JP4377151B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者が比較的短時間で多くの賞球を獲得できるように、特別遊技中に大入賞口を繰り返し開閉させる、遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、換金及び/又は景品交換可能な遊技機として、パチンコ遊技機を挙げることができる。
【0003】
近時、パチンコ遊技機では、発射部から遊技盤上に発射された遊技球が始動口に入賞すると、通常遊技から短時間で多数の賞球が獲得できる特別遊技に移行させる機種が主流となっている。具体的には、特別遊技に移行すると、大入賞口が予め定めるラウンド数に対応した回数繰り返し開放され、遊技者にとってインパクトのある有利な遊技状態が創出される。
【0004】
上記主流のパチンコ遊技機として、いわゆる役物に遊技球貯留機能を付与し、遊技者に大入賞口への入賞に対する期待感を与えるようにしたものが種々提案されている。
【0005】
この種の典型的な例としては、特許文献1にて開示されているパチンコ遊技機を挙げることができる。
【0006】
かかる特許文献1に係るパチンコ機では、図11に示すように、上記役物として3つの風車1,2,3が採用されており、これら風車1〜3は、遊技盤4上に回転自在に支持されている。具体的には、第1の風車1及び第2の風車2は、大入賞口5の上方において左右方向に所定間隔を隔てて配置されている。第3の風車3は、第1の風車1及び第2の風車2よりも小径に形成されており、遊技盤4の中央最上部に配置されている。各風車1〜3の3枚の羽根6は、当該風車1〜3の回転中心から当該風車1〜3の円周方向に向かって放射状に延びている。すなわち、風車1〜3は、遊技盤4上に発射された遊技球が2枚の羽根の間に貯留されるようになっている。また、各風車1〜3の各羽根6の端縁部には、当該風車1〜3の円周方向に沿い且つ所定長さを以って所定の加工が施されている。これにより、遊技盤4上に発射された遊技球は、羽根6の加工部に当たると、当該加工部に弾かれて風車1〜3に入り難くなるが、風車1〜3の2枚の羽根の間に一旦貯留された遊技球は、当該風車1〜3が多少傾いても直ぐに崩れ落ちることはない。そのため、ある程貯留された遊技球を大入賞口5に導くことができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−182831号公報(段落0029〜0031)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示されているパチンコ遊技機では、風車1〜3は、大入賞口5の開閉に関係なく、自由に回転する。そのため、各風車1〜3の遊技球貯留状態が解除されるタイミングは、偶然性に委ねられることになり、当該風車1〜3から解放された遊技球が大入賞口5に必ず入賞するとは限らない。その結果、特別遊技の消化時間が長くなることが多々あり、遊技の回転率を低下させる、大きな要因の1つとなっているのが実情である。
【0009】
そこで、本発明者は、役物の遊技球貯留状態を解除するタイミングを大入賞口の開閉動作インターバルに関連付け、役物から解放された遊技球が大入賞口に入賞する必然性を高めるようにすれば、上記の事態を回避できるのではないかと着想した。
【0010】
本発明は、上記着想に基づきなされたもので、特別遊技の消化に要する時間を短縮でき、もって遊技の回転率を向上させることができる、遊技機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、遊技盤と、前記遊技盤上に設けられ、遊技者に有利な特別遊技中に開閉可能とされる大入賞口と、前記遊技盤上を落下してきた複数個の遊技球を貯留及び貯留解除可能とし、貯留した遊技球を解放したときに当該遊技球が前記大入賞口に入賞可能となる前記遊技盤上の位置に設けられている遊技球収容体と、前記遊技球収容体を稼動させることにより、遊技球を貯留できる貯留状態と遊技球の貯留を解放できる貯留解除状態とを可逆的に移行する収容体制御手段とを備え、前記収容体制御手段は、特別遊技中に前記大入賞口が開放されたことを条件に、前記遊技球収容体を貯留状態から貯留解除状態へ移行させる。
【0012】
上記構成によると、遊技球収容体に貯留されていた複数個の遊技球は、特別遊技において大入賞口が開放されたときに解放される。そのため、大入賞口の開放に伴って、大量の遊技球を当該大入賞口に入賞させることができる。その結果、特別遊技の消化に要する時間を短縮でき、もって遊技の回転率を向上させることができる。
【0013】
前記収容体制御手段は、特別遊技中に前記大入賞口が閉鎖されている間、前記遊技球収容体を貯留状態にする。
【0014】
上記構成によると、遊技球収容体は、特別遊技中に大入賞口が閉鎖されている間に、アウト球となる可能性の高い遊技球を貯留して大入賞口への入賞球とし得る。そのため、遊技球の大入賞口への入賞確率を高めることができる。その結果、特別遊技の消化時間をより短縮できる。
【0015】
前記遊技球収容体は、前記大入賞口に入賞する可能性の低い前記遊技盤上の位置を落下する遊技球を貯留し、貯留解除状態に移行することにより貯留された遊技球を前記大入賞口に入賞する可能性の高い前記遊技盤上の位置に解放する。
【0016】
上記構成によると、遊技球収容体は、アウト球となる可能性の高い遊技球をより確実に貯留してより確実に大入賞口へ入賞させる。そのため、遊技球の大入賞口への入賞確率をより一層高めることができる。その結果、特別遊技の消化時間をより一層短縮できる。
【0018】
上記構成では、特別遊技において大入賞口が開放されたときに、遊技球収容体に貯留されていた複数個の遊技球が解放され、これに伴って大量の遊技球が大入賞口に入賞する結果、特別遊技の消化時間を短縮でき、もって遊技の回転率を向上させることができる。
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
