望まれ開発されている。このような安全性の高い防蟻剤としては、ヒバやヒノキなどアスナロ科の樹木から抽出される天然精油成分のヒノキチオールが白蟻の忌避効果ひいては殺虫効果を有することが知られている(例えば、特許文献1)。また、ヒノキチオールを含む防蟻塗料を塗布作業性を良好にする防蟻工事方法も提案されている(特許文献2)。
この天然由来のヒノキチオールは、防蟻剤として人体に対する安全性が比較的高いことから合成殺虫剤に代えて使用されるようになってきたが、ヒノキチオールは蒸散性が高く、また木材との結合性に欠けることから、白蟻駆除効果としての性能とその持続性に満足のいく結果が得られていないという問題がある。この木材との結合性を改善するものとして、木材との結合性のよいヒノキチオールの金属錯体や金属塩を有機溶媒に溶解した溶液を防蟻塗料として用いることが提案されている(特許文献3)。
特開平7−247208号公報 特開2005−75967号公報 特開2004−26654号公報
環境汚染の問題や安全性の高いヒノキチオールの金属錯体やその金属塩、その他の防蟻成分は、木部との接着力が弱いために、施工後溶脱又は剥落して長期間の防蟻効果を維持することができない。この接着力を補うために、合成塗料や接着剤を使用すれば、ヒノキチオールという天然成分を利用することによる環境保全、安全面での優位性が減じられ、施工も煩雑となり、コスト面でも不利になる。
また、防蟻成分や忌避成分が処理面に露出せずに塗料などの塗膜で覆われると、白蟻はその膜上を自身の排泄物で覆って蟻道を形成してしまい、防蟻効果を奏することができない。
そこで、本発明の目的は、ヒノキチオールの金属錯体或いは金属塩を、処理部の表面及びその内部にまで容易に生成させ、優れた防蟻効果を長期間維持することができる防蟻処理方法を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は、処理部においてヒノキチオールと金属とを反応させ、該処理部にヒノキチオールの金属錯体或いは金属塩を生成させることを特徴とする防蟻処理方法である。
本発明においては、前記処理部に前記金属を配した後、前記ヒノキチオールを含む防蟻剤を該処理部に塗布することができ、また、前記処理部に前記ヒノキチオールを含む防蟻剤を塗布した後、前記金属を該処理部に配するものでもよい。
前記金属が、金属の単体及び/又は合金からなる、或いは、前記金属が、金属化合物を含む溶液であってもよい。
本発明においては、前記金属の前記処理部の表面積に対する密度が、0.2〜0.8m/mであることが好ましく、また、前記防蟻剤の前記処理部への塗布量が、ヒノキチオール成分として0.1〜10g/mであることが好適である。
また、前記防蟻剤が前記ヒノキチオールを溶解した液状体であると処理作業を効率良く行うことができる。
本発明によれば、ヒノキチオールと金属とを処理部において反応させることで、処理部の表面及びその内部にまで、被処理部との間に非常に強固な結合力を有し、揮発性がほとんど無く、水に溶け出すことも無いヒノキチオールの金属錯体或いはその金属塩を容易に生成することができ優れた防蟻、忌避効果を長期間維持することができる。
また、防蟻剤の塗布作業が簡便となって、安全性の高い防蟻処理の処理コスト低減が図られる。
本発明の防蟻処理方法は、処理部においてヒノキチオールと金属とを反応させ、該処理部にヒノキチオールの金属錯体或いは金属塩を生成させることにある。すなわち、防蟻処理部の表面やその内部深くまでヒノキチオールの防蟻、忌避効果を有する金属錯体や金属塩の有効成分を生成し、これらの成分と木材等の部材との間に強固な結合力を得ることでその効果を長期間維持するものである。
処理部にヒノキチオールの金属錯体或いは金属塩を生成させる方法は特に限定されないが、例えば、処理部に金属の単体や合金を予め物理的に固着させた後に、ヒノキチオールを含む防蟻剤を該処理部に塗布することでヒノキチオールと金属とを反応させることができる。
本発明において、ヒノキチオールとは、ヒノキ、ヒバ、アスナロ等のアスナロ科の植物を蒸留して得られた精油から抽出された天然由来の防蟻成分である。
原料植物としては、入手容易性の観点から、青森ヒバが好ましい。原料植物からのヒノキチオールの抽出・精製は公知の方法により行うことができ、精油としては特にヒバ油が好ましい。
中でも、ヒノキチオールの含有割合を2重量%以上としたヒバ油を有効成分として含有するものが好ましい。ヒバ油中のヒノキチオールの含有割合を10%以上に上げることにより白蟻の駆除、忌避効果が飛躍的に向上する。
また、合成ヒノキチオールを使用してもよく、合成品も公知の方法により得ることができる。市販品としては、例えば、大阪有機化学工業(株)のヒノキチオール(S−HT)などを挙げることができる。
