JP4192019B2 - 堆肥被覆シート - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、家畜等が出す糞尿等の排泄物を堆肥化する目的で使用される堆肥被覆シートに関し、更に詳しくは、排泄物を一定時間覆って堆肥化させるために使用するもので、臭気漏れ等を防止できる堆肥被覆シートに関する。
【0001】
【従来の技術】
従来より、家畜として飼われる牛や馬、豚、鶏などの排泄物は、藁や籾殻などと混ぜ合わせた後、好気性の微生物等により発酵させ、堆肥として活用されてきた。
古くは、野積みによる方法が採られてきたが、臭気が近傍に飛散する悪臭問題や、雨水による堆肥の流出および発酵遅延の問題、さらには汚水が地下に浸透して地下水を汚染したり、河川に流入して河川水を汚染し、富栄養化するという問題があった。
もっとも堆肥舎や農業ハウスなど専用の建造物内部に堆肥材料を堆積し、堆肥化を進める方法も知られているが、規模的なコストがかかり、農家の負担を増大させていた。
【0002】
また、近年、防水マットなどを敷設した上に堆肥材料を堆積し、ポリ塩化ビニルシートやポリエチレンシートなどで覆うタイプの堆肥化システムが注目を集めている。
このシステムは、野積みによる環境汚染を防止でき、かつ経済的であるという点において一定の効果が見られる。
しかし、このようなシートを用いて堆肥化を行った場合、水蒸気が内部にたまると共に、酸素の供給が妨げられて発酵が遅れたり、また、得られた堆肥についても、表面がじめじめしている、粗く固い、かび臭い、などの問題があり、必ずしも良好な結果が得られていないのが実状である。
【0003】
このような諸問題点を解決するため、水蒸気や気体は透過するが水分は透過しない透湿防水性フィルムを、堆肥用の被覆材として用いる試みがなされている。
例えば、特許文献1には、多孔質ポリオレフィンフィルムと多孔質布との積層体よりなる被覆材が開示されている。
因みに、この多孔質フィルムに孔形成するには、フィルム原料に充填材を添加し未延伸フィルムを成形した後、延伸処理を施すという工程が必要であるため、製造工程が複雑でコストが高くつくばかりか、充填材によってフィルム表面が荒れやすく、強度的(耐摩耗性)にも不十分なものである。
【0004】
また特許文献2には、ポリエーテル鎖を構成単位として含有する重合体を主たる構成成分とする組成物からなり、水蒸気透過性、酸素透過性、炭酸ガス透過性に優れた堆肥発酵促進用フィルムが開示されている。
以上のような堆肥用の被覆材は、気体の透過性について特定しているものの、その内の堆肥が発散する臭気の観点には、何ら着目したものではない。
臭気漏れは、周囲に悪影響を与えるものとして、法規制も近々予想されており、堆肥用被覆材としては極めて重要な問題として認識されつつある。
【0005】
【特許文献1】
特許第3286548号
【特許文献2】
特開平11−278971号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、堆肥材料からの水蒸気飛散を妨げることのない透湿性と、雨水等の浸入を防止することのできる防水性を兼ね備え堆肥化を効率的に促進させることが可能な上、更に、臭気漏れをも防止できる堆肥被覆シートを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、透湿防水性フィルムと繊維基布を貼り合わせた構造の堆肥被覆シートにおいて、透湿防水性フィルムとして臭気に関する通気度を考慮した無孔質フィルムを用いることにより、堆肥被覆シートとして具備すべき、多くの条件を十分満足できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、(1)、堆肥材料を覆うことで堆肥化を促進するための堆肥被覆シートであって、繊維基布と無孔質フィルムとが積層されてなり、透湿度が1000〜10000g/m・24hr、耐水圧が5〜100kPa、JIS L 1096 B法(ガーレ法)で測定した通気度が、臭気漏れを防止するために、500秒/100cc以上であり、前記無孔質フィルムが、堆肥材料の温度を上昇させ発酵を効果的に促進させるための炭素微粉末を含む堆肥被覆シートに存する。
【0009】
