JP4378562B2 - 冷蔵・冷凍揚げ物用バッター、及び該バッターを用いて調製される冷蔵・冷凍揚げ物 - Google Patents

冷蔵・冷凍揚げ物用バッター、及び該バッターを用いて調製される冷蔵・冷凍揚げ物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵または冷凍した状態で流通される揚げ物の衣調製用バッター及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、油揚げされたフライや天ぷらを冷蔵、冷凍保存後、オーブンや電子レンジ等で再度加熱調理しても表面の衣が中種の水分や油でべたつくことなくサクサクとした軽い食感を得ることができる,冷蔵・冷凍揚げ物用として好適なバッター及びその製造方法に関する。また、本発明は、油調後、冷蔵または冷凍した状態で流通、保存され、オーブンや電子レンジ等で再度加熱調理して食に供される揚げ物(本発明において「冷蔵・冷凍用揚げ物」という)に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、食生活の多様化・簡便化に伴い、冷蔵または冷凍保存でき、オーブンや電子レンジで加熱調理するだけで食べられる食品が広く上市されている。特に、コロッケ、豚カツ、海老フライ等のフライ類や天ぷら等の揚げ物は、調理に手間がかかることや油の取り扱いの煩雑さ等により、オーブンや電子レンジ等で加熱するだけで食べることができる油調済み冷蔵・冷凍揚げ物の手軽さが好まれ、種々のものが市販されている。
【0003】
しかし、こういった冷蔵・冷凍揚げ物は、オーブンや電子レンジにより再度加熱調理した場合、加熱中に野菜や魚肉類等の中種(具材)から水分が衣側に移行するために、中種(具材)のジューシー感が損なわれるとともに、衣が吸湿軟化してフライ類や天ぷらの特徴である衣のサクサク感が損なわれてしまうという問題がある。特に、油調後、冷蔵もしくは冷凍保存する場合であっても、冷凍庫内での保存温度の変動により比較的高温(例えば−10℃程度)で冷凍保存した場合も生じることがあり、保存期間が長くなるほど、衣のサクサク感の低下が著しい。
【0004】
この問題を解決するために、従来より揚げ物に用いる衣調製用バッターに種々の改良が施されている。中でも、バッター組成中、主材である小麦粉の一部あるいは全部を他の成分に代替してバッターを調製する方法が各種提案されている。例えば、バッター成分として、コーングリッツ及び/又は小麦セモリナとα化澱粉及び/又はα化穀粉と酵素失活小麦粉を用いる方法(例えば、特許文献1等参照);小麦粉と、酸処理澱粉、湿熱処理澱粉及び架橋処理済みα化デンプンのうち少なくとも1種を用いる方法(例えば、特許文献2等参照);未α化澱粉及びα化澱粉からなる澱粉と起泡タイプの植物性蛋白を用いる方法(例えば、特許文献3等参照);澱粉が実質的にα化されていない、特定のグルテン・バイタリティ及びグルテン膨潤度を有する熱処理小麦粉を用いる方法(例えば、特許文献4等参照);小麦粉、α化ハイアミロース澱粉及び/又はその誘導体、並びに架橋澱粉、エチル化デンプン、モチ種澱粉、タピオカ澱粉及びハイアミロース澱粉から選ばれる少なくとも1種の澱粉を用いる方法(例えば、特許文献5等参照);小麦粉を一切用いず、α化澱粉、生澱粉及び食用油脂を用いる方法(例えば、特許文献6等参照)等が挙げられる。更にバッター成分として、食物繊維やセルロースを用いる方法も検討されている。かかる方法として具体的には、バッター成分として、焼成強力粉、乾燥グルテン、ツェイン及び又は結晶セルロースを用いる方法(例えば、特許文献7等参照);水溶性多糖類を配合する方法(例えば、特許文献8等参照);セルロースを配合する方法(例えば、特許文献9等参照)等が提案されている。
【0005】
しかし上記の方法はいずれも、冷蔵・冷凍揚げ物を電子レンジ等で再加熱調理した後、あるいはその後時間が経過した場合に、衣のサクサク感や中種(具材)のジューシー感が損なわれるのを十分に防止する方法とは言えないものである。特に、前述するように、冷蔵・冷凍揚げ物は、油調後の冷蔵保存または比較的高温(−10℃程度)での冷凍保存期間が長くなるほど、再加熱調理後の衣のサクサク感の低下は著しく、従来の技術ではそれを十分に防ぐことができないという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−40870号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平7−303457号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平9−238656号公報
