JPH0431846B2 - - Google Patents

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JPH0431846B2
JPH0431846B2 JP57132061A JP13206182A JPH0431846B2 JP H0431846 B2 JPH0431846 B2 JP H0431846B2 JP 57132061 A JP57132061 A JP 57132061A JP 13206182 A JP13206182 A JP 13206182A JP H0431846 B2 JPH0431846 B2 JP H0431846B2
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、新規な木質材料用防虫蟻剤を用いる
木質材料処理方法に関する。 近年我国の木材需要の伸びは著しく、国内の森
林資源は枯渇化をきたし、南洋材、北米材等の外
材輸入にともなつて南洋材、特にラワン類を使用
した場合のヒラタキクイムシの被害が増大し、又
ラワン類以外でもテンプンを多く含有する広葉
樹、例えばケヤキ、コナラ材を使用した場合の被
害も目立つてきた。 一方住宅地不足から都市近郊の農山林地を開拓
して宅地開発を行なう場合が多く、もともとシロ
アリの生そく地に住宅を建築する為にシロアリに
よる被害も増大し、重大な経済的損失を引き起し
ている。又、石油危機以来、住宅における省エネ
ルギー化の意識が高まり、断熱材料の多用、床下
構造の変化等により、人間の生活環境が快適にな
るに従い、ヒラタキクイムシ、シロアリ等の木材
加害虫が生育できる温湿度、環境条件が整い、こ
れら木材加害虫の被害増加の一因となつていると
言える。 原木、竹木、製材品、合板、パーテイクルボー
ド、集成材等の木質材料は、そのすぐれた特性、
特色から、そのままで構造部材、土木用材、電
柱、枕木等に利用したり、建材品、内外壁材、建
築部材、家具等の様々な用途に加工され利用され
るが、その反面、有機物であることから、生物劣
化特に混虫による劣化を受けやすく、又、その使
用される用途がいずれの場合も長期間使用される
場合が多い。例えば住宅の場合、10年以上好まし
くは50年の耐久性が必要とされ、又建築後に各住
宅部材に防虫防蟻処理することが困難な為、建築
時に適用された防虫防蟻剤は10〜50年間にもわた
る長期的な効力特性が必要となる。従来より木質
材料用防虫防蟻剤としてクロルデン、γ−BHC、
DDT、デイルドリン等の有機塩素系薬剤が大量
に使用されてきた。しかしながら、接着性、塗装
性、吸湿性、鉄腐食性、臭気、かぶれ、刺激性、
人畜に対する安全性、価格、作業性等に重大な欠
点を有するものであつた。例えばγ−BHCは人
畜に対する毒性、臭気、かぶれ、刺激性、鉄腐食
性を有し、高濃度で薬剤を使用しなければ長期間
の防虫防蟻効力にかけ、又この場合接着性、塗装
性に悪影響をおよぼす等の欠点を有し、DDT、
デイルドリンは特に蓄積性、難分解性を有し、特
定化学物質に指定され、使用及び製造が禁止され
ている。現在、代表的な木質材料用防虫防蟻剤で
あるクロルデンは高濃度で使用した場合防虫防蟻
効力は認められるが、人畜に対する毒性、及び魚
類に対する毒性が高い等の欠点を有する。すなわ
ち変異原性、発ガン性試験に於て陽性を示すばか
りでなく、急性毒性LD50値が径口270〜570mg/
Kg(ラツト)、経皮で530〜700mg/Kg(ラツト)、
魚毒性TLm値(48時間)がコイル0.26ppm、ヒ
メダカ0.1ppmと毒性が高い。又クロルデンは揮
散性が高く、木質材料に適用して長期の効力接続
性をもたせる為には、処理時に薬剤を大量に使用
