JP4382260B2 - バルジ加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルジ加工装置に関し、さらに詳しくは、素材管の内部に液圧を供給しながら、素材管の両端を軸方向プレスによって送り素材管を成形型の形状に倣って膨らませ成形するための、バルジ加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バルジ加工装置は、一般に、図6に示すように、素材管Pを収容し拘束するバルジ成形型101と、素材管Pの内部に高圧流体を供給する高圧液体供給手段102と、素材管Pの両端を軸方向に押圧する軸押し手段105とを備えている。
【0003】
バルジ成形型101は、上型110と下型111とにより構成されており、上型110と下型111との衝合面には、素材管Pの端部を収容する収容部110a,111aがそれぞれ形成されており、両収容部110a,111aの間には素材管Pを所定形状に倣い成形するための膨大部110b,111bが形成されている。そして、上型110と下型111とを相対的に移動させて型開閉を行うと共に成形時に型閉じした状態を保持すべく型締めするために、型締め手段が設けられている(図示は省略した)。
【0004】
高圧液体供給手段102は、増圧機21とこの増圧機21を駆動するポンプ22とを備えている。一方、軸押し手段105は、軸方向の長さが異なるバルジ成形型101に対応することができるように、バルジ成形型101の両端からそれぞれ離間して配設された一対の油圧シリンダ107と、この油圧シリンダ107内にそれぞれ嵌挿された軸押しピストンロッド108とを備えている。軸押しピストンロッド108は、素材管Pと同じ径を有するもので、その先端は、伸長駆動されたときに素材管Pの各端部に当接されて液密にシールすることができるように構成されている。また、軸押しピストンロッド108の内部には、その先端面に開口する通路109が形成されている。そして、高圧液体供給手段102の増圧機21は、管路20を介して少なくとも一方の軸押しピストンロッド108の通路109に接続され、また、管路20を介して少なくとも他方の軸押しピストンロッド108の通路109には、素材管P内に流体が供給された際にその内部の空気を抜くためのバルブ23が接続されている。高圧液体供給手段102により液体が供給される素材管P内の圧力と軸押し手段105による素材管Pの軸方向への押圧とを同期させるために、軸押し手段105の油圧シリンダ107には、サーボ弁を有する油圧回路(図示は省略する)が接続される。
【0005】
このように構成されたバルジ加工装置では、高圧液体供給手段102によって素材管P内に供給された流体の圧力により、軸押しピストンロッド108が押し戻されるように反力を受けることとなる。そのため、軸押し手段105には、この素材管P内に供給された流体の圧力による反力に抗して素材管Pを軸方向に押圧し得るように、比較的大径の油圧シリンダ107が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術にあっては、軸押し手段105として、油圧回路に接続された油圧シリンダ107を用い、しかも、その油圧シリンダ107が比較的大型のものである必要があったため、設備コストがかかるという問題があった。また、油圧シリンダ107が比較的大型であるために、油圧回路から油圧シリンダに大容量の作動油を供給する必要があり、バルジ加工が完了した際の軸押し手段105の戻し動作に時間がかかるなど、サイクルタイムを低減させることができないという問題があった。さらに、軸押し手段105の油圧シリンダ107に接続される油圧回路にサーボ弁が設けられているため、油圧回路から共有される作動油の流量を絞ることにより,作動油が発熱してその劣化が進行し、あるいは、作動油にごみが混入した場合に作動油を交換する必要があるなど、メンテナンスに経費や手間がかかるという問題もあった。そして、サーボ弁により作動油の流量を絞り調整することにより、軸押し手段105の軸押しピストンロッド108の移動位置を正確に制御することは困難であるという問題があった。
【0007】
