JP4377636B2 - 透湿防水性キャッピングシートおよびその施工方法 - Google Patents

透湿防水性キャッピングシートおよびその施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4377636B2
JP4377636B2 JP2003315284A JP2003315284A JP4377636B2 JP 4377636 B2 JP4377636 B2 JP 4377636B2 JP 2003315284 A JP2003315284 A JP 2003315284A JP 2003315284 A JP2003315284 A JP 2003315284A JP 4377636 B2 JP4377636 B2 JP 4377636B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
capping
moisture
light
permeable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003315284A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005081222A (ja
Inventor
正樹 松下
昭太 和田
耕作 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2003315284A priority Critical patent/JP4377636B2/ja
Publication of JP2005081222A publication Critical patent/JP2005081222A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4377636B2 publication Critical patent/JP4377636B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/30Landfill technologies aiming to mitigate methane emissions

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、廃棄物処分場などで使用されるキャッピングシートに関するものである。
従来から廃棄物処分場では、廃棄物を埋め立て処理した後に、埋め立てピット内に雨水などが浸入することを防止するため、埋め立て領域を遮水シートなどで覆うキャッピングが行われ、さらに遮水シート(キャッピングシート)上を覆土によって覆うことが行われている(例えば、特許文献1)。
こうした廃棄物処分場では、廃棄物中の水分などからなる汚水が埋め立てピット外部に浸透することによる廃棄物処分場周辺の土壌汚染などを回避する観点から、埋め立てピットの底面に排水機構などが設けられている。
ところで、近年になって、廃棄物を覆うためのキャッピングシートの適用場所が変化しつつある。例えば、廃棄物が大量に不法投棄されているような箇所では、これらの廃棄物を設備の整った処分場へ直ぐに移送することが困難な場合もある。ところが、こうした廃棄物をそのまま放置しておくと、該廃棄物に雨水などがかかることで汚水が発生し、廃棄物の投棄場所の土壌を汚染するなどの問題があるため、これら廃棄物にも、雨水などの浸入を防ぐ目的でキャッピングが行われるようになってきている。
こうした不法投棄場所での廃棄物は、いつかは処分場へ移送されるものであるため、これら廃棄物にキャッピングする場合には、キャッピングシート表面に覆土をしないことが一般的である。よって、こうした箇所へ適用されるキャッピングシートでは、太陽光や風雨に直接曝されることになるため、従来品よりも耐候性に優れることが要求されている。
また、従来キャッピングシートとしては、合成ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンなどを素材とするシートが一般的であるが、これらは水のみならず気体も不透過のものである。よって、廃棄物から発生するガスや水蒸気がキャッピングシートで覆われた空間(以下、「キャッピング空間」という)に閉じ込められてしまうため、これらガスや水蒸気の膨張圧によってキャッピングシートが破れてしまう虞があった。
この他、被覆領域が非常に大きい場合などでは、その大きさに合わせて複数枚のキャッピングシートを接合する必要が生じることもあるが、従来は、シート自体を自動融着機などで融着させ、接合部からの水の浸透を防止するなどの工法が取られていた。しかしながら、大面積とする場合の融着には時間がかかるという問題があった。また、キャッピングシートの融着部分では、うねりが生じてしまうが、融着部分が増大するほど、こうしたうねり部分も拡大するといった不具合もあった。
特開2002−177917号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遮水性、透湿性および耐候性を有するキャッピングシートと、その施工方法を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の透湿防水性キャッピングシートは、廃棄物被覆用のキャッピングシートであって、樹脂シートの表面側に遮光性繊維シートが積層されてなるものであり、且つ下記(A)〜(C)を満足するものであるところに要旨を有するものである。なお、本明細書でいう「シート」は、所謂フィルムも含む概念である。