【0009】
【特許文献4】
特開平11−125号公報
【0010】
【特許文献5】
特開平11−46711号公報
【0011】
【特許文献6】
特開2000−333633号公報
【0012】
【特許文献7】
特開2001−61428号公報
【0013】
【特許文献8】
特開平11−169117号公報
【0014】
【特許文献9】
特開平7−75514号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子レンジ等で再度加熱調理した後も具材のジューシー感(水分)と衣のサクサク感が十分に維持されるようにした冷蔵・冷凍揚げ物用バッター、及び該バッターを用いた冷蔵・冷凍揚げ物を提供することである。
【0016】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、バッター成分として、穀粉等に加えて、あらかじめホイッピングして起泡化させたタンパク(ホイップドタンパク)と油脂を用いることにより、これを衣材として調製された調理済み冷蔵・冷凍揚げ物は、オーブンまたは電子レンジで再加熱調理しても、具材の水分が浸み出すことなく、衣がサクサクした軽い口当たりを維持していることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて開発されたものである。
【0017】
すなわち本発明は、下記に示される冷蔵・冷凍揚げ物用バッターである;
項1. ホイップドタンパクと油脂を含有することを特徴とする冷蔵・冷凍揚げ物用バッター。
項2.ホイップドタンパクが卵白及び乳清たん白より選択される1種または2種をホイッピングしたものである項1記載の冷蔵・冷凍揚げ物用バッター。
項3.油脂が融点20℃以上のものである、項1または2に記載の冷蔵・冷凍揚げ物用バッター。
項4.油脂がラードである項1乃至3のいずれかに記載の冷蔵・冷凍揚げ物用バッター。
【0018】
また、本発明は下記に示される冷蔵・冷凍揚げ物用バッターの製造方法である;
項5. (a)穀粉を水に配合して攪拌する工程、(b)これに油脂を添加して攪拌する工程、及び(c)これにホイップドタンパクを添加してかき混ぜる工程を有する上記項1乃至4のいずれかに記載の冷蔵・冷凍揚げ物用バッターの製造方法。
【0019】
さらに、本発明は、下記の項6に掲げる冷蔵・冷凍揚げ物である;
項6. 項1乃至4のいずれかに記載の冷蔵・冷凍揚げ物用バッターを中種に付け、油調後、冷蔵若しくは冷凍して調製される冷蔵・冷凍揚げ物。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明が対象とする揚げ物は、野菜類、鳥獣肉類、魚介類などの具材に、バッターを付着させ、必要に応じてパン粉を付着させた後、油調(油揚げ)して、流通や保存のために冷蔵または冷凍処理されたもので、オーブンや電子レンジ等で再加熱調理して食に供されるものである。具体的には、例えばポテトコロッケ、クリームコロッケ、カレーコロッケ等のコロッケ類;ミンチカツ、豚カツ、ビーフカツ、チキンカツなどの鳥獣肉類のフライ;エビフライ、カキフライ、アジフライ、イワシフライなどの魚介類フライ;たまねぎやアスパラガスなどの野菜のフライ;エビ、キス、イカ、タコ、マグロ、ホタテ、キス、タイ、カレイなどの魚介類の天婦羅;かき揚げを始めとする各種野菜(玉ネギ、なめこ、椎茸、エノキダケ、銀杏等)の天婦羅;チキンナゲットなどのナゲット類を挙げることができる。
【0021】
本発明の冷蔵・冷凍揚げ物用バッターは、ホイップドタンパクと油脂を含有することを特徴とするものである。
【0022】
なお、バッターとは、揚げ物の衣調製用の生地、具体的には、揚げ物の具材表面に着け、油調した後に、衣を形成することのできる流動性のある生地である。本発明の冷蔵・冷凍揚げ物用バッターは、液状やペースト状等の何れの形態を有することができる。
【0023】