そして、(2)、堆肥材料を覆うことで堆肥化を促進するための堆肥被覆シートであって、繊維基布と該繊維基布に積層された無孔質フィルムと、無孔質フィルムに積層された繊維基布とよりなり、透湿度が1000〜10000g/m・24hr、耐水圧が5〜100kPa、JIS L 1096 B法(ガーレ法)で測定した通気度が、臭気漏れを防止するために、500秒/100cc以上であり、前記無孔質フィルムが、堆肥材料の温度を上昇させ発酵を効果的に促進させるための炭素微粉末を含む堆肥被覆シートに存する。
【0010】
そしてまた、(3)、堆肥材料を覆うことで堆肥化を促進するための堆肥被覆シートであって、繊維基布と該繊維基布の裏面に積層された無孔質フィルムと、該繊維基布の表面に積層された無孔質フィルムとよりなり、透湿度が1000〜10000g/m・24hr、耐水圧が5〜100kPa、JIS L 1096 B法(ガーレ法)で測定した通気度が、臭気漏れを防止するために、500秒/100cc以上であり、前記無孔質フィルムが、堆肥材料の温度を上昇させ発酵を効果的に促進させるための炭素微粉末を含む堆肥被覆シートに存する。
【0011】
そしてまた、(4)、無孔質フィルムの膜厚が、7〜100μmである上記(1)、(2)又は(3)記載の堆肥被覆シートに存する。
【0012】
そしてまた、(5)、繊維基布の目付が15〜100g/mである上記(1)、(2)又は(3)記載の堆肥被覆シートに存する。
【0014】
本発明の目的に沿ったものであれば上記(1)〜()の中から選ばれた2つ以上を組み合わせた構成も採用可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の堆肥被覆シートは、透湿防水性を有する無孔質フィルムと、繊維基布とが積層された構造のもので、特に臭気漏れを防止する効果が優れている。
本発明の無孔質フィルムは、透湿防水性を有するものであり、その原料樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂等が使用される。
特に、取扱い性や耐光性に優れたポリエステル樹脂が好ましく、ハードセグメントとソフトセグメントを有するブロック共重合ポリエステル樹脂がより好ましい。
【0016】
ハードセグメントは、ジカルボン酸成分とジオール成分とを反応させて得ることができる。
ジカルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバジン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを挙げることができる。
ジオール成分としては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール、パラキシレングリコールなどの芳香族ジオールなどを挙げることができる。
【0017】
また、ソフトセグメントは、ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルを用いることができる。
ポリエーテルとしては、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコールなどを挙げることができる。
また脂肪族ポリエステルとしては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトンなどを挙げることができる。
上記ハードセグメントとソフトセグメントを有するブロック共重合ポリエステル樹脂は、エステル交換反応など公知の方法で容易に製造することができる。
【0018】
さらに、必要に応じて、上記原料樹脂に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、着色剤、安定剤、消泡剤、などを1種類または2種類以上配合することができる。
特に、無孔質フィルムは、炭素微粉末等を原料樹脂に配合することにより、黒色系濃色に着色されていることが好ましく、これにより堆肥材料の温度が上昇し、発酵を効果的に促進させることができる。
また、炭素微粉末により脱臭効果がより高まることとなる。
【0019】
上記原料樹脂よりなる無孔質フィルムは、インフレーション成形法やTダイ成形法など公知の方法により製造することができる。