(A)前記遮光性繊維シートについて、JIS L 1055 A法の規定に従って測定される遮光率が90%以上、
(B)前記透湿防水性キャッピングシートについて、JIS L 1092の耐水度試験A法の規定に従って測定される水位が100cm以上、
(C)前記透湿防水性キャッピングシートについて、JIS L 1099 A−1法の規定に従って測定される透湿度が100g/m・24hr以上。
上記遮光性繊維シートは、上記の遮光率を確保する観点から、着色されてなるものであることが好ましい。また、上記遮光性繊維シートは、目付が100〜300g/mであることが推奨される。さらに上記樹脂シートとしては、キャッピングシートの防水性と透湿性を確保する観点から、多孔質シートが好適なものとして挙げられる。
加えて、上記樹脂シートの上記遮光性繊維シート積層面と反対側の面に、ASTM D−4833の規定に従って測定される貫入抵抗が200N以上の補強用シートが積層されてなる場合も、本発明の透湿防水性キャッピングシートの好適な態様である。
本発明の施工方法は、上記透湿防水性キャッピングシートで廃棄物を覆った後、表面覆土を行わないことを特徴とする施工方法;上記透湿防水性キャッピングシートを、ASTM D−4833の規定に従って測定される貫入抵抗が200N以上の補強用シートと重ねて施工することを特徴とする施工方法;目付100g/m以上の繊維シートの片面に粘着剤層を形成してなる繊維製テープを用いて、複数枚の上記透湿防水性キャッピングシート同士を接合することを特徴とする施工方法;である。
本発明のキャッピングシートによれば、表面覆土が行われないような方法で施工される場合であっても、樹脂シートの劣化が防止されるため、長期間に亘ってその機能(特に遮水性)が維持され得る。また、被覆された廃棄物から発生するガスや水蒸気などが内部に閉じ込められ、これら気体が膨張した場合の膨張圧によって生じ得る部分的な破れを防止できる。しかも安価であり、且つ作業者の雪目が防止できるため、極めて優れた施工性を有しているため、すばやく施工することができる。
よって、本発明のキャッピングシートは、特に不法投棄などで急な対応が必要なケース、表面覆土を実施できないケースなどにも好適である。
本発明のキャッピングシートは、上述したような不法投棄された廃棄物のキャッピングにも好適なものであり、上記樹脂シートと上記遮光性繊維シートを組み合わせた構成を採用する点に最大の特徴を有している。
本発明のキャッピングシートでは、その防水性を確保する観点から、上記(B)の要件、すなわち、JIS L 1092の耐水度試験A法の規定に従って測定される水位が100cm以上であることが要求される。かかる耐水度試験における水位が上記下限値以上のキャッピングシートであれば、廃棄物などのキャッピングに使用されても、雨水などが廃棄物側へ浸透することを十分に防止でき、廃棄物下の土壌の汚染を抑制できる。この耐水度試験における水位は大きいほど防水性(遮水性)が良好であるが、実用上の上限値は10000cm程度である。また、好ましい下限値は2000cmである。
また、本発明のキャッピングシートでは、その透湿性を確保する観点から、上記(C)の要件、すなわち、JIS L 1099 A−1法の規定に従って測定される透湿度が100g/m・24hr以上であることが要求される。透湿度が上記下限値以上のキャッピングシートであれば、廃棄物から発生するガスや水蒸気などが良好に透過できるため、こうした気体の発生によるキャッピング空間の圧力上昇を抑制してキャッピングシートの破れなどを防止できる。上記透湿度は大きいほど透湿性が良好であるが、実用上の上限は10000g/m・24hr程度である。より好ましくは1000g/m・24hr以上8000g/m・24hr以下である。
本発明のキャッピングシートにおいて、上記の耐水度試験における水位、および透湿度は、後記の構成を採用することにより確保できる。
本発明のキャッピングシートにおいて、樹脂シートは透湿性を保持しつつ防水性(遮水性)を確保するためのものであり、遮光性繊維シートは耐候性および強度を確保するためのものである。
上述したように、例えば、不法投棄された廃棄物にその場でキャッピングを施す場合には、通常覆土を行わないため、キャッピングシートは太陽光などに直接曝されることになり、劣化し易い。キャッピングシートが劣化すると雨水などが内部に浸透するため、不法投棄場所の土壌が汚染されることになる。
本発明者等は、こうした用途に適用されるキャッピングシートの劣化の主たる要因である紫外線に着目し、本発明のキャッピングシートにおいて遮水性を確保するための構成要素である樹脂シートが、紫外線に曝露されることを防止するための構成として、遮光性繊維シートを採用することとした。
遮光性繊維シートは、上記(A)の要件、すなわち、JIS L 1055 A法の規定に従って測定される遮光率が90%以上、好ましくは95%以上である。遮光率が上記下限値以上であれば、遮光性繊維シートを外側(廃棄物の反対側)にして施工をすれば、樹脂シートが紫外線に曝されることを防止できるため、該樹脂シートの劣化を高度に抑制できる。
遮光性繊維シートは、繊維で構成されたシートであって、上記の遮光率を満足できるものであれば特に制限されない。具体的には、公知の各種繊維から構成される織布、不織布、編布、割布が挙げられる。