なお、特公昭38‐17158号公報には、加圧ピストン(軸押し手段)のピストン棒(加圧部材)の反対側を素材直管の内径に等しい直径を持った導入棒となし、両棒に圧力導入孔を連通させるとともに導入棒を反力消去シリンダに挿入して、素材直管内に導入する液圧によってピストン棒に生ずる反力を消去する方法が記載されているが、軸押し手段として、ピストン棒を加圧するのは油圧シリンダであった。このような方法では、例えば連続稼動に伴う油圧シリンダの作動油の劣化により、軸押し制御の精度を悪化させたり、軸押し可動エネルギの効率が悪いなどの問題がある。
【0008】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で設備コストがかからず、メンテナンスが容易であり、サイクルタイムを低減させることができる小型化されたバルジ加工装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1のバルジ加工装置に係る発明は、上記目的を達成するため、素材管を収容し拘束するバルジ成形型と、素材管の内部に高圧流体を供給する高圧流体供給手段と、加圧部材を軸方向に駆動して素材管を押圧させる駆動機構を有する軸押し手段と、所定形状に成形された製品を受け取ると共に素材管を把持することが可能な搬送手段とを備え、バルジ成形型が上型と下型とにより構成されており、軸押し手段の加圧部材が製品の端部を保持することができ、上型と下型とを離間させて型開きした際に、上型と下型との間に移動された搬送手段が保持していた素材管を下型にセットすると共に、軸押し手段の加圧部材が製品の端部の保持を解除して該製品を搬送手段に受け渡すことができるように、軸押し手段を上型に設けたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2のバルジ加工装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、素材管内に供給された高圧流体により加圧部材に付与される反力を高圧流体自体の圧力によって軽減させる反力軽減機構を備え、軸押し手段の駆動機構は、素材管内に供給された高圧流体の反力が反力軽減機構によって軽減された加圧部材を軸方向に駆動させて素材管の端部を押圧し得る出力を有する電動アクチュエータと、加圧部材に形成された送りねじと、該送りねじに螺合され軸方向に移動不能に支持されており電動アクチュエータにより回転駆動される送りナットとを備えていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3のバルジ加工装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1または2に記載の発明において、軸押し手段の駆動機構は、素材管と反力軽減機構との間に配置されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項1の発明では、素材管をバルジ成形型内に収容し拘束して、高圧流体供給手段により素材管の内部に高圧流体を供給すると共に、軸押し手段の駆動機構により加圧部材を軸方向に駆動して素材管の少なくとも一方端を押圧して所定形状の製品を成形する。所定形状に成形された製品の端部を軸押し手段の加圧部材が押圧した状態でバルジ成形型を型開きすると、製品は、その端部が軸押し手段の加圧部材に保持されているために上型に留まることとなる。この状態で搬送手段を上型と下型の間との間に移動させ、軸押し手段の加圧部材による押圧を解除させると、製品が搬送手段に受け渡される。また、搬送手段は、上型と下型の間との間に移動される前に次の成形サイクルで使用される素材管を把持しており、上型と下型の間との間に移動されると、素材管を下型にセットする。したがって、搬送手段の一度の移動で素材管のバルジ成形型内への搬入と所定形状に成形された製品のバルジ成形型からの搬出とを同時に行うことができるため、成形サイクルタイムが低減される。
【0013】