する必要があり、作業者の安全性、利用者の安全
性、環境に与える影響等に問題があつた。 そこで長期間にわたる防虫防蟻効力に優れかつ
安全な公害発生の恐れの少ない木質材料用防虫防
蟻剤の開発が、当業者に重大かつ緊急な課題とし
て課されている。 本発明者らは、木質材料用防虫防蟻剤につき鋭
意研究を重ねた結果、下記構造式: で表わされるO,O−ジエチル−O−2,3−ジ
ヒドロ−3−オキソ−2−フエニル−6−ピリダ
ジニルホスホロチオエート(以下、本ホスホロチ
オエートを略称する)を含有する薬剤で木質材料
を処理した場合、木材加害虫に対する優れた防虫
防蟻効果が発揮されることを見出した。本発明の
木質材料処理方法は、ホスホロチオエートを有効
成分として含有する薬剤を木質材料に適用するも
ので長期にわたり優れた防虫防蟻効果を持続し、
かつ低毒性で、少量でも有効であるので公害発生
の危険が少ない安全なものである。 本ホスホロチオエートは農業用殺虫剤に有効な
低毒性有機燐剤として知られている。例えば、
Breuilの米国特許第2759937号に殺虫、殺ダニ剤
として有効であることが記載され、特公昭51−
14568号および特公昭52−46288号にニカメイガお
よびツマグロヨコバイの防除に用いることが記載
されている。一般に農薬は残留性が低いことを要
求される。すなわち、半減期が1年以上の農薬は
農薬取締法によつて残留性農薬に指定され、使用
法がこまかく規制され、現在これに該当するもの
はほとんどない。従つて通常の農薬の半減期は1
年以内であり、本ホスホロチオエートの半減期は
10〜30日である。 これに対して木質材料の防虫防蟻は、10〜50年
以上もの長期効力持続性を必要とし、残留性が10
〜30日である本ホスホロチオエートを長期効力持
続性の必要な木質材料用防虫防蟻剤として使用で
きるとは考えられなかつた。ところが、予期せざ
ることには、本発明者らは、本ホスホロチオエー
トが木質材料に適用したとき、極めて長期間に亘
つて木材加害虫に対する防虫防蟻効力を持続する
ことを見出した。本ホスホロチオエート、フエニ
トロチオン等の農薬をガラス板等木質材料以外の
材料に処理し、耐候操作を行なつた後通常の殺虫
効力を比較すると本ホスホロチオエートを含めて
これら農薬はいずれも耐候操作の経過日数につれ
て効力が減少した。このことは農薬の性質上容易
に考えられることである。ところが本ホスホロチ
オエートは他の農薬と同様半減期が短かいにもか
かわらず、木質材料に適用した場合にかぎり驚異
的な効力持続性を示した。本ホスホロチオエート
と木質材料のこの特異な作用については本発明者
らも未だ解明するに至つていないがおそらく木質
材料のみが有する特有の構造、性状と本ホスホロ
チオエートが特異的に作用した結果驚異的な効力
持続性が発揮されると考えられる。すなわち本ホ
スホロチオエートと木質材料の微細構造に由来す
る吸着、ヘミセルロース、多糖類、オリゴマーと
の複合作用などが予想される。 本発明の木質材料処理方法は本ホスホロチオエ
ートを有効成分として含有する薬剤と木質材料に
対して特定の使用条件で適用するもので、木質材
料との作用により驚異的な効力持続性を発揮する
ことを特徴とする。対象害虫としてはキクイムシ
科、ナガキクイムシ科、ヒラタキクイムシ科、シ
バンムシ科、ナガシンクイムシ科等の甲虫類及び
シロアリ類など一般木材加害虫が挙げられる。 本発明においては、本ホスホロチオエートをそ
のまま上記対象害虫に対する防虫防蟻剤として適
用することもできるが、通常の製剤の方法に従つ
て、適当な担体および必要に応じて種々の補助剤
と混合して、その使用目的により油溶性剤、乳
剤、粉剤、粒剤、水和剤、可溶化剤、エアゾール
剤、くん煙剤、ペースト剤、マイクロカプセル化