上記繊維の素材も特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド;アラミドなどの芳香族ポリアミド;ポリエチレンなどのポリオレフィンなどが一般的である。また、全芳香族ポリエステル、所謂超高分子量ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトンなどの樹脂も、上記繊維の素材として使用可能である。これらの素材は1種単独で使用してもよく、本発明の効果を損なわない範囲で2種以上を混合して用いても構わない。中でも、コストや耐候性などの面で、上記例示の各ポリエステルを素材とする繊維が好ましい。
ただし、上記例示の素材からなる繊維により構成される繊維シート(織布、不織布、網布)では、上記の遮光率を達成することは困難である。よって、遮光性繊維シートは、着色されたものであることが好ましい。ところで、通常のキャッピングシートは白色が殆どであるが、こうしたキャッピングシートを施工する際には、太陽光の反射によって作業者が雪目になるといった問題もある。しかしながら、本発明のキャッピングシートにおいて、最表面側となる遮光性繊維シートが着色されたものである場合には、こうした太陽光の反射による作業者の雪目を防止できるため、作業効率が格段に向上する。
繊維シートの着色方法としては、構成繊維に顔料などの色素を混入する方法や、繊維または繊維シートを形成した状態で染料を用いて染色する方法が挙げられる。なお、遮光性繊維シートでは、その箇所に寄らず上記遮光率を平均的なものとする観点から、均一に着色されていることが好ましい。よって、着色方法としては、構成繊維に色素を混入する方法が特に推奨される。
構成繊維に色素を混入するに当たっては、原料樹脂(ペレット)に色素を混合し、紡糸する方法が好適である。なお、不織布の製法によっては、紡糸と不織布形成が一連の工程で行われる場合もあるが、この場合でも、原料樹脂(ペレット)に色素を混合して紡糸・不織布形成を行うことが推奨される。
この場合、使用する色素としては、紡糸の際に劣化し難いものを選択することが好ましい。例えば、溶融紡糸の場合には樹脂の溶融温度による劣化が、また、溶液紡糸の場合には溶媒による劣化が、起こり難いものを選択することが推奨される。
具体的には、カーボンブラックや公知の各種顔料などが挙げられる。色合いについては特に制限はないが、通常、この色素によって着色された遮光性繊維シート側が最表面となるため、本発明のキャッピングシートが適用される場所に応じて好適な色となるような色素を選択すればよい。よって、色素は1種単独で使用してもよく、色合いを調整するために複数種を混合して用いても構わない。
繊維シートを形成するための原料樹脂と色素との配合比も、上記遮光率が確保できる限り特に制限はない。使用する樹脂や色素の種類に応じて、好適な配合比も変動するが、例えば、樹脂にポリエステルを、色素にカーボンブラックを用いる場合では、ポリエステル100質量部に対し、カーボンブラックを0.1〜0.5質量部(より好ましくは0.2〜0.3質量部)とすることが推奨される。また、例えば、大日本インキ社製「EG GREEN L−4525」などの原色レジンをポリエステル100質量部に対して20〜80質量部混合することで、L値:28、a値:−3、b:3程度のグリーン(ダークグリーン)の遮光性繊維シートとすることができる。この他、大日本インキ社製「BEIGE L−0414BE」をポリエステル100質量部に対して1.5質量部となるように調整して、L値:41、a値:3、b:7程度の茶色の遮光性繊維シートとすることもできる。
遮光性繊維シートを形成するための繊維の紡糸方法は特に限定されず、公知の紡糸法(例えば溶融紡糸法や溶液紡糸法)が採用できる。また、得られた繊維のシート化方法(織方法、編方法、不織布形成方法)も特に制限はなく、公知の各種方法を採用すればよい。さらに、上記したように、繊維の紡糸と不織布の形成を一連の工程で行う方法を採用しても構わない。
遮光性繊維シートの目付は、100g/m以上であって、300g/m以下、より好ましくは200g/m以下であることが望ましい。このような目付とすることで、良好な施工性であるのに十分な柔軟性と、十分な補強効果を確保できる。すなわち、目付が上記範囲を下回ると、キャッピングシートの強度を向上させる効果が不十分となる場合がある。他方、目付が上記範囲を超えると、経済的に不利である上に、キャッピングシートが硬くなってしまい、施工性が低下する傾向にある。
また、遮光性繊維シートの厚みは1mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.3mm以上0.8mm以下である。遮光性繊維シートの厚みが1mm以下の場合には、例えば後述する繊維製テープによって、複数枚のキャッピングシートを接合した場合に、接合部付近からの透水を紡糸することが容易であり、施工後にも十分な遮水性を維持できる。
本発明のキャッピングシートに係る樹脂シートは、上記の通り、透湿性を保持しつつ遮水性を確保するためのものである。その素材としては、特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)などのポリオレフィン;ポリウレタン;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂;などが挙げられる。
