JPH1033067A - 農業用被覆資材 - Google Patents

農業用被覆資材

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JPH1033067A
JPH1033067A JP8192408A JP19240896A JPH1033067A JP H1033067 A JPH1033067 A JP H1033067A JP 8192408 A JP8192408 A JP 8192408A JP 19240896 A JP19240896 A JP 19240896A JP H1033067 A JPH1033067 A JP H1033067A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光透過性と保温性を兼ね備えた農業用被覆資
材の提供。更には寸法安定性、作業性、強度の点で優
れ、場合によっては通気性にも優れた耐用年数の長い農
業用被覆資材の提供。 【解決手段】 熱可塑性合成樹脂に、保温剤及び少なく
とも一部末端が酸変成されたポリオレフィンを配合した
フラットヤーン8、又は熱可塑性合成樹脂の延伸テープ
である芯材1の両面に該芯材1より融点の低い熱可塑性
合成樹脂の外層2を被着して成り、芯材1と外層2の少
なくとも一方に、保温剤及び少なくとも一部末端が酸変
成されたポリオレフィンを配合した複層フラットヤーン
3を、縦横の少なくとも一方に配した農業用被覆資材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野菜や果樹などの
ベタ掛け、トンネルハウス、農業用ハウス等に覆設する
農業用被覆資材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、農作物の付加価値の向上を図るべ
く、ベタ掛け、トンネルハウス、農業用ハウス等を用い
た施設栽培が盛んに行われている。地方によっては、冬
から春先の低温期において、前記栽培施設内の雰囲気温
度や地温が著しく低下し、殊に雲が発生していない日に
おいては放射冷却現象によって地温の冷却が更に促進さ
れ作物に害をもたらすことが多い。その様な背景より、
この様な被覆資材の分野にあってもポリ塩化ビニルフィ
ルムや、延伸・スプリットしたポリビニルアルコール系
ウェブによる割繊維不織布等、光透過性又は保温に優れ
たものが数多く開発されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリ塩
化ビニルフィルムは、使用していくうちにフィルムに含
まれる可塑剤が表面にブリードし、さらには埃が付着す
るなどの理由で光透過性が低下する為に、日中、作物や
地面に対して日光を十分に供給できなくなるという問題
があり、一方、ポリビニルアルコール製割繊維不織布
は、吸湿性が高いために膨潤し易く、それによって引張
強度が低下する他、吸湿・乾燥に応じて膨脹・収縮し寸
法安定性に劣るという問題がある。又、保温効果を高め
るべく単に保温剤を添加したのでは、延伸加工に伴うボ
イドの発生によって光透過性が悪くなり、高い保温性と
良好な日照の双方が望まれる用途には適さないという問
題もあった。
【0004】本発明は上記実情に鑑みて成されたもので
あり、その目的とするところは、光透過性と保温性を兼
ね備えた農業用被覆資材の提供にあり、更には寸法安定
性、作業性、強度の点で優れ、場合によっては通気性に
も優れた耐用年数の長い農業用被覆資材の提供を目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明による農業用被覆資材は、熱可塑性合
成樹脂に、保温剤及び少なくとも一部末端が酸変成され
たポリオレフィンを配合したフラットヤーン、又は熱可
塑性合成樹脂の延伸テープである芯材の両面に該芯材よ
り融点の低い熱可塑性合成樹脂の外層を被着して成り、
芯材と外層の少なくとも一方に、保温剤及び少なくとも
一部末端が酸変成されたポリオレフィンを配合した複層