剤等に製剤して使用する。製剤の性状を改善し、
防虫防蟻効果を高める為の補助剤として界面活性
剤、安定剤、滑剤、固結剤、増粘剤、浸透促進剤
等が挙げられる。むろん、クロルデン、γ−
BHC、ヘプタクロル、その他有機燐系殺虫剤、
カーバメイト系殺虫剤との混合により特性の効力
向上をはかることができる。 製剤中の本発明の有効成分の組成割合は、製剤
の形態、使用目的及び処理法により適宜選択され
るべきもので限定されるものでないが、多くの場
合、製剤中に0.1〜80重量%含有すれば十分であ
り、使用時に適宜希釈して又そのまま使用する。 本発明の木質材料処理方法としては塗布法、浸
漬法、加圧および減圧注入法、接着剤混入法、拡
散法等の処理技術を使用でき、被処理機の種類、
用途及び対象加害虫に応じて適宜選択される。使
用薬剤量は適用する木質材料の種類、処理法及び
対象加害虫によつて変わるが、塗布、浸漬、吹付
け等の表面処理方法を適用する場合、ヒラタキク
イムシ等の甲虫類については有効成分として5
mg/m2以上、好ましくは10mg/m2以上であり、シ
ロアリ類に対しては10mg/m2以上、好ましくは20
mg/m2以上である。上限については制限はない
が、特に大量施用の必要はなく、保健衛生上の安
全面からおおむね4g/m2以下が望ましい。薬剤
使用量は、加圧注入の場合、ヒラタキクイムシ等
の甲虫類に対して有効成分として0.1g/m3以上、
好ましくは0.2g/m3〜300g/m3、シロアリ類に
対して1g/m3以上、好ましくは10g/m3〜5
Kg/m3、又接着剤混入法では、木質材料の接合面
に対して有効成分として、ヒラタキクイムシ等に
甲虫類に対し60mg/m2以上、好ましくは0.15g/
m2以上、シロアリ類に対して60mg/m2以上、好ま
しくは0.3g/m2以上であれば良い。従来多用さ
れていたクロルデンの使用量が塗布、浸漬、吹付
けの場合で4g/m2以上、接着剤混入の場合960
g/m3以上であるのと比較すると、はるかに少な
い薬量で目的を達成できる。 更に本ホスホロチオエートの毒性は極めて低
く、例えば急性毒性LD50値が経口で769mg/Kg
(ラツト)、経皮で2300mg/Kg(ラツト)であり、
亜急性、慢性毒性試験に於ても異常は認められず
発ガン性、変異原性等の試験に於ても陰性であつ
た。又魚毒性試験に於てはTLmが48時間でコイ
に対して12ppm、ヒメダカに対して10ppmであ
る。哺乳動物に対する毒性と実際に本発明の薬剤
を木質材料に処理した場合の防虫防蟻効力を有す
る最低薬量から、本発明の木質材料用防虫防蟻剤
の有効成分である本ホスホロチオエートとクロル
デンの相対安全有効係数=(木材加害虫に有効な
量)/(ラツトのLD50値)を比較すると、本ホ
スホロチオエートは木質材料用防虫防蟻剤として
使用する前記おおむねクロルデンの60〜100倍の
安全性があると言える。 本発明者らは本ホスホロチオエートを特に木質
材料に適用した場合少量でもその効力が長期に維
持されることを発見し、従来行なわれていた薬剤
の多量処理による環境汚染、人体に対する影響、
生態系に与える影響等の問題を解決し、かつ本発
明の薬剤が木質材料の特性を失なわずに処理でき
ることを確認し、本発明を完成したものである。 以下に本発明の木質材料処理方法を実施例によ
り説明する。なお「部」はすべて重量基準であ
る。 実施例 薬剤A: 0.1gの本ホスホロチオエートをアセトンで希
釈して100mlとした。 薬剤B: 1gの本ホスホロチオエートおよび10gの界面