無孔質フィルムの膜厚は7〜100μmであることが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。
膜厚が7μm未満であると膜破壊が起こり易く十分な防水性を得られない恐れがあり、膜厚が100μmを超えると十分な透湿性を得られない恐れがある。
本発明で使用される繊維基布としては特に限定されるものでなく、無孔質フィルムの透湿性を損なうことなく補強効果を発揮するものであれば、不織布、織物、編物などいずれの形態のものであっても構わない。
中でも耐久性、補強効果、製造コストなどの観点から不織布がより好ましい。
【0020】
不織布としては、バインダータイプ、サーマルボンドタイプ、スパンボンドタイプ、湿式抄紙タイプ、ステッチボンドタイプなどを挙げることができ、中でもコストや加工性などの点からスパンボンドタイプが好ましい。
繊維基布の素材としては、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維、又はこれらを組み合わせたものなど特に限定されないが、耐久性の点から合成繊維が好ましい。
【0021】
合成繊維としては、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66など)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどを挙げることができ、中でも嵩高性があるため結果的に補強効果に優れたものとなる点から、ポリオレフィンが好ましく、更にポリプロピレンが特に好ましい。
【0022】
繊維基布の目付は15〜100g/m2 であることが好ましく、より好ましくは20〜80g/m2 である。
目付が10g/m2 未満であると十分な補強効果が得られない恐れがあり、目付が100g/m2 を超えると重く取扱い性が劣るばかりか高コストとなる。
本発明において繊維基布は、堆肥材料の温度を上昇させ発酵を促すため黒色系濃色に着色されていることが好ましい。
【0023】
着色方法としては、繊維あるいは布帛とする前の原料樹脂に顔料などを混練しておく方法(いわゆる先染め)、繊維あるいは布帛とした後に染料などで着色する方法(いわゆる後染め)のいずれも採用することができる。
本発明の堆肥被覆シートは、上記無孔質フィルム1と上記繊維基布2とが積層された少なくとも2層構造を有するものである〔図1(A)参照〕。
【0024】
そして、その他に、繊維基布2と該繊維基布2に積層された無孔質フィルム1と該無孔質フィルム1に積層された繊維基布2(繊維基布/無孔質フィルム/繊維基布)とよりなる3層構造体〔図1(B)参照〕、繊維基布2と該繊維基布2の裏面に積層された無孔質フィルム1と、該繊維基布2の表面に積層された該無孔質フィルム1(無孔質フィルム/繊維基布/無孔質フィルム、)とよりなる3層構造体〔図1(C)参照〕等がある。
これらを更に積層して多層構造体とすることもできる。
【0025】
なお、堆肥被覆シートに求められる透湿性を損なうことのないよう、無孔質フィルムと繊維基布のそれぞれについて、素材や形態、厚みなどを適宜調整することはいうまでもない。
無孔質フィルムと繊維基布を積層させるには、熱接着によるサーマルラミネーション法、フィルム形成と接着を同時に行う押し出しラミネーション法など公知の方法を採用するとよい。
【0026】
中でも押し出しラミネーション法は、フィルム原料樹脂の溶融や押し出し、繊維基布との接合などをコンパクトにまとめて行うことができる。
そのため製造工程を簡略化し製造コストの軽減が可能であり、薄くて軽量、且つ接着性に優れた積層体を得ることができる点から好ましいものである。
また、接着剤による透湿性低下といった欠点がなく、接着工程におけるようなフィルム破れや皺などのトラブルも発生しにくい。
【0027】
本発明の堆肥被覆シートは、透湿度が1000〜10000g/m2 ・24hrであることが好ましく、より好ましくは3000〜8000g/m2 ・24hrである。
透湿度が1000g/m2 ・24hr未満であると、堆肥材料から蒸発した水蒸気が内部にたまるばかりか、発酵に必要な酸素の供給が不十分となる恐れがある。