フラットヤーンを、縦横の少なくとも一方に配したこと
を特徴とする農業用被覆資材。縦横に配したフラットヤ
ーンを相互に離隔し通気孔を形成しても良く、表裏の少
なくとも一方の面に、光透過性を有する表層膜を形成し
ても良い。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明による農業用被覆資
材の実施の形態を図面に基づき説明する。図1の(ロ)
乃至(ホ)に示す農業用被覆資材は、熱可塑性合成樹脂
の延伸テープである芯材1の両面に、該芯材1より融点
の低い熱可塑性合成樹脂の外層2を被着して成る複層フ
ラットヤーン3を縦横に配し、複層フラットヤーン3相
互の交差部4を融着して成る農業用被覆資材であって、
芯材1と外層2の少なくとも一方にハイドロタルサイト
類化合物を配合すると共に、少なくとも一部末端が酸変
成されたポリオレフィンを適宜配合したものである。
尚、前記各図には、各複層フラットヤーンの外層2が、
隣接する他の複層フラットヤーン3の外層2と溶融一体
化した状態で示してある。
【0007】芯材1の延伸テープとなる熱可塑性合成樹
脂は、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ナイロン6、ナイロン6・6、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等から
選択すれば良いが、加工性とコストの面で高密度ポリエ
チレン、ポリプロピレンが望ましい。
【0008】高密度ポリエチレンとしては、エチレンの
単独重合体、或いは、ポリプロピレンやブテンを例とす
るα−オレフィンとエチレンとの共重合体、又はそれら
の混合物が挙げられ、密度(JIS K7112、以下
省略):約0.940〜0.960g/立方センチメー
トル、融点(DSC法による融解終了温度、以下省
略):約130〜140℃、メルトフローレート(JI
S K7210、以下省略):0.3〜2.0g/10
分間の条件を満たすものを選択する。
【0009】一方、ポリプロピレンとしては、プロピレ
ンの単独重合体、或いは、エチレンを例とするα−オレ
フィンとプロピレンとのブロック共重合体、又はそれら
の混合物が挙げられ、密度:約0.900〜0.908
g/立方センチメートル、融点:約155〜170℃、
メルトフローレート:0.3〜10.0g/10分間の
条件を満たすものを選択する。
【0010】外層2の素材となる熱可塑性樹脂として
は、低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリ
ル酸エチル共重合体、アイオノマー、線状低密度ポリエ
チレン、ポリエチレンテレフタレート、或いは、エチレ
ンやブテンを例とするα−オレフィンとプロピレンとの
ランダム共重合体等から選択すれば良いが、加工性とコ
ストの面で低密度ポリエチレン、プロピレン・エチレン
ランダム共重合体が望ましい。
【0011】低密度ポリエチレンとしては、密度:約
0.910〜0.930g/立方センチメートル、融
点:約100〜120℃、メルトフローレート:0.3
〜10.0g/10分間の条件を満たすものから選択す
る。一方、プロピレン・エチレンランダム共重合体とし
ては、エチレンを約2.5〜8.0重量パーセント含有
するものであって、融点:約130〜150℃、メルト
フローレート:0.5〜15.0g/10分間の条件を
満すものから選択する。
【0012】上記芯材1は、複層フラットヤーン3の強
度の確保、即ち農業用被覆資材の耐久性を確保する役割
を担うものであり、外層2は、被覆資材の基布を呈して
縦横に走る複層フラットヤーン3相互の交差部4を融着
固定するシーラント材としての役割を担うものである。
上記事項は、それぞれの役割に適した条件の一部を示し
たものであり、各々必要とされる物性を損なわない程度
で記述した素材を混合しても差支えない。尚、外層2を
構成する熱可塑性合成樹脂の融点は、芯材1を構成する
ものの融点よりも約10℃以上低いことが望ましいが、
必ずしも芯材1の表裏に同じ素材より成る外層2を形成