本発明で用いるホイップドタンパクとは、タンパクを予めホイッピングして起泡化させたものである。タンパクとしては卵白や乳清たん白等の起泡性タンパクを広く用いることができる。かかる起泡性タンパクは、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いることもできる。具体的には卵白または乳清たん白をそれぞれ単独で用いる方法、またこれら2つを組み合わせて用いる方法を挙げることができる。
【0024】
ホイップドタンパクのホイップの程度は、例えば、起泡性タンパクに乳清たん白を用い、水と乳清たん白のみで構成する場合は、その1ml中の重量(g){重量(g)/体積(ml)}が0.1〜0.4(g/ml)の範囲になるように含気操作を制御・調整することが望ましい。
【0025】
ここで卵白とは卵の卵白部分を指し、生の卵白に加えて、流通の目的で冷凍したものや加糖したもの、または、これを乾燥粉末化したもの(粉末品)も含まれる。
【0026】
起泡性タンパクとして卵白を用いてホイップドタンパクを調製するには、生卵白を使用する場合は常法により泡だて器やハンドミキサーを用いて攪拌して起泡させる方法、また粉末品を使用する場合はこれに冷水または水に加えた後に攪拌して起泡させる方法を挙げることができる。なお、粉末品を使用する場合の使用量は、粉末品の種類、たん白、糖類、塩類等の含量により異なるが、通常3〜30重量%水溶液になる様に水を配合するのが望ましい。粉末品の使用量が3重量%を過度に越えて少なくなる場合は一般に起泡性が弱くなる傾向にあり、また30重量%を過度に越えて多くなる場合はたん白の風味が強くなりすぎる傾向があり、衣の味や風味への影響やたん白のゲルが強くなりすぎ食感が固くなるためである。
【0027】
また乳清たん白は、乳から調製される乳清(ホエー)を濃縮精製したものである。原料として使用する乳清は特に制限されず、例えばチーズ製造時の副産物であるスウィートホエー、酸カゼイン製造時の副産物であるアシッドホエー、またはレンネットカゼイン製造時の副産物であるレンネットホエーなどを制限されることなく挙げることができる。乳の由来も特に制限されず、牛、山羊または羊等の哺乳類の乳を例示することができるが、好ましくは牛由来のもの、すなわち牛乳を用いることが好ましい。
【0028】
本発明で用いられる乳清たん白は、乳清(ホエー)を濃縮精製したものであればよく、その塩バランス、脂肪含有量、及びタンパク含有量等によって何ら限定されるものではない。
【0029】
例えば、乳清たん白として、より起泡性が高くまたその安定性に優れた乳清たん白を用いることもできる。
【0030】
かかる乳清たん白(高起泡性乳清たん白)としては、塩バランスがナトリウム含量0.15重量%以下(好ましくは0.0001(1ppm)〜0.15重量%)、カルシウム含量2.5重量%以上(好ましくは2.5〜10重量%)となるように調整されたものを挙げることができる。なお、製法により異なるが、一般的な乳清たん白濃縮物のナトリウム含量は0.5〜1.5重量%またカルシウム含量は0.5重量%以下である。さらに上記高起泡性乳清たん白は、塩バランスとしてカリウムを含んでいてもよく、その上限値として0.5重量%を挙げることができる。但し、カリウムはナトリウムと同様に少なければ少ないほど好ましく、その下限値として0重量%を挙げることができる。通常、0.0001(1ppm)〜0.5重量%の範囲から選択することができる。
【0031】
また上記高起泡性乳清たん白は、上記塩バランスに加えてタンパク含有量が80重量%以上であることが好ましい。より好ましくは乳清たん白100重量%中にタンパク質を80〜95.85重量%の割合で含むものである。さらに上記高起泡性乳清たん白は、上記塩バランスに加えて、脂肪含有量が1重量%以下であることが好ましい。なお、一般的な乳清たん白濃縮物の脂肪含量は3〜10重量%である。脂肪含有量は少なければ少ないほど好ましく、その下限値として0重量%を挙げることができる。より好ましい脂肪含有量としては0.0001(1ppm)〜1重量%である。
【0032】
かかる高起泡性乳清たん白は、乳から調製される乳清(ホエー)を、上記塩バランスを備えるように、好ましくは上記塩バランスに加えて、さらにタンパク含量または脂肪含量の少なくとも1つを備えるように、乳から調製される乳清(ホエー)を慣用の方法を利用して濃縮し精製することによって調製できる。また濃縮精製後、上記塩バランスを備えるように、好適には塩バランスに加えて更に脂肪含量またはタンパク含量のうち少なくとも1つを備えるように、各種塩、脂肪またはたん白質を添加若しくは除去したりすることによっても調製することができる。