上記樹脂シートでは、透湿性を確保する観点から、多孔質であることが推奨される。例えば、上記の樹脂に炭酸カルシウムなどの無機微粒子を混合してシート状とし、これを延伸するなどにより微小な空隙を形成した多孔質シートが挙げられる。特に、このような手法で得られるポリエチレン製の多孔質シートが、安価で入手し易いことから推奨される。
上記樹脂シートの透湿性としては、JIS L 1099 A−1法の規定に従って測定される透湿度で、100g/m・24hr以上であることが好ましい。このような透湿度の樹脂シートを用いることで、本発明のキャッピングシートにおいて、上述の透湿度を確保することができる。樹脂シートの透湿度の実用上の上限は、12000g/m・24hr程度である。より好ましくは、1000g/m・24hr以上10000g/m・24hr以下である。
また、上記樹脂シートの遮水性としては、JIS L 1092の耐水度試験A法の規定に従って測定される水位が100cm以上であることが望ましい。このような耐水度の樹脂シートを用いることで、本発明のキャッピングシートにおいて、上述の耐水度を確保することができる。この耐水度試験における水位は大きいほど遮水性が良好であるが、実用上の上限値は2000cm程度である。また、好ましい下限値は200cmである。
樹脂シートの厚みは、遮水性と透湿性を確保できれば特に制限されないが、例えば、20μm以上1000μm以下(より好ましくは300μm以下)であることが、特性、コスト、施工性のバランスの面から推奨される。
このようなポリエチレン製多孔質シートは、例えば、大和川ポリマー株式会社製の「5S−219」、「5S−225」などや、トクヤマ社製の「PN100」などの市販のものを用いることができる。
遮光性繊維シートと樹脂シートの積層、接着方法は特に制限はなく、公知の方法、例えば熱融着ラミネート法、接着剤を用いる方法などが採用できる。接着剤を用いる場合には、透湿性が損なわれないように配慮する必要があり、例えば,部分的にホットメルトパウダーで熱接着することや、ホットメルト繊維タイプの接着剤などを用いて熱接着することが推奨される。
さらに樹脂シートの遮光性繊維シート積層側と反対側の面に、補強用シートを積層したものも本発明のキャッピングシートの好ましい態様である。補強用シートとしては、上述の貫入抵抗が200N以上、より好ましくは300N以上のものが推奨される。本発明のキャッピングシートは、特に不法投棄場所でのキャッピングに好適なものであるが、不法投棄された廃棄物には、種々の物が含まれているため、例えば注射針の如き廃棄物が存在する箇所にキャッピングを施すと、キャッピングシートに穴や破れが生じて遮水性が損なわれる場合がある。このような懸念がある不法投棄場所に適用する場合などでは、上記補強用シートも含む構成のキャッピングシートを用いることで、遮水性を有効に保持し得る。
補強用シートとしては、上記貫入抵抗を有すると共に、キャッピングシートとしたときに上記の透湿度を確保できるものであれば特に限定されない。例えば、ナイロンタフタ、樹脂ネット、割布(例えば、日石ブラスト社製「LX−18」、「LX−24」などのポリエチレン製のものなど)、ポリエステル製のタイヤコード基布、ポリエステル製の寒冷紗などが例示できる。
補強用シートの積層、接着方法は特に限定されず、樹脂シートと遮光性繊維シートの積層、接着方法として上述した公知の各種方法が採用可能である。
また、上記の補強用シートの他にも、キャッピングシートの補強を目的として、樹脂シートの遮光性繊維シート積層側と反対側の面に繊維シートを積層してもよい。この場合の繊維シートとしては、遮光性繊維シートと同じものでもよいが、この繊維シート側は内側(廃棄物側)になるため、遮光機能は不要である。よって、例えば、上記遮光性繊維シートと同様の繊維シートで着色しないものを採用することが推奨される。
次に、本発明のキャッピングシートの施工方法について説明する。上記キャッピングシートは、廃棄物投棄場所(廃棄物処分場を含む)の被覆を要する領域の面積や形状に合わせて、裁断したり、複数枚を接合して大面積としたりした後、遮光性繊維シート面を外側として該領域を被覆し、公知の方法(ピン止めなど)で固定する。また、複数枚のキャッピングシートの接合は、上記領域を覆った後に行っても構わない。
なお、複数枚のキャッピングシートを接合して大面積とする場合には、接合部からの水の浸透を防止して遮水性を保持する必要があるが、例えば、キャッピングシート同士の一部を重ね合わせて、該重ね部で確実に接合することが望ましい。
上記重ね部での接合は、従来公知の熱融着法などを採用することもできるが、繊維シートの片面に粘着剤層を形成した繊維製テープを用いることが推奨される。このような接合法の採用により、接合が容易となると共に、熱融着法を採用した際に生じていた接合部の上記不具合も解消する。
繊維製テープを構成する繊維シートの素材や形成法は特に限定されるものではなく、例えば、遮光性繊維シートについて例示した素材や形成法が採用可能である。また、粘着剤層を形成するための粘着剤や粘着剤層も特に制限はなく、例えば、公知の布製テープに適用されている粘着剤などが使用できる。なお、繊維製テープの繊維シートは、目付が100g/m以上であることが好ましい。このような目付の繊維シートであれば、粘着剤層への紫外線の露光をある程度抑制でき、粘着剤の劣化を抑え得る。なお、こうした観点から、繊維製テープの繊維シートも、上記遮光性繊維シートと同様に着色されたものであることも推奨される。着色の詳細は、遮光性繊維シートについて上述した通りである。