活性剤をキシレンで希釈して100mlとした。 薬剤C: 本ホスホロチオエート 0.3部 石油エーテル 99.7部 計100部 薬剤D: 本ホスホロチオエート 60部 界面活性剤 10部 メタノール 30部 計100部 薬剤E: 本ホスホロチオエート 50部 鉱物性微粉末 45部 界面活性剤 5部 計100部 薬剤F: 本ホスホロチオエート 0.1部 イソプロパノール 79.9部 界面活性剤 20部 計100部 薬剤a〜p: 有効成分、添加剤および溶剤を第1表にまとめ
て示す。表中のW/Vは重量/容量の略で、例え
ば薬剤aでは0.2gのクロルデンを溶剤で100mlに
希釈したことを意味し、W/Wは重量/重量の略
で、例えば薬剤cでは2部のクロルデンに溶剤を
加えて合計100部としたことを意味する。
【表】 実験例 1 種々の材料における各薬剤の効力比較 (i) ヒラタキクイムシを用いた効力比較 コナラ材、合板、濾紙(東洋濾紙No.5C)、ガ
ラス板(各50cm2)上にホールピペツトで薬剤
A、薬剤a,e,k,oを0.5mlずつ均一に塗
布する。 これら供試材を風乾後40℃の通風乾燥器に入
れる。経過時間毎にこれら供試材を取り出し、
板上にアクリル製リング(直径5cm)を2コ固
定しこの中にヒラタキクイムシ成虫を50頭ずつ
投入し、24時間後の供試虫の死亡数を観察し
た。結果を第2表に示す。
【表】 (ii) チビタケナガシンクイムシを用いた効力比較 (i)の実験と同様薬剤を塗布し、40℃−40日間
の耐候操作を行なつたスギ辺材上にアクリル製
リング(直径5cm)を固定し、この中に被害材
から採取したチビタケナガシンクイムシを各30
頭ずつ放し、24時間後の供試虫の死亡率を観察
した。結果を第3表に示す。
【表】 ガラス板上に薬剤を塗布し、耐候操作を行な
つた場合、各薬剤とも効力に差はなく、経時的
に効力は減少した。ヒラタキクイムシが食害す
る代表的な木質材料であるラワン合板、コナラ
材に各薬剤を塗布し、同様の耐候操作を行なつ
た場合、本発明の薬剤は格段に優れた効力持続
性を示した。 また、供試虫をチビタケナガシンクイムシに
変えて行なつた実験においても(i)と同様の効果
が得られ、木質材料に適用した場合の本ホスホ
ロチオエートの特異的な効力持続性が示され
た。 実験例 2 日本木材保存協会規格第8号、木材防虫材の防
虫効力試験法(1)に従つて薬剤A、薬剤Bの100倍
希釈液、200倍希釈液、薬剤bの100倍希釈液、
200倍希釈液などについて、防虫効力試験を行つ
た。デンプン含有量の高い、コナラ試片(5×
3.5×1cm)に上記薬剤をホールピベツトで0.5ml
とり、塗布した。その後10日間室内で風乾し規格
に定められた耐候操作を行なうもの行なわないも
のに分け、試験を行なつた(表面処理試験)。 薬剤の効力判定は同協会規格第10号木材防虫剤
の性能基準に従つた。性能基準は次に示す通りで
ある。 塗布、吹付け又は浸漬処理に用いる木材防虫剤
の防虫効力は平均発生虫数3頭以下とする。 結果を第4表に示す。
【表】 本ホスホロチオエートと代表的防虫剤であるク
ロルデンとを比較した場合、例えばクロルデンを
200mg/m2使用しても耐候操作時に13頭のヒラタ
キクイムシが発生したのに対して、本ホスホロチ
オエートはその1/40の前記量の5mg/m2の使用で
もヒラタキクイムシの発生を0に抑えた。なお、
薬剤f,l,pの実験は、従来の農薬(フエニト
ロチオン、ジメチル−2,2,2−トリクロロ−
1−ヒドロキシホスホネート、2−sec−ブチル
フエニル−N−メチルカーバメート)が木質材料
に適用しても防虫効果がないことを示している。 実験例 3 薬剤Fの500倍希釈液、1000倍、200倍希釈液及
び薬剤fの1000倍希釈液をあらかじめ栄養液を注
入し乾燥させてあるコナラ辺材(50×50×4mm)
に減圧注入した。注入量は150×280Kg/m3であつ
た。この試片を室温で2週間放置後、規定の耐候
操作(40℃、30日間通風乾燥)を行ない、R.