本発明の遊技機は、遊技盤と、前記遊技盤上に設けられ、遊技者に有利な特別遊技中に開閉可能とされる大入賞口と、前記遊技盤上を落下してきた複数個の遊技球を貯留及び貯留解除可能とし、貯留した遊技球を解放したときに当該遊技球が前記大入賞口に入賞可能となる前記遊技盤上の位置に設けられている遊技球収容体と、前記遊技球収容体を稼動させることにより、遊技球を貯留できる貯留状態と遊技球の貯留を解放できる貯留解除状態とを可逆的に移行する収容体制御手段とを備え、前記遊技球収容体は、先端面及び上面が開口されている樋状部材で構成され、前記収容体制御手段は、特別遊技中に前記大入賞口が開放されたことを条件に、前記遊技球収容体を貯留状態から貯留解除状態へ移行させる。
前記遊技球収容体の長さ寸法は、複数個の遊技球を貯留できる長さに設定されている。
前記遊技球収容体が貯留状態にあるとき、前記遊技球収容体の後端部には、貯留した遊技球が抜け落ちるのを防止するためのストッパーが嵌め込まれている。
前記遊技球収容体が貯留状態にあるとき、前記遊技球収容体の先端部は、斜めにカットされている。
前記遊技機は、前記遊技盤上を落下してきた遊技球を前記遊技球収容体内に案内するための案内釘群を更に備え、前記案内釘群は、釘間距離が下方に向かうに従って漸次縮小する。
前記収容体制御手段は、特別遊技中に前記大入賞口が閉鎖されている間、前記遊技球収容体を貯留状態にする。
前記遊技球収容体は、前記大入賞口に入賞する可能性の低い前記遊技盤上の位置を落下する遊技球を貯留し、貯留解除状態に移行することにより貯留された遊技球を前記大入賞口に入賞する可能性の高い前記遊技盤上の位置に解放する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
<実施の形態1>
1. 機械的構成
図1を参照して、本発明の実施の形態1に係るパチンコ遊技機10は、本体枠11、及びこの本体枠11に組み込まれている遊技盤12を備えている。本体枠11及び遊技盤12の両者は、矩形形状を呈している。
【0021】
本体枠11の内縁には、遊技盤12の前面(遊技面)を覆うように、窓枠13が嵌め込まれており、本体枠11の上部左右には、装飾ランプ14L,14Rが設けられている。この装飾ランプ14L,14Rは、遊技状態が変化したとき(例えば、特別遊技に移行したときやリーチとなったとき)に点灯又は点灯する。
【0022】
窓枠13は、透明窓と一体となっており、その下方には、上皿15及び下皿16が設けられている。上皿15の幅寸法は、下皿16の幅寸法よりも大に設定されており、上皿15及び下皿16の両者は、当該両者の左側面が面一となるように、本体枠11に取り付けられている。それゆえ、下皿16の下方には、スピーカー17が配置されており、上皿15の下方であって下皿の右側には、発射ハンドル18が配置されている。
【0023】
スピーカー17は、遊技状況に応じて効果音を発するものであって、本体枠11に嵌め込まれている。
【0024】
発射ハンドル18は、遊技球B(図2及び図3参照)を遊技盤12上に発射させるためのものであって、本体枠11に回動自在に取り付けられている。発射ハンドル18の裏側には、発射モーター19が設けられている。ハンドル18を回動操作すると、制御装置100(図5参照)からの電力供給によりモーター19が作動し、上皿15に貯留されている遊技球Bがハンドル18の回動角度に応じた強さで遊技盤12に向かって発射される。この発射された遊技球Bは、遊技盤12の周縁に設けられている案内レール20に沿って遊技盤12の上部に案内される。この案内された遊技球Bは、遊技盤12上で多数の傷害釘等に衝突して進行方向を変えながら、遊技盤12の下部に向かって落下する。
【0025】
1−1.遊技盤
図2及び図3を参照して、遊技盤12の略中央部には、表示装置21が設けられており、下部には、大入賞装置22が設けられている。
【0026】
表示装置21は、LCD等から成る主表示部21Aと、7セグメント表示器等から成る副表示部21Bとを備えている。主表示部21Aの左右両側には、球通過検出器23L,23Rが設けられている。この球通過検出器23L,23Rが遊技球Bの通過を検出すると、制御装置100は、副表示部21Bに表示される普通の図柄を変動表示させ、その後、所定のタイミングで普通図柄を停止表示させる。ここに、普通図柄とは、数字や記号等から成る識別情報画像を含む概念である。一方、副表示部21Bは、主表示部21Aの中央上部に配置されている。副表示部21Bの左右両側には、保留ランプ24A,24B,24C,24Dが設けられている。この保留ランプ24A〜24Dは、点灯により可変表示ゲームの保留回数を示すものであって、4回を限度として点灯する。
【0027】
表示装置21の主表示部21Aと大入賞装置22との間には、始動口25が設けられている。始動口25には、始動口入賞センサー26が備えられており、この始動口入賞センサー26が遊技球Bの始動口25への入賞を検出すると、制御装置100は、主表示部21Aに表示される複数の図柄を変動表示させる。換言すると、遊技球Bの始動口25への入賞は、主表示部21Aに表示される複数の図柄を変動表示状態に移行させる(即ち、可変表示ゲームを開始させる)契機となる。始動口25の周縁には、遊技球Bの当該始動口25への入賞のし易さを左右する一対の可動片27L,27Rが設けられている。この可動片27L,27Rは、一般に電動チューリップと称されるものであって、ソレノイド500(図5参照)によって開閉される。副表示部21B上で普通図柄が所定の図柄で停止表示すると、制御装置100は、ソレノイド500を作動させ、始動口25を所定時間開放状態にする。
【0028】
大入賞装置22には、大入賞口28が形成されており、この大入賞口28を開閉するシャッター29が備えられている。大入賞口の奥には、通常球通過孔及び特定球通過孔が設けられている。
【0029】
シャッター29は、遊技盤12に対して上下方向に回動自在に取り付けられており、その駆動源は、ソレノイド600(図5参照)である。可変表示ゲームにおいて、主表示部21Aに停止表示された複数の図柄の組み合わせが予め定める特定の組み合わせになり、遊技状態が特別遊技に移行した場合には、制御装置100は、ソレノイド600を作動させ、シャッター29を開成状態とする。その結果、大入賞口28が開放される。
【0030】