請求項2の発明では、請求項1に記載の発明において、素材管をバルジ成形型内に収容し拘束して、高圧流体供給手段により素材管の内部に高圧流体を供給すると共に、軸押し手段の駆動機構により加圧部材を軸方向に駆動して素材管の少なくとも一方端を押圧するとき、素材管内に供給された流体の圧力によって加圧部材を軸方向に押し戻すように作用する反力は、反力軽減機構に供給された流体自体の圧力によって軽減される。そのため、軸押し手段の駆動機構は、油圧シリンダを使用することなく、素材管の端部を単に押圧することができる程度の出力を有する電動アクチュエータを使用することができる。電動アクチュエータにより軸方向に移動不能に支持された送りナットを回転駆動させると、この送りナットに螺合された送りねじが形成された加圧部材が軸方向に直接的に駆動されることとなる。そのため、電動アクチュエータのエネルギ効率が良好であり、加圧部材が精度よく軸方向に駆動され、しかも、必要に応じて比較的高速で軸方向に駆動することも可能となる。
【0014】
請求項3の発明では、請求項1または2に記載の発明において、比較的重量を有する軸押し手段の駆動機構が素材管と反力軽減機構との間に配置されていることにより、装置全体の剛性が高くなるために、バルジ加工装置全体を小型化することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のバルジ加工装置の好適な実施の一形態を、図1〜図3に基づいて詳細に説明する。
【0016】
本発明のバルジ加工装置は、概略、素材管Pを収容し拘束するバルジ成形型1と、素材管Pの内部に高圧流体を供給する高圧流体供給手段2と、素材管Pの少なくとも一方端をシールする加圧部材3および該加圧部材3を軸方向に駆動して素材管Pを押圧させる駆動機構4を有する軸押し手段5と、素材管P内に供給された高圧流体により加圧部材3に付与される反力を高圧流体自体の圧力によって軽減させる反力軽減機構6と、を備えており、軸押し手段5の駆動機構4は、素材管P内に供給された高圧流体の反力が反力軽減機構6によって軽減された加圧部材3を軸方向に駆動させて素材管Pの端部を押圧し得る出力を有する電動アクチュエータとしてサーボモータ7を備えてなるものである。尚、反力軽減機構6は、素材管P内に供給された高圧流体によって加圧部材3に付与される反力に抗する反力以上の押圧が得られるように高圧流体自体の圧力によって軽減することもできる。
【0017】
バルジ成形型1は、上型10と下型11とにより構成されており、この実施の形態の場合、上型10と下型11との衝合面の軸方向両端部(図1および図2には一方端部のみが示されていることに注意されたい)には、素材管Pの外径と同じ径の収容部10a,11aがそれぞれ形成されており、両収容部10a,11aの間には素材管Pを所定形状に成形するための膨大部10b,11bが形成されている。この実施の形態の場合、軸押し手段5や反力軽減機構6を支持するブロック12および13が上型10の両端部にそれぞれ設けられている。そして、上型10と下型11とを相対的に移動させて型開閉を行うと共に成形時に型閉じした状態を保持すべく型締めするために、型締め手段が設けられている(図示は省略した)。さらに、各ブロック12,13の軸方向両外側には、反力軽減機構6を構成するカウンタバランス室60(後述する)がそれぞれ設けられている。
【0018】
高圧流体供給手段2は、少なくとも一方のカウンタバランス室60に管路20を介して接続された増圧機21およびこの増圧機21を駆動するポンプ22と、少なくとも他方のカウンタバランス室60に管路を介して接続されたバルブ(図6を参照)とにより構成されている。この実施の形態では、増圧機21により素材管P内に供給される高圧流体として水が採用されている。バルブは、素材管P内に水を供給する際にその内部の空気を抜くために開状態とされ、素材管P内に水が充満されると閉状態とされるように制御される。
【0019】
軸押し手段5の加圧部材3は、素材管Pと略同径の外径を有するもので、この実施の形態の場合、その一方端側(図1および図2の左側)が型締めされた際の上型10および下型11の軸方向両端に形成された収容部10a,11a内でそれぞれ軸方向移動可能に嵌挿されるように配置されており、中間部がブロック12および13を貫通して、他方端側(図1および図2の右側)がカウンタバランス室60に収容されるように延びている。加圧部材3の収容部10a,11aに配置される一方端側の端面は、軸方向に駆動されて素材管Pの端面に対して当接されたときに水密にシールすることができるように形成されている。そして、加圧部材3の内部には、かかる一方側の端面からカウンタバランス室60内に位置する他方側の端面にわたって軸方向に貫通する流路30が形成されている。なお、この実施の形態においては、加圧部材3により素材管Pの両端をそれぞれ押圧するように構成した場合で説明するが、本発明はこの実施の形態に限定されることなく、必要に応じて、素材管Pの一方端のみを加圧部材3により押圧するように構成する場合もある。