する必要はない。
【0013】上記複層フラットヤーン3の主材へ混合す
るハイドロタルサイト類化合物は、農業用被覆資材に適
当な保温性を付与するものであり、化1の化学式に相当
するものを指す。又、n価のアニオンは、化2に、ハイ
ドロタルサイト類化合物の具体例は、化3に列挙した。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】上記ハイドロタルサイト類化合物は、前記
芯材1及び外層2の主材たる熱可塑性合成樹脂100重
量部に対して5〜30重量部を添加すれば良く、その際
芯材1への添加は必須であって、外層2へは、全然添加
しないでおくか、もしくは芯材1よりも少なめに添加し
ておく。
【0018】同様に複層フラットヤーン3の主材へ混合
する少なくとも一部末端が酸変成されたポリオレフィン
(以下、酸変成POと記す)は、混ざりにくい素材の密
着性を高める性質をもって、延伸に伴うハイドロタルサ
イト類化合物の添加によるボイドの発生を抑制するもの
である。
【0019】酸変成POは、末端二重結合を有するそれ
らポリオレフィンに、不飽和カルボン酸或いはその無水
物の少なくとも一方を化学的に付加して合成できるもの
である。望ましい酸変成POは、軟化点が90〜170
℃前後、酸価が5〜80mgKOH/g前後のものであ
り、望ましい末端二重結合を有するポリオレフィンとし
ては、1,000炭素当り1〜10の末端二重結合を有
し、且つ数平均分子量が800〜20,000の範囲に
あるものが挙げられる。末端二重結合が前記下限を下回
るものでは所望の酸変成は行えず、上限を上回ると酸変
成POの耐熱性が低下するので好ましくない。又、数平
均分子量が上記下限を下回るとフラットヤーンの強度が
低下し、加工性が悪くなる一方、上限を上回ると十分な
酸変成を行うことができなくなる。
【0020】酸変成に用いるものとしては、(メタ)ア
クリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽
和カルボン酸、又は、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無水ナジ
ック酸等の不飽和カルボン酸無水物の少なくとも一方を
0.1〜12重量パーセント程度含有するものが望まし
いが、これら直接酸変成された物を未変成物で適宜希釈
して用いても良い。
【0021】ハイドロタルサイト類化合物の添加によっ
て、前記の如く保温性が高まるものの、その配合量の増
加に伴ってボイドの発生が顕著となり、光透過性が低下
する傾向が出る。しかしながら、酸変成POを添加する
ことによってボイドの発生を抑制できることも記述の通
りである。従って、それらの配合量を用途に応じて適宜
調節することによって、用途に最適な保温効果と光透過
性を農業用被覆資材に付与することができるものであ
る。
【0022】上記素材を配合した材料は、公知の混練装
置を用いて既存の分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線
吸収剤、滑剤、防曇剤、帯電防止剤、抗菌剤等と共に混
練して作製しても良いし、高濃度のいわゆるマスターバ
ッチを作製し、それを希釈して使用しても良い。
【0023】上記素材を用いて複層フラットヤーン3を
形成する際は、芯材1用或いは外層2用として、熱可塑
性合成樹脂にハイドロタルサイト類化合物や酸変成PO
を所望量配合した材料を、3層の丸型ダイス又は3層T
型ダイスを装着した2台の押出機にてフィルム状に押出
し、これを冷却固化してテープ状に裁断し、例えば、熱
風循環オーブン、熱ロール、熱板等を用いて引取り方向
へ2.5〜8.0倍に延伸し、更に熱風循環式オーブン
等を用いて80〜160℃下、3〜15%の弛緩熱処理
を施すといった工程を経る。
【0024】押出時の材料温度は、200〜280℃前
後、冷却固化後の肉厚は30〜130μm前後、テープ
状の裁断幅は1〜20mm前後であり、これらの工程を
経て得られる複層フラットヤーンは、50〜2000デ