シャッター29の開成状態(即ち、大入賞口28の開放状態)は、所定入賞球数(ノルマ球数n)或いは所定時間t1に達するまで継続される。このシャッター29の開成中に、遊技球Bが大入賞口28の特定球通過孔に入球することを条件として、予め定める回数を上限として大入賞口28の開閉が繰り返し行われる。換言すると、特別遊技中に、1ラウンド毎に少なくとも1個の遊技球Bを大入賞口28の特定球通過孔に入球させれば、予め定めるラウンド数の範囲内において次のラウンドに進める権利が遊技者に与えられる。遊技球Bが大入賞口28に入賞すると、予め設定されている個数の遊技球Bが上皿15又は下皿16に払い出される。
【0031】
始動口25と大入賞装置22との間には、左右一対の遊技球収容体30L,30Rが設けられている。この収容体30L,30Rは、遊技盤12上を落下してきた複数個の遊技球Bを貯留し、且つ、貯留していた複数個の遊技球Bを大入賞口28に向かって一気に解放させるためのものであって、大入賞装置22を挟んで左右方向に所定間隔を隔てて配置されている。
【0032】
特に、遊技球収容体30L,30Rは、遊技盤12に対して軸31L,31R周りに所定角度α(本実施の形態1では60度前後)の範囲内で上下方向に回動自在に支持されており、遊技球Bを貯留できる貯留状態I(図2において実線で示す)と、遊技球Bの貯留を解決できる貯留解除状態II(図3において実線で示す)とに可逆的に切り替えられるようになっている。軸31L,31Rは、遊技盤12を貫通してパルスモーター700L,700R(図5参照)の出力軸に結合されている。特別遊技への移行に伴って、大入賞口28がシャッター29により開放されると、制御装置100は、パルスモーター700L,700Rを正転させ、収容体30L,30Rを下方に向かって回動させて貯留解除状態IIとする(図3参照)。一方、特別遊技中に大入賞口28がシャッター29により閉鎖されると、制御装置100は、パルスモーター700L,700Rを逆転させ、収容体30L,30Rを上方向に向かって回動させて貯留状態Iとする(図2参照)。
【0033】
始動口25と遊技球収容体30L,30Rとの間には、左右一対の案内釘群32L,32Rが設けられている。この案内釘群32L,32Rは、遊技盤12上を落下してきた遊技球Bを遊技球収容体30L,30R内に案内するためのものであって、始動口25を挟んで所定間隔を隔てて配置されている。案内釘群32L,32Rの遊技球案内幅(釘間距離)は、下方に向かうに従って漸次縮小するように設定されている。
【0034】
遊技球収容体30L,30Rの回転中心軸31L,31Rの取付位置は、以下の条件を満足するように設定されている。
(1)図2に示すように、収容体30L,30Rが貯留状態Iにあるときには、収容体30L,30Rの先端部を案内釘群32L,32Rの下端の案内領域に近接し、且つ、大入賞口28に入賞する可能性が低い、遊技盤12上の位置を落下する複数個の遊技球Bを貯留すること。
(2)図3に示すように、収容体30L,30Rが貯留解除状態IIにあるときには、収容体30L,30Rの先端部を大入賞口28の上辺(本実施の形態1では大入賞口28の左肩及び右肩)に近接し、且つ、貯留されていた複数個の遊技球Bを、大入賞口28に入賞する可能性の高い、遊技盤12上の位置に一気に解放すること。
【0035】
なお、図2及び図3においては、説明の便宜上、障害釘及び一般入賞口等を省略して示している。
【0036】
ここに、特別遊技とは、大当たりモード及び確率変動モードを含む概念である。大当たりモードとは、通常遊技よりも短時間で多数の賞球を獲得できるモードである。この大当たりモードに移行するための条件とは、可変表示ゲームにおいて、主表示部21Aに表示されている複数の図柄がそれぞれ変動・停止し、停止した際の図柄の組み合わせが第1の特定の組み合わせ(例えば、「7」、「7」、「7」等のゾロ目)になることをいう。一方、確率変動モードとは、大当たりモードに移行する確率が通常遊技よりも高くなるモードである。この確率変動モードに移行するための条件とは、大当たりモード中の可変表示ゲームにおいて、主表示部21Aに表示されている複数の図柄が変動・停止し、停止した際の図柄の組み合わせが第2の特定の組み合わせ(例えば、「3」、「3」、「3」等のゾロ目)になることをいう。
【0037】
また、可変表示ゲームとは、上述したように、遊技球Bが始動口25に入賞することを契機として、表示装置21の主表示部21A上で複数の図柄を変動表示させた後、所定のタイミングでこれらの図柄を停止表示させ、停止図柄の組み合わせが上記特定の組み合わせになるか否かを抽選するゲームである。
【0038】
1−2.遊技球収容体
図4を参照して、遊技球収容体30L,30Rは、先端面及び上面が開口されている樋状部材であって、その長さ寸法は、本実施の形態1では3個の遊技球Bを貯留できる長さに設定されている。収容体30L,30Rの先端部は、当該収容体30L,30Rが貯留状態Iにあるときに、案内釘群32L,32Rによって案内されてきた複数個の遊技球Bを受け止め易いように、上から下に向かって斜めにカットされている。一方、収容体30L,30Rの後端部には、ストッパー33L,33Rが嵌め込まれている。このストッパー33L,33Rは、貯留した遊技球Bが収容体30L,30Rの後端部から抜け落ちるのを防止するためのものであって、回転中心軸31L,31Rが挿通されている。なお、収容体30L,30Rの長さ寸法は、収容体30L,30Rの回動時に、当該収容体30L,30R同士が互いに干渉せず且つ当該収容体30L,30Rが開成状態にあるシャッター29に衝突することなく、円滑に回動できる長さであればよい。すなわち、この長さ制限を満足する限り、収容体30L,30R内に3個以上の遊技球Bを貯留させることができる。
【0039】
2. 電気的構成
図5を参照して、制御装置100は、CPU200、ROM300、及びRAM400を備えている。
【0040】
CPU200は、本パチンコ遊技機10の制御中枢を司るものであって、ROM300に記憶されているプログラムに従って種々の制御を行う。CPU200の制御対象は、装飾ランプ14L,14R、スピーカー17、発射モーター19、表示装置21、保留ランプ24A〜24D、可動片27L,27Rの駆動源であるソレノイド500、シャッター29の駆動源であるソレノイド600、及び遊技球収容体30L,30Rの駆動源であるパルスモーター700L,700Rである。これら各制御対象要素に対して、CPU200は、制御信号を与える。
【0041】