【0020】
この実施の形態における軸押し手段5の駆動機構4は、概略、加圧部材3の軸方向中間部外周面に形成された送りねじ40と、この送りねじ40に螺合され軸方向に移動不能に支持された送りナット41と、送りナット41を回転駆動するサーボモータ7と、により構成されている。
【0021】
送りナット41は、その外周面に歯形が形成されてなるもので、加圧部材3の送りねじ40に螺合された状態でブロック12の凹部12aに配置され、スラスト軸受42によって軸方向に移動不能に支持されている。また、ブロック12および13の間には、加圧部材3と平行に枢軸43が軸周りに回転可能に架設されており、枢軸43には送りナット41の歯形と噛合されるギヤ44が相対回転不能に設けられ、ブロック13には枢軸43を軸周りに回転駆動するサーボモータ7が設けられている。図1および図2に示した実施の形態では、サーボモータ7の回転駆動が所定の減速比で送りナット41に伝達されるように、送りナット41およびギヤ44の歯数が設定されている。加圧部材3の送りねじ40に螺合された送りナット41は、サーボモータ7を所定量回転駆動することによりギヤ44を介して所定量回転され、加圧部材3を軸方向に所定量だけ直接移動させる。なお、この実施の形態では、電動アクチュエータとして、サーボモータ7を使用した場合で説明したが、ステッピングモータのような他の電動機などをアクチュエータとして使用することもできる。
【0022】
カウンタバランス室60は、管路20が接続されて増圧機21から水が所定の圧力で供給される。また、カウンタバランス室60と素材管P内は、加圧部材3に形成された流路30により連通されている。そして、増圧機21から管路20を介してカウンタバランス室60内に供給された所定の圧力の水は、加圧部材3の流路30を通って素材管P内に流入して、素材管Pを拡径するように作用するだけでなく、カウンタバランス室60内に位置している加圧部材3の他方側の端面を押圧するように作用すると共に、素材管Pをシールしている加圧部材3の一方側の端面を押圧することとなる。一方、この実施の形態における加圧部材3は、所定の圧力の水によってその両端面が押圧されたときに、カウンタバランス室60内に位置する他方側の端面の受圧面積が、素材管Pの端面をシールする一方端側の端面の受圧面積と略同じか小さくなるように設定されている。したがって、素材管P内に供給された水の圧力によって加圧部材3の一方側の端面を押圧するように作用する反力の一部または全部が、カウンタバランス室60内に同様に供給された水自体の圧力によって加圧部材3の他方側の端面を押圧するように作用する力によって、軽減または消去されることになる。なお、本発明における加圧部材3は、場合によって、他方側の端面の受圧面積が一方端側の端面の受圧面積よりも大きくなるように設定して、反力と対抗する以上の押圧力を加圧部材3に付与することもできる。すなわち、本発明における反力軽減機構6は、この実施の形態の場合、加圧部材3の両端の受圧面積の差によって加圧部材3に付与される反力を軽減する度合が決定されるが、加圧部材3に付与される反力と対抗する押圧力を発生させることが可能な手段により構成されたものであればよく、反力の軽減とは、反力以上の対抗する押圧力を付与する場合も含まれる。さらに、流路30については、カウンタバランス室60と素材管Pとの内部に同じ圧力がかかるものであればよく、図1に示されているように加圧部材3に形成されたものに限らず、図示は省略するが、カウンタバランス室60外に設けられた配管路により形成されるものであってもよい。
【0023】