ニールであって、糸幅が0.3〜6.0mm、肉厚が1
5〜80μm、肉厚構成比が外層:芯材:外層=5:9
0:5〜25:50:25である。尚、外層2の厚み
は、芯材1である延伸テープの表裏で異なっていても良
く、時には芯材1や外層2を各々複層構造としても良
い。
【0025】又、裁断してフラットヤーンと成る前のフ
ィルムを複層構造とする手段には、予め芯材1となるフ
ィルム及び外層2となるフィルムを形成しドライラミネ
ート法や熱ラミネート法を用いて複層化する手段や、予
め形成した芯材1となるフィルムに外層2を押出ラミネ
ートする手段や、多層共押出法により積層フィルムとし
て押出し成形する手段などの公知の手段から適宜選択し
用いれば良いが、成形の容易さやコスト面並びに、製品
の各層間の接着性及び光透過性の点では多層共押出法が
優れている。
【0026】農業用被覆資材の基布は、通常縦横約4〜
25本/インチ幅で打ち込み平織や綾織等が施された織
布として形成されるが、例えば、前記の如く作製された
フラットヤーン3を縦横に引き揃えて積層して成る不織
布や、スプリット加工を施した幅広のウェブを拡幅し積
層して成る割繊維不織布として形成しても良い。そし
て、それらは加熱ロールや熱板等により縦糸と横糸の交
差部が接着され、該交差部4が固定される(接着時の温
度は、フラットヤーンのデニール、肉厚、外層2として
選択した素材の融点、基布の引取り速度等により異な
る)。縦糸と横糸は相互に直交しているのが望ましく、
それによって該被覆資材の収束性が高まる。尚、基布強
度を高める目的で縦横少なくとも一方向に単層のフラッ
トヤーン(素材にハイドロタルサイト類化合物や酸変成
POを配合したものでも良い。)や、既述のものと素材
が異なるフラットヤーン3を、縦糸と横糸の交差部4の
熱融着性や基布と表層膜7との接着性を損ねない範囲で
打ち込む場合もある。
【0027】先に記した範囲の素材を用い、上記手段を
経て作製した農業用被覆資材の基布について種々サンプ
ルを採取し、ハイドロタルサイト類化合物と酸変成PO
の配合状態の相違をパラメータとしてそれらの特性を測
定し考察した。以下、サンプルの主な組成及びその光線
透過率、保温性、引張強度、引張伸度、引裂強度、目付
け重量の測定結果を表1、表2、表3に記す。尚、前記
以外の素材との特性の相違を明らかにすべく表2及び表
3にはポリビニルアルコール系不織布とポリ塩化ビニル
フィルムの測定結果も併記した。
【0028】尚、各サンプルについては、芯材となる熱
可塑性樹脂として、融点が133℃、メルトフローレー
トが0.6g/10分間に設定された高密度ポリエチレ
ンを選択し、外層となる熱可塑性樹脂として、融点が1
13℃、メルトフローレートが4.0g/10分間の低
密度ポリエチレンを選択し、化4に示すハイドロタルサ
イト類化合物や酸変成POを熱安定剤や光安定剤と共に
適宜混入して芯材1及び外層2の材料とし、それらの材
料から、材料温度を約230℃に設定し三層丸型ダイス
を用いて行なった押出し工程と、熱板延伸法により約1
05℃下で引取方向へ6.5倍に延伸する行程と、弛緩
率8%での弛緩熱処理を経て、520デニール、糸幅が
1.5mm、肉厚が約40μm、肉厚構成比が外層:芯
材:外層=15:70:15の複層フラットヤーンを製
作しサンプルの原糸とした。又、該三層フラットヤーン
の打ち込み本数を縦横8本/インチ幅に設定し、平織と
した基布へ約120℃の熱ロールを接触させ縦横に配し
たフラットヤーンの交差部を熱融着した。
【0029】
【化4】
【0030】又、光線透過率を得るに当たっては、照度
計により無被覆下における太陽光による照度(I0 )
と、同時刻に照度計の50cm上方にサンプルを個々に
介入した際の太陽光による照度(I1 )を測定し、次式
から算出した。 光線透過率(%)=I1 /I0 ×100 光線透過率の経時的変化にあっては、各サンプルを実際
にトンネル被覆法にて配設し、所定期間毎に前記方法で
測定した。
【0031】保温性は、各サンプルを用いて間口約1.