CPU200には、発射ハンドル18の操作角度を示す信号、球通過検出器23L,23Rの検出信号、始動口入賞センサー26のセンシング出力、及び大入賞口入賞センサー800A,800Bのセンシング出力が与えられる。
【0042】
第1の大入賞口入賞センサー800Aは、遊技球Bが大入賞口28の通常球通過孔に入球したか否かを検出するためのものであって、通常球通過孔に関連して設けられている。一方、第2の大入賞口入賞センサー800Bは、遊技球Bが大入賞口28の特定球通過孔に入球したか否かを検出するためのものであって、特定球通過孔に関連して設けられている。
【0043】
加えて、CPU200は、以下の機能を有している。
(1)発射モーター19への累積電力供給時間、始動口25の開放時間、及び特別遊技中での大入賞口28の開放時間Tを計時するタイマー機能
(2)遊技球Bの累積入賞球数、及び特別遊技中での遊技球Bの大入賞口28への通算の入賞球数Nを計数するカウンター機能
【0044】
発射ハンドル18の操作角度信号が供給されると、CPU200は、その操作角度信号に順じた電力を発射モーター19に与える。そうすると、モーター19は、ハンドル18の操作角度に則した駆動力を以って駆動される。その結果、遊技球Bは、ハンドル18の操作角度に応じた強度で遊技盤12に向かって発射される。
【0045】
球通過検出器23L,23Rの検出信号が供給されると、CPU200は、表示装置21の副表示部21B上で普通図柄を変動表示及び停止表示させる。普通図柄が所定の図柄で停止表示されると、CPU200は、ソレノイド500を励磁する。そうすると、可動片27L,27Rは開成する。その結果、始動口25が開放状態となる。所定時間が経過すると、CPU200は、ソレノイド500を消磁する。そうすると、可動片27L,27Rは閉成する。その結果、始動口25が閉鎖状態となる。
【0046】
始動口入賞センサー26のセンシング出力が供給されると、CPU200は、表示装置21の主表示部21A上で複数の図柄を変動表示及び停止表示させて可変表示ゲームを実行させる。停止表示された際の図柄の組み合わせが特定の組み合わせになると、CPU200は、ソレノイド600を励磁する。そうすると、シャッター29は開成する。その結果、大入賞口28が開放される。このとき、CPU200は、大入賞口入賞センサー800A,800Bのセンシング出力に基づき遊技球Bの大入賞口28への入賞球数Nを計数すると共に、大入賞口28の開放時間Tを計時する。上記入賞球数Nがノルマ球数n或いは上記開放時間Tが所定時間t1に達すると、CPU200は、ソレノイド600を消磁する。そうすると、シャッター29は閉成する。その結果、大入賞口28が閉鎖される。
【0047】
遊技球Bの大入賞口28への入賞球数Nが貯留解除球数n1(<n)或いは大入賞口28の開放時間Tが貯留解除時間t2(<t1)に達すると、CPU200は、パルスモーター700L,700Rに正転信号を与える。そうすると、遊技球収容体30L,30Rは下方回動する。この収容体30L,30Rの回動が下死点に達すると、CPU200は、パルスモーター700L,700Rに停止信号を与える。その結果、収容体30L,30Rは貯留解除状態IIとなる。その後、上記大入賞口28の閉鎖要件が成立するに伴って、当該大入賞口28が閉鎖すると、CPU200は、パルスモーター700L,700Rに逆転信号を与える。そうすると、遊技球収容体30L,30Rは上方回動する。この収容体30L,30Rの回動が上死点(原点又はホームポジション)に達すると、CPU200は、パルスモーター700L,700Rに停止信号を与える。その結果、収容体30L,30Rは貯留状態Iに戻る。
【0048】
上記可変表示ゲームが実行されている際に、始動口入賞センサー26のセンシング出力が更に供給されると、CPU200は、遊技球Bの始動口25への入賞回数を可変表示ゲームの保留回数としてRAM400に書き込み、4回の保留回数を上限として保留ランプ24A〜24Dを点灯させる。
【0049】
ROM300には、本パチンコ遊技機10の遊技全体の流れを制御する遊技プログラムが格納されている。特に、この遊技プログラムは、上述した如く、特別遊技において、遊技球収容体30L,30Rを貯留状態Iから貯留解除状態IIに移行するタイミングを大入賞口28の開閉動作インターバルに関連付け、収容体30L,30Rから解放された遊技球Bが大入賞口28に入賞する必然性を高めるようにプログラミングされている。具体的には、上記遊技プログラムには、以下の記述が含まれている。
(1)特別遊技中に大入賞口28が開放されてから閉鎖される少し前に、収容体30L,30Rを貯留状態Iから貯留解除状態IIに移行させるための手順を示す記述
(2)特別遊技中に大入賞口28が閉鎖されている間、収容体30L,30Rを貯留状態Iにするための手順を示す記述
【0050】
加えて、ROM300は、主表示部21Aにおいて可変表示ゲームが行われるときに変動表示及び停止表示される図柄画像データ、画像により遊技を演出するための演出画像データ、効果音により遊技を演出する等するための音データ、制御プログラムを実行するための初期データ、並びに装飾ランプ14L,14R及び保留ランプ24A〜24Dの作動を制御するためのプログラム等が記憶されている。それゆえ、CPU200は、ROM300に格納されている所定のプログラムを読み出し、この読み出したプログラムを実行することにより、演算処理を行う。この演算結果に基づいて、CPU200は、主として、以下の制御を行う。
(1)図柄画像データ及び演出画像データを、電子データとして主表示部21Aに伝送する。
(2)音データを、電子データとしてスピーカー17に伝送する。
(3)図柄画像データを読み出し、主表示部21Aにおいて図柄を変動表示し、その後、所定のタイミングで図柄を停止表示する。
【0051】
上記(1)及び(3)の制御により、主表示部21Aには、変動図柄と演出画像とを合成した画像が表示されると共に、リーチ等の報知画像が表示される。
【0052】
演出画像データは、キャラクター画像データ、背景画像データ、及び動画画像データを含む概念であって、動画像、及び静止画像、若しくはこれらの組み合わせ画像を演出画像として主表示部21Aに表示する際に利用される。一方、音データは、遊技の演出や遊技状態の変化を報知するものであって、スピーカー17から効果音を発する際に利用される。