本発明のバルジ加工装置では、反力軽減機構6を備えているため、サーボモータ7は、送りナット41とギヤ44の減速比、および、送りナット41と送りねじ40の効率を考慮して、素材管Pの端部を押圧することができる出力を有するものであればよく、素材管Pを拡径させるように作用する水の圧力による加圧部材3を軸方向外側に押し戻すような全ての反力に抗して押圧するような出力を有する必要がないので、従来の技術ような比較的大径の油圧シリンダ107(図6)を用いることなく、比較的小型のサーボモータ7により駆動される送りナット41および送りねじ40からなる送りねじ機構を採用して正確な制御を容易に行うことができ、しかも、所望により比較的高速で加圧部材3を軸方向に駆動することができ、さらに、そのメンテナンスが容易となる。なお、反力軽減機構6を備えることなくサーボモータ7のみによって送りねじ機構を駆動すると仮定した場合には、素材管Pを拡径させるように作用する水の圧力により加圧部材3が軸方向外側に押し戻されるような反力が発生し、かかる反力に抗して素材管Pの端部を押圧しなければならなくなるので、大出力のサーボモータや幾段にもわたる減速ギヤが必要となり、本発明の目的を達成することはできない。そして、素材管Pを拡径させるように作用する水の圧力による加圧部材3を軸方向外側に押し戻すような反力に対して、加圧部材3のカウンタバランス室60内に位置している他方側の端部に発生する力が略同じか小さくなるように設定することで、送りナット41と送りねじ40との間のバックラッシなど、駆動機構4に機械的なあそび(ガタ)等がなくなるため、正確な軸押し制御を容易に行うことができる。
【0024】
また、この実施の形態では、軸押し手段5の駆動機構4を構成する比較的大きく重量を有するブロック12および13がバルジ成形型1(上型10)の軸方向端部に設けられており、ブロック13に比較的小さな軽量のカウンタシリンダ室60がその軸方向外側に設けられている、すなわち、軸押し手段5の駆動機構4が素材管Pと反力軽減機構6との間に配置されていることにより剛性を高くすることができ、したがって、バルジ加工装置全体を小型化することができる。
【0025】
さらに、本発明のバルジ加工装置は、上述したように上型に軸押し手段5が設けられているのに加えて、図1の鎖線および図3に示すように、バルジ成形型1内に素材管Pを搬入すると共に所定形状に成形された製品P’をバルジ成形型1から搬出するための搬送手段8を備えている。搬送手段8は、所定形状に成形された製品P’を受け取ることが可能な皿状の製品受け部80と、この製品受け部80の下面に開閉可能に設けられた素材管Pを把持する把持爪81とを備えてなるもので、例えばロボットのアーム82に支持されることにより上型10と下型11の間とその外部とに移動することが可能となっている。
【0026】
以上のように構成されたバルジ加工装置では、素材管Pにバルジ加工を行うに際して、最初に図1に示すように、上型10と下型11とが相対的に離間し型開きした状態とされており、下型11の収容部11aに所定の長さを有する素材管Pの両端が位置決め支持される。その後、上型10と下型11とが相対的に近接されて型締めされる。これに先立ち、上型10の加圧部材3は、素材管Pの端面との間に僅かなクリアランスを有するように軸方向に後退されており、型締めが完了すると、素材管Pを押圧することなくその端面をシールすべくサーボモータ7が回転駆動されて軸方向に前進移動される。
【0027】
その後、カウンタバランス室60に接続されたバルブ(図6を参照)を開放した状態で、高圧流体供給手段2の増圧機21から管路20を介してカウンタバランス室60に水を送り出す。水は、カウンタバランス室60から加圧部材3の流路30を介して素材管Pの内部に供給され、これらカウンタバランス室60、加圧部材3の流路30、および素材管Pの内部に残留していた空気はバルブから外部に排出される。そして、水が充満されて残留していた空気が排出されると、バルブが閉じられるように制御され、素材管Pの中間部がバルジ成形型1の膨大部10b,11bに倣って拡径するように、さらに増圧機21から水が所定の圧力となるまで素材管P内に供給される。このとき、素材管P内が加圧部材3に形成された流路30によりカウンタバランス室60と連通されているため、上述したように、加圧部材3を軸方向外側に押圧するような反力が少なくとも軽減される。
【0028】