また、キャッピングシートをピンなどで固定するためにキャッピングシートに設けられた固定孔の部分にも、上記繊維製テープを適用することが望ましい。
本発明のキャッピングシートの施工例を図1に示す。キャッピングシート10の遮光性繊維シート1側を表面側(外側)に、樹脂シート2側を廃棄物側にして施工する。また、図1の施工例では、複数のキャッピングシート10、10を、遮光性繊維シート1、1側で、繊維製テープ3を用いで接合した状態を示している。
本発明のキャッピングシートを、例えば不法投棄された廃棄物について、不法投棄場所での一時的なキャッピングに用いる場合には、上述の理由から、通常、廃棄物の被覆後に表面覆土は行わない。本発明のキャッピングシートはこのような施工法が適用された場合でも、高度な耐候性を有しており、遮水性を長期間に亘って保持し得る。
なお、本発明のキャッピングシートは、上記の如き不法投棄場所での一時的なキャッピングのみならず、設備が整っており、半永久的に廃棄物が埋め立てられる廃棄物処分場でのキャッピングにも好適である。この場合は、通常、表面覆土は行われる。
また、本発明のキャッピングシートのうち、上記補強用シートを有しない構成を採用している場合には、必要に応じて、補強用シートが内側となるように重ねて施工することも好ましい。この場合に重ねる補強用シートとしては、キャッピングシートの構成要素として説明した上述の補強用シートと同様の構成や貫入抵抗を有するものが推奨される。このような施工方法を採用することにより、補強用シートを有する構成のキャッピングシートを用いる場合と同様の効果が確保できる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。本実施例で用いた測定法は以下の通りである。
<繊維シート目付>
JIS L 1906の規定に従って測定する。
<遮光性繊維シートの遮光性>
JIS L 1055 A法の規定に従って測定する。
<キャッピングシートの遮水性>
JIS L 1092の耐水度試験A法の規定に従って測定する。
<樹脂シートおよびキャッピングシートの透湿性>
JIS L 1099 A−1法の規定に従って測定する。
<キャッピングシートの膨れの有無>
上述の施工から6か月経過後のキャッピングシートについて、施工された状態で、直径が200mm以上且つ高さが5cm以上の大きさで、地面から浮き上がる部分が存在する場合を、膨れ有りと判定する。
実施例
遮光性繊維シートとして、目付が130g/m、厚みが約0.5mm、幅が2mで、グリーンに着色されたポリエステル製長繊維不織布を用いた。この遮光性繊維シートの遮光率を表1に示す。この遮光性繊維シートの上に、樹脂シートとして、ポリエチレン製防水透湿フィルム(大和川ポリマー社製「5S−225」)を積層し、キャッピングシートを得た。なお、遮光性繊維シートと樹脂シートとの積層には、ウレタン系接着剤(ノーテープ工業株式会社製のウレタン樹脂)を用いた。得られたキャッピングシートの遮水性および透湿性を上記手法によって測定した。結果を表1に示す。
得られたキャッピングシートを用い、10m角の領域を被覆するように施工した。複数枚の上記キャッピングシートで、重ね部(幅:10cm)を設けつつ上記領域を覆い、周辺部をU字構により固定した後、グリーンの繊維製テープ[ポリエステル製長繊維不織布に50〜100μmの厚さでアクリル系粘着剤(サイデン化学株式会社製「サイビノールTC−K3」、アクリル系共重合体)]を用いて該重ね部に目張りをすることで、これらキャピングシートを接合した。複数枚が接合されたキャッピングシートの中央部を、上部から15cmの釘にワッシャーを挟んで固定し、該固定部の孔も、上記繊維製テープで目張りした。施工から6か月経過後のキャッピングシートについて、膨れの有無を判定すると共に、遮水性を上記手法によって測定した。結果を表1に示す。
比較例1
遮光性繊維シートとして使用するポリエステル製長繊維不織布を、目付が80g/mで、厚みが約0.2mmのものに変更した他は、実施例と同様にしてキャッピングシートを作製し、さらに実施例と同じ施工後の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
樹脂シートとして、厚みが60μmで、透湿性の無いポリエチレンフィルム(新関西フィルム社製「SKF902」)を用いた他は、実施例と同様にしてキャッピングシートを作製し、さらに実施例と同じ施工後の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0004377636
実施例では、遮光率が90%以上の遮光性繊維シートと、良好な透湿性および遮水性を備えた樹脂シートを有する構成を採用したキャッピングシートであるため、優れた透湿性と遮水性を兼ね備えると共に、施工から6か月経過後においても、樹脂シートの劣化が防止されており、遮水性の低下が高度に抑制されている。
これに対し、遮光率が90%に満たない繊維シートを用いた比較例1のキャッピングシートでは、施工から6か月経過後での遮水性が極めて劣っており、樹脂シートの劣化防止が不十分であることが分かる。また、透湿性が不十分な樹脂シートを用いた比較例2のキャッピングシートでは、施工から6か月経過後において、施工された状態で膨れが生じている。
本発明のキャッピングシートの施工例を示す概念図である。