透湿度が10000g/m2 ・24hrを超えても透湿性という点においては問題ないが、防水性を低下させるようになり好ましくない。
【0028】
堆肥被覆シートの耐水圧は5〜100kPaであることが好ましく、より好ましくは10〜50kPaである。
耐水圧が5kPa未満であると防水性が不十分で、雨水の浸入を防止できない恐れがある。
耐水圧が100kPaを超えても防水性という点においては問題ないが、透湿性を低下させるようになり好ましくない。
透湿度と耐水圧のバランスが不適正となって堆肥材料の水分調整が適正に行われなくなると、発酵効率が悪くなったり、最終的に良質な堆肥を得ることが困難となる。
【0029】
堆肥被覆シートの通気度は500秒/100cc以上であることが好ましく、より好ましくは1000秒/100cc以上である。
通気度が500秒/100cc未満であると、臭気漏れを防止できにくくなる恐れがある。
この場合の通気度は、臭気に関する通気度であって、臭気漏れの有無を観点として測定した結果を示すものである。
また、臭気として悪影響を与えるものは主としてアンモニアである。
【0030】
本発明の堆肥被覆シートAを使用して堆肥化する場合は、通常、床面(野外及び屋内を含む)に、直接、家畜の排泄物に藁や籾殻、おが屑などを混ぜて水分調整した堆肥材料3(すなわち出発原料となるもの)を堆積する。
もっとも、床面がコンクリートやアスファルト等で舗装されていない場合は、防水マット等を敷設することが好ましい。
【0031】
次いで、その堆肥材料の上を堆肥被覆シートで覆って、一定時間、放置する(図2参照)。
放置する間は、悪天候によって堆肥被覆シートが動いて堆肥材料が露出しないように、錘(砂袋等)を置いて固定するとよい。
また放置期間中は、発酵効率を上げるために、適宜、堆肥材料の攪拌操作(いわゆる「切り返し」という)を行うことが好ましい。
次に、本発明の堆肥被覆シートを使った実施例を示すが、本発明は、このような実施例に拘束されるものではない。
【0032】
【実施例】
次に、実施例を挙げて、本発明の堆肥被覆シートについて更に詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における透湿度、耐水圧および通気度は、以下の方法により測定した。
(1)透湿度
JIS L 1099 A−1法(塩化カルシウム法)により測定した。
(2)耐水圧
JIS L 1092 B法(高水圧法)により測定した。
(3)通気度
JIS L 1096 B法(ガーレ法)により測定した。
【0033】
【実施例1】
ペルプレンP−20BUX1(東洋紡績株式会社製、ブロック共重合ポリエステル樹脂(カーボンブラック入り)を、220℃でTダイによりフィルム状に押し出した。
その押し出したフィルムに対して10cmのエアーギャップをおいて、ポリプロピレン黒原着不織布(出光ユニテック株式会社製、スパンボンドタイプ、目付60g/m2 、撥水加工あり)を両サイドより接触させ、プレスロールにて全面圧着し、不織布/無孔質フィルム/不織布の3層構造体を得た。
この3層構造体の断面を電子顕微鏡で観察した結果、無孔質フィルムの膜厚は20μmであった。
また、透湿度、耐水圧、通気度は表1に示すとおりであった。
【0034】
【比較例1】
実施例1と同様の不織布にポリオレフィン系接着剤を塗布し、多孔質ポリエチレンフィルム(大和川ポリマー株式会社製、膜厚22μm、着色なし)を貼り合わせて2層構造体を得た。
さらに、前記2層構造体のフィルム側にポリオレフィン系接着剤を塗布し、実施例1と同様の不織布を貼り合わせて3層構造体を得た。
この3層構造体の断面を電子顕微鏡で観察した結果、多孔質フィルムの膜厚は貼り合わせ前と変化なく22μmであった。
また、透湿度、耐水圧、通気度は表1に示すとおりであった。
【0035】
【表1】
Figure 0004192019
【0036】
[堆肥化試験例1]
防水マットを敷設した上に、牛糞に藁を混ぜた堆肥材料を、高さ約1.5m、幅約3m、長さ10mの大きさに堆積したものを3個(A、B、C)用意した。
(A)は実施例1の3層構造体(本発明の堆肥被覆シート)によって被覆し、
(B)は比較例1の3層構造体(従来の堆肥被覆シート)によって被覆し、
(C)は被覆しないで(野積み状態)、3ヶ月間堆肥化を進めた。