上記の防蟻剤としては、ヒノキチオールを溶解した液状体が好ましく、処理部の内部にまで有効成分が液体とともに含浸することで、揮発による有効成分の蒸散や水に溶け出すことを防ぐことができる。
ヒノキチオールを含む防蟻剤は、水又は苛性ソーダ水にヒノキチオールを溶解した水溶液、或いはメタノール、エタノール等の有機溶媒を含む水系溶液であるものが安全性及び塗布作業性の観点から好ましい。
溶液中のヒノキチオール成分の濃度は特に限定されないが、ヒノキチオール成分を1.0重量%以上含有することが望ましい。ヒノキチオール有効成分が少ないと、塗布回数が増し、作業が繁雑になるからである。
ヒノキチオールは水よりも有機溶媒に溶解しやすいことから、有機溶媒を用いるものが、ヒノキチオール濃度を高めることができ、また濃度の調整も容易となる。
有機溶媒を用いる場合、ヒノキチオールを有機溶媒に溶解した後、水で希釈してもよく、水と有機溶媒の混合液にヒノキチオールを溶解してもよい。また、水と有機溶媒との比率は任意であるが、有機溶媒量は溶液中の30重量%以下、好ましくは20重量%以下、さらには10重量%以下であることが望ましい。
上記有機溶媒としては、水に溶解する水溶性溶媒であり、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、グリセロール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、トリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキシレングリコール、N−メチル2−ピロリドン、ジアセトンアルコール、N,N’−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの有機溶媒は2種類以上を混合し用いてもよい。
この処理部に塗布されるヒノキチオールの塗布量は、ヒノキチオールの有効成分として0.1〜10g/mであることが好ましい。
塗布量が0.1g/m未満では生成するヒノキチオールの金属錯体や金属塩が少量であって木材等の処理部との結合力が弱く、防蟻効果が十分発揮されずまた持続性も低下する。また、塗布量は10g/mを超えてもよいが、処理部の金属量に対してヒノキチオールが過剰となりコスト的に不利になる。
上記ヒノキチオールを含む水溶液の塗布は、スプレーなどを用いた噴霧、刷毛塗り、ローラ塗り等で行うことができる。
ヒノキチオールを含む防蟻剤を処理部に塗布することで、ヒノキチオールと金属とが接触して自然に反応して金属錯体や金属塩を生成し、この金属錯体や金属塩が木材等の処理部に移行して該処理部との強固な結合力を得て、ヒノキチオールの有効成分を蒸散させることなくその防蟻、忌避作用を長期間維持することができる。
防蟻処理部に配される金属としては、特に限定されないが、鉄、銅、亜鉛、錫、アルミニウム、ニッケル、マンガン、コバルト、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム等の金属単体及びその化合物、及びステンレス、真鍮、青銅、各種アルミニウム合金等の合金を使用することができる。汎用性、コスト、金属自体の耐久性等の観点から、鉄、銅、アルミニウム、ステンレス、アルミニウム合金等が好ましい。
これらの金属を処理部に配する方法は特に制限されず、金属単体や合金からなる金属片の個体を所定間隔で処理部に物理的に固着する方法や、ネット状に空間部を設けた金属板を処理部に貼り付けるもの等が挙げられる。
例えば、(1)釘状、画鋲状、コ字形状の針などを所定間隔で打ち付ける、(2)小径の球体などを圧搾空気等で打ち込む、(3)ネット状の金網で処理部を覆う、(4)針金状を柱等にらせん状に巻き付ける、等の方法が挙げられるが、処理表面に均一な金属間の空間部を設けるものが好ましい。
前記金属の処理部の表面積に対する密度は、処理部の表面積に対して0.2〜0.8m/mであることが好ましく、防蟻性に優れる防蟻被膜を処理表面に形成することができる。この金属の密度が0.2m/m未満では生成する金属錯体や金属塩が少量であって木材等の処理部との結合力が弱く、防蟻効果が十分発揮されずまた持続性も低下する。また、金属の密度が0.8m/mを超えると、金属と反応し生成したヒノキチオールの金属錯体や金属塩が木材側に移行するのが困難となり、やはりと処理部との結合力に欠け防蟻効果の持続性が低下する。
また、処理部にヒノキチオールの金属錯体或いは金属塩を生成させる方法としては、水溶性或いは有機溶媒に可溶な金属化合物を溶解した溶液を処理部に塗布した後に、前記と同様のヒノキチオールを含む防蟻剤を該処理部に塗布するものでもよい。