【0053】
RAM400は、CPU200と互いにインターフェイスをとっており、CPU200のワーキングエリアとして機能する。換言すると、RAM400では、制御に必要なフラグや変数の値が記憶されており、CPU200により、当該フラグや変数の値の書き込み及び読み出しが行われる。それゆえ、RAM400には、遊技の履歴に関連するデータ(累積リーチデータ、累積変動数、累積大当たり回数、及び遊技球Bの累積入賞回数を含む)、新たな入力データ、及びCPU200の演算結果データ等が格納される。
【0054】
3. 制御の流れ
3−1.可変表示ゲーム処理に関連する制御の流れ
図6を参照して、可変表示ゲームを実行するに先立って、CPU200は、遊技球Bが始動口25に入賞するのを待つ(ステップS1)。換言すると、CPU200は、始動口入賞センサー26のセンシング出力が供給されるのを待つ。遊技球Bが始動口25に入賞すると、CPU200は、可変表示ゲームを開始する。このとき、CPU200は、表示装置21の主表示部21Aにおいて表示されていた初期画面を通常画面に切り替える。ここに、初期画面とは、可変表示ゲームが実行されていないときに主表示部21Aに表示される画面である。一方、通常画面とは、可変表示ゲームが開始されてから特別遊技に至るまでに主表示部21Aに表示される画面である。なお、可変表示ゲーム実行中には、キャラクター画像及び背景画像等による演出画面も主表示部21Aに表示される。
【0055】
可変表示ゲームが開始されると、まず、CPU200は、内部抽選処理を行う(ステップS2)。この内部抽選処理とは、複数の組に属する変動図柄を全て停止させ、停止表示された図柄が確定したときの図柄の組み合わせを予め決定する処理である。このとき、CPU200は、主表示部21Aに背景画像を表示させる。
【0056】
上記内部抽選処理が終了すると、CPU200は、主表示部21Aにおいて図柄を変動表示させる(ステップS3)。このとき、CPU200は、主表示部21Aにキャラクター画像を表示させる。
【0057】
上記図柄の変動表示処理が終了すると、CPU200は、図柄の変動を停止させるタイミングになるのを待つ(ステップS4)。このタイミングになると、CPU200は、主表示部21Aにおいて変動表示されている図柄を順次停止表示させる(ステップS5)。この時点で、可変表示ゲームは終了する。
【0058】
上記図柄の停止表示処理が終了すると、CPU200は、主表示部21Aにおいて全ての図柄が停止表示されるのを待つ(ステップS6)。全ての図柄が停止表示されると、CPU200は、可変表示ゲームを終了すると共に、停止図柄の組み合わせが特別遊技役の入賞を示す図柄の組み合わせ(特定の組み合わせ)と一致するか否かを判別する(ステップS7)。ここで、停止図柄の組み合わせが特定の組み合わせになった場合には、CPU200は、遊技状態を特別遊技に移行させ、特別遊技処理を行う(ステップS8)。一方、停止図柄の組み合わせが特定の組み合わせにならなかった場合には、CPU200は、処理をステップS1に戻し、再度、遊技球Bが始動口25に入賞するのを待つ。
【0059】
なお、背景画像及びキャラクター画像の表示は、主表示部21Aにおいて全ての図柄が停止表示されるまで繰り返し行われる。
【0060】
3−2.特別遊技処理に関連する制御の流れ
図7を参照して、特別遊技に移行すると、まず、CPU200は、上限ラウンド数RN(例えば、16ラウンド)を設定する(ステップS8−1)。このとき、遊技球Bの大入賞口28への入賞球数Nは、初期値「0」に設定されている。
【0061】
上記ラウンド数の設定処理が終了すると、CPU200は、大入賞口28を開放する(ステップS8−2)。具体的には、CPU200は、ソレノイド600を作動させてシャッター29を開成することによって、大入賞口28を開放する。
【0062】
上記大入賞口の開放処理が終了すると、CPU200は、遊技球Bが大入賞口28に入賞するのを待つ(ステップS8−3)。遊技球Bが大入賞口28に入賞すると、CPU200は、大入賞口入賞センサー800A,800Bのセンシング出力に基づいて、遊技球Bの大入賞口28への入賞球数Nを加算する(ステップS8−4)。このとき、CPU200は、表示装置21の主表示部21A上に通算の入賞球数Nを示す画像を表示させる。
【0063】
上記入賞球数の加算処理が終了すると、CPU200は、遊技球Bの大入賞口28への入賞球数Nがノルマ球数n(例えば、10球)或いは大入賞口28の開放時間Tが所定時間t1(例えば、30秒)に達したか否かを判別する(ステップS8−5及びステップS8−6)。ここで、上記ノルマ球数n或いは上記所定時間t1に達していない場合には、CPU200は、遊技球Bの大入賞口28への入賞球数Nが貯留解除球数n1(例えば、8球)或いは大入賞口28の開放時間Tが貯留解除時間t2(例えば、28秒)に達しているか否かを判別する(ステップS8−7及びステップS8−8)。上記貯留解除球数n1或いは上記貯留解除時間t2に達した場合には、CPU200は、遊技球収容体30L,30Rを貯留状態Iから貯留解除状態IIに移行させる(ステップS8−9)。具体的には、CPU200は、パルスモーター700L,700Rを駆動させて収容体30L,30Rを下死点まで下方回動させることによって、当該収容体30L,30Rを貯留解除状態IIとする。そうすると、収容体30L,30Rに貯留されていた複数個の遊技球Bが大入賞口28に向かって一気に解放される。その後、CPU200は、処理をステップS8−3に戻す。一方、上記貯留解除球数n1に達しておらず、且つ、上記貯留解除時間t1に未だ達していない場合には、CPU200は、遊技球収容体30L,30Rを貯留解除状態IIに移行させることなく、処理をステップS8−3に戻す。
【0064】
その後、上記ステップS8−5及びステップS8−6において、遊技球Bの大入賞口28への入賞球数Nがノルマ球数n或いは大入賞口28の開放時間Tが所定時間t1に達した場合には、CPU200は、大入賞口28を閉鎖する(ステップS8−10)。具体的には、CPU200は、ソレノイド600を作動させてシャッター29を閉成することによって、大入賞口28を閉鎖する。
【0065】