図2に示すように、素材管P内に供給される水の圧力上昇に伴って、軸押し手段5のサーボモータ7が回転駆動され、ギヤ44を介して送りナット41が回転されて、送りナット41に送りねじ40を螺合された加圧部材3が前進駆動するよう制御される。この加圧部材3の前進駆動の制御は、サーボモータ7の回転量によってバックラッシ等の機械的なガタがない状態で容易に且つ正確に制御することができる。そして、本発明では、上述したように、反力軽減機構6を備えていることにより、従来の技術のように出力の大きい油圧シリンダ107(図6)を使用することなく、出力が小さいが小型で制御が容易なサーボモータ7を採用することが初めて可能となったのである。
【0029】
内部に水の圧力が付与され、端部が加圧部材3によって押圧されると、素材管Pは、バルジ成形型1の膨大部10b,11bに倣って拡径されて所定形状に成形された製品P’となる。そして、バルブを開放するなどして内部に供給された水を抜き出し、上型10と下型11とを相対的に離間させて型開きを行う。このとき、加圧部材3は、製品P’の端部を保持し得る程度にその当接を維持した状態とされている。したがって、製品P’は、型開きされたときに上型10に設けられた軸押し手段5に保持されて上型10に留まった状態となる。この状態で、ロボットのアーム82を操作して、搬送手段8を上型10と下型11の間との間に移動させ、サーボモータ7を駆動して軸押し手段5の加圧部材3を後退移動させてその当接を解除させると、製品P’が搬送手段8の製品受け部80に落下する。また、搬送手段8は、上型10と下型11の間との間に移動される前に把持爪81に次の成形サイクルで使用される素材管Pを把持しており、上型10と下型11との間に移動されると、把持爪81を開いて素材管Pを下型11の収容部11bにセットする。このように、軸押し手段5を上型10に設けると共に、搬送手段8が上方に製品受け部80を、下方に把持爪81を備えていることにより、素材管Pのバルジ成形型1内への搬入と所定形状に成形された製品P’のバルジ成形型1からの搬出とを、搬送手段8の一度の移動で行うことができるため、成形サイクルタイムの低減を図ることができる。
【0030】
次に、本発明のバルジ加工装置の別の実施の形態を、図4に基づいて説明する。なお、この実施の形態における説明では、上述した実施の形態と異なる部分のみを説明することとし、同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0031】
この実施の形態における軸押し手段5は、加圧部材3の中間部に連結部材31の一端が固着され、この連結部材31の他端に送りナット45が設けられている。また、ブロック12および13の間には、加圧部材3と平行に送りねじ軸46が軸周りに回転可能に架設されており、送りねじ軸46に送りナット45が螺合されている。サーボモータ7により送りねじ軸46が軸周りに所定量回転駆動されると、送りナット45が軸方向に移動して、連結部材31に固着された加圧部材3が軸方向に移動することとなる。なお、この実施の形態においては、送りナット45の移動に対する加圧部材3の移動抵抗により発生するモーメントに耐え得るように連結部材31が構成される。
【0032】
次に、本発明のバルジ加工装置のさらに別の実施の形態を、図5に基づいて説明する。なお、この実施の形態における説明でも、上述した実施の形態と異なる部分のみを説明することとし、同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0033】
この実施の形態における反力軽減機構6は、カウンタバランス室61が上型10の端部と軸押し手段5の駆動機構4を支持するブロック12との間に介装され、加圧部材3の軸方向中間位置にピストン32が形成されている。加圧部材3に付与される反力を軽減する度合は、カウンタバランス室61内におけるピストン32の素材管P側の受圧面積と反素材管P側の受圧面積との差によって決定される。カウンタバランス室61には、高圧流体供給手段2の管路20が接続される(図5においては省略した)。、この実施の形態におけるカウンタバランス室61は、比較的重量を有する軸押し手段5のブロック12などを支持し得る剛性を有するように構成されている。尚、カウンタバランス室61は、上型10とブロック12との間を別の部材で連結して支持するように構成すれば、軸押し手段5のブロック12などを支持し得る剛性を有する必要はない。