この方法によると、液状の金属化合物が処理部表面だけでなく、処理部の内部にまで深く含浸し、ヒノキチオールの金属錯体や金属塩を内部にまで生成することができ、かつ処理部に均一に金属錯体や金属塩の被膜を形成できるので、防蟻、忌避作用を向上し、その効果の持続性を長期化することができる。また、処理部への金属処理作業も容易なものとなる。
水溶性或いは有機溶媒に可溶な金属化合物としては、各種金属塩が挙げられ、例えば、水溶性アルカリ金属塩、水溶性アルカリ土類金属塩、明礬、水溶性アルミニウム塩、水溶性鉄塩、水溶性マンガン塩、水溶性亜鉛塩またはアルカリ土類金属酸化物等が挙げられる。
具体的には、水溶性アルカリ金属塩としては塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム等、水溶性アルカリ土類金属塩としては酢酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等、明礬としてはアルミニウムカリウム明礬、鉄明礬等、水溶性アルミニウム塩としては酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム等、水溶性鉄塩としては酢酸鉄、塩化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄等、水溶性マンガン塩としては酢酸マンガン、塩化マンガン、硫酸マンガン等、水溶性亜鉛塩としては酢酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛等、アルカリ土類金属酸化物としては酸化マグネシウム、酸化カルシウム等が挙げられる。
有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチルセルソルブ、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
これらの金属化合物の溶液濃度は、特に制限されず塗布作業性や木材等への含浸性を考慮し適宜調整すればよい。おおよそ、水などの溶媒100重量部に対して0.1〜30重量部である。
また、処理部への塗布量は、金属成分で0.1〜10g/m程度であり、上記の金属単体や合金を処理部に物理的に固着する方法と併用してもよい。
さらに、処理部にヒノキチオールの金属錯体或いは金属塩を生成させる方法としては、ヒノキチオールを含む防蟻剤を該処理部に塗布し、処理部の表面及び内部にヒノキチオール成分を含浸させた後に、金属を配してヒノキチオールと反応させるものでもよい。
この場合、防蟻剤としては、水又は苛性ソーダ水にヒノキチオールを溶解した水溶液、或いはメタノール、エタノール等の有機溶媒を含む水系溶液が使用でき、処理部内部への含浸性や塗布作業性の点で好ましい。また、金属を配する方法としては、上記の金属単体や合金を処理部に物理的に固着するものや、水溶性或いは有機溶媒に可溶な金属化合物を溶解した溶液を処理部に塗布することで実施することができる。
この方法によると、液体中のヒノキチオール成分が処理部表面だけでなく、処理部の内部にまで深く含浸しヒノキチオールの金属錯体や金属塩を内部にまで生成することができ、かつ処理部に均一に金属錯体や金属塩の被膜を形成できるので、防蟻、忌避作用を向上し、その効果の持続性を長期化することができる。
本発明でいうヒノキチオールの金属錯体や金属塩とは、下記式で表されるものである。ただし、式中Mは金属元素を表し、例えば上記の鉄、銅、亜鉛、錫、アルミニウム、ニッケル、マンガン、コバルト、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。式中nは金属の価数を表す。
Figure 0004971678
本発明にかかる防蟻剤には、上記ヒノキチオールと併用して、ヒバやヒノキの樹皮から抽出した成分やコウヤマキ、サワラから抽出した成分を含有することができる。
また、以下の成分から選ばれる公知の防蟻、忌避成分を1種以上を併用してもよい。
イソピンピネリン、ベルガプテン、ザントトキシン、コクサギン、ジハイドロコクサギン、ジエチルトルアミド(Deet)、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、ジブチルフタレート、ベンジルベンゾエート、MGK11、MGK326、ダブトレックス、インダロン、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1、3−プロパンジオール、ジメチルカーベート、プロピルマンデレート、プロピルN、N−ジエチルスクシナメート、ベンズアミド、0−クロロ−N、N−ジエチルベンズアミド、イソボルニルチオシアノアセテート、フェニルサリチレート、ベンジルサリチレート、ジブチルセバケート、パラジクロロベンゼンなどの汎用忌避剤。