【0033】
なお、乳清たん白には、生の乳清たん白に加えて、流通の目的で冷凍したものや乾燥粉末化したもの(粉末品)も含まれる。
【0034】
起泡性タンパクとして乳清たん白を用いてホイップドタンパクを調製するには、卵白と同様、生の乳清たん白を使用する場合は常法により泡だて器やハンドミキサーを用いて攪拌して起泡させる方法、また粉末品を使用する場合はこれに冷水または水に加えた後に攪拌して起泡させる方法を挙げることができる。なお、粉末品を使用する場合の使用量は、粉末品の種類、たん白、糖類、塩類等の含量により異なるが、通常3〜30重量%水溶液になる様に水を配合するのが望ましい。卵白の場合と同様に、粉末品の使用量が3重量%を過度に越えて少なくなる場合は一般に起泡性が弱くなる傾向にあり、また30重量%を過度に越えて多くなる場合はたん白の風味が強くなりすぎる傾向があり、衣の味や風味への影響が懸念され、また食感が固くなるためである。
【0035】
また、本発明で用いるホイップドタンパクには、起泡安定性を付与するために増粘多糖類を添加することができる。増粘多糖類としては、グアーガム、ゼラチン、ジェランガム、カラギナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グルコマンナン、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、タマリンドシードガム、タラガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、プルラン、CMC、微結晶セルロース、ファーセレラン等が挙げられる。中でも、好ましくはグアーガムである。かかる増粘多糖類をホイップドタンパクに配合することにより、よりサクサク感のある衣が得られるバッターを調製することができる。
【0036】
増粘多糖類の添加量はホイップドタンパク100重量%中、通常1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%である。
【0037】
バッター中のホイップドタンパクの含有量としては、最終バッター100重量%中、ホイップドタンパク0.5〜10重量%、好ましくは3〜4重量%の割合を挙げることができる。
【0038】
本発明で油脂とは、食用植物油脂、食用精製加工油脂、ラード(精製ラードを含む)、マーガリン類及びショートニングを広く意味するものである。バッター中に油脂を加えることで、冷凍後再加熱調理した場合に、衣にサクサクとした軽い食感を付与することができる。好ましくは融点が20℃以上の油脂である。かかる油脂を用いることでより上記効果をより高く得ることができる。食感の点からより好ましくはラードである。
【0039】
ラードは、通常JAS(日本農林規格)で規定されている精製ラードを指し、豚脂又は豚脂を主原料としたものを急冷練り合わせをし、又は急冷練り合せしないで製造した固状または流動状のものを指し〔純製ラード(急冷練り合わせ品、未練り品)、調製ラード(急冷練り合わせ品、未練り品)〕、香料等(乳化剤を除く)を加えたものも含まれる。
【0040】
バッター中の油脂の含有量としては、最終バッター100重量%中、油脂が20重量%以下となるような割合を挙げることができる。油脂の添加量が20重量%を越えて過度に多くなると、油脂の風味が強くなる傾向があり、好ましくない。好ましくは0.5〜5重量%である。
【0041】
本発明のバッターは、具体的には、少なくとも穀粉を水溶きした中に上記の油脂とホイップドタンパクとを配合し、混ぜることによって調製することができる。
【0042】
ここで、穀粉としては、小麦粉、うるち米粉、もち米粉、コーンフラワー、コーングリッツ、くず粉、及びそば粉など、穀類を粉砕し粉末化したものを用いることはできる。好ましくは小麦粉である。なお、穀粉に加えて澱粉を用いることもできる。澱粉としては、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、クズ澱粉、片栗粉、わらび澱粉及びそれら化工澱粉を挙げることができる。穀粉と澱粉を併用することにより、よりサクサク感の高い衣を得ることができる。さらに必要に応じて、糖質、デキストリン等を添加することもできる。