上記大入賞口の閉鎖処理が終了すると、CPU200は、遊技球収容体30L,30Rを貯留解除状態IIから貯留状態Iに戻す(ステップS8−11)。具体的には、CPU200は、パルスモーター700L,700Rを作動させて収容体30L,30Rを上死点まで上方回動させることによって、当該収容体30L,30Rを貯留状態Iに移行させる。これにより、収容体30L,30Rには、次に貯留解除状態IIに移行されるまで、遊技盤12上を落下してきた複数個の遊技球Bが貯留される。その後、CPU200は、ラウンド数RNを「1」ディクリメントする(ステップS8−12)。
【0066】
上記ラウンド数のディクリメント処理が終了すると、CPU200は、第2の大入賞口入賞センサー800Bのセンシング出力に基づいて、上記ステップS8−2において大入賞口28が開放されてから上記ステップS8−10において大入賞口28が閉鎖されるまでの間に、大入賞口28の特定球通過孔を遊技球Bが通過したか否かを判別する(ステップS8−13)。ここで、特定球通過孔を通過した遊技球Bがあった場合には、CPU200は、最終ラウンドをクリアーしたか否かを判別する(ステップS8−14)。未だ最終ラウンドをクリアーしていない場合には、CPU200は、処理をステップS8−2に戻し、再度、大入賞口28を開放して次のラウンドに備える。一方、最終ラウンドをクリアーした場合には、CPU200は、遊技状態を通常遊技に戻して通常遊技処理を行う(ステップS8−15)。
【0067】
上記ステップS8−13において、大入賞口28の特定球通過孔を通過した遊技球Bがなかった場合には、消化ラウンド数に関係なく、処理を強制的にステップS8−15に移し、通常遊技処理を行う。
【0068】
なお、通常遊技の処理内容については、従来公知の処理内容と同様であるので、その説明を省略する。
【0069】
4.作用・効果
本実施の形態1によると、以下の作用・効果を奏する。
【0070】
(1)特別遊技において、遊技球収容体30L,30Rを貯留状態Iから貯留解除状態IIに移行するタイミングを大入賞口28の開閉動作インターバルに関連付け、当該数収容体30L,30Rから解放された複数個の遊技球Bが大入賞口28に入賞する必然性を高めるようになっている。具体的には、収容体30L,30Rは、遊技盤12上において、貯留していた複数個の遊技球Bを解放したときに当該遊技球Bが大入賞口28に入賞可能となる位置に設けられている。収容体30L,30Rは、特別遊技中に大入賞口28が開放されたことを条件として、貯留状態Iから貯留解除状態IIに移行される。そうすると、収容体30L,30Rに貯留されていた複数個の遊技球Bは、大入賞口28に向かって一気に解放される。これにより、大入賞口28の開放に伴って、大量の遊技球Bを当該大入賞口28に入賞させることができる。そのため、特別遊技の消化に要する時間が短縮される。その結果、遊技の回転率を向上させることができる。
【0071】
(2)遊技球収容体30L,30Rの貯留状態Iは、特別遊技中に大入賞口28が閉鎖されている間は維持される。これにより、収容体30L,30Rは、特別遊技中に大入賞口28が閉鎖されている間に、アウト球となる可能性の高い遊技球Bを入賞球とし得る。そのため、遊技球Bの大入賞口28への入賞確率を高めることができる。その結果、特別遊技の消化時間をより短縮できる。
【0072】
(3)遊技球収容体30L,30Rが貯留状態Iにあるときには、当該収容体30L,30Rの先端部を案内釘群32L,32Rの下端の案内領域に近接させることによって、大入賞口28に入賞する可能性が低い、遊技盤12上の位置を落下する複数個の遊技球Bを貯留できるようになっている。一方、遊技球収容体30L,30Rが貯留解除状態IIにあるときには、当該収容体30L,30Rの先端部を大入賞口28の上辺(左肩及び右肩)に近接させることによって、貯留されていた複数個の遊技球Bを、大入賞口28に入賞する可能性の高い、遊技盤12上の位置に一気に解放するようになっている。これにより、収容体30L,30Rは、アウト球となる可能性の高い遊技球Bをより確実に貯留してより確実に大入賞口28へ入賞させる。そのため、遊技球Bの大入賞口28への入賞確率をより一層高めることができる。その結果、特別遊技の消化時間をより一層短縮できる。
【0073】
(4)特に、遊技球収容体30L,30Rは、特別遊技中において大入賞口28が開放されてから閉鎖される少し前に、貯留状態Iから貯留解除状態IIに移行される。そのため、ある程度の遊技技術を持っている遊技者であれば、特別遊技の規定ラウンド数を比較的簡単にクリアーできる。加えて、特別遊技中に遊技者にスリル感を与えて、独特の特別遊技状態を創出することができる。
【0074】
<実施の形態2>
1.特徴
本発明の本実施の形態2に係るパチンコ遊技機10の特徴は、特別遊技において、最終ラウンドに到達するまでのあるラウンドでの大入賞口28への入賞球数Nが貯留解除球数n1(例えば、8球)よりも少ないn2(例えば、1<n2≦5)であった場合には、次のラウンドにおいて、大入賞口28が開放されてから閉鎖される少し前に、遊技球収容体30L,30Rを貯留状態Iから貯留解除状態IIに移行させる点にあり、その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0075】
2.制御の流れ
図8を参照して、特別遊技に移行すると、まず、CPU200は、上限ラウンド数RNを設定し(ステップS8−1)、大入賞口28を開放する(ステップS8−2)。その後、CPU200は、遊技球Bが大入賞口28に入賞するのを待つ(ステップS8−3)。遊技球Bが大入賞口28に入賞すると、CPU200は、大入賞口28への入賞球数Nを加算する(ステップS8−4)。
【0076】
上記入賞球数の加算処理が終了すると、CPU200は、遊技球Bの大入賞口28への入賞球数Nがノルマ球数n(>n1>n2)或いは大入賞口28の開放時間Tが所定時間t1に達したか否かを判別する(ステップS8−5及びステップS8−6)。ここで、上記ノルマ球数n或いは上記所定時間t1に達している場合には、CPU200は、大入賞口28を閉鎖する(ステップS8−7)。この時点で1ラウンドが終了する。
【0077】