【0034】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、バルジ成形型が上型と下型とにより構成されており、軸押し手段の加圧部材が製品の端部を保持することができ、上型と下型とを離間させて型開きした際に、上型と下型との間に移動された搬送手段が保持していた素材管を下型にセットすると共に、軸押し手段の加圧部材が製品の端部の保持を解除して該製品を搬送手段に受け渡すことができるように、軸押し手段を上型に設けたという簡単な構成で、搬送手段の1度の移動で素材管のバルジ成形型内への搬入と所定形状に成形された製品のバルジ成形型からの搬出とを同時に行うことができるため、成形サイクルタイムを低減させることができるバルジ加工装置を提供することができる。
【0035】
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の発明において、素材管内に供給された高圧流体により加圧部材に付与される反力を高圧流体自体の圧力によって軽減させる反力軽減機構を備え、軸押し手段の駆動機構は、素材管内に供給された高圧流体の反力が反力軽減機構によって軽減された加圧部材を軸方向に駆動させて素材管の端部を押圧し得る出力を有する電動アクチュエータと、加圧部材に形成された送りねじと、該送りねじに螺合され軸方向に移動不能に支持されており電動アクチュエータにより回転駆動される送りナットとを備えていることにより、アクチュエータのエネルギ効率が良好であり、加圧部材が精度よく軸方向に駆動され、しかも、必要に応じて比較的高速で軸方向に駆動することも可能なバルジ加工装置を提供することができる。
【0036】
請求項3の発明によれば、請求項1または2に記載の発明において、軸押し手段の駆動機構が、素材管と反力軽減機構との間に配置されていることにより、装置全体の剛性が高くなるため、全体的に小型化されたバルジ加工装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のバルジ加工装置の実施の一形態において、型開きした状態を示す部分断面図である。
【図2】 図1に示した状態から型閉じして素材管を拡径させた状態を示す部分断面図である。
【図3】 本発明の搬送手段を示す断面図である。
【図4】 本発明のバルジ加工装置の別の実施の形態を示す部分断面図である。
【図5】 本発明のバルジ加工装置のさらに別の実施の形態を示す部分断面図である。
【図6】 従来のバルジ加工装置を説明するための断面図である。
【符号の説明】
P 素材管
P’ 製品
1 バルジ成形型
2 高圧液体供給手段
3 加圧部材
4 駆動機構
5 軸押し手段
6 反力軽減機構
7 サーボモータ
8 搬送手段
Claims (3)
- 素材管を収容し拘束するバルジ成形型と、
素材管の内部に高圧流体を供給する高圧流体供給手段と、
加圧部材を軸方向に駆動して素材管を押圧させる駆動機構を有する軸押し手段と、
所定形状に成形された製品を受け取ると共に素材管を把持することが可能な搬送手段とを備え、
バルジ成形型が上型と下型とにより構成されており、
軸押し手段の加圧部材が製品の端部を保持することができ、
上型と下型とを離間させて型開きした際に、上型と下型との間に移動された搬送手段が保持していた素材管を下型にセットすると共に、軸押し手段の加圧部材が製品の端部の保持を解除して該製品を搬送手段に受け渡すことができるように、軸押し手段を上型に設けたことを特徴とするバルジ加工装置。 - 素材管内に供給された高圧流体により加圧部材に付与される反力を高圧流体自体の圧力によって軽減させる反力軽減機構を備え、
軸押し手段の駆動機構は、素材管内に供給された高圧流体の反力が反力軽減機構によって軽減された加圧部材を軸方向に駆動させて素材管の端部を押圧し得る出力を有する電動アクチュエータと、加圧部材に形成された送りねじと、該送りねじに螺合され軸方向に移動不能に支持されており電動アクチュエータにより回転駆動される送りナットとを備えていることを特徴とする請求項1に記載のバルジ加工装置。 - 軸押し手段の駆動機構は、素材管と反力軽減機構との間に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のバルジ加工装置。
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