【0043】
バッター粉100重量%中の穀粉の割合は、制限されないが、通常5〜50重量%、好ましくは20〜40重量%である。また、澱粉を併用する場合、バッター粉100重量部中5〜50重量部、好ましくは20〜30重量部を挙げることができる。
【0044】
本発明の冷蔵・冷凍揚げ物用バッターは、次のような方法で調製することができる:
(1)まず、予め穀紛または必要に応じて澱粉や糖類などを十分に粉体混合する。
(2)粉体混合物100重量部に対して冷水量が200〜400重量部となるように、冷水に上記粉体混合物を加え、ジューサーミキサーまたはハンドミキサーなどの攪拌器で攪拌し、均一に分散、溶解させる。
(3)さらに攪拌しながら油脂を加え、均一に分散、溶解させる。
(4)一方、別に用意したボールに卵白や乳清たん白等の起泡性タンパクをハンドミキサーなどで攪拌、起泡させてホイップドタンパクを調製する。
(5)このホイップドタンパクを、上記(3)で調製した混合物に加え、軽く攪拌し均一にする。
【0045】
なお、かかる調製は、室温条件下で行なうことができるが、好ましくは5〜15℃で行なわれる。
【0046】
また、本発明の冷蔵・冷凍揚げ物用バッター組成には、本発明の効果に影響を与えない限り、通常のバッター組成に用いられる原料を添加することができる。具体的には、パン粉、乳化剤、増粘多糖類、調味料、着香料、着色料、甘味料、酸味料、ベーキングパウダー、脱脂粉乳、日持ち向上剤、保存料、酸化防止剤等より選択された添加材料を所定の割合でバッターに添加することができる。なお、これらの成分は通常上記の(1)または(2)の工程で配合することができる。
【0047】
また、本発明は、前記冷蔵・冷凍揚げ物用バッターを用いて調製される調理済みの冷蔵・冷凍揚げ物を提供する。
【0048】
具体的には、本発明の冷蔵・冷凍揚げ物は、前記バッターを具材表面に付着させ(バッターリング)、油調後、冷蔵または凍結して調製されるものである。
【0049】
かかる冷蔵・冷凍揚げ物は、次の方法で調製することができる:
(1)本発明の冷蔵・冷凍フライ用バッターを具材に付着させる。
この際、具材に例えば、澱粉、穀粉、アルカリ塩等の単品または混合物からなる粉末で、打ち粉をし、バッターの付着率を上げることができる。
(2)必要に応じて、バッターを付着した後に、パン粉またはクラッカー粉を付着させる。
【0050】
なお、上記(1)及び(2)の工程を2回繰り返すことで、二層からなる衣を形成させることもできる。
(3)(1)のバッターリング後、または(2)のブレッダリング後、油調する
(4)油調後、冷却して、冷蔵または冷凍する。
【0051】
なお、ここで油調は、具材や油揚げの種類に応じて適宜選択することができるが、通常フライや天婦羅であれば、170〜180℃の食用油で3〜7分間処理する方法を挙げることができる。
【0052】
本発明の、冷蔵・冷凍揚げ物は、調理済みの揚げ物を冷蔵または冷凍した状態で流通され保存することができる。しかも食べるときには電子レンジ、オーブンまたはグリルで簡単に再加熱調理することによって、口当たりのよいサクサクとした軽い食感の衣を有し、しかも中の具材はジューシー感が保たれている良好なものである。
【0053】
【実施例】
以下、本発明の内容をより詳細に説明するために実施例を示す。但し、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。なお、特に記載のない限り、「部」は「重量部」を意味するものとする。
実施例1 電子レンジ加熱用調理済み冷凍トンカツ
(1)バッターの調製
以下の処方、製法にしたがってバッターを調製した。
【0054】
【表1】
Figure 0004378562
【0055】
<調製方法>
▲1▼穀粉、澱粉及び糖類を混合し、これを冷水に加え、ジューサーミキサーで1分間攪拌し、均一に分散させた。これを比較用のバッターとし、さらに以下の方法に従って本発明のバッターを調製した。
▲2▼上記▲1▼に油脂を加え、30秒間攪拌した。
▲3▼これに、下記a)またはb)の方法で調製したホイップドタンパク(卵白または乳清たん白)を加え、均一になるように混合し、本発明の冷蔵・冷凍フライ用バッターを調製した。