ピレトリン、シネリン、ジャスモリン、アレスリン、フタルスリン、レスメトリン、フラメトリン、フェノトリン、ペルメトリン、イミブロトリン、シフェノトリン、トラロメトリン、エトフェンプロックス、プラレトリン、シフルトリン、シラフルオフェン、ビフェントリン、フルメトリン、フルバリネート、デルタメスリンなどのピレスロイド剤。
マツ、ヒノキ、クスノキ、ヒバ、シトロネラ、ローズ、ゲラニューム、セダーウッド、ラベンダー、アニス、スペアミント、ナツメグ、ペパーミント、シナモン、クローブ、ユーカリ、ガーリック、マージョラム、パルマローザ、クミン、コリアンダー、オリガナム、ハッカ、レモンピール、ローズマリー、その他の植物の精油等が挙げられる。
本発明にかかる防蟻処理は、既存家屋の束柱、束柱周辺の床下材や大引などの木部、基礎コンクリート、コンクリートブロック、床下の土壌表面など、或いは家屋周囲の木部などに防蟻処理を施すことができる。また、建築前の部材段階で処理してもよく、例えば、製材後や合板後に工場において大量処理することもできる。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[防蟻剤水溶液の調製]
青森ヒバから抽出したヒノキチオール((有)キセイテック製「青森ヒバ精油」、ヒノキチオール含量2重量%)を水に溶解し、ヒノキチオール濃度が0.5重量%の防蟻剤水溶液を得た。
[防蟻処理木片の作成]
米栂材を切断し、3×5×10cmの試験木片を作成した。木口面はポリエステル樹脂を塗布してシールした。試験木片の全側面に対し鉄製金網を密着させ巻き付け釘にて固定した。鉄製金網は直径0.8mmの鉄線を使用した平織り状であり、網目間隔を調整し金属の密度が、試験木片の表面積に対して0.1、0.4、0.7、0.9m/mとなる4種類の金網を使用した。別に、比較に金網を未使用のヒバ材試験木片を作製した。これらの試験木片に上記で得た防蟻剤水溶液を数回の重ね塗りで均一に塗布した。塗布量はヒノキチオール有効成分として1g/mに相当する。コントロールとして防蟻剤未処理の米栂材試験木片を作製した。
[防蟻試験]
(社)日本木材保存協会規格第11号・木材防蟻剤の防蟻効力試験法(1)に準拠して、作製した試験木片の防蟻試験を行った。上記試験木片を白蟻営巣中に木口面を下にして立てて放置し、2ヶ月後及び6ヶ月後の白蟻の食痕状態を観察した。試験結果を表1に示す。
Figure 0004971678
表1に示すように、本発明にかかる防蟻処理を施した実施例は、米栂材に対する白蟻の食痕を認めず防蟻性能に優れ、その効果を長期間維持することが分かる。これに対して、比較例1、2は防蟻効果の持続性が得られず6ヶ月後には白蟻の食痕が認められた。
本発明の防蟻処理方法は、既存家屋の防蟻を始めとして、建築部材段階での防蟻処理に適用することができる。また、松や杉、ヒノキなど樹木の防虫処理としても使用することができる。


Claims (8)

  1. 木材に鉄製金網を密着させて固定し、この密着固定箇所にヒノキチオールを含む水溶液を塗布することを特徴とする防蟻処理方法。
  2. 木材の表面を部分的に覆うように、鉄からなる金属片を打ち込むことで密着させて固定し、この密着固定箇所にヒノキチオールを含む水溶液を塗布することを特徴とする防蟻処理方法。
  3. 前記金属片が圧搾空気により打ち込まれたものであることを特徴とする請求項に記載の防蟻処理方法
  4. 前記水溶液を重ね塗りで塗布することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防蟻処理方法。
  5. 前記水溶液がヒノキチオール成分を0.5重量以上含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防蟻処理方法。
  6. 前記密着固定箇所に対する、前記水溶液の塗布量が、ヒノキチオール成分として0.1〜10g/m 2 であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の防蟻処理方法。
  7. 木材に鉄製金網または鉄からなる金属片を密着させて固定した箇所の面積に対する、該鉄製金網の鉄線または鉄からなる金属片により覆われる部分の密度が、0.2〜0.8m2/m2であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防蟻処理方法。
  8. 前記水溶液として、ヒバから抽出したヒバ精油の水溶液を用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の防蟻処理方法。
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