H.75%、25℃±2℃で調湿を行なつた後、各試
片に直径2〜2.5mm、深さ15mmの穴をあけた(各
試片6穴)。穴の中にヒラタキクイムシ幼虫を投
入し、栓をし、25℃±2℃、R.H.78%で21日間
培養した後、軟X線にて幼虫の状態を観察した。
その後、又同一の条件で培養を続け、無処理区の
幼虫が成虫となつた時点で試験を終了した。 効力半定の性能基準は次の通り。 加圧又は拡散処理に用いる木材防虫剤の防虫効
力は平均死亡率95%以上とする。結果を第5表に
示す。
【表】 本発明において薬剤を加圧注入する場合、0.1
g/m2以上の有効成分量であれば充分である。薬
剤f(フエニトロチオン)の場合、約20倍の薬剤
量(約2g/m3)でも幼虫死亡率が低く、一部が
成虫になり他の木材に被害を広げる。 実験例 4 日本木材保存協会(JWPA)規格第8号木材幼
虫剤の効力試験法(2)接着剤混入防虫剤の試験方法
に従つて薬剤D、薬剤d,h,i,mについて試
験を行なつた。合板の製造条件及び接着剤の配合
条件は次の通りである。 接着剤配合条件 ユリア樹脂 100部 小麦粉 19部 硬化剤 0.5部 水 9.7〜10.46部薬 剤 0.8〜0.04部 計130部 調合糊粘度 20〜30p(ポイズ) 合板製造条件 塗布量 30g/尺2 合板厚み 1−4−1mm 冷 圧 10Kg/cm3,15分 熱 圧 120℃,10Kg/cm3,60秒 樹 脂 ;ホワイトラワン辺材(コアには規格
に定められた栄養液を注入してある。) 薬剤を添加した接着剤を用いて製造した合板に
ついて算出された接合面に対する有効成分量と防
虫効力を試験した結果を第6表に示す。 なお、JWPA規格10号に定める性能基準は以下
のとおりである。 合板用接着剤に混入する木材防虫剤の防虫効力
は、処理試験体において平均発生虫数3頭以下、
劣化処理試験体において平均発生虫数5頭以下と
する。
【表】
【表】 本発明に従つて薬剤を接着剤に混入する場合、
10g/m3以上の薬剤量、すなわち木質材料の接合
面に対する有効成分の添加量が60mg/m2以上で防
虫効果が発揮された。クロルデンやフエニトロチ
オンの場合、この20倍の薬剤量でも加害虫の発生
を有効に阻止できない。 本ホスホロチオエートを有効成分とする薬剤で
木質材料を処理した場合、ヒラタキクイムシ等の
木材加害虫に対し長期間にわつて効果があること
が確認された。 実験例 5 日本シロアリ対策協会規格(JTCAS)第1号、
防蟻効力試験方法(ハ)総合試験を薬剤B、薬剤Bの
10倍、50,100倍希釈液、薬剤c、薬剤dの60倍、
120倍希釈液、薬剤e,f,j,k,n,oにつ
いて行なつた(塗布法)。 又実験例4で作成した防虫合板を用いて同様の
試験を行なつた。 これらの試験結果を第7,8表に示す。なお、
JTCAS第5号に定める塗布、吹付け浸漬薬剤の
性能基準を以下のとおりである。 (イ)−3−1重量減少率 処理試験体の重量減少率は、耐候操作の有無に
かかわらず3%以下とする。ただし、無処理試験
体平均重量減少が20%以下のときは、試験をやり
直さなければならない。
【表】 対照の薬剤は耐候操作により劣化し、初期には
シロアリに対していずれも高い死亡率を示すが食
害も受けやすく、実用に耐えない。これに反し本
発明では、例えば薬剤Bの10倍希釈液では死亡率
が高く、重量減少率も非常に低い。100倍希釈液
でも死亡率はやや落ちるものの、重量減少率は非
常に低く保たれ、即ち食害はほとんどなく、これ