【0056】
<ホイップドタンパクの調製>
a)卵白
生卵からボールに分離した卵白部分をハンドミキサーで高速攪拌して、起泡させ、これをホイップドタンパク(卵白)とした。
【0057】
b)乳清たん白
下記の材料をボールに投入しハンドミキサーで高速攪拌して、起泡させ、これをホイップドタンパク(乳清たん白)とした。
―処方―
乳清たん白(カルシウム含有量3.5%)*6 8.0(部)
グァーガム*7 0.8
冷水 91.2
───────────────────────────────
合計 100.0(部)
*6三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製品 乳清たん白使用
*7三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製品 ビストップD-20使用。
【0058】
なお、比較例1は、ホイップドタンパク無添加であり、比較例2,3は、ホイップしない卵白液、乳清たん白液をそれぞれ使用した。
【0059】
(2)電子レンジ加熱用調理済み冷凍トンカツの調製
上記バッター(実施例1〜5、比較例1)を用いて調理済み冷凍トンカツを作った。
▲1▼3cm×3cm×1cmの大きさにカットした、豚ロース肉を中種(具材)とし、フライ用打ち粉(FRパウダーOM;千葉製粉株式会社製)で打ち粉をし、上記で調整したバッターにて一次バッターリングした後、粉砕パン粉を付着させ、一次ブレッダリングを行った。
▲2▼▲1▼に上記で調製したバッター(実施例1〜5、比較例1)を付着させ二次バッターリングを行った。その後、生パン粉にて二次ブレッダリングを行った。
▲3▼これを170℃〜180℃で4分間油調し、油きりした後、30分間ほど放置して粗熱をとった。
▲4▼―35℃で1時間、急速凍結を行った。
▲5▼―10℃で3週間冷蔵保存を行った後に、500Wの電子レンジで1分間/1個の加熱を行い、官能評価を行った。結果を表2に示す。
【0060】
【表2】
Figure 0004378562
【0061】
表2に示すように、バッター組成中にホイップドタンパクおよび油脂を含有したバッターを使用したものは、冷凍3週間後に電子レンジによる加熱調理を行った後も、衣のサクサク感が維持され、口当たりが良く、なおかつ、具材の水分も保たれた非常に良好な食感のフライ食品となった。また、この結果から、比較的高温(-10℃)での冷凍長期保存でも、本発明のバッターによれば、冷凍後再加熱調理後も良好な食感を得ることができることがわかった。
【0062】
また、バッター組成中にホイップドタンパク及び油脂を含有したバッターを使用したものは、実施例1で示した通りだが、比較例2,3のホイップしない卵白液及び乳清たん白液を使用したものは、サクミ感に劣り、硬く引きが強い食感の製品になった。この結果から卵白及び、乳清たん白はホイップする事が重要である。

Claims (7)

  1. 少なくとも穀粉を水溶きした中に、タンパクを予めホイッピングして得たホイップドタンパクと、油脂とを混合して得られる、冷蔵・冷凍揚げ物用バッター。
  2. ホイップドタンパクが、卵白及び乳清たん白よりなる群から選択される少なくとも1方をホイッピングしたものである請求項1記載の冷蔵・冷凍揚げ物用バッター。
  3. 油脂が融点20℃以上のものである、請求項1または2に記載の冷蔵・冷凍揚げ物用バッター。
  4. 油脂がラードである請求項1乃至3のいずれかに記載の冷蔵・冷凍揚げ物用バッター。
  5. ホイップドタンパクが、増粘多糖類が添加されたホイップドタンパクである請求項1乃至4のいずれかに記載の冷蔵・冷凍揚げ物用バッター。
  6. (a)穀粉を水に配合して攪拌する工程、(b)これに油脂を添加して攪拌する工程、及び(c)これにホイップドタンパクを添加してかき混ぜる工程を有する、請求項1乃至5のいずれかに記載の冷蔵・冷凍揚げ物用バッターの製造方法。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載の冷蔵・冷凍揚げ物用バッターを中種に付け、油調後、冷蔵若しくは冷凍して調製される冷蔵・冷凍揚げ物。
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