上記大入賞口の閉鎖処理を終了すると、CPU200は、前のラウンドで遊技球収容体30L,30Rを貯留解除状態IIに移行させたか否かを判別する(ステップS8−8)。ここで、前のラウンドで収容体30L,30Rを貯留状態Iに移行させた場合には、CPU200は、収容体30L,30Rを貯留状態Iに戻し(ステップS8−9)、その後、処理をステップS8−10に移す。一方、前のラウンドで収容体30L,30Rを貯留解除状態IIに移行させなかった場合には、収容体30L,30Rを稼動させることなく、処理をステップS8−10に移す。なお、第1ラウンドでは、収容体30L,30Rが貯留解除状態IIに移行されることはないので、収容体30L,30Rは、貯留状態Iに戻されることはない。
【0078】
ステップS8−10に移行すると、CPU200は、ラウンド数RNを「1」ディクリメントする。その後、CPU200は、上記ステップS8−2において大入賞口28が開放されてから上記ステップS8−7において大入賞口が閉鎖されるまでの間に、大入賞口28の特定球通過孔を遊技球Bが通過したか否かを判別する(ステップS8−11)。ここで、特定球通過孔を通過した遊技球Bがあった場合には、CPU200は、最終ラウンドをクリアーしたか否かを判別する(ステップS8−12)。未だ最終ラウンドをクリアーしていない場合には、CPU200は、前のラウンドでの遊技球Bの大入賞口28への入賞球数NをRAM400に書き込んでストアーさせる(ステップS8−14)。このRAM400にストアーされている入賞球数Nは、ラウンドが終了する度に書き換えられ、更新される。その後、CPU200は、処理をステップS8−2に戻し、再度、大入賞口28を開放して次のラウンドに備える。一方、最終ラウンドをクリアーした場合には、CPU200は、遊技状態を通常遊技に戻して通常遊技処理を行う(ステップS8−13)。
【0079】
上記ステップS8−11において、大入賞口28の特定球通過孔を通過した遊技球Bがなかった場合には、CPU200は、消化ラウンドに関係なく、処理を強制的にステップS8−13に移して通常遊技処理を行う。
【0080】
次のラウンドに投入された後、上記ステップS8−5及び上記ステップS8−5において、遊技球Bの大入賞口28への入賞球数Nがノルマ球数n或いは大入賞口28の開放時間Tが所定時間t1に未だ達していない場合には、CPU200は、前のラウンドでの遊技球Bの大入賞口28への入賞球数NをRAM400から読み出し、この読み出した当該入賞球数Nがn2以下であったか否かを判別する(ステップS8−15)。ここで、上記前のラウンドでの入賞球数Nがn2以下であった場合には、CPU200は、現在のラウンドでの遊技球Bの大入賞口28への入賞球数Nが貯留解除球数n1(>n2>n)或いは大入賞口28の開放時間Tが貯留解除時間t2(<t1)に達しているか否かを判別する(ステップS8−16及びステップS8−11)。上記現在のラウンドでの入賞球数Nが貯留解除球数n1或いは上記貯留解除時間t2に達している場合には、CPU200は、遊技球収容体30L,30Rを貯留状態Iから貯留解除状態IIに移行させ(ステップS8−18)、その後、処理をステップS8−3に移す。一方、上記ステップS8−15において、上記前のラウンドでの入賞球数Nがn2以上であった場合、並びに上記ステップS8−16及びステップS8−17において、上記現在のラウンドでの入賞球数Nが貯留解除球数n1に未だ達しておらず、且つ、上記貯留解除時間t2に未だ達していない場合には、CPU200は、遊技球収容体30L,30Rを貯留解除状態IIに移行させることなく、処理をステップS8−3に移す。
【0081】
その後、上記ステップS8−5及びステップS8−6において、遊技球Bの大入賞口28への入賞球数Nがノルマ球数n或いは大入賞口28の開放時間Tが所定時間t1に達した場合には、CPU200は、大入賞口28を閉鎖する(ステップS8−7)。
【0082】
上記大入賞口の閉鎖処理が終了すると、CPU200は、上記ステップS8−8及びステップS8−9の処理を行い、その後、ラウンド数を「1」ディクリメントする(ステップS8−10)。このとき、例えば、第1ラウンドでの遊技球Bの大入賞口28への入賞球数Nがn2以下であった場合には、第2ラウンドでは、遊技球収容体30L,30Rが貯留解除状態IIに移行されることになる。それゆえ、大入賞口28の閉鎖に伴って第2ラウンドが終了したときには、収容体30L,30Rは、貯留解除状態IIから貯留状態Iに戻される。
【0083】
その後、CPU200は、上記ステップS8−11及びステップS8−12の処理を行うことによって、次のラウンドへの進行を許容するか、或いは、遊技状態を通常遊技に戻すか否かを判別し、この判別結果に基づいて、上述したように、遊技状態を制御する。
【0084】
3.作用・効果
本実施の形態2によると、実施の形態1の(1)〜(3)の作用・効果と同様の作用・効果を奏することに加えて、以下の作用・効果を奏する。
【0085】
すなわち、特別遊技において、最終ラウンドに到達するまでのあるラウンドでの遊技球Bの大入賞口28への入賞球数Nが貯留解除球数n1よりも少ないn2で終了した場合には、次のラウンドにおいて、大入賞口28が開放されてから閉鎖される少し前に、遊技球収容体30L,30Rを貯留状態Iから貯留解除状態IIに移行することによって、当該収容体30L,30Rに貯留されていた複数個の遊技球Bが大入賞口28に向かって一気に解放されるようになっている。そのため、あるラウンドで賞球の取りこぼしがあっても、次のラウンドにおいて、前のラウンドでの賞球の取りこぼしをカバーできる。換言すると、前のラウンドでの賞球の取りこぼしは、次のラウンドで救済される。その結果、特別遊技において獲得できる賞球数は、遊技技術レベルが相対的に低い遊技者と、遊技技術レベルが相対的に高い遊技者との間で顕著な差が現れることはない。
【0086】
なお、本発明は上記実施の形態1及び実施の形態2に限定されるものではない。
【0087】
(1)上記実施の形態1及び実施の形態2において、特別遊技中に大入賞口28が開放されてから閉鎖されるまでの間に、遊技球収容体30L,30Rを間欠的に上下方向に回動させ、当該収容体30L,30Rの貯留状態I及び貯留解除状態IIへの切り替えを繰り返し行うようにしても、本発明の目的は十分に達成し得る。
【0088】