Claims (7)

  1. 廃棄物被覆用のキャッピングシートであって、
    透湿防水性多孔質樹脂シートの表面側に遮光性繊維シートが積層されてなるものであり、且つ下記(A)〜(C)を満足するものであることを特徴とする透湿防水性キャッピングシート。
    (A)前記遮光性繊維シートについて、JIS L 1055 A法の規定に従って測定される遮光率が90%以上、
    (B)前記透湿防水性多孔質樹脂シートについて、JIS L 1092の耐水度試験A法の規定に従って測定される水位が100cm以上、
    (C)前記透湿防水性多孔質樹脂シートについて、JIS L 1099 A−1法の規定に従って測定される透湿度が100g/m2・24hr以上。
  2. 前記遮光性繊維シートは、着色されてなるものである請求項1に記載の透湿防水性キャッピングシート。
  3. 前記遮光性繊維シートは、目付が100〜300g/m2である請求項1または2に記載の透湿防水性キャッピングシート。
  4. 前記樹脂シートの前記遮光性繊維シート積層面と反対側の面に、ASTM D−4833の規定に従って測定される貫入抵抗が200N以上の補強用シートが積層されてなるものである請求項1〜のいずれかに記載の透湿防水性キャッピングシート。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の透湿防水性キャッピングシートの施工方法であって、該透湿防水性キャッピングシートで廃棄物を覆った後、表面覆土を行わないことを特徴とする透湿防水性キャッピングシートの施工方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の透湿防水性キャッピングシートの施工方法であって、該透湿防水性キャッピングシートを、ASTM D−4833の規定に従って測定される貫入抵抗が200N以上の補強用シートと重ねて施工することを特徴とする透湿防水性キャッピングシートの施工方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の透湿防水性キャッピングシートの施工方法であって、目付100g/m2以上の繊維シートの片面に粘着剤層を形成してなる繊維製テープを用いて、複数枚の透湿防水性キャッピングシート同士を接合することを特徴とする透湿防水性キャッピングシートの施工方法。
JP2003315284A 2003-09-08 2003-09-08 透湿防水性キャッピングシートおよびその施工方法 Expired - Lifetime JP4377636B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003315284A JP4377636B2 (ja) 2003-09-08 2003-09-08 透湿防水性キャッピングシートおよびその施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003315284A JP4377636B2 (ja) 2003-09-08 2003-09-08 透湿防水性キャッピングシートおよびその施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005081222A JP2005081222A (ja) 2005-03-31
JP4377636B2 true JP4377636B2 (ja) 2009-12-02