は本ホスホロチオエートの摂食阻害作用に基づく
ものである。
【表】 本発明によれば他の薬剤と比較して少量でもシ
ロアリに対して十分有効であつた。 実験例 6 アカマツ辺材30×30×200mmのプレナーにて平
滑に仕上げ、薬剤B、Bの10倍希釈、50希釈、
100倍希釈、薬剤bの10倍希釈、薬剤c,g,j,
nを、それぞれ100g/m2の割合で塗布した。試
験体は各10本供試し、処理試験体は1ケ月間室内
で風乾し、その後各試験体は土壌に30cm埋設し、
1年後、2年後これら試験杭の観察を行なつた。 被害度の評価方法は農林水産省林業試験場で行
なわれている方法をとり、以下にこれを示す。 被害度 観察状態 0 健全。 1 部分的に軽度の蟻害。 2 全面的に軽度の蟻害。 3 2の状態のうえに部分的にはげしい蟻害。 4 全面的にはげしい蟻害。 5 蟻害により形がくずれる。 結果を第9表に示す。
【表】
【表】 本発明に従つてホスホロチエートを有効成分と
する薬剤で処理すると、実際の野外における長期
的効力でも比較例に示される他のクロルデン等の
薬剤による処理と較べて格段にすぐれていること
が本試験で示された。他の農薬の場合、いずれも
1年以内に食害を受けるのに対してホスホロチエ
ートを木質材料に使用した場合、シロアリに対し
て表面処理法で10mg/m2以上で効果がある。 以上の実験例を総合評価すると、本発明の木質
材料処理方法は、特に木質材料に適用した場合格
段にすぐれた効果を示し(実験例1)、実状にそ
くしたヒラタキクイムシ、シロアリの効力試験に
おいてもすぐれた効果がある(実験例2〜6)こ
とが実証された。 本発明は薬剤の使用量が少なくても他の薬剤以
上の効果が期待できかつ優れた効力持続性が発揮
される。従つて単に経済的に有利であるのみなら
ず、大量処理により生ずる種々の望ましくなり副
次作用を未然に防ぐ意味でも極めて有利である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 O,O−ジエチル−O−2,3−ジヒドロ−
    3−オキソ−2−フエニル−6−ピリダジニルホ
    スホロチオエートを有効成分として含有する液状
    薬剤で木質材料を表面処理するに当たつて、前記
    有効成分を木質材料に対し5mg/m2以上4g/m2
    未満の範囲で含有させることを特徴とする木質材
    料処理方法。 2 O,O−ジエチル−O−2,3−ジヒドロ−
    3−オキソ−2−フエニル−6−ピリダジニルホ
    スホロチオエートを有効成分として含有する溶液
    型薬剤で木質材料を注入処理するに当たつて、前
    記有効成分を木質材料に対し0.1g/m3以上の範
    囲で含有させることを特徴とする木質材料処理方
    法。 3 O,O−ジエチル−O−2,3−ジヒドロ−
    3−オキソ−2−フエニル−6−ピリダジニルホ
    スホロチオエートを有効成分として含有する薬剤
    を混入した接着剤を用いて接合型木質材料を製造
    するに当たつて、前記有効成分を木質材料の接合
    面に対し60mg/m2以上の範囲で含有させることを
    特徴とする木質材料処理方法。
JP13206182A 1982-07-30 1982-07-30 木質材料処理方法 Granted JPS5925308A (ja)

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