0m、高さ0.8m、長さ約3mの農業用トンネルを各
々設置し、地上15cmの位置にて各農業用トンネル内
外の気温を12月から翌年の2月に亘って継続して測定
し、各農業用トンネル内部における測定気温の最低値を
表示したものである。因みに、その日の外気温度は−
1.0℃であった。引張強度、引裂強度及び引張伸度並
びに目付け重量(単位面積当たりの重量)は、JIS
L−1096によって測定したものであり、基布の縦横
各方向の測定値を平均したものである。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】表1は、各サンプルにおけるハイドロタル
サイト類化合物と酸変成POの配合状態を示したもので
ある。ここで、外層の欄にa又はbと記してあるサンプ
ルは、芯材のみならず外層へもハイドロタルサイト類化
合物及び酸変成POを配合したサンプルであって、酸変
成POについてはa、b共に芯材と同じものが配合さ
れ、ハイドロタルサイト類化合物については、その配合
割合をaでは10重量部、bでは5重量部としたもので
ある。
【0036】光線透過率の適正値は、農業用被覆資材の
用途に応じてことなるので、ここでは専ら光線透過率の
衰退について考察した結果、光線透過率の衰退は、芯材
1と外層2の少なくとも一方にハイドロタルサイト類化
合物を配合したサンプルの方が、ポリビニルアルコール
系不織布やポリ塩化ビニルフィルムよりも幾分少ないこ
とを示している。
【0037】保温性の劣るサンプルの特徴としては、ハ
イドロタルサイト類化合物の配合量が少ないもの、ハイ
ドロタルサイト類化合物の配合量は十分であるが酸変成
POの配合量が少ないものが挙げられる。前記保温性の
測定方法に鑑みれば、このデータは、保温性のみを純粋
に示すものではなく、日中における該トンネル内部の土
壌の受光量も少なからず影響する点で光透過性の要素も
含むものと考えることができる。即ち、ハイドロタルサ
イト類化合物の持つ保温性と、酸変成POの添加により
付与されるボイド抑制作用のバランスが良好であって高
い光線透過率が付与されたサンプルが該保温性の項目に
おいて好ましい結果を挙げているといえる。測定結果か
らも、ハイドロタルサイト類化合物10〜30重量部、
酸変成POを5〜30重量部に設定すると、一般的に冷
害の少ない良好なトンネルが設営できると考えられる。
又、引張強度、引張伸度及び引裂強度の点では本発明に
よる農業用被覆資材はポリビニルアルコール系不織布や
ポリ塩化ビニルフィルムと比較して各々良好な値を示し
ている。
【0038】上記の如く、ハイドロタルサイト類化合物
の添加によって、前記の如く保温性が高まるものの、そ
の配合量の増加に伴ってボイドの発生が顕著となり、光
透過性が低下する傾向が出る。製造に当たっては、その
ことに配慮しつつ、ハイドロタルサイト類化合物と酸変
成POの配合割合を、用途に応じて適宜調節しなければ
ならない。尚、ハイドロタルサイト類化合物が添加され
た熱可塑性合成樹脂は、吸湿(水)しやすい傾向にあ
り、吸湿した材料を用いることは、押出加工において水
分の揮発による発泡現象を引き起こす要因となる。よっ
て、押出加工に際して、乾燥した材料を用いることが、
非作為的な発泡を抑え、換言すれば保温剤と酸変成PO
の配合量を調節することによる光透過性の制御の確実性
が高まり、結果として外観的に優れたフラットヤーンが
得られることとなる。消極的ではあるが、光透過性を調
節する手段としては、物性を損なわない範囲で多層フラ
ットヤーンに淡い着色を施したり、長手方向に連続する
微細な筋状の凹凸を設けたり、微細なスプリット加工を
施すといった手段も挙げられる。
【0039】実施の形態としては、上記構成の農業用被
覆資材を基布6として、その表裏の少なくとも一方に、
光透過性のある表層膜7をラミネート法等によって形成
する場合もある。表層膜7用の樹脂組成物としては、基
本的に密度:0.910g/立方センチメートル以上
0.945g/立方センチメートル以下のポリエチレン
系樹脂を用いることもできるが、耐摩耗性を高め、或い
は押出加工性を安定させる点で密度:0.934g/立
方センチメートル〜0.942g/立方センチメートル
のものが望ましい。メルトフローレートは4〜20g/
10分間が望ましい。
【0040】密度:0.930g/立方センチメートル
を下回るポリエチレン系樹脂組成物を原料とした表層膜
7は、耐摩耗性や滑り性が悪いために、シート表面にキ
ズが入り易く透明性低下の原因となり、巻き上げ・巻き
下げ作業時においては、シート表面の滑り性不良に伴う
作業性の悪化の原因となる。一方、原料樹脂の密度が
0.945g/立方センチメートルを上回ると、押出負