Family

ID=34415605

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003315284A Expired - Lifetime JP4377636B2 (ja) 2003-09-08 2003-09-08 透湿防水性キャッピングシートおよびその施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4377636B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007160174A (ja) * 2005-12-12 2007-06-28 Toyobo Co Ltd キャッピングシートおよびそのキャッピング工法
JP5147439B2 (ja) * 2008-02-05 2013-02-20 地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所 廃棄物被覆用のキャッピングシート
JP2009183878A (ja) * 2008-02-07 2009-08-20 Osaka Prefecture キャッピングシートの敷設方法およびその方法に用いられるキャッピングシート
JP5105533B2 (ja) * 2008-02-13 2012-12-26 東洋紡株式会社 廃棄物被覆用のキャッピングシート
JP6009829B2 (ja) * 2012-06-15 2016-10-19 シーアイ化成株式会社 廃棄物処分場の被覆シート構造
JP6235670B2 (ja) * 2016-09-15 2017-11-22 タキロンシーアイ株式会社 廃棄物処分場の被覆シート構造
JP7215314B2 (ja) * 2019-04-25 2023-01-31 東洋紡株式会社 土木用通気遮水複合材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005081222A (ja) 2005-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060051558A1 (en) Multilayer film with adjustable water vapor permeability
JP4377636B2 (ja) 透湿防水性キャッピングシートおよびその施工方法
KR101213140B1 (ko) 외부 노출용 일체형 자착식 방수시트
JP5147439B2 (ja) 廃棄物被覆用のキャッピングシート
CA2558384C (en) Woven scrim material
JP2014210379A (ja) 積層シート、及び、積層シートの接合方法
JP2007160140A (ja) 廃棄物処分場のキャッピングシートおよびそのキャッピング工法
JP5402179B2 (ja) 廃棄物被覆用キャッピングシートおよびその接合方法
JP5105533B2 (ja) 廃棄物被覆用のキャッピングシート
JP6540197B2 (ja) 積層シート、および、積層シートの接合方法
JP4520348B2 (ja) 遮水性植生基盤材
JP3731653B2 (ja) 遮水シート用被覆保護材及びその施工方法
KR20140045490A (ko) 나노 산화아연이 포함된 코팅제 조성물 및 그 코팅제 조성물로 코팅된 수지층과 다공성 수지층으로 양면 코팅된 아웃도어용 원단 및 그 아웃도어용 원단의 제조 방법
JP6241182B2 (ja) 廃棄物被覆の処理方法
JP2009022836A (ja) 水膨張性マット及び遮水構造並びに遮水構造の施工方法
GB2389561A (en) Waterproofing material
JP6187151B2 (ja) 積層シート、及び、積層シートの接合方法
US20100189976A1 (en) Multi-Layer Composite Fabric
JP6160458B2 (ja) 積層シート、及び、積層シートの接合方法
JP3295698B2 (ja) 遮水シート保護用マット
JP4192019B2 (ja) 堆肥被覆シート
KR102123387B1 (ko) 방수 구조체
JP2536312Y2 (ja) 耐候性を有する非通風性透光性防水シート
JP3947395B2 (ja) 表土流出防止マット及び表土流出防止工法
JP3945907B2 (ja) 廃棄物処分場における排水層を用いた遮水設備

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080916

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090512

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090715

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090908

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090911

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4377636

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120918

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120918

Year of fee payment: 3

R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130918

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term