なお、1ヶ月ごとに切り返し操作(攪拌操作)を行う以外は、堆肥材料を被覆シートで覆ったままとした。
また、切り返し時に合わせて、堆肥重量(初期重量を100%としたときの相対値)、水分含有率、温度(温度センサーで常時モニター)を計測した。
結果を表2に示す。
なお、比較例1の3層構造体では、2ヶ月目以降、フィルムの一部に破損が認められ、雨水の浸入を防止することができなかった。
これに対し、実施例1の3層構造体ではフィルムの破損もなく、3ヶ月の切り返し時には、藁もほとんど分解し、堆肥化が十分に進んでいると判断された。
【0037】
【表2】
Figure 0004192019
【0038】
[試験例2]
500ccのビーカーに堆肥材料100g入れたものを3個(A、B、C)用意した。
(A)は実施例1の3層構造体(本発明の堆肥被覆シート)によって被覆し、(B)は比較例1の3層構造体(従来の堆肥被覆シート)によって被覆し、(C)は被覆しないままとした。
なお、実施例1および比較例1の3層構造体は20cm×20cmの大きさに裁断したものを用い、また、ゴム製バンドを装着することにより、隙間からの臭気漏れを封じた。
3日間放置後、プラスチック製のカバーをして、更に6時間放置した後、カバー内の雰囲気をガス検知管(株式会社ガステック製、No.3La)を用いてアンモニアを測定した。
その結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
Figure 0004192019
【0040】
【発明の効果】
堆肥材料からの水蒸気発散を妨げることのない透湿性と、雨水等の浸入を防ぐ防水性を兼ね備えており、堆肥化を効率的に促進させることができる。
更に、臭気漏れをも防止することができる。
また、炭素微粉末を含んだ無孔質フィルムを使った場合は、臭気漏れがより確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、堆肥被覆シートの実施の形態を示す断面図である。
【図2】図2は、堆肥被覆シートの使用例を示す図である。
【符号の説明】
1…無孔質フィルム
2…繊維基布
3…堆肥材料
A…堆肥被覆シート

Claims (5)

  1. 堆肥材料を覆うことで堆肥化を促進するための堆肥被覆シートであって、
    繊維基布と無孔質フィルムとが積層されてなり、透湿度が1000〜10000g/m・24hr、耐水圧が5〜100kPa、JIS L 1096 B法(ガーレ法)で測定した通気度が、臭気漏れを防止するために、500秒/100cc以上であり、前記無孔質フィルムが、堆肥材料の温度を上昇させ発酵を効果的に促進させるための炭素微粉末を含むことを特徴とする堆肥被覆シート。
  2. 堆肥材料を覆うことで堆肥化を促進するための堆肥被覆シートであって、
    繊維基布と該繊維基布に積層された無孔質フィルムと、無孔質フィルムに積層された繊維基布とよりなり、透湿度が1000〜10000g/m・24hr、耐水圧が5〜100kPa、JIS L 1096 B法(ガーレ法)で測定した通気度が、臭気漏れを防止するために、500秒/100cc以上であり、前記無孔質フィルムが、堆肥材料の温度を上昇させ発酵を効果的に促進させるための炭素微粉末を含むことを特徴とする堆肥被覆シート。
  3. 堆肥材料を覆うことで堆肥化を促進するための堆肥被覆シートであって、
    繊維基布と該繊維基布の裏面に積層された無孔質フィルムと、該繊維基布の表面に積層された無孔質フィルムとよりなり、透湿度が1000〜10000g/m・24hr、耐水圧が5〜100kPa、JIS L 1096 B法(ガーレ法)で測定した通気度が、臭気漏れを防止するために、500秒/100cc以上であり、前記無孔質フィルムが、堆肥材料の温度を上昇させ発酵を効果的に促進させるための炭素微粉末を含むことを特徴とする堆肥被覆シート。
  4. 無孔質フィルムの膜厚が、7〜100μmであることを特徴とする、請求項1、2又は3記載の堆肥被覆シート。
  5. 繊維基布の目付が15〜100g/mであることを特徴とする、請求項1、2又は3記載の堆肥被覆シート。
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