荷が大きくなるなど加工性が悪くなったり、シートの腰
が強くなり展張作業性が悪くなるなどの問題が生じる。
そこで、前記の如く密度の範囲を設定すれば、透明性の
持続性と耐摩耗性と作業性を兼ね備えた農業用被覆資材
の形成が可能となるものである。尚、表層膜の厚みとし
ては剛軟性と作業性とのバランスがとれた20〜50μ
mの範囲が望ましい。
【0041】上記実施の形態では、複層フラットヤーン
にて基布を形成した例を示したが、保温剤及び酸変成P
Oの配合割合はバランスのとれたものであれば、図1
(イ)の如く熱可塑性合成樹脂を素材とする単層フラッ
トヤーンを用いて基布を形成しても良く、製造方法の面
でも単層のダイスを用いる事以外は前記複層フラットヤ
ーンを用いる場合と大きな違いは無い。又、保温剤の素
材にあっても、ハイドロタルサイト類化合物に限定され
るものでは無く、他にアルミニウム・リチウム複合水酸
化物塩等が挙げられる。
【0042】又、縦横に配したフラットヤーンを相互に
離隔し、通気孔を形成したとしても該フラットヤーンの
素材に保温剤を配合することにより、通気性と保温効果
の双方を満足させることができる。即ち、前記保温剤を
配合した被覆資材は、通気孔を介して空気は出入りする
ものの、地球放射による電磁波(赤外線領域の波長を有
するもの)がハウス外へ放射されるのを防止できるため
に、地表やそれに接する空気が冷えて凍結するといった
最悪の事態は確実に防止することができるというもので
ある。
【0043】
【発明の効果】以上のごとく、本発明による農業用被覆
資材を使用すれば、優れた光透過性と保温性が長期間に
亘って安定し、例えば、軟弱野菜など農作物の好適な栽
培が可能となる。しかも、高い強度と耐久性によって耐
用年数が長く、寸法安定性が高く軽量であるために展張
作業性が極めて良好であるなど高い実用性を奏する。更
に、表層膜を形成すれば表面が平滑となって透明性を高
めることができる他、耐摩耗性の高い表層膜を形成すれ
ば、所定の光透過性をより長期に亘って安定して保つこ
とができる。又、縦横に配した複層フラットヤーンを相
互に離隔し通気孔を形成した農業用被覆資材によれば、
作物の栽培に重要な通気性付与、過度の温度上昇及び蒸
れの防止効果が加わり、作物の成育状態が高まる一方で
病害の発生や害虫の侵入をも防止できる他、軽量化に加
えて収束性と作業性の向上にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】の(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)本発明によ
る被覆資材の例を示す断面図である。
【図2】の(イ)(ロ)本発明による被覆資材の基布の
例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 芯材 2 外層 3 フラットヤーン 4 交差部 5 通気孔 6 基布 7 表層膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 幹男 富山県黒部市沓掛2000番地 ダイヤテック ス株式会社黒部工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性合成樹脂に保温剤及び少なくと
    も一部末端が酸変成されたポリオレフィンを配合したフ
    ラットヤーン(8)を、縦横の少なくとも一方に配した
    ことを特徴とする農業用被覆資材。
  2. 【請求項2】 熱可塑性合成樹脂の延伸テープである芯
    材(1)の両面に該芯材(1)より融点の低い熱可塑性
    合成樹脂の外層(2)を被着して成る複層フラットヤー
    ン(3)を縦横に配し、且つ複層フラットヤーン(3)
    同志の交差部(4)を融着して成る農業用被覆資材にお
    いて、芯材(1)と外層(2)の少なくとも一方に、保
    温剤及び少なくとも一部末端が酸変成されたポリオレフ
    ィンを配合したことを特徴とする農業用被覆資材。
  3. 【請求項3】 縦横に配したフラットヤーン(8,3)
    を相互に離隔し通気孔(5)を形成したことを特徴とす
    る請求項1又は2記載の農業用被覆資材。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の農業用被覆資材よ
    り成る基布(6)の少なくとも一方の面に、光透過性を
    有する表層膜(7)を形成したことを特徴とする農業用
    被覆資材。
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