(2)上記実施の形態1及び実施の形態2において、図9に示すように、樋状の遊技球収容体30L,30Rの両側壁に切欠34L,34Rを設けることによって、遊技盤12上を落下してきた遊技球Bに対する受止面積を実質的に拡げてもよい(変形例1)。この場合、収容体30L,30Rが貯留状態Iにあるときには、遊技盤12上を落下してきた遊技球Bが当該収容体30L,30R内に貯留される確率が増す。
【0089】
(3)上記実施の形態1及び実施の形態2において、図10に示すように、遊技球収容体30L,30Rとして風車状部材を採用しても、本発明の目的は十分に達成し得る(変形例2)。具体的には、この風車状の収容体30L,30Rは、軸31L,31Rに挿通される中央ボス50L,50Rを有する円盤51L,51Rと、円盤51L,51Rの中央ボス50L,50Rから当該円盤51L,51Rの円周方向に向かって放射状に延びる3枚の羽根52L,52Rとを備えている。図10(A)及び図10(B)に示すように、収容体30L,30Rが貯留状態Iにあるときには、遊技盤12上を落下してきた複数個の遊技球Bは、2枚の羽根の間に貯留される。一方、図10(C)及び図10(D)に示すように、収容体30L,30Rが貯留解除状態IIにあるときには、上記2枚の羽根の間に貯留されていた複数個の遊技球Bは、大入賞口28に向かって解放される。
【0090】
その他、本発明の請求の範囲内での種々の設計変更及び修正を加え得ることは勿論である。
【0091】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明によると、特別遊技の消化に要する時間を短縮して、遊技の回転率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るパチンコ遊技機の外観構成を簡略化して示す正面図
【図2】 遊技盤の拡大正面図であって、遊技球収容体が遊技球を貯留している状態を示す
【図3】 遊技盤の拡大正面図であって、遊技球収容体が貯留していた遊技球を解放している状態を示す
【図4】 遊技球収容体の拡大正面図であって、同図(A)は左側の遊技球収容体が遊技球を貯留している状態を示しており、同図(B)は右側の遊技球収容体が遊技球を貯留している状態を示す
【図5】 パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図
【図6】 可変表示ゲームに関連する制御の流を示すフローチャート
【図7】 特別遊技に関連する制御の流を示すフローチャート
【図8】 本発明の実施の形態2に係るパチンコ遊技機の特別遊技に関連する制御の流を示すフローチャート
【図9】 変形例1に係る遊技球収容体の正面図であって、遊技球を貯留している状態を示す
【図10】 変形例2に係る遊技球収容体の構成を示しており、同図(A)は貯留状態Iにあるときの正面図、同図(B)は貯留状態にあるときの側面図、同図(C)は貯留解除状態にあるときの正面図、同図(C)は貯留解除状態にあるときの側面図
【図11】 従来のパチンコ遊技機に係る遊技盤の正面図
【符号の説明】
10 パチンコ遊技機
12 遊技盤
18 発射ハンドル
19 発射モーター
21 表示装置
21A 主表示部
21B 副表示部
22 大入賞装置
25 始動口
28 大入賞口
29 シャッター
30L,30R 遊技球収容体
31L,31R 軸
32L,32R 案内釘群
100 制御装置
200 CPU
300 ROM
400 RAM
600 ソレノイド
700L,700R パルスモーター
800A,800B 大入賞口入賞センサー
B 遊技球
I 貯留状態
II 貯留解除状態

Claims (7)

  1. 遊技盤と、
    前記遊技盤上に設けられ、遊技者に有利な特別遊技中に開閉可能とされる大入賞口と、
    前記遊技盤上を落下してきた複数個の遊技球を貯留及び貯留解除可能とし、貯留した遊技球を解放したときに当該遊技球が前記大入賞口に入賞可能となる前記遊技盤上の位置に設けられている遊技球収容体と、
    前記遊技球収容体を稼動させることにより、遊技球を貯留できる貯留状態と遊技球の貯留を解放できる貯留解除状態とを可逆的に移行する収容体制御手段とを備え、
    前記遊技球収容体は、先端面及び上面が開口されている樋状部材で構成され、
    前記収容体制御手段は、特別遊技中に前記大入賞口が開放されたことを条件に、前記遊技球収容体を貯留状態から貯留解除状態へ移行させることを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技球収容体の長さ寸法は、複数個の遊技球を貯留できる長さに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記遊技球収容体が貯留状態にあるとき、前記遊技球収容体の後端部には、貯留した遊技球が抜け落ちるのを防止するためのストッパーが嵌め込まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記遊技球収容体が貯留状態にあるとき、前記遊技球収容体の先端部は、斜めにカットされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の遊技機。
  5. 前記遊技機は、前記遊技盤上を落下してきた遊技球を前記遊技球収容体内に案内するための案内釘群を更に備え、
    前記案内釘群は、釘間距離が下方に向かうに従って漸次縮小することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の遊技機。
  6. 前記収容体制御手段は、特別遊技中に前記大入賞口が閉鎖されている間、前記遊技球収容体を貯留状態にすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の遊技機。
  7. 前記遊技球収容体は、前記大入賞口に入賞する可能性の低い前記遊技盤上の位置を落下する遊技球を貯留し、貯留解除状態に移行することにより貯留された遊技球を前記大入賞口に入賞する可能性の高い前記遊技盤上の位置に解放することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の